JP3813080B2 - 洗浄水生成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄水生成装置に関するものである。より詳細には、電気分解によりアルカリ性水を生成し、衣類の洗濯、食器洗いなどの洗浄水として用いる事を特徴とした洗浄水生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭排水は、地域によっては河川等へ直接排出されることもあり、水質悪化の原因の1つとなっている。その家庭排水中の有機物の中で、洗濯などに使用される洗剤の主成分である界面活性剤が占める割合は大きく、より環境への負荷が少ない洗浄が求められている。
このような課題に対して、従来、洗剤使用量を低減したり、洗剤を使用しないようにしたりするため、例えば、電解水を用いて洗浄行う洗濯機や洗浄装置が提案されている(特開平5−84384号公報、特開平10−5825号公報)。
【0003】
ところで、衣類の汚れなど一般的な汚れのうち、水だけでは落ちない非水溶性の汚れの主なものに皮脂、油脂汚れがある。これらの汚れには、非水溶性の脂肪酸が含まれるが、これら脂肪酸は高いpH条件下で酸化反応をし、界面活性を持つ石鹸となる。一例として、人体の皮脂中にも含まれる脂肪酸の一種であるオレイン酸が、塩基としてNa+を含むアルカリ性溶液中で、鹸化反応する際の反応式を下に示す。
CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7CO2H+Na+(オレイン酸)+OH-→CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7CO2 -Na+(オレイン酸ナトリウム(石鹸))+H2O
【0004】
脂肪酸が石鹸に変化すると、石鹸は水に溶けるため、当の皮脂汚れ自体が落ちるようになる他、界面活性剤として他の汚れを落とす役割を果たすようになる。他に、アルカリ性であることで繊維が膨潤する、タンパク質が溶解しやすくなるといった作用があるが、上に挙げた鹸化反応が、洗剤における電解アルカリ水の主な効果である。
しかし、従来の電解アルカリ水洗浄では、水のみでの洗浄よりやや勝るという程度で、洗剤に比べ洗浄力が十分ではなかった。
【0005】
その理由として、原水に含まれるCa2+、Mg2+といった硬度成分の悪影響があったと考えられる。アルカリ性溶液中にCa2+やMg2+といったアルカリ金属以外の金属陽イオンが含まれていた場合、下のような反応で、金属石鹸が生成される。この金属石鹸は水に不溶であるため、洗浄を妨げることとなる。
2CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7CO2H+Ca2+(オレイン酸)+OH-→{CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7CO2 -}2Ca2+(オレイン酸カルシウム(金属石鹸))+2H2O
【0006】
電解アルカリ水洗浄では、洗浄水である電解アルカリ水は陰極側で得られるため、陰極に陽イオンがひきつけられ、原水以上に硬度が高くなり、電解水自体の洗浄力が不十分であった。そればかりか、洗剤を少量加えても、加えた洗剤中の界面活性剤が硬度成分と反応するため、洗剤の能力が発揮できないという点も課題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の技術における課題及び要求に鑑みてなされたものであり、電解によりpHを高くすることに加えて、軟水化処理或いは純水化処理を行い、原水から硬度成分を取り除くことにより、電解水の洗浄効果を高めることのできる洗浄水生成装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、洗浄水の生成装置に電解槽と、軟水化装置と、洗浄力に優れ、環境への負荷が小さい洗浄水が効率良く得られること、そして、軟水化装置に弱酸性陽イオン交換樹脂を用いた場合に、電解時に生じる酸性水をそのイオン交換樹脂の再生に効率良く用いることのできるシステムにしたことにより、各イオン交換樹脂の再生等のメンテナンスを極めて容易なものとすることができると共に、電解槽における電解性能をも十分に保持できることを見出し、本発明に至ったものである。
【0009】
即ち、本発明に係る洗浄水生成装置は、以下の構成或いは手段からなることを特徴とし、上記課題を解決するものである。
(1)水道水、井戸水などの上水を原水とし、該原水の電解処理を行う電解槽と、軟水化装置と、を設けた洗浄水生成装置において、該電解槽を該軟水化装置の前段に配し、該電解槽は隔膜で仕切られた電極室を有し、該電極室は一対の電極を備え、読電極の対の少なくとも一方が該隔膜に接しないように電極を配設した洗浄水生成装置であって、該電解槽で該原水を処理することにより生成されたアルカリ水を該軟水化装置によって軟水化することを特徴とする洗浄水生成装置。
【0010】
(2)上記軟水化装置が弱酸性陽イオン交換樹脂を使用したものであることを特徴とした上記(1)に記載の洗浄水生成装置。
通常、弱酸性イオン交換樹脂は交換容量が大きいため、強酸性陽イオン交換樹脂を使用した場合より長寿命とすることができる。またメンテナンスにおいて、再生処理の回数が少なくて済む。
【0011】
(3) 上記弱酸性陽イオン交換樹脂の再生に上記電解槽の電解により得られる酸性水を用いることを特徴とする上記(2)に記載の洗浄水生成装置。
上記弱酸性イオン交換樹脂を用いた軟水化装置の場合、洗浄水(アルカリ水)を作るための電解槽で副次的に作られる酸性水を、軟水化装置のイオン交換樹脂の再生に用いることで、NaClなどの薬剤を添加せずに、簡単に再生することができる。
【0012】
(4) 上記電解槽における処理水の電解時の電極を逆極にすることにより上記再生用の酸性水を上記弱酸性陽イオン交換樹脂に送流することを特徴とする上記(3)記載の洗浄水生成装置。
更に、上記再生時に、洗浄水生成時とは逆に電圧をかけると、酸性水の送流システムが簡便になると共に、洗浄水生成時に電極に付着したスケールを除去することができ、電解槽の性能が維持され、かかる場合においてもメンテナンス上有利となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る洗浄水生成装置の好ましい実施の形態又は実施例を詳述する。尚、本発明に係る洗浄水生成装置は以下の実施形態及び実施例に限るものではない。
図1は本発明に係る洗浄水生成装置の概略図である。
【0014】
(実施例1)
図1は、実施例1の洗浄水生成装置の概略図である。図1に示すように洗浄水生成装置31は給水口32から原水が導入され、直接、電解槽33に送られる。電解槽33には隔膜36を介して電極34と電極35が配せられ、電極34と電極35は、それぞれ陰極にも陽極にもなるように電圧をかけることができるようになっている。
【0015】
電極34側はライン38を介して軟水化装置39に接続され、軟水化装置39の内部にはH型の弱酸性陽イオン交換樹脂であるオルガノ製アンバーライトIRC50が充填されている。更に、軟水化装置39の下流には切変え弁40を介して洗浄水の供出口41が配せられている。一方、電極35側はライン42、切変え弁43を介して排水口44が配せられている。尚、切変え弁40及び43の操作により、軟水化装置39を通過する処理液は、供出口41を選択せずにライン45を通過して排水口44より排水できるようになっている。
このように構成された洗浄水生成装置31において、各電極34、35にあっては、その洗浄水生成時に、電極34が陰極、電極35が陽極となるよう電圧がかけられ、隔膜36で仕切られた陰極34側の処理水は電解アルカリ性水となり、軟水化装置39に導入される。一方、陽極35側の処理水は電解酸性水となり、切変え弁43を通過して排水口44から排出される。
【0016】
また、この場合、軟水化装置39内の弱酸性陽イオン交換樹脂は官能基がカルボン酸であるため、アルカリ性の条件下では、処理水中のCa2+やMg2+がH+に交換される。処理水は、Ca2+やMg2+といった硬度分がH+に交換されることで優れた洗浄水となり供出口41から供出される。また、かかる処理水は硬度が低下し優れた洗浄水となるがpHも低下する。しかし、硬度が水道水の水質基準であるCaCO3換算300mg/L以下を満たした水であれば、この交換によるH+の増加はごくわずかであり、問題にはならない。
このようにして得られた、洗浄水を用いて、洗濯機で洗濯科学協会製の人工汚染布を洗浄したところ、洗浄率は19%で、同条件で行った花王社製の洗濯用洗剤アタック標準使用量での洗浄率と同程度であった。なお、対照として行った、水道水での洗浄率は6%、軟水処理のみを行った水での洗浄率は7%、水道水に電解処理のみを行いpH11にした水での洗浄率は9%といずれも不十分であった。
【0017】
次に、上記軟水化装置39内の弱酸性陽イオン交換樹脂を再生処理する際には以下の如く操作する。
即ち、上記イオン交換樹脂の再生時には洗浄水生成時とは逆に、電極34が陽極、電極35が陰極となるよう電圧をかけて、電解酸性水を軟水化装置39に通す。弱酸性陽イオン交換樹脂は、酸性条件下ではアルカリ水から吸着したCa2+やMg2+よりH+の方が吸着しやすくなるため元のH型に再生される。
上記IRC50を2L使用した軟水化装置の場合、硬度36の水道水を4500L処理すると、軟水化能力が低下したが、pH3の酸性水を2L通過させることで再生できた。再生に使用した水は、切変え弁41、43を経由して排水口44から排水される。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、洗浄水の生成装置に電解槽と、軟水化装置とを設けたもので、これにより洗浄力に優れ、環境への負荷が小さい洗浄水が効率良く生成できる。そして、上記軟水化装置に強酸性陽イオン交換樹脂を用いた場合に、その再生用に添加されるアルカリ金属塩を電解時にも効率良く使用できるようにしたことにより、イオン交換樹脂の再生が容易であるばかりでなく、電解槽での電圧負荷を安全なものとすることが簡単にできる。また軟水化装置に弱酸性陽イオン交換樹脂を用いた場合に、電解時に生じる酸性水をそのイオン交換樹脂の再生に効率良く利用できるシステムにしたので、軟水化装置におけるイオン交換樹脂の再生等のメンテナンスを極めて容易なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る洗浄水生成装置の概略図である。
【符号の説明】
31 洗浄水生成装置
39 軟水化装置
34 電極
35 電極
33 電解槽
Claims (4)
- 水道水、井戸水などの上水を原水とし、該原水の電解処理を行う電解槽と、軟水化装置と、を設けた洗浄水生成装置において、該電解槽を該軟水化装置の前段に配し、該電解槽は隔膜で仕切られた電極室を有し、該電極室は一対の電極を備え、読電極の対の少なくとも一方が該隔膜に接しないように電極を配設した洗浄水生成装置であって、該電解槽で該原水を処理することにより生成されたアルカリ水を該軟水化装置によって軟水化することを特徴とする洗浄水生成装置。
- 上記軟水化装置が弱酸性陽イオン交換樹脂を使用したものであることを特徴とした請求項1に記載の洗浄水生成装置。
- 上記弱酸性陽イオン交換樹脂の再生に上記電解槽の電解により得られた酸性水を用いることを特徴とする請求項2に記載の洗浄水生成装置。
- 上記電解槽における処理水の電解時の電極を逆極にすることにより上記再生用の酸性水を上記弱酸性陽イオン交換樹脂に送流することを特徴とする請求項3記載の洗浄水生成装置。
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