JP3836642B2 - 塗料改質剤及び重防食塗料組成物 - Google Patents

塗料改質剤及び重防食塗料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼構造物、船舶、鋼管等のノンタール系重防食用塗料として広く利用されているウレタン樹脂塗料及びエポキシ樹脂塗料に関するものであり、詳しくは、ウレタン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料の防食性向上効果を有するオリゴマーからなる改質剤、及びこれを配合した高度な重防食性を有する2液型の重防食塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋼構造物、鋼管、船舶、海洋構造物などの重防食用途については、タールウレタン樹脂塗料やタールエポキシ樹脂塗料が使用されてきた。これらのタール系塗料は、非常に廉価である他、乾燥硬化性が良好で、水分や酸素に対する優れた環境遮断性を有し、重防食用途において要求される耐久性、耐水性及び防食性に優れていることから、永年にわたり使用されてきており、使用実績も蓄積されている。しかし、こうしたタール系塗料は暗色であるため、特に屋内での塗装において見えにくくなるため作業者に熟練を要し、塗膜検査時においても不良個所の見落としてしまう恐れがあった。そのため明色可能なノンタール系塗料の開発が望まれている。
【0003】
この種のノンタール系塗料の一つとして、ビヒクル成分として主剤及び硬化剤だけからなる、いわゆるピュアウレタン樹脂塗料やピュアエポキシ樹脂塗料がある。しかし、こうしたピュアウレタン樹脂塗料やピュアエポキシ樹脂塗料では、タール固有の特性である撥水性と浸透性が作用した耐水、耐海水性と悪素地面への適合性が低いため、キシレン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂など種々の改質剤をビヒクル構成成分として利用した、いわゆる変性ウレタン樹脂塗料又は変性エポキシ樹脂塗料として、特に防食性を要求される用途に用いられている。
【0004】
しかし、これら従来の改質剤を使用したノンタール系塗料では、改質剤として使用される樹脂と主剤として使用される架橋樹脂との相溶性に問題があるため、添加量に制限があり、十分な防食性能を得ることができない。
【0005】
例えば、上水道用内面用塗料においては、フェノール(アルキル誘導体)変性クマロン樹脂若しくはフェノール変性石油樹脂、ジシクロペンタジエン等の石油樹脂から選択される改質剤を配合してなるウレタン系塗料やエポキシ系塗料が既に知られている(特開昭63-183967号公報)。このような特殊用途向けには、これらの改質剤として使用される樹脂を化学修飾することにより、架橋樹脂との相溶性を改良した樹脂も塗料用改質剤として市販されているが、高価であり一部の用途の塗料にしか使用できない。また、特開平6-73315号公報では、フェノール類変成スチレン系樹脂を塗料改質剤とすることが記載されているが、フェノール類による変成率が低いためか、重防食塗料に要求される十分な重防食性に更なる改良が望まれている。
【0006】
一方、タール系塗料の主用途である船舶ウオーターバラストタンク内面用途においては、空槽時には高湿度と空気にさらされ、タンク上部、下部の温度差、タンク内鋼材の局部的繰り返し応力などにより非常に厳しい腐食環境となっている。腐食が大きくなると船体強度にも悪影響を及ぼすため、定期的な補修や、塗り替えを頻繁に行っている。そのため、バラストタンクを効果的かつ経済的な防食対策を施すことは船舶の安全を期すためにきわめて重要である。近年、バラストタンク内面を明色化して錆等の不良個所の早期発見を容易にするため、タール系塗料からノンタール系塗料への置き換えのニーズが高まっているが、コールタールは黒色であるため利用できず、高い防食性と厳しいコスト制約を両立させることが技術的にきわめて困難なことからバラストタンク内面の明色化の取り組みが円滑に進んでいないのが現状である。その他、過酷な使用環境で使用される自動車の車体、荷台等についても、このような重防食塗料の要望がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コールタールと同等の防食性能を有し、安価で明色化可能な塗料改質剤を提供し、さらに、タール系塗料に匹敵する塗料特性(防食性能、塗装作業性)や価格を具備し、明色化可能であるノンタール系塗料を提供することを目的とするものである。具体的には、船舶のバラストタンク等の高湿度環境下であっても良好な塗装ができ、過酷な条件下でも長期耐久性を有し、明色化により点検管理を飛躍的に容易とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、フェノール類1重量部に対しスチレン1重量部〜4重量部未満を触媒の存在下に反応させて得られたオリゴマーが、ウレタン系塗料及エポキシ系塗料の改質剤成分として有効であることを見い出し、更に2液型に調整したウレタン系及びエポキシ系塗料組成物が、船舶ウオーターバラストタンク内面の過酷な条件下でも利用可能であることを見い出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は、フェノール、クレゾール又はキシレノールから選ばれるフェノール類1重量部に対しスチレン1〜3重量部を酸触媒下で反応させて得られるオリゴマーであって、数平均分子量300〜1200、水酸基当量200〜400、軟化点120℃以下であることを特徴とする重防食塗料用改質剤である。また、本発明は、1分子中に水酸基を2個以上含むポリオール樹脂と前記の改質剤を必須成分とする塗料主剤と、イソシアネート基(NCO)/ポリオール樹脂の水酸基(OH)のモル比が0.3〜1.5になるようにイソシアネート系硬化剤を配合調整して得られる2液型重防食用ウレタン樹脂塗料組成物である。更に、本発明は、1分子中にエポキシ基を2個以上含むエポキシ樹脂と前記の改質剤を必須成分とする塗料主剤と、活性水素含有基(NH)/エポキシ基のモル比が0.5〜1.5になるようにアミン系硬化剤を配合調整して得られる2液型重防食用エポキシ樹脂塗料組成物である。更に、本発明は、鋼鈑との密着力(JIS K5600 5−7)が10kg/cm2以上であり、且つ、着色可能であることを特徴とする前記いずれかの塗料組成物である。
【0010】
本発明は、前記重防食塗料用改質剤並びにこれを配合した前記2液型重防食用ウレタン樹脂塗料組成物又は前記2液型重防食用エポキシ樹脂塗料組成物である。以下、重防食塗料用改質剤、2液型重防食用ウレタン樹脂塗料組成物、2液型重防食用エポキシ樹脂塗料組成物の順に説明する。
【0011】
本発明の重防食塗料用改質剤は、フェノール類とスチレンを酸触媒下で反応させて得られるオリゴマーであって、数平均分子量300〜1200、水酸基当量100〜500、軟化点120℃以下であるオリゴマーである。フェノール類は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、2,6-キシレノール、3,5-キシレノール、p-tert-ブチルフェノール等の1価のフェノール類、レゾシノール、ビスフェノールA等2価のフェノール類などを挙げることができるが、フェノール又は低級アルキルフェノールが好ましく、より好ましくはフェノールである。また、これらのフェノール類は1種でもよく、2種以上を混合して使用してもよい。フェノール類製造工程で得られる粗製フェノール、フェノールと低級アルキルフェノールの混合物、蒸留残油等も好ましいフェノール類である。例えば、タール油をアルカリ抽出水溶液で抽出して得られるタール酸分を加水分解して得られる粗タール酸や、これを蒸留して得られるフェノールを主成分とする粗フェノール等がある。
【0012】
フェノール類とスチレン類の割合は、フェノール類1重量部に対しスチレン1重量部以上、4重量部未満であるが、好ましくは2〜3重量部である。フェノール類の種類により最適割合は多少異なる。スチレンの割合が多いと相溶性が低下し、少ないと耐水性が低下するという傾向がある。フェノール類を同一割合配合した場合の相溶性向上効果は、p-tert-ブチルフェノール、ビスフェノールA、2,6-キシレノールの順に大きくなる。
【0013】
この反応に用いる酸触媒は塩酸、硫酸、スルホン酸類、リン酸類、塩素酸類等のプロトン酸類、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素及びそれらの錯体類等のルイス酸類、ゼオライト、活性白土等の固体酸類が使用できる。反応性の面で三フッ化ホウ素エーテル錯体が好ましい。
【0014】
この反応は、無溶剤でも、溶剤で希釈しても行うことができる。溶剤を用いる場合、反応混合物を溶解可能な溶剤である必要があり、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤を1種又は2種以上を混合して使用することができる。反応性や経済性の面からトルエン又はキシレンが好ましい。
【0015】
この反応を行う温度については、60〜140℃が好ましく、60℃以下では未反応成分が残ってしまい、140℃以上では副反応が起こり、改質剤の性能を落としてしまう。反応活性の面から反応温度は、特に80〜85℃が好ましい。
【0016】
反応条件を変化させることにより得られるオリゴマーの物性を調整することが可能である。例えば、反応温度を低めにすることにより、平均分子量を上げることや軟化点を上げることが可能であり、フェノール類とスチレン類の割合を変化させることにより、水酸基当量を変化させることが可能である。そして、数平均分子量300〜1200、好ましくは500〜1000、水酸基当量100〜500、好ましくは200〜400、軟化点120℃以下、好ましくは常温液状又は50℃以下とすることがよい。より有利には、75℃における粘度が10〜40ポイズのものである。このオリゴマーを、本発明の重防食用塗料改質剤(単に、改質剤ということがある)とする。
【0017】
本発明の重防食用塗料改質剤は、任意の重防食用塗料に配合されて使用することができるし、その配合方法や配合量も公知の方法や量を選択することが可能であるが、2液型重防食用ウレタン樹脂塗料組成物又は2液型重防食用エポキシ樹脂塗料組成物に配合して使用することが効果的である。
【0018】
本発明の2液型重防食用ウレタン樹脂塗料組成物は、1分子中に水酸基を2個以上含むポリオール樹脂と前記改質剤を必須成分とする塗料主剤と、イソシアネート基(NCO)/ポリオール樹脂の水酸基(OH)のモル比が0.3〜1.5になるようにイソシアネート系硬化剤を配合調整して得られるものである。
【0019】
塗料主剤における、ポリオール樹脂と前記改質剤の配合比率はポリオール樹脂100重量部に対し、改質剤10〜200重量部が好ましい。改質剤の添加量が10重量部未満の場合、十分な防食性向上効果が得られず、200重量部を越える場合は逆に性能が低下してしまう。塗料主剤には、必須成分の他に適宜、顔料、揺変剤、溶剤(シンナー)、各種添加剤を配合することが多い。これらの種類、量や配合方法は公知の方法を採用できる。
【0020】
イソシアネート硬化剤の添加量はポリオール樹脂の水酸基(OH)のモル数に対しイソシアネート硬化剤中のイソシアネート基(NCO)のモル数が、0.3〜1.5になるように配合する。硬化剤の使用量が0.3(モル比)未満と少ない場合は、硬化剤不足のため良好な硬化塗膜を得ることができない。1.5(モル比)を越えて多い場合は、発泡を起こしたり、物性が低下する。
【0021】
ここで、1分子中に水酸基を2個以上含むポリオール樹脂とは、イソシアネート系硬化剤と反応し、架橋塗膜を形成することが可能な水酸基当量100〜2000程度のポリオール樹脂であり、これは液状、固形を問わず使用できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂骨格を有するエポキシ変性ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、キレート変性ポリオール、ヒマシ油変性ポリオール等が使用でき、これらから選択された1種又は2種以上を混合して使用してもよい。更に、塗料組成物の粘度や硬化塗膜の物性を調整するため、単官能のアルコール類を希釈剤として用いることもできる。
【0022】
特に、防食性の観点から、エポキシ変性ポリオールが好ましく、具体的には、エポキシ当量が180〜2200程度のビスフェノール型エポキシ樹脂やフェノールノボラック型エポキシ樹脂とジエタノールアミンやジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類を付加反応させ得たエポキシ変性ポリオールが好ましい。特に、性能とコストのバランスからビスフェノールA型エポキシ樹脂とジエタノールアミン又はジイソプロパノールアミンを付加反応させて得られたエポキシ変性ポリオールが好ましい。
【0023】
硬化剤として用いるポリイリシアネートは、イソシアネート基を1分子中に2個以上有する化合物であればよく、汎用型、難黄変型(紫外線暴露下での変色性)、無黄変型(紫外線暴露下での変色性)など、広く使用できる。まず、汎用型としては、トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略称する)、 TDIの3量化物であるイソシアヌレート、4,4’−ジフェニルジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略称する)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート(以下、ポリメリックMDIと略称する)等が挙げられる。また、難黄変型としては、キシリレンジイソシアネート(以下、XDIと略称する)等が挙げられる。更に、無黄変型としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略称する)、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略称する)、水添XDIおよび水添MDI等が挙げられ、更に、上記イソシアネート類をトリメチロールプロパン(以下、TMPと略称する)等の多価アルコール、多価フェノール類で変性したアダクト物も使用できる。
【0024】
特に、コストと性能のバランスの点から、TDIのTMPアダクト物及びポリメリックMDIが好ましい。イソシアネート硬化剤の使用量は、イソソアネート基(NCO基)/ポリオール樹脂のヒドロキシル基(OH基)のモル比で0.3〜1.5の範囲がよく、更に、塗膜性能の面から0.5〜1.0の範囲が好ましい。
【0025】
塗料主剤と硬化剤はそれぞれ液状とし、これを2液で保存し、使用する前にこれを混合して使用する。本発明の2液型重防食用ウレタン樹脂塗料組成物は、2液とされた塗料組成物及びこれを混合した塗料組成物の両者を含む。
【0026】
本発明の2液型重防食用エポキシ樹脂塗料組成物は、1分子中にエポキシ基を2個以上含むエポキシ樹脂と前記改質剤を必須成分とする塗料主剤と、活性水素含有基(NH)/エポキシ基のモル比が0.5〜1.5になるようにアミン系硬化剤を配合調整して得られものである。
【0027】
2液型重防食用エポキシ樹脂塗料組成物の塗料主剤における、エポキシ樹脂と改質剤の配合比率はエポキシ樹脂100重量部に対し、改質剤10〜200重量部が好ましい。改質剤の添加量が10重量部未満の場合、十分な防食性向上効果が得られず、200重量部を越える場合は逆に性能が低下してしまう。また、この塗料主剤には、前記と同様、顔料、揺変剤、溶剤(シンナー)、各種添加剤を配合、分散させて使用することが多い。
【0028】
アミン系硬化剤の添加量はエポキシ樹脂のエポキシ基のモル数に対しアミン系硬化剤中の活性水素基(NH)のモル数が、0.5〜1.5になるように配合するのが好ましい。硬化剤の使用量が0.5(モル比)未満で少ない場合は、硬化剤不足のため良好な硬化塗膜を得ることができない。また、1.5(モル比)を越えて多い場合は、塗膜表面が白化したり、耐水性が低下する。
【0029】
エポキシ系塗料組成物における1分子中にエポキシ基を2個以上含むエポキシ樹脂とは、アミン系硬化剤と反応させ架橋塗膜を形成することができるエポキシ当量が180〜2200のエポキシ樹脂であり、液状樹脂、固形樹脂を問わずに使用できる。例えば、ビスフェノールA型(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン型)、ビスフェノールF型(ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン型)、ビスフェノールAD型(1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン型)エポキシ樹脂、更には、キレート変性エポキシ樹脂や、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、プロピレンオキサイド変性エポキシ樹脂、スルフィド含有エポキシ樹脂等の特殊エポキシ樹脂等の中から選ばれる1種又は2種以上の混合系でもよい。また、無溶剤型塗料の場合は、低粘度化のため各種モノグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル等反応性希釈剤を併用できる。
【0030】
アミン系硬化剤としては、ポリアミド系硬化剤、脂肪族あるいは芳香族アミン、又はこれらの各種変性アミン(マンニッヒ変性、アダクト変性等)、ケチミン系硬化剤等が使用できる。硬化剤の添加量は、アミン/エポキシ当量で0.5〜1.5の範囲がよく、塗膜性能の面から0.5〜1.0が好ましい。
【0031】
本発明の塗料組成物に関し、上記架橋樹脂、改質剤の必須成分の他に、一般的に用いられる着色顔料、体質顔料、防錆顔料、各種添加剤、溶剤等を配合することができる。
【0032】
着色顔料としては、例えば酸化チタンやカーボンブラック、弁柄、等の無機系着色顔料や、アゾ系、シアニン系、キナクリドン系等の有機系着色顔料が挙げられる。体質顔料としては、例えばタルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、シリカ、マイカ等が挙げられる。防錆顔料としては、例えばアルカリ性顔料である亜酸化鉛、鉛丹等、酸化性防錆顔料であるジンククロメート、ストロンチウムクロメート等、安定な化合物による防錆被膜層を形成するリン酸亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リン酸アルミニウム等が挙げられる。使用する顔料種類、組み合わせ及び配合割合についても特に、制約はないが、防食性を左右する体質顔料の場合、例えば主剤100重量部に対して100〜600重量部の範囲にするとよい。これは、防食性の目安となる塗膜の水蒸気透過率が前記体質顔料の配合割合範囲で最少となるためである。他方、着色顔料の場合は所望の着色度に応じて適宜割合で配合できるが、一般には樹脂成分に対して0〜100重量部の範囲にするとよい。
【0033】
本発明の塗料組成物には、その他通常の各種添加剤を配合することができる。例えば、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、タレ止め剤等の添加剤が利用できる。また、溶剤として芳香族系溶剤例えばトルエン、キシレン、ケトン系溶剤例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、脂肪族エステル系溶剤例えば酢酸エチル、酢酸ブチル又はこれらの混合溶剤を適宜使用できる。なお、揺変剤は、塗装1回当たりの膜厚を大きくし、塗膜のタレを小さくし、更に塗装中の粘度を小さくし作業性を高める目的で添加されるものであり、具体的には酸化ポリエチレンワックス、脂肪酸アマイドワックス、有機ベントナイトなどが使用される。溶剤としては、主剤100重量部に対して、溶剤の配合割合を1〜500重量部程度として添加するとよい。
【0034】
本発明の塗料組成物は、使用に際して、二液型として、次のように適用できる。すなわち、(a)ポリオール樹脂又はエポキシ樹脂、(b)改質剤、及び顔料、溶剤、各種添加剤等を、ディスパー、ボールミル等で所定の割合で混合分散させて塗料主剤を得たのち、この塗料主剤に、溶剤(例えば芳香族系や脂肪族エステル系溶剤)、その他の必要により配合される添加剤と共に又はこれらを予め配合した(c)硬化剤を混合、撹袢して重防食塗料を調製することができる。そして、この調整した重防食塗料を被塗物、例えばバラストタンク内面に適宜の乾燥膜厚み、例えば、約200〜300μm程度となるように刷毛塗り等で塗装し、塗膜を硬化させることにより、目的とする塗膜を形成することができる。また、こうした塗料ベース剤、塗料組成物の配合にあたり、脱水剤例えば無水石膏、ゼオライトを、塗料組成物の全量に対して、1〜5重量%配合してもよい。
【0035】
本発明の塗料組成物は、次のような特性を有することが望ましい。
JISK5600 5−7付着性(プルオフ法)による付着強さ:10kg/cm2以上、好ましくは15kg/cm2以上、より好ましくは25kg/cm2以上。
重ね塗り適合性:良好。
着色可能性:あり。例えば、着色、調色の可否:グレー、ベージュの濃、淡で可。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1
ガラス製反応器にフェノール30重量部、スチレン70重量部、トルエン50重量部を仕込み、更に、反応触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を1重量部添加して80〜85℃で約2時間反応させた。反応終了後、3重量部の水酸化カルシウム3重量部を加え中和した。中和処理後、沈殿物を濾去し、減圧下で溶剤を留去してオリゴマー▲1▼を得た。収率98%、半固形、粘度47ポイズ(20℃)、平均分子量650、水酸基当量340であった。
【0037】
実施例2
実施例1と同様の方法で、2,6キシレノール40重量部とスチレン60重量部を反応させオリゴマー▲2▼を得た。収率97.5%、粘度10.0ポイズ(20℃)、平均分子量450、水酸基当量246当量であった。
【0038】
実施例3
主剤としてエポキシポリオール樹脂(旭電化工業(株)製、商品名、アデカレジンEP−6021、固形分60%、水酸基当量450g/当量)100重量部、実施例1に示したオリゴマーを改質剤として80重量部添加し、体質顔料として扁平タルク200重量部、着色顔料として酸化チタン15重量部、カーボンブラック1重量部、揺変剤として有機ベントナイト3重量部、溶剤としてトルエン100重量部、MEK10重量部を配合し、ディスパーで分散し、塗料主剤(A液)を調整した。上記塗料主剤(A液)対し、硬化剤溶液(B液)としてTDIのTMPアダクト物溶液を(日本ポリウレタン(株)製、製品名、コロネートL)NCO基/主剤の水酸基の配合比が0.8になるように混合して塗料を調製し、ブラスト処理した鋼板(JIS−G3141、150x70x3.2mm)にエアレス塗装機で乾燥膜厚が200μmになるように塗装し、試験板を調整した。
【0039】
塗料の評価はJIS K5600に準じて行った。
*耐中性塩水噴霧性は、JIS K5600 に準じて、1カ月の促進試験後のふくれ、はがれ等の外観異常の有無と耐クロスカット剥離性で評価した。
(○:良好、△:やや劣る、×:不良)
*耐湿性は、 JIS K5600 7−2に準じて、1カ月の促進試験後のふくれ、はがれ等の外観異常の有無と耐クロスカット剥離性で評価した。
(○:良好、△:やや劣る、×:不良)
*付着性については、 JIS K5600 5−6付着性(クロスカット法)に準じて、カッターガイドのすきま間隔を2mm、ます目の数を25とし、碁盤目テープ法により評価した。
(剥離せず残ったます目の数/25で評価した)
*密着強度については、JIS K5600 5−6 付着強さ(プルオフ法)に準じて、引っ張り試験にて測定した。
*重ね塗り適合性は、 旧JIS K5400(6.8)準じて、はがれ、ふくれ等の外観異常の有無で評価した。
(○:良好、△:やや劣る、×:不良)
評価結果を表1に示す。
【0040】
実施例4
実施例2に示したオリゴマー▲2▼を改質剤として80重量部添加した他は、実施例3と同じ配合比率、方法で塗料調整及び評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0041】
比較例1
改質剤オリゴマーを添加せずに、実施例3と同じ配合比率、方法で塗料調整及び評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003836642
【0043】
実施例5
主剤樹脂として、エポキシ当量475のエポキシ樹脂(東都化成(株)製、商品名、エポトートYD−011−75X、固形分75%)100重量部と実施例1に示したオリゴマーを改質剤として60重量部添加し、体質顔料として扁平タルク180重量部、着色顔料として酸化チタン15重量部、カーボンブラック1重量部、揺変剤として有機ベントナイト3重量部、溶剤としてトルエン100重量部、MEK10重量部を配合し、ディスパーで分散して塗料主剤(A液)を調製した。上記塗料主剤(A液)対し、硬化剤溶液(B液)としてポリアミドアミン溶液(三和化学(株)製、商品名、SUNMIDE 305−70、固形分70%、活性水素当量180)を活性水素基NH基/主剤のエポキシ基の配合比が0.8になるように混合し塗料を調製し、ブラスト処理した鋼板(JIS−G3141、150x70x3.2mm)にエアレス塗装機で乾燥膜厚が約200μmになるように塗装し試験板を調整した。塗料の評価は実施例3と同じ方法で行った。結果を表2に示す
【0044】
実施例6
実施例2に示したオリゴマー▲2▼を改質剤として60重量部添加した他は、実施例5と同じ配合比率、方法で塗料調整及び評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0045】
比較例2
改質剤オリゴマーを添加せずに、実施例5と同じ配合比率、方法で塗料調整及び評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
Figure 0003836642
【0047】
【発明の効果】
本発明の重防食塗料用改質剤は、コールタールと同等の防食性能を有し、安価で明色化可能であり、重防食塗料の防食性能を向上させる。本発明の重防食塗料は、タール系塗料に匹敵する塗料特性(防食性能、塗装作業性)や価格を具備し、明色化可能であるため、船舶のバラストタンク用塗料、船底塗料、海洋構造物用塗料等として優れる。更に、船舶のバラストタンク等の高湿度環境下であっても良好な塗装ができ、過酷な条件下でも長期耐久性を有し、明色化により点検管理を飛躍的に容易とする。
また、本発明の改質剤は、エポキシ樹脂やウレタン樹脂をベース剤とする(建築、自動車向け)のシーリング剤や成形材料用の改質剤としても利用可能である。特に、耐水性向上、強度向上、応力緩和等の効果が期待できる。

Claims (4)

  1. フェノール類と、フェノール、クレゾール又はキシレノールから選ばれるフェノール類1重量部に対しスチレン1〜3重量部を酸触媒の存在下で反応させて得られるオリゴマーであって、数平均分子量300〜1200、水酸基当量200〜400、軟化点120℃以下であることを特徴とする重防食塗料用改質剤。
  2. 1分子中に水酸基を2個以上含むポリオール樹脂と請求項1記載の改質剤を必須成分とする塗料主剤と、イソシアネート基(NCO)/ポリオール樹脂の水酸基(OH)のモル比が0.3〜1.5になるようにイソシアネート系硬化剤を配合調整して得られることを特徴とする2液型重防食用ウレタン樹脂塗料組成物。
  3. 1分子中にエポキシ基を2個以上含むエポキシ樹脂と請求項1記載の改質剤を必須成分とする塗料主剤と、活性水素含有基(NH)/エポキシ基のモル比が0.5〜1.5になるようにアミン系硬化剤を配合調整して得られることを特徴とする2液型重防食用エポキシ樹脂塗料組成物。
  4. 鋼鈑との密着力(JIS K5600 5−6)が10kg/cm2以上であり、且つ、着色可能であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の塗料組成物。
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