JPH0953043A - 低温硬化性1液型ウレタン系塗料組成物 - Google Patents

低温硬化性1液型ウレタン系塗料組成物

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JPH0953043A
JPH0953043A JP8140372A JP14037296A JPH0953043A JP H0953043 A JPH0953043 A JP H0953043A JP 8140372 A JP8140372 A JP 8140372A JP 14037296 A JP14037296 A JP 14037296A JP H0953043 A JPH0953043 A JP H0953043A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、可撓性などに優れた塗膜物性と、更
に低温硬化性が付与された1液型ウレタン系塗料組成物
を提供する。 【解決手段】 下記のようなブロックポリイソシアネー
トを硬化剤に用いる。脂肪族及び/または脂環族ジイソ
シアネートと平均水酸基官能基数4〜10の多価ヒドロ
キシ化合物とを反応させて得られ、平均イソシアネート
官能基数4.0〜20、イソシアネート濃度5〜20重
量%、数平均分子量1,200〜10,000、粘度2
000〜200,000mPa.s/25℃、イソシア
ネート環状3量体含有量10重量%以下であるポリイソ
シアネートを、熱解離性ブロック剤でブロックし、平均
ブロックイソシアネート官能基数4.0〜20、イソシ
アネート濃度2〜15重量%、数平均分子量1,500
〜15,000としたブロックポリイソシアネート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無黄変型ブロック
ポリイソシアネートを用いた1液型ウレタン系塗料組成
物に関するもので、低温硬化性、耐候性等に優れ、自動
車用塗料、建築用塗料などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】無黄変型ポリイソシアネート及びブロッ
クポリイソシアネートは耐候性がよく、例えば、ウレタ
ン系塗料の硬化剤として使用された場合、得られた塗膜
は、耐薬品性、可撓性などの優れた物性を持つことか
ら、自動車用塗料、建築用塗料、プレコートメタル、缶
用塗料などの分野で金属、プラスチックなどに塗装され
るなど極めて有用である。
【0003】そして、ポリイソシアネートを得るために
用途に応じ、ジイソシアネート以外にポリオールなどの
変成剤を用いている。例えば、可撓性をより付与させる
ために特公平6−70120号公報では炭素数2〜30
を有する、数平均分子量400〜1,500、1分子中
の水酸基平均官能基数2〜3のポリエステルを、特開平
3-40048号公報では数平均分子量500〜1,5
00のポリカプロラクトンジオール及び/またはトリオ
ールを変成剤として使用している。
【0004】また、乾燥性を向上させるために、例えば
特開昭48−1099号公報では、ヒドロキシル基含有
アクリル共重合体とポリイソシアネートを反応させてい
る。更に垂直面への耐タレ性を向上させるために特開昭
57−102918号公報では、分子量、水酸基価、水
酸基/イソシアネート当量比などを特定の値とする旨の
提案がなされている。
【0005】また、一般にポリウレタン樹脂塗料は二液
性であるため、その使用には極めて不便であった。即
ち、通常のウレタン樹脂塗料はポリオールとポリイソシ
アネートの二成分からなり、別々に貯蔵し、塗装時に混
合して用いる必要があるし、一旦混合すると、塗料は短
時間でゲル化し使用できなくなるのが現状である。この
ことは自動車、家電、事務機器、建築等における金属製
品、プラスチック成形品等に行われるスプレー塗装、デ
ィッピング塗装、ロール塗装、電着塗装等による防錆鋼
板を含むプレコートメタル及びポストコート等のライン
塗装分野またはポリイソシアネートを含む接着剤、接着
性付与剤、シーリング剤を用いる分野等の自動化を極め
て困難にしている。
【0006】更に、作業終了時の塗装機及び塗装槽の洗
浄などを充分に行う必要があるので作業能率は著しく低
下する。従来、前記の欠点を改善するために、活性なイ
ソシアネート基をすべてブロック剤で封鎖したブロック
ポリイソシネナートを用いることが提案されている。こ
のブロックポリイソシアネートは、常温ではポリオール
と反応しないが、高温ではブロック剤を解離し活性なイ
ソシアネート基が再生されてポリオールと反応し架橋反
応が起る性質を有するので、一応前記の欠点を改善する
ことができる。
【0007】しかしながら、上記の架橋反応は、例えば
150〜200℃の如き高い焼付け温度が必要である。
高い焼付温度はエネルギーコストの増加のみならず、そ
れに付随する大気汚染の増加に加え、プラスチック類等
の熱に弱い被塗物への塗装については、被塗物の変形な
どがある場合は専用治具を用いたりしているが、専用治
具も使用できない場合がある。
【0008】従って、特に低温硬化性のある1液性ポリ
ウレタン塗料組成物が切望されており、低温硬化性を付
与させるためのいくつかの提案がなされている。1液性
ポリウレタン塗料組成物は、通常、硬化促進剤が用いら
れており、それに関する提案も多い。特公昭44−18
877号、特開昭53−138434号、特開昭56−
84714号、特開昭57−8217号公報等では特定
有機錫化合物を、特開昭62−199609号公報で
は、鉛化合物、無機亜鉛化合物を、特開平2−1991
12号公報では、有機錫化合物とコバルト、ニッケル、
亜鉛化合物の併用が提案されている。しかしながら、こ
れらの硬化促進剤のみでは、低温硬化性の付与は不十分
な場合があった。
【0009】また、ブロック剤に関する提案も多い。特
開昭60−149572号公報ではアセト酢酸アルキル
エステルを、特開平6−287269号公報ではオキシ
ム系化合物と活性メチレン化合物の併用を、特開平7−
304843号公報ではトリアゾール系化合物とピラゾ
ール系化合物の併用を、特開平7−216051号公報
では、ピラゾリン系化合物が提案されている。
【0010】従来の、低温硬化性を付与するための提案
のほとんどは、硬化促進剤及びブロック剤に関してであ
ったが、特開平6−293878号公報では、イソシア
ヌレート骨格を有するポリイソシアネートのイソシアネ
ート基を多官能化することにより、低温硬化性を付与し
ているものの、一層の低温硬化性が望まれている。この
様に、低温硬化性のある1液性ポリウレタン塗料組成物
の要求は強く、低温硬化性能向上が更に求められてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
点を克服し、低温硬化性、耐候性等に優れた1液型ウレ
タン系塗料組成物を提供することを目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題につき鋭意検討した結果、驚くべきことに、4〜10
官能の特定の多価ヒドロキシ化合物と特定のジイソシア
ネートから得られる、特定のポリイソシアネートのイソ
シアネート基を特定の熱解離性ブロック剤でブロックし
たブロックポリイソシアネートを用いることにより、上
記課題が解決されることを見出し、本発明をなすに至っ
た。
【0013】即ち、本発明は、下記〜の通りであ
る。 少なくとも下記(a)、(b)成分を含有することを
特徴とするウレタン系塗料組成物。 (a)主剤成分として、数平均分子量300〜60,0
00、樹脂分水酸基価10〜500mgKOH/g、酸
価0〜200mgKOH/gの多価水酸基含有化合物。 (b)硬化剤成分として、脂肪族または脂環族ジイソシ
アネートの単独または混合物と平均水酸基官能基数4〜
10の多価ヒドロキシ化合物を反応させた後、未反応モ
ノマーを実質的に除去したポリイソシアネートであっ
て、 (1)平均イソシアネート官能基数;4〜20 (2)イソシアネート濃度;5〜20重量% (3)数平均分子量;1,200〜10,000 (4)粘度;2,000〜200,000 mPa.s
/25℃ (5)イソシアネート環状3量体濃度;10重量%以下 であるポリイソシアネートの、イソシアネート基の50
〜100%がアルキルフェノール系、オキシム系、酸ア
ミド系、活性メチレン系化合物から選ばれる少なくとも
1種の熱解離性ブロック剤で封鎖されており、かつ、 (1)平均ブロックイソシアネート官能基数;4〜20 (2)ブロックされたイソシアネート濃度;2〜15重
量% (3)数平均分子量;1,500〜15,000 であるブロックポリイソシアネート。 ポリイソシアネートが、アロファネート結合を有する
上記の塗料組成物。 多価ヒドロキシ化合物が、プロピレンオキサイド付加
物ポリエーテルポリオール及び/またはポリエステルで
ある上記又はの塗料組成物。
【0014】本発明に用いるジイソシアネートは脂肪族
・脂環族である。芳香族イソシアネートも用いることが
できるが、耐候性などが要求され分野では必ずしも十分
な効果を奏するとは言えない。前記脂肪族ジイソシアネ
ートとしては、炭素数4〜30のものが、脂環族ジイソ
シアネートとしては炭素数8〜30のものが好ましく、
例えば、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、
ペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(以下、HMDIという)、
2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレン−1,6−ジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート(以下、IPDIという)、1,3−
ビス(イソシアナートメチル)−シクロヘキサン、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙
げることが出来る。なかでも、耐候性、工業的入手の容
易さから、HMDI、IPDIが好ましい。また、上記
のジイソシアネートは、単独で使用しても、併用しても
良い。
【0015】本発明に用いる多価ヒドロキシ化合物の平
均水酸基官能基数は4〜10であり、好ましくは5〜8
である。平均水酸基官能基数とは、多価ヒドロキシ化合
物1分子が統計的に有する水酸基の数であり、多価ヒド
ロキシ化合物の数平均分子量と多価ヒドロキシ化合物1
重量部に含まれる全水酸基重量部数(以下、水酸基濃度
という)から、下記一般式(1)で算出される。
【0016】
【数1】
【0017】この様な多価ヒドロキシ化合物の具体例と
しては、 例えば、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなど、 例えば、エリトリトール、D−トレイトール、L−ア
ラビニトール、、リビトール、キシリトール、ソルビト
ール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等
の糖アルコール系化合物、 例えば、アラビノース、リボース、キシロース、グル
コース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソ
ルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単
糖類、 例えば、トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビ
オース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース
などの二糖類、 例えば、ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトー
スなどの三糖類、 例えば、スタキオースなどの四糖類、 などがある。
【0018】そして前記多価ヒドロキシ化合物以外に、
前記多価ヒドロキシ化合物を原料とするポリエーテルポ
リオール類、ポリエステルポリオール類、エポキシポリ
オール類などもある。ポリエーテルポリオール類として
は、前記多価ヒドロキシ化合物の単独または混合物に、
例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどの水酸化
物、アルコラート、アルキルアミンなどの強塩基性触媒
を使用して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、
スチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独
または混合物を付加して得られるポリエーテルポリオー
ル類、更に、エチレンジアミン類等の多官能化合物にア
ルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテル
ポリオール類、及び、これらポリエーテル類を媒体とし
てアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリ
マーポリオール類等が含まれる。
【0019】英国特許994890号明細書に、ポリエ
ーテルポリオールとジイソシアネートから得られるポリ
イソシアネートが記載されているが、これを用いたブロ
ックポリイソシアネート及びそれを用いた一液性塗料組
成物の低温硬化性に関しては記載も示唆もない。ポリエ
ステルポリオール類としては、例えば、コハク酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無
水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン
酸の群から選ばれた二塩基酸の単独または混合物と、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロール
プロパン、グリセリンなどの群から選ばれた多価アルコ
ールの単独または混合物との縮合反応によって得られる
ポリエステルポリオール樹脂類、及び、例えば、多価ア
ルコールにε−カプロラクトンを開環重合付加して得ら
れるようなポリカプロラクトンポリオール類等が挙げら
れる。
【0020】エポキシ樹脂類としては、例えば、ノボラ
ック型、β−メチルエピクロ型、環状オキシラン型、グ
リシジルエーテル型、グリコールエーテル型、脂肪族不
飽和化合物のエポキシ型、エポキシ化脂肪酸エステル
型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、
ハロゲン化型、レゾルシン型等のエポキシ樹脂類が挙げ
られる。
【0021】これらのポリオールの中で好ましいもの
は、上記のポリエーテルポリオール類、ポリエステルポ
リオール類であり、更に好ましくはポリエーテルポリオ
ール類であり、特に好ましくはプロピレンオキサイドを
付加したポリエーテルポリオールである。また、これら
のポリオールは、単独で使用しても、2種以上の併用で
もよく、ウレタンなどで変成することもできる。
【0022】数平均分子量は500〜5000が好まし
く、更に好ましくは600〜3000である。多価ヒド
ロキシ化合物とジイソシアナートを反応させる場合の、
イソシアネート基/水酸基の当量比は2/1〜30/1
が好ましい。2/1未満であると、反応後の反応液の粘
度が高くなり、工業的に生産する場合の設備投資が大き
くなり、30/1を越えると生産性が落ちる。好ましく
は5/1〜20/1である。多価ヒドロキシ化合物とジ
イソシアネートは、反応液を昇温する前に混合しても良
いし、先にジイソシアネートを反応器に仕込み、所定温
度に達した後多価ヒドロキシ化合物を一括または分割で
添加しても良い。
【0023】前記反応に際して溶媒を用いることもでき
る。その場合、イソシアネート基に対して不活性な溶剤
を用いるべきである。反応温度は60〜200℃であ
り、好ましくは130〜180℃である。60℃未満で
は、反応速度が遅くかつアロファネート化反応によると
推定されるイソシアネート平均官能基数の増加が生じに
くい。200℃を越えると、得られるポリオールが着色
するなど好ましくない副反応が生じる。
【0024】反応時間は、反応温度により異なるが、1
〜8時間であり、好ましくは2〜6時間である。反応に
際して、触媒を用いることもできる。触媒としては、一
般に塩基性を有するものが好ましく、例えば、テトラ
アルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや、例えば
酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩などの4級アミン化合
物、例えば、トリオクチルアミン、1,4−ジアザビ
シクロ(2,2,2)オクタン、1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシ
クロ(4,3,0)ノネン−5などの3級アミン系化合
物、例えば、亜鉛などのアセチルアセトン金属塩な
ど、亜鉛、錫、鉛、鉄など金属有機弱酸塩などのアロフ
ァネート化反応を促進する触媒も有効である。
【0025】触媒濃度は、通常、イソシアネート化合物
に対して10ppm〜1.0%の範囲から選択される。
反応液中に存在するウレタン結合の少なくとも一部はア
ロファネート結合に転換する。ウレタン結合のアロファ
ネート結合への転換は10%以上、好ましくは20%以
上である。前記の値が10%未満であると、イソシアネ
ート平均官能能基数の増加が進み難く、ポリイソシアネ
ートの粘度が高くなり過ぎる場合がある。
【0026】収率は、概ね、20重量%以上、70重量
%以下になる。未反応ジイソシアネートおよび溶剤を除
去し、本発明に用いるポリイソシアネートが得られる。
除去されない未反応ジイソシアネートは5重量%以下、
好ましくは1重量%以下である。本発明でいうポリイソ
シアネートの平均イソシアネート官能基数とは、ポリイ
ソシアネート1分子が統計的に有するイソシアネート官
能基の数であり、ポリイソシアネートの数平均分子量と
ポリイソシアネート1重量部に含まれる全イソシアネー
ト官能基重量部数(以下、イソシアネート濃度という)
から、下記一般式(2)で算出できる。
【0027】
【数2】
【0028】得られたポリイソシアネートは、平均イソ
シアネート官能基数が4.0〜20であり、好ましくは
5〜14である。前記値が4.0未満では塗料組成物に
用いた場合、硬化性が充分でなく、20を越えると塗膜
の表面性に悪影響を及ぼす可能性がある。従来開示され
ている平均イソシアネート官能基数の高いポリイソシア
ネートとして、特開平2−132116号公報には特定
のポリイソシアナート構造が記載されいる。その構造か
ら、ポリイソシアネート1分子当たりのイソシアネート
基の数は3〜6である。しかし、前記値が4以上のこれ
らのポリイソシアネートは芳香族イソシアネートを含ん
でいるため耐久性に劣っている。
【0029】本発明に用いるポリイソシアネートのイソ
シアネート濃度は5〜20重量%である。5重量%未満
では、充分な架橋密度が得られず使用できない。また2
0重量%を越えると架橋密度高くなりすぎ使用できな
い。本発明に用いるポリイソシアネートの数平均分子量
は1,200〜10,000である。数平均分子量1,
200未満であると、架橋密度が高くなりすぎ、10,
000を越えると塗膜外観が低下する。
【0030】ポリイソシアネートの粘度は2,000〜
200,000mPa・s/25℃、好ましくは5,0
00〜100,000mPa・s/25℃である。2,
000mPa・s/25℃未満では、垂直面に対する塗
装時にタレが生じ、200,000mPa・s/25℃
を越えると、塗膜外観が低下し好ましくない。本発明者
らは先に特開平6−293878号公報で、イソシアネ
ート平均官能基数の4.5〜10のイソシアヌレート構
造を有するポリイソシアネート、ブロックポリイソシア
ネートを用いたウレタン系塗料組成物を提案したが、本
発明は、イソシアネート環状3量体濃度が制限されたブ
ロックポリイソシアネートを用いた塗料組成物であり、
驚くべきことに、本発明の塗料組成物の低温硬化性は更
に一層向上することが判明したものである。
【0031】イソシアネート環状3量体の濃度は10重
量%以下である。10重量%を越えた場合は、低温硬化
性にある限界がある。この濃度は、キャリアーにテトラ
ハイドロフラン、検出器に屈折率を用いたゲルパーミエ
ーションクロマトグラフで得られるイソシアネート環状
3量体ピークの面積パーセントで示される。
【0032】ポリイソシアネートのイソシアネート基を
ブロックする熱解離性ブロック剤としては、例えば、ア
ルコール系、アルキルフェノール系、フェノール系、活
性メチレン、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド
系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、
イミド系、ピラゾール系化合物等がある。このようなブ
ロック化剤の具体例を下記に示す。 (1)メタノール、エタノール、2−プロパノール、n
−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−
ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシ
エタノール、2−ブトキシエタノールなどのアルコール
類、 (2)アルキルフェノール系;炭素原子数4以上のアル
キル基を置換基として有するモノおよびジアルキルフェ
ノール類であって、例えば、n−プロピルフェノール、
i−プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、se
c−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘ
キシルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n
−オクチルフェノール、n−ノニルフェノール等のモノ
アルキルフェノール類、ジ−n−プロピルフェノール、
ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、
ジ−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノー
ル、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチル
フェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−
n−ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類、 (3)フェノール系;フェノール、クレゾール、エチル
フェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香
酸エステル等、 (4)活性メチレン系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジ
エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチ
ルアセトン等、 (5)メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシル
メルカプタン等、 (6)酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε−
カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラク
タム等、 (7)酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド
等、 (8)イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイミ
ダゾール等、 (9)尿素系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等、 (10)オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセトア
ルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキ
シム、シクロヘキサノンオキシム等、 (11)アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カル
バゾール、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、イソプロピルエチルアミン等、 (12)イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイミ
ン等、 (13)重亜硫酸塩;重亜硫酸ソーダ等、 (14)ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラゾ
ール、3,5−ジメチルピラゾール等。
【0033】本発明に用いる熱解離性ブロック剤は、ア
ルキルフェノール系、オキシム系、酸アミド系、活性メ
チレン系から選ばれる少なくとも1種である。特に好ま
しくは、ノニルフェノール、t−ブチルフェノール、ア
セトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ε−カプロ
ラクタム、アセト酢酸エチル、マロン酸ジアルキルであ
り、オキシム系と活性メチレン系、2種の活性メチレン
系化合物の使用など2種以上混合しても良い。
【0034】前記の熱解離性ブロック剤は、ポリイソシ
アネートのイソシアネート基の50〜100%を封鎖す
ることが好ましい。50%未満のみが封鎖されたポリイ
ソシアネートは当然のことながら、ブロックポリイソシ
アネートが備えなければならない塗料貯蔵性を有しな
い。ポリイソシアネートとブロック剤とのブロック化反
応は、溶剤の存在の有無に関わらず行うことができる。
溶剤を用いる場合、イソシアネート基に対して不活性な
溶剤を用いる必要がある。
【0035】ブロック化反応に際して、錫、亜鉛、鉛等
の有機金属塩及び3級アミン系化合物、ナトリウムなど
のアルカリ金属のアルコラート等を触媒として用いても
よい。反応は、一般に−20〜150℃で行うことが出
来るが、好ましくは30〜100℃である。150℃を
越える温度では副反応を起こす可能性があり、他方、−
20℃未満になると反応速度が小さくなり不利である。
【0036】かくして得られた本発明に用いるブロック
ポリイソシアネートは、(1)平均ブロックイソシアネ
ート官能基数;4〜20、(2)ブロックされたイソシ
アネート基濃度;2〜15重量%、(3)数平均分子
量;1,500〜15,000、である。
【0037】上記のような、特定のブロックイソシアネ
ート官能基数が高められたブロックポリイソシアネート
を用いた塗料組成物の硬化性が低温化することは驚くべ
きことであった。ブロックポリイソシアネートの平均ブ
ロックイソシアネート官能基数とは、ブロックポリイソ
シアネート1分子が統計的に有するブロックイソシアネ
ート官能基の数であり、ブロックポリイソシアネートの
数平均分子量と、ブロックポリイソシアネート1重量部
に含まれるブロックされたイソシアネート基を含む全イ
ソシアネート官能基重量部数(以下、ブロックイソシア
ネート濃度という)から、下記一般式(3)により算出
される。
【0038】
【数3】
【0039】本発明において(a)成分として用いられ
る多価水酸基含有化合物としては、例えば、脂肪族炭化
水素ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエ
ステルポリオール類、エポキシ樹脂類、フッ素ポリオー
ル類及びアクリルポリオール類等が挙げられる。脂肪族
炭化水素ポリオール類の具体例としては、例えば、末端
水酸基化ポリブタジエンやその水素添加物等が挙げられ
る。また、ポリエーテルポリオール類としては、例え
ば、グリセリンやプロピレングリコール等の多価アルコ
ールの単独または混合物に、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独ま
たは混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール
類、ポリテトラメチレングリコール類、更に、アルキレ
ンオキサイドにエチレンジアミン、エタノールアミン類
などの多官能化合物を反応させて得られるポリエーテル
ポリオール類、及び、これらポリエーテル類を媒体とし
てアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリ
マーポリオール類等が含まれる。
【0040】ポリエステルポリオール類としては、例え
ば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、
無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独
または混合物と、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの群から
選ばれた多価アルコールの単独または混合物との縮合反
応によって得られるポリエステルポリオール樹脂類、及
び、例えば、ε−カプロラクトンを多価アルコールを用
いて開環重合して得られるようなポリカプロラクトンポ
リオール類等が挙げられる。
【0041】エポキシ樹脂類としては、例えば、ノボラ
ック型、β−メチルエピクロ型、環状オキシラン型、グ
リシジルエーテル型、グリコールエーテル型、脂肪族不
飽和化合物のエポキシ型、エポキシ化脂肪酸エステル
型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、
ハロゲン化型、レゾルシン型等のエポキシ樹脂類、及
び、これらエポキシ樹脂をアミノ化合物、ポリアミド化
合物などで変性した樹脂類等が挙げられる。
【0042】フッ素ポリオール類としては、例えば特開
昭57−34107号公報、特開昭61−275311
号公報等に開示されているフルオロオレフィン、シクロ
ヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエ
ーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体等
がある。アクリルポリオール類としては、一分子中に1
個以上の活性水素を持つ重合性モノマー、例えば、アク
リル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒド
ロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル等
の活性水素を持つアクリル酸エステル類、メタクリル酸
−2−ヒドロキシジエチル、メタクリル酸−2−ヒドロ
キシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル等
の活性水素を持つメタクリル酸エステル類、または、グ
リセリンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル
酸モノエステル、トリメチロールプロパンのアクリル酸
モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステル等の多
価活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類等の
群から選ばれた単独または混合物と、これに共重合可能
な他のモノマー、例えば、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−
ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル
酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブ
チル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘ
キシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸エス
テル類、更に必要に応じて、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、ア
クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミド等の不飽和アミド、及び、スチレ
ン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等
のその他の重合性モノマーの群から選ばれた単独または
混合物とを共重合することにより得られるものなどが挙
げられる。
【0043】また特開平1−261409号公報、特開
平3−6273号公報等で例示されている重合性紫外線
安定性単量体を共重合して得られるアクリルポリオール
樹脂等も用いることが可能である。本発明に用いる多価
水酸基含有化合物は、水酸基価10〜500mgKOH
/g、酸価0〜200mgKOH/g、数平均分子量3
00〜60,000であり、アクリルポリオール、ポリ
エステルポリオール、エポキシポリオールが特に好まし
く用いられる。
【0044】水酸基価が10未満の場合は架橋密度の低
い塗膜が形成され、好ましい塗膜の機械的物性を得るこ
とができず、500を越える場合は可撓性などの不足す
る塗膜が形成され好ましくない。数平均分子量が前記範
囲をはずれた場合は良好な塗膜を形成できない。多価水
酸基含有化合物の酸価は、低いことが好ましく、20m
gKOH/g以下が好ましい。
【0045】本発明において、(b)成分としてのブロ
ックポリイソシアネート中のブロックされたイソシアネ
ート基と、(a)成分としての多価水酸基含有化合物中
の水酸基との等量比は、必要とする塗膜物性により決定
されるが、通常、10/1〜1/10であり、好ましく
は5/1〜1/5である。本発明においては、メラミン
樹脂を併用することもできる。メラミン樹脂としては、
ヘキサメトキシメチロールメラミン、メチル・ブチル化
メラミン、ブチル化メラミンなどが例示される。
【0046】また、用途、目的に応じて各種溶剤、添加
剤を用いることができる。溶剤としては、例えば、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラル
スピリット、ナフサ等の炭化水素類、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、
酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソルブなどの
エステル類、ブタノール、イソプロピルアルコールなど
のアルコール類、などの群から目的及び用途に応じて適
宜選択して使用することができる。これらの溶剤は単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】また必要に応じて、硬化促進剤例えば、
錫、亜鉛、鉛等のカルボン酸等の有機金属化合物、酸化
防止剤例えば、ヒンダードフェノール等、紫外線吸収剤
例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等、顔料
例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インジゴ、キ
ナクリドン、パールマイカ等、金属粉顔料例えば、アル
ミ等、レオロジーコントロール剤例えば、ヒドロキシエ
チルセルロース、尿素化合物等を添加してもよい。
【0048】この様に調整された塗料組成物は、ロール
塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、電着塗装な
どにより、鋼板、表面処理鋼板などの金属及びプラスチ
ックなどの素材にプライマーまたは上中塗りとして、防
錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装などに美粧
性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性などを付
与するために有用である。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に、実施例により本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定
されるものではない。なお、%はすべて重量%、部はす
べて重量部で示した。また、評価は下記に従い行った。 〔数平均分子量の測定〕数平均分子量は、下記の装置を
用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、G
PCという)測定によるポリスチレン基準の数平均分子
量である。 〔イソシアネート環状3量体濃度〕前記GPC測定で得
られるジイソシアネート環状3量体相当の分子量(例え
ば、HMDIであれば504)のピークの濃度をその面
積パーセントで表した。 〔アロファネート結合濃度の測定〕日本電子のFT−N
MR「FX90Q」を用い、溶媒はアセトン−d6を使
用し、H−NMR測定の結果、アロファネート結合とウ
レタン結合のピーク積算値をアロファネート結合/(ア
ロファネート結合+ウレタン結合)で表した値が0.9
以上はA、0.9未満0.1以上はB、0.1未満はC
で示した。。 〔粘度測定〕エミラ型回転粘度計を用いて25℃で測定
した。 〔ゲル分率〕硬化塗膜を、アセトンに20℃で24時間
浸漬した時の未溶解部分重量の浸漬前重量に対する値を
計算し、80%未満は×、80%以上90%未満は○、
90%以上は◎で表した。
【0050】主剤がエポキシポリオールの場合はメタノ
ールを溶剤に用いた。
【0051】
【製造例1】撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込
み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素
雰囲気にし、HMDI;600部、4価ヒドロキシル化
合物であるポリエーテルポリオール(旭電化の商品名
「アデカニューポリオールWR−474」、数平均分子
量475)169部を仕込み(イソシアネート基/水酸
基の当量比5/1)、撹拌下、反応器内温度を120℃
に5時間保持した。反応液温度を下げ、薄膜蒸発缶を用
いて未反応のHMDIを除去した。反応生成物の分子量
をGPCで測定し、イソシアネート濃度を滴定で測定す
ることにより、本発明に用いるポリイソシアネートが生
成していることを確認した。
【0052】得られたポリイソシアネートの25℃にお
ける粘度は20,000mPa・s、イソシアネート含
有量は13.2%、数平均分子量は1,690であり、
イソシアネート平均官能基数は5.3、イソシアネート
環状3量体濃度は1.7%であった。また、このポリイ
ソシアネートのアロファネート結合濃度はBであった。
【0053】
【製造例2〜8及び参考製造例1、2】製造例1と同様
の装置を用いて、表1に示す反応条件で反応を行い、製
造例1と同様の方法で未反応HMDIを除去した。ポリ
イソシアネートの物性を表1に示す。
【0054】
【参考製造例3】製造例1と同様の装置に、HMDI;
600部と1,3−ブタンジオール11部を仕込み、窒
素雰囲気、撹拌下、反応器内温度を80℃に2時間保持
した。その後、反応器内温度を60℃に保持し、イソシ
アヌレート化反応触媒テトラメチルアンモニウムカプリ
エートを加え、収率が28%になった時点で燐酸を添加
し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を
用いて未反応のHMDIを除去した。得られたイソシア
ヌレート構造を有するポリイソシアネートの物性を表1
に示す。
【0055】
【参考製造例4】製造例1と同様の装置に、HMDI;
600部と3価アルコールであるポリエステルポリオー
ル「プラクセル303」(ダイセル化学の商品名)30
部をを仕込み、窒素雰囲気、撹拌下、反応器内温度を9
0℃に1時間保持した。その後、反応器内温度を60℃
に保持し、イソシアヌレート化反応触媒テトラメチルア
ンモニウムカプリエートを加え、収率が54%になった
時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した
後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHMDIを除去した。
得られたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネ
ートの物性を表1に示す。
【0056】
【製造例9】(ブロックポリイソシアネートの製造) 撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロ
ートを取り付けた4つ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、
製造例1で得られたポリイソシアネート100部、メチ
ルイソブチルケトン30部を仕込、反応温度が50℃を
越えないようにメチルエチルケトオキシムを赤外スペク
トルでのイソシアネートの特性吸収が消失するまで滴下
し、固形分80%のブロックポリイソシアネート溶液を
得た。
【0057】得られたブロックポリイソシアネートのブ
ロックイソシアシアネート平均官能基数は5.3であ
り、ブロックされたイソシアネート基濃度は10.4重
量%、数平均分子量は2,150であった。
【0058】
【製造例10〜16】(ブロックポリイソシアネートの
製造) 製造例2〜8で得られたポリイソシアネートを用いる以
外は製造例9と同様にして固形分80%のブロックポリ
イソシアネート溶液を得た。得られたブロックポリイソ
シアネートの性状を表3に示す。
【0059】
【参考製造例5〜8】(ブロックポリイソシアネートの
製造) 参考製造例1〜4で得られたポリイソシアネートを用い
た以外は製造例9と同様に行い、固形分80%のブロッ
クポリイソシアネート溶液を得た。得られたブロックポ
リイソシアネートの性状を表3に示す。
【0060】
【実施例1】製造例9で得られたブロックポリイソシア
ネートとアクリルポリオール(大日本インキの商品名ア
クリディックA−801、樹脂分水酸基価100mgK
OH/g、数平均分子量9000、樹脂分酸価1.5m
gKOH/g)をブロックイソシアネート/水酸基の当
量比率が1.0になるように配合し、ジブチル錫ジラウ
レートを塗料樹脂分に対して0.5%添加し、これにシ
ンナーとして酢酸エチル/トルエン/酢酸ブチル/キシ
レン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートの重量比30/30/20/15/5の混合液を加
え、フォードカップ#4で20秒/20℃に調整した。
【0061】得られた塗料溶液をスプレー塗装し、30
分の室温のセッティングの後、120℃に保持されてい
るオーブン中で30分焼き付けた。得られた塗膜物性測
定結果を表4に示す。
【0062】
【実施例2〜8】製造例10〜16で得られたブロック
ポリイソシアネートを用いた以外は実施例1と同様に行
った。得られた塗膜物性測定結果を表4に示す。
【0063】
【比較例1、2】表4に示す以外は実施例1と同様に行
った。得られた結果を表4に示す。
【0064】
【製造例17】(エポキシポリオールの製造) 撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロ
ートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭チバの商品名AE
R6071、エポキシ当量460)100部、メチルイ
ソブチルケトン82部を仕込、反応器内温を90℃にし
た後、反応温度を90℃に維持しながら、ジエタノール
アミン23部を30分で滴下した。滴下終了30分後、
反応温度を120℃に上げ、1時間保持した。樹脂固形
分60%、樹脂分水酸基400mgKOH/gのエポキ
シポリオール溶液が得られた。
【0065】
【実施例9】製造例17のエポキシポリオールと製造例
9のブロックポリイソシアネートを用いて、ブロックイ
ソシアネート/水酸基の当量比が0.5になるように配
合し、アプリケーター塗装を行った。室温で30分間セ
ッティング後、120℃に保持されているオーブン中で
30分間焼き付けた。得られた結果を表4に示す。
【0066】
【実施例10〜16】表4に示す以外は実施例9と同様
に行った。得られた結果を表4に示す。
【0067】
【比較例3、4】参考製造例7、8で得られたブロック
ポリイソシアネートを用いた以外は実施例9と同様に行
った。結果を表4に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、従来のポリオー
ルとブロックポリイソシアネートで主に構成された無黄
変1液型ポリウレタン塗料に比べ、低温硬化性、相溶
性、耐候性に優れた塗膜物性を得ることができ、自動車
の上中塗り塗料、耐チッピング塗料、自動車部品用塗
料、家電・事務機器等の金属製品等のプレコートメタル
・防錆鋼板、建築資材用塗料、プラスチック用塗料、接
着剤、接着性付与剤、シーリング剤更には電着塗料等と
して優れた性能を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 18/80 NFM C08G 18/80 NFM

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記(a)、(b)成分を含
    有することを特徴とするウレタン系塗料組成物。 (a)主剤成分として、数平均分子量300〜60,0
    00、樹脂分水酸基価10〜500mgKOH/g、酸
    価0〜200mgKOH/gの多価水酸基含有化合物。 (b)硬化剤成分として、脂肪族または脂環族ジイソシ
    アネートの単独または混合物と平均水酸基官能基数4〜
    10の多価ヒドロキシ化合物を反応させた後、未反応モ
    ノマーを実質的に除去したポリイソシアネートであっ
    て、 (1)平均イソシアネート官能基数;4〜20 (2)イソシアネート濃度;5〜20重量% (3)数平均分子量;1,200〜10,000 (4)粘度;2,000〜200,000 mPa.s
    /25℃ (5)イソシアネート環状3量体濃度;10重量%以下 であるポリイソシアネートの、イソシアネート基の50
    〜100%がアルキルフェノール系、オキシム系、酸ア
    ミド系、活性メチレン系化合物から選ばれる少なくとも
    1種の熱解離性ブロック剤で封鎖されており、かつ、 (1)平均ブロックイソシアネート官能基数;4〜20 (2)ブロックされたイソシアネート濃度;2〜15重
    量% (3)数平均分子量;1,500〜15,000 であるブロックポリイソシアネート。
  2. 【請求項2】 ポリイソシアネートが、アロファネート
    結合を有する請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 多価ヒドロキシ化合物が、プロピレンオ
    キサイド付加物ポリエーテルポリオール及び/またはポ
    リエステルである請求項1または2記載の塗料組成物。
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