JP3630124B2 - 先行車両追従制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の車間距離指令値に基づいて滑らかに変化する目標車間距離を設定し、その目標車間距離に実際の車間距離が一致するように制駆動力を制御して、自車両を先行車両に追従させる先行車両従制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の先行車両追従制御装置としては、例えば特開2000−135934号公報に記載されているものが知られている。
この従来例には、自車両と先行車両との間の車間距離と所定の車間距離指令値とに基づいて、2次遅れ形式のローパスフィルタを用いて目標車間距離を演算し、その目標車間距離に車間距離が一致するように制駆動力を制御する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、上記従来例にあっては、2次遅れ形式のローパスフィルタを用いて目標車間距離を演算するため、例えば、渋滞等で先行車両に続いて自車両が停車したときに、車間距離が車間距離指令値よりも小さいと、自車両を先行車両に追従させて発進させようとしても、自車両は車間距離が目標車間距離を超えるまで発進を開始せず、また、目標車間距離は時間の経過とともに大きくなるので、先行車両が発進しているのに、自車両が発進しないことがあり、追従制御中であるにも関わらず、自車両が先行車両に置いていかれるといった違和感を乗員に与えるという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は上記従来の技術の未解決の問題点に着目してなされたものであって、先行車両の発進時に、自車両が置いていかれるといった違和感を与えてしまうことを抑制防止できる先行車両追従制御装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明である先行車両追従装置は、自車両と先行車両との間の車間距離を検出する車間距離検出手段と、所定の車間距離指令値を設定する車間距離指令値設定手段と、前記車間距離指令値設定手段で設定された車間距離指令値に基づき所定の関数を用いて目標車間距離を設定する目標車間距離設定手段と、前記目標車間距離設定手段で設定された目標車間距離に前記車間距離検出手段で検出される車間距離が一致するように制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備え、前記目標車間距離設定手段は、自車両と先行車両とが停車しているときに、前記車間距離検出手段で検出される停車時車間距離が前記車間距離指令値設定手段で設定された車間距離指令値より小さいときには、前記先行車両が発進するときに、前記停車時車間距離を初期値として前記目標車間距離の設定を開始することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、前記目標車間距離設定手段は、前記先行車両が発進したのちに、応答特性の遅い関数を用いて前記目標車間距離を設定することを特徴とする。
【0006】
また、請求項3に係る発明は、請求項2の先行車両追従装置において、前記応答特性の遅い関数は、むだ時間を表す関数を含むことを特徴とする。
さらに、請求項4に係る発明は、請求項3の先行車両追従装置にあっては、前記停車時車間距離と前記車間距離指令値との差の大きさに応じて大きく設定することを特徴とする。
【0007】
また、請求項5に係る発明は、請求項2の先行車両追従装置において、前記応答特性の遅い関数は、発進の初期段階の目標車間距離の時間変化率が負になる関数であることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、前記発進の初期段階の目標車間距離の時間変化率を、前記停車時車間距離の大きさに応じて大きく設定することを特徴とする。
【0008】
さらに、請求項7に係る発明は、請求項2〜6のいずれか1項に記載の先行車両追従装置において、前記目標車間距離設定手段は、前記応答特性の遅い関数で算出した目標車間距離を所定の最低車間距離で規制することを特徴とする。
さらに、請求項8に係る発明は、請求項2〜7のいずれか1項に記載の先行車両追従装置において、前記目標車間距離設定手段は、前記目標車間距離が前記車間距離指令値設定手段で設定された車間距離指令値に一致するまで、前記目標車間距離を前記応答特性の遅い関数を用いて設定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項9に係る発明は、請求項2〜8のいずれか1項に記載の先行車両追従装置において、自車両と先行車両との相対車速を検出する相対車速検出手段を備え、前記目標車間距離設定手段は、前記相対車速検出手段で検出される相対車速が負になるまで、前記目標車間距離を前記応答特性の遅い関数を用いて設定することを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
したがって、請求項1に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、停車時の車間距離が車間距離指令値より小さいときには、目標車間距離を停車時の車間距離に初期値設定するため、先行車両が発進してもすぐに先行車両に対する追従走行が始まり、先行車両との車間距離を適切に維持することができる。
また、請求項2にある発明は、先行車両が発進したのちに、応答特性の遅い関数を用いて目標車間距離を設定するので、先行車両に追従して自車両を発進させるときには、目標車間距離が停車時と同じかほぼ同じ値となり、その目標車間距離に実際の車間距離が一致するように制駆動力が制御されるので、先行車両の発進時に、自車両が置いていかれるような違和感を乗員に与えてしまうことを抑制防止できる。
【0011】
また、請求項3に係る発明である先行車両追従制御装置においては、応答特性の遅い関数にむだ時間を表す関数を含むようにしたため、停車時の車間距離が車間距離指令値より小さくても、先行車両が発進すると、目標車間距離が停車時の車間距離と同じ値とされ、自車両は先行車両と同じように発進し、先行車両の発進時に、自車両が置いていかれるといった違和感を乗員に与えてしまうことを効果的に抑制防止できる。
【0012】
さらに、請求項4に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、むだ時間を停車時の車間距離と車間距離指令値との差の大きさに応じて大きく設定するようにしたため、停車時の車間距離と車間距離指令値との差が大きいと、むだ時間が大きく設定され、先行車両の発進後も、自車両が置いていかれるといった違和感を乗員に与えてしまうことを抑制防止できる。
【0013】
また、請求項5に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、応答特性の遅い関数を、発進の初期段階の目標車間距離の時間変化率が負になる関数とするようにしたため、停車時の車間距離が車間距離指令値より小さくても、先行車両が発進すると、目標車間距離が停車時の車間距離より小さく設定され、自車両は先行車両よりも大きく加速して発進し、先行車両の発進時に、自車両が置いていかれるといった違和感を乗員に与えてしまうことを効果的に抑制防止できる。
【0014】
さらに、請求項6に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、発進の初期段階の時間変化率を停車時の車間距離の大きさに応じて大きく設定するようにしたため、車間距離が大きく、自車両が先行車両に接近してしまう恐れが小さいときには、自車両はより大きく加速して発進し、先行車両の発進時に、先行車両に自車両が置いていかれるといった違和感を乗員に与えてしまうことを効果的に抑制防止できる。
【0015】
また、請求項7に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、応答特性の遅い関数で算出した目標車間距離を所定の最低車間距離で規制するようにしたため、先行車両の発進時に、自車両が先行車両よりも大きな加速度で発進したとしても、先行車両に最低車間距離よりも接近してしまうことはなく、乗員に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制防止できる。
【0016】
また、請求項8に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、目標車間距離が車間距離指令値に一致するまで、目標車間距離を応答特性の遅い関数を用いて設定するようにしたため、例えば、目標車間距離が車間距離指令値に一致した後には、目標車間距離の設定に用いる関数として応答特性の速いものを用いるようにすれば、先行車両の加減速に対する自車両の追従性を確保することができる。
【0017】
さらに、請求項9に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、自車両と先行車両との相対車速が負になるまで、目標車間距離を応答特性の遅い関数を用いて設定するようにしたため、例えば、先行車両が減速等したときにも、自車両は先行車両に接近してしまうことはなく、乗員に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る先行車両追従制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態を示す概略構成図であって、図中、1FL、1FRは従動輪としての前輪、1RL、1RRは駆動輪としての後輪である。これらのうち後輪1RL、1RRは、エンジン2の駆動力が自動変速機3、プロペラシャフト4、最終減速装置5及び車軸6を介して伝達されて回転駆動される。
【0019】
また、前輪1FL、1FR及び後輪1RL、1RRには、夫々制動力を発生するブレーキアクチュエータとしてのディスクブレーキ7が設けられ、これらディスクブレーキ7の制動油圧は制動制御装置8によって制御される。ここで、制動制御装置8は、ブレーキペダル8aの踏込量及び後述する追従制御用コントローラ20からの制動油圧指令値に応じて制動油圧を発生するように構成される。
【0020】
また、エンジン2には、その出力を制御するエンジン出力制御装置9が設けられている。このエンジン出力制御装置9は、アクセルペダル9aの踏込量及び後述する追従制御用コントローラ20からのスロットル開度指令値に応じて、エンジン2に設けられたスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータ10を制御するように構成される。
【0021】
さらに、自動変速機3には、その変速位置や当該変速位置に適した作動流体圧を制御する変速機制御装置11が設けられている。この変速機制御装置11は、アクセルペダル9aの踏込量及び後述の追従制御用コントローラ20からの変速指令値に応じて、自動変速機3の変速位置や作動流体圧を制御するように構成される。
【0022】
一方、車両の前方側の車体下部には、レーザ光を掃射して先行車両からの反射光を受光するレーダ方式の構成を有する車間距離センサ12が設けられている。車間距離センサ12では、レーザ光を掃射してから先行車両の反射光を受光するまでの時間を計測し、自車両と先行車両との間の車間距離Lを検出する。そして、その車間距離Lの検出値を微分して自車両と先行車両との相対速度△Vを算出し、それらを追従制御用コントローラ20に出力する。なお、車間距離Lから相対速度△Vを算出する方法としては、車間距離Lの検出値を微分するやり方に変えて、例えば、バンドバスフィルターを用いるようにしてもよい。また、車間距離センサ12は、自車両と先行車両との間の車間距離Lを検出できるものであればよく、レーザ光に代えて、電波や超音波を利用して車間距離L等を検出するものであってもよい。
【0023】
また、車両には、プロペラシャフト4の回転速度に基づいて自車速Vを検出する車速センサ13が設けられている。そして、車間距離センサ12から出力される車間距離L及び相対速度ΔVと、車速センサ13から出力される自車速Vとが追従制御用コントローラ20に入力される。この追従制御用コントローラ20は、図示しないマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成され、後述する追従制御処理を実行し、先行車両を捕捉しているときには車間距離Lを目標車間距離L*に制御する制動油圧指令値、スロットル開度指令値及び変速指令値を、制動制御装置8、エンジン出力制御装置9及び変速機制御装置11に出力する。
【0024】
本実施の形態における追従制御処理は、マイクロコンピュータのソフトウェア形態により、図2に示す制御ブロックを構成しており、この制御ブロックは、車間距離指令値演算部31、追従制御モード選択部32、目標車間距離演算用定数決定部33、目標車間距離演算部34及び車速指令値演算部35を備えている。車間距離指令値演算部31は、車間距離センサ12で検出された相対速度△Vと車速センサ13で検出された自車速Vとに基づいて、車間距離指令値L*を先行車両の車速Vt(=V+△V)の関数として下記(1)式に従って算出し、その算出結果を追従制御モード選択部32、目標車間距離演算用定数決定部33及び目標車間距離演算部34に出力する処理を行う。
【0025】
L*=a・Vt +Lof=a・(V+△V)+Lof ………(1)
但し、aは係数であり、Lofはオフセット値である。
なお、車間距離指令値L*を算出する方法は、上記(1)式に限定されるものではなく、例えば、自車速Vの関数として下記(2)式に従って算出するようにしてもよく、また、算出するのではなく、乗員に設定させるようにしてもよい。
【0026】
L*=a'・V+Lof ………(2)
但し、a'は係数である。
また、追従制御モード選択部32は、車間距離センサ12で検出された車間距離L及び相対速度△V、車速センサ13で検出された自車の車速V、車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*、及び目標車間距離演算部34で算出された目標車間距離LTに基づいて、予め定められた3種類の追従制御モード(追従制御モード0、追従制御モード1及び追従制御モード2)のうちから追従状況に応じたものを選択し、その選択結果を目標車間距離演算部34に出力する処理を行う。
【0027】
一方、目標車間距離演算用定数決定部33は、車間距離指令値演算部31で算出される車間距離指令値L*を入力とし、車間距離センサ12で検出される車間距離Lを出力とする車間距離制御系において、実際の車間距離Lが車間距離指令値L*に到達するまでの車間距離制御系の応答特性を好ましいものにするために、車間距離偏差△L(=L−L*)及び相対速度△Vに応じて車間距離制御系の減衰係数ζ T 及び固有振動数ω T を設定する処理を行う。
【0028】
具体的には、種々の追従状況において好ましい応答特性が得られるように、車間距離偏差△Lと相対速度△Vとに応じた車間距離制御系の減衰係数ζTと固有振動数ωTとを予めマップとして設定しておき、追従制御時に、そのマップから車間距離偏差△L及び相対速度△Vに対応する減衰係数ζT及び固有振動数ωTを読み出すようになっている。表1に減衰係数ζTのマップ例を表2に固有振動数ωTのマップ例を示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
また、目標車間距離演算部34は、追従制御モード選択部32で選択された追従制御モードに対応づけられているフィルタであって、目標車間距離演算用定数決定部33で決定された減衰係数ζT及び固有振動数ωTで係数が設定されているものを用いて、車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*と先行車両を補足したとき等に設定される車間距離Loとに基づいて、目標車間距離LTと目標相対速度△VTを演算して、それらの演算結果を車速指令値演算部35に出力する処理を行う。なお、追従制御モード0は、2次遅れ形式のローパスフィル夕に対応し、追従制御モード1は、むだ時間を含む2次遅れ形式のローパスフィル夕に対応し、追従制御モード2は、非最小位相系の伝達関数で表される逆応答フィル夕に対応する。
【0032】
さらに、車速指令値演算部35は、目標車間距離演算部34で算出された目標車間距離LTと目標相対速度△VTに基づいて、車速指令値V*を下記(3)式に従って算出し、その算出結果を車速制御部36に出力する処理を行う。
V*=V(t)+△V(t)−〔fV{△VT(t)−△V(t)}+fL{LT(t)−L(t)}〕 ………(3)
但し、fV及びfLは定数である。
【0033】
そして、車速制御部36は、車速指令値演算部35で算出された車速指令値V*に自車速Vを一致させるためのスロットル開度指令値、制動油圧指令値及び変速指令値を演算し、それらをエンジン出力制御装置9、制動制御装置8及び変速機制御装置11に出力する。車速指令値V*に自車速Vを一致させるための演算方法としては、フィードバック制御手法や、特開2000−135934号公報に記載のロバストモデルマッチング制御手法等、種々の制御手法を用いることができる。
【0034】
次に、図2の追従制御モード選択部32で行われる処理を図3のフローチャートに基づいて詳細に説明する。この処理が実行されると、まずそのステップS1では、追従制御モード0が選択されていたか否か判定し、追従制御モード0が選択されていたときには(Yes)ステップS2に移行し、そうでないときには(No)ステップS8に移行する。なお、初期状態においては、追従制御モードの種類として追従制御モード0が選択されていたものとする。
【0035】
前記ステップS2では、車速センサ13で検出された自車両の車速Vが「0」であるか否か判定し、「0」であるときには(Yes)ステップS3に移行し、そうでないときには(No)この処理を終了する。
前記ステップS3では、車間距離センサ12で検出された相対速度△Vが「0」であるか否か判定し、「0」であるときには(Yes)ステップS4に移行し、そうでないときには(No)この処理を終了する。
【0036】
前記ステップS4では、車間距離センサ12で検出された停車時の車間距離Loが車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値Lo *より小さい(Lo<Lo *)か否かを判定し、小さいときには(Yes)ステップS5に移行し、そうでないときには(No)この処理を終了する。
前記ステップS5では、車間距離センサ12で検出された停車時の車間距離Loが所定の最低車間距離Lminより小さい(Lo<Lmin)か否かを判定し、小さいときには(Yes)ステップS6に移行し、そうでないときには(No)ステップS7に移行する。
【0037】
前記ステップS6では、追従制御モードの種類として追従制御モード1を選択してから、この処理を終了する。
また、前記ステップS7では、追従制御モードの種類として追従制御モード2を選択してから、この処理を終了する。
一方、前記ステップS8では、車間距離センサ12で検出された相対速度△Vと車速センサ13で検出された自車速Vとに基づき、先行車両の車速Vtを算出して、先行車両が減速しているか否か判定し、減速しているときには(Yes)ステップS10に移行し、そうでないときには(No)ステップS9に移行する。
【0038】
前記ステップS9では、車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*と目標車間距離演算部34で算出される目標車間距離LTとが一致しているか否か判定し、一致しているときには(Yes)前記ステップS10に移行し、そうでないときには(No)この処理を終了する。
また、前記ステップS10では、追従制御モードの種類として追従制御モード0を選択して、この処理を終了する。
【0039】
次に、図2の目標車間距離演算部34で行われる処理を図4のブロック図に基づいて詳細に説明する。この処理は、図4に示す制御ブロックを構成しており、その制御ブロックは、車間距離指令値L*と減衰係数ζT及び固有振動数ωTとに基づいて、むだ時間を含むローパスフィル夕で目標車間距離LTAを算出する目標車間距離演算部A341と、非最小位相系の逆応答フィル夕で目標車間距離LTBを算出する目標車間距離演算部B342と、ローパスフィルタで目標車間距離LTCを算出する目標車間距離演算部C343と、追従制御モード選択部32による選択結果に基づいて、それらの目標車間距離演算部341、342、343で算出される目標車間距離LTALTBLTCのいずれかを目標車間距離LTとして車速制御部36等に出力する追従制御モード切り替え部344とを備えている。
【0040】
これらのうち目標車間距離演算部A341は、車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*に基づいて、目標車間距離演算用定数決定部33で決定された減衰係数ζT及び固有振動数ωTを有する2次遅れ形式のローパスフィルタにむだ時間要素を含む下記(4)式に従って目標車間距離LTA 及び目標相対速度△VTAを算出し、その算出結果を追従制御モード切り替え部344に出力する。なお、下記(4)式では、車間距離センサ12で検出された停車時の車間距離Lo及び相対速度△Vo を目標車間距離LTA及び目標相対速度△VTAの初期値とする。
【0041】
【数1】
【0042】
また、上記(4)式をラプラス変換すると下記(5)式のように表される。
【0043】
【数2】
【0044】
上記(5)式は、車間距離指令値L*を入力とし目標車間距離LTAを出力としたときの伝達関数であり、むだ時間要素を有するため、図5に示すように、実際の車間距離Loよりも大きい車間距離指令値L*が入力されてからも、目標車間距離LTAとして停車時の車間距離Loをむだ時間Tにわたり出力する。なお、目標車間距離演算部A341のむだ時間Tは、図6に示すようなむだ時間マップに従って、図7に示すように、車間距離指令値L*と車間距離Lとの差を表す偏差率βの大きさに応じて設定する。また、偏差率βは、自車両が停車したときの車間距離指令値Lo *と車間距離Loとに基づき、下記(6)式に従って演算する。
【0045】
β=(Lo *‐Lo)/Lo *×100………(6)
但し、Lo *>Loである。
なお、むだ時間Tを求める方法は、偏差率βを介するやり方に限定されるものではなく、例えば、停車時の車間距離Lo等をパラメータとして、予め実験等により乗員のフィーリングと一致するむだ時間Tのマップを作成しておき、そのマップを用いて車間距離Loから直接に求めるようにしてもよい。
【0046】
また、目標車間距離演算部B342は、車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*に基づいて、目標車間距離演算用定数決定部33で決定された減衰係数ζT及び固有振動数ωTを有する非最小位相系のローパスフィルタと、そのローパスフィルタの出力を所定の最低車間距離Lminで制限するリミッタとを含んで構成される。具体的には、ローパスフィルタは、下記(7)式に従って目標車間距離LTB及び目標相対速度△VTBを算出し、リミッタは、その算出結果を制限して追従制御モード切り替え部344に出力する。なお、下記(7)式では、車間距離センサ12で検出された停車時の車間距離Lo及び相対速度△Voを目標車間距離LTB及び目標相対速度△VTBの初期値とする。
【0047】
【数3】
【0048】
また、上記(7)式をラプラス変換すると下記(8)式のように表される。
【0049】
【数4】
【0050】
上記(8)式は、車間距離指令値L*を入力とし目標車間距離LTBを出力としたときの伝達関数であり、正の零点「1/α」を有する非最小位相系であるため、図8に示すように、実際の車間距離Loよりも大きい車間距離指令値L*が入力されると、目標車間距離LTBを一旦小さく算出してから徐々に大きく算出する逆揺れの応答をする。その際、最低車間距離Lminで目標車間距離LTBを制限しているため、逆応答フィルタで目標車間距離LTBが小さく算出されたとしても、追従制御モード切り替え部344に出力される目標車間距離LTBが最低車間距離Lminより短くなってしまうことはない。
【0051】
なお、目標車間距離演算部B342の逆応答フィル夕の係数αは、図9に示すようなマップに従って、図10に示すように、停止時の車間距離Loと最低車間距離Lminとの差である車間距離偏差△L om inの大きさに応じて大きく設定する。また、係数αを求める方法は、車間距離偏差△L om inを介するやり方に限定されるものではなく、例えば、停車時の車間距離Lo等をパラメータとして、予め実験等により乗員のフィーリングと一致する係数αのマップを作成しておき、車間距離Loから直接に求めるようにしてもよい。
【0052】
一方、目標車間距離演算部C343は、車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*に基づいて、目標車間距離演算用定数決定部33で決定された減衰係数ζT及び固有振動数ωTを有する2次遅れ形式のローパスフィルタを表す下記(9)式に従って目標車間距離LTc及び目標相対速度△VTcを算出し、その算出結果を追従制御モード切り替え部344に出力する。なお、下記(9)式では、先行車両を捕捉したときには、捕捉直後の車間距離Lo及び相対速度△Voを目標車間距離LTc及び目標相対速度△VTcの初期値とし、また、追従制御モード1又は追従制御モード2から追従制御モード0に切り替わったときには、切り替わった直後の車間距離Lと相対速度△Vを初期値とする。
【0053】
【数5】
【0054】
また、上記(9)式をラプラス変換すると下記(10)式のように表される。
【0055】
【数6】
【0056】
上記(10)式は、車間距離指令値L*を入力とし目標車間距離LTAを出力としたときの伝達関数であり、2次遅れ要素を有するため、図11に示すように、実際の車間距離Loよりも大きい車間距離指令値L*が入力されると、目標車間距離LTBとして初期値から徐々に大きな値を出力する。
そして、追従制御モード切り替え部344は、追従制御モード選択部32での選択結果に基づいて、その選択された追従制御モードに対応する目標車間距離演算部341、342、343を選択し、その目標車間距離演算部341、342、343が出力している目標車間距離LT及び相対速度ΔVTを車速指令値演算部35や追従制御モード選択部32に出力する。具体的には、追従制御モードの種類として追従制御モード0が選択されたときには、目標車間距離演算部C343で算出された目標車間距離LTc及び目標相対速度△VTcを出力し、また追従制御モード1が選択されたときには、目標車間距離演算部A341で算出された目標車間距離LTA及び目標相対速度△VTAを出力し、さらに追従制御モード2が選択されたときには、目標車間距離演算部B342で算出された目標車間距離LTB及び目標相対速度△VTBを出力する。
【0057】
次に、本実施の形態の動作を具体的な状況に基づいて詳細に説明する。まず、高速道路を走行中に渋滞が発生し、先行車両に続いて自車両が停車したときに、図12に示すように、自車両が先行車両に追従して発進させるために、乗員が追従制御を開始させる操作を行ったとする。すると、追従制御用コントローラ20で追従制御処理が実行され、図2のブロック図に示すように、まず、車間距離指令値演算部31の処理が実行され、車間距離センサ12で検出された相対速度△Vと車速センサ13で検出された自車速Vとに基づいて車間距離指令値L*が算出され、その算出結果が追従制御モード選択部32、目標車間距離演算用定数決定部33及び目標車間距離演算部34に出力される。
【0058】
次いで、目標車間距離演算用定数決定部33の処理が実行され、車間距離センサ12で検出された車間距離L及び相対速度ΔVと車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*に基づき、車間距離偏差△L及び相対速度△Vに応じて車間距離制御系の減衰係数ζT及び固有振動数ωTが決定される。また、同時に、追従制御モード選択部32の処理も実行され、追従制御モードの種類が追従制御モード0に設定されるため、図3のフローチャートに示すように、まずそのステップS1の判定が「Yes」となり、また、先行車両に続いて自車両が停車したため、ステップS2及びS3の判定も「Yes」となる。そして、渋滞の混雑の度合いが高く、停車時の車間距離Loが最低車間距離Lminより小さくなっているとすると、ステップS4及びS5の判定も「Yes」となり、ステップS6で、追従制御モードの種類として追従制御モード1が選択される。
【0059】
そして、目標車間距離演算部34の処理が実行されて、図4のブロック図に示すように、車間距離指令値L*と減衰係数ζT及び固有振動数ωTとに基づいて、むだ時間を含むローパスフィル夕を有する目標車間距離演算部A341で目標車間距離LTAが算出され、また、逆応答フィル夕を有する目標車間距離演算部B342で目標車間距離LTBが算出され、さらに、ローパスフィルタを有する目標車間距離演算部C343で目標車間距離LTCが算出される。次いで、それらの目標車間距離演算部341、342、343で算出される目標車間距離LTALTBLTCのうちから、追従制御モード1に対応づけられている目標車間距離演算部A341で算出される目標車間距離LTAが、図5に示すように、追従制御モード切り替え部344から目標車間距離LTとして車速制御部36等に出力される。
【0060】
また、目標車間距離LT が入力された車速指令値演算部35では、その目標車間距離LTに基づいて車速指令値V*が算出され、車速制御部36では、その車速指令値V*に自車速Vを一致させるための制動油圧指令値、スロットル開度指令値及び変速指令値が演算され、それらが制動制御装置8、エンジン出力制御装置9及び変速機制御装置11に出力される。すると、スロットル開度指令値等を入力されたエンジン出力制御装置9等は、目標車間距離L*に実際の車間距離Lを一致させるように制駆動力を制御し、先行車両が発進すると、自車両と先行車両との間の車間距離Lが停車時と同じ値になるように自車両も発進するため、自車両が置いていかれるといった違和感を乗員に与えてしまうことを抑制防止することができる。
【0061】
さらに、目標車間距離演算部A341で目標車間距離LTAを算出する際に、図6に示すように、むだ時間Tを、停車時の車間距離Loと車間距離指令値Lo *との差の大きさを表す偏差率βに応じて大きく設定するため、例えば、渋滞等で先行車両に続いて自車両が停車したときに、実際の車間距離Lと車間距離指令値Lo *との差が大きいと、図7に示すように、むだ時間Tが大きく設定されるので、発進後も、自車両は停車時の車間距離Loを維持するように追従走行し、先行車両の発進時に、自車両が置いていかれるような違和感を乗員に与えてしまうことを抑制防止できる。
【0062】
一方、混雑の度合いが低く、停車時の車間距離Loが最低車間距離Lminより大きくなっているとすると、追従制御モード選択部32の処理が実行されたときに、図3に示すように、ステップS1〜S4を経て、ステップS5の判定が「No」となり、ステップS7で、追従制御モードの種類として追従制御モード2が選択される。そして、目標車間距離演算部34では、図4のブロック図に示すように、3種類の目標車間距離演算部341、342、343から出力される目標車間距離LTALTBLTCのうちから、追従制御モード2に対応づけられている目標車間距離演算部B342で算出される目標車間距離LTBが、図8に示すように、追従制御モード切り替え部344から目標車間距離LTとして車速制御部36等に出力される。
【0063】
すると、スロットル開度指令値を入力されたエンジン出力制御装置9等は、目標車間距離LTに実際の車間距離Lを一致させるように制駆動力を制御し、先行車両が発進したときに、自車両と先行車両との間の車間距離Lが停車時よりも小さい値になるように、自車両は先行車よりも大きく加速して発進するので、自車両が置いていかれるような違和感を乗員に与えてしまうことを抑制防止できる。
【0064】
このように、本実施形態にあっては、発進の初期段階に目標車間距離LTBの時間変化率が負になる関数を用いて目標車間距離LTを算出するようにしたため、自車両は先行車両よりも大きく加速して発進することになり、先行車両の発進時に、自車両が置いていかれるような違和感を乗員に与えてしまうことを抑制防止できる。
【0065】
さらに、図9に示すように、目標車間距離LTの時間変化率を表す係数αを、停車時の車間距離Loと最低車間距離Lminとの差を表す車間距離偏差ΔL om inの大きさに応じて大きく設定するようにしたため、図10に示すように、車間距離が大きく、自車両が先行車両に接近してしまう恐れが小さいときには、自車両はより大きく加速して発進するので、自車両が置いていかれるといった違和感を乗員に与えてしまうことを効果的に抑制防止できる。
【0066】
また、逆応答フィルタを用いて算出した目標車間距離LTBを最低車間距離Lminで制限するため、先行車両の発進時に、自車両が先行車両よりも大きな加速度で発進したとしても、先行車両に最低車間距離Lminよりも接近してしまうことはなく、運転者に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制防止できる。
また、上記フローを繰り返し実行して自車両を加速しているうちに、目標車間距離演算部34で算出される目標車間距離LTが車間距離指令値L*に一致したとする。すると、追従制御モード選択部32の処理が実行されたときに、図3のフローチャートに示すように、ステップS1及びS8の判定が「No」となり、また、ステップS9の判定が「Yes」となり、ステップS10で、追従制御モードの種類として追従制御モード0が選択される。そして、目標車間距離演算部34では、図4のブロック図に示すように、3種類の目標車間距離演算部341、342、343から出力される目標車間距離LTのうちから、追従制御モード0に対応づけられている目標車間距離演算部C343で算出される目標車間距離LTCが、図11に示すように、追従制御モード切り替え部344から目標車間距離LTとして車速制御部36等に目標車間距離LTとして出力される。
【0067】
すると、スロットル開度指令値を入力されたエンジン出力制御装置9等は、目標車間距離LTに実際の車間距離Lを一致させるように制駆動力を制御し、自車両と先行車両との間の車間距離Lが車間距離指令値L*と同じ値にされて、例えば先行車両が加速したときには、自車両も先行車両と同じ又はわずかに遅れて加速するため、先行車両の加減速に対して自車両の追従性を確保することができる。
【0068】
一方、上記フローを繰り返し実行して自車両を加速しているうちに、目標車間距離演算部34で算出される目標車間距離LTが車間距離指令値L*に一致する前に、再び渋滞が発生して先行車両が減速したとする。すると、追従制御モード選択部32の処理が実行されたときに、図3のフローチャートに示すように、ステップS1を経て、ステップS8の判定が「Yes」となり、ステップS10で、追従制御モードの種類として追従制御モード0が選択される。
【0069】
このように、本実施形態にあっては、先行車両が減速を始めたときに、目標車間距離LTを比較的に応答特性の早い関数を用いて設定するようにしたため、自車両と先行車両との間の車間距離Lは直ぐに先行車両の減速状況に応じた値に制御され、自車両は先行車両に接近してしまうことはなく、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0070】
なお、上記実施の形態においては、車間距離センサ12は車間距離検出手段及び相対車速検出手段に対応し、車間距離指令値演算部31は車間距離指令値設定手段に対応し、目標車間距離演算部34は目標車間距離設定手段に対応し、車速指令値演算部35及び車速制御部36は制駆動力制御装置に対応する。
また、上記実施の形態は本発明の先行車両追従制御装置の一例を示したものであり、装置の構成等を限定するものではない。
【0071】
また、上記実施形態においては、後輪駆動車に本発明を適用した場合について説明したが、前輪駆動車に本発明を適用することもでき、また回転駆動源としてエンジン2を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動モータを適用することもでき、さらには、エンジンと電動モータとを使用するハイブリッド車にも本発明を適用することができる。
【0072】
さらに、上記実施形態においては、車間距離センサ12としてレーザレーダを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ミリ波レーダを適用してもよく、さらにはCCDを使用したステレオカメラの撮像を画像処理して車間距離を求めるようにしてもよい。
またさらに、追従制御用コントローラ20をマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、関数発生器、比較器、演算器等の電子回路を組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の先行車両追従制御装置の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の追従制御用コントローラで実行される追従処理の具体的構成を示すブロック図である。
【図3】図2の追従制御モード選択部の処理の具体例を示すフローチャートである。
【図4】図2の目標車間距離演算部の処理の具体例を示すブロック線図である。
【図5】むだ時間要素を含むフィルタを用いて算出した目標車間距離の時間変化を示すグラフである。
【図6】偏差率に対するむだ時間のマップ例を示す特性線図である。
【図7】目標車間距離の時間変化のシミュレーション結果であって、むだ時間を変化させて示すグラフである。
【図8】逆応答フィルタを用いて算出した目標車間距離の時間変化を示すグラフである。
【図9】車間距離偏差に対する係数のマップ例を示す特性線図である。
【図10】目標車間距離の時間変化のシミュレーション結果であって、係数を変化させて示すグラフである。
【図11】2次遅れ形式のフィルタを用いて算出した目標車間距離の時間変化を示すグラフである。
【図12】本実施形態の動作状況を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1FL、1FRは前輪
1RL、1RRは後輪
2はエンジン
3は自動変速機
4はプロペラシャフト
5は最終減速装置
6は車軸
9はエンジン出力制御装置
10はスロットルアクチュエータ
11は変速機制御装置
12は車間距離センサ
13は車速センサ
20は追従制御用コントローラ
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の車間距離指令値に基づいて滑らかに変化する目標車間距離を設定し、その目標車間距離に実際の車間距離が一致するように制駆動力を制御して、自車両を先行車両に追従させる先行車両従制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の先行車両追従制御装置としては、例えば特開2000−135934号公報に記載されているものが知られている。
この従来例には、自車両と先行車両との間の車間距離と所定の車間距離指令値とに基づいて、2次遅れ形式のローパスフィルタを用いて目標車間距離を演算し、その目標車間距離に車間距離が一致するように制駆動力を制御する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、上記従来例にあっては、2次遅れ形式のローパスフィルタを用いて目標車間距離を演算するため、例えば、渋滞等で先行車両に続いて自車両が停車したときに、車間距離が車間距離指令値よりも小さいと、自車両を先行車両に追従させて発進させようとしても、自車両は車間距離が目標車間距離を超えるまで発進を開始せず、また、目標車間距離は時間の経過とともに大きくなるので、先行車両が発進しているのに、自車両が発進しないことがあり、追従制御中であるにも関わらず、自車両が先行車両に置いていかれるといった違和感を乗員に与えるという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は上記従来の技術の未解決の問題点に着目してなされたものであって、先行車両の発進時に、自車両が置いていかれるといった違和感を与えてしまうことを抑制防止できる先行車両追従制御装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明である先行車両追従装置は、自車両と先行車両との間の車間距離を検出する車間距離検出手段と、所定の車間距離指令値を設定する車間距離指令値設定手段と、前記車間距離指令値設定手段で設定された車間距離指令値に基づき所定の関数を用いて目標車間距離を設定する目標車間距離設定手段と、前記目標車間距離設定手段で設定された目標車間距離に前記車間距離検出手段で検出される車間距離が一致するように制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備え、前記目標車間距離設定手段は、自車両と先行車両とが停車しているときに、前記車間距離検出手段で検出される停車時車間距離が前記車間距離指令値設定手段で設定された車間距離指令値より小さいときには、前記先行車両が発進するときに、前記停車時車間距離を初期値として前記目標車間距離の設定を開始することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、前記目標車間距離設定手段は、前記先行車両が発進したのちに、応答特性の遅い関数を用いて前記目標車間距離を設定することを特徴とする。
【0006】
また、請求項3に係る発明は、請求項2の先行車両追従装置において、前記応答特性の遅い関数は、むだ時間を表す関数を含むことを特徴とする。
さらに、請求項4に係る発明は、請求項3の先行車両追従装置にあっては、前記停車時車間距離と前記車間距離指令値との差の大きさに応じて大きく設定することを特徴とする。
【0007】
また、請求項5に係る発明は、請求項2の先行車両追従装置において、前記応答特性の遅い関数は、発進の初期段階の目標車間距離の時間変化率が負になる関数であることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、前記発進の初期段階の目標車間距離の時間変化率を、前記停車時車間距離の大きさに応じて大きく設定することを特徴とする。
【0008】
さらに、請求項7に係る発明は、請求項2〜6のいずれか1項に記載の先行車両追従装置において、前記目標車間距離設定手段は、前記応答特性の遅い関数で算出した目標車間距離を所定の最低車間距離で規制することを特徴とする。
さらに、請求項8に係る発明は、請求項2〜7のいずれか1項に記載の先行車両追従装置において、前記目標車間距離設定手段は、前記目標車間距離が前記車間距離指令値設定手段で設定された車間距離指令値に一致するまで、前記目標車間距離を前記応答特性の遅い関数を用いて設定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項9に係る発明は、請求項2〜8のいずれか1項に記載の先行車両追従装置において、自車両と先行車両との相対車速を検出する相対車速検出手段を備え、前記目標車間距離設定手段は、前記相対車速検出手段で検出される相対車速が負になるまで、前記目標車間距離を前記応答特性の遅い関数を用いて設定することを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
したがって、請求項1に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、停車時の車間距離が車間距離指令値より小さいときには、目標車間距離を停車時の車間距離に初期値設定するため、先行車両が発進してもすぐに先行車両に対する追従走行が始まり、先行車両との車間距離を適切に維持することができる。
また、請求項2にある発明は、先行車両が発進したのちに、応答特性の遅い関数を用いて目標車間距離を設定するので、先行車両に追従して自車両を発進させるときには、目標車間距離が停車時と同じかほぼ同じ値となり、その目標車間距離に実際の車間距離が一致するように制駆動力が制御されるので、先行車両の発進時に、自車両が置いていかれるような違和感を乗員に与えてしまうことを抑制防止できる。
【0011】
また、請求項3に係る発明である先行車両追従制御装置においては、応答特性の遅い関数にむだ時間を表す関数を含むようにしたため、停車時の車間距離が車間距離指令値より小さくても、先行車両が発進すると、目標車間距離が停車時の車間距離と同じ値とされ、自車両は先行車両と同じように発進し、先行車両の発進時に、自車両が置いていかれるといった違和感を乗員に与えてしまうことを効果的に抑制防止できる。
【0012】
さらに、請求項4に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、むだ時間を停車時の車間距離と車間距離指令値との差の大きさに応じて大きく設定するようにしたため、停車時の車間距離と車間距離指令値との差が大きいと、むだ時間が大きく設定され、先行車両の発進後も、自車両が置いていかれるといった違和感を乗員に与えてしまうことを抑制防止できる。
【0013】
また、請求項5に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、応答特性の遅い関数を、発進の初期段階の目標車間距離の時間変化率が負になる関数とするようにしたため、停車時の車間距離が車間距離指令値より小さくても、先行車両が発進すると、目標車間距離が停車時の車間距離より小さく設定され、自車両は先行車両よりも大きく加速して発進し、先行車両の発進時に、自車両が置いていかれるといった違和感を乗員に与えてしまうことを効果的に抑制防止できる。
【0014】
さらに、請求項6に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、発進の初期段階の時間変化率を停車時の車間距離の大きさに応じて大きく設定するようにしたため、車間距離が大きく、自車両が先行車両に接近してしまう恐れが小さいときには、自車両はより大きく加速して発進し、先行車両の発進時に、先行車両に自車両が置いていかれるといった違和感を乗員に与えてしまうことを効果的に抑制防止できる。
【0015】
また、請求項7に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、応答特性の遅い関数で算出した目標車間距離を所定の最低車間距離で規制するようにしたため、先行車両の発進時に、自車両が先行車両よりも大きな加速度で発進したとしても、先行車両に最低車間距離よりも接近してしまうことはなく、乗員に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制防止できる。
【0016】
また、請求項8に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、目標車間距離が車間距離指令値に一致するまで、目標車間距離を応答特性の遅い関数を用いて設定するようにしたため、例えば、目標車間距離が車間距離指令値に一致した後には、目標車間距離の設定に用いる関数として応答特性の速いものを用いるようにすれば、先行車両の加減速に対する自車両の追従性を確保することができる。
【0017】
さらに、請求項9に係る発明である先行車両追従制御装置にあっては、自車両と先行車両との相対車速が負になるまで、目標車間距離を応答特性の遅い関数を用いて設定するようにしたため、例えば、先行車両が減速等したときにも、自車両は先行車両に接近してしまうことはなく、乗員に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る先行車両追従制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態を示す概略構成図であって、図中、1FL、1FRは従動輪としての前輪、1RL、1RRは駆動輪としての後輪である。これらのうち後輪1RL、1RRは、エンジン2の駆動力が自動変速機3、プロペラシャフト4、最終減速装置5及び車軸6を介して伝達されて回転駆動される。
【0019】
また、前輪1FL、1FR及び後輪1RL、1RRには、夫々制動力を発生するブレーキアクチュエータとしてのディスクブレーキ7が設けられ、これらディスクブレーキ7の制動油圧は制動制御装置8によって制御される。ここで、制動制御装置8は、ブレーキペダル8aの踏込量及び後述する追従制御用コントローラ20からの制動油圧指令値に応じて制動油圧を発生するように構成される。
【0020】
また、エンジン2には、その出力を制御するエンジン出力制御装置9が設けられている。このエンジン出力制御装置9は、アクセルペダル9aの踏込量及び後述する追従制御用コントローラ20からのスロットル開度指令値に応じて、エンジン2に設けられたスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータ10を制御するように構成される。
【0021】
さらに、自動変速機3には、その変速位置や当該変速位置に適した作動流体圧を制御する変速機制御装置11が設けられている。この変速機制御装置11は、アクセルペダル9aの踏込量及び後述の追従制御用コントローラ20からの変速指令値に応じて、自動変速機3の変速位置や作動流体圧を制御するように構成される。
【0022】
一方、車両の前方側の車体下部には、レーザ光を掃射して先行車両からの反射光を受光するレーダ方式の構成を有する車間距離センサ12が設けられている。車間距離センサ12では、レーザ光を掃射してから先行車両の反射光を受光するまでの時間を計測し、自車両と先行車両との間の車間距離Lを検出する。そして、その車間距離Lの検出値を微分して自車両と先行車両との相対速度△Vを算出し、それらを追従制御用コントローラ20に出力する。なお、車間距離Lから相対速度△Vを算出する方法としては、車間距離Lの検出値を微分するやり方に変えて、例えば、バンドバスフィルターを用いるようにしてもよい。また、車間距離センサ12は、自車両と先行車両との間の車間距離Lを検出できるものであればよく、レーザ光に代えて、電波や超音波を利用して車間距離L等を検出するものであってもよい。
【0023】
また、車両には、プロペラシャフト4の回転速度に基づいて自車速Vを検出する車速センサ13が設けられている。そして、車間距離センサ12から出力される車間距離L及び相対速度ΔVと、車速センサ13から出力される自車速Vとが追従制御用コントローラ20に入力される。この追従制御用コントローラ20は、図示しないマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成され、後述する追従制御処理を実行し、先行車両を捕捉しているときには車間距離Lを目標車間距離L*に制御する制動油圧指令値、スロットル開度指令値及び変速指令値を、制動制御装置8、エンジン出力制御装置9及び変速機制御装置11に出力する。
【0024】
本実施の形態における追従制御処理は、マイクロコンピュータのソフトウェア形態により、図2に示す制御ブロックを構成しており、この制御ブロックは、車間距離指令値演算部31、追従制御モード選択部32、目標車間距離演算用定数決定部33、目標車間距離演算部34及び車速指令値演算部35を備えている。車間距離指令値演算部31は、車間距離センサ12で検出された相対速度△Vと車速センサ13で検出された自車速Vとに基づいて、車間距離指令値L*を先行車両の車速Vt(=V+△V)の関数として下記(1)式に従って算出し、その算出結果を追従制御モード選択部32、目標車間距離演算用定数決定部33及び目標車間距離演算部34に出力する処理を行う。
【0025】
L*=a・Vt +Lof=a・(V+△V)+Lof ………(1)
但し、aは係数であり、Lofはオフセット値である。
なお、車間距離指令値L*を算出する方法は、上記(1)式に限定されるものではなく、例えば、自車速Vの関数として下記(2)式に従って算出するようにしてもよく、また、算出するのではなく、乗員に設定させるようにしてもよい。
【0026】
L*=a'・V+Lof ………(2)
但し、a'は係数である。
また、追従制御モード選択部32は、車間距離センサ12で検出された車間距離L及び相対速度△V、車速センサ13で検出された自車の車速V、車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*、及び目標車間距離演算部34で算出された目標車間距離LTに基づいて、予め定められた3種類の追従制御モード(追従制御モード0、追従制御モード1及び追従制御モード2)のうちから追従状況に応じたものを選択し、その選択結果を目標車間距離演算部34に出力する処理を行う。
【0027】
一方、目標車間距離演算用定数決定部33は、車間距離指令値演算部31で算出される車間距離指令値L*を入力とし、車間距離センサ12で検出される車間距離Lを出力とする車間距離制御系において、実際の車間距離Lが車間距離指令値L*に到達するまでの車間距離制御系の応答特性を好ましいものにするために、車間距離偏差△L(=L−L*)及び相対速度△Vに応じて車間距離制御系の減衰係数ζ T 及び固有振動数ω T を設定する処理を行う。
【0028】
具体的には、種々の追従状況において好ましい応答特性が得られるように、車間距離偏差△Lと相対速度△Vとに応じた車間距離制御系の減衰係数ζTと固有振動数ωTとを予めマップとして設定しておき、追従制御時に、そのマップから車間距離偏差△L及び相対速度△Vに対応する減衰係数ζT及び固有振動数ωTを読み出すようになっている。表1に減衰係数ζTのマップ例を表2に固有振動数ωTのマップ例を示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
また、目標車間距離演算部34は、追従制御モード選択部32で選択された追従制御モードに対応づけられているフィルタであって、目標車間距離演算用定数決定部33で決定された減衰係数ζT及び固有振動数ωTで係数が設定されているものを用いて、車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*と先行車両を補足したとき等に設定される車間距離Loとに基づいて、目標車間距離LTと目標相対速度△VTを演算して、それらの演算結果を車速指令値演算部35に出力する処理を行う。なお、追従制御モード0は、2次遅れ形式のローパスフィル夕に対応し、追従制御モード1は、むだ時間を含む2次遅れ形式のローパスフィル夕に対応し、追従制御モード2は、非最小位相系の伝達関数で表される逆応答フィル夕に対応する。
【0032】
さらに、車速指令値演算部35は、目標車間距離演算部34で算出された目標車間距離LTと目標相対速度△VTに基づいて、車速指令値V*を下記(3)式に従って算出し、その算出結果を車速制御部36に出力する処理を行う。
V*=V(t)+△V(t)−〔fV{△VT(t)−△V(t)}+fL{LT(t)−L(t)}〕 ………(3)
但し、fV及びfLは定数である。
【0033】
そして、車速制御部36は、車速指令値演算部35で算出された車速指令値V*に自車速Vを一致させるためのスロットル開度指令値、制動油圧指令値及び変速指令値を演算し、それらをエンジン出力制御装置9、制動制御装置8及び変速機制御装置11に出力する。車速指令値V*に自車速Vを一致させるための演算方法としては、フィードバック制御手法や、特開2000−135934号公報に記載のロバストモデルマッチング制御手法等、種々の制御手法を用いることができる。
【0034】
次に、図2の追従制御モード選択部32で行われる処理を図3のフローチャートに基づいて詳細に説明する。この処理が実行されると、まずそのステップS1では、追従制御モード0が選択されていたか否か判定し、追従制御モード0が選択されていたときには(Yes)ステップS2に移行し、そうでないときには(No)ステップS8に移行する。なお、初期状態においては、追従制御モードの種類として追従制御モード0が選択されていたものとする。
【0035】
前記ステップS2では、車速センサ13で検出された自車両の車速Vが「0」であるか否か判定し、「0」であるときには(Yes)ステップS3に移行し、そうでないときには(No)この処理を終了する。
前記ステップS3では、車間距離センサ12で検出された相対速度△Vが「0」であるか否か判定し、「0」であるときには(Yes)ステップS4に移行し、そうでないときには(No)この処理を終了する。
【0036】
前記ステップS4では、車間距離センサ12で検出された停車時の車間距離Loが車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値Lo *より小さい(Lo<Lo *)か否かを判定し、小さいときには(Yes)ステップS5に移行し、そうでないときには(No)この処理を終了する。
前記ステップS5では、車間距離センサ12で検出された停車時の車間距離Loが所定の最低車間距離Lminより小さい(Lo<Lmin)か否かを判定し、小さいときには(Yes)ステップS6に移行し、そうでないときには(No)ステップS7に移行する。
【0037】
前記ステップS6では、追従制御モードの種類として追従制御モード1を選択してから、この処理を終了する。
また、前記ステップS7では、追従制御モードの種類として追従制御モード2を選択してから、この処理を終了する。
一方、前記ステップS8では、車間距離センサ12で検出された相対速度△Vと車速センサ13で検出された自車速Vとに基づき、先行車両の車速Vtを算出して、先行車両が減速しているか否か判定し、減速しているときには(Yes)ステップS10に移行し、そうでないときには(No)ステップS9に移行する。
【0038】
前記ステップS9では、車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*と目標車間距離演算部34で算出される目標車間距離LTとが一致しているか否か判定し、一致しているときには(Yes)前記ステップS10に移行し、そうでないときには(No)この処理を終了する。
また、前記ステップS10では、追従制御モードの種類として追従制御モード0を選択して、この処理を終了する。
【0039】
次に、図2の目標車間距離演算部34で行われる処理を図4のブロック図に基づいて詳細に説明する。この処理は、図4に示す制御ブロックを構成しており、その制御ブロックは、車間距離指令値L*と減衰係数ζT及び固有振動数ωTとに基づいて、むだ時間を含むローパスフィル夕で目標車間距離LTAを算出する目標車間距離演算部A341と、非最小位相系の逆応答フィル夕で目標車間距離LTBを算出する目標車間距離演算部B342と、ローパスフィルタで目標車間距離LTCを算出する目標車間距離演算部C343と、追従制御モード選択部32による選択結果に基づいて、それらの目標車間距離演算部341、342、343で算出される目標車間距離LTALTBLTCのいずれかを目標車間距離LTとして車速制御部36等に出力する追従制御モード切り替え部344とを備えている。
【0040】
これらのうち目標車間距離演算部A341は、車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*に基づいて、目標車間距離演算用定数決定部33で決定された減衰係数ζT及び固有振動数ωTを有する2次遅れ形式のローパスフィルタにむだ時間要素を含む下記(4)式に従って目標車間距離LTA 及び目標相対速度△VTAを算出し、その算出結果を追従制御モード切り替え部344に出力する。なお、下記(4)式では、車間距離センサ12で検出された停車時の車間距離Lo及び相対速度△Vo を目標車間距離LTA及び目標相対速度△VTAの初期値とする。
【0041】
【数1】
【0042】
また、上記(4)式をラプラス変換すると下記(5)式のように表される。
【0043】
【数2】
【0044】
上記(5)式は、車間距離指令値L*を入力とし目標車間距離LTAを出力としたときの伝達関数であり、むだ時間要素を有するため、図5に示すように、実際の車間距離Loよりも大きい車間距離指令値L*が入力されてからも、目標車間距離LTAとして停車時の車間距離Loをむだ時間Tにわたり出力する。なお、目標車間距離演算部A341のむだ時間Tは、図6に示すようなむだ時間マップに従って、図7に示すように、車間距離指令値L*と車間距離Lとの差を表す偏差率βの大きさに応じて設定する。また、偏差率βは、自車両が停車したときの車間距離指令値Lo *と車間距離Loとに基づき、下記(6)式に従って演算する。
【0045】
β=(Lo *‐Lo)/Lo *×100………(6)
但し、Lo *>Loである。
なお、むだ時間Tを求める方法は、偏差率βを介するやり方に限定されるものではなく、例えば、停車時の車間距離Lo等をパラメータとして、予め実験等により乗員のフィーリングと一致するむだ時間Tのマップを作成しておき、そのマップを用いて車間距離Loから直接に求めるようにしてもよい。
【0046】
また、目標車間距離演算部B342は、車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*に基づいて、目標車間距離演算用定数決定部33で決定された減衰係数ζT及び固有振動数ωTを有する非最小位相系のローパスフィルタと、そのローパスフィルタの出力を所定の最低車間距離Lminで制限するリミッタとを含んで構成される。具体的には、ローパスフィルタは、下記(7)式に従って目標車間距離LTB及び目標相対速度△VTBを算出し、リミッタは、その算出結果を制限して追従制御モード切り替え部344に出力する。なお、下記(7)式では、車間距離センサ12で検出された停車時の車間距離Lo及び相対速度△Voを目標車間距離LTB及び目標相対速度△VTBの初期値とする。
【0047】
【数3】
【0048】
また、上記(7)式をラプラス変換すると下記(8)式のように表される。
【0049】
【数4】
【0050】
上記(8)式は、車間距離指令値L*を入力とし目標車間距離LTBを出力としたときの伝達関数であり、正の零点「1/α」を有する非最小位相系であるため、図8に示すように、実際の車間距離Loよりも大きい車間距離指令値L*が入力されると、目標車間距離LTBを一旦小さく算出してから徐々に大きく算出する逆揺れの応答をする。その際、最低車間距離Lminで目標車間距離LTBを制限しているため、逆応答フィルタで目標車間距離LTBが小さく算出されたとしても、追従制御モード切り替え部344に出力される目標車間距離LTBが最低車間距離Lminより短くなってしまうことはない。
【0051】
なお、目標車間距離演算部B342の逆応答フィル夕の係数αは、図9に示すようなマップに従って、図10に示すように、停止時の車間距離Loと最低車間距離Lminとの差である車間距離偏差△L om inの大きさに応じて大きく設定する。また、係数αを求める方法は、車間距離偏差△L om inを介するやり方に限定されるものではなく、例えば、停車時の車間距離Lo等をパラメータとして、予め実験等により乗員のフィーリングと一致する係数αのマップを作成しておき、車間距離Loから直接に求めるようにしてもよい。
【0052】
一方、目標車間距離演算部C343は、車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*に基づいて、目標車間距離演算用定数決定部33で決定された減衰係数ζT及び固有振動数ωTを有する2次遅れ形式のローパスフィルタを表す下記(9)式に従って目標車間距離LTc及び目標相対速度△VTcを算出し、その算出結果を追従制御モード切り替え部344に出力する。なお、下記(9)式では、先行車両を捕捉したときには、捕捉直後の車間距離Lo及び相対速度△Voを目標車間距離LTc及び目標相対速度△VTcの初期値とし、また、追従制御モード1又は追従制御モード2から追従制御モード0に切り替わったときには、切り替わった直後の車間距離Lと相対速度△Vを初期値とする。
【0053】
【数5】
【0054】
また、上記(9)式をラプラス変換すると下記(10)式のように表される。
【0055】
【数6】
【0056】
上記(10)式は、車間距離指令値L*を入力とし目標車間距離LTAを出力としたときの伝達関数であり、2次遅れ要素を有するため、図11に示すように、実際の車間距離Loよりも大きい車間距離指令値L*が入力されると、目標車間距離LTBとして初期値から徐々に大きな値を出力する。
そして、追従制御モード切り替え部344は、追従制御モード選択部32での選択結果に基づいて、その選択された追従制御モードに対応する目標車間距離演算部341、342、343を選択し、その目標車間距離演算部341、342、343が出力している目標車間距離LT及び相対速度ΔVTを車速指令値演算部35や追従制御モード選択部32に出力する。具体的には、追従制御モードの種類として追従制御モード0が選択されたときには、目標車間距離演算部C343で算出された目標車間距離LTc及び目標相対速度△VTcを出力し、また追従制御モード1が選択されたときには、目標車間距離演算部A341で算出された目標車間距離LTA及び目標相対速度△VTAを出力し、さらに追従制御モード2が選択されたときには、目標車間距離演算部B342で算出された目標車間距離LTB及び目標相対速度△VTBを出力する。
【0057】
次に、本実施の形態の動作を具体的な状況に基づいて詳細に説明する。まず、高速道路を走行中に渋滞が発生し、先行車両に続いて自車両が停車したときに、図12に示すように、自車両が先行車両に追従して発進させるために、乗員が追従制御を開始させる操作を行ったとする。すると、追従制御用コントローラ20で追従制御処理が実行され、図2のブロック図に示すように、まず、車間距離指令値演算部31の処理が実行され、車間距離センサ12で検出された相対速度△Vと車速センサ13で検出された自車速Vとに基づいて車間距離指令値L*が算出され、その算出結果が追従制御モード選択部32、目標車間距離演算用定数決定部33及び目標車間距離演算部34に出力される。
【0058】
次いで、目標車間距離演算用定数決定部33の処理が実行され、車間距離センサ12で検出された車間距離L及び相対速度ΔVと車間距離指令値演算部31で算出された車間距離指令値L*に基づき、車間距離偏差△L及び相対速度△Vに応じて車間距離制御系の減衰係数ζT及び固有振動数ωTが決定される。また、同時に、追従制御モード選択部32の処理も実行され、追従制御モードの種類が追従制御モード0に設定されるため、図3のフローチャートに示すように、まずそのステップS1の判定が「Yes」となり、また、先行車両に続いて自車両が停車したため、ステップS2及びS3の判定も「Yes」となる。そして、渋滞の混雑の度合いが高く、停車時の車間距離Loが最低車間距離Lminより小さくなっているとすると、ステップS4及びS5の判定も「Yes」となり、ステップS6で、追従制御モードの種類として追従制御モード1が選択される。
【0059】
そして、目標車間距離演算部34の処理が実行されて、図4のブロック図に示すように、車間距離指令値L*と減衰係数ζT及び固有振動数ωTとに基づいて、むだ時間を含むローパスフィル夕を有する目標車間距離演算部A341で目標車間距離LTAが算出され、また、逆応答フィル夕を有する目標車間距離演算部B342で目標車間距離LTBが算出され、さらに、ローパスフィルタを有する目標車間距離演算部C343で目標車間距離LTCが算出される。次いで、それらの目標車間距離演算部341、342、343で算出される目標車間距離LTALTBLTCのうちから、追従制御モード1に対応づけられている目標車間距離演算部A341で算出される目標車間距離LTAが、図5に示すように、追従制御モード切り替え部344から目標車間距離LTとして車速制御部36等に出力される。
【0060】
また、目標車間距離LT が入力された車速指令値演算部35では、その目標車間距離LTに基づいて車速指令値V*が算出され、車速制御部36では、その車速指令値V*に自車速Vを一致させるための制動油圧指令値、スロットル開度指令値及び変速指令値が演算され、それらが制動制御装置8、エンジン出力制御装置9及び変速機制御装置11に出力される。すると、スロットル開度指令値等を入力されたエンジン出力制御装置9等は、目標車間距離L*に実際の車間距離Lを一致させるように制駆動力を制御し、先行車両が発進すると、自車両と先行車両との間の車間距離Lが停車時と同じ値になるように自車両も発進するため、自車両が置いていかれるといった違和感を乗員に与えてしまうことを抑制防止することができる。
【0061】
さらに、目標車間距離演算部A341で目標車間距離LTAを算出する際に、図6に示すように、むだ時間Tを、停車時の車間距離Loと車間距離指令値Lo *との差の大きさを表す偏差率βに応じて大きく設定するため、例えば、渋滞等で先行車両に続いて自車両が停車したときに、実際の車間距離Lと車間距離指令値Lo *との差が大きいと、図7に示すように、むだ時間Tが大きく設定されるので、発進後も、自車両は停車時の車間距離Loを維持するように追従走行し、先行車両の発進時に、自車両が置いていかれるような違和感を乗員に与えてしまうことを抑制防止できる。
【0062】
一方、混雑の度合いが低く、停車時の車間距離Loが最低車間距離Lminより大きくなっているとすると、追従制御モード選択部32の処理が実行されたときに、図3に示すように、ステップS1〜S4を経て、ステップS5の判定が「No」となり、ステップS7で、追従制御モードの種類として追従制御モード2が選択される。そして、目標車間距離演算部34では、図4のブロック図に示すように、3種類の目標車間距離演算部341、342、343から出力される目標車間距離LTALTBLTCのうちから、追従制御モード2に対応づけられている目標車間距離演算部B342で算出される目標車間距離LTBが、図8に示すように、追従制御モード切り替え部344から目標車間距離LTとして車速制御部36等に出力される。
【0063】
すると、スロットル開度指令値を入力されたエンジン出力制御装置9等は、目標車間距離LTに実際の車間距離Lを一致させるように制駆動力を制御し、先行車両が発進したときに、自車両と先行車両との間の車間距離Lが停車時よりも小さい値になるように、自車両は先行車よりも大きく加速して発進するので、自車両が置いていかれるような違和感を乗員に与えてしまうことを抑制防止できる。
【0064】
このように、本実施形態にあっては、発進の初期段階に目標車間距離LTBの時間変化率が負になる関数を用いて目標車間距離LTを算出するようにしたため、自車両は先行車両よりも大きく加速して発進することになり、先行車両の発進時に、自車両が置いていかれるような違和感を乗員に与えてしまうことを抑制防止できる。
【0065】
さらに、図9に示すように、目標車間距離LTの時間変化率を表す係数αを、停車時の車間距離Loと最低車間距離Lminとの差を表す車間距離偏差ΔL om inの大きさに応じて大きく設定するようにしたため、図10に示すように、車間距離が大きく、自車両が先行車両に接近してしまう恐れが小さいときには、自車両はより大きく加速して発進するので、自車両が置いていかれるといった違和感を乗員に与えてしまうことを効果的に抑制防止できる。
【0066】
また、逆応答フィルタを用いて算出した目標車間距離LTBを最低車間距離Lminで制限するため、先行車両の発進時に、自車両が先行車両よりも大きな加速度で発進したとしても、先行車両に最低車間距離Lminよりも接近してしまうことはなく、運転者に違和感を与えてしまうことを効果的に抑制防止できる。
また、上記フローを繰り返し実行して自車両を加速しているうちに、目標車間距離演算部34で算出される目標車間距離LTが車間距離指令値L*に一致したとする。すると、追従制御モード選択部32の処理が実行されたときに、図3のフローチャートに示すように、ステップS1及びS8の判定が「No」となり、また、ステップS9の判定が「Yes」となり、ステップS10で、追従制御モードの種類として追従制御モード0が選択される。そして、目標車間距離演算部34では、図4のブロック図に示すように、3種類の目標車間距離演算部341、342、343から出力される目標車間距離LTのうちから、追従制御モード0に対応づけられている目標車間距離演算部C343で算出される目標車間距離LTCが、図11に示すように、追従制御モード切り替え部344から目標車間距離LTとして車速制御部36等に目標車間距離LTとして出力される。
【0067】
すると、スロットル開度指令値を入力されたエンジン出力制御装置9等は、目標車間距離LTに実際の車間距離Lを一致させるように制駆動力を制御し、自車両と先行車両との間の車間距離Lが車間距離指令値L*と同じ値にされて、例えば先行車両が加速したときには、自車両も先行車両と同じ又はわずかに遅れて加速するため、先行車両の加減速に対して自車両の追従性を確保することができる。
【0068】
一方、上記フローを繰り返し実行して自車両を加速しているうちに、目標車間距離演算部34で算出される目標車間距離LTが車間距離指令値L*に一致する前に、再び渋滞が発生して先行車両が減速したとする。すると、追従制御モード選択部32の処理が実行されたときに、図3のフローチャートに示すように、ステップS1を経て、ステップS8の判定が「Yes」となり、ステップS10で、追従制御モードの種類として追従制御モード0が選択される。
【0069】
このように、本実施形態にあっては、先行車両が減速を始めたときに、目標車間距離LTを比較的に応答特性の早い関数を用いて設定するようにしたため、自車両と先行車両との間の車間距離Lは直ぐに先行車両の減速状況に応じた値に制御され、自車両は先行車両に接近してしまうことはなく、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制防止できる。
【0070】
なお、上記実施の形態においては、車間距離センサ12は車間距離検出手段及び相対車速検出手段に対応し、車間距離指令値演算部31は車間距離指令値設定手段に対応し、目標車間距離演算部34は目標車間距離設定手段に対応し、車速指令値演算部35及び車速制御部36は制駆動力制御装置に対応する。
また、上記実施の形態は本発明の先行車両追従制御装置の一例を示したものであり、装置の構成等を限定するものではない。
【0071】
また、上記実施形態においては、後輪駆動車に本発明を適用した場合について説明したが、前輪駆動車に本発明を適用することもでき、また回転駆動源としてエンジン2を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動モータを適用することもでき、さらには、エンジンと電動モータとを使用するハイブリッド車にも本発明を適用することができる。
【0072】
さらに、上記実施形態においては、車間距離センサ12としてレーザレーダを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ミリ波レーダを適用してもよく、さらにはCCDを使用したステレオカメラの撮像を画像処理して車間距離を求めるようにしてもよい。
またさらに、追従制御用コントローラ20をマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、関数発生器、比較器、演算器等の電子回路を組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の先行車両追従制御装置の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の追従制御用コントローラで実行される追従処理の具体的構成を示すブロック図である。
【図3】図2の追従制御モード選択部の処理の具体例を示すフローチャートである。
【図4】図2の目標車間距離演算部の処理の具体例を示すブロック線図である。
【図5】むだ時間要素を含むフィルタを用いて算出した目標車間距離の時間変化を示すグラフである。
【図6】偏差率に対するむだ時間のマップ例を示す特性線図である。
【図7】目標車間距離の時間変化のシミュレーション結果であって、むだ時間を変化させて示すグラフである。
【図8】逆応答フィルタを用いて算出した目標車間距離の時間変化を示すグラフである。
【図9】車間距離偏差に対する係数のマップ例を示す特性線図である。
【図10】目標車間距離の時間変化のシミュレーション結果であって、係数を変化させて示すグラフである。
【図11】2次遅れ形式のフィルタを用いて算出した目標車間距離の時間変化を示すグラフである。
【図12】本実施形態の動作状況を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1FL、1FRは前輪
1RL、1RRは後輪
2はエンジン
3は自動変速機
4はプロペラシャフト
5は最終減速装置
6は車軸
9はエンジン出力制御装置
10はスロットルアクチュエータ
11は変速機制御装置
12は車間距離センサ
13は車速センサ
20は追従制御用コントローラ
Claims (9)
- 自車両と先行車両との間の車間距離を検出する車間距離検出手段と、所定の車間距離指令値を設定する車間距離指令値設定手段と、前記車間距離指令値設定手段で設定された車間距離指令値に基づき所定の関数を用いて目標車間距離を設定する目標車間距離設定手段と、前記目標車間距離設定手段で設定された目標車間距離に前記車間距離検出手段で検出される車間距離が一致するように制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備え、
前記目標車間距離設定手段は、自車両と先行車両とが停車しているときに、前記車間距離検出手段で検出される停車時車間距離が前記車間距離指令値設定手段で設定された車間距離指令値より小さいときには、前記先行車両が発進するときに、前記停車時車間距離を初期値として前記目標車間距離の設定を開始することを特徴とする先行車両従制御装置。 - 前記目標車間距離設定手段は、前記先行車両が発進したのちに、応答特性の遅い関数を用いて前記目標車間距離を設定することを特徴とする請求項1に記載の先行車両従制御装置。
- 前記応答特性の遅い関数は、むだ時間を表す関数を含むことを特徴とする請求項2に記載の先行車両追従制御装置。
- 前記むだ時間を、前記停車時車間距離と前記車間距離指令値との差の大きさに応じて大きく設定することを特徴とする請求項3に記載の先行車両追従制御装置。
- 前記応答特性の遅い関数は、発進の初期段階の目標車間距離の時間変化率が負になる関数であることを特徴とする請求項2に記載の先行車両追従制御装置。
- 前記発進の初期段階の目標車間距離の時間変化率を、前記停車時車間距離の大きさに応じて大きく設定することを特徴とする請求項5に記載の先行車両追従制御装置。
- 前記目標車間距離設定手段は、前記応答特性の遅い関数で算出した目標車間距離を所定の最低車間距離で規制することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の先行車両追従制御装置。
- 前記目標車間距離設定手段は、前記目標車間距離が前記車間距離指令値設定手段で設定された車間距離指令値に一致するまで、前記目標車間距離を前記応答特性の遅い関数を用いて設定することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に先行車両従制御装置。
- 自車両と先行車両との相対車速を検出する相対車速検出手段を備え、前記目標車間距離設定手段は、前記相対車速検出手段で検出される相対車速が負になるまで、前記目標車間距離を前記応答特性の遅い関数を用いて設定することを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の先行車両従制御装置。
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