JP3813950B2 - 樹脂封止製品の樹脂封止方法 - Google Patents

樹脂封止製品の樹脂封止方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子部品を実装した基板をケース内に収納し、樹脂で封止されてなる樹脂封止製品に対し、樹脂の熱膨張及び熱収縮等に対し、基板への歪量を抑えて熱ストレスを緩和する樹脂封止構造及び応力緩和方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の樹脂封止製品の構造図を示し、(a)は構造展開図、(b)は樹脂封止後の構造断面図を示す。また、図7は従来の樹脂封止製品の熱ストレス発生状態図を示し、(a)は熱膨張による基板の歪状態透視図、(b)は熱膨張による基板の歪状態断面図を示す。
【0003】
この樹脂封止製品は図6に示す様に、表面が開口した箱型形状のケース1に電子部品が実装された基板2が四隅の内の対角線上の二カ所に取付けネジ3a,3bで締め付けられて収納された後、樹脂注入ノズル15を介して樹脂7が注入充填されて固形されている。また、この樹脂封止製品は過酷な周囲の熱環境に対し、樹脂7が熱膨張又は熱収縮するため、取付けネジ3a,3bで固定されている基板2に圧力が加わり、歪が生じて破損等の不具合が発生する恐れがあった。このため、樹脂7の材質には弾性係数変位点の温度範囲が広いシリコーン材等の高価格材料を使用する等の処置が行われている。
【0004】
ケース1は表面が開口した箱型形状で、この開口面の外周縁の四隅には該ケース1を筐体本体(図示されていない)に取付け固定するための取付けボス1a、及び取付けネジ孔1bが形成されている。このケース1には内部空洞の中央部分に基板2を収納するための取付けボス1cと取付けネジ孔1dが対角線上の二隅に形成されている。また、ケース1には前記基板2を収納した時、該基板に実装されたコネクター5を嵌め込むための切り欠き穴1fと、仕切り板6を嵌め込むための溝1eが形成されている。そして、このケース1には前記基板が収納された後、樹脂7が注入充填される。
【0005】
基板2は電子部品が実装されており、ケース1の内部空洞中央部分の対角線上の二カ所に該基板2を取付け固定するための取付け孔2a,2bが設けられ、2本の取付けネジ3a,3bだけで取付け固定されており、該基板への電子部品の実装密度が向上されている。そして、この基板2はコネクター5がピン5aにより取付け固定された状態でケース1へ収納された後、樹脂7が注入充填される。
【0006】
また、この基板2には過酷な周囲の熱環境による樹脂7の熱膨張又は熱収縮で、該基板2に歪が生じるため、該歪みを出来るだけ抑制するために4本の取付けネジで該基板2を取付け固定することもあるが、該基板2への電子部品の実装密度の制約を受けることになる。
【0007】
取付けネジ3a,3bは基板2をケース1の内部空洞中央部分に取付け固定するためと該ケース1へのアース接地のために用いられている。
【0008】
SMD等の大型電子部品4は基板2にIC等の小型電子部品とともに実装されているが、該基板への歪等に影響を受け易く、該大型電子部品4のボデイーや端子部へストレスがかかり易い。
【0009】
コネクター5は基板2にピン5aにより取付け固定され、一体化されており、外部との接続用に用いられている。
【0010】
仕切り板6はゴム系材料で両端には凸形状のリブ6aを、下面には嵌め込み切り欠穴6bがそれぞれ形成されており、前記基板2が前記ケース1に収納された後に、該仕切り板6を該ケース1の溝1eに嵌め込み、前記コネクター5を前記嵌め込み切り欠穴6bの内周縁で押圧して、該ケース1と該コネクター5との隙間を埋めるように固定される。そして、前記樹脂7が注入された時に、該
樹脂7をケース1の外へ流出させないために用いられている。
【0011】
樹脂7は基板2をケース1の内部空洞中央部分に収納した後、該樹脂7を注入充填して該基板2を保護するもので、樹脂封止製品に用いられる。また、この樹脂7は過酷な周囲の熱環境下での熱膨張又は熱収縮により前記基板2へ与える歪量が大きく影響するため、該樹脂7の材質には弾性係数変位点の温度範囲が広いシリコーン材等の高価格材料が使用されるか、またはウレタン材料に該シリコーン材料を真空注型設備を用いて含浸された材料が使用される。
【0012】
樹脂注入ノズル15は円筒型形状のパイプで形成されており、基板2が収納されたケース1の内部に樹脂7を注入するための治具である。
【0013】
本樹脂封止製品の組立手順について説明する。まず、基板2にコネクター5をピン5aで取付け固定し、電子部品を実装した後、該基板2をケース1の内部空洞中央部分に、2本の取付けネジ3a,3bで取付け固定した後、仕切り板6を該ケース1の切り欠き穴1fにコネクター5を押圧するように嵌め込む。次に、図6(a),(b)に示す様に、樹脂注入ノズル15で樹脂7を注入する。この注入ではケース1の内部底面1gと基板2との下部空洞部分100には該ケース1と該基板2との隙間等を通じて樹脂7が注入充填され、次に基板2とケース1の開口面との上部空洞部分101に、開口面部に一定の隙間を残して樹脂7が注入充填される。
【0014】
以上の手順で組立てられた本樹脂封止製品は過酷な周囲の熱環境に対し、樹脂7の熱膨張又は熱収縮により基板2に歪が生じ破損等の不具合が発生する恐れがあった。高温環境の場合においては、図7(a ),(b)に示される様に、樹脂7が熱膨張し、前記基板2は前記ケース1の開口面方向に押し上げられる。この時、基板2は該基板2がケース1に取付けネジ3a,3bで固定された位置を基点として押し上げられ、該基板2の対角線上の端はそれぞれ歪量20,21に歪まされる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の樹脂封止製品はケース1に基板2を該基板2の四隅の内の対角線上の二カ所を取付けネジ3a,3bで締め付けられて収納された後、樹脂7が注入充填されて固形されているが、この樹脂封止製品は過酷な周囲の熱環境に対し、樹脂7が熱膨張又は熱収縮するため、基板2に歪が生じ破損等の不具合が発生する問題があった。また、樹脂7の材質には弾性係数変位点の温度範囲が広いシリコーン材等の高価格材料等を使用する必要があった。
【0016】
本発明の目的は過酷な周囲の熱環境下での樹脂の熱膨張又は熱収縮による基板への熱歪量を抑制し破損等の不具合を防止すると共に、樹脂の材料には高価格なシリコーン材を使用することなく、ウレタン系材料を使用してコストを安価にすることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、電子部品を実装した基板が、一面が開口したケースの内部に設けられ該基板の各隅に対応して複数設けられた台座部に載置され、樹脂で封止されてなる樹脂封止製品の応力緩和方法において、前記基板の各隅を前記各台座部に対し隙間又は弾性部材を介してネジで仮組実装した後、前記樹脂を前記ケースの底面と前記基板との間の空洞部分に1次注入し、次に前記ネジを取り外した後、前記樹脂を前記基板と前記ケースの開口面との間の空洞部分に2次注入することを特徴とするものである。
【0018】
また、電子部品を実装した基板が、一面が開口したケースの内部に設けられ該基板の各隅に対応して複数設けられた台座部に載置され、樹脂で封止されてなる樹脂封止製品の応力緩和方法において、前記基板の1つの隅を前記の1つの台座部に対し、ネジで締め付けて固定し、前記基板の他の隅を前記の他の台座部に対し、隙間又は弾性部材を介してネジを締めた状態で実装した後、前記樹脂を前記ケースの内部底面と前記基板との空洞部分及び前記基板と前記ケースの開口面との空洞部分に注入することを特徴とするものである。
【0019】
また、前記樹脂はウレタン系材料からなることを特徴とするものである。
【0020】
【実施例】
本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は本発明の第1実施例を示す樹脂封止製品の応力緩和構造図で、(a)は構造展開図、(b)は樹脂封止後の構造断面図を示し、図2は本発明の第1実施例を示す樹脂封止製品の熱ストレスに対する応力緩和状態図で、(a)は熱膨張に対する応力緩和状態図、(b )は熱収縮に対する応力緩和状態図を示し、図3は本発明の第2実施例を示す樹脂封止製品の応力緩和構造図で、(a)は熱膨張に対する基板の応力緩和状態透視図、(b)は熱膨張に対する応力緩和状態断面図を示す。
【0022】
尚、実施例1から実施例2までの同一構成品は第1実施例で説明し、他の実施例では説明を省略する。
【0023】
第1実施例の樹脂封止製品の応力緩和方法について、図1を参照して説明する。この樹脂封止製品は図1に示す様に、表面が開口した箱型形状のケース1に電子部品が実装された基板2を熱収縮ストレス吸収用スポンジ9を介して、前記ケース1の内部に該基板2の四隅の対角線上の少なくとも二カ所を治具(ネジ)50で仮組実装した後、前記樹脂7を前記ケース1の内部底面1gと前記基板2との下部空洞部分100に注入充填し、次に前記治具50(ネジ)を取り外して仮組を解いてから、再度前記樹脂7を前記基板2と前記ケース1の開口面との上部空洞部分101に、開口面側に僅かに隙間を持たせる様に注入固形し、前記樹脂7の熱膨張又は熱収縮等に対し、前記基板2への歪を抑えるように該基板の動きをフリーの状態にした応力緩和方法が用いられている。また、前記基板2にはアース端子12が設けられており、該アース端子12にフレキシブルなリード線8が接続され、該リード線8が前記ケース1の開口面に引き出されてから、前記樹脂7が注入される。該リード線8は前記樹脂7の注入後に前記金属製のケース1に設けられた取付けボス1aに導電接続され、該ケース1にアースされる。
そして前記樹脂7の材料には高価格なシリコーン材を使用することなく、ウレタン系材料を使用してコストを安価にしている。
【0024】
金属製のケース1は表面が開口した箱型形状で、この開口面の外周縁の四隅には該ケース1を筐体本体(図示されていない)に取付け固定するための取付けボス1a、及び取付けネジ孔1bが形成されている。このケース1には内部空洞の中央部分に基板2を載置し、仮組みするための台座部である取付けボス1cと仮組み用ネジ孔1dが対角線上の二隅に形成されている。また、ケース1には前記基板2を収納した時、該基板に実装されたコネクター5を嵌め込むための切り欠き穴1fと、上部仕切り板6と下部仕切り板10を嵌め込むための溝1eが形成されている。そして、このケース1には前記基板2が収納された後、樹脂7が注入充填される。
【0025】
基板2は電子部品が実装されており、ケース1の内部空洞中央部分の対角線上の二カ所に該基板2を仮組みするための仮組み用取付け孔2a,2bが設けられ、2本の仮組み用治具(ネジ)50で仮組みされ、前記樹脂7を前記下部空洞部分100に注入充填された後、該治具50が取り外され、次に前記樹脂7が前記上部空洞部分101に注入充填される。この基板2にはアース端子12が設けられ、前記リード線8に導電接続されている。
【0026】
仮組み用治具(ネジ)50は基板2をケース1の内部空洞中央部分に仮組みするために用いられ、前記樹脂7が前記下部空洞部分100に注入充填された後に取り外される。
【0027】
SMD等の大型電子部品4は基板2にIC等の小型電子部品とともに実装されている。
【0028】
コネクター5は基板2にピン5aにより取付け固定され、該基板2に一体化されており、外部との接続用に用いられている。
【0029】
上部仕切り板6はゴム系材料で両端には凸形状のリブ6aを、下面には嵌め込み切り欠穴6bがそれぞれ形成されており、前記基板2が前記ケース1に収納された後、該上部仕切り板6を該ケース1の溝1eに嵌め込み、前記コネクター5を前記嵌め込み切り欠穴6bの内周縁で押圧して、該ケース1と該コネクター5との隙間を埋めるように固定される。そして、この上部仕切り板6は前記樹脂7が注入された時に、該樹脂7をケース1の外へ流出させないために用いられると共に、樹脂7が熱膨張してコネクター5が上方へ上がる時に、圧縮するよう構成されている。
【0030】
樹脂7は基板2をケース1の内部空洞中央部分に収納した後、注入充填されて該基板2を保護するもので、樹脂封止製品に用いられる。また、本樹脂封止製品には過酷な周囲の熱環境下において、熱応力を緩和する方法が用いられているため、該樹脂7の材質には高価格なシリコーン材等を用いることなく、安価なウレタン材料が使用されている。
【0031】
アース用リード線8は基板2に設けられたアース端子12に接続され、ケース1の開口面に引き延ばされている。このアース用リード線8はケース1を筐体本体(図示されていない)に取付ける時に、該ケース1の取付けボス1a部に取付けネジで締め付けられてアース接続される。
【0032】
尚、ネジで締め付ける代わりに、アース用リード線8をアース端子12にはんだ付けして接続するようにしてもよい。
【0033】
熱収縮ストレス吸収用スポンジ9はゴム系の材料でドウナツ形状に形成され、前記基板2がケース1に仮組み収納される該基板2の取付け孔2a,2bの下部に装着され、前記樹脂7が熱収縮した時に圧縮されて該基板2へのストレスを緩和し、歪量を少なくするために使用される。尚、この熱収縮ストレス吸収用スポンジ9の厚さが基板1とケース1の取付けボス1cとの間の隙間に相当するもので、その厚さは温度変化,樹脂の厚さ,膨張係数に基ずいて樹脂が収縮したときの移動量で決定される。
【0034】
下部仕切り板10はゴム系材料で、底面と両端には凸形状のリブ10aを、上面には嵌め込み切り欠穴10bがそれぞれ形成されており、前記ケース1の溝1eの下面部に嵌め込まれ、前記基板2が前記ケース1に収納された時、前記コネクター5が該下部仕切り板10の切り欠穴10bに嵌まり込んで当接し、該ケース1と該コネクター5との隙間が埋まるように固定される。そして、この下部仕切り板10は前記樹脂7が注入された時に、該樹脂7をケース1の外へ流出させないために用いられると共に、前記樹脂7が熱収縮した時に前記コネクター5が下がる時に圧縮するよう構成されている。これにより、該コネクター5と一体に連結されている前記基板2へのストレスを緩和し、歪量を少なくするために使用されている。即ち、弾性部材である上下仕切り板6,7でコネクター5を弾性的に挟み込むことでコネクター5の動きに追従できるようにしてある。尚、この代わりに上下仕切り板6,7を固定部材とし、コネクター5と基板2とを接続するリード部材をフレキシブル材料としても良い。
【0035】
アース端子12は基板2に設けられたアースランドにハンダ接続されており、アース用リード線8を介して、金属製のケース1にアース接続するために使用されている。
【0036】
樹脂注入ノズル15は円筒型形状のパイプで形成されており、基板2が収納されたケース1の内部に樹脂7を注入するための治具である。
【0037】
本樹脂封止製品の組立手順について説明する。まず、基板2にコネクター5をピン5aで取付け固定し、電子部品及びアース用リード線8を接続実装した後、該基板2をケース1の内部空洞中央部分に、該基板2に連結されている前記コネクター5が前記下部仕切り板10に当接するように嵌め込み、熱収縮ストレス吸収用スポンジ9を介して、少なくとも2本の治具50で仮組みする。そして、前記アース用リード線8をケース1の開口面に引き出した後、仕切り板6を該ケース1の切り欠き穴1fに嵌め込みコネクター5に当接させる。次に、図1(a),(b)に示す様に、樹脂注入ノズル15で樹脂7を1次注入する。該樹脂7の1次注入では最初にケース1の内部底面1gと基板2との下部空洞部分100に、該ケース1と該基板2との隙間等を通じて樹脂7が注入充填され、次に前記2本の治具50を取り外してから前記基板2とケース1の開口面との上部空洞部分101に、開口面部に一定の隙間を残して樹脂7が2次注入充填される。
この治具50による仮組みでは熱収縮ストレス吸収用スポンジ9が圧縮しない原形のままの状態で軽く締め付けられる。
【0038】
以上の手順で組立てられた本樹脂封止製品は過酷な周囲の熱環境に対し、基板2への歪を吸収緩和し、該基板2への破損等の不具合発生を防止している。高温環境の場合においては、図2(a )に示される様に、樹脂7が熱膨張し、前記基板2は前記ケース1の開口面方向に押し上げられる。この時、基板2はケース1に設けられた取付けボス1cから隙間32の位置に移動し、該隙間32から組立て時の隙間30を差し引いた隙間分だけ基板2がそのまま全体的に押し上げられ、該基板2の歪みが吸収されたことになる。この時、コネクター5は該コネクター5に当接した上部仕切り板6が圧縮され、基板2と一体となって押し上げられる。この時、下部仕切り板10がその弾性力により上方に伸びる。次に、低温環境の場合においては、図2(b)に示される様に、樹脂7が熱収縮し、前記基板2は前記ケース1の内部底面1g方向に収縮される。この時、基板2は該基板2と該ケース1に設けられた取付けボス1cとの間に装着された前記熱収縮ストレス吸収用スポンジ9で歪みが吸収され、該基板2と該取付けボス1cとの間が隙間34となる位置まで下げられる。この時、コネクター5は該コネクター5に当接した下部仕切り板10が圧縮され、基板2と一体となって下げられる。この時、上部仕切り板6がその弾性力により下方に伸びる。
【0039】
次に、第2実施例の樹脂封止製品の応力緩和方法について、図3を参照して説明する。この樹脂封止製品は図3に示す様に、前記基板2を前記ケース1の内部の四隅のどこか一カ所を筐体アースを兼ねて金属製の取り付けネジ3a(又は3b)等で締め付けて固定し、他のカ所は熱収縮ストレス吸収用スポンジ9を該基板2と該ケース1との間に嵌め込み、取り付けネジ3b(又はネジ3a)等を緩めて該基板2を浮かせた状態で締め付けて実装した後、前記樹脂7を前記ケース1の内部底面1gと前記基板2との下部空洞部分100及び前記基板2と前記ケース1の開口面との上部空洞部分101に開口面側に僅かに隙間が持たされる様に注入固形される。これにより本樹脂封止製品には、前記樹脂7が熱膨張又は熱収縮した時に、前記基板2の四隅の内の取付けネジ3a(又は3b)で直接締め付けられた一カ所を除く、他の三カ所の該基板2の動きをフリーの状態にした応力緩和方法が用いられている。そして前記樹脂7の材料には高価格なシリコーン材を使用することなく、ウレタン系材料を使用してコストを安価にしている。
尚、本例では通常においても基板2が多少曲がった状態となるが、この場合のストレスは熱収縮ストレス吸収用スポンジ9で吸収できる。また、コネクター5も多少傾いた状態となるがこれも弾性部材である上下仕切り板6,10でそのストレスを吸収できる。
【0040】
ケース1は第1実施例と同一なので説明を省略する。
【0041】
基板2は電子部品が実装されており、ケース1の内部空洞中央部分の対角線上の二カ所に該基板2を取り付けるための取付け孔2a,2bが設けられ、2本の取付けネジ3a,3bの内の1本が筐体アースを兼ねて締め付け固定され、他の1本は熱収縮ストレス吸収用スポンジ9を介して、緩めて該基板2を浮かせた状態で締め付け固定される。次に前記樹脂7が前記下部空洞部分100と
上部空洞部分101に注入充填される。
【0042】
取付けネジ3a,3bは基板2をケース1の内部空洞中央部分に締め付け固定するために用いられ、金属製の取付けネジ3aは該基板2を該ケース1へアースを兼ねて直接強く締め付けられ(この場合、基板2に設けられたアース端子と取付けネジ3aのネジ頭とが接触することによりアース端子とケース1との導電接続がなされる)、取付けネジ3bは熱収縮ストレス吸収用スポンジ9を該基板2と該ケース1との間に嵌め込み、該基板2を浮かせるように緩めて締め付け固定される(従って、仮組み用治具50は本例では使用していない)。
【0043】
SMD等の大型電子部品4とコネクター5及び上部仕切り板6と下部上部仕切り板10と樹脂注入ノズル15はケース1と同様に第1実施例と同一なので説明を省略する。
【0044】
樹脂7は基板2をケース1の内部空洞中央部分に収納した後、該樹脂7を注入充填して該基板2を保護するもので、樹脂封止製品に用いられる。また、本樹脂封止製品には過酷な周囲の熱環境下において、熱応力を緩和する方法が用いられているため、該樹脂7の材質には高価格なシリコーン材等を用いることなく、安価なウレタン材料が使用されている。
【0045】
尚、第1実施例で説明したアース用リード線8は第2実施例では1本の金属製の取付けネジ3aで基板2をケース1にアースを兼ねて締め付け固定し、導電接続されているため使用されていない。
【0046】
熱収縮ストレス吸収用スポンジ9はゴム系の材料でドウナツ形状に形成され、前記基板2の取付け穴2a又は2bの内の該基板2を浮かせるカ所の下部に装着され、前記樹脂7が熱収縮した時に圧縮されて該基板2へのストレスを緩和し、歪量を少なくするために使用される。
【0047】
本樹脂封止製品の組立手順について説明する。まず、基板2にコネクター5をピン5aで取付け固定し、電子部品を実装して基板2とコネクター5を一体とする。そして、下部仕切り板10を前記ケース1の溝1eの下部に嵌め込んだ後、前記基板2をケース1の内部空洞中央部分に、前記コネクター5が該下部仕切り板10に当接するように嵌め込み、ケース1の取付けボス1cに1カ所は直接金属製の取付けネジ3aでアースを兼ねて強く締め付け、他のカ所は熱収縮ストレス吸収用スポンジ9を介して、取付けネジ3bで取付け固定する。この熱収縮ストレス吸収用スポンジ9を介して取り付けられる所は該スポンジ9を押圧せず、基板2を浮かせた状態で軽く締め付ける。次に、仕切り板6を該ケース1の切り欠き穴1fにコネクター5が当接するように嵌め込み、図1(a),及び図3(b)に示す様に、樹脂注入ノズル15で樹脂7を注入する。この注入では最初にケース1の内部底面1gと基板2との下部空洞部分100に、該ケース1と該基板2との隙間等を通じて樹脂7が注入充填され、引き続き前記基板2とケース1の開口面との上部空洞部分101に、開口面部に一定の隙間を残して注入充填される。
【0048】
以上の手順で組立てられた本樹脂封止製品は過酷な周囲の熱環境に対し、基板2への歪を吸収緩和し、該基板2への破損等の不具合発生を防止している。高温環境の場合においては、図3(a ),(b)に示される様に、樹脂7が熱膨張し、前記基板2は前記ケース1の開口面方向に押し上げられる。この時、基板2は取付けネジ3aで締め付けられたカ所のケース1に設けられた取付けボス1cを基準点にして、前記熱収縮ストレス吸収用スポンジ9を介して取付けネジ3bで取り付けられたカ所がケース1に設けられた取付けボス1cから隙間22の位置に押し上げられ、該基板2の歪みによるストレスが半減吸収される。また、図3(a)の歪み20,21は基板2が取付けネジ3a,3bで取り付けられる2隅とは別のカ所の歪量を示している。(尚、図示はされていないが、取付けネジ3bのネジ頭と基板2との間には基板2が押し上げられる分の隙間を設けてある)。次に、低温環境の場合においては、樹脂7が熱収縮し、前記基板2は前記ケース1の内部底面1g方向に収縮される。この時、基板2は取付けネジ3aで締め付けられたカ所を除き、該基板2と該ケース1に設けられた取付けボス1cとの間に装着された前記熱収縮ストレス吸収用スポンジ9が圧縮され歪みによるストレスが半減吸収される。この時、コネクター5は該コネクター5に当接した下部仕切り板10が圧縮され、基板2と一体となって下げられる。以上のように本実施例においては歪量20,21の長さを従来に比べて減少させることができる。
【0049】
尚、以上説明した第1実施例,第2実施例では熱収縮ストレス吸収用スポンジ9を用いるようにしたが、熱収縮ストレス吸収用スポンジ9を介在させず、隙間を設けたまま樹脂を注入するようにしても良い。この場合例えばコネクター5を用いて基板2を浮かし、その隙間分浮かした状態で樹脂注入すれば良い。また、第1実施例,第2実施例では対角線上にある2カ所をネジ締めするものと限定しているが、これに限らず、3カ所,4カ所等をネジ締めするものに適用しても良い。更に、第2実施例で取付けネジ3bに熱収縮ストレス吸収用スポンジ9を用いず隙間を設けた場合、多少基板5にストレスがかかるが取付けネジ3a側に熱収縮ストレス吸収用スポンジ9を用いてストレスを吸収するようにしても良い。
【0050】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、過酷な周囲の熱環境下での樹脂の熱膨張又は熱収縮による基板への熱歪量を抑制し破損等の不具合を防止すると共に、樹脂の材料には高価格なシリコーン材を使用することなく、ウレタン系材料を使用してコストを安価にする効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す樹脂封止製品の応力緩和構造図を示す。
【図2】本発明の第1実施例を示す樹脂封止製品の応力緩和状態図を示す。
【図3】本発明の第2実施例を示す樹脂封止製品の応力緩和構造図を示す。
【図4】従来の樹脂封止製品の構造図を示す。
【図5】従来の樹脂封止製品の熱ストレス発生状態図を示す。
【符号の説明】
1・・・ケース
2・・・基板
3a・・・取付けネジ
3b・・・取付けネジ
4・・・大型電子部品
5・・・コネクター
6・・・上部仕切り板
7・・・樹脂
8・・・アース用リード線
9・・・熱収縮ストレス吸収用スポンジ
10・・・下部仕切り板
12・・・アース端子
15・・・樹脂注入ノズル
50・・・仮組用治具(ネジ)

Claims (3)

  1. 電子部品を実装した基板が、一面が開口したケースの内部に設けられ該基板の各隅に対応して複数設けられた台座部に載置され、樹脂で封止されてなる樹脂封止方法であって
    前記基板の各隅を前記各台座部に対し隙間又は弾性部材を介してネジで仮組実装した後、前記樹脂を前記ケースの底面と前記基板との間の空洞部分に1次注入し、次に前記ネジを取り外した後、前記樹脂を前記基板と前記ケースの開口面との間の空洞部分に2次注入することを特徴とする樹脂封止製品の樹脂封止方法
  2. 電子部品を実装した基板が、一面が開口したケースの内部に設けられ該基板の各隅に対応して複数設けられた台座部に載置され、樹脂で封止されてなる樹脂封止方法であって
    前記基板の1つの隅を前記の1つの台座部に対し、ネジで締め付けて固定し、前記基板の他の隅を前記の他の台座部に対し、隙間又は弾性部材を介してネジを締めた状態で実装した後、前記樹脂を前記ケースの内部底面と前記基板との空洞部分及び前記基板と前記ケースの開口面との空洞部分に注入することを特徴とする樹脂封止製品の樹脂封止方法
  3. 前記樹脂はウレタン系材料からなることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂封止製品の樹脂封止方法。
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