JP2009120079A - 車両用シート空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート位置変動に対応する可動構造部材を無くし、スペースや故障や組み付け性を有利としながら、乗員がシートを移動させてもシート空調性能を一定に保つことができる車両用シート空調装置を提供すること。
【解決手段】車載の空調ユニット6から乗員が着座するシート1,2のシート面に空調風を送るシート送風ファン3,4,5に空調風を送り込む送風ダクト7を備えた車両用シート空調装置である。車体フロア12のシート下部位置に配置した送風ダクト7の吹き出し口7aと、シートクッション1の下面位置に配置したシート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aは、離間して配置した。送風ダクト7の吹き出し口7aから空調風をシートクッション1の下面に向かって吹き出したとき、シートクッション1の位置調整範囲内での位置移動があっても、シート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aにより空調風の主流受けを許容する設定とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載の空調ユニットからシート送風ファンに空調風を送り込む送風ダクトを備えた車両用シート空調装置に関する。
従来、シート表面から空調風を吹き出すように構成された車両用シート空調装置としては、空調ユニットからの空調風をシートの真下まで送り込む送風ダクトを設け、この送風ダクトの吹き出し口とシートクッションに設けられたシート送風ファンの吸い込み口を、車両前後方向にスライドできるようにフレキシブルダクトにより接続したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、シート表面から空調風を吹き出すように構成された車両用シート空調装置としては、空調ユニットからの空調風を車室内に送り込む吹き出しグリルをインストルメントパネルに設け、この吹き出しグリルとシートクッションに設けられたシート送風ファンの間を接続せずに車室内空間に開放した空調風をシート送風ファンの吸込み口から吸い込むものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−30731号公報 特開2005−35477号公報
しかしながら、特開2001−30731号公報に記載された車両用シート空調装置にあっては、シートの位置変動に対応するスライド式のフレキシブルダクト等の可動構造部材をシートクッション下に設定する必要がある。このため、シートクッションの下に広いスペースが必要になると共に、シートの移動時に可動部品が故障原因となる場合がある。さらに、車体に設けられた送風ダクトの吹き出し口と、シートクッションに設けられたシート送風ファンの吸い込み口を、フレキシブルダクトにて連結する必要があり、シートの車体への組み付け性が低下する、という問題があった。
また、特開2005−35477号公報に記載された車両用シート空調装置にあっては、空調ユニットによって温度調整された冷風あるいは温風は、吹き出しグリルから車室内に拡散してしまう。このため、シートクッションに備えられたシート送風ファンから吸い込まれる空気は、空調ユニットによって温度調整された温度よりも車室温度に近い温度となり、それがシートから乗員に吹き出すことになる。すなわち、温度調整された冷風あるいは温風を応答良く体感するという本来のシート空調性能を確保することができない、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、シート位置変動に対応する可動構造部材を無くし、スペースや故障や組み付け性を有利としながら、乗員がシートを移動させてもシート空調性能を一定に保つことができる車両用シート空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、乗員が着座するシートのシート面に空調風を送るためのシート送風ファンと、車載の空調ユニットから前記シート送風ファンに空調風を送り込む送風ダクトを備えた車両用シート空調装置において、下記の配置・設定による構成を採用した。
前記送風ダクトの吹き出し口は、車体フロアのシート下部位置に配置する。
前記シート送風ファンの吸い込み口は、前記シートのシートクッションの下面位置に配置する。
前記送風ダクトの吹き出し口と前記シート送風ファンの吸い込み口は、離間して配置される。
前記シート送風ファンの吸い込み口は、前記送風ダクトの吹き出し口から空調風を前記シートクッションの下面に向かって吹き出したとき、前記シートクッションの位置調整範囲内での位置移動があっても空調風の主流受けを許容する設定とする。
よって、本発明の車両用シート空調装置にあっては、送風ダクトの吹き出し口とシート送風ファンの吸い込み口は、接続することなく離間して配置したため、シート位置変動に対応するスライド式のフレキシブルダクト等の可動構造部材が無くなる。このため、シートクッションの下に広いスペースが不要となると共に、シート移動時の可動部品が減少し故障が軽減できる。さらに、送風ダクトの吹き出し口とシート送風ファンの吸い込み口をフレキシブルダクト等にて連結する必要がなく、シートの車体フロアへの組み付け性が向上する。
一方、送風ダクトの吹き出し口とシート送風ファンの吸い込み口を離間して配置しているため、乗員がシートを前後上下に移動させると、車体フロアに固定された送風ダクトの吹き出し口と、シート送風ファンの吸い込み口の位置関係にズレが生じ、シート空調性能を一定に保つことができない。これに対し、送風ダクトの吹き出し口から空調風をシートクッションの下面に向かって吹き出したとき、シートクッションの位置調整範囲内での位置移動があっても、シート送風ファンの吸い込み口により空調風の主流受けを許容する設定としているため、乗員がシートを前後上下に移動させてもシート空調性能を一定に保つことができる。
この結果、シート位置変動に対応する可動構造部材を無くし、スペースや故障や組み付け性を有利としながら、乗員がシートを移動させてもシート空調性能を一定に保つことができる。
以下、本発明の車両用シート空調装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の車両用シート空調装置A1を示す全体システム図である。
実施例1の車両用シート空調装置A1は、図1に示すように、シートクッション1と、シートバック2と、シート送風ファン3,4,5と、空調ユニット6と、送風ダクト7と、ファンケーシング8と、ファン出口ダクト9と、シートクッション用ダクト10と、シートバック用ダクト11と、車体フロア12と、車室内空間13と、ファンコントローラ14(ファン制御手段)と、シートスライド位置センサ15(シートスライド位置検出手段)と、を備えている。
車両用シート空調装置A1は、乗員が着座するシートクッション1とシートバック2により構成されるシート(以下、全体をあらわすとき「シート1,2」という。)のシート面に空調風を送るためのシート送風ファン3,4,5と、車載の空調ユニット6から前記シート送風ファン3,4,5に空調風を送り込む送風ダクト7を備えている。
前記シート送風ファン3,4,5は、ファンケーシング8に設定され、該ファンケーシング8の連通路に連結されたファン出口ダクト9からシートクッション用ダクト10とシートバック用ダクト11が分岐され、これらのダクト9,10,11を介してシート面に空調風が送られる。前記シートクッション用ダクト10には、シートクッション1のシート面側に多数の空調風吹き出し口を有する。前記シートバック用ダクト11には、シートバック2のシート面側に多数の空調風吹き出し口を有する。
前記空調ユニット6は、ユニットケース内に、図外のブロワファンやエバポレータやヒータコアや各種のドア等を有するユニットである。そして、コントロールパネルに対する温度設定操作や吹き出しモードの選択操作に応じ、冷風と温風の混合による温調風を作りだし、この温調風をインストルメントパネルに設けられたグリルから車室内に向かって吹き出す。同時に、実施例1の場合、送風ダクト7を介して温調風をシートクッション1のシート面側に吹き出す。なお、空調ユニット6の作動時、シートクッション1のシート面側に温調風を吹き出すか、温調風の吹き出しを停止するかは、シート1,2に着座している乗員のスイッチ操作等により選択可能としても良い。
前記送風ダクト7は、その吹き出し口7aを、車体フロア12のシート下部位置に配置している。また、前記シート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aは、シートクッション1の下面位置に配置している。そして、前記送風ダクト7の吹き出し口7aと前記シート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aは、図1に示すように、接続することなく離間して配置している。つまり、送風ダクト7の吹き出し口7aとシート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aを、車室内空間13に開放している。
前記シート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aは、前記送風ダクト7の吹き出し口7aから空調風を前記シートクッション1の下面に向かって吹き出したとき、前記シートクッション1の位置調整範囲内での位置移動があっても空調風の主流受けを許容する設定とされる。実施例1では、図1に示すように、3個のシート送風ファン3,4,5のうち、前記送風ダクト7からの空調風を最も強く受ける主吸い込みファンを選定することにより、前記シートクッション1の位置調整範囲内での位置移動があっても空調風の主流を受ける設定としている。
前記ファンコントローラ14は、3個のシート送風ファン3,4,5のうち、シートクッション1の位置に応じて送風ダクト7からの空調風を最も強く受ける主吸い込みファンを選定し、選定した主吸い込みファンのファン回転数と、それ以外のシート送風ファンとで回転数に差を持たせる制御を行う。
実施例1では、送風ダクト7の吹き出し口7aを、車体フロア12のシート下部位置から真上方向に空調風を吹き出す配置としている。このため、シートリフタ位置変動によって送風ダクト7から送られる空調風を受けるシート送風ファン3,4,5の位置に変動は生じない。したがって、シートバック1の車体フロア12に対する車両前後方向の位置を検出するシートスライド位置センサ15のみを設けている。
前記シートスライド位置センサ15からのシートスライド位置情報を入力するファンコントローラ14は、吹き出し風受け位置計算部14aと主吸い込みファン選定部14bとファン回転数制御部14cを有する。前記吹き出し風受け位置計算部14aは、シートスライド位置センサ15により検出されたシートスライド位置に基づき、吹き出し風の受け位置を計算する。前記主吸い込みファン選定部14bは、計算された吹き出し風受け位置により主吸い込みファンを選定する。前記ファン回転数制御部14cは、選定された主吸い込みファンを、シート空調での必要風量を得る回転数で稼働させ、該主吸い込みファン以外のシート送風ファンを、主吸い込みファンからの風圧を連通路付近にて打ち消す程度の風圧を発生させる回転数で稼働させる制御指令を各シート送風ファン3,4,5のファンモータに対し出力する。
図2は実施例1の車両用シート空調装置A1の3個のシート送風ファン周辺構造と空気の流れを示す概略図である。
前記3個のシート送風ファン3,4,5は、ファンケーシング8を隔壁16,17によって仕切ることでシート送風ファン3,4,5毎のファン室18,19,20を構成している。そして、前記各ファン室18,19,20は、シートクッション用ダクト10及びシートバック用ダクト11につながる1つの通風路21によって連結されている。
前記前記各ファン室18,19,20と通風路21とは、連通路22,23,24により連通されている。
次に、作用を説明する。
実施例1の車両用シート空調装置A1における作用を、「シート空調作用」、「空調風の車室内空間開放作用」、「安定したシート空調性能確保作用」、「ファン回転数制御作用」に分けて説明する。
[シート空調作用]
空調ユニット6から送風ダクト7を経過し、送風ダクト7の吹き出し口7aからシートクッション1の下方から真上に向けて空調ユニット6にて作り出された空調風が吹き出される。このとき、例えば、図1に示すように、3個のシート送風ファン3,4,5のうち、中央のシート送風ファン4が主吸い込みファンとして選定されていると、必要風量を得る回転数で稼働しているシート送風ファン4の吸い込み口4aにより、送風ダクト7の吹き出し口7aからの空調風を吸い込む。そして、シート送風ファン4から吸い込まれた空調風は、ファン室19と連通路23と通風路21とファン出口ダクト9を順に通過し、シートクッション用ダクト10とシートバック用ダクト11に分岐する。そして、シートクッション用ダクト10を通過してシートクッション1のシート表面から乗員に向けて空調風が吹き出されると共に、シートバック用ダクト11を通過してシートバック2のシート表面から乗員に向けて空調風が吹き出される。
したがって、例えば、冬期に車両に乗り込み空調ユニット6による暖房運転を開始するウォームアップ時には、シート1,2に着座した乗員は、シートクッション1のシート表面から吹き出される温風を太腿部や臀部に受け、シートバック2のシート表面から吹き出される温風を背中に受け、車室内空間13の全体が空調ユニット6により暖まるまで待つ場合に比べ、応答性の高い良好な暖房フィーリングを体感することができる。
また、例えば、夏期に車両に乗り込み空調ユニット6による冷房運転を開始するクールダウン時には、シート1,2に着座した乗員は、シートクッション1のシート表面から吹き出される冷風を太腿部や臀部に受け、車室内空間13の全体が空調ユニット6により冷えるまで待つ場合に比べ、シートバック2のシート表面から吹き出される冷風を背中に受け、応答性の高い良好な冷房フィーリングを体感することができる。
[空調風の車室内空間開放作用]
実施例1の車両用シート空調装置A1にあっては、送風ダクト7の吹き出し口7aとシート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aは、接続することなく離間して配置している。このため、シート位置変動に対応するように、特開2001−30731号公報等に記載される従来技術にて採用されていたスライド式のフレキシブルダクト等の可動構造部材を、車両用シート空調装置A1から無くすることができる。
したがって、シートクッション1の下に広いスペースが不要となると共に、シート移動時の可動部品が減少し故障が軽減できる。さらに、送風ダクト7の吹き出し口7aとシート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aをフレキシブルダクト等にて連結する必要がなく、シート1,2の車体フロア12への組み付け性が向上する。
[安定したシート空調性能確保作用]
実施例1の車両用シート空調装置A1は、送風ダクト7の吹き出し口7aとシート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aを離間して配置し、車室内空間13に開放しているため、乗員がシート1,2を前後方向や上下方向に移動させると、車体フロア12に固定された送風ダクト7の吹き出し口7aと、シート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aの位置関係にズレが生じ、シート空調性能を一定に保つことができない。
これに対し、送風ダクト7の吹き出し口7aから空調風をシートクッション1の下面に向かって吹き出したとき、シートクッション1の位置調整範囲内での位置移動があっても、シート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aにより空調風の主流受けを許容する設定としている。つまり、シート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aを、シートクッション1の下面位置の車両前後方向に3個列設する設定としている。
したがって、乗員がシート1,2を前後上下に移動させても、送風ダクト7の吹き出し口7aからの吹き出し空調風を最も強く受ける主吸い込みファンを、3個のシート送風ファン3,4,5から選定し、当該ファンの回転数を他のファンより高くすることによって空調風が効率的にシート内部に吸い込まれる。この結果、シート1,2を前後上下に移動させても、シート空調性能を一定に保つことができる。
[ファン回転数制御作用]
シート送風ファン3,4,5のファン回転数は、シートスライド位置センサ15からのシートスライド位置情報を入力するファンコントローラ14により制御される。すなわち、ファンコントローラ14の吹き出し風受け位置計算部14aにおいて、シートスライド位置センサ15により検出されたシートスライド位置に基づき、送風ダクト7の吹き出し口7aからの空調吹き出し風の受け位置が計算される。そして、ファンコントローラ14の主吸い込みファン選定部14bにおいて、計算された送風ダクト7の吹き出し口7aからの空調吹き出し風受け位置により、空調風を最も強く受ける主吸い込みファンが選定される。そして、ファンコントローラ14のファン回転数制御部14cにおいて、選定された主吸い込みファンのファンモータに対し、シート空調での必要風量を得る回転数で稼働させる制御指令を出力する。同時に、主吸い込みファン以外のシート送風ファンのファンモータに対し、主吸い込みファンからの風圧を連通路付近にて打ち消す程度の風圧を発生させる回転数で稼働させる制御指令を出力する。
主吸い込みファン選定部14bでは、3個のシート送風ファン3,4,5のうち、送風ダクト7の吹き出し口7aの延長上に最も近い位置に吸い込み口を有するファン、すなわち空調ユニット6からの空調風を最も強く受けるシート送風ファンを、主吸い込みファンとして選定する。実施例1の送風ダクト7の吹き出し口7aは、車体フロア12の固定位置に、しかも、真上を向いて設定している。このため、送風ダクト7の吹き出し口7aとシート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aの位置関係は、シートリフタ位置により変動せず、シートスライド位置のみにより変動する。そこで、シート1,2の車両前後方向の位置変化を、シートスライド位置センサ15により検出することで、空調風を最も強く受ける主吸い込みファンの選定を行うことができる。
次に、送風ダクト7からの空調風を最も強く受け、最も回転数を高く制御される主吸い込みファンから吸い込まれた空調風を、他のシート送風ファンから外部に漏らすことを防止する作用について説明する。
図2に3個のシート送風ファン3,4,5のうち、シート送風ファン4を主吸い込みファンとした場合の周辺構造と空気の流れを示す。シート送風ファン4以外のシート送風ファン3,5は、通風路21への入り口付近(連通路22,24付近)において中央のシート送風ファン4からの空調風による風圧(図2の斜線矢印)を丁度打ち消す程度の風圧(図2の白抜き矢印)を発生させる回転数(シート送風ファン4より低い回転数)で回転させる。この対向する風圧による打ち消し作用によって、シート送風ファン3,5から通風路21への空気の移動を防ぐことができ、効率的に中央部のシート送風ファン4からの空調風を、シート内部に運ぶことが可能となる。
このため、例えば、図2に示すように、主吸い込みファンであるシート送風ファン4の吸い込み口4aからシートに吸い込まれた空調風が、その他のシート送風ファン3,5の吸い込み口3a,5aから逆流して車室内に放出することを防止できる。これは、その他のシート送風ファン3,5にて車室内空間13から吸引して吐出する風と、シート送風ファン4が吐出する空調風の逆流が、連通路22,24付近において釣り合って無風状態となり、シャッターが閉じたと同様の効果を生み出すことによる。
実施例1では、各々のシート送風ファン3,4,5が独立した部屋によるファン室18,19,20で区切られて配置されている。このため、ファン室18,19,20の相互間の空気移動が制限され、温度の異なる空気が混ざり合うことなく、空調ユニット6からの風を最も強く受けるシート送風ファンから吸い込んだ空気を、他のシート送風ファンから外に逆流させることを防止できる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用シート空調装置A1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 乗員が着座するシート1,2のシート面に空調風を送るためのシート送風ファン3,4,5と、車載の空調ユニット6から前記シート送風ファン3,4,5に空調風を送り込む送風ダクト7を備えた車両用シート空調装置において、前記送風ダクト7の吹き出し口7aを、車体フロア12のシート下部位置に配置し、前記シート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aを、前記シート1,2のシートクッション1の下面位置に配置し、前記送風ダクト7の吹き出し口7aと前記シート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aは、離間して配置され、前記シート送風ファン3,4,5の吸い込み口3a,4a,5aは、前記送風ダクト7の吹き出し口7aから空調風を前記シートクッション1の下面に向かって吹き出したとき、前記シートクッション1の位置調整範囲内での位置移動があっても空調風の主流受けを許容する設定としたため、シート位置変動に対応する可動構造部材を無くし、スペースや故障や組み付け性を有利としながら、乗員がシート1,2を移動させてもシート空調性能を一定に保つことができる。
(2) 前記シート送風ファン3,4,5は、前記シートクッション1の下面位置の車両前後方向に並べて3個設け、前記3個のシート送風ファン3,4,5のうち、前記送風ダクト7からの空調風を最も強く受ける主吸い込みファンを選定することにより、前記シートクッション1の位置調整範囲内での位置移動があっても空調風の主流を受ける設定としたため、標準位置からシート位置を前後移動させてのシート位置変動に対する空調風の主流を受けるシート送風ファン選択の精度を向上させることができるし、シート空調性能も向上させることができる。
ちなみに、シート送風ファンの設定数は、2個以上であればよく、その数が増すのに従ってシート位置変動に対する空調風の主流受けるファン選択の精度が向上するし、シート空調性能も向上する。
(3) 前記3個のシート送風ファン3,4,5は、隔壁16,17によって仕切ることでシート送風ファン3,4,5毎のファン室18,19,20を構成し、前記各ファン室18,19,20は、シートクッション用ダクト10及びシートバック用ダクト11につながる1つの通風路21によって連結されているため、ファン室18,19,20相互間の空気の移動が制限され、温度の異なる空気が混ざり合うことなく、空調ユニット6からの空調風を最も強く受ける主吸い込みファンから吸い込んだ空気を、他のシート送風ファンから外に逆流させることを防止することができる。
(4) 前記3個のシート送風ファン3,4,5のうち、前記シートクッション1の位置に応じて前記送風ダクト7からの空調風を最も強く受ける主吸い込みファンを選定し、選定した主吸い込みファンのファン回転数と、それ以外のシート送風ファンとで回転数に差を持たせるファンコントローラ14を設けたため、空調ユニット6からの風を最も強く受けるシート送風ファンの吸い込み口からシート1,2に吸い込まれた空調風が、その他のシート送風ファンの吸い込み口から逆流して車室内空間13に放出することを防止することができる。
(5) 前記ファンコントローラ14は、選定された主吸い込みファンを、シート空調での必要風量を得る回転数で稼働させ、該主吸い込みファン以外のシート送風ファンを、主吸い込みファンからの風圧を連通路付近にて打ち消す程度の風圧を発生させる回転数で稼働させるファン回転数制御部14cを有するため、主吸い込みファン以外のシート送風ファンの連通路付近ではシャッターが閉じたと同様の効果を生み出し、シャッターやドア等を用いることなく、主吸い込みファンをシート空調での必要風量を得る回転数に制御することができる。
(6) 前記送風ダクト7の吹き出し口7aを、車体フロア12のシート下部位置から真上方向に空調風を吹き出す配置とし、前記シート1,2の車体フロア12に対する車両前後方向の位置を検出するシートスライド位置センサ15を設け、前記ファンコントローラ14は、検出されたシートスライド位置に基づき、吹き出し風の受け位置を計算する吹き出し風受け位置計算部14aと、計算された吹き出し風受け位置により主吸い込みファンを選定する主吸い込みファン選定部14bと、を有するため、シート1,2の車体フロア12に対する車両前後方向の位置の変化をシートスライド位置センサ15により検出するだけで、空調風を最も強く受ける主吸い込みファンを精度良く選定することができる。
実施例2は、送風ダクトから斜め方向に空調風を吹き出すと共に、各ファン室と通風路の間の連通路の位置に開閉弁を設けた例である。
まず、構成を説明する。
図3は実施例2の車両用シート空調装置A2を示す全体システム図である。図4は実施例2の車両用シート空調装置A2の3個のシート送風ファン周辺構造を示す概略図である。
実施例2の車両用シート空調装置A2は、図3に示すように、シートクッション1と、シートバック2と、シート送風ファン3,4,5と、空調ユニット6と、送風ダクト7と、ファンケーシング8と、ファン出口ダクト9と、シートクッション用ダクト10と、シートバック用ダクト11と、車体フロア12と、車室内空間13と、ファンコントローラ14(ファン制御手段)と、シートスライド位置センサ15(シートスライド位置検出手段)と、シートリフタ位置センサ25(シートリフタ位置検出手段)と、第1電磁弁26(開閉弁)と、第2電磁弁27(開閉弁)と、第3電磁弁28(開閉弁)と、を備えている。
前記送風ダクト7の吹き出し口7bは、図3に示すように、車体フロア12のシート下部位置から斜め方向に空調風を吹き出す配置としている。これは、例えば、車両レイアウト等の問題により、送風ダクト7をシートクッション1の真下に配置することができず、シートクッション1の下前方から斜め上後方に向けて設定したことによる。
この場合、送風ダクト7の吹き出し口7bからの空調風の向きに対してシート送風ファン3,4,5が前後及び上下に移動するため、シート前後位置及びシート上下位置を検出して空調風を最も強く受ける主吸い込みファンを選定する必要がある。したがって、図3に示すように、シート1,2の車体フロア12に対する車両前後方向の位置を検出するシートスライド位置センサ15と、シート1,2の車体フロア12に対する車両上下方向の位置を検出するシートリフタ位置センサ25を設けている。
前記ファンコントローラ14は、検出されたシートスライド位置とシートリフタ位置に基づき、吹き出し風の受け位置を計算する吹き出し風受け位置計算部14aと、計算された吹き出し風受け位置により主吸い込みファンを選定する主吸い込みファン選定部14bと、を有する。
実施例2の車両用シート空調装置A2は、図4に示すように、各ファン室18,19,20と通風路21の間の連通路22,23,24の位置に、それぞれ第1電磁弁26と第2電磁弁27と第3電磁弁28を設けている。
この各電磁弁26,27,28の設定に伴い、ファンコントローラ14は、図3に示すように、選定された主吸い込みファンの電磁弁を開き、該主吸い込みファン以外のシート送風ファンの電磁弁を閉じる弁制御部14dを有する。そして、ファンコントローラ14は、選定された主吸い込みファンを、シート空調での必要風量を得る回転数で稼働させ、該主吸い込みファン以外のシート送風ファンを停止させるファン回転数制御部14cを有する。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例2の車両用シート空調装置A2における「主吸い込みファンの選定作用」、「電磁弁開閉制御及びファン回転数制御作用」を説明する。なお、「シート空調作用」、「空調風の車室内空間開放作用」、「安定したシート空調性能確保作用」については、実施例1と同様の作用を示すので説明を省略する。
[主吸い込みファンの選定作用]
車両レイアウト等の問題より送風ダクト7をシートクッション1の直下に設定できずに、シートクッション1の下前方から斜め上後方に向けて設定した場合の主吸い込みファンの選定について説明する。
この場合、送風ダクト7の吹き出し口7bからの空調風の向きに対し、シート送風ファン3,4,5が前後に移動した場合、実施例1と同様に、送風ダクト7からの空調風を最も強く受ける主吸い込みファンが変動する。また、シート送風ファン3,4,5が上下に移動した場合も、送風ダクト7からの空調風を最も強く受ける主吸い込みファンが変動する。したがって、シート前後位置及びシート上下位置を検出して空調風を最も強く受ける主吸い込みファンを選定する必要がある。
これに対し、実施例2では、シートスライド位置センサ15に、シートリフタ位置センサ25を加えた設定としている。そして、ファンコントローラ14の吹き出し風受け位置計算部14aにおいて、検出されたシートスライド位置とシートリフタ位置に基づき、吹き出し風の受け位置を計算する。さらに、ファンコントローラ14の主吸い込みファン選定部14bにおいて、計算された吹き出し風受け位置により主吸い込みファンを選定するようにしている。
したがって、シート1,2が乗員により前後方向及び上下方向に移動調整されたとしても、シートスライド位置センサ15及びシートリフタ位置センサ25によってそれぞれシート前後位置及びシート上下位置を検出し、3個のシート送風ファン3,4,5のうち、最も強く風を受ける主吸い込みファンを適切に選定することができる。
[電磁弁開閉制御及びファン回転数制御作用]
実施例2では、シート送風ファン3,4,5の相互間の空気の移動を防ぐ手法として、各ファン室18,19,20と通風路21の間の連通路22,23,24の位置に、それぞれ第1電磁弁26と第2電磁弁27と第3電磁弁28を設けた手法を採用している。
この各電磁弁26,27,28の設定に伴い、ファンコントローラ14の弁制御部14dにおいて、選定された主吸い込みファンの電磁弁を開き、該主吸い込みファン以外のシート送風ファンの電磁弁を閉じる制御が行われる。そして、ファンコントローラ14のファン回転数制御部14cにおいて、選定された主吸い込みファンを、シート空調での必要風量を得る回転数で稼働させ、該主吸い込みファン以外のシート送風ファンを停止させる制御が行われる。
したがって、この実施例2によれば、電磁弁を閉じることによって、空調ユニット6からの風を最も強く受ける主吸い込みファンを、その他のシート送風ファンから完全に遮断できるので、実施例1より一層、主吸い込みファンにより吸い込んだ空気を、他のシート送風ファンから車室内空間13に漏洩させることを防止することができる。
さらに、3個のシート送風ファン3,4,5のうち、送風ダクト7からの空調風を最も強く受ける主吸い込みファンのみを稼働とし、他のシート送風ファンの回転は停止させるようにしているため、3個のシート送風ファン3,4,5を稼働させる実施例1に比べ、電力消費を節約することができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用シート空調装置A2にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記に列挙する効果を得ることができる。
(7) 前記送風ダクト7の吹き出し口7bを、車体フロア12のシート下部位置から斜め方向に空調風を吹き出す配置とし、前記シート1,2の車体フロア12に対する車両前後方向の位置を検出するシートスライド位置センサ15と、前記シート1,2の車体フロア12に対する車両上下方向の位置を検出するシートリフタ位置センサ25を設け、前記ファンコントローラ14は、検出されたシートスライド位置とシートリフタ位置に基づき、吹き出し風の受け位置を計算する吹き出し風受け位置計算部14aと、計算された吹き出し風受け位置により主吸い込みファンを選定する主吸い込みファン選定部14bと、を有するため、車両レイアウト等の問題より送風ダクト7をシートクッション1の下前方から斜め上後方に向けて設定した場合においても、シートスライド位置とシートリフタ位置に基づき精度良く主吸い込みファンの選定を行うことができる。
(8) 前記各ファン室18,19,20と前記通風路21の間の連通路22,23,24の位置に第1電磁弁26と第2電磁弁27と第3電磁弁28を設け、前記ファンコントローラ14は、選定された主吸い込みファンの電磁弁を開き、該主吸い込みファン以外のシート送風ファンの電磁弁を閉じる弁制御部14dと、選定された主吸い込みファンを、シート空調での必要風量を得る回転数で稼働させ、該主吸い込みファン以外のシート送風ファンを停止させるファン回転数制御部14cと、を有するため、空調ユニット6からの風を最も強く受ける主吸い込みファンをその他のシート送風ファンから完全に遮断でき、実施例1より一層、吸い込んだ空気を他のシート送風ファンから車室内空間13に漏洩させることを防止することができる。
実施例3は、複数個のシート送風ファンを軸流ファンとし、ファン停止中、検出されたファン回転に基づき主吸い込みファンを選定するようにした例である。
まず、構成を説明する。
図5は実施例3の車両用シート空調装置A3を示す全体システム図である。
実施例3の車両用シート空調装置A3は、図5に示すように、シートクッション1と、シートバック2と、シート送風ファン3’,4’,5’と、空調ユニット6と、送風ダクト7と、ファンケーシング8と、ファン出口ダクト9と、シートクッション用ダクト10と、シートバック用ダクト11と、車体フロア12と、車室内空間13と、ファンコントローラ14(ファン制御手段)と、ファン回転センサ35(ファン回転検出手段)と、を備えている。
前記3個のシート送風ファン3’,4’,5’は、プロペラファン等のように、風を受けて回転する軸流ファンである。
前記ファン回転センサ35は、前記3個のシート送風ファン3’,4’,5’が停止中、空調ユニット6から送風ダクト7を経過して吹き出される空調風によるファン回転を検出する。このファン回転センサ35としては、タコジェネレータやパルスジェネレータ等の電気的な回転センサが用いられる。
前記ファンコントローラ14は、前記ファン回転センサ35により検出されたファン回転に基づき、3個のファンモータのうち、ファン回転数が最も高いシート送風ファンを、主吸い込みファンとして選定する主吸い込みファン選定部14bを有する。また、ファン回転数制御部14cは、選定された主吸い込みファンを、シート空調での必要風量を得る回転数で稼働させる。主吸い込みファン以外のシート送風ファンについては、実施例1のようにドア無し構造の場合には、主吸い込みファンからの風圧を連通路付近にて打ち消す程度の風圧を発生させる回転数で稼働させる。実施例2のように逆流防止弁を設ける場合には、主吸い込みファン以外のシート送風ファンを停止させる。つまり、実施例3のファンコントローラ14は、実施例1,2における吹き出し風受け位置計算部14aを省略している。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例3の車両用シート空調装置A3における「主吸い込みファンの選定作用」を説明する。なお、「シート空調作用」、「空調風の車室内空間開放作用」、「安定したシート空調性能確保作用」や他の作用については、実施例1,2と同様の作用を示すので説明を省略する。
[主吸い込みファンの選定作用]
実施例3では、3個のシート送風ファンとして、プロペラファンのようにシート下側からの風によって容易に回転可能な軸流ファンを選定している。このように、軸流ファンを選定するようにしたため、空調始動時に、ファン回転センサ35により最も回転数が高いシート送風ファンを認識することによって、3個のシート送風ファンのうち、いずれのファンが空調ユニット6の送風ダクト7からの空調風を最も強く受けるかを判定することができる。この場合は、シート位置を検出する必要がないので、実施例1,2で用いたシートスライド位置センサ15及びシートリフタ位置センサ25が不要となる。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用シート空調装置にあっては、実施例1の(2)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(9) 前記3個のシート送風ファン3’,4’,5’は、風を受けて回転する軸流ファンであり、前記3個のシート送風ファン3’,4’,5’の停止中、ファン回転を検出するファン回転センサ35を設け、前記ファンコントローラ14は、検出されたファン回転に基づき、主吸い込みファンを選定する主吸い込みファン選定部14bを有するため、機械的なシート位置検出装置を電気的な回転センサに置き換えることができ、構造の簡略化を図ることができる。
以上、本発明の車両用シート空調装置を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜3では、車両前後方向に3個のシート送風ファンを配置し、シート送風ファンの吸い込み口により空調風の主流受けを許容する設定とする例を示したが、車両前後方向に2個のシート送風ファン、あるいは、4個以上のシート送風ファンを配置するようにしても良い。さらに、シート送風ファンとしては、1個のシート送風ファンをシートクッションに対しアクチュエータにより車両前後方向へ移動可能に配置し、シート調整操作に合わせて1個のシート送風ファンの車両前後方向位置を移動させ、送風ダクトとの位置関係を変えないような例としても良い。また、送風ダクトの吹き出し口とシートクッションに設定した1個のシート送風ファンの吸い込み口をオーバーラップさせることなく隙間を設定し、かつ、シート送風ファンの吸い込み口の開口形状を、車両前後方向の辺を長辺とする長方形・長円形・楕円形等の開口形状としても良い。
実施例2では、開閉弁として電磁弁を用いる例を示したが、シート側への流れのみを許す逆流防止弁(一方向弁)を設けるようにしても良い。この場合、機械的な弁動作により逆流が防止されるため、電気的な弁制御を要しない。
要するに、車体フロアのシート下部位置に配置した送風ダクトの吹き出し口と、シートのシートクッションの下面位置に配置したシート送風ファンの吸い込み口は、接続することなく車室内空間に開放し、送風ダクトの吹き出し口から空調風をシートクッションの下面に向かって吹き出したとき、シートクッションの位置調整範囲内での位置移動があっても、シート送風ファンの吸い込み口により空調風の主流受けを許容する設定としたものであれば、具体的な構成は実施例1に限られることはない。
実施例1〜3では、自動車のフロントシート(運転席や助手席)に対し本発明の車両用シート空調装置を適用する例を示したが、ワンボックス車等の二列目や三列目のリアシートに対しても適用することができるし、自動車以外の鉄道車両等のシートにも適用することができる。要するに、乗員が着座するシートのシート面に空調風を送るためのシート送風ファンと、車載の空調ユニットからシート送風ファンに空調風を送り込む送風ダクトを備えた車両用シート空調装置であれば適用できる。
実施例1の車両用シート空調装置A1を示す全体システム図である。 実施例1の車両用シート空調装置A1の3個のシート送風ファン周辺構造と空気の流れを示す概略図である。 実施例2の車両用シート空調装置A2を示す全体システム図である。 実施例2の車両用シート空調装置A2の3個のシート送風ファン周辺構造を示す概略図である。 実施例3の車両用シート空調装置A3を示す全体システム図である。
符号の説明
A1,A2,A3 車両用シート空調装置
1 シートクッション
2 シートバック
3,4,5,3’,4’,5’ シート送風ファン
3a,4a,5a 吸い込み口
6 空調ユニット
7 送風ダクト
7a,7b 吹き出し口
8 ファンケーシング
9 ファン出口ダクト
10 シートクッション用ダクト
11 シートバック用ダクト
12 車体フロア
13 車室内空間
14 ファンコントローラ(ファン制御手段)
14a 吹き出し風受け位置計算部
14b 主吸い込みファン選定部
14c ファン回転数制御部
14d 弁制御部
15 シートスライド位置センサ(シートスライド位置検出手段)
16,17 隔壁
18,19,20 ファン室
21 通風路
22,23,24 連通路
25 シートリフタ位置センサ(シートリフタ位置検出手段)
26 第1電磁弁(開閉弁)
27 第2電磁弁(開閉弁)
28 第3電磁弁(開閉弁)
35 ファン回転センサ(ファン回転検出手段)

Claims (9)

  1. 乗員が着座するシートのシート面に空調風を送るためのシート送風ファンと、車載の空調ユニットから前記シート送風ファンに空調風を送り込む送風ダクトを備えた車両用シート空調装置において、
    前記送風ダクトの吹き出し口を、車体フロアのシート下部位置に配置し、
    前記シート送風ファンの吸い込み口を、前記シートのシートクッションの下面位置に配置し、
    前記送風ダクトの吹き出し口と前記シート送風ファンの吸い込み口は、離間して配置され、
    前記シート送風ファンの吸い込み口は、前記送風ダクトの吹き出し口から空調風を前記シートクッションの下面に向かって吹き出したとき、前記シートクッションの位置調整範囲内での位置移動があっても空調風の主流受けを許容する設定としたことを特徴とする車両用シート空調装置。
  2. 請求項1に記載された車両用シート空調装置において、
    前記シート送風ファンは、前記シートクッションの下面位置の車両前後方向に並べて複数個設け、
    前記複数個のシート送風ファンのうち、前記送風ダクトからの空調風を最も強く受ける主吸い込みファンを選定することにより、前記シートクッションの位置調整範囲内での位置移動があっても空調風の主流を受ける設定としたことを特徴とする車両用シート空調装置。
  3. 請求項2に記載された車両用シート空調装置において、
    前記複数個のシート送風ファンは、隔壁によって仕切ることでシート送風ファン毎のファン室を構成し、
    前記各ファン室は、シートクッション用ダクト及びシートバック用ダクトにつながる1つの通風路によって連結されていることを特徴とする車両用シート空調装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載された車両用シート空調装置において、
    前記複数個のシート送風ファンのうち、前記シートクッションの位置に応じて前記送風ダクトからの空調風を最も強く受ける主吸い込みファンを選定し、選定した主吸い込みファンのファン回転数と、それ以外のシート送風ファンとで回転数に差を持たせるファン制御手段を設けたことを特徴とする車両用シート空調装置。
  5. 請求項4に記載された車両用シート空調装置において、
    前記ファン制御手段は、選定された主吸い込みファンを、シート空調での必要風量を得る回転数で稼働させ、該主吸い込みファン以外のシート送風ファンを、主吸い込みファンからの風圧を連通路付近にて打ち消す程度の風圧を発生させる回転数で稼働させるファン回転数制御部を有することを特徴とする車両用シート空調装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載された車両用シート空調装置において、
    前記送風ダクトの吹き出し口を、車体フロアのシート下部位置から真上方向に空調風を吹き出す配置とし、
    前記シートの車体フロアに対する車両前後方向の位置を検出するシートスライド位置検出手段を設け、
    前記ファン制御手段は、検出されたシートスライド位置に基づき、吹き出し風の受け位置を計算する吹き出し風受け位置計算部と、計算された吹き出し風受け位置により主吸い込みファンを選定する主吸い込みファン選定部と、を有することを特徴とする車両用シート空調装置。
  7. 請求項4に記載された車両用シート空調装置において、
    前記送風ダクトの吹き出し口を、車体フロアのシート下部位置から斜め方向に空調風を吹き出す配置とし、
    前記シートの車体フロアに対する車両前後方向の位置を検出するシートスライド位置検出手段と、前記シートの車体フロアに対する車両上下方向の位置を検出するシートリフタ位置検出手段を設け、
    前記ファン制御手段は、検出されたシートスライド位置とシートリフタ位置に基づき、吹き出し風の受け位置を計算する吹き出し風受け位置計算部と、計算された吹き出し風受け位置により主吸い込みファンを選定する主吸い込みファン選定部と、を有することを特徴とする車両用シート空調装置。
  8. 請求項7に記載された車両用シート空調装置において、
    前記各ファン室と前記通風路の間の連通路の位置に開閉弁を設け、
    前記ファン制御手段は、選定された主吸い込みファンの開閉弁を開き、該主吸い込みファン以外のシート送風ファンの開閉弁を閉じる弁制御部と、選定された主吸い込みファンを、シート空調での必要風量を得る回転数で稼働させ、該主吸い込みファン以外のシート送風ファンを停止させるファン回転数制御部と、を有することを特徴とする車両用シート空調装置。
  9. 請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載された車両用シート空調装置において、
    前記複数個のシート送風ファンは、風を受けて回転する軸流ファンであり、
    前記複数個のシート送風ファンの停止中、ファン回転を検出するファン回転検出手段を設け、
    前記ファン制御手段は、検出されたファン回転に基づき、主吸い込みファンを選定する主吸い込みファン選定部を有することを特徴とする車両用シート空調装置。
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