JP6582550B2 - シングルキャビティ式トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のシングルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図3に示すように、入力側ディスク2の背面側に、入力側ディスク2を出力側ディスク3側に押し付ける押圧機構としてのローディングカム機構6が設けられている。ローディングカム機構6は、カムディスク4とカムローラ5とを備えている。カムディスク4は入力軸1に対してスプライン係合し、カムローラ5はカムディスク4と入力側ディスク2との間に設けられている。そして、カムローラ5がカムディスク4と入力側ディスク2に設けられたカム面を転動することによって、入力側ディスク2を出力側ディスク3に向って押圧するようになっている。
また、特許文献2に記載のシングルキャビティ式トロイダル型無段変速機では、油圧ローディング機構12が、入力側ディスク2の背面側において、入力軸1の外周に同軸に配設した筒部26と、筒部26の外周に一体形成した円盤部28と、円盤部28の外周から入力軸1の軸線方向に延在する環状縁部29とを有するシリンダ24を備えているので、このシリンダ24の軸方向の長さ寸法の分、バリエータの軸方向の寸法が長くなるとともに、シリンダによって重量増となる。
前記押圧機構は、前記第2ディスクの背面と前記軌道輪との間に油密に設けられた油圧室とを備えていることを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態に係るシングルキャビティ式トロイダル型無段変速機を示す断面図である。
図1に示すように、本実施の形態のシングルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図示しないエンジン等を含む駆動源によって回転駆動されるトルク入力軸としての入力軸1と、入力軸1に軸方向に固定された状態で取り付けられて、当該入力軸1とともに回転する入力側ディスク(第1ディスク)2と、入力軸1に回転可能にかつ軸方向に移動可能に取り付けられている出力側ディスク(第2ディスク)3と、これら入力側ディスク2および出力側ディスク3の互いに対向する円弧形状の凹面間に挟持される回転自在なパワーローラ7とを備えたトロイダル変速機構(バリエータ)10と、出力側ディスク3を入力側ディスク2側に向けて押圧する押圧機構20とを備えている。
遊星歯車機構30は、太陽歯車31と、遊星歯車32と、キャリア33と、リング歯車34とを備えて構成されている。太陽歯車31は入力軸1に同軸に、かつ、入力軸1に対して回転可能に設けられ、当該太陽歯車31には図示しない出力軸が、入力軸1と同軸に連結されている。
遊星歯車32は、太陽歯車31の周囲に周方向に所定間隔で複数設けられ、当該太陽歯車31に噛合している。
キャリア33には、入力軸1に回転可能に設けられた軌道輪35が係合しており、この軌道輪35によって、キャリア33が回転可能に支持されている。
軌道輪35の左側にはリング状の受け部材36が入力軸1と同軸に設けられており、この受け部材36は、入力軸1に固定された規制部材37によって、左方への移動が規制されている。なお、規制部材37は入力軸1に形成された溝に嵌め込まれたうえで、固定リング39によって固定されている。また、固定リング39にはバネ押え40が設けられ、このバネ押え40と受け部材36との間に皿バネ41が設けられ、この皿バネ41によって受け部材36が右方に付勢されている。
このような構成の遊星歯車機構30では、リング歯車34が出力側ディスク3によって回転すると、遊星歯車32がキャリア33とともに、太陽歯車31の軸回りに回転移動し、これによって、太陽歯車31が回転して、出力軸(図示略)が回転するようになっている。
すなわちまず、出力側ディスク3の背面側には、スラスト軸受43と隣接しかつ同軸にスラスト軸受(軸受)45が設けられている。このスラスト軸受45は、スラスト荷重を受けるものであり、前記キャリア33を回転自在に支持する軌道輪35と、この軌道輪35に対向して当該軌道輪35と同軸に設けられた軌道輪46と、転動体としての複数の玉47と、当該複数の玉47を周方向に所定間隔で保持する保持器47aとによって構成されている。つまり、スラスト軸受45とスラスト軸受43とは、軌道輪35が共通となっている。
すなわちまず、出力側ディスク3の背面には、円孔状の凹所50が出力側ディスク3と同軸に、かつ軸方向に窪んで設けられている。
一方、スラスト軸受45の軌道輪46は凹所50の入口部に挿入されている。軌道輪46はドーナツ板状に形成され、その直径は凹所50の内径とほぼ等しいか若干小さくなっており、中央の孔の内径は入力軸1の直径とほぼ等しいか若干大きくなっており、当該孔に入力軸1が挿通されている。
また、出力側ディスク3の内径面に周方向に延在して設けられた凹溝にリング状のシール部材46cが嵌め込まれており、このシール部材46cが入力軸1の外周面に油密に摺接している。
これによって、凹所50には、軌道輪46と凹所50の底面との間に油圧室51が油密に設けられている。
つまり、軌道輪46は、玉47、軌道輪35、玉42を介して、受け部材36によって出力側ディスク3から離れる方向(左方)への移動が規制されているので、油圧室51に生じる油圧によって出力側ディスク3が入力側ディスク2に向けて押圧移動するようになっている。
したがって、従来に比して、バリエータ10の軸方向の寸法を低減できるともに、従来要していたカムディスク、カムローラ、シリンダ等が不要になるので、従来に比して重量を低減できる。
また、本実施の形態では、遊星歯車機構30のキャリア33を回転可能に支持する軌道輪35を一方の軌道輪とするスラスト軸受45の、他方の軌道輪46を凹所50に設ける構成としたが、凹所50に設ける軌道輪は、スラスト軸受45を構成する軌道輪46に限ることはない。例えば、出力側ディスク3からのスラスト荷重を一方の軌道輪で直接受けるような構成の軸受の他方の軌道輪を凹所50に設ける構成としてもよい。
また、本実施の形態では、出力側ディスク3を押圧機構20によって押圧する場合を例にとって説明したが、トロイダル型無段変速機では、入力側ディスクと出力側ディスクの入出力関係を逆にする場合もある。したがって、本発明は入力側ディスクを押圧機構200によって押圧する場合にも適用できる。
2 入力側ディスク(第1ディスク)
3 出力側ディスク(第2ディスク)
4 パワーローラ
20 押圧機構
45 スラスト軸受(軸受)
46 軌道輪
50 凹所
51 油圧室
Claims (1)
- それぞれの内側面どうしを互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転可能に設けられた第1ディスクおよび第2ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、軸方向に固定された前記第1ディスクに向けて前記第2ディスクを軸方向に押圧する押圧機構と、前記第2ディスクの背面側に当該第2ディスクと同軸に設けられて、スラスト荷重を受ける軸受とを備えたシングルキャビティ式トロイダル型無段変速機において、
前記押圧機構は油圧室を備え、
前記油圧室は、前記第2ディスクの背面に設けられた凹所の底面と、前記凹所に設けられた前記軌道輪との間に設けられ、
前記軌道輪の外径面に周方向に延在して設けられた凹溝に、リング状のシール部材が嵌め込まれ、このシール部材が前記凹所の内周面に油密に相対的に摺接していることを特徴とするシングルキャビティ式トロイダル型無段変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015105364A JP6582550B2 (ja) | 2015-05-25 | 2015-05-25 | シングルキャビティ式トロイダル型無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015105364A JP6582550B2 (ja) | 2015-05-25 | 2015-05-25 | シングルキャビティ式トロイダル型無段変速機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016217507A JP2016217507A (ja) | 2016-12-22 |
JP6582550B2 true JP6582550B2 (ja) | 2019-10-02 |
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ID=57580528
Family Applications (1)
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JP2015105364A Active JP6582550B2 (ja) | 2015-05-25 | 2015-05-25 | シングルキャビティ式トロイダル型無段変速機 |
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Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5995101B2 (ja) * | 2013-08-23 | 2016-09-21 | 本田技研工業株式会社 | トロイダル型無段変速機 |
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2015
- 2015-05-25 JP JP2015105364A patent/JP6582550B2/ja active Active
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JP2016217507A (ja) | 2016-12-22 |
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