JP3772625B2 - 空調ダクトの吹出装置 - Google Patents
空調ダクトの吹出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3772625B2 JP3772625B2 JP2000040307A JP2000040307A JP3772625B2 JP 3772625 B2 JP3772625 B2 JP 3772625B2 JP 2000040307 A JP2000040307 A JP 2000040307A JP 2000040307 A JP2000040307 A JP 2000040307A JP 3772625 B2 JP3772625 B2 JP 3772625B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- air
- duct
- nozzle
- orifice
- nozzle member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バス等自動車における空気調和装置で調温された空気を車室内に吹出す空調ダクトの吹出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、バス等の空調ダクトには座席に着座した乗員或いは乗客に向って調温された空気、例えば冷房時に冷風を吹出す開口部が設けられ、同開口部には、通常、適宜の間隔を存して複数個のフィンを並設したルーバと、上記ルーバのフィンに対し直角方向に複数個並設されルーバを通過した冷風等を所望の方向に流出させることができるように設けられた調整可能のフィンとを備えた吹出装置が広く用いられている。
上記従来の吹出装置では、冷房時に、空調ダクトに供給される風量を調整することによって涼風感(ここでは冷風を直接乗員或いは乗客の体に当てて涼感を得ることを意味する)を制御するように構成されているが、例えばバスの場合、多くの乗客が寒いと感じて夫々の座席上方に設けられている空調ダクトの吹出装置の吹出風量を絞ってしまうと、総風量が減少して冷房能力が低下すると共に、車室内各部分の温度分布が不適切になる欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の空調ダクトにおける吹出装置の欠点に鑑み創案されたもので、バス等車両の乗員及び乗客が、空調装置の冷房運転時に、各人の涼風感に対する感覚的な差異、或いは座席位置によって異る日射量の差異等により、冷風の速度が小さいそよ風のような柔らかな涼風感、又は冷風の速度が比較的大きく強い涼風感の何れを選択しても、全体としての風量に大きな変化がなく、また車室内の温度分布にも部分的に大きな変化を生じる不都合がなく、この結果、冷房能力の低下を招くことなく個々の乗員、乗客のフィーリングを向上することができる空調ダクトの吹出装置を提供することを、主たる目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、空調ダクトに設けられ調温された空気を車室内に吹出す開口部に、同軸的にかつ相対回転可能に配設された筒状部材及び回転部材と、上記筒状部材内に軸線方向に摺動自在に嵌装され、その内部にダクト側より車室側の通路面積が小さく形成されたベルマウス形の空気通路を備えたノズル部材と、上記回転部材の車室側端部に設けられ、ダクト側から車室側に向い拡開した形状を有すると共に上記ノズル部材のベルマウス形空気通路と等価開口面積を有する空気通路を備えたオリフィスと、上記筒状部材及び回転部材の何れか一方を他方に対し回転させることにより上記ノズル部材を上記オリフィスに近接した第1位置と同オリフィスからダクト内方に離隔した第2位置との間で軸線方向に変位させるノズル移動機構と、上記筒状部材の外周壁に開設され、ノズル部材が上記第1位置にあるとき上記ダクトと同ノズル部材のベルマウス形空気通路とを連通させる第1流入口、及び上記ノズル部材が第2位置にあるとき上記ダクトと上記オリフィスの拡開した空気通路とを連通させる第2流入口とを備え、上記ノズル移動機構が、上記筒状部材又は回転部材の外周壁に設けられ、上記軸線に対し略直交する方向に沿って延びた横溝部分と同横溝部分の一端から上記略直交する方向に対し傾斜して延びた斜溝部分とからなる第1案内溝と、上記筒状部材又は回転部材の他方の外周壁に設けられ軸線に対し略平行に延びた第2案内溝と、上記ノズル部材の外周面に直径方向に延在して突設され、上記第1及び第2案内溝に共通に挿通された摺動ピンとから構成されていることを特徴とする空調ダクトの吹出装置を提案するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施形態を添付図面について具体的に説明する。
先ず、図1ないし図3において、符号10は車両、特にバスの車室12の天井部分に車両前後方向に延在して配置され調温された空気、例えば冷風を車室内に供給する空調ダクト(図ではその一部のみが示されている)を示し、14は同空調ダクト10の乗員又は乗客用座席の略上方位置に開設された開口部即ち吹出口である。16は上記吹出口14に配置され、ダクト10側から車室12側に向い拡開した空気通路18を有する拡散形のオリフィスである。また、24は上記吹出口14に配置され、ダクト10側より車室12側の通路面積が小さく形成されたベルマウス形の空気通路22を備えたノズル部材である。
【0006】
空調ダクト10の吹出口14に拡散形のオリフィス16を設けた図1の場合は、空調ダクト10内の冷風が、図中に矢印で示したように、拡散して低速度で車室12内に流入するため、吹出口14の下方に設けられた座席に着座する乗員又は乗客は、柔らかいそよ風のような涼風感を得る。一方、吹出口14にノズル部材24を設けた図2の場合は、空調ダクト10内の冷風が、図中に矢印で示したように、ベルマウス形の収斂した空気通路22から相対的に高速度で車室12内に流入するため、吹出口14の下方の座席に着座する乗員又は乗客は、冷風自体の温度より一層涼しい体感温度を感受することとなる。
【0007】
従って、図3に示されているように、空調ダクト10の吹出口14にオリフィス16とノズル部材24とを実質的に同軸的に配置し、オリフィス16とノズル部材24を図示のように近接配置することによって、ベルマウス形空気通路22を流れる相対的に高速の冷風により強い涼風感が得られる(上記近接配置には、図示のようにノズル部材24をオリフィス16に当接させる場合は勿論、ベルマウス通路22による冷風の流れが主流として維持される程度に、ノズル部材24とオリフィス16との間に多少の隙間が形成される場合が含まれる。)。また、図3に上向きの矢印で示されているように、ノズル部材24をオリフィス16から軸線方向上方に十分離隔させると、空調ダクト10内の冷風が実質的にオリフィス16の拡散形空気通路18から車室12内に低速で流出して、そよ風のような柔らかい涼風感が得られることとなる。
【0008】
そこで、オリフィス16の空気通路18とノズル部材24の空気通路22とが、後述する等価開口面積を有するように、予め夫々の空気通路形状及び断面積を設定しておくことによって、空調ダクト10内の冷風が、オリフィス16又はノズル部材24の何れから吹出した場合でも、実質的に流量に変化がなく、従って複数の吹出口14を備えた空調ダクト10全体としての冷風流量が変らないので、冷房能力を低下させたり、車室12内の温度分布に悪影響を与えることを防止しながら、個々の乗員、乗客は、夫々の体質や、座席位置による日射量の差異等に対応した好みの涼風感を得ることができる。なお、上記等価開口面積とは、種々の通路形状及び断面積を有するオリフィス16、ノズル部材24等の吹出部材を、同一のダクト内外の圧力差の下で、同一の風量が得られるような開口部に置き換え、計算によって算出する面積を意味するものである。即ち、上記吹出部材の通路形状の差異により流通損失が異るため、出口面積が同じでも通常等価開口面積は異る。
【0009】
上記拡散形の空気通路18を有するオリフィス16とベルマウス形の空気通路22を有するノズル部材24とを組み合わせ、オリフィス16に対しノズル部材24を軸線方向に相対変位させるようにした吹出装置の第1の実施形態が図4ないし図10に示されている。
先ず、図4において、26は下端が開口した有底円筒状の筒状部材であって、同筒状部材26の下端部に同軸的に環状の基台28が配設され、同基台28と筒状部材26とは複数個(図では2個のみが示されている)のステイ30により一体的に連結されている。上記筒状部材26の円筒状をなす外周壁26aの上方部分には、円周方向に適宜の間隔を存し複数個例えば4個の第1流入口を形成する上方開口32が設けられ、また同外周壁26aの下方部分には、複数個例えば直径方向の対称位置に2個の第2流入口を形成する下方開口34が設けられている。さらに、上記上方開口32と下方開口34の中間の外周壁26aには、軸線に対し略直交する方向に延びた中心線を有する横溝部分36aと、同横溝部分36aの一端から上記中心線に対し斜交する方向に下向きに延びた斜溝部分36bとからなる第1案内溝36 が設けられている。図4では、図の過度の混雑を防ぐため正面側の第1案内溝36のみが示されているが、直径方向反対側の外周壁26aにも対をなす案内溝36が設けられている。さらに、上記外周壁26aの下端には、半径方向内方に延びたフランジが設けられ、同フランジが前記オリフィス16を形成している。
【0010】
また、上記基台28の底壁28aから立上った周壁28bは図10に良く示されているように球面状に形成され、前記空調ダクト10の吹出口14に設けられた協働する球面座38に支持される。従って基台28は、上記筒状部材26と一体に或る角度範囲内で上記空調ダクト10に対し自在に傾動し得るように構成されている。一方、基台28の底壁28aの中央部分には円形の透孔28cが形成され、同透孔28cと筒状部材26の外周壁26aとの間には、環状の空隙40が形成されている。
【0011】
次に、図5は上記空隙40に挿通されて上記筒状部材26の外周壁26aに対し同軸的にかつ回転自在に外嵌される中空円筒状の外周壁42aと、同外周壁42aの下端に一体的に形成された操作リング42bと、同外周壁42aの上端縁に直径方向に対をなして突設され夫々筒状部材26の軸線に対し略平行に延びた第2案内溝44を有する突起42cとを備えた回転部材42を示す。上記外周壁42aには、筒状部材26の下方開口34と協働する対をなす開口46が設けられている。なお、上記外周壁42a及び突起42cは、上記空隙40の半径方向の幅より若干小さい肉厚を有するが、図5では簡単のため便宜的に肉厚を無視した単一の線で示されている。
さらに、図6は全体として円筒状をなし、その中央部分に、前記空調ダクト10側の断面積が大きく、かつ車室12側の断面積が小さいベルマウス形の空気通路22を備えたノズル部材24を示し、同ノズル部材24の外周面には直径方向に一線をなす一対の摺動ピン48が突設され、同ピン48は、上記筒状部材26に回転部材42を同軸的に、かつ相対回転自在に外嵌すると共に、筒状部材26の内部にノズル部材26を軸線方向に摺動自在に内嵌して三者を組付けた状態で、上記第1案内溝36及び第2案内溝44を共通に貫通する。
【0012】
上記筒状部材26、回転部材42及びノズル部材24の組立体からなる吹出装置の作動態様を、図7ないし図10を参照して説明する。先ず、図7及び図10では、筒状部材26と一体の上記基台28が記載されているが、図8及び図9では簡単のために上記基台28は図示を省略されている。
さて、図7は乗員又は乗客が回転部材42の下端の操作リング42bを把持して軸線O−Oの回りに回転させ、図中に2点鎖線で示したノズル部材24の摺動ピン48が、第1案内溝36の横溝部分36aと斜溝部分36bとの接続部分に位置すると共に第2案内溝44の上端部分に位置している状態を示す。この状態では、筒状部材26の上方開口32は、図10の軸線O−Oの右側部分に明示されているように上昇位置又は第2位置にあるノズル部材24の外周面により閉塞されると共に、筒状部材26の下方開口34と、回転部材42の開口46とが連通している。この結果、空調ダクト10内の冷風が上記開口46及び下方開口34を通ってオリフィス16の拡散形空気通路18を経て車室12内に緩やかな速度で拡散しながら流入し、従って前述したようにそよ風のようなおだやかな涼風感が得られる。
【0013】
次に、回転部材42の操作リング42bを軸線O−Oの回りに右回転させると、突起42cに設けられた第2案内溝44がノズル部材24の摺動ピン48を右方に押すので、摺動ピン48が第1案内溝36の斜溝部分36bに沿って下降し、従ってノズル部材24が下降して筒状部材26の下端のオリフィス16に当接し又は小間隙を存した近接位置即ち第1位置まで変位し、図8に示す状態となる。
この結果、筒状部材26の第1流入口即ち上方開口32が開くと共に、第2流入口即ち下方開口34がノズル部材24の外周面により閉鎖される。また回転部材42の開口46もノズル部材24の外周面によって閉鎖される。従って、図10に軸線O−Oの左側部分に示されているように、空調ダクト10内の冷風が上方開口32からノズル部材24のベルマウス形空気通路22を通り相対的に高い速度で車室12内に流出し、前述したように一層高い涼風感が得られる。このときノズル部材24と上記オリフィス16とは等価開口面積を有するので、涼風感の変化にも拘わらず、何れの場合も冷風流量は実質的に等しい。
なお、図8の状態に回転部材42を回転させた後、乗員又は乗客が操作リング42bから手を離したときに、摺動ピン48は第2案内溝44に沿って上方に自由に相対変位し得る状態となり、換言すれば、回転部材42が、自重によってその摺動ピン48が第2案内溝44の上端に当接する位置まで下降することができることとなり、外観上好ましくないので、図10に示されているように回転部材42の外周壁42aに適宜のストッパ部材50を設ける。
【0014】
また、上記図7の状態から回転部材42の操作リング42bを軸線O−Oの回りに左回転させると、上昇位置にあるノズル部材24の摺動ピン48が第1案内溝36の横溝部分36aの他端(図中左方の端部)まで変位し図9の状態となる。この状態では、筒状部材26の上方開口32が上昇位置にあるノズル部材24によって閉塞されると共に、筒状部材26の下方開口34と回転部材42の開口46が円周方向に離隔した位置に変位するので、空調ダクト10から車室12への冷風の流出が停止される。なお、冬期等冷房が行なわれない場合、空調ダクト10のすべての吹出口14に設けられた吹出装置を図9の閉鎖状態とすることが好ましい。
【0015】
次に、図11ないし図12は、本発明の第2の実施形態を示すものである。第2実施形態と上記第1実施形態との差異は、先ず、図12に示されているように回転部材42の外周壁42aが円周方向に連続せず、直径方向に対向して配置された二つの部分円筒状の外周壁42a′から形成されていて、同外周壁42a′相互間の円周方向の空間が開口46を形成していること、及び上記外周壁42a′の下端部分にスリット52が形成されていることである。また、図11に示されているように、筒状部材26の下端部と基台28の底壁28aとが一体的に連結され、また同底壁28aに、上記外周壁42a′を挿入して筒状部材26の外周壁26aに外嵌するための円弧状の溝40′が設けられていることである。なお上記外周壁42a′の下端部分に設けられる上記スリット52は上記底壁28aの肉厚より若干大きい軸線方向の高さを有する。筒状部材26及び基台28のその他の構成、並びにノズル部材24の構成は、上記第1実施形態と実質的に同等であり、したがつて同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
【0016】
上記筒状部材26、回転部材42及びノズル部材24を組付けた第2実施形態の作動態様は、図13に示すとおりである。軸線O−Oの右側部分は、ノズル部材24の摺動ピン48が第1案内溝36の横溝部分36aの斜溝部分36bとの接続部分に位置している状態を示し、このときノズル部材24は上昇位置即ち第2位置にあるので、筒状部材26の第1流入口即ち上方開口32は閉塞され、同筒状部材26の第2流入口即ち下方開口34と回転部材42の開口46とが一致し、空調ダクト10内の冷風が上記下方開口34及び開口46を通って筒状部材26の下端内方に形成されたオリフィス16の拡散形空気通路18から車室12内に低い速度で流入し、従ってそよ風のようなおだやかな涼風感が得られる。
【0017】
次に、回転部材42の操作リング42bを軸線O−Oの回りに右回りに回転させるとノズル部材24の摺動ピン48が第1案内溝36の斜溝部分36bに沿って下降し、ノズル部材24がオリフィス16の上面に当接するか小間隙を存する近接位置即ち第1位置まで下降し、図13において軸線O−Oの左側に図示した状態となる。ノズル部材24の下降により筒状部材26の上方開口32が開かれると共に下方開口34及び回転部材42の開口46が閉塞されるので、空調ダクト10内の冷風がベルマウス形空気通路22を通って相対的に高い速度で車室12内に流入し、より強い涼風感が得られる。なお、ノズル部材24とオリフィス16とは等価開口面積を有するように設定されているので、上記涼風感の変化にも拘わらず、空調ダクト10から車室12内への冷風吹出流量は実質的に等しい。
【0018】
さらに、上記のように回転部材42を右回転させたときに、部分円筒壁下端のスリット52が円弧状の溝40′の円周方向の延長部分に挟持されているので、摺動ピン48が第2案内溝44の下端に位置していても、回転部材42が自重により下方に変位することはない。なお、図示は省略されているが、摺動ピン48が第1案内溝36の横溝部分36aの右端位置にある状態、即ち図13の右半部分に示した状態から、回転部材42を左方に回転させることによって、第1実施形態における図9の状態と同様に、空調ダクト10から車室12内への冷風の吹出しを停止させるように構成することができる。
【0019】
本発明は、上述した第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更、修正を加えて実施することができる。例えば、基台28を単なるフランジとして空調ダクト10の吹出口14にねじ、ボルト等により固定しても良く、勿論この場合筒状部材26の軸線O−Oの方向、即ち冷風の吹出流の指向方向を変化させることはできなくなるが、なお本発明の利点又は効果を奏することができる。また、第1案内溝36の斜溝部分36bの下向きの傾斜方向を上記構成とは逆にし、回転部材42の回転操作方向を上記とは逆方向にしても良く、また第1案内溝36における斜溝部分36bを上向きに延びるように変更することができる。さらに、上記ノズル部材24のオリフィス16に対する軸線O−O方向の変位は、筒状部材26と回転部材42の軸線O−Oの回りの相対回転によって行なわれるので、上記実施形態とは逆に、第1案内溝36を回転部材42側に設け、第2案内溝44を筒状部材26側に設けることができ、さらにまた、上記実施形態とは反対に、回転部材42に対し筒状部材26を回転させるように変更することもできる。なおまた、本発明はバスの車室天井付近に設けられる空調ダクトの吹出装置に適用されて特に好適であるが、バス以外の種々の車両に広く適用し得ることは、明らかである。
【0020】
【発明の効果】
叙上のように、本発明に係る空調ダクトの吹出装置は、空調ダクトに設けられ調温された空気を車室内に吹出す開口部に、同軸的にかつ相対回転可能に配設された筒状部材及び回転部材と、上記筒状部材内に軸線方向に摺動自在に嵌装され、その内部にダクト側より車室側の通路面積が小さく形成されたベルマウス形の空気通路を備えたノズル部材と、上記回転部材の車室側端部に設けられ、ダクト側から車室側に向い拡開した形状を有すると共に上記ノズル部材のベルマウス形空気通路と等価開口面積を有する空気通路を備えたオリフィスと、上記筒状部材及び回転部材の何れか一方を他方に対し回転させることにより上記ノズル部材を上記オリフィスに近接した第1位置と同オリフィスからダクト内方に離隔した第2位置との間で軸線方向に変位させるノズル移動機構と、上記筒状部材の外周壁に開設され、ノズル部材が上記第1位置にあるとき上記ダクトと同ノズル部材のベルマウス形空気通路とを連通させる第1流入口、及び上記ノズル部材が第2位置にあるとき上記ダクトと上記オリフィスの拡開した空気通路とを連通させる第2流入口とを備えたことを特徴とし、空調装置の冷房運転時に、空調ダクトの吹出装置から車室内に流入する冷風の速度を乗員及び乗客の感覚的な好み、日射量の差異等に応じ、柔らかな涼風感又は強い涼風感が得られるように切換えることができ、また、上記切換えによって冷風流量に大きな変化を生じることがなく、従って冷房能力の低下や車室内の温度分布の大きな変動を招くことなく個々の乗員、乗客のフィーリングを向上することができる利点がある。
また、本発明において、上記ノズル移動機構が、上記筒状部材又は回転部材の外周壁に設けられ、上記軸線に対し略直交する方向に沿って延びた横溝部分と同横溝部分の一端から上記略直交する方向に対し傾斜して延びた斜溝部分とからなる第1案内溝と、筒状部材又は回転部材の他方の外周壁に設けられ軸線に対し略平行に延びた第2案内溝と、上記ノズル部材の外周面に直径方向に延在して突設され、上記第1及び第2案内溝に共通に挿通された摺動ピンとから構成されていることにより、構造的にコンパクトでバス等の空調ダクトに容易に取付けることが可能な吹出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調ダクトの吹出口に拡散形空気通路を有するオリフィスを配置した場合を示す概念的断面図である。
【図2】空調ダクトの吹出口にベルマウス形空気通路を有するノズル部材を配置した場合を示す概念的断面図である。
【図3】空調ダクトの吹出口にオリフィスとノズル部材とを配置した場合を示す概念的断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態における筒状部材及び基台の斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態における回転部材の斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態におけるノズル部材の斜視図である。
【図7】図4〜図6に示した部材を組付けオリフィスを作用させた状態の吹出装置を示す正面図である。
【図8】図7に示した吹出装置においてノズル部材を作用させた状態を示す正面図である。
【図9】図7に示した吹出装置の不作動時を示す正面図である。
【図10】軸線O−Oの右側に図7に示す状態を、左側に図8に示す状態を示した第1実施形態の断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態における筒状部材及び基台の斜視図である。
【図12】本発明の第2実施形態における回転部材の斜視図である。
【図13】軸線O−Oの右側にオリフィスの作動時を示し、左側にノズル部材の作動時を示した第2実施形態の断面図である。
【符号の説明】
10…空調ダクト、12…車室、14…吹出口(吹出し開口部)、16…オリフィス、18…拡散形空気通路、22…ベルマウス形空気通路、24…ノズル部材、26…筒状部材、26a…筒状部材の外周壁、28…基台、32…上方開口(第1流入口)、34…下方開口(第2流入口)、36…第1案内溝、36a…横溝部分、36b…斜溝部分、42…回転部材、42a及び42a′…回転部材の外周壁、44…第2案内溝、48…摺動ピン。
Claims (1)
- 空調ダクトに設けられ調温された空気を車室内に吹出す開口部に、同軸的にかつ相対回転可能に配設された筒状部材及び回転部材と、上記筒状部材内に軸線方向に摺動自在に嵌装され、その内部にダクト側より車室側の通路面積が小さく形成されたベルマウス形の空気通路を備えたノズル部材と、上記回転部材の車室側端部に設けられ、ダクト側から車室側に向い拡開した形状を有すると共に上記ノズル部材のベルマウス形空気通路と等価開口面積を有する空気通路を備えたオリフィスと、上記筒状部材及び回転部材の何れか一方を他方に対し回転させることにより上記ノズル部材を上記オリフィスに近接した第1位置と同オリフィスからダクト内方に離隔した第2位置との間で軸線方向に変位させるノズル移動機構と、上記筒状部材の外周壁に開設され、ノズル部材が上記第1位置にあるとき上記ダクトと同ノズル部材のベルマウス形空気通路とを連通させる第1流入口、及び上記ノズル部材が第2位置にあるとき上記ダクトと上記オリフィスの拡開した空気通路とを連通させる第2流入口とを備え、
上記ノズル移動機構が、上記筒状部材又は回転部材の外周壁に設けられ、上記軸線に対し略直交する方向に沿って延びた横溝部分と同横溝部分の一端から上記略直交する方向に対し傾斜して延びた斜溝部分とからなる第1案内溝と、上記筒状部材又は回転部材の他方の外周壁に設けられ軸線に対し略平行に延びた第2案内溝と、上記ノズル部材の外周面に直径方向に延在して突設され、上記第1及び第2案内溝に共通に挿通された摺動ピンとから構成されていることを特徴とする空調ダクトの吹出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000040307A JP3772625B2 (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | 空調ダクトの吹出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000040307A JP3772625B2 (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | 空調ダクトの吹出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001191790A JP2001191790A (ja) | 2001-07-17 |
JP3772625B2 true JP3772625B2 (ja) | 2006-05-10 |
Family
ID=18563706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000040307A Expired - Fee Related JP3772625B2 (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | 空調ダクトの吹出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3772625B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4467053B2 (ja) | 2004-09-07 | 2010-05-26 | 本田技研工業株式会社 | 空調装置 |
DE112016001567T5 (de) * | 2015-04-02 | 2017-12-28 | Denso Corporation | Klimatisierungseinheit für einen Fahrzeugsitz |
-
2000
- 2000-01-12 JP JP2000040307A patent/JP3772625B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001191790A (ja) | 2001-07-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6113483A (en) | Variable mode air distribution system | |
JPH0680015A (ja) | 自動車車室用暖房及び換気装置 | |
KR102007458B1 (ko) | 자율주행 차량을 위한 공기 처리 시스템 | |
JP6101065B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP2005170376A (ja) | 車両用空調システムの空気分配モジュール | |
JP2007203794A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP3772625B2 (ja) | 空調ダクトの吹出装置 | |
JP6627976B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP6508410B2 (ja) | 車両用空調ユニット | |
WO2021127314A1 (en) | Air distribution device for a vehicle seat | |
JP2002267246A (ja) | 風向調整装置 | |
JPH0930248A (ja) | 空気吹出しルーバ | |
JPH07156647A (ja) | 流体流吹出制御装置 | |
WO2009069148A1 (en) | Circular diffused air vent | |
JP2020069961A (ja) | 風向調整装置 | |
JP5243674B2 (ja) | 車両用配気装置 | |
JP2004016569A (ja) | 車両のシート構造 | |
JPH07172144A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP2017159861A (ja) | レジスタ | |
JPS5932325B2 (ja) | 自動車用空調装置 | |
JP2009120079A (ja) | 車両用シート空調装置 | |
CN217532491U (zh) | 车辆出风口结构、副仪表台及车辆 | |
KR102629327B1 (ko) | 차량용 공조장치 | |
JP2014113840A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP2513264B2 (ja) | 空気調和装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050829 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051011 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051209 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060124 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060206 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |