JP3819254B2 - 熱硬化型塗料用硬化剤及び塗料組成物 - Google Patents

熱硬化型塗料用硬化剤及び塗料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料、接着剤、シーリング剤等に広く利用されている熱硬化性ブロックイソシアネートに関するものであり、更に詳しくは、塗膜、硬化物の物性を改善する樹脂硬化剤及びそれを配合した塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋼構造物、鋼管の防食被覆、導線、電子基板の絶縁等には、熱硬化型のブロックウレタン系塗料が使用されてきた。そのうち、ベース樹脂や機能付与剤としては、ブロックイソシアネートが広く使用されている。現在、これらの分野では、性能とコストのバランスが優れているので、2官能以上のイソシアネート化合物又は2官能以上のイソシアネート化合物をポリヒドロキシ化合物等で架橋したポリイソシアネートをフェノール類で末端ブロックしたブロックイソシアネートが多く利用されている。
一般的に広く利用されているブロックイソシアネートには、トルイジンイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートのような1分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO)を有する多価イソシアネート化合物と、アルキルフェノール類とを反応させたブロックイソシアネートや、上記のような多価イソシアネート化合物をジエチレングリコールやトリメチロール化プロパンに代表される2官能以上のポリヒドロキシ化合物で架橋、オリゴマー化させた変性イソシアネート化合物と、アルキルフェノール類とを反応させたブロック変性イソシアネートが知られている。
【0003】
これらブロックイソシアネート又はブロック変性イソシアネートのうち、スチレン化フェノールをブロック化剤として使用することが知られている。特開平2−6548号公報ではジイソシアネート重合物のスチレン化フェノールブロック体が、特開平6−293878号公報にはポリイソシアネートのスチレン化フェノールブロック体が開示されている。
これらイソシアネート類のスチレン化フェノールブロック体では、低温での塗膜硬化のニーズからブロック化剤の解離しやすさに着目しているが、その解離反応性を遅延させる観点はない。
また、塗料の一成分として配合して利用する際、他の原材料との調合を容易にするとの作業性の観点から、ブロック化反応の際に過剰にフェノール類を添加し反応させる、液状希釈や炭化水素系溶剤で希釈する、樹脂組成物の調合後に同様の希釈剤で希釈するなどして利用するのが一般的である。
【0004】
しかし、これら過剰フェノール、溶剤、希釈剤は焼き付けの硬化の際に交換反応により脱離したブロック剤と共に除去されるが、除去が不十分であると著しい強度低下を招く。処理温度や真空度を上げるなど除去の条件を強めると、発泡やワキ現象を起こし外観を著しく低下させたりすることがある。そのため、高沸点溶剤や液状可塑剤を第三成分として添加してフェノール類などの脱離したブロック剤と希釈剤の除去率を上げる試みもあるが、第三成分の添加は硬化後の物性低下を招くなど、問題がある。
また、除去した揮発成分は組成物の歩留まりを低下させる、環境への影響が懸念される、燃焼処理させるため処理コストもかかる等の問題がある。
更に、解離したブロック化剤を除去することなく、塗膜の改質剤として応用するとの観点はない。
更に、近年、要求性能の高度化に加え、省エネルギー、低環境負荷に関する要求も高まっている。当該分野においても塗膜、硬化物の強度、密着力、耐久性の向上に留まらず、焼付け温度の低下、低VOC化等の要求がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はフェノール化合物でブロックしたイソシアネート化合物からなる塗膜硬化剤、及びそれを含む塗料組成物を提供することにある。特に、特定構造を有するフェノール化合物を用いることにより、脱離反応性を制御し、硬化収縮の抑制可能な塗膜硬化剤や、脱離ブロック化剤が塗膜の改質効果を有する塗膜硬化剤を提供し、更に、鋼構造物、鋼管の防食被覆や、導線、電子基板の絶縁等に用いることが可能な高性能な熱硬化型塗料組成物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とフェノール化合物とを反応させて得られるブロックイソシアネートからなる塗料硬化剤であって、フェノール化合物が下記式(1)
【化2】
Figure 0003819254
(式中、R1、R2及びR3は水素、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニルエチル基であり、R1、R2及びR3のうち少なくとも一つはフェニルエチル基である)で表されるフェノール化合物であることを特徴とする熱硬化型塗料用硬化剤である。一般式(1)において、R1及びR2が1‐フェニルエチル基であること、又はR1及びR2が水素であり、R3が1‐フェニルエチル基であることは、好ましい態様の一つである。また、本発明は、塗料組成物中で、一般式(1)で表されるフェノール化合物を発生し、当該フェノール化合物が塗膜改質能を有する前記の熱硬化型塗料用硬化剤である。更に、本発明は、(A)ポリオール又はポリアミン、(B)前記の熱硬化型塗料用硬化剤を必須成分とする熱硬化型塗料組成物である。
【0007】
本発明で使用するブロックイソシアネートの製造原料としてイソシアネート化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば、汎用型、難黄変型(紫外線暴露下での変色性)、無黄変型(紫外線暴露下での変色性)など、広く使用できる。まず、汎用型としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、TDIの3量化物であるイソシアヌレート、4,4’−ジフェニルジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート(ポリメリックMDI)等が挙げられる。また、難黄変型としては、キシリレンジイソシアネート(XDI)等が挙げられる。更に、無黄変型としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI及び水添MDI等が挙げられ、工業的に入手しやすく、経済的な点から、好ましくはTDI、MDI、ポリメリックMDIである。
【0008】
ブロック化剤としては、一般式(1)で表されるフェノール化合物を用いる。R1、R2及びR3は、水素、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、フェニルエチル基であり、そのうち少なくとも一つはフェニルエチル基である。アルキル基としてはメチル基が好ましく挙げられ、フェニルエチル基としては、1-フェニルエチル基が好ましく挙げられる。
【0009】
前記フェノール化合物のうちR1及びR2が1−フェニルエチル基であることが、ブロックイソシアネートからの脱離反応を抑制できる観点で好ましい。フェノール性水酸基の両オルト位が、嵩高い置換基であるフェニルエチル基で置換されているため、イソシアネート基のブロック化剤であるフェノール化合物の脱離反応を抑制することができる。そのため、塗膜の硬化がゆっくり進行することにより硬化収縮を小さくしたり、塗膜内部の応力発生を抑えることが可能となり、その結果、塗膜耐久性が向上する利点がある。また、ブロックイソシアネート自体が改質剤として作用し、発泡防止、密着力向上、耐久性向上等の利点がある。
【0010】
このようなフェノール化合物の具体例としては、2,6−ビス(1−フェニルエチル)フェノール、2,6−ビス(1−フェニルエチル)−4−メチルフェノール、2,6−ビス(1−フェニルエチル)−4−エチルフェノール、2,4,6−トリス(1−フェニルエチル)フェノールが挙げられ、好ましくは2,6−ビス(1−フェニルエチル)フェノール、2,4,6−トリス(1−フェニルエチル)フェノールである。
このようなフェノール化合物は公知方法で製造できる。例えば、ルイス酸触媒存在下で、スチレンとフェノールとを反応させた後、蒸留により上記化合物を分離する等の方法がある。
【0011】
一方、R1及びR2が水素であり、R3が1−フェニルエチル基であるものが脱離反応しやすいとの観点からは好ましい。この場合、脱離反応の障害となるオルト位には水素が結合している必要がある。また、脱離反応を促進する観点から、1−フェニルエチル基はパラ位に置換している必要がある。低温でも脱離が容易であり作業性がよい、脱離反応触媒が不要でありコスト面で有利などの利点がある。更に、脱離した後のイソシアネート化合物が塗膜硬化剤として作用するだけでなく、脱離したフェノール化合物が塗膜改質剤としての作用も有し、発泡防止、密着力向上、耐久性向上等に有効である。また、その結果、フェノール化合物を除去する負荷が低減されるなどの利点がある。このようなフェノール化合物は、4−(1−フェニルエチル)フェノールである。
このようなフェノール化合物は公知方法で製造できる。例えば、ルイス酸触媒存在下で、スチレンとフェノールとを反応させた後、蒸留により上記化合物を分離する等の方法がある。
【0012】
本発明の塗料用硬化剤となるブロックイソシアネートの製造は、上記イソシアネート化合物とフェノール化合物とを、公知の方法で反応させることにより得られる。例えば、加熱混合する方法等が挙げられる。
このようにして得られたブロックイソシアネートは、所望の特性を発揮させるため、淡色で、トルエン、キシレン等の溶剤に可溶であることが好ましい。
また、R1及びR2が1−フェニルエチル基であるようなフェノール化合物から得られるブロックイソシアネートと、R1及びR2が水素であり、R3が1−フェニルエチル基であるようなフェノール化合物から得られるブロックイソシアネートを、混合使用すれば両者の特性を併せ持つ又は両者の特性が平均化されたものとすることができ、特性を用途に適するように変化させることが可能である。
なお、本発明の硬化剤は、塗料用以外の用途にも使用可能であり、フィルムや成形材の他、熱可塑性樹脂組成物の強度向上用等の添加剤としても使用可能である。
【0013】
本発明の熱硬化型塗料組成物は、(A)ポリオール又はポリアミン、(B)前記熱硬化型塗料用硬化剤(本発明の塗料硬化剤ともいう)を必須成分とする。
【0014】
ここで、ポリオールとは、1分子中に水酸基を2個以上含み、イソシアネート系硬化剤と反応し、架橋塗膜を形成することが可能な水酸基当量100〜2000程度のものであり、これは液状、固形を問わず使用できる。例えば、アルキレンオキサイドを重合させたポリエーテルポリオール、ビスフェノールA型エポキシ樹脂骨格を有するエポキシ変性ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、キレート変性ポリオール、ヒマシ油変性ポリオール等が使用でき、これらから選択された1種又は2種以上を混合して使用してもよい。更に、塗料組成物の粘度や硬化塗膜の物性を調整するため、単官能のアルコール類を希釈剤として用いることもできる。
【0015】
特に、汎用性、塗膜性能、経済性、作業性の観点から、ポリエーテルポリオールが好ましい。更に好ましくは、分子量400〜3000のポリプロピレングリコール系のポリエーテルポリオールである。
【0016】
ここで、ポリアミンとは、1分子中にアミノ基を2個以上含み、イソシアネート系硬化剤と反応し、架橋塗膜を形成することが可能なアミノ基当量100〜2000程度のものであり、これは液状、固形を問わず使用できる。例えば、直鎖脂肪族ポリアミン類、環状脂肪族ポリアミン類、芳香族ポリアミン類、それらのアダクト、架橋による変性物ポリアミン化合物等が使用でき、これらから選択された1種又は2種以上を混合して使用してもよい。
特に、硬化後の塗膜物性の観点から、芳香族ポリアミン類の変性物が好ましい。
【0017】
もう一つの必須成分である硬化剤としては、前記本発明の塗料硬化剤であるブロックイソシアネートを用いる。
また、本発明の塗料硬化剤以外に、イソシアネート系硬化剤を更に添加してもよい。イソシアネート硬化剤としては、イソシアネート基を1分子中に2個以上有する化合物であればよく、汎用型、難黄変型(紫外線暴露下での変色性)、無黄変型(紫外線暴露下での変色性)など、広く使用できる。汎用型としては、TDI、TDIの3量化物であるイソシアヌレート、MDI、ポリメリックMDI等が挙げられる。また、難黄変型としては、XDI等が挙げられる。更に、無黄変型としては、HDI、IPDI、水添XDI及び水添MDI等が挙げられ、更に、上記イソシアネート類をトリメチロールプロパン(TMP)等の多価アルコール、多価フェノール類で変性したアダクト物も使用できる。特に、コストと性能のバランスの点から、TDIのTMPアダクト物及びポリメリックMDIが好ましい。
【0018】
しかし、本発明の塗料硬化剤である前記ブロックイソシアネートの使用量は、全シアネート基の50モル%以上、好ましくは70モル%以上を占める量であることがよい。全硬化剤中の本発明の塗料硬化剤の含有量は、50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。本硬化剤含有量がこの範囲より少ないと本硬化剤の効果が十分得られず好ましくない。
【0019】
本発明の前記ブロックイソシアネート又は本発明の前記ブロックイソシアネートと他のイソシアネート硬化剤の使用量は、イソシアネート基(NCO基)/ポリオール樹脂のヒドロキシル基(OH基)のモル比で0.3〜1.5の範囲がよく、更に、塗膜性能の面から0.5〜1.0の範囲が好ましい。
【0020】
硬化剤の添加量はポリオール樹脂の水酸基(OH)又はポリアミンの活性水素(N-H)のモル数に対し、イソシアネート系硬化剤中のイソシアネート基(NCO)と硬化剤中のブロック化イソシアネート基(−NHCOO−)との合計モル数の比が、0.3〜1.5になるように配合する。全硬化剤の使用量が0.3(モル比)未満と少ない場合は、硬化剤不足のため良好な硬化塗膜を得ることができない。1.5(モル比)を越えて多い場合は、発泡を起こしたり、物性が低下したりする。
【0021】
上記塗料組成物は予め混合した1液型塗料組成物として使用するのが一般的であるが、2液型としても使用できる。
2液型で使用する場合、塗料主剤と硬化剤はそれぞれ液状とし、これを2液で保存し、使用する前にこれを混合して使用する。本発明の塗料組成物は、2液とされた塗料組成物及びこれを混合した塗料組成物の両者を含む。
【0022】
本発明の塗料組成物に関し、上記必須成分の他に、一般的に用いられる着色顔料、体質顔料、防錆顔料、各種添加剤、溶剤等を配合することができる。
着色顔料としては、例えば酸化チタンやカーボンブラック、弁柄、等の無機系着色顔料や、アゾ系、シアニン系、キナクリドン系等の有機系着色顔料が挙げられる。体質顔料としては、例えばタルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、シリカ、マイカ等が挙げられる。防錆顔料としては、例えばアルカリ性顔料である亜酸化鉛、鉛丹等、酸化性防錆顔料であるジンククロメート、ストロンチウムクロメート等、安定な化合物による防錆被膜層を形成するリン酸亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リン酸アルミニウム等が挙げられる。使用する顔料種類、組み合わせ及び配合割合についても特に、制約はないが、防食性を左右する体質顔料の場合、例えば主剤100重量部に対して100〜600重量部の範囲にするとよい。これは、防食性の目安となる塗膜の水蒸気透過率が前記体質顔料の配合割合範囲で最少となるためである。他方、着色顔料の場合は所望の着色度に応じて適宜割合で配合できるが、一般には樹脂成分に対して0〜100重量部の範囲にするとよい。
【0023】
本発明の塗料組成物には、その他通常の各種添加剤を配合することができる。例えば、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、タレ止め剤等の添加剤が利用できる。また、溶剤として芳香族系溶剤例えばトルエン、キシレン、ケトン系溶剤例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、脂肪族エステル系溶剤例えば酢酸エチル、酢酸ブチル又はこれらの混合溶剤を適宜使用できる。なお、揺変剤は、塗装1回当たりの膜厚を大きくし、塗膜のタレを小さくし、更に塗装中の粘度を小さくし作業性を高める目的で添加されるものであり、具体的には酸化ポリエチレンワックス、脂肪酸アマイドワックス、有機ベントナイトなどが使用される。溶剤としては、主剤100重量部に対して、溶剤の配合割合を1〜500重量部程度として添加するとよい。
【0024】
本発明の塗料組成物は、上記成分を耕地方で配合することにより得られる。例えば、ディスパー、ボールミル等で撹袢・混合して塗料組成物を調整することができる。
この調整した塗料を被塗物、例えば適宜の乾燥膜厚み、例えば、約200〜300μm程度となるように刷毛塗り等で塗装し、塗膜を硬化させることにより、目的とする塗膜を形成することができる。また、こうした塗料ベース剤、塗料組成物の配合にあたり、脱水剤例えば無水石膏、ゼオライトを、塗料組成物の全量に対して、1〜5重量%配合してもよい。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1
ガラス製反応器にフェノール25重量部、スチレン75重量部、トルエン50重量部を仕込み、更に、反応触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を1重量部添加して80〜85℃で約2時間反応させた。反応終了後、水酸化カルシウム3重量部を加え中和した。中和処理後、沈殿物を濾去し、減圧下で溶剤を留去してフェノール化合物▲1▼を得た。フェノール化合物▲1▼の主成分は、トリス[2,4,6-(1-フェニルエチル)]-フェノールであり、含有率は75wt%であった。収率98%、半固形、粘度(50℃、25ポイズ)平均分子量450、水酸基当量350であった。
フェノール化合物▲1▼75重量部と、MDI25重量部混合し100℃で加熱溶解した。更にジブチルチンジラウリレートを4mg加え120℃で1時間反応させてブロックイソシアネートAを得た。NCO含量8.4%であった。
【0026】
実施例2
アミン変性ポリオール樹脂(旭電化工業(株)製、商品名、アデカポリエーテルEDP−300、OH当量760KOHmg/g)13重量部と実施例1で調製したブロックイソシネートA87重量部とを混合し、メチルエチルケトン50重量部に溶解して一液硬化型の塗料ワニスを調整した。
【0027】
これを、ブラスト処理した鋼板(JIS−G3141、150x70x3.2mm)に乾燥膜厚が100μmになるように塗布し、60℃で1時間乾燥させた後、120℃及び180℃で1時間硬化させて、試験板を調整して、塗料の評価をした。以下の他の実施例及び比較例(比較例5を除く)も同様である。
塗料の評価項目は塗料一般試験方法JIS K5400及びJIS K5600、電気絶縁用ワニス試験法JIS C2103、電気絶縁用無用剤液状レジン試験方法をもとに設定した。
a)耐中性塩水噴霧性:JIS K5600 7−1準じて、2週間の促進試験後のふくれ、はがれ等の外観異常の有無と耐クロスカット剥離性で評価した。(○:良好、△:やや劣る、×:不良)
b)耐湿性:JIS K5600 7−2準じて、2週間の促進試験後のふくれ、剥がれ等の外観異常の有無と耐クロスカット剥離性で評価した。(○:良好、△:やや劣る、×:不良)
c)付着性:JIS K5600 5−6付着性(クロスカット法)に準じて、カッターガイドのすきま間隔を2mm、ます目の数を25とし、碁盤目テープ法により評価した。(剥離せず残ったます目の数/25で示す)
d)密着強さ:JIS K5400(8.7)及びJIS K5600 5−7付着強さ(プルオフ法)に準じて、引っ張り試験にて測定した。
e)耐衝撃性:JIS K5600 5−3に準じて、500gのおもりを使用し、落下高さを20cmとして評価を行った。(割れ、はがれが、 ○:認められない、△:僅かに認められる、×:認められる)
【0028】
実施例3
ガラス製反応器にフェノール60重量部、スチレン40重量部、トルエン50重量部を仕込み、更に、反応触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を1重量部添加して80〜85℃で約2時間反応させた。反応終了後、水酸化カルシウム3重量部を加え中和した。中和処理後、沈殿物を濾去し、減圧下で溶剤と未反応成分を留去してフェノール化合物▲2▼を得た。主成分は4-(1-フェニルエチル)フェノールであり、50wt%含有している。収率65%、粘度(30℃、8ポイズ)平均分子量280、水酸基当量230であった。
フェノール化合物▲2▼65重量部と、MDI35重量部混合し100℃で加熱溶解した。更に、ジブチルチンジラウリレートを4mg加え120℃で1時間反応させてブロックイソシアネートBを得た。NCO含量11.8%であった。
【0029】
実施例4
アミン変性ポリオール樹脂(旭電化工業(株)製、商品名、アデカポリエーテルEDP−300、OH当量760KOHmg/g)17重量部と実施例3で調整したブロックイソシネートB83重量部とを混合しメチルエチルケトン50重量部に溶解して一液硬化型の塗料ワニスを調製した。
【0030】
実施例5
実施例1で合成したフェノール化合物▲1▼72重量部とポリメリックMDI(日本ポリウレタン(株)製MR200、NCO含量30.8%)28重量部を混合し100℃で加熱溶解した。更に、ジブチルチンラウリレート4mgを加え120℃で1時間反応させてブロックイソシアネートCを得た。NCO含量は8.6%であった。
【0031】
実施例6
ポリエーテルポリオール樹脂(旭電化工業(株)製、商品名、アデカポリエーテルP−400、OH当量268KOHmg/g)30重量部と実施例5で調整したブロックイソシネートC70重量部とを混合しメチルエチルケトン50重量部に溶解して一液硬化型の塗料ワニスを調製した。
【0032】
実施例7
実施例3で合成したフェノール化合物▲2▼63重量部と前記ポリメリックMDI37重量部を混合し100℃で加熱溶解した。更に、ジブチルチンラウリレート4mgを加え120℃で1時間反応させてブロックイソシアネートDを得た。NCO含量は11.5%であった。
【0033】
実施例8
前記ポリエーテルポリオール樹脂36重量部と実施例7で調製したブロックイソシネートD64重量部とを混合しメチルエチルケトン50重量部に溶解して一液硬化型の塗料ワニスを調整した。
【0034】
比較例1
ガラス製反応器にフェノール43重量部とMDI57重量部、キシレンを50重量部混合し100℃で加熱溶解した。更に、ジブチルチンジラウリレートを4mg加え120℃で1時間反応させた後、キシレンを留去してブロックイソシアネートEを得た。NCO含量19.1%であった。
【0035】
比較例2
前記アミン変性ポリオール樹脂25重量部と比較例1で調製したブロックイソシネートE75重量部とを混合し、メチルエチルケトン50重量部に溶解して一液硬化型の塗料ワニスを調整した。
【0036】
比較例3
ガラス製反応器にフェノール41重量部と前記ポリメリックMDI59重量部とをキシレンを50重量部混合し100℃で加熱溶解した。更にジブチルチンジラウリレートを4mg加え120℃で1時間反応させた後、キシレンを留去してブロックイソシアネートFを得た。NCO含量18.3%であった。
【0037】
比較例4
前記ポリエーテルポリオール樹脂48重量部と比較例3で調製したブロックイソシネートF52重量部とを混合しメチルエチルケトン50重量部に溶解して一液硬化型の塗料ワニスを調製した。
【0038】
比較例5
MDI57重量部をメチルエチルケトン50重量部に溶解し、試験板に塗布する直前に前記アミン変性ポリオール樹脂43重量部を混合撹拌し一液硬化型の塗料ワニスを調整した。
これを前記ブラスト処理した鋼板に乾燥膜厚が100μmになるように塗布し、60℃で1時間乾燥させた後、120℃で1時間硬化させて、試験板を調整した。
評価結果をまとめて表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003819254
【0040】
【発明の効果】
本発明の塗料硬化剤は、付着性、付着強さ、耐中性塩水噴霧性、耐湿性に優れた熱硬化型塗料を与えることができる。また、成形材料、樹脂改質剤等としても有用である。

Claims (5)

  1. 1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とフェノール化合物とを反応させて得られるブロックイソシアネートからなる塗料硬化剤であって、フェノール化合物が下記式(1)
    Figure 0003819254
    (式中、R1、R2及びR3は水素、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニルエチル基であり、R1、R2及びR3のうち少なくとも一つはフェニルエチル基である)で表されるフェノール化合物であることを特徴とする熱硬化型塗料用硬化剤。
  2. 一般式(1)において、R1及びR2が1−フェニルエチル基であるフェノール化合物である請求項1記載の熱硬化型塗料用硬化剤。
  3. 一般式(1)において、R1及びR2が水素であり、R3が1−フェニルエチル基であるフェノール化合物である請求項1記載の熱硬化型塗料用硬化剤。
  4. 塗料組成物中で、一般式(1)で表されるフェノール化合物を発生し、当該フェノール化合物が塗膜改質能を有する請求項3記載の熱硬化型塗料用硬化剤。
  5. (A)ポリオール又はポリアミン、(B)請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化型塗料用硬化剤を必須成分とする熱硬化型塗料組成物。
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