JP3824546B2 - 回転精度測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定軸を中心として回転する回転体の回転精度を測定する回転精度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
転がり軸受けや流体軸受け等に支持されて回転する回転体(例えばモータによって回転するスピンドル)の回転精度を測定する回転精度測定装置では、従来、回転体の変位を示す時系列データを回転体の回転とは無関係に採取して大量の変位データを収集し、その大量の変位データに対して一括してデータ処理を行っていた。このデータ処理では、例えば、時系列的に得られた変位データ(以下「採取データ」という)に対して高速フーリエ変換(以下「FFT」という)を施すことにより、周波数スペクトルを示すデータ(以下「スペクトルデータ」という)を算出し、そのスペクトルデータにおいて同期振れ誤差(RRO:Repeatable Run Out)を除去することにより、1回転毎に繰り返されない回転体の変位に相当する非同期振れ誤差(NRRO:Non Repeatable Run Out)を求めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の回転精度測定装置では、回転体を回転させるモータ等の駆動源の回転ムラが測定に大きな影響を与えていた。また、上記の採取データは、回転体の回転とは無関係に採取された時系列データであるので、上記データ処理においてFFTが施される際には、採取データが所定区間外で滑らかに0になるように、予め窓関数によって採取データに対して適当な重み付けがなされていた。一般に窓関数が使用されると、FFTによって得られるスペクトルが拡散するので、この窓関数の使用も、従来の回転精度測定装置による測定に大きな影響を与えることになる。このように従来の測定装置では、モータの回転ムラや窓関数の影響が大きいために、回転精度についての高精度な測定、すなわちRROやNRRO、真円度等の正確な算出は困難であった。
【0004】
これに対し本願出願人は、回転体の変位を示す標本化値からなる時系列データとしての変位データを回転周期毎に分離してブロック化することによりブロック化データを生成し、そのブロック化データにおける各データブロックを構成する標本化値の数をレート変換によって同一とし、レート変換後のブロック化データを用いてNRRO等を算出するという周期分離型信号処理に基づく回転精度測定装置の開発を進めている。この周期分離型信号処理によれば、回転ムラや窓関数の使用等による測定への影響が低減されて正確なNRRO等の算出が可能となる。
【0005】
上記の周期分離型信号処理では、回転体を回転させるモータ等を含む駆動部から回転周期に同期した信号(例えば1回転毎に1個パルスが現れる信号)がインデックスパルスとして出力される場合には、そのインデックスパルスを使用して変位データを回転周期毎に分離することができる。これに対し、インデックスパルスのような回転周期に同期した信号を取得できない場合には、例えば変位データから直流成分を除去した後にゼロ点検出を行うことにより、変位データを回転周期毎に分離する必要がある。しかし、ノイズ等の外乱やA/D変換器の誤差等により、正確にゼロ点を求めるのは困難であり、その結果、変位データを正確に回転周期毎に分離することができないという問題があった。
【0006】
そこで本発明では、正確な回転精度測定のために変位データを正確に回転周期毎に分離することができる回転精度測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、所定軸を中心として回転する回転体の回転精度を測定する回転精度測定装置であって、
前記回転体の半径方向の変位または前記所定軸方向の変位を示す信号の標本化値からなる時系列データを変位データとして取得するデータ取得手段と、
前記変位データを構成する各標本化値に対する移動平均を算出し、当該移動平均からなる時系列データである平滑化変位データを生成する移動平均手段と、
前記平滑化変位データの表す信号波形におけるゼロ点に基づき、前記データ取得手段によって取得された変位データを前記回転体の回転周期毎に分離してブロック化するブロック化手段と、
前記ブロック化手段によってブロック化された変位データにおける各データブロックを構成する標本化値の数が同一となるように、当該各データブロックに対してレート変換を行う変換手段と、
前記レート変換後の前記データブロックからなるブロック化データに基づき、前記回転精度を示す指標を算出する算出手段と
を備え、
前記ブロック化手段は、
前記平滑化変位データに基づき、前記回転体の変位を示す標本化値のサンプリング点における隣接サンプリング点対のうち、一方のサンプリング点における移動平均が正値で他方のサンプリング点における移動平均が負値である隣接サンプリング点対を検出するサンプリング点対検出手段と、
前記検出された隣接サンプリング点対の間に前記ゼロ点が存在するとみなして、前記データ取得手段によって取得された変位データを前記回転周期毎に分離する分離手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
このような第1の発明によれば、回転体の変位を表す変位データが回転周期毎に分離されてブロック化され、ブロック化された変位データに基づき回転精度を示す指標が算出される。このような処理において、変位データの回転周期毎の分離は、変位データにおける各標本化値に対する移動平均からなる平滑化変位データに基づいて行われるので、変位データを正確に回転周期毎に分離することができる。このとき、回転体の変位を示す標本化値のサンプリング点における隣接サンプリング点対のうち、その間にゼロ点が存在するとみなせる隣接サンプリング点対が検出され、その隣接サンプリング点対に基づいて変位データが回転周期毎に分離される。したがって、正確なゼロ点の位置を求めることなく、効率よく正確に変位データを回転周期毎に分離することができる。このようにして変位データが正確に回転周期毎に分離されてブロック化され、更に、各データブロックを構成する標本化値の数が同一となるようにレート変換が行われる。そして、そのレート変換後のブロック化データに基づいて回転精度を示す指標が算出される。このため回転精度測定において、回転体を回転させるモータ等の回転ムラの影響を軽減することができる。また、変位データが回転周期毎にブロック化されると、そのブロック化された変位データに対して窓関数を使用することなくFFTを施すことにより、回転体の変位における同期成分およびその高調波成分を広がりの無い線スペクトルとして得ることができる。このため、そのFFTによって得られたスペクトルデータからNRROを求める際には、RROを他に影響を与えることなく精度よく除去することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<構成および動作>
図1は、本発明の一実施形態に係る回転精度測定装置の構成を模式的に示す構成図であり、図2は、この回転精度測定装置による回転体の測定を示す平面図である。
【0014】
この回転精度測定装置は、軸受けによって支持され所定の回転軸11を中心としてモータ(不図示)により回転する回転体10の回転精度を測定する装置であって、回転体10の半径方向の変位を検出する非接触式の変位センサ20と、変位センサ20の検出信号Sdに基づき回転体10の半径方向の変位を示す標本化値からなる時系列データを収集し、その時系列データである採取データを処理するデータ収集処理装置30とを備えている。
【0015】
変位センサ20は、回転体10の外周面近傍に配置され、その外周面と変位センサ20との距離を検出し、その検出結果を回転体10の半径方向の変位を示す検出信号Sdとして出力する。なお、回転体10の軸方向の変位を検出し、軸方向の変位についての回転精度を測定する場合には、図1において点線で示すように、回転体10の上面近傍に回転体10の軸方向の変位を検出する非接触式の変位センサ21を配置し、その変位センサ21から出力される信号すなわち回転体10の上面と変位センサ21との距離を示す信号を検出信号Sdとして使用すればよい。ただし以下では、説明の便宜上、半径方向の変位を検出する変位センサ20のみが配置されているものとする。
【0016】
データ収集処理装置30は、中央処理装置としてのCPU31、入力インターフェース部32、メモリ33、および表示制御部34をバスで接続した構成となっており、表示制御部34には表示部36が接続されている。上記変位センサ20からの検出信号Sdは、このデータ収集処理装置30における入力インターフェース部32に入力される。入力インターフェース部32はA/D変換器を有し、上記検出信号Sdは、このA/D変換器によって標本化され、デジタルデータとしてメモリ33に一時的に格納される(以下、このデジタルデータを「原データ」という)。この入力インターフェース部32は、上記の変位センサ20と共に、回転体10の変位を表す時系列データの取得手段を構成する。
【0017】
CPU31は、予めメモリ33に格納された所定プログラムを実行することにより、上記の原データに対し、後述のDCカット処理、周期分離処理、レート変換、FFT等のデータ処理を順に施す。これにより、データ収集処理装置30は、図3に示すような機能的構成の装置、すなわち、DCカット部111と、周期分離部112と、レート変換部113と、信号処理部114とを備える装置として動作する。
【0018】
DCカット部111は、変位センサ20から出力される検出信号Sdから直流成分を除去するものであり、具体的には、検出信号Sdを表すデジタルデータである原データに対する信号処理によって、検出信号Sdから直流成分を除去した信号を表すデジタルデータを採取データDaとして生成する(この信号処理を「DCカット処理」という)。なお、このDCカット部111はソフトウェア的に実現されているが、入力インターフェース部32に直流成分遮断回路またはオフセット調整回路を設け、これによって検出信号Sdから直流成分を除去した後に、A/D変換器によって上記の採取データDaを作成するようにしてもよい。この場合、DCカット部111は、ハードウェアとして実現されることになり、入力インターフェース部32の一部を構成する。
【0019】
周期分離部112は、DCカット部111によって生成された採取データDaを回転体10の回転周期毎に分離してブロック化することにより、複数のデータブロックからなるブロック化データDbを生成する(この処理を「周期分離処理」という)。具体的には、検出信号Sdを表すデジタルデータである採取データDaから、回転体10の変位量が0となる時点であるゼロ点に基づき、採取データDaを回転周期毎に分離してブロック化データDbを得る。
【0020】
図4は、上記周期分離処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態では、CPU31がこれらの手順を実行することにより周期分離部112がソフトウェア的に実現される。
【0021】
上記周期分離処理ではCPU31は、まず、DCカット部111から出力される変位データとしての採取データDaを構成する各標本化値に対し、移動平均を算出する(ステップS10)。すなわち、採取データDaにおける各標本化値に順次注目し、注目標本化値のサンプリング点(以下「注目サンプリング点」という)を中心とする所定期間における複数サンプリング点の標本化値の平均値を求め、その平均値を注目標本化値に対する移動平均とする。このようにして、採取データDaにおける各標本化値に対する移動平均からなる時系列データを得る(以下、この時系列データを「平滑化変位データ」という)。
【0022】
回転体10の変位を示す検出信号Sdから図5に示すような信号波形を表す採取データDaが得られた場合、その信号波形の一部を拡大すると、その信号波形は、例えば図6(a)に示すように不規則に変動するノイズ成分を含み滑らかな波形とはなっていない。また、そのような波形の信号から得られるデジタルデータである採取データDaには、A/D変換器に起因する誤差(以下「A/D変換誤差」という)も含まれる。しかし、上記のような移動平均による処理を施せば、ノイズおよびA/D変換誤差が相殺されて除去され、図6(b)に示すように平滑化された波形の信号を表すデジタルデータが平滑化変位データとして得られる。なお、図5および図6において一定間隔で描かれている縦線はサンプリング点に対応しているものとする。
【0023】
このような平滑化変位データが得られると、CPU31は、その平滑化変位データの表す図6(b)に示すような信号波形においてゼロ点を検出する(ステップS12)。ここで、ゼロ点には、信号が負値から正値へと変化するときのゼロ点(以下「立上りゼロ点」という)と、信号が正値から負値へと変化するときのゼロ点(以下「立下りゼロ点」という)とがある。採取データDaを回転周期毎に分離するためには、これら2種類のゼロ点のうちいずれか一方のみを検出すればよいが、以下では、立上りゼロ点のみを検出するものとして説明する。また、採取データDaを回転周期毎に分離するためには、ゼロ点を正確に求める必要はなく、ゼロ点を挟んで隣接する2つのサンプリング点を求めればよい。そこで、本実施形態では、第1のサンプリング点とそれに続く第2のサンプリング点とからなるサンプリング点対であって、第1のサンプリング点の標本化値に対する移動平均が負値で第2のサンプリング点の標本化値に対する移動平均が正値となるサンプリング点対(以下「立上りゼロ交差サンプリング点対」という)を求める。この立上りゼロ交差サンプリング点対は、上記の平滑化変位データにおいて隣接する2つのサンプリング点での移動平均の正負を順次調べれば容易に求めることができる。
【0024】
図6(b)に示した例では、サンプリング点対(ta1,ta2)と、サンプリング点対(tc1,tc2)とが、立上りゼロ交差サンプリング点対として検出される。この場合、立上りゼロ交差サンプリング点対(ta1,ta2)の間には立上りゼロ点Zpaが存在し、立上りゼロ交差サンプリング点対(tc1,tc2)の間には次の立上りゼロ点Zpcが存在する。したがって、サンプリング点ta2からtc1までのサンプリング点(ta2およびtc1も含む)が回転体10の1回転周期に対応する。なお、サンプリング点対(tb1,tb2)は立下りゼロ交差サンプリング点対であって、その間には立下りゼロ点Zpbが存在する。このような立下りゼロ点を検出することによっても採取データDaを回転周期毎に分離できるが、既述のように本実施形態では、立上りゼロ点対のみを検出するものとしている。
【0025】
次にCPU31は、検出された立上りゼロ点により採取データDaを分離して1回転周期毎にブロック化し、複数のデータブロックからなるブロック化データDbを得る(ステップS14)。図6(b)に示した例では、立上りゼロ交差サンプリング点対(ta1,ta2)の間には立上りゼロ点Zpaが、立上りゼロ交差サンプリング点対(tc1,tc2)の間には次の立上りゼロ点Zpcが、それぞれ存在するので、サンプリング点ta1以前の標本化値とサンプリング点ta2以降の標本化値とを分離すると共に、サンプリング点tc1以前の標本化値とサンプリング点tc2以降の標本化値とを分離し、サンプリング点ta2からtc1までのサンプリング点(ta2およびtc1も含む)の標本化値を1つのデータブロックとしてブロック化することになる。
【0026】
上記のような周期分離処理を図5に示した採取データDaに施すと、図7に示すようにそれぞれが1回転周期分の変位データに相当する4個のブロックデータDb1〜Db4からなるブロック化データDbが得られる。このようにして得られるブロック化データDbにおける各データブロックを構成する標本化値の個数(これは1回転周期のサンプリング点数であり、以下「データ数」という)は、モータの回転ムラ等のため、通常、全て等しくはならない。例えば図8(a)に示すように、データブロックDb1,Db2,Db3,Db4のデータ数は、それぞれ異なるn1個,n2個,n3個,n4個となる。
【0027】
レート変換部113は、上記のようにデータ数のばらつく複数のデータブロックからなるブロック化データDbに対して補間処理を行うことにより、各データブロックのデータ数を同一にする。すなわち、レート変換によって各データブロックのサンプリング点数を同一にする。このとき、信号処理部114で実行されるFFT(高速フーリエ変換)を考慮して、各データブロックのデータ数を2のべき乗とする。例えば図8(a)に示したようなブロック化データDbに対してレート変換を施すことにより、図8(b)に示すようにデータ数が全て2mであるデータブロックDc1,Dc2,Dc3,Dc4からなるブロック化データDcを得る。なお、ここでは、ブロック化データDbを構成する4個のデータブロックDb1,Db2,Db3,Db4は、ブロック化データDcを構成する4個のデータブロックDc1,Dc2,Dc3,Dc4にそれぞれ変換されるものとする。
【0028】
信号処理部114は、回転精度を示す指標の算出手段であって、レート変換後のブロック化データDcに対して窓関数を使用することなくFFTを施すことにより、スペクトルデータを算出する。そして、このスペクトルデータに基づき、従来と同様の手法により、RROや、NRRO、真円度等を求める。
【0029】
このようにして得られたRROや、NRRO、真円度等、回転体10の回転精度を示す指標は、測定結果としてメモリ33に格納されると共に、他の所定プログラムに基づき、表示制御部34に送られて、その表示制御部34によって表示部36に表示される。
【0030】
<効果>
上記のような本実施形態によれば、採取データDaが回転周期毎に分離されることにより回転周期毎にブロック化されたブロック化データDbが得られ、更に、そのブロック化データDbに対するレート変換によって各データブロックのデータ数が同一となる。これにより、回転精度測定において、回転体10を回転させるモータの回転ムラの影響を低減することができる。このため、RROや、NRRO、真円度等、回転精度を示す指標を正確に求めることができる。また、回転周期毎に分離されてブロック化されたデータに対して窓関数を使用することなくFFTを施すことにより、回転体10の1回転周期の逆数を基本周波数とする検出信号Sdの高調波成分を広がりの無い線スペクトルとして求めることができる。このため、そのFFTを施すことにより得られるスペクトルデータから、RROを精度よく求めることができ、そのスペクトルデータからNRROを求める際には、RROを他に影響を与えることなく精度よく除去することができる。
【0031】
ところで本実施形態では、周期分離処理において、採取データDaの回転周期毎の分離はゼロ点検出に基づいて行われるが、そのときゼロ点検出には、採取データDaの各標本化値に対する移動平均からなる平滑化変位データが使用される。このため、採取データDaを正確に回転周期毎に分離することができる。すなわち、ゼロ点検出に採取データDaをそのまま用いると、ノイズやA/D変換誤差等のために1つのゼロ点(真のゼロ点)の近傍に複数のゼロ点が見かけ上存在することがあるが、平滑化変位データを用いることにより、本来のゼロ点に1対1に対応して正確にゼロ点を検出することができる。例えば、図6(a)に示した採取データDaからゼロ点を検出すると、サンプリング点対(ta1,ta2)の間とサンプリング点対(ta2,ta3)の間との2区間に立上りゼロ点が見かけ上存在し、真の立上りゼロ点を含む立上りゼロ交差サンプリング点対を検出できない場合がある。このため、採取データDaを正確に回転周期毎に分離することができない。これに対し、図6(b)に示した平滑化変位データからゼロ点を検出すると、サンプリング点対(ta1,ta2)の間に立上りゼロ点Zpaが存在することが検出され、その近傍では他にゼロ点は検出されない。このため、採取データDaを正確に回転周期毎に分離することが可能となる。
【0032】
なお、上述の周期分離処理の手順からわかるように、採取データDaを分離するためには、ゼロ点の正確な位置を求める必要はなく、ゼロ点の存在するサンプリング点対を求めれば十分である。すなわち、立上りゼロ交差サンプリング点対または立下りゼロ交差サンプリング点対のいずれか一方を検出すれば、検出されたサンプリング点対の間にゼロ点が存在するとみなして採取データDaを回転周期毎に分離することができる。また、上記周期分離処理では、採取データDaの各標本化値に対して、その標本化値のサンプリング点を中心とする所定期間のサンプリング点の標本化値の平均を算出するが、その所定期間を適切に設定する必要がある。本実施形態では、この所定期間を、回転体10の回転周期や、サンプリング周波数、ノイズのレベルおよび周波数等を考慮して、本来のゼロ点に1対1に対応するゼロ点が平滑化変位データから検出されるように適切な所定期間を選定するものとする。
【0033】
<変形例>
上記実施形態では、周期分離処理によって得られる各データブロックのデータ数を同一にするためにレート変換が行われるが、これに代えて、次のような処理を行ってもよい。すなわち、周期分離処理によって採取データDaを回転周期毎に分離して得られる各データブロックのデータ数のうち最も出現頻度の高いデータ数を求め、最も出現頻度の高いデータ数を有するデータブロックのみを採取データDaから抽出する。そして、このようにして抽出されたデータブロックからなるブロック化データを用いてNRRO等の回転精度を示す指標を算出する。このような変形例によっても、回転精度測定において、回転体10を回転させるモータの回転ムラ等の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る回転精度測定装置の構成を模式的に示す構成図である。
【図2】上記実施形態に係る回転精度測定装置による回転体の測定を示す平面図である。
【図3】上記実施形態に係る回転精度測定装置におけるデータ処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】上記実施形態における周期分離処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】上記実施形態における採取データを説明するための信号波形図である。
【図6】上記実施形態における周期分離処理を説明するための信号波形図である。
【図7】上記実施形態において採取データに対する周期分離処理によって得られるブロック化データを説明するための信号波形図である。
【図8】上記実施形態におけるレート変換を説明するためのデータ構成図である。
【符号の説明】
10 …回転体
11 …回転軸
20,21…変位センサ
30 …データ収集処理装置
31 …CPU
32 …入力インターフェース部
33 …メモリ
111 …DCカット部
112 …周期分離部
113 …レート変換部
114 …信号処理部
Sd …検出信号
Da …採取データ(変位データ)
Db …ブロック化データ
Dc …レート変換後のブロック化データ

Claims (1)

  1. 所定軸を中心として回転する回転体の回転精度を測定する回転精度測定装置であって、
    前記回転体の半径方向の変位または前記所定軸方向の変位を示す信号の標本化値からなる時系列データを変位データとして取得するデータ取得手段と、
    前記変位データを構成する各標本化値に対する移動平均を算出し、当該移動平均からなる時系列データである平滑化変位データを生成する移動平均手段と、
    前記平滑化変位データの表す信号波形におけるゼロ点に基づき、前記データ取得手段によって取得された変位データを前記回転体の回転周期毎に分離してブロック化するブロック化手段と、
    前記ブロック化手段によってブロック化された変位データにおける各データブロックを構成する標本化値の数が同一となるように、当該各データブロックに対してレート変換を行う変換手段と、
    前記レート変換後の前記データブロックからなるブロック化データに基づき、前記回転精度を示す指標を算出する算出手段と
    を備え、
    前記ブロック化手段は、
    前記平滑化変位データに基づき、前記回転体の変位を示す標本化値のサンプリング点における隣接サンプリング点対のうち、一方のサンプリング点における移動平均が正値で他方のサンプリング点における移動平均が負値である隣接サンプリング点対を検出するサンプリング点対検出手段と、
    前記検出された隣接サンプリング点対の間に前記ゼロ点が存在するとみなして、前記データ取得手段によって取得された変位データを前記回転周期毎に分離する分離手段とを含むことを特徴とする回転精度測定装置。
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