JP3840851B2 - 記録媒体および楽音信号生成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器あるいはコンピューターミュージック用の波形データの記録に用いて好適な記録媒体および楽音信号生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、電子楽器あるいはコンピューターミュージック用に種々の波形データが提供されている。そして、1セットの音色データをネットワークや記録媒体を介してやりとりできるように、DLS(Downloadable Sound、商標)あるいはサウンドフォント(商標)等の規格が提唱されている。
【0003】
ここで、DLSにおける音色セットファイルのデータ構成を図2(a)に示す。図において100は音色セットファイルであり、INFOチャンク101、WAVE_DATAチャンク102およびPRESET_DATAチャンク103から構成されている。INFOチャンク101には、音色セットファイル100の音色セット名(ここではST_SET7)、作成者の表示、作成日付等、種々の情報が格納される。
【0004】
WAVE_DATAチャンク102には、各種波形データのサンプリング値が記憶されている。そして、PRESET_DATAチャンク103には、音色の具体的な情報が示されている。音色セットファイル100には、一般的に複数の音色データが記憶されており、各音色データは、GM(General MIDI)規格のプログラムチェンジおよびバンクセレクトに対応付けられている。
【0005】
音色セットファイル100のマッピング例を図2(b)に示す。図において横軸はプログラムチェンジ、縦軸はバンクセレクトに対応し、ハッチングを施した領域105に対応して音色データが記憶されていることとする。上述したPRESET_DATAチャンク103においては、各音色に対して「INSTブロック」というデータブロックが設けられている。
【0006】
任意の一音色に対するINSTブロックを図3に示す。図においてINSTブロック110は、ナンバ部111、パラメータ部112、およびポインタ部113から構成されている。ナンバ部111には、上述したプログラムチェンジおよびバンクセレクトが記憶されている。パラメータ部112には、エンベロープ波形、フィルタリング特性、LFO等のパラメータが記憶されている。
【0007】
また、ポインタ部113には、複数のリージョンブロック120,130,……,190を各々指標する複数のポインタが記憶されている。なお、各リージョンブロックは、鍵域(または音高)およびベロシティに応じて異なる波形を発生するために、これら鍵域およびベロシティに対応して設けられている。
【0008】
ここでリージョンブロック120は、上記鍵域およびベロシティの範囲(以下リージョンという)を示すリージョン情報を記憶するリージョン部121と、エンベロープ波形、フィルタリング特性、LFO等のパラメータを記憶するパラメータ部122と、該リージョンに対応する波形データへのポインタを記憶するポインタ部123とから構成される。なお、ポインタ部123によって指標される波形データは、上記WAVE_DATAチャンク102に記憶されている波形データである。
【0009】
リージョンブロック130,……,190も上記リージョンブロック120と同様に構成されている。上述したように、INSTブロック110内のパラメータ部112とリージョンブロック120,130,……,190内のパラメータ部122,132,……,192においては、同一種類のパラメータを定義することが可能である。ここで、ある波形データに対して複数箇所でパラメータが定義されている場合には、INSTブロック110から見て上位のパラメータが優先される。例えば、パラメータ部122およびパラメータ部112において共にエンベロープ波形が定義されている場合は、パラメータ部112の定義が優先される。
【0010】
これは、元々別の音色に対応して作成されたリージョンブロックや波形データを他の音色データとして流用する場合に、パラメータ部112において統一感を確保するためである。従って、一般的には、リージョンブロックのパラメータ部には全パラメータの内容が定義され、INSTブロック110のパラメータ部112においては必要な場合にのみパラメータが定義されることになる。
【0011】
ここで、上記音色セットファイル100を用いて音源(これは専用の音源装置であってもよくパーソナルコンピュータ等で実現してもよい)にて楽音信号を生成する動作を簡単に説明しておく。まず、音源にMIDIのプログラムチェンジイベントまたはバンクセレクトイベントが供給されると、その内容が音源に記憶され、これによってアクセスすべきINSTブロック110が特定される。
【0012】
次に、音源にノートオンイベント(これにはキーコードおよびベロシティが付随する)が供給されると、対応するリージョンブロックが特定され、そのポインタ部によって読み出すべき波形データが特定される。この波形データはキーコードに応じた速度で読み出され、波形データにピッチが付与される。
【0013】
また、対応するリージョンブロックのパラメータ部およびINSTブロック110のパラメータ部112が読み出され、後者を優先しつつ波形データに付与するパラメータが決定される。そして、波形データに対して、決定されたパラメータを付与すると、楽音信号が合成される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した技術においては、楽音信号を合成しうるバリエーションは一個の音色セットファイルによって完結していた。すなわち、ユーザが複数の音色セットファイルを入手したとしても、それぞれのファイル内に存在するパラメータや波形データしか用いることができず、複数の音色セットファイルにまたがって音色を構成することは不可能であった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、多彩な音色を生成できる記録媒体および楽音信号生成方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の構成にあっては、
a.通常音色セットを規定する通常音色セットファイルであって、
a−1.当該通常音色セットを構成する複数の音色で使用される複数の波形データを含 むとともに、
a−2.当該通常音色セットを構成する複数の音色の各々について、
複数の波形データを特定する波形データ特定情報と、
前記波形データ特定情報により特定される複数の波形データのうちから演奏 情報に応じて1つの波形データを選択する選択情報と
でなる通常音色情報
を含む通常音色セットファイルと、
b.参照音色セットを規定する参照音色セットファイルであって、
b−1.前記通常音色セットファイルを特定するための属性情報を含むとともに、
b−2.当該参照音色セットを構成する複数の音色の各々について、
前記属性情報によって特定される前記通常音色セットファイルに含まれる複 数の波形データを特定する参照波形データ特定情報と、
前記参照波形データ特定情報により特定される複数の波形データのうちから 演奏情報に応じて1つの波形データを選択する選択情報と
でなる参照音色情報
を含む参照音色セットファイルと
が記録されていることを特徴とする。
また、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の記録媒体において、
前記参照音色セットファイルに含まれる前記属性情報は、
前記通常音色セットファイルを特定するともに、
当該参照音色セットファイルによって規定される参照音色セットが、当該属性情報によって特定される前記通常音色セットファイルの音色セットに対する追加の音色セットであることを示す
ことを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項1記載の記録媒体において、
通常音色セットファイルに含まれる前記選択情報及び参照音色セットファイルに含まれる前記選択情報は、前記演奏情報に含まれるキーコード及びベロシティと、前記波形データ特定情報により特定される複数の波形データのうちの1つとを対応付ける情報であることを特徴とする。
また、請求項4記載の構成にあっては、請求項1記載の記録媒体において、
前記通常音色セットファイルに含まれる通常音色情報又は前記参照音色セットファイルに含まれる前記参照音色情報には、
各々の前記波形データに対して適用される個別パラメータと、
全ての前記波形データに適用される共通パラメータであって、前記個別パラメータに優先して適用される共通パラメータと
が含まれていることを特徴とする。
また、請求項5記載の構成にあっては、
a.通常音色セットを規定する通常音色セットファイルであって、
a−1.当該音色セットを構成する複数の音色で使用される複数の波形データを含むと ともに、
a−2.当該音色セットを構成する複数の音色の各々について、
複数の波形データを特定する波形データ特定情報と、
前記波形データ特定情報によって特定された複数の波形データのうちから演 奏情報に応じて1つの波形データを選択する選択情報と
でなる通常音色情報
をそれぞれ含む第1及び第2の通常音色セットファイルと、
b.組合せ音色セットを規定する組合せ音色セットファイルであって、
b−1.前記第1の音色セットファイルと前記第2の音色セットファイルとを特定する ための属性情報を含むとともに、
b−2.当該組合せ音色セットを構成する複数の音色の各々について、
前記属性情報によって特定される第1の音色セットファイル乃至第2の音色 セットファイルに含まれる通常音色情報から複数の通常音色情報を特定する 音色情報特定情報と、
前記音色情報特定情報によって特定される複数の通常音色情報のうちから演 奏情報に応じて1つの通常音色情報を選択するための選択情報と
でなる組合音色情報
を含む組合せ音色セットファイルと
が記憶されていることを特徴とする。
また、請求項6記載の構成にあっては、請求項5記載の記録媒体において、
前記組合せ音色セットファイルに含まれる前記選択情報は、前記演奏情報に含まれるキーコード及びベロシティと、前記音色情報特定情報により特定される第1の音色セットファイル乃至第2の音色セットファイルに含まれる複数の通常音色情報のうちの1つとを対応付ける情報であることを特徴とする。
また、請求項7記載の構成にあっては、請求項5記載の記録媒体において、
前記組合音色情報には、
前記音色情報特定情報により特定される各々の通常音色情報ごとに生成される楽音に適用される個別パラメータと、
全ての前記音色情報について生成される楽音に適用される共通パラメータであって、前記個別パラメータに優先して適用される共通パラメータと
が含まれることを特徴とする。
また、請求項8記載の構成にあっては、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録媒体に記録された音色セットファイルを利用して、楽音生成装置が演奏情報に応じた楽音信号を生成する楽音信号生成方法であって、
前記楽音生成装置に前記演奏情報を供給する過程と、
前記通常音色セットファイルと前記参照音色セットファイルとを楽音生成装置にロードする過程と、
前記楽音生成装置が、供給された前記演奏情報と、ロードされた前記参照音色セットファイルに含まれる前記参照波形データ特定情報及び前記選択情報とに基づいて、前記通常音色セットファイルに含まれる1つの波形データを特定する過程と、
前記楽音生成装置が、特定された前記波形データに基づいて楽音信号を生成する過程と
を有することを特徴とする。
また、請求項9記載の構成にあっては、
請求項5乃至7のいずれか1項に記載の記録媒体に記録された音色セットファイルを利用して、楽音生成装置が演奏情報に応じた楽音信号を生成する楽音信号生成方法であって、
前記楽音生成装置に前記演奏情報を供給する過程と、
前記第1の通常音色セットファイルと、前記第2の通常音色セットファイルと、前記組合せ音色セットファイルとを楽音生成装置にロードする過程と、
前記楽音生成装置が、供給された前記演奏情報と、ロードされた組合せ音色セットファイルに含まれる前記音色情報特定情報及び前記選択情報とに基づいて、ロードされた前記第1の通常音色セットファイル乃至前記第2の通常音色セットファイルに含まれる複数の通常音色情報から1つの通常音色情報を特定する過程と、
前記楽音生成装置が、供給された前記演奏情報と、特定された通常音色情報に含まれる音色情報特定情報及び選択情報とに基づいて、前記ロードされた第1の音色セットファイルないし第2の音色セットファイルに含まれる1つの波形データを特定する過程と、
前記楽音生成装置が該特定された波形データに基づいて楽音信号を生成する過程と
を有することを特徴とする。
また、請求項10記載の構成にあっては、
CPU、記録媒体読込手段、楽音信号生成装置を有するコンピュータ装置にて読み込み可能な記録媒体であって、該記録媒体は、前記請求項8または9に記載の楽音信号生成方法を前記CPU及び前記楽音信号生成装置にて実行させるプログラムを記録したことを特徴とする。
【0016】
1.実施形態の構成
次に、本発明の一実施形態の構成を図1を参照し説明する。なお、本実施形態は汎用パーソナルコンピュータ20によって楽音信号生成装置を実現したものである。
パーソナルコンピュータ20の内部において9はCPUであり、後述する制御プログラムによりパーソナルコンピュータ20内の各部を制御する。
【0017】
1はネットワークインターフェースであり、ネットワーク25との間で各種の情報をやりとりする。2はMIDIインターフェースであり、鍵盤あるいは音源等のMIDI機器に接続され、MIDIデータのやりとりを行う。3は表示器であり、ユーザに対して各種の情報を表示する。4は入力装置であり、キーボードおよびマウス等から構成され、ユーザの操作に基づいてCPU9に対して各種の操作情報を供給する。
【0018】
10はROMであり、パーソナルコンピュータ20を起動させるためのイニシャルプログラムローダ等が記憶されている。11はRAMであり、CPU9によって読出しおよび書込み可能になっている。5は波形インターフェースであり、マイク等を介してアナログの楽音信号を収集しこれをPCM情報に変換してRAM11に記憶させるとともに、RAM11上のPCM情報をアナログ信号に変換し、図示せぬサウンドシステムを介して発音させる。
【0019】
6はハードディスクであり、RAM11に展開されるオペレーティングシステム、ドライバ、アプリケーションプログラム、音色セットファイル等が記憶される。7はディスクドライブであり、CD−ROM、フロッピーディスク等のリムーバルディスク12に対してデータの読み書きを行う。8はタイマであり、所定時間毎にCPU9に対してタイマ割込みを発生させる。30はサーバーであり、ネットワーク25に対して各種データの送受信を行うデータ送受信部31と、ユーザに提供されるソフトウエアを格納するデータ記憶装置32とから構成されている。
【0020】
2.実施形態のデータ構成
本実施形態においては、ハードディスク6に種々の音色セットファイルが記憶される。これら音色セットファイルには、以下のような種別がある。
2.1.通常音色セットファイル
通常音色セットファイルとは、従来技術(図2,3)において説明した通りの構成を有するファイルである。
【0021】
2.2.追加音色セットファイル
追加音色セットファイルとは、通常音色セットファイルのバージョンアップ、あるいはオプションとして提供しうるファイルである。追加音色セットファイル200のデータ構成を図4(a)に示す。追加音色セットファイル200は、通常の音色セットファイル100と同様に、INFOチャンク201、WAVE_DATAチャンク202およびPRESET_DATAチャンク203から構成されている。
【0022】
INFOチャンク101と同様に、INFOチャンク201には追加音色セットファイル200の音色セット名(ここではAD_SET2)、作成者の表示、作成日付等、種々の情報が格納される。さらに、INFOチャンク201には、音色セットファイル200の属性情報201aが含まれている。この属性情報201aは、該音色セットファイル200の種別と、参照すべき他の音色セットファイル名と、音色セットファイル100,200の関係とを特定する。
【0023】
ここで、追加音色セットファイル200が通常音色セットファイル100(ST_SET7)の追加音色を格納する場合、属性情報201aの内容は、「本音色セットは音色セットST_SET7に対する追加情報である」旨を示す情報になる。WAVE_DATAチャンク202には、WAVE_DATAチャンク102と同様に、各種波形データのサンプリング値が記憶されている。
【0024】
PRESET_DATAチャンク203には、PRESET_DATAチャンク103と同様に、音色の具体的な情報が示されている。但し、PRESET_DATAチャンク203内においては、必要に応じて、音色セットファイル100内の情報が参照されている(詳細は後述する)。追加音色セットファイル200の各音色データは、音色セットファイル100に対して重複しないように、GM(General MIDI)規格のプログラムチェンジおよびバンクセレクトに対応付けられている。
【0025】
音色セットファイル100,200を合わせたマッピング結果を図4(b)に示す。
図において領域105は図2(b)と同一であり、それに加えて領域206が追加音色セットファイル200に対応する領域になっている。そして、追加音色セットファイル200のPRESET_DATAチャンク203には、該領域206の各音色に対応してINSTブロックが設けられている。
【0026】
次に、PRESET_DATAチャンク203内のINSTブロック例を図5に示す。図においてINSTブロック210は、通常音色セットファイル100のINSTブロック110と同様に、ナンバ部211、パラメータ部212、およびポインタ部213から構成されている。そして、ポインタ部213には、複数のリージョンブロック220,230,……,290を各々指標する複数のポインタが記憶されている。
【0027】
ここで、リージョンブロック220,230,……,290は、図3において説明したリージョンブロック120等と同様に、鍵域およびベロシティの範囲であるリージョン情報を記憶するリージョン部と、エンベロープ波形、フィルタリング特性、LFO等のパラメータを記憶するパラメータ部と、該リージョンに対応する波形データへのポインタを記憶するポインタ部とから構成される。
【0028】
但し、リージョンブロック220,230,……,290は、必ずしもPRESET_DATAチャンク203に記憶されているわけではなく、追加される側の音色セットファイル内のリージョンブロックである場合もある。追加される側の音色セットファイルを「親音色セットファイル」という。上記例にあっては、親音色セットファイルは通常音色セットファイル100であり、リージョンブロック240はこの通常音色セットファイル100内のリージョンブロックである。なお、「親音色セットファイル」は通常音色セットファイルに限られるわけではない。
【0029】
以上のように親音色セットファイルのリージョンブロックの指標を可能ならしめると、追加された音色においてある鍵域のあるベロシティの範囲が親音色セットのものと同一である場合、その範囲についてはポインタによって既存のリージョンブロックを指標すればよい。これにより、音色セットファイル100,200において同一内容のリージョンブロックおよび波形データを重複して記憶する必要がなくなる。
【0030】
また、PRESET_DATAチャンク203内に実体が記憶されたリージョンブロックにおいて、ポインタ部によって指標される波形データは、必ずしもWAVE_DATAチャンク202に記憶されているものに限られず、親音色セットファイルの波形データであってもよい。例えば、図5においてリージョンブロック230自体はその実体がPRESET_DATAチャンク203に記憶されているが、そのポインタ部233によって指標されている波形データ234は、通常音色セットファイル100のWAVE_DATAチャンク102に記憶されているものである。
【0031】
このようなデータ構成によれば、親音色セットファイルの波形データを流用して、パラメータや対応するリージョン情報が異なる音色を追加音色セットファイル200内に設けることができる。さらに、音色セットファイル100,200において波形データを重複して記憶する必要もない。
【0032】
2.3.組合せ音色セットファイル
組合せ音色セットファイルとは、一または複数の音色セットファイル内の音色による合奏等に用いられる音色セットファイルである。組合せ音色セットファイル300のデータ構成を図6(a)に示す。組合せ音色セットファイル300は、通常の音色セットファイル100と同様に、INFOチャンク301およびPRESET_DATAチャンク303を有しているが、WAVE_DATAチャンクは設けられていない。
【0033】
INFOチャンク101と同様に、INFOチャンク301には組合せ音色セットファイル300の音色セット名(ここではCO_SET4)、作成者の表示、作成日付等、種々の情報が格納される。さらに、INFOチャンク301には、上述したINFOチャンク201と同様に、音色セットファイル300の属性情報301aが含まれている。
【0034】
ここで、組合せ音色セットファイル300が音色セットファイル100(ST_SET7)および他の音色セットファイル(ST_SET3)を組み合わせる場合は、属性情報301aは、「本音色セットは音色セットST_SET7と音色セットST_SET3を組み合わせて使用する合奏情報である」旨を示す情報になる。なお、音色セットST_SET3に対応する音色セットファイルは特に図示していないが、音色セットST_SET7と同様の構成を有することとする。
【0035】
ここで、音色セットST_SET3,ST_SET7およびCO_SET4のマッピング結果を図6(b)に示す。図示のように、音色セットCO_SET4における各音色のプログラムチェンジおよびバンクセレクトは、音色セットST_SET3,ST_SET7のものとは独立に設定される。
【0036】
次に、PRESET_DATAチャンク303内において音色セットCO_SET4内の一音色に対応して設けられたINSTブロック例を図7に示す。図においてINSTブロック310は、通常音色セットファイル100のINSTブロック110と同様に、ナンバ部311、パラメータ部312、およびポインタ部313から構成されている。そして、ポインタ部313には、複数のリージョンブロック320,330,……,390を各々指標する複数のポインタが記憶されている。
【0037】
ここで、リージョンブロック320,330,……,390は、図3において説明したリージョンブロック120等と同様に、リージョン情報を記憶するリージョン部と、エンベロープ波形、フィルタリング特性、LFO等のパラメータを記憶するパラメータ部と、ポインタ部とから構成される。
【0038】
但し、該リージョンブロック320,330,……,390のポインタ部323,333,……,393は、波形データへのポインタではなく、組み合わされる音色セットファイルのINSTブロックを指標するポインタになっている。上記例においては、音色セットCO_SET4は音色セットST_SET3,ST_SET7を組み合わせるから、ポインタ部323,333,……,393は、音色セットST_SET7に係るINSTブロックまたは音色セットST_SET3に係るINSTブロックのうち一方を指標することになる。
【0039】
図示の例にあっては、ポインタ部323,333,……,393によってINSTブロック110,410,510,……,610が指標されているが、これらは何れも音色セットST_SET3,ST_SET7のうち何れかに属するものである。なお、複数のポインタ部323,333,……,393が同一のINSTブロックを指標してもよい。
【0040】
上記リージョンブロック320,330,……,390のリージョン部321,331,……,391においては、通常音色セットファイル100のリージョン部121と同様に、各リージョンブロックに対応するリージョン情報が記憶される。ここで、所望のリージョンにおいて音色セットST_SET3,ST_SET7による合奏を行わせる場合には、2つのリージョンブロックのリージョン部に同一のリージョン情報を記憶させておく。
【0041】
例えば、リージョン部321,331において同一のリージョンを記憶させると、それらのポインタ部323,333によってINSTブロック110,410がリンクされるから、発音処理(詳細は後述する)の際に該INSTブロック110,410に対応する楽音信号が各々再生され合奏されることになる。なお、組合せ音色セットファイル300以外の音色セットファイルにおいても、上述したように複数のリージョン部におけるリージョン情報を一部または全部重複させることにより、合奏を指示することができる。
【0042】
2.4.波形組合せ音色セットファイル
波形組合せ音色セットファイルとは、一または複数の他の音色セットファイル内の波形データを流用し、必要に応じて独自の波形データを使用しつつ、新たな音色を提供するための音色セットファイルである。波形組合せ音色セットファイルのデータ構成を図8(a)に示す。波形組合せ音色セットファイル700は、通常の音色セットファイル100と同様に、INFOチャンク701、WAVE_DATAチャンク702およびPRESET_DATAチャンク703を有している。
【0043】
INFOチャンク101と同様に、INFOチャンク701には波形組合せ音色セットファイル700の音色セット名(ここではCT_SET5)、作成者の表示、作成日付等、種々の情報が格納される。さらに、INFOチャンク701には、上述したINFOチャンク201と同様に、波形組合せ音色セットファイル700の属性情報701aが含まれている。
【0044】
ここで、波形組合せ音色セットファイル700が通常音色セットファイル100(ST_SET7)および他の音色セットファイル(ST_SET3)の波形データを使用する場合は、属性情報701aは、「本音色セットは音色セットST_SET7と音色セットST_SET3の波形データを使用する音色セットの情報である」旨を示す情報になる。
【0045】
ここで、音色セットST_SET3,ST_SET7およびCT_SET5のマッピング結果を図8(b)に示す。図示のように、音色セットCT_SET5における各音色のプログラムチェンジおよびバンクセレクトは、音色セットST_SET3,ST_SET7のものとは独立に設定される。
【0046】
次に、PRESET_DATAチャンク703内において音色セットCT_SET5内の一音色に対応して設けられたINSTブロック例を図9に示す。図においてINSTブロック710は、通常音色セットファイル100のINSTブロック110と同様に、ナンバ部711、パラメータ部712、およびポインタ部713から構成されている。そして、ポインタ部713には、複数のリージョンブロック720,730,……,790を各々指標する複数のポインタが記憶されている。
【0047】
ここで、リージョンブロック720,730,……,790は、図3において説明したリージョンブロック120等と同様に、リージョン情報を記憶するリージョン部と、エンベロープ波形、フィルタリング特性、LFO等のパラメータを記憶するパラメータ部と、ポインタ部とから構成される。
【0048】
但し、該リージョンブロック720,730,……,790のポインタ部723,733,……,793は、音色セットCT_SET5内の波形データのみならず、音色セットST_SET3,ST_SET7内の波形データも指標することが可能になっている。図示の例にあっては、ポインタ部723によって音色セットST_SET3内の波形データ724が指標され、ポインタ部733によって音色セットST_SET7内の波形データ734が指標されている。また、ポインタ部793によって、該波形組合せ音色セットファイル700内の波形データ794が指標されている。
【0049】
3.実施形態の動作
3.1.ノートオンイベントの受信
本実施形態において、パーソナルコンピュータ20上で動作するソフトウエアは、一般的に「音源モジュール」と称されるものであり、ハードウエアの音源装置の動作をシミュレートする。
【0050】
音源モジュールは、電子楽器ソフトやゲームソフト等のアプリケーションプログラムによって生成されたMIDIデータ、あるいはMIDIインターフェース2を介して受信したMIDIデータに基づいて楽音信号のPCM情報を生成し、これをRAM11上に展開する。展開された波形データは、波形インターフェース5のデバイスドライバによって波形インターフェース5に転送される。
【0051】
音源モジュールは複数パートの楽音信号を同時に発生することができ、各パート毎に音色(すなわちプログラムチェンジおよびバンクセレクト)が予め対応付けられている。ここで、音源モジュールに対してノートオンイベントが供給された際の処理を図10を参照し説明する。なお、このノートオンイベントには、該イベントに係るパートPT、ノートナンバNNおよびベロシティVELが含まれている。
【0052】
アプリケーションプログラム等によって音源モジュールにノートオンイベントが供給されると、図10に示すルーチンが起動される。図において処理がステップSP1に進むと、パートPT、ノートナンバNNおよびベロシティVELが呼出元のプログラムから受領される。
【0053】
3.2.枝数の確定
次に処理がステップSP2に進むと、該パートPTに係る音色の各リージョンの設定に基づいて、発音に使用される枝およびその数が選択される。その詳細を音色セットファイルの種類に応じて説明する。
【0054】
(1)通常音色セットファイルまたは波形組合せ音色セットファイルの場合
まず、音源モジュールにおいて通常音色セットファイル(図2,図3)が用いられていた場合の処理を説明する。アプリケーションプログラム等から供給されたパートPTには、予めプログラムチェンジおよびバンクセレクトが対応付けられているから、パートPTによって、PRESET_DATAチャンク103内の一のINSTブロックが特定される。
【0055】
ここで特定されたINSTブロックは、図3に示すINSTブロック110であったこととする。次に、ポインタ部113内の複数のポインタが順次参照され、これらポインタによって指標されるリージョンブロック120,130,……,190内のリージョン部121,131,……,191の内容が順次読み出される。そして、先に供給されたノートナンバNNおよびベロシティVELが各リージョン(鍵域およびベロシティの範囲)に属するか否かが、逐次判定される。
【0056】
そして、ポインタ部113によって指標された全てのリージョンブロック120,130,……,190に対してかかる処理が行われると、ノートナンバNNおよびベロシティVELに対応するリージョンブロックの数が確定される。この確定されたリージョンブロックの数が「枝数」に等しくなる。
【0057】
音源モジュールにおいて波形組合せ音色セットファイル(図8,図9)が用いられていた場合は、上述したように他の音色セットファイルにおける波形データが用いられるが、リージョンブロックすなわち枝を特定するまでの処理は通常音色セットファイルと同様である。
【0058】
(2)追加音色セットファイルの場合
次に、音源モジュールにおいて追加音色セットファイル(図4,図5)が用いられていた場合の処理を説明する。この場合にもアプリケーションプログラム等から供給されたパートPTには、予めプログラムチェンジおよびバンクセレクトが対応付けられているから、パートPTによって、PRESET_DATAチャンク203内の一のINSTブロックが特定される。
【0059】
ここで特定されたINSTブロックは、図5に示すINSTブロック210であったこととする。次に、ポインタ部213内の複数のポインタが順次参照され、これらポインタによって指標されるリージョンブロック220,230,……,290内のリージョン部221,231,241,……,291の内容が順次読み出される。そして、先に供給されたノートナンバNNおよびベロシティVELは各リージョンに属するか否かが、逐次判定される。
【0060】
ここで、リージョンブロック240は親音色セットファイルである音色セットファイル100内のブロックであるが、INFOチャンク201内の属性情報201aにおいて、「本音色セットは音色セットST_SET7に対する追加情報である」旨が記憶されているから、該音色セットST_SET7におけるリージョンブロックも読み出される。
【0061】
そして、ポインタ部213によって指標された全てのリージョンブロック220,230,……,290に対してかかる処理が行われると、ノートナンバNNおよびベロシティVELに対応するリージョンブロックの数が確定される。この確定されたリージョンブロックの数が「枝数」に等しくなる。
【0062】
(3)組合せ音色セットファイルの場合
次に、音源モジュールにおいて組合せ音色セットファイル(図6,図7)が用いられていた場合の処理を説明する。この場合にもアプリケーションプログラム等から供給されたパートPTには、予めプログラムチェンジおよびバンクセレクトが対応付けられているから、パートPTによって、PRESET_DATAチャンク303内の一のINSTブロックが特定される。
【0063】
ここで特定されたINSTブロックは、図7に示すINSTブロック310であったこととする。次に、ポインタ部313内の複数のポインタが順次参照され、これらポインタによって指標されるリージョンブロック320,330,……,390内のリージョン部321,331,……,391の内容が順次読み出される。そして、先に供給されたノートナンバNNおよびベロシティVELが各リージョンに属するか否かが、逐次判定される。
【0064】
ここで、「属する」と判定されたリージョンについては、そのリージョンブロック320,330,……,390内のポインタ部323,333,……,393の内容がさらに参照される。なお、上述したように、ポインタ部323,333,……,393は、音色セットST_SET7に係るINSTブロックまたは音色セットST_SET3に係るINSTブロックのうち一方を指標するものである。
【0065】
例えば、リージョンブロック320内のポインタ部323によれば、図3に示すINSTブロック110が指標される。次に、指標されたINSTブロック内のポインタ部が参照され、これらポインタによって指標されるリージョンブロック内のリージョン部の内容が順次読み出される。上記例にあっては、ポインタ部113が参照され、先に供給されたノートナンバNNおよびベロシティVELがリージョン部121,131,……,191に係るリージョンに属するか否かが、逐次判定される。
【0066】
そして、ポインタ部213によって指標された全てのリージョンブロック220,230,……,290に対して上述した処理が行われ、ポインタ部223,233,……,293およびINSTブロック110,410,510,……,610を介して組合せ対象となる音色セットファイルのリージョンブロックが全て検索される。これにより、末端のリージョンブロック(組合せ対象となる音色セットST_SET3,ST_SET7のリージョンブロック)のうちノートナンバNNおよびベロシティVELに対応するものの数が確定される。この確定された数が「枝数」に等しくなる。
【0067】
以上のように枝および枝数を特定する処理は音色セットファイルに応じて異なるが、一般的に、組合せ音色セットファイルが用いられている場合は複数の枝が、その他の音色セットファイルが用いられている場合は一つの枝が、各々確保される。これは、波形組合せ音色セットファイルは既存の複数の音色セットファイルを用いた合奏を行うこと主眼としているためである。
【0068】
但し、あるノートナンバNNおよびベロシティVELに対応する枝は、リージョン部の内容によって任意に設定することが可能であるため、組合せ音色セットファイルが用いられている場合においても一つの枝のみが確保されることがあり、その他の音色セットファイルが用いられている場合においても複数の枝が確保される場合もあり得る。
【0069】
3.3.発音処理
次に、図10において処理がステップSP3に進むと、先に確定された枝数と同一数の発音チャンネルが確保される。次に処理がステップSP4に進むと、各枝の発音に使用される波形データが特定される。すなわち、各枝の末端のリージョンブロック内のポインタ部で指標される波形データが、使用される波形データである。
【0070】
次に、処理がステップSP5に進むと、各枝の発音に使用されるパラメータが決定される。まず、組合せ音色セットファイル以外の音色セットファイルにあっては、末端のリージョンブロックにおけるパラメータ部が読み出され、一時的に記憶される。次に、その上位のINSTブロック内のパラメータ部の内容が読み出され、一時的に記憶されたパラメータと異なる値が読み出された場合には、新たに読み出された内容を優先して記憶内容が更新される。そして、最後に残った記憶内容が、使用すべきパラメータの内容になる。
【0071】
組合せ音色セットファイルにあっては、上述したのと同様の処理が行われた後、組み合わせ対象の音色セットファイルのINSTブロックの上位にあるリージョンブロック320,330,……,390内のパラメータ部322,332,342,……,392が読み出され、さらに最上位にある組合せ音色セットファイル自体のINSTブロック310内のパラメータ部312が読み出され、後に読み出された内容を優先しつつ記憶内容が更新される。そして、かかる場合においても最後に残った記憶内容が、使用すべきパラメータの内容になる。
【0072】
次に、処理がステップSP6に進むと、ノートナンバNN、ベロシティVEL、特定された波形データおよびパラメータに基づいてPCM情報である楽音信号が生成され、生成された楽音信号はRAM11内に展開される。展開された波形データは、波形インターフェース5のデバイスドライバによって波形インターフェース5に転送され、アナログ信号に変換された後、図示せぬサウンドシステムを介して発音される。
【0073】
4.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施形態においては、末端のリージョンブロックから上位のINSTブロックあるいはリージョンブロックを辿る際に同一のパラメータが規定されていた場合は上位のブロックのパラメータを優先して適用した。しかし、上位のブロックに末端のブロックのパラメータの「差分」を記憶させ、末端のブロックにおけるパラメータの値と各上位ブロックにおける「差分」との合計を最終的なパラメータの値として用いてもよい。また、末端のブロックにおけるパラメータの値と上位のブロックにおけるパラメータの値とを重み付け合成してその合成値を最終的なパラメータの値としてもよい。あるいは、両パラメータ値を合成用の所定の関数に入れてその関数の値を最終的なパラメータ値としてもよい。
【0074】
(2)上記実施形態において、各リージョン部はノートナンバNNおよびベロシティVELの双方に基づいて選択されたが、ノートナンバNNまたはベロシティVELのうち一方のみに基づいてリージョン部を選択してもよく、また、リージョン部の選択に際して他の種々の情報を用いてもよい。
【0075】
(3)上記実施形態において、追加音色セットファイル200の各音色データは、通常音色セットファイル100に対して重複しないように対応づけられていたが、その重複を許し、プログラムチェンジとバンクセレクトの値が重複しているところでは、追加音色セットファイル200の音色データを優先的に使用するようにしてもよい。つまり、通常音色セットファイル100の一部の音色データが、追加音色セットファイル200の音色データでオーバーライド(内容の置き換え)される。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、ある音色セットファイルが他の音色セットファイルの波形データ等を流用することによって楽音信号を生成することができ、あるいは、複数の音色セットファイルの波形データ等を組み合わせることによって楽音信号を生成することができるから、多彩な音色を生成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の楽音信号生成装置のブロック図である。
【図2】 従来例および上記実施形態の通常音色セットファイル100のメモリマップおよび音色マップである。
【図3】 従来例および上記実施形態の通常音色セットファイル100のデータ構成図である。
【図4】 上記実施形態の追加音色セットファイル200のメモリマップおよび音色マップである。
【図5】 上記実施形態の追加音色セットファイル200のデータ構成図である。
【図6】 上記実施形態の組合せ音色セットファイル300のメモリマップおよび音色マップである。
【図7】 上記実施形態の組合せ音色セットファイル300のデータ構成図である。
【図8】 上記実施形態の波形組合せ音色セットファイル700のメモリマップおよび音色マップである。
【図9】 上記実施形態の波形組合せ音色セットファイル700のデータ構成図である。
【図10】 上記実施形態の制御プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
1……ネットワークインターフェース、2……MIDIインターフェース、3……表示器、4……入力装置、5……波形インターフェース、6……ハードディスク (記録媒体)、7……ディスクドライブ、9……CPU、10……ROM、11……RAM、12……リムーバルディスク(記録媒体)、20……パーソナルコンピュータ、25……ネットワーク、30……サーバー、31……データ送受信部、32……データ記憶装置、100……通常音色セットファイル、100,200……音色セットファイル、101……INFOチャンク、102……WAVE_DATAチャンク、103……PRESET_DATAチャンク、105……領域、110,410,510,……,610……INSTブロック、111……ナンバ部、112……パラメータ部、113……ポインタ部、120,130,……,190……リージョンブロック、121,131,……,191……リージョン部(選択情報)、122,132,……,192……パラメータ部、123,133,……,193……ポインタ部(波形データ特定情報)、200……追加音色セットファイル(他ファイル参照型音色セットファイル)、201……INFOチャンク、201a……属性情報、202……WAVE_DATAチャンク、203……PRESET_DATAチャンク、206……領域、210……INSTブロック、211……ナンバ部、212……パラメータ部、213……ポインタ部、220,230,……,290……リージョンブロック、221,231,241,……,291……リージョン部(選択情報)、223,233,……,293……ポインタ部(波形データ特定情報)、234……波形データ、240……リージョンブロック、300……組合せ音色セットファイル(他ファイル参照型音色セットファイル)、301……INFOチャンク、301a……属性情報、303……PRESET_DATAチャンク、310……INSTブロック、311……ナンバ部、312……パラメータ部、313……ポインタ部、320,330,……,390……リージョンブロック、321,331,……,391……リージョン部(選択情報)、322,332,342,……,392……パラメータ部、323,333,……,393……ポインタ部(他ファイル特定情報)、700……波形組合せ音色セットファイル(他ファイル参照型音色セットファイル)、701……INFOチャンク、701a……属性情報、703……PRESET_DATAチャンク、710……INSTブロック、720,730,……,790……リージョンブロック、711……ナンバ部、712……パラメータ部、721,……,791……リージョン部(選択情報)、722,……,792……パラメータ部、713,723,733,……,793……ポインタ部(波形データ特定情報)、724,734,……,794……波形データ。
Claims (10)
- a.通常音色セットを規定する通常音色セットファイルであって、
a−1.当該通常音色セットを構成する複数の音色で使用される複数の波形データを含 むとともに、
a−2.当該通常音色セットを構成する複数の音色の各々について、
複数の波形データを特定する波形データ特定情報と、
前記波形データ特定情報により特定される複数の波形データのうちから演奏 情報に応じて1つの波形データを選択する選択情報と
でなる通常音色情報
を含む通常音色セットファイルと、
b.参照音色セットを規定する参照音色セットファイルであって、
b−1.前記通常音色セットファイルを特定するための属性情報を含むとともに、
b−2.当該参照音色セットを構成する複数の音色の各々について、
前記属性情報によって特定される前記通常音色セットファイルに含まれる複 数の波形データを特定する参照波形データ特定情報と、
前記参照波形データ特定情報により特定される複数の波形データのうちから 演奏情報に応じて1つの波形データを選択する選択情報と
でなる参照音色情報
を含む参照音色セットファイルと
が記録されていることを特徴とする記録媒体。 - 前記参照音色セットファイルに含まれる前記属性情報は、
前記通常音色セットファイルを特定するともに、
当該参照音色セットファイルによって規定される参照音色セットが、当該属性情報によって特定される前記通常音色セットファイルの音色セットに対する追加の音色セットであることを示す
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。 - 通常音色セットファイルに含まれる前記選択情報及び参照音色セットファイルに含まれる前記選択情報は、前記演奏情報に含まれるキーコード及びベロシティと、前記波形データ特定情報により特定される複数の波形データのうちの1つとを対応付ける情報であることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
- 前記通常音色セットファイルに含まれる通常音色情報又は前記参照音色セットファイルに含まれる前記参照音色情報には、
各々の前記波形データに対して適用される個別パラメータと、
全ての前記波形データに適用される共通パラメータであって、前記個別パラメータに優先して適用される共通パラメータと
が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。 - a.通常音色セットを規定する通常音色セットファイルであって、
a−1.当該音色セットを構成する複数の音色で使用される複数の波形データを含むと ともに、
a−2.当該音色セットを構成する複数の音色の各々について、
複数の波形データを特定する波形データ特定情報と、
前記波形データ特定情報によって特定された複数の波形データのうちから演 奏情報に応じて1つの波形データを選択する選択情報と
でなる通常音色情報
をそれぞれ含む第1及び第2の通常音色セットファイルと、
b.組合せ音色セットを規定する組合せ音色セットファイルであって、
b−1.前記第1の音色セットファイルと前記第2の音色セットファイルとを特定する ための属性情報を含むとともに、
b−2.当該組合せ音色セットを構成する複数の音色の各々について、
前記属性情報によって特定される第1の音色セットファイル乃至第2の音色 セットファイルに含まれる通常音色情報から複数の通常音色情報を特定する 音色情報特定情報と、
前記音色情報特定情報によって特定される複数の通常音色情報のうちから演 奏情報に応じて1つの通常音色情報を選択するための選択情報と
でなる組合音色情報
を含む組合せ音色セットファイルと
が記憶されていることを特徴とする記録媒体。 - 前記組合せ音色セットファイルに含まれる前記選択情報は、前記演奏情報に含まれるキーコード及びベロシティと、前記音色情報特定情報により特定される第1の音色セットファイル乃至第2の音色セットファイルに含まれる複数の通常音色情報のうちの1つとを対応付ける情報であることを特徴とする請求項5に記載の記録媒体。
- 前記組合音色情報には、
前記音色情報特定情報により特定される各々の通常音色情報ごとに生成される楽音に適用される個別パラメータと、
全ての前記音色情報について生成される楽音に適用される共通パラメータであって、前記個別パラメータに優先して適用される共通パラメータと
が含まれることを特徴とする請求項5に記載の記録媒体。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録媒体に記録された音色セットファイルを利用して、楽音生成装置が演奏情報に応じた楽音信号を生成する楽音信号生成方法であって、
前記楽音生成装置に前記演奏情報を供給する過程と、
前記通常音色セットファイルと前記参照音色セットファイルとを楽音生成装置にロードする過程と、
前記楽音生成装置が、供給された前記演奏情報と、ロードされた前記参照音色セットファイルに含まれる前記参照波形データ特定情報及び前記選択情報とに基づいて、前記通常音色セットファイルに含まれる1つの波形データを特定する過程と、
前記楽音生成装置が、特定された前記波形データに基づいて楽音信号を生成する過程と
を有することを特徴とする楽音信号生成方法。 - 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の記録媒体に記録された音色セットファイルを利用して、楽音生成装置が演奏情報に応じた楽音信号を生成する楽音信号生成方法であって、
前記楽音生成装置に前記演奏情報を供給する過程と、
前記第1の通常音色セットファイルと、前記第2の通常音色セットファイルと、前記組合せ音色セットファイルとを楽音生成装置にロードする過程と、
前記楽音生成装置が、供給された前記演奏情報と、ロードされた組合せ音色セットファイルに含まれる前記音色情報特定情報及び前記選択情報とに基づいて、ロードされた前記第1の通常音色セットファイル乃至前記第2の通常音色セットファイルに含まれる複数の通常音色情報から1つの通常音色情報を特定する過程と、
前記楽音生成装置が、供給された前記演奏情報と、特定された通常音色情報に含まれる音色情報特定情報及び選択情報とに基づいて、前記ロードされた第1の音色セットファイルないし第2の音色セットファイルに含まれる1つの波形データを特定する過程と、
前記楽音生成装置が該特定された波形データに基づいて楽音信号を生成する過程と
を有することを特徴とする楽音信号生成方法。 - CPU、記録媒体読込手段、楽音信号生成装置を有するコンピュータ装置にて読み込み可能な記録媒体であって、該記録媒体は、前記請求項8または9に記載の楽音信号生成方法を前記CPU及び前記楽音信号生成装置にて実行させるプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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