JP2003240536A - 回転精度測定装置 - Google Patents

回転精度測定装置

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JP2003240536A JP2002036777A JP2002036777A JP2003240536A JP 2003240536 A JP2003240536 A JP 2003240536A JP 2002036777 A JP2002036777 A JP 2002036777A JP 2002036777 A JP2002036777 A JP 2002036777A JP 2003240536 A JP2003240536 A JP 2003240536A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確な回転精度測定のために回転体の変位デ
ータを正確に回転周期毎に分離する。 【解決手段】 回転体の変位を示す検出信号Sdに対し
てA/D変換およびDCカット処理を施すことにより、
回転体の変位データとして採取データDaを生成し、こ
の採取データDaに対して周期分離処理を行う。即ち、
採取データDaにおける各標本化値に対する移動平均か
らなる時系列データを平滑化変位データとして生成し
(S10)、次に、この平滑化変位データの表す信号波
形における立上りゼロ点を検出し(S12)、その立上
りゼロ点によって採取データDaを回転周期毎に分離し
てブロック化する(S14)。これにより得られたブロ
ック化データに対し、レート変換を施して各データブロ
ックのデータ数を同一とし、その後、窓関数を使用せず
にFFTを施すことによりスペクトルデータを算出し、
このスペクトルデータからNRRO等を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定軸を中心とし
て回転する回転体の回転精度を測定する回転精度測定装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受けや流体軸受け等に支持され
て回転する回転体(例えばモータによって回転するスピ
ンドル)の回転精度を測定する回転精度測定装置では、
従来、回転体の変位を示す時系列データを回転体の回転
とは無関係に採取して大量の変位データを収集し、その
大量の変位データに対して一括してデータ処理を行って
いた。このデータ処理では、例えば、時系列的に得られ
た変位データ(以下「採取データ」という)に対して高
速フーリエ変換(以下「FFT」という)を施すことに
より、周波数スペクトルを示すデータ(以下「スペクト
ルデータ」という)を算出し、そのスペクトルデータに
おいて同期振れ誤差(RRO:RepeatableRun Out)を
除去することにより、1回転毎に繰り返されない回転体
の変位に相当する非同期振れ誤差(NRRO:Non Repe
atable Run Out)を求めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の回転精
度測定装置では、回転体を回転させるモータ等の駆動源
の回転ムラが測定に大きな影響を与えていた。また、上
記の採取データは、回転体の回転とは無関係に採取され
た時系列データであるので、上記データ処理においてF
FTが施される際には、採取データが所定区間外で滑ら
かに0になるように、予め窓関数によって採取データに
対して適当な重み付けがなされていた。一般に窓関数が
使用されると、FFTによって得られるスペクトルが拡
散するので、この窓関数の使用も、従来の回転精度測定
装置による測定に大きな影響を与えることになる。この
ように従来の測定装置では、モータの回転ムラや窓関数
の影響が大きいために、回転精度についての高精度な測
定、すなわちRROやNRRO、真円度等の正確な算出
は困難であった。
【0004】これに対し本願出願人は、回転体の変位を
示す標本化値からなる時系列データとしての変位データ
を回転周期毎に分離してブロック化することによりブロ
ック化データを生成し、そのブロック化データにおける
各データブロックを構成する標本化値の数をレート変換
によって同一とし、レート変換後のブロック化データを
用いてNRRO等を算出するという周期分離型信号処理
に基づく回転精度測定装置の開発を進めている。この周
期分離型信号処理によれば、回転ムラや窓関数の使用等
による測定への影響が低減されて正確なNRRO等の算
出が可能となる。
【0005】上記の周期分離型信号処理では、回転体を
回転させるモータ等を含む駆動部から回転周期に同期し
た信号(例えば1回転毎に1個パルスが現れる信号)が
インデックスパルスとして出力される場合には、そのイ
ンデックスパルスを使用して変位データを回転周期毎に
分離することができる。これに対し、インデックスパル
スのような回転周期に同期した信号を取得できない場合
には、例えば変位データから直流成分を除去した後にゼ
ロ点検出を行うことにより、変位データを回転周期毎に
分離する必要がある。しかし、ノイズ等の外乱やA/D
変換器の誤差等により、正確にゼロ点を求めるのは困難
であり、その結果、変位データを正確に回転周期毎に分
離することができないという問題があった。
【0006】そこで本発明では、正確な回転精度測定の
ために変位データを正確に回転周期毎に分離することが
できる回転精度測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明は、所定軸を中心として回転する回転体の回転精度
を測定する回転精度測定装置であって、前記回転体の半
径方向の変位または前記所定軸方向の変位を示す信号の
標本化値からなる時系列データを変位データとして取得
するデータ取得手段と、前記変位データを構成する各標
本化値に対する移動平均を算出し、当該移動平均からな
る時系列データである平滑化変位データを生成する移動
平均手段と、前記平滑化変位データの表す信号波形にお
けるゼロ点に基づき、前記データ取得手段によって取得
された変位データを前記回転体の回転周期毎に分離して
ブロック化するブロック化手段と、前記ブロック化手段
によってブロック化された変位データに基づき、前記回
転精度を示す指標を算出する算出手段とを備えることを
特徴とする。
【0008】このような第1の発明によれば、回転体の
変位を表す変位データが回転周期毎に分離されてブロッ
ク化され、ブロック化された変位データに基づき回転精
度を示す指標が算出される。このような処理において、
変位データの回転周期毎の分離は、変位データにおける
各標本化値に対する移動平均からなる平滑化変位データ
に基づいて行われるので、変位データを正確に回転周期
毎に分離することができる。このため、ブロック化され
た変位データにおける各データブロックの標本化値の個
数を例えばレート変換によって同一にすることで、回転
精度測定において、回転体を回転させるモータ等の回転
ムラの影響を軽減することができる。また、変位データ
が回転周期毎にブロック化されると、そのブロック化さ
れた変位データに対して窓関数を使用することなくFF
Tを施すことにより、回転体の変位における同期成分お
よびその高調波成分を広がりの無い線スペクトルとして
得ることができる。このため、そのFFTによって得ら
れたスペクトルデータからNRROを求める際には、R
ROを他に影響を与えることなく精度よく除去すること
ができる。
【0009】第2の発明は、第1の発明において、前記
ブロック化手段は、前記平滑化変位データに基づき、前
記回転体の変位を示す標本化値のサンプリング点におけ
る隣接サンプリング点対のうち、一方のサンプリング点
における移動平均が正値で他方のサンプリング点におけ
る移動平均が負値である隣接サンプリング点対を検出す
るサンプリング点対検出手段と、前記検出された隣接サ
ンプリング点対の間に前記ゼロ点が存在するとみなし
て、前記データ取得手段によって取得された変位データ
を前記回転周期毎に分離する分離手段とを含むことを特
徴とする。
【0010】このような第2の発明によれば、回転体の
変位を示す標本化値のサンプリング点における隣接サン
プリング点対のうち、その間にゼロ点が存在するとみな
せる隣接サンプリング点対が検出され、その隣接サンプ
リング点対に基づいて変位データが回転周期毎に分離さ
れる。したがって、正確なゼロ点の位置を求めることな
く、効率よく正確に変位データを回転周期毎に分離する
ことができる。
【0011】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記ブロック化された変位データにおける各デー
タブロックを構成する標本化値の数が同一となるよう
に、当該各データブロックに対してレート変換を行う変
換手段を更に備え、前記算出手段は、前記レート変換後
の前記データブロックからなるブロック化データに基づ
き、前記回転精度を示す指標を算出することを特徴とす
る。
【0012】このような第3の発明によれば、回転体の
変位を示す各標本化値に対する移動平均からなる平滑化
変位データに基づいて、データ取得手段によって得られ
た変位データが正確に回転周期毎に分離されてブロック
化され、更に、各データブロックを構成する標本化値の
数が同一となるようにレート変換が行われる。そして、
そのレート変換後のブロック化データに基づいて回転精
度を示す指標が算出される。このため回転精度測定にお
いて、回転体を回転させるモータ等の回転ムラの影響を
軽減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について説明する。 <構成および動作>図1は、本発明の一実施形態に係る
回転精度測定装置の構成を模式的に示す構成図であり、
図2は、この回転精度測定装置による回転体の測定を示
す平面図である。
【0014】この回転精度測定装置は、軸受けによって
支持され所定の回転軸11を中心としてモータ(不図
示)により回転する回転体10の回転精度を測定する装
置であって、回転体10の半径方向の変位を検出する非
接触式の変位センサ20と、変位センサ20の検出信号
Sdに基づき回転体10の半径方向の変位を示す標本化
値からなる時系列データを収集し、その時系列データで
ある採取データを処理するデータ収集処理装置30とを
備えている。
【0015】変位センサ20は、回転体10の外周面近
傍に配置され、その外周面と変位センサ20との距離を
検出し、その検出結果を回転体10の半径方向の変位を
示す検出信号Sdとして出力する。なお、回転体10の
軸方向の変位を検出し、軸方向の変位についての回転精
度を測定する場合には、図1において点線で示すよう
に、回転体10の上面近傍に回転体10の軸方向の変位
を検出する非接触式の変位センサ21を配置し、その変
位センサ21から出力される信号すなわち回転体10の
上面と変位センサ21との距離を示す信号を検出信号S
dとして使用すればよい。ただし以下では、説明の便宜
上、半径方向の変位を検出する変位センサ20のみが配
置されているものとする。
【0016】データ収集処理装置30は、中央処理装置
としてのCPU31、入力インターフェース部32、メ
モリ33、および表示制御部34をバスで接続した構成
となっており、表示制御部34には表示部36が接続さ
れている。上記変位センサ20からの検出信号Sdは、
このデータ収集処理装置30における入力インターフェ
ース部32に入力される。入力インターフェース部32
はA/D変換器を有し、上記検出信号Sdは、このA/
D変換器によって標本化され、デジタルデータとしてメ
モリ33に一時的に格納される(以下、このデジタルデ
ータを「原データ」という)。この入力インターフェー
ス部32は、上記の変位センサ20と共に、回転体10
の変位を表す時系列データの取得手段を構成する。
【0017】CPU31は、予めメモリ33に格納され
た所定プログラムを実行することにより、上記の原デー
タに対し、後述のDCカット処理、周期分離処理、レー
ト変換、FFT等のデータ処理を順に施す。これによ
り、データ収集処理装置30は、図3に示すような機能
的構成の装置、すなわち、DCカット部111と、周期
分離部112と、レート変換部113と、信号処理部1
14とを備える装置として動作する。
【0018】DCカット部111は、変位センサ20か
ら出力される検出信号Sdから直流成分を除去するもの
であり、具体的には、検出信号Sdを表すデジタルデー
タである原データに対する信号処理によって、検出信号
Sdから直流成分を除去した信号を表すデジタルデータ
を採取データDaとして生成する(この信号処理を「D
Cカット処理」という)。なお、このDCカット部11
1はソフトウェア的に実現されているが、入力インター
フェース部32に直流成分遮断回路またはオフセット調
整回路を設け、これによって検出信号Sdから直流成分
を除去した後に、A/D変換器によって上記の採取デー
タDaを作成するようにしてもよい。この場合、DCカ
ット部111は、ハードウェアとして実現されることに
なり、入力インターフェース部32の一部を構成する。
【0019】周期分離部112は、DCカット部111
によって生成された採取データDaを回転体10の回転
周期毎に分離してブロック化することにより、複数のデ
ータブロックからなるブロック化データDbを生成する
(この処理を「周期分離処理」という)。具体的には、
検出信号Sdを表すデジタルデータである採取データD
aから、回転体10の変位量が0となる時点であるゼロ
点に基づき、採取データDaを回転周期毎に分離してブ
ロック化データDbを得る。
【0020】図4は、上記周期分離処理の手順を示すフ
ローチャートである。本実施形態では、CPU31がこ
れらの手順を実行することにより周期分離部112がソ
フトウェア的に実現される。
【0021】上記周期分離処理ではCPU31は、ま
ず、DCカット部111から出力される変位データとし
ての採取データDaを構成する各標本化値に対し、移動
平均を算出する(ステップS10)。すなわち、採取デ
ータDaにおける各標本化値に順次注目し、注目標本化
値のサンプリング点(以下「注目サンプリング点」とい
う)を中心とする所定期間における複数サンプリング点
の標本化値の平均値を求め、その平均値を注目標本化値
に対する移動平均とする。このようにして、採取データ
Daにおける各標本化値に対する移動平均からなる時系
列データを得る(以下、この時系列データを「平滑化変
位データ」という)。
【0022】回転体10の変位を示す検出信号Sdから
図5に示すような信号波形を表す採取データDaが得ら
れた場合、その信号波形の一部を拡大すると、その信号
波形は、例えば図6(a)に示すように不規則に変動す
るノイズ成分を含み滑らかな波形とはなっていない。ま
た、そのような波形の信号から得られるデジタルデータ
である採取データDaには、A/D変換器に起因する誤
差(以下「A/D変換誤差」という)も含まれる。しか
し、上記のような移動平均による処理を施せば、ノイズ
およびA/D変換誤差が相殺されて除去され、図6
(b)に示すように平滑化された波形の信号を表すデジ
タルデータが平滑化変位データとして得られる。なお、
図5および図6において一定間隔で描かれている縦線は
サンプリング点に対応しているものとする。
【0023】このような平滑化変位データが得られる
と、CPU31は、その平滑化変位データの表す図6
(b)に示すような信号波形においてゼロ点を検出する
(ステップS12)。ここで、ゼロ点には、信号が負値
から正値へと変化するときのゼロ点(以下「立上りゼロ
点」という)と、信号が正値から負値へと変化するとき
のゼロ点(以下「立下りゼロ点」という)とがある。採
取データDaを回転周期毎に分離するためには、これら
2種類のゼロ点のうちいずれか一方のみを検出すればよ
いが、以下では、立上りゼロ点のみを検出するものとし
て説明する。また、採取データDaを回転周期毎に分離
するためには、ゼロ点を正確に求める必要はなく、ゼロ
点を挟んで隣接する2つのサンプリング点を求めればよ
い。そこで、本実施形態では、第1のサンプリング点と
それに続く第2のサンプリング点とからなるサンプリン
グ点対であって、第1のサンプリング点の標本化値に対
する移動平均が負値で第2のサンプリング点の標本化値
に対する移動平均が正値となるサンプリング点対(以下
「立上りゼロ交差サンプリング点対」という)を求め
る。この立上りゼロ交差サンプリング点対は、上記の平
滑化変位データにおいて隣接する2つのサンプリング点
での移動平均の正負を順次調べれば容易に求めることが
できる。
【0024】図6(b)に示した例では、サンプリング
点対(ta1,ta2)と、サンプリング点対(tc
1,tc2)とが、立上りゼロ交差サンプリング点対と
して検出される。この場合、立上りゼロ交差サンプリン
グ点対(ta1,ta2)の間には立上りゼロ点Zpa
が存在し、立上りゼロ交差サンプリング点対(tc1,
tc2)の間には次の立上りゼロ点Zpcが存在する。
したがって、サンプリング点ta2からtc1までのサ
ンプリング点(ta2およびtc1も含む)が回転体1
0の1回転周期に対応する。なお、サンプリング点対
(tb1,tb2)は立下りゼロ交差サンプリング点対
であって、その間には立下りゼロ点Zpbが存在する。
このような立下りゼロ点を検出することによっても採取
データDaを回転周期毎に分離できるが、既述のように
本実施形態では、立上りゼロ点対のみを検出するものと
している。
【0025】次にCPU31は、検出された立上りゼロ
点により採取データDaを分離して1回転周期毎にブロ
ック化し、複数のデータブロックからなるブロック化デ
ータDbを得る(ステップS14)。図6(b)に示し
た例では、立上りゼロ交差サンプリング点対(ta1,
ta2)の間には立上りゼロ点Zpaが、立上りゼロ交
差サンプリング点対(tc1,tc2)の間には次の立
上りゼロ点Zpcが、それぞれ存在するので、サンプリ
ング点ta1以前の標本化値とサンプリング点ta2以
降の標本化値とを分離すると共に、サンプリング点tc
1以前の標本化値とサンプリング点tc2以降の標本化
値とを分離し、サンプリング点ta2からtc1までの
サンプリング点(ta2およびtc1も含む)の標本化
値を1つのデータブロックとしてブロック化することに
なる。
【0026】上記のような周期分離処理を図5に示した
採取データDaに施すと、図7に示すようにそれぞれが
1回転周期分の変位データに相当する4個のブロックデ
ータDb1〜Db4からなるブロック化データDbが得
られる。このようにして得られるブロック化データDb
における各データブロックを構成する標本化値の個数
(これは1回転周期のサンプリング点数であり、以下
「データ数」という)は、モータの回転ムラ等のため、
通常、全て等しくはならない。例えば図8(a)に示す
ように、データブロックDb1,Db2,Db3,Db
4のデータ数は、それぞれ異なるn1個,n2個,n3
個,n4個となる。
【0027】レート変換部113は、上記のようにデー
タ数のばらつく複数のデータブロックからなるブロック
化データDbに対して補間処理を行うことにより、各デ
ータブロックのデータ数を同一にする。すなわち、レー
ト変換によって各データブロックのサンプリング点数を
同一にする。このとき、信号処理部114で実行される
FFT(高速フーリエ変換)を考慮して、各データブロ
ックのデータ数を2のべき乗とする。例えば図8(a)
に示したようなブロック化データDbに対してレート変
換を施すことにより、図8(b)に示すようにデータ数
が全て2mであるデータブロックDc1,Dc2,Dc
3,Dc4からなるブロック化データDcを得る。な
お、ここでは、ブロック化データDbを構成する4個の
データブロックDb1,Db2,Db3,Db4は、ブ
ロック化データDcを構成する4個のデータブロックD
c1,Dc2,Dc3,Dc4にそれぞれ変換されるも
のとする。
【0028】信号処理部114は、回転精度を示す指標
の算出手段であって、レート変換後のブロック化データ
Dcに対して窓関数を使用することなくFFTを施すこ
とにより、スペクトルデータを算出する。そして、この
スペクトルデータに基づき、従来と同様の手法により、
RROや、NRRO、真円度等を求める。
【0029】このようにして得られたRROや、NRR
O、真円度等、回転体10の回転精度を示す指標は、測
定結果としてメモリ33に格納されると共に、他の所定
プログラムに基づき、表示制御部34に送られて、その
表示制御部34によって表示部36に表示される。
【0030】<効果>上記のような本実施形態によれ
ば、採取データDaが回転周期毎に分離されることによ
り回転周期毎にブロック化されたブロック化データDb
が得られ、更に、そのブロック化データDbに対するレ
ート変換によって各データブロックのデータ数が同一と
なる。これにより、回転精度測定において、回転体10
を回転させるモータの回転ムラの影響を低減することが
できる。このため、RROや、NRRO、真円度等、回
転精度を示す指標を正確に求めることができる。また、
回転周期毎に分離されてブロック化されたデータに対し
て窓関数を使用することなくFFTを施すことにより、
回転体10の1回転周期の逆数を基本周波数とする検出
信号Sdの高調波成分を広がりの無い線スペクトルとし
て求めることができる。このため、そのFFTを施すこ
とにより得られるスペクトルデータから、RROを精度
よく求めることができ、そのスペクトルデータからNR
ROを求める際には、RROを他に影響を与えることな
く精度よく除去することができる。
【0031】ところで本実施形態では、周期分離処理に
おいて、採取データDaの回転周期毎の分離はゼロ点検
出に基づいて行われるが、そのときゼロ点検出には、採
取データDaの各標本化値に対する移動平均からなる平
滑化変位データが使用される。このため、採取データD
aを正確に回転周期毎に分離することができる。すなわ
ち、ゼロ点検出に採取データDaをそのまま用いると、
ノイズやA/D変換誤差等のために1つのゼロ点(真の
ゼロ点)の近傍に複数のゼロ点が見かけ上存在すること
があるが、平滑化変位データを用いることにより、本来
のゼロ点に1対1に対応して正確にゼロ点を検出するこ
とができる。例えば、図6(a)に示した採取データD
aからゼロ点を検出すると、サンプリング点対(ta
1,ta2)の間とサンプリング点対(ta2,ta
3)の間との2区間に立上りゼロ点が見かけ上存在し、
真の立上りゼロ点を含む立上りゼロ交差サンプリング点
対を検出できない場合がある。このため、採取データD
aを正確に回転周期毎に分離することができない。これ
に対し、図6(b)に示した平滑化変位データからゼロ
点を検出すると、サンプリング点対(ta1,ta2)
の間に立上りゼロ点Zpaが存在することが検出され、
その近傍では他にゼロ点は検出されない。このため、採
取データDaを正確に回転周期毎に分離することが可能
となる。
【0032】なお、上述の周期分離処理の手順からわか
るように、採取データDaを分離するためには、ゼロ点
の正確な位置を求める必要はなく、ゼロ点の存在するサ
ンプリング点対を求めれば十分である。すなわち、立上
りゼロ交差サンプリング点対または立下りゼロ交差サン
プリング点対のいずれか一方を検出すれば、検出された
サンプリング点対の間にゼロ点が存在するとみなして採
取データDaを回転周期毎に分離することができる。ま
た、上記周期分離処理では、採取データDaの各標本化
値に対して、その標本化値のサンプリング点を中心とす
る所定期間のサンプリング点の標本化値の平均を算出す
るが、その所定期間を適切に設定する必要がある。本実
施形態では、この所定期間を、回転体10の回転周期
や、サンプリング周波数、ノイズのレベルおよび周波数
等を考慮して、本来のゼロ点に1対1に対応するゼロ点
が平滑化変位データから検出されるように適切な所定期
間を選定するものとする。
【0033】<変形例>上記実施形態では、周期分離処
理によって得られる各データブロックのデータ数を同一
にするためにレート変換が行われるが、これに代えて、
次のような処理を行ってもよい。すなわち、周期分離処
理によって採取データDaを回転周期毎に分離して得ら
れる各データブロックのデータ数のうち最も出現頻度の
高いデータ数を求め、最も出現頻度の高いデータ数を有
するデータブロックのみを採取データDaから抽出す
る。そして、このようにして抽出されたデータブロック
からなるブロック化データを用いてNRRO等の回転精
度を示す指標を算出する。このような変形例によって
も、回転精度測定において、回転体10を回転させるモ
ータの回転ムラ等の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る回転精度測定装置の
構成を模式的に示す構成図である。
【図2】上記実施形態に係る回転精度測定装置による回
転体の測定を示す平面図である。
【図3】上記実施形態に係る回転精度測定装置における
データ処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】上記実施形態における周期分離処理の手順を示
すフローチャートである。
【図5】上記実施形態における採取データを説明するた
めの信号波形図である。
【図6】上記実施形態における周期分離処理を説明する
ための信号波形図である。
【図7】上記実施形態において採取データに対する周期
分離処理によって得られるブロック化データを説明する
ための信号波形図である。
【図8】上記実施形態におけるレート変換を説明するた
めのデータ構成図である。
【符号の説明】
10 …回転体 11 …回転軸 20,21…変位センサ 30 …データ収集処理装置 31 …CPU 32 …入力インターフェース部 33 …メモリ 111 …DCカット部 112 …周期分離部 113 …レート変換部 114 …信号処理部 Sd …検出信号 Da …採取データ(変位データ) Db …ブロック化データ Dc …レート変換後のブロック化データ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定軸を中心として回転する回転体の回
    転精度を測定する回転精度測定装置であって、 前記回転体の半径方向の変位または前記所定軸方向の変
    位を示す信号の標本化値からなる時系列データを変位デ
    ータとして取得するデータ取得手段と、 前記変位データを構成する各標本化値に対する移動平均
    を算出し、当該移動平均からなる時系列データである平
    滑化変位データを生成する移動平均手段と、 前記平滑化変位データの表す信号波形におけるゼロ点に
    基づき、前記データ取得手段によって取得された変位デ
    ータを前記回転体の回転周期毎に分離してブロック化す
    るブロック化手段と、 前記ブロック化手段によってブロック化された変位デー
    タに基づき、前記回転精度を示す指標を算出する算出手
    段とを備えることを特徴とする回転精度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記ブロック化手段は、 前記平滑化変位データに基づき、前記回転体の変位を示
    す標本化値のサンプリング点における隣接サンプリング
    点対のうち、一方のサンプリング点における移動平均が
    正値で他方のサンプリング点における移動平均が負値で
    ある隣接サンプリング点対を検出するサンプリング点対
    検出手段と、 前記検出された隣接サンプリング点対の間に前記ゼロ点
    が存在するとみなして、前記データ取得手段によって取
    得された変位データを前記回転周期毎に分離する分離手
    段とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の回転精
    度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記ブロック化された変位データにおけ
    る各データブロックを構成する標本化値の数が同一とな
    るように、当該各データブロックに対してレート変換を
    行う変換手段を更に備え、 前記算出手段は、前記レート変換後の前記データブロッ
    クからなるブロック化データに基づき、前記回転精度を
    示す指標を算出することを特徴とする、請求項1または
    2に記載の回転精度測定装置。
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