JP3835388B2 - 先行車追従制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先行車両と自車両との車間距離を目標車間距離に保ちつつ、当該先行車両に自車両を追従させる先行車追従制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、先行車追従制御装置としては、例えば自車両と先行車両との車間距離と目標車間距離との差に第1のゲインを乗じた値と前記先行車両との相対速度に第2のゲインを乗じた値との加算値を含んで目標車速を設定し、当該目標車速に自車速が一致するように制駆動力を制御するレギュレータによって前記先行車両に自車両を追従させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−20503号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、先行車両に追いつく際の車速の制御特性は車線数や車線幅に対して一定であるが、車線数が多い道路では、車線数が少ない道路に比較して、先行車両に追いつく際、運転者は、追いつく速度を速く感じて違和感を覚えることが、本願発明者の研究により判明した。車線幅についても同様にいえ、車線幅が広いと、車線幅が狭い場合に比較して、先行車両に追いつく際に、運転者は、追いつく速度を速く感じて違和感を覚える。
【0005】
すなわち、図16中(A)に示すように車線数が多いと、先行車両101に自車両100が追いつく際、運転者は、追いつく速度を速く感じて、怖いといった違和感を覚える。その一方で、図16中(B)に示すように車線数が少なければ、先行車両101に自車両100が追いつく際、運転者は、比較的余裕に感じる。
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みてなされたものであり、運転者の違和感を抑制防止できる先行車追従制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の問題を解決するために、請求項1記載の発明に係る先行車追従制御装置は、自車両と先行車両との車間距離目標車間距離との差と、自車両と先行車両との相対速度とに基づいて目標車速を設定し、当該目標車速に自車速が一致するように制駆動力を制御する先行車追従制御装置であって、道路幅検出手段により自車両が走行している道路の道路幅を検出し、道路幅検出手段が検出した道路幅が広くなるほど、先行車両に追いつく際に車間距離が目標車間距離に至るまでの目標車速の変化が小さくなるように、先行車両への追従特性を変更手段により変更する。ここで、道路幅は車線数や車線幅である。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、先行車追従制御による車速の変化を道路幅に応じて制御することができ、先行車追従制御による車速の変化と道路幅との関係で生じる運転者の違和感をなくすことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1の実施の形態の先行車追従制御装置を示す概略構成図である。
車間距離センサ1は、レーザ光を掃射して先行車両からの反射光を受光するレーダー方式のセンサヘッドである。なお、電波や超音波を利用して車間距離を計測してもよい。CCDカメラ2は、自車両前方の道路状況を撮影する。例えば、CCDカメラ2は、車両前側あるいは車室内に取り付けられている。カーナビゲーション装置3は、運転者に道路に関する情報を提供する。このカーナビゲーション装置3は、道路地図データを記録するメモリを内蔵しており、メモリに記憶されている道路地図データに基づいて任意の地点の道路に関する情報を提供する。車速センサ4は、変速機の出力軸に取り付けられ、その回転速度に応じた周期のパルス列を出力する。スロットルアクチュエータ5は、スロットル開度信号に応じてスロットルバルブを開閉し、エンジンの吸入空気量を変えてエンジン出力を調節する。自動変速機6は、車速とスロットル開度に応じて変速比を変える。制動装置7は車両に制動力を発生させる装置である。
【0009】
追従制御コントローラ10はマイクロコンピュータとその周辺部品を備え、車間距離の検出値と自車速の検出値とに基づいて目標車速を求め、スロットルアクチュエータ5、自動変速機6及び制動装置7を制御する。
追従制御コントローラ10は、図2に示すように、マイクロコンピュータのソフトウエア形態によって制御ブロック11,12,13,14,30を構成する。
【0010】
測距信号処理部14は、車間距離センサ1によりレーザ光を掃射してから先行車両の反射光を受光するまでの時間を計測し、自車両と先行車両との車間距離を演算する。なお、前方に複数の先行車両が存在する場合は追従すべき先行車両を特定して車間距離を演算する。
車速信号処理部11は、車速センサ4からの車速パルスの周期を計測し、自車両の速度を検出する。
【0011】
先行車追従制御部30は、相対速度演算部31、車間距離制御部32及び目標車間距離設定部33を備え、車間距離Lと自車速Vとに基づいて目標車間距離Lと目標車速Vとを演算する。
具体的には、相対速度演算部31は、測距信号処理部14により検出された車間距離Lに基づいて自車両と先行車両との相対速度ΔVを演算する。車間距離制御部32は、相対速度ΔVを考慮して車間距離Lを目標車間距離Lに一致させるための目標車速Vを演算する。目標車間距離設定部33は、先行車車速VTまたは自車速Vに応じた目標車間距離Lを設定する。
【0012】
また、車速制御部13は、自車速Vが目標車速Vに一致するようにスロットルアクチュエータ5のスロットル開度と、自動変速機6の変速比と、制動装置7の制動力とを制御する。
次に、測距信号処理部14と先行車追従制御部30とを詳細に説明する。先ず、相対速度ΔVの演算方法について説明する。
【0013】
相対速度ΔVは、図3及び図4に示すように、測距信号処理部14で算出された自車両から先行車両までの車間距離Lを入力とし、バンドパスフィルタあるいはハイパスフィルタを用いて近似的に求めることができる。例えば、バンドパスフィルタは下記(1)式に示す伝達関数で実現できる。
F(s)=ωcs/(s+2ζωcs+ωc) ……(1)
ここで、ωcは2πfcであり、sはラプラス演算子である。なお、フィルタ伝達関数のカットオフ周波数fcは、車間距離Lに含まれるノイズ成分の大きさと、短周期の車体前後G変動の許容値より決定する。
【0014】
次に、車間距離Lを目標車間距離Lに保ちつつ、先行車両に追従するための制御則について説明する。
基本的な制御系の構成は、図2に示すように先行車追従制御部30と車速制御部12とをそれぞれ独立に備えた構成になる。なお、先行車追従制御部30の出力は目標車速(車速指令値)Vであり、車間距離Lを直接に制御する構成としていない。
【0015】
先行車追従制御部30の車間距離制御部32は、車間距離Lと相対速度ΔVとに基づいて、車間距離Lを目標車間距離Lに保ちながら先行車両に自車両が追従走行するための目標車速Vを演算する。具体的には、図5に示すように、下記(2)式に従って、目標車間距離Lと実車間距離Lとの差(L−L)に第1のゲインである制御ゲインfdを乗じたものと、相対速度ΔVに第2のゲインである制御ゲインfvを乗じたものとの加算値ΔVを先行車車速VTから減じて算出する。
【0016】
=VT−ΔV ……(2)
ΔV=fd(L−L)+fv・ΔV
ここで、制御ゲインfd,fvは先行車両に対する追従制御性能を決めるパラメータである。このシステムは2個の目標値(車間距離と相対速度)を1個の入力(目標車速)で制御する1入力2出力系であることから、制御法として状態フィードバック(レギュレーター)を用い、制御系を設計している。
【0017】
以下、制御系設計の手順を説明する。
先ず、システムの状態変数x,xを下記(3)式で定義する。
=VT−V,x=L−L ……(3)
また、制御入力(コントローラーの出力)ΔVを下記(4)式で定義する。
ΔV=VT−V ……(4)
ここで、車間距離Lは下記(5)式のように記述できる。
【0018】
L=∫(VT−V)dt+L ……(5)
また、車速サーボ系は線形伝達関数によって、例えば下記(6)式のように目標車速Vに対して実車速Vが一時遅れで近似的に表現できる。
V=1/(1+τv・s)
dV/dt=1/τv(V−V) ……(6)
それゆえ、先行車車速VTが一定であるとすると、前記(3)式、(4)式及び(6)式より、前記状態変数xは下記(7)式のように記述できる。
【0019】
dx/dt=−1/τv・x+1/τv・ΔV ……(7)
また、目標車間距離Lが一定であるとすると、前記(3)式及び(5)式より、前記状態変数xは下記(8)式のように記述できる。
=−(VT−V)=−x ……(8)
したがって、前記(7)式及び(8)式より、システムの状態方程式は下記(9)式のように記述できる。
【0020】
【数1】
Figure 0003835388
【0021】
また、状態フィードバックが施された全体システムの状態方程式は下記(10)式のように記述できる。
dX/dt=(A+BF)X ……(10)
但し、制御入力u=FX,F=[fv fd]
したがって、前記(10)式より、全体システムの特性方程式は下記(11)式のように記述できる。
|sI−A'|=s2+(1−fv)/τv・s+fd/τv=0 ……(11)
但し、A'=A+BF
【0022】
【数2】
Figure 0003835388
【0023】
車速制御部13の車速サーボ系は近似的に線形伝達関数で表現でき、この伝達特性に基づき車間距離Lが目標車間距離Lへ、相対速度ΔVが0へ、それぞれ収束する収束特性が、設計者の意図する特性(減衰係数ζ、固有振動数ωn)となるように、下記(12)式に従って制御ゲインfd,fvを設定する。
なお、固有振動数ωnは、車線数に応じて設定している。これについては後で詳述する。
【0024】
fv=1−2ζωn・τv
fd=ωn・τv ……(12)
一方、相対速度ΔVは先行車両と自車両との車速差であることから、図6に示すように、先行車車速VTを自車速Vと相対速度ΔVとに基づいて下記(13)式に従って算出する。
【0025】
VT=V+ΔV ……(13)
したがって、前記(2)式及び(13)式より、目標車速Vは下記(14)式のように記述できる。
=V−fd(L−L)+(1−fv)ΔV ……(14)
なお、目標車間距離Lは接近警報などで用いられる車間時間という概念を用いて設定してもよいが、ここでは制御の収束性にまったく影響を及ぼさないという観点から先行車車速VTの関数とする。前記(13)式で定義した先行車車速VTを用いて、下記(15)式に示すように設定する。
【0026】
=a・VT+L=a(V+ΔV)+L ……(15)
ここで、Lは車間距離の初期値である。
あるいは、先行車車速VTを自車速Vと相対速度ΔVとから算出した値を用いると、相対速度検出値に重畳されるノイズの影響を受けるため、図7に示すように自車速Vの関数として、下記(16)式に示すように設定してもよい。
【0027】
=a・V+L ……(16)
以上が、車間距離Lを目標車間距離Lに保ちつつ、自車両を先行車両に追従させるための制御則である。
次に、固有振動数ωnを設定する固定振動数設定処理を説明する。
本発明を適用した先行車追従制御装置は、先行車両に追いつく際の先行車追従制御で用いる固有振動数ωnを、車線数に応じて設定している。図8は、固有振動数ωnを設定する固定振動数設定処理を示すフローチャートである。この固定振動数設定処理は、車速制御部13あるいは先行車追従制御部30が行っており、車速制御部13あるいは先行車追従制御部30は、所定の時間間隔でこの制御を実行する。
【0028】
先ず、ステップS1において、ACC(adaptive cruise control)セット中か否かを判定する。ここで、ACCセット中である場合、ステップS2に進み、ACCセット中でない場合、当該処理を終了する。
ステップS2では、ナビゲーション装置3から車線数情報を受信できるか否かを判定する。ナビゲーション装置3から車線数情報を受信できる場合、ステップS3に進み、ナビゲーション装置3から車線数情報を受信できない場合、当該処理を終了する。
【0029】
ステップS3では、車線数が4以上(車線数≧4)であるか否か、あるいは特殊道路であるか否かを判定する。
ここで、特殊道路とは、車線数が少ないが路肩が非常に広い道路など、車線数が少ないが車線数が多いときと同様な感覚を運転者に与える道路をいう。例えば、ナビゲーション情報に予めそのような特殊な道路である旨をフラグ(例えば、特殊道路フラグ)などを付して記憶しておき、ナビゲーション装置3からのナビゲーション情報からフラグを受信した場合に、道路が特殊道路であると判断するようにする。
【0030】
このステップS3で、車線数が4以上である場合、あるいは特殊道路である場合、ステップS4に進み、元々の固有振動数(デフォルト値)ωnに0.7を掛けて新たな固有振動数ωnとし、当該処理を終了する。一方、車線数が4以上でなく、特殊道路でもない場合、ステップS5に進む。
ステップS5では、車線数が3(車線数=3)であるか否かを判定する。ここで、車線数が3である場合、ステップS6に進み、元々の固有振動数(デフォルト値)ωnに0.8を掛けて新たな固有振動数ωnとし、当該処理を終了する。一方、車線数が3でない場合、ステップS7に進む。
【0031】
ステップS7では、車線数が1(車線数=1)であるか否かを判定する。ここで、車線数が1である場合、ステップS8に進み、元々の固有振動数(デフォルト値)ωnに1.1を掛けて新たな固有振動数ωnとし、当該処理を終了する。一方、車線数が1でない場合、当該処理を終了する。
なお、車線数が2(車線数=2)である場合、元々の固有振動数(デフォルト値)ωnのままであり、すなわち、元々の固有振動数(デフォルト値)ωnに1.0を掛けて新たな固有振動数ωnを得ているのと同等な処理となる。また、ステップS2において、ナビゲーション装置3から車線数情報を得ることができないときも、元々の固有振動数(デフォルト値)ωnのままにする。
【0032】
以上のように固有振動数ωnを設定する。
なお、以上の処理において、ステップS2、ステップS3、ステップS5及びステップS7の処理は道路幅を検出する道路幅検出手段を実現している。また、ステップS4、ステップS6及びステップS8の処理は、前記道路幅検出手段が検出した道路幅に基づいて車速を制御する車速制御手段を実現している。
【0033】
次に動作を説明する。
今、ACCをセットしたとする。または、ACCセット中に先行車両がいなくなり、あるいは、ACCセット中に自車両が車線変更をしたり、あるいはACCセット中に自車両が先行車両を追い抜いた場合でもよい。
すると、追従制御コントローラ10の先行車追従制御部30あるいは車速制御部13は、ACCセット中であることから、固有周波数設定処理を実行する(前記ステップS1)。そして、ナビゲーション装置3から車線数情報を受信できる場合(前記ステップS2)、受信した車線数に応じた固有振動数ωnを設定する。すなわち、自車両が走行している道路の車線数が4以上、あるいは自車両が走行している道路が特殊道路であれば、元々の固有振動数(デフォルト値)ωnに0.7を掛けて新たな固有振動数ωnにする(前記ステップS3及びステップS4)。または、自車両が走行している道路の車線数が3であれば、元々の固有振動数(デフォルト値)ωnに0.8を掛けて新たな固有振動数ωnにする(前記ステップS5及びステップS6)。または、自車両が走行している道路の車線数が1であれば、元々の固有振動数(デフォルト値)ωnに1.1を掛けて新たな固有振動数ωnにする(前記ステップS7及びステップS8)。なお、自車両が走行している車線数が2である場合や、ナビゲーション装置3から車線数情報を受信できない場合には、元々の固有振動数(デフォルト値)ωnを変更しない。
【0034】
そして、先行車両がある場合には、このように設定した固有振動数ωnを用いて、先行車追従制御を実施する。例えば、前述したようにACCセット中に先行車両がいなくなり、あるいはACCセット中に自車両が車線変更をしたり、あるいはACCセット中に自車両が先行車両を追い抜いた場合に、その後、先行車両を発見した場合、このように設定した固有振動数ωnを用いて、先行車追従制御を実施する。
【0035】
ここで、図9は、先行車追従制御特性であり、目標車間距離までの追従特性を示す。そして、異なる固有振動数ωn毎、すなわち、異なる車線数毎の特性を示す。図中、細線は1車線(固有振動数ωnがデフォルト値よりも大)の特性を示し、中線は2車線(固有振動数ωnがデフォルト値)の特性を示し、太線は3車線以上(固有振動数ωnがデフォルト値よりも小)の特性を示す。
【0036】
この特性図より、各車線数それぞれで特性はともに目標車間距離に収束するようになっている。その一方で、車線数が多くなるほど、すなわち固有振動数ωnを小さくするほど、より遅い時期に目標車間距離に達する特性となる。すなわち、車線数を多くするほど、より緩やかな車速変化となり目標車間距離に収束する特性となる。
【0037】
ここで、このような特性は、前記(12)式〜(14)式を用いて、次のように説明できる。
前記(12)式によれば、固有振動数ωnを小さくすると、制御ゲインfvは大きくなる。また、(12)式によれば、固有振動数ωnを小さくすると、制御ゲインfdは小さくなる。また、前記(13)式によれば、自車両が先行車両に追いつく際の自車速Vは、先行車車速VTよりも大きいので、相対速度ΔVは負値になる。
【0038】
このように、固有振動数ωnを小さくすると、制御ゲインfvが大きくなり、制御ゲインfdが小さくなり、また、自車両が先行車両に追いつく際には、車間距離Lは目標車間距離Lより大きく、相対速度ΔVが負値になることから、前記(14)式では、右辺第2項(−fd(L−L))は正値でより小さな値をとるようになり、右辺第3項(+(1−fv)ΔV)もfvが1未満である限りは正値でより小さな値をとるようになり、その結果、固有振動数ωnを小さくすることで、目標車速Vはより小さい値をとるようになる。そして、この目標車速Vは自車両が先行車両に追いつく際の車速の制御目標をなすのである。
【0039】
以上のように、前記(12)式〜(14)式から、車線数が多くなるほど、固有振動数ωnを小さくすることで、より遅い時期に目標車間距離に達する特性となる。すなわち、車線数を多くするほど、より緩やかな車速変化となり目標車間距離に収束する特性となる。
このように、先行車追従制御装置は、車線数に応じて固有振動数ωnを設定し、車線数が多いほど目標車間距離に至るまでの車速変化を緩やかにして、先行車追従制御を行う。
【0040】
次に本発明の効果を説明する。
前述したように、本発明を適用した先行車追従制御装置は、車線数に応じて固有振動数ωnを設定し、車線数が多いほど目標車間距離に至るまでの車速変化を緩やかにして、先行車追従制御を行っている。
一般的に、車線数が多い道路では、先行車両に追いつく際に、運転者は、追いつく速度を速く感じてしまうが、本発明によれば、車線数が多いほど車速を緩やかに変化させて目標車間距離に至る(先行車両に追いつく)ことになり、そのような運転者の違和感を抑止防止することができる。
【0041】
次に第2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態は先行車追従制御装置である。
前述の第1の実施の形態では、車線数に応じて固有振動数ωnを設定し、車線数が多くなるほど目標車間距離に至るまでの車速変化を緩やかにしているが、これに対して、第2の実施の形態では、車線数に応じて減衰係数ζを設定することで、前述の第1の実施の形態と同様に、車線数が多いほど目標車間距離に至るまでの車速変化を緩やかにしている。
【0042】
この第2の実施の形態の先行車追従制御装置は、車線数に応じた減衰係数ζの設定を、前記車速制御部13あるいは先行車追従制御部30で行っており、車速制御部13あるいは先行車追従制御部30を除く他の構成については、前記図1乃至図7に示す第1の実施の形態の先行車追従制御装置と同一であり、その説明は省略する。
【0043】
図10は、減衰係数ζを設定する減衰係数設定処理を示すフローチャートである。この減衰係数設定処理は、車速制御部13あるいは先行車追従制御部30が行っており、車速制御部13あるいは先行車追従制御部30は、所定の時間間隔でこの制御を実行する。
先ず、ステップS11において、ACCセット中か否かを判定する。ここで、ACCセット中である場合、ステップS12に進み、ACCセット中でない場合、当該処理を終了する。
【0044】
ステップS12では、ナビゲーション装置3から車線数情報を受信できるか否かを判定する。ナビゲーション装置3から車線数情報を受信できる場合、ステップS3に進み、ナビゲーション装置3から車線数情報を受信できない場合、当該処理を終了する。
ステップS13では、車線数が4以上(車線数≧4)であるか否か、あるいは特殊道路であるか否かを判定する。ここで、車線数が4以上である場合、あるいは特殊道路である場合、ステップS14に進み、元々の減衰係数(デフォルト値)ζに1.10を掛けて新たな減衰係数ζとし、当該処理を終了する。一方、車線数が4以上でなく、特殊道路でもない場合、ステップS15に進む。
【0045】
ステップS15では、車線数が3(車線数=3)であるか否かを判定する。ここで、車線数が3である場合、ステップS16に進み、元々の減衰係数(デフォルト値)ζに1.05を掛けて新たな減衰係数ζとし、当該処理を終了する。一方、車線数が3でない場合、ステップS17に進む。
ステップS17では、車線数が1(車線数=1)であるか否かを判定する。ここで、車線数が1である場合、ステップS18に進み、元々の減衰係数(デフォルト値)ζに0.95を掛けて新たな減衰係数ζとし、当該処理を終了する。一方、車線数が1でない場合、当該処理を終了する。
【0046】
なお、車線数が2(車線数=2)である場合、元々の減衰係数(デフォルト値)ζのままであり、すなわち、元々の減衰係数(デフォルト値)ζに1.00を掛けて新たな減衰係数ζを得ているのと同等な処理となる。また、ステップS2において、ナビゲーション装置3から車線数情報を得ることができないときも、元々の減衰係数(デフォルト値)ζのままにする。
【0047】
以上のように減衰係数ζを設定する。
なお、以上の処理において、ステップS12、ステップS13、ステップS15及びステップS17の処理は道路幅を検出する道路幅検出手段を実現している。また、ステップS14、ステップS16及びステップS18の処理は、前記道路幅検出手段が検出した道路幅に基づいて車速を制御する車速制御手段を実現している。
【0048】
次に動作を説明する。
今、ACCをセットしたとする。または、ACCセット中に先行車両がいなくなり、あるいは、ACCセット中に自車両が車線変更をしたり、あるいはACCセット中に自車両が先行車両を追い抜いた場合でもよい。
すると、追従制御コントローラ10の先行車追従制御部30あるいは車速制御部13は、ACCセット中であることから、減衰係数設定処理を実行する(前記ステップS11)。そして、ナビゲーション装置3から車線数情報を受信できる場合(前記ステップS12)、受信した車線数に応じた減衰係数ζを設定する。すなわち、車両が走行中の道路の車線数が4以上、あるいは車両が走行中の道路が特殊道路であれば、元々の減衰係数(デフォルト値)ζに1.10を掛けて新たな減衰係数ζにする(前記ステップS13及びステップS14)。または、車両が走行中の道路の車線数が3であれば、元々の減衰係数(デフォルト値)ζに1.05を掛けて新たな減衰係数ζにする(前記ステップS15及びステップS16)。または、車両が走行中の道路の車線数が1であれば、元々の減衰係数(デフォルト値)ζに1.05を掛けて新たな減衰係数ζにする(前記ステップS17及びステップS18)。なお、自車両が走行している車線数が2である場合や、ナビゲーション装置3から車線数情報を受信できない場合には、元々の減衰係数(デフォルト値)ζを変更しない。
【0049】
そして、先行車両がある場合には、このように設定した減衰係数ζを用いて、先行車追従制御を実施する。例えば、前述したようにACCセット中に先行車両がいなくなり、あるいはACCセット中に車線変更をしたり、あるいはACCセット中に先行車両を追い抜いた場合に、その後、先行車両を発見した場合、このように設定した減衰係数ζを用いて、先行車追従制御を実施する。
【0050】
ここで、図11は、先行車追従制御特性であり、目標車間距離までの追従特性を示す。そして、異なる減衰係数ζ毎、すなわち、異なる車線数毎の特性を示す。図中、細線は1車線(減衰係数ζがデフォルト値よりも小)の特性を示し、中線は2車線(減衰係数ζがデフォルト値)の特性を示し、太線は3車線以上(減衰係数ζがデフォルト値よりも大)の特性を示す。
【0051】
この特性図より、各車線数それぞれで特性は目標車間距離に収束するようになっている。その一方で、車線数が多くなるほど、すなわち減衰係数ζを大きくするほど、目標車間距離Lに対するオーバーシュート分が小さくなり、より緩やかな車速変化で目標車間距離に収束する特性となる。
ここで、このような特性は、前記(12)式〜(14)式を用いて次のように説明できる。
【0052】
前記(12)式によれば、減衰係数ζを大きくすると、制御ゲインfvは小さくなる。また、前記(13)式によれば、自車両が先行車両に追いつく際の自車速Vは、先行車車速VTよりも大きいので、相対車速ΔVは負値になる。
このように、減衰係数ζを大きくすると、制御ゲインfvが小さくなり、また自車両が先行車両に追いつく際には、車間距離Lは目標車間距離Lより大きく、相対車速ΔVが負値になることから、前記(14)式では、右辺第3項(+(1−fv)ΔV)は制御ゲインfvが1未満である限りは正値でより小さな値をとるようになる(右辺第2項(−fd(L−L))は減衰係数ζが関与せずこれを変更しても変化しない)。その結果、減衰係数ζを大きくすることで目標車速Vはより小さい値をとるようになる。そして、この目標車速Vは自車両が先行車両に迫いつく際の車速の制御目標をなすのである。ただし、右辺第3項は相対車速ΔVに関係し、相対車速ΔVが大きいほど、前述の目標車間距離Lに対するオーバーシュート分が大きくなることを意味するので、減衰係数ζを大きくすることは、前述のオーバーシュート分を抑えることとなる。
【0053】
以上のように、前記(12)式〜(14)式から、車線数が多くなるほど減衰係数とを大きくすることで、相対車速ΔVに関連した前述の目標車間距離Lに対するオーバーシュート分が小さくなる特性となる。
このように、先行車追従制御装置は、車線数に応じて減衰係数ζを設定し、車線数が多いほど目標車間距離に至る車速変化を緩やかにして、先行車追従制御を行う。
【0054】
次に本発明の効果を説明する。
前述したように、本発明を適用した先行車追従制御装置は、車線数に応じて減衰係数ζを設定し、車線数が多いほど目標車間距離に至る車速を緩やかに変化させて、より詳細には目標車間距離Lに対するオーバーシュート分を小さくして、先行車追従制御を行っている。
【0055】
一般的に、車線数が多い道路では、先行車両に追いつく際に、運転者は、追いつく速度を速く感じてしまうが、本発明によれば、車線数が多いほど車速を緩やかに変化させて、より詳細には目標車間距離Lに対するオーバーシュート分を小さくして、目標車間距離に至る(先行車両に追いつく)ようになり、そのような運転者の違和感を抑止防止することができる。
【0056】
次に第3の実施の形態を説明する。この第3の実施の形態は先行車追従制御装置である。
前述の第1の実施の形態や第2の実施の形態では、固有振動数ωnや減衰係数ζの設定を車線数に応じて行っているが、これに対して、第3の実施の形態では、車線幅を取得し、その車線幅に応じて固有振動数ωnを設定している。
【0057】
この第3の実施の形態の先行車追従制御装置は、車線幅に応じた固有振動数ωnの設定を、前記車速制御部13あるいは先行車追従制御部30で行っている。また、車線幅の情報は前記CCDカメラ2による撮像データから得ている。
例えば、車線データを取得する技術としてはレーンキープ制御がある。レーンキープ制御は、カメラにより路面上に白線を検出し、その検出した白線に基づいて走行レーン内を走行させる技術である(例えば、特開2001−266163号公報参照)。
【0058】
このような技術を利用して、CCDカメラ2により得た撮像画像中のレーンマーカに基づいて車線幅データを得る。
なお、他の構成については、前述の第1の実施の形態の先行車追従制御装置と同一であり、その説明は省略する。
図12は、固有振動数ωnを設定する固有振動数設定処理を示すフローチャートである。この固有振動数設定処理は、車速制御部13あるいは先行車追従制御部30が行っており、車速制御部13あるいは先行車追従制御部30は、所定の時間間隔でこの制御を実行する。
【0059】
先ず、ステップS21において、ACCセット中か否かを判定する。ここで、ACCセット中である場合、ステップS22に進み、ACCセット中でない場合、当該処理を終了する。
ステップS22では、前述のレーンキープ制御を行うレーンキープECU(電子コントロールユニット)から車線幅情報を受信できるか否かを判定する。レーンキープECUから車線幅情報を受信できる場合、ステップS23に進み、レーンキープECUから車線幅情報を受信できない場合、当該処理を終了する。
【0060】
ステップS23では、レーンキープECUから受信した車線幅を変数として、下記(17)式により固有振動数ωnを算出し、当該処理を終了する。
Figure 0003835388
ここで、Lは車線幅(m)であり、A1は設定定数であり(本実施の形態では、A1=0.5)、右辺のωnは固有振動数のデフォルト値である。
【0061】
また、車線幅は法規によって設定されており、例えば国内の高速道路であれば、車線幅は3.25m〜3.75mとされている。ちなみに、国内の一般道や海外の道路を含めると、車線幅は概ね2.7m〜4.2mの範囲とされている。
前記(17)式中の「3.25」の値は、このような関係により決定しており、すなわち当該制御を高速道路走行中に行う場合を前提とした値である。よって、一般道や海外であれば、前記(17)式中の「3.25」の値の部分はそれに応じた値になる。
【0062】
以上のように固有振動数ωnを設定する。
なお、以上の処理において、ステップS22の処理は道路幅を検出する道路幅検出手段を実現している。また、ステップS23の処理は、前記道路幅検出手段が検出した道路幅に基づいて車速を制御する車速制御手段を実現している。
次に動作を説明する。
【0063】
今、ACCをセットしたとする。または、ACCセット中に先行車両がいなくなり、あるいは、ACCセット中に自車両が車線変更をしたり、あるいはACCセット中に自車両が先行車両を追い抜いた場合でもよい。
すると、追従制御コントローラ10の先行車追従制御部30あるいは車速制御部13は、ACCセット中であることから、固有周波数設定処理を実行する(前記ステップS21)。そして、レーンキープECUから車線幅情報を受信できる場合(前記ステップS22)、前記(17)式により、受信した車線幅に応じた固有振動数ωnにする(前記ステップS23)。
【0064】
例えば、車線幅が2.7mの場合、(17)式により、固有振動数ωnは約1.08になる。また、車線幅が3.25mの場合、(17)式により、固有振動数ωnは1になり、デフォルト値になる。さらに、車線幅が4.2mの場合、(17)式により、固有振動数ωnは約0.85になる。このように、車線幅が広くなるほど、固有振動数ωnは小さく設定される。
【0065】
そして、先行車両がある場合には、このように設定した固有振動数ωnを用いて、先行車追従制御を実施する。例えば、前述したようにACCセット中に先行車両がいなくなり、あるいはACCセット中に自車両が車線変更をしたり、あるいはACCセット中に自車両が先行車両を追い抜いた場合に、その後、先行車両を発見した場合、このように設定した固有振動数ωnを用いて、先行車追従制御を実施する。
【0066】
ここで、図13は、先行車追従制御特性であり、目標車間距離までの追従特性を示す。そして、ここでは、前述の例を車線幅のパラメータとして示している。すなわち、細線は車線幅が2.7m(固有振動数ωnがデフォルト値よりも大)の特性を示し、中線は車線幅が3.25m(固有振動数ωnがデフォルト値)の特性を示し、太線は車線幅が4.2m(固有振動数ωnがデフォルト値よりも小)の特性を示す。
【0067】
この特性図より、各車線幅それぞれで特性はともに目標車間距離に収束するようになっている。その一方で、車線幅が広くなるほど、すなわち固有振動数ωnを小さくするほど、より遅い時期に目標車間距離に達する特性となる。すなわち、車線幅を広くするほど、より緩やかな車速変化となり目標車間距離に収束する特性となる。
【0068】
ここで、このような特性は、前述の第1の実施の形態と同様に、前記(12)式〜(14)式を用いて説明できる。
すなわち、前記(12)式によれば、固有振動数ωnを小さくすると、制御ゲインfvは大きくなる。また、(12)式によれば、固有振動数ωnを小さくすると、制御ゲインfdは小さくなる。また、前記(13)式によれば、そのため、自車両が先行車両に追いつく際の自車速Vは、先行車車速VTよりも大きいので、相対速度ΔVは負値になる。
【0069】
このように、固有振動数ωnを小さくすると、制御ゲインfvが大きくなり、制御ゲインfdが小さくなり、また、自車両が先行車両に追いつく際には、車間距離Lは目標車間距離Lより大きく、相対速度ΔVが負値になることから、前記(14)式では、右辺第2項(−fd(L−L))は正値でより小さな値をとるようになり、右辺第3項(+(1−fv)ΔV)もfvが1未満である限りは正値でより小さな値をとるようになり、その結果、固有振動数ωnを小さくすることで、目標車速Vはより小さい値をとるようになる。そして、この目標車速Vは自車両が先行車両に追いつく際の速度の制御目標をなすのである。
【0070】
以上のように、前記(12)式〜(14)式から、車線幅が多くなるほど固有振動数ωnを小さくすることで、より遅い時期に目標車間距離に達する特性となる。すなわち、車線数を多くするほど、より緩やかな車速変化となり目標車間距離に収束する特性となる。
このように、先行車追従制御装置は、車線幅に応じて固有振動数ωnを設定して、車線幅が広いほど目標車間距離に至るまでの車速変化を緩やかにして、先行車追従制御を行う。
【0071】
次に本発明の効果を説明する。
前述したように、本発明を適用した先行車追従制御装置は、車線幅に応じて固有振動数ωnを設定し、車線幅が広いほど目標車間距離に至るまでの車速変化を緩やかにして、先行車追従制御を行っている。
一般的に、車線幅が広い道路では、先行車両に追いつく際に、運転者は、追いつく速度を速く感じてしまうが、本発明によれば、車線幅が広くなっているほど速度を緩やかに変化させて目標車間距離に至る(先行車両に追いつく)ことになり、そのような運転者の違和感を抑止防止することができる。
【0072】
次に第4の実施の形態を説明する。この第4の実施の形態は先行車追従制御装置である。
前述の第3の実施の形態では、車線幅に応じて固有振動数ωnを設定し、車線幅が広くなるほど目標車間距離に至るまでの車速変化を緩やかにしているが、これに対して、第4の実施の形態では、車線幅に応じて減衰係数ζを設定することで、前述の第2の実施の形態と同様に、車線幅が広くなるほど目標車間距離に至るまでの車速変化を緩やかにしている。
【0073】
この第4の実施の形態の先行車追従制御装置は、車線幅に応じた減衰係数ζの設定を、前記車速制御部13あるいは先行車追従制御部30で行っている。また、車線幅データの取得については、前述の第2の実施の形態と同様に、レーンキープ制御の技術を用いて行う。
なお、他の構成については、前述の第1の実施の形態の先行車追従制御装置と同一であり、その説明は省略する。
【0074】
図14は、減衰係数ζを設定する減衰係数設定処理を示すフローチャートである。この減衰係数設定処理は、車速制御部13あるいは先行車追従制御部30が行っており、車速制御部13あるいは先行車追従制御部30は、所定の時間間隔でこの制御を実行する。
先ず、ステップS31において、ACCセット中か否かを判定する。ここで、ACCセット中である場合、ステップS32に進み、ACCセット中でない場合、当該処理を終了する。
【0075】
ステップS32では、レーンキープECU(電子コントロールユニット)から車線幅情報を受信できるか否かを判定する。レーンキープECUから車線幅情報を受信できる場合、ステップS33に進み、レーンキープECUから車線幅情報を受信できない場合、当該処理を終了する。
ステップS33では、レーンキープECUから受信した車線幅を変数として、下記(18)式により減衰係数ζを算出し、当該処理を終了する。
【0076】
Figure 0003835388
ここで、Lは車線幅(m)であり、A2は設定定数であり(本実施の形態では、A2=0.2)、右辺のζは減衰係数のデフォルト値である。
以上のように減衰係数ζを設定する。
【0077】
なお、以上の処理において、ステップS32の処理は道路幅を検出する道路幅検出手段を実現している。また、ステップS33の処理は、前記道路幅検出手段が検出した道路幅に基づいて車速を制御する車速制御手段を実現している。
次に動作を説明する。
今、ACCをセットしたとする。または、ACCセット中に先行車両がいなくなり、あるいは、ACCセット中に自車両が車線変更をしたり、あるいはACCセット中に自車両が先行車両を追い抜いた場合でもよい。
【0078】
すると、追従制御コントローラ10の先行車追従制御部30あるいは車速制御部13は、ACCセット中であることから、減衰係数設定処理を実行する(前記ステップS31)。そして、レーンキープECUが車線幅情報を受信できる場合(前記ステップS32)、前記(18)式により、受信した車線幅に応じた減衰係数ζにする(前記ステップS33)。
【0079】
例えば、車線幅が2.7mの場合、(18)式により、減衰係数ζは約0.97になる。また、車線幅が3.25mの場合、(18)式により、減衰係数ζは1になり、デフォルト値になる。さらに、車線幅が4.2mである場合、(17)式により、減衰係数ζは約1.06になる。このように、車線幅が広くなるほど、減衰係数ζは小さく設定される。
【0080】
そして、先行車両がある場合には、このように設定した減衰係数ζを用いて、先行車追従制御を実施する。例えば、前述したようにACCセット中に先行車両がいなくなり、あるいはACCセット中に自車両が車線変更をしたり、あるいはACCセット中に自車両が先行車両を追い抜いた場合に、その後、先行車両を発見した場合、このように設定した減衰係数ζを用いて、先行車追従制御を実施する。
【0081】
ここで、図13は、先行車追従制御特性であり、目標車間距離までの追従特性を示す。そして、ここでは、前述の例を車線幅のパラメータとして示している。すなわち、細線は車線幅が2.7m(減衰係数ζがデフォルト値よりも小)の特性を示し、中線は車線幅が3.25m(減衰係数ζがデフォルト値)の特性を示し、太線は車線幅が4.2(減衰係数ζがデフォルト値よりも大)の特性を示す。
【0082】
この特性図より、各車線幅それぞれで特性は目標車間距離に収束するようになっている。その一方で、車線幅が広くなるほど、すなわち減衰係数ζを大きくするほど、目標車間距離Lに対するオーバーシュート分が小さくなり、より緩やかな車速変化で目標車間距離に収束する特性となる。
ここで、このような特性は、前述の第1の実施の形態と同様に、前記(12)式〜(14)式を用いて次のように説明できる。
【0083】
すなわち、前記(12)式によれば、減衰係数ζを大きくすると、制御ゲインfvは小さくなる。また、前記(13)式によれば、自車両が先行車両に追いつく際の自車速Vは、先行車車速VTよりも大きいので、相対車速ΔVは負値になる。
このように、減衰係数ζを大きくすると、制御ゲインfvが小さくなり、また自車両が先行車両に追いつく際には、車間距離Lは目標車間距離Lより大きく、相対車速ΔVが負値になることから、前記(14)式では、右辺第3項(+(1−fv)ΔV)は制御ゲインfvが1未満である限りは正値でより小さな値をとるようになる(右辺第2項(−fd(L−L))は減衰係数ζが関与せずこれを変更しても変化しない)。その結果、減衰係数ζを大きくすることで目標車速Vはより小さい値をとるようになる。そして、この目標車速Vは自車両が先行車両に迫いつく際の車速の制御目標をなすのである。ただし、右辺第3項は相対車速ΔVに関係し、相対車速ΔVが大きいほど、前述の目標車間距離Lに対するオーバーシュート分が大きくなることを意味するので、減衰係数ζを大きくすることは、前述のオーバーシュート分を抑えることとなる。
【0084】
以上のように、前記(12)式〜(14)式から、車線数が多くなるほど減衰係数とを大きくすることで、相対車速ΔVに関連した前述の目標車間距離Lに対するオーバーシュート分が小さくなる特性となる。
このように、先行車追従制御装置は、車線幅に応じて減衰係数ζを設定して、車線幅が広いほど目標車間距離に至る車速変化を緩やかにして、先行車追従制御を行う。
【0085】
次に本発明の効果を説明する。
前述したように、本発明を適用した先行車追従制御装置は、車線幅に応じて減衰係数ζを設定し、車線幅が広いほど目標車間距離に至る車速を緩やかに変化させて、より詳細には目標車間距離Lに対するオーバーシュート分を小さくして、先行車追従制御を行っている。
【0086】
一般的に、車線数が多い道路では、先行車両に追いつく際に、運転者は、追いつく速度を速く感じてしまうが、本発明によれば、車線幅が広いほど車速を緩やかに変化させて、より詳細には目標車間距離Lに対するオーバーシュート分を小さくして、目標車間距離に至る(先行車両に追いつく)ようになり、そのような運転者の違和感を抑止防止することができる。
【0087】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施の形態として実現されることに限定されるものではない。
すなわち、前述の実施の形態では、具体的な車線数や車線幅を挙げ、そのような車線数や車線幅に応じて設定する固有振動数ωnや減衰係数ζも具体的な値を用いているが、これに限定されないことはいうまでもない。
【0088】
例えば、第1の実施の形態や第2の実施の形態では、車線数が4以上であれば、固有振動数ωnや減衰係数ζは一定値を示すようになるが、4以上の車線数についてさらに細かく固有振動数ωnや減衰係数ζを設定するようにしてもよい。
また、前記(17)式や(18)式により、車線幅に応じて固有振動数ωnや減衰係数ζを得ているが、他の式あるは手法により、車線幅に応じて固有振動数ωnや減衰係数ζを得るようにしてもよい。
【0089】
また、前述の実施の形態では、先行車追従制御について具体的に式や処理手順を挙げて説明しているが、これに限定されるものではない。本発明が適用可能である限り、他の式や処理手順により実施される先行車追従制御に本発明を適用することができる。
例えば、前記(12)式に示すように、制御ゲインfdは固有振動数ωnのみを変数としているが、減衰係数ζをも変数として含むようにしてもよい。この場合、他の式もこれに応じて変形することになる。
【0090】
また、前述の第3の実施の形態及び第4の実施の形態では、レーンキープ制御の技術を利用して車線幅の情報を取得するように説明した。しかし、これに限定されるものではなく、他の技術により車線幅を取得してもよい(例えば、特開平8−136237号公報参照)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の先行車追従制御装置を示す概略構成図である。
【図2】前記先行車追従制御装置の追従制御コントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】前記追従制御コントローラの測距信号処理部を説明するためのブロック図である。
【図4】前記追従制御コントローラの相対速度演算部を説明するためのブロック図である。
【図5】前記追従制御コントローラの車間距離制御部を説明するためのブロック図である。
【図6】前記追従制御コントローラの車間距離制御部を説明するためのブロック図である。
【図7】前記追従制御コントローラの目標車間距離設定部を説明するためのブロック図である。
【図8】第1の実施の形態における処理内容であって、車線数に応じて固有振動数ωnを設定する固定振動数設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】車線数に応じて固有振動数ωnを設定した場合の先行車追従制御の特性であって、その特性を各車線数毎について示す特性図である。
【図10】第2の実施の形態における処理内容であって、車線数に応じて減衰係数ζを設定する減衰係数設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】車線数に応じて減衰係数ζを設定した場合の先行車追従制御の特性であって、その特性を各車線数毎について示す特性図である。
【図12】第3の実施の形態における処理内容であって、車線幅に応じて固有振動数ωnを設定する固定振動数設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】車線幅に応じて固有振動数ωnを設定した場合の先行車追従制御の特性であって、その特性を各車線幅毎について示す特性図である。
【図14】第4の実施の形態における処理内容であって、車線幅に応じて減衰係数ζを設定する減衰係数設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】車線幅に応じて減衰係数ζを設定した場合の先行車追従制御の特性であって、その特性を各車線幅毎について示す特性図である。
【図16】車線数が多い道路で先行車両に追いつく際に、運転者が追いつく速度を速く感じることについての説明に使用した図である。
【符号の説明】
1 車間距離センサ
2 CCDカメラ
3 ナビゲーション装置
4 車速センサ
5 スロットルアクチュエータ
6 自動変速機
7 制動装置
10 追従制御コントローラ
11 車速信号処理部
12 画像処理部
13 車速制御部
14 測距信号処理部
30 先行車追従制御部
31 相対速度演算部
32 車間距離制御部
33 目標車間距離設定部

Claims (3)

  1. 自車両と先行車両との車間距離目標車間距離との差と、自車両と先行車両との相対速度とに基づいて目標車速を設定し、当該目標車速に自車速が一致するように制駆動力を制御する先行車追従制御装置であって、
    自車両が走行している道路の道路幅を検出する道路幅検出手段と、
    前記道路幅検出手段が検出した道路幅が広くなるほど、先行車両に追いつく際に前記車間距離が前記目標車間距離に至るまでの前記目標車速の変化が小さくなるように、前記先行車両への追従特性を変更する変更手段と、
    を備えたことを特徴とする先行車追従制御装置。
  2. 前記道路幅検出手段は、自車両が走行している車線の車線幅を前記道路幅として検出しており、前記変更手段は、前記車線幅が広くなるほど、先行車両に追いつく際に前記車間距離が前記目標車間距離に至るまでの前記目標車速の変化が小さくなるように、前記先行車両への追従特性を変更することを特徴とする請求項1に記載の先行車追従制御装置。
  3. 前記道路幅検出手段は、自車両が走行している道路の車線数を前記道路幅として検出しており、前記変更手段は、前記車線数が多くなるほど、先行車両に追いつく際に前記車間距離が前記目標車間距離に至るまでの前記目標車速の変化が小さくなるように、前記先行車両への追従特性を変更することを特徴とする請求項1に記載の先行車追従制御装置。
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