JP3772533B2 - 変速機付回転工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速装置、特に遊星機構を利用したドリル、ドライバー等の変速機付回転工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
変速装置において、遊星機構の構成部材における遊転自在のインターナルギアを固定するか、遊星ギアを支持するキャリアと連結してキャリアと一体に回転するかによって変速を行うようにしたものが知られている。このようなものではインターナルギアを固定すると、通常の遊星機構としての減速を行うが、インターナルギアをキャリアと連結した時には太陽ギアとキャリアとを直結したこととなり、減速を行わないものとすることができるという特徴を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のものではインターナルギアそのものを軸方向に摺動させて、ギアケース側に設けられた固定部材に噛み合わせることでインターナルギアの固定を行い、そして同じくインターナルギアを逆方向に摺動させてキャリアの係合歯に噛み合わせることでキャリアとの連結を行っている。
【0004】
この変速機構では、本体機能であるトルクリミット機構を動作させたとき、あるいは外部操作子による変速切り換えを行ったとき、以下の問題がある。つまり、インターナルギアの材質は、例えばプラスチックPA66等の合成樹脂製であり、一方、キャリアの材質は例えば鉄系焼結合金等の金属製であり、トルクリミッター動作時(クラッチ動作時)及び動作中の変速切り換え時に、インターナルギアとキャリアとの係合歯部が磨耗したり、また変速切り換え時における係合側歯面の衝突による面潰れが発生するという問題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トルクリミッター動作及び動作中の変速切り換え寿命を長く延ばすことができ、さらに動作中の変速が良好に行え、変速時の騒音も少なく、確実な変速切り換えができて安定した変速機付回転工具を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、電動機の出力に複数段の遊星機構を設け、前段の遊星機構が、モータの出力軸20に固着された前段の太陽ギア31と、ギアケース6内面に固着された固定部材Bと、前段の太陽ギア31と固定部材Bの両者に噛み合う複数個の前段の遊星ギア32と、前段の各遊星ギア32を支持する遊星ギア軸を備えた前段のキャリアDとからなり、後段の遊星機構が、上記前段のキャリアDに一体に形成された後段の太陽ギア35と、ギアケース6内に軸方向に移動可能に配置されたインターナルギアAと、複数個の後段の遊星ギア36と、後段の各遊星ギア35を支持する遊星ギア軸36aを備えると共にトルク伝達部となる太陽ギア40が一体に形成された後段のキャリアCとからなり、上記インターナルギアAに設けた係合部99と係合する被係合部51を隣合う固定部材Bと後段のキャリアCとにそれぞれ設け、インターナルギアAを移動させてインターナルギアAを固定部材Bに固定するか、後段のキャリアCに一体化するかを切り換えて変速を行うようにしたものであって、ギアケース6に対して軸方向に移動自在な外部操作用の外部操作子58を設け、外部操作子58をインターナルギアAに係合させた変速機付回転工具において、後段のキャリアCにおける少なくとも被係合部51を合成樹脂で形成すると共に少なくとも上記トルク伝達部となる太陽ギア40及び上記後段の各遊星ギア36を支持する遊星ギア軸36aを金属で形成し、該弾性率の異なる材料で複合形成された後段のキャリアCの被係合部51に係合するインターナルギアAの係合部99を合成樹脂で形成したことを特徴としており、このように構成することで、振動等による係合部99の面磨耗の発生を未然に防止でき、トルクリミッター動作寿命及び動作中の変速切り換え寿命を長く延ばすことができると共に、後段のキャリアCによるトルク伝達が損失なく行われ、従って、変速時の変速音を低減でき、動作中の良好な変速ができるようになる。
【0007】
また上記キャリアCの被係合部51とインターナルギアAの係合部99とを形成する合成樹脂材料を同じ弾性率の材料とするのが好ましく、この場合、変速時の互いの衝突力が吸収され、回転中でも騒音なく、良好な変速ができるようになる。
【0008】
また上記キャリアCの被係合部51におけるインターナルギアAとの係合側歯面全周に任意のテーパー面が設けられているのが好ましく、この場合、回転時の変速中に、インターナルギアAにはその軸方向に推進力が生じて、変速が一層しやすくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて詳述する。図示例は電動ドリルドライバーの動力系アセンブリにおける減速部3に組み込まれたもので、このアセンブリは図1乃至図4に示すように、モータ2、ギアケース6並びに締め付けトルク調整用のクラッチハンドル78とチャック8とから構成されている。そしてギアケース6内には、変速機能を備えた減速部3と、ロック手段を備えたトルク調整用クラッチ部4とが配設されている。
【0010】
図4に基づいて、これら減速部3とクラッチ部4について説明する。まず、ギアケース6は、円筒状のケース61と、このケース61の後端に取り付けられるモータ取付台60とから形成されている。またケース61には軸方向に長い一対の長孔63が設けられ、ケース61には軸方向に貫通する複数個の孔が設けられているとともに、前端より雄ねじ形状の突起部66が一体に突設されている。
【0011】
ギアケース6におけるケース61内に設置されている減速部3は、例えば三段の遊星機構によって構成されたもので、一段目の遊星機構はモータ2の出力軸20に固着された太陽ギア31と、ケース61内面に固着された固定部材B、この両者に噛み合う複数個の遊星ギア32、そして各遊星ギア32を支持する軸を備えたキャリアDとからなり、二段目の遊星機構はキャリアDに一体に形成された太陽ギア35、軸方向に移動自在なインターナルギアA、複数個の遊星ギア36、そして各遊星ギア36を支持するキャリアCによって構成されている。三段目の遊星機構は、ケース61内に配設され、上記キャリアCに一体に形成されている太陽ギア40、インターナルギア42、この両者に噛み合う複数個の遊星ギア41、各遊星ギア41を支持するキャリア43とで構成されている。
【0012】
ここにおいて、上記固定部材Bは上述のようにケース61に固着されているのに対して、インターナルギアAはその軸方向に摺動自在且つ軸まわりに回転自在とされており、そして外周面中央部には環状溝52が形成されているとともに、外周面一端側には複数個の係合歯54(図1)が周方向において等間隔に設けられており、インターナルギアAの内周には係合部を構成する歯溝99が設けられている。
【0013】
インターナルギアAの軸方向移動はインターナルギアAの外周面に形成されている環状溝52に両端部を係合させているレバー55によってなされるものであり、該レバー55はハウジング100に対してスライド移動自在に取り付けた外部操作子58に取り付けてある。
【0014】
すなわち、外部操作子58は、図8乃至図10に示すように、ハウジング100のガイド100aに沿ってスライド移動自在に取り付けてあり、この外部操作子58の両側にはクリック突起58aを有するクリックアーム58bが設けてあり、また、該外部操作子58の下面部には凹部58cが設けてあり、外部操作子58の下面部の凹部58cのスライド方向の両端部にはそれぞれ係止部58d、58eが設けてあり、また、上記クリック突起58aは該凹部58cの両側に位置している。一方、レバー55は線材により構成してあって弾性を有しており、主体部55bが線材を折り返して2条の線材部分が略平行になった部分により構成してあり、この2条の線材部分よりなる主体部55bの略中間部において2条の線材部分からそれぞれ側方に向けて突部55cが突曲してあり、また、主体部55bの折り返し基部部分を両側に突曲して被係止部55dを設けてあり、更に、主体部55bを構成する2条の平行な線材部分の先端からそれぞれ略L状に脚部55eが連出してあり、この脚部55eの連出基部が被係止部55fとなっている。そして、レバー55の主体部55bを外部操作子58の下面部の凹部58cに位置させ、係止部58d、58eを被係止部55d、55fに係止し、更に、突部55cをクリック突起58aの背部のはめ込み凹所58fにはめ込む。このようにしてレバー55の主体部55bが外部操作子58の下面部に取り付けられ、外部操作子58をガイド100aに沿ってスライド移動することで、レバー55も外部操作子58と同じ方向に移動することになる。ここで、ハウジング100のガイド100aの両側面にはクリック突起58aが弾性的に係止自在な突部又は凹部(図示せず)が形成してある。そして、突部55cをクリック突起58aの背部のはめ込み凹所58fにはめ込んでクリック突起58aを内側から押圧するように設定してあるので、クリック突起58aは弾性を有する線材よりなるレバー55の弾性力によりクリック性が付与されることになる。また、このように突部55cをクリック突起58aの背部のはめ込み凹所58fにはめ込んで弾接していることで主体部55bが凹部58cから抜けないようになっている。レバー55の両側の略L状をした脚部55e先端部はケース61に形成された長孔63,63(図9)を通じてインターナルギアAの環状溝52と係合しているものである。
【0015】
ここで、レバー55両側の略L状をした脚部55e先端部を屈曲してインターナルギアAの外周面の環状溝52と安定接触係合するための係合部55g(図10)が設けてある。環状溝52と安定接触係合するための係合部55gの形状は、例えば環状溝52の溝底の円弧に沿うような円弧状となっている。なお、円弧状としたものの場合、図10に示すように両側の係合部55gがそれぞれ環状溝52の外周の略1/4の長さとし、両係合部55gを環状溝52の略半周にわたって係合するようにするのが好ましい。このように脚部55eの先端部を屈曲して環状溝52と安定接触係合するための係合部55gを形成することで、外部操作子58でインターナルギアAを動かす接合部が点接触でなく、環状溝52に沿って延長された係合部55gによる接触により行われることになって、軸方向への傾きなくインターナルギアAを移動することができることになる。
【0016】
一方、ギアケース6側には係合歯53が設けられ(図1の実施形態においてはギアケース6に固定した第1段目の遊星機構における固定部材Bの端面に係合歯53が設けられ)、第2段目の遊星機構におけるキャリアCには被係合部を構成する係合歯51が設けられている。そして、インターナルギアAが軸方向の前方に摺動した時、インターナルギアAの内周面の歯溝99とキャリアCの係合歯51とが係合し、インターナルギアAが軸方向の後方に摺動した時、インターナルギアAの端面の係合歯54とギアケース6側に設けた係合歯53とが係合するようになっている。そして、レバー55を前進させることによって、インターナルギアAを前進させて、インターナルギアAの内周の歯溝99と2段目のキャリアCに設けられた係合歯51と係合させた時には、インターナルギアAとキャリアCに一体に設けた太陽ギア40とを結合させるものである。逆にレバー55を後退させることにより、インターナルギアAを後退させて、図1に示すように固定部材Bに設けた係合歯53とインターナルギアAの係合突起54とが係合することで、インターナルギアAはその回転が阻止される。後者の場合には、二段目の遊星機構においても減速が有効に行なわれることから、大減速比となり、前者の場合には遊星ギア36がその軸まわりの回転(自転)を行なうことがなく、太陽ギア35とキャリアCとが直結された形となるために、第1段目の遊星機構の減速のみが有効となり、従って減速比が小さくなる。尚、いずれの場合も、インターナルギアAと遊星ギア36との噛み合いは保たれている。
【0017】
ここで、上記キャリアCは、図5に示すように、弾性率の異なる複合材料、例えば金属と合成樹脂とで構成されている。例えば少なくともトルク伝達に関わる太陽ギア40は高トルク伝達のため鉄系焼結合金で形成されており、さらに遊星ギア回転支持用の遊星ギア軸36aも鉄系焼結合金で形成されている。なお、遊星ギア軸36aは、燒結合金に限らず、例えば金属ピンで構成し、この金属ピンを太陽ギア40に圧入により固定するものであってもよい。また、キャリアCにおける少なくともインターナルギアAの歯溝99に係合する係合歯51は、ポリアミド樹脂のような合成樹脂で構成されている。一方、インターナルギアAの歯溝99も合成樹脂で形成されている。この実施形態では、図6に示すように、キャリアCの係合歯51におけるインターナルギアAとの係合側歯面全周にテーパー面51a,51bが設けられており、これにより、回転時の変速中に、インターナルギアAにはその軸方向に推進力を生じさせることができ、回転時の変速が良好に行われるようになっている。ここで、キャリアCは、太陽ギア40を焼結成形後、インジェクション金型で合成樹脂と同時成形して製造することができ、このとき金型の抜き方向にインターナルギアAとの係合側歯面全周に任意のテーパーが形成できるものである。図5(b)中のP.Lは金型パーティングライン、Fは金型抜き方向を示している。
【0018】
しかして、インターナルギアAの歯溝99及びキャリアCの係合歯51を合成樹脂で形成したから、キャリアCの係合歯51に係合するインターナルギアAの歯溝99の磨耗を防止できると共に、動作中の変速切り換えが良好にできるようになる。つまり、クラッチ動作時(トルクリミッター動作時)の繰り返し振動により、キャリアCとインターナルギアAとの係合側歯面には衝撃振動が加わるが、これはキャリアC自身が高トルク伝達手段として鉄系焼結合金が使用されているためであり、本発明においては、高速回転しているインターナルギアAとこのインターナルギアAの歯溝99に係合するキャリアCの係合歯51を同じ材質(合成樹脂)で構成してあるので、振動による面圧不足による面磨耗の発生を未然に防止でき、トルクリミッター動作寿命及び動作中の変速切り換え寿命を長く延ばすことができる。そのうえ、インターナルギアAとキャリアCとの係合部の反発係数が小さいために、変速時の互いの衝突力が吸収され、回転中でも騒音なく、良好な変速ができるようになる。
【0019】
また、キャリアCのトルク伝達部となる太陽ギア40及び遊星ギア軸36aは、キャリアCの係合歯51とは弾性率の異なる材料、例えば鉄系焼結合金のような金属材料で形成されているので、損失なくトルク伝達ができるようになる。このとき、回転中の変速で生じるインターナルギアAとキャリアCとの衝突等による歯溝99の面潰れを考慮して、キャリアCの係合歯51を軽量且つ弾性率が高い同種材料、例えばプラスチック材料のガラス強化材を使用するのが好ましく、この場合、クラッチ動作時の振動摺動による歯面磨耗や回転中の変速切り換え時の衝撃による歯溝99の面潰れ等を防止することができる。このことにより、変速時の変速音も低減でき、またインターナルギアAとキャリアC等の相互部品の反発が少なくて済むので、動作中の良好な変速ができるようになり、結果として確実でしかも安定した変速切り換えが可能となる。
【0020】
さらに、キャリアCの係合歯51は、インターナルギアAとの係合側歯面全周には、回転時の変速中にインターナルギアAにはその軸方向に推進力が生じて、変速がしやすくするためのテーパー面51a,51bが設けられているので、インターナルギアAとキャリアCの係合が離れるときに、テーパー面51a,51bによってインターナルギアAが離れる方向に押されてスムーズに離れることができ、且つ、インターナルギアAとキャリアCとが係合するときにもテーパー面51a,51bによって係合がスムーズになり、結果として回転時の変速が一層良好なものとなる。
【0021】
次に、トルク調整用のクラッチ部4について説明する。このクラッチ部4は上記減速部3と同様に遊星機構を利用したものであるとともに、トルク調整手段のほかに、出力軸7の両方向の回転を阻止するロック手段も組み込まれている。
【0022】
そしてロック手段は、モータ2の回転を止めた時に出力軸をギアケース6に対して自動的にロックしてしまい、モータ2を回転させればこのロックを自動的に解除する機能をもつものであるが、この点については従来から公知の機構であるので、説明を省略する。
【0023】
トルク調整手段は、インターナルギア42の前端外周部に周方向において等間隔に突設された複数個の係止突起48と、ケース61に形成された前記複数個の孔内に配設された鋼球74、クラッチ板77、クリック板75、クラッチばね76、アジャストねじ79及び前記クラッチ外部操作子78で構成されており、クラッチ板75を介して鋼球74がインターナルギア42に形成されている係止突起48と係合するようになっており、負荷トルクが所定値以上になった時に出力軸と太陽ギア40とを切離してしまうトルクリミッターが構成してある。そして、クラッチ外部操作子78を回転してクラッチばね76による鋼球74への押圧力を調整することで、トルク調整を行うようになっている。
【0024】
ここで、トルクリミッター動作、すなわち、クラッチ動作時は、インターナルギアの係止突起48に鋼球74が衝突することで衝撃振動が発生する。このときの衝撃エネルギーは、トルクリミッター動作時の動作トルクと振動周波数に比例すると考えられる。また同じ動作トルクでも、回転数の高い高速モードでの動作時の方が衝撃エネルギーが高いと考えられる。
【0025】
【表1】
Figure 0003772533
高速モードで使用時、ネジ締め作業時等において、能力的にもトルクリミッターとしては、例えば1.5Nm程度でほとんどの作業がカバーできるようになる。なお表1中の振動周波数は、本体回転数が高速モードで770/min、低速モードで270/minとしたとき、本体回転数(/min)×6(クラッチ数)×60(sec)により求められる数値である。
【0026】
ここで、高速モードとは、例えば2段目の遊星機構におけるインターナルギアAを1段目の遊星機構におけるキャリアDに係合(1段目と2段目とを直結)して、1段目と3段目の遊星機構を使用する状態をいい、また、低速モードとは、例えば2段目の遊星機構におけるインターナルギアAをギアケース側に設けた固定部材Bに係合して回転を止め、1段目と2段目と3段目の各遊星機構をすべて使用する状態をいう。
【0027】
また、図7中のラインL1は低速モード(3段の遊星機構をすべて使用)時の本体回転数とトルク曲線との関係を示し、ラインL2は高速モード(2段の遊星機構を使用)時の本体回転数とトルク曲線との関係を示している。グラフ中の2.8倍の数値は、同一トルクでの高速、低速の回転比を表している。つまり、トルクリミッター動作時(例えば1.5Nm)の回転比は2.8倍であり、この回転比がトルクリミッター動作による高速、低速の衝撃振動数比となる。
【0028】
【発明の効果】
上述のように本発明のうち請求項1記載の発明は、電動機の出力に複数段の遊星機構を設け、前段の遊星機構が、モータの出力軸に固着された前段の太陽ギアと、ギアケース内面に固着された固定部材と、前段の太陽ギアと固定部材の両者に噛み合う複数個の前段の遊星ギアと、前段の各遊星ギアを支持する遊星ギア軸を備えた前段のキャリアとからなり、後段の遊星機構が、上記前段のキャリアに一体に形成された後段の太陽ギアと、ギアケース内に軸方向に移動自在に配置されたインターナルギアと、複数個の後段の遊星ギアと、後段の各遊星ギアを支持する遊星ギア軸を備えると共にトルク伝達部となる太陽ギアが一体に形成された後段のキャリアとからなり、上記インターナルギアに設けた係合部と係合する被係合部を隣合う固定部材と後段のキャリアとにそれぞれ設け、インターナルギアを移動させてインターナルギアを固定部材に固定するか、後段のキャリアに一体化するかを切り換えて変速を行うようにしたものであって、ギアケースに対して軸方向に移動自在な外部操作用の外部操作子を設け、外部操作子をインターナルギアに係合させた変速機付回転工具において、後段のキャリアにおける少なくとも被係合部を合成樹脂で形成すると共に少なくとも上記トルク伝達部となる太陽ギア及び上記後段の各遊星ギアを支持する遊星ギア軸を金属で形成し、該弾性率の異なる材料で複合形成された後段のキャリアの被係合部に係合するインターナルギアの係合部を合成樹脂で形成したから、振動等による係合部の面磨耗の発生を未然に防止でき、トルクリミッター動作寿命及び動作中の変速切り換え寿命を長く延ばすことができると共に、キャリアによるトルク伝達が損失なく行われ、従って、変速時の変速音を低減でき、動作中の良好な変速ができるようになり、結果として確実でしかも安定した変速切り換えが可能となる。
【0029】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、キャリアの被係合部とインターナルギアの係合部とを形成する合成樹脂材料を同じ弾性率の材料としたから、変速時の互いの衝突力が吸収され、回転中でも騒音なく、良好な変速ができるようになる。
【0030】
また請求項3記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、キャリアの被係合部におけるインターナルギアとの係合側歯面全周に任意のテーパー面が設けられているから、回転時の変速中に、インターナルギアにはその軸方向に推進力が生じて、変速がしやすくなり、回転時の変速が一層良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】同上のギアケース部分の正面図である。
【図3】同上のギアケースにクラッチ外部操作子及びチャックを取付けた状態の正面図である。
【図4】同上の分解斜視図である。
【図5】(a)(b)は同上の複合材料で形成されたキャリアの正面図及び側面断面図である。
【図6】(a)は図5(b)の矢印aからみた矢視図、(b)は(a)の矢印方向bからみた矢視図である。
【図7】同上の本体回転数とトルク曲線との関係を示すグラフである。
【図8】同上の外部操作子とレバーとの取り付けを示す下面図である。
【図9】同上のギアケースとインターナルギアと外部操作子とレバーとを示す分解斜視図である。
【図10】同上の環状溝にレバーの先端の係合部を係合した部分を示す断面図である。
【符号の説明】
A インターナルギア
B 固定部材
C キャリア
6 ギアケース
36a 遊星ギア軸
40 太陽ギア
51 被係合部
58 外部操作子
99 係合部

Claims (3)

  1. 電動機の出力に複数段の遊星機構を設け、前段の遊星機構が、モータの出力軸に固着された前段の太陽ギアと、ギアケース内面に固着された固定部材と、前段の太陽ギアと固定部材の両者に噛み合う複数個の前段の遊星ギアと、前段の各遊星ギアを支持する遊星ギア軸を備えた前段のキャリアとからなり、後段の遊星機構が、上記前段のキャリアに一体に形成された後段の太陽ギアと、ギアケース内に軸方向に移動自在に配置されたインターナルギアと、複数個の後段の遊星ギアと、後段の各遊星ギアを支持する遊星ギア軸を備えると共にトルク伝達部となる太陽ギアが一体に形成された後段のキャリアとからなり、上記インターナルギアに設けた係合部と係合する被係合部を隣合う固定部材と後段のキャリアとにそれぞれ設け、インターナルギアを移動させてインターナルギアを固定部材に固定するか、後段のキャリアに一体化するかを切り換えて変速を行うようにしたものであって、ギアケースに対して軸方向に移動自在な外部操作用の外部操作子を設け、外部操作子をインターナルギアに係合させた変速機付回転工具において、後段のキャリアにおける少なくとも被係合部を合成樹脂で形成すると共に少なくとも上記トルク伝達部となる太陽ギア及び上記後段の各遊星ギアを支持する遊星ギア軸を金属で形成し、該弾性率の異なる材料で複合形成された後段のキャリアの被係合部に係合するインターナルギアの係合部を合成樹脂で形成したことを特徴とする変速機付回転工具。
  2. キャリアの被係合部とインターナルギアの係合部とを形成する合成樹脂材料を同じ弾性率の材料としたことを特徴とする請求項1記載の変速機付回転工具。
  3. キャリアの被係合部におけるインターナルギアとの係合側歯面全周に任意のテーパー面が設けられていることを特徴とする請求項1記載の変速機付回転工具。
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