JP3893790B2 - 回転動力工具の自動変速装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動ドライバや電動ドリルのような回転動力工具において、先端工具の負荷によって自動的に出力軸の変速をする自動変速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
負荷に応じて自動変速する回転動力工具は種々提案されている。負荷トルクによって内歯車を移動させて変速させる代表的なものとして、例えば特開昭63−221980号や特開平06−008151号がある。
【0003】
前者は、遊星歯車減速部の最終段の内歯車を所定の負荷トルクで移動させ、その動きにより初段の内歯車の固定を切換えて、自動的に変速している。
【0004】
後者は、初段の内歯車を所定トルクで回動させてカム部材を移動させ、その動きによって次段の内歯車を移動させて、自動的に変速している。さらに、切換え点付近での負荷トルク変動により、カム部材及び移動内歯車が行ったり来たりしないように、付勢方向が反転する反転ばねにより移動内歯車を軸方向に付勢している。
【0005】
以下、後者の回転動力工具を図3、図5、図6、図7を参照して説明する。
【0006】
図3に歯車配列を示す。基本的には、遊星3段減速の構成となっている。1段目は、第1太陽歯車11、第1遊星歯車12、第1内歯車13が噛合い、第1遊星歯車12は第1キャリア14上に軸支されている。2段目は、第1キャリア14と一体となった第2太陽歯車21、第2遊星歯車22、第2内歯車23が噛合い、第2遊星歯車22は第2キャリア24上に軸支されている。3段目は、第2キャリア24と一体となった第3太陽歯車31、第3遊星歯車32、第3内歯車33が噛合い、第3遊星歯車32は第3キャリア34上に軸支されている。第3キャリア34を出力軸8に係止し、先端のチャック9に回転伝達する。第2内歯車23は前後に移動可能であり、後進時には第1キャリア14の最外周に設けられた歯車15と噛合い可能となっている。また、前進時にはギヤケース4内周の歯42と噛合い可能な歯25が、第2内歯車23の外周前方端に設けられている。図5の如く、第2内歯車23は外周の溝26で外部の切換えノブ(図示せず)と連節した切換えばね64で把持されている。第3内歯車33は、ギヤケース4に対し回転しないように係止されている。さらに、図6に示すように、1段目の第1内歯車13の外周には複数(図6は2個)の係止突起18があり、ギヤケース4内周の凹溝43内でばね66が係止突起18の両側に配置されており、ばね66の荷重により設定された所定の負荷トルク以上で、第1内歯車13が回動可能となっている。また、この第1内歯車13の外周前方側端には、図7に示すように、傾斜面のあるカム17が形成されている。このカム17に噛合ったカム溝52をなす連動リング51を介して第2内歯車23が面している。図5の如く、前記連動リング51は、一端がギヤケース4に回転自在に固定された反転ばね61支持されている。反転ばね61の連動リング51への支持部も回転自在となっている。連動リング51の外周には突起部52があり、ギヤケース4内周の溝44にかん挿しており、回転はせず軸方向のみ移動可能となっている。
【0007】
前記切換えノブ(図示せず)を高速側に設定すると、歯車配列は図3(a)、図7(a)のようになる。即ち、第2内歯車23は後進して、第1キャリア14外周の歯車15と第2遊星歯車22と噛合っている。この状態で図示しない工具本体のSWをONすると、第1キャリア14と第2内歯車23と第2遊星歯車22と第2キャリア24が一体的に回転するので、1段目と3段めの遊星減速のみ働く2段減速となり、出力軸8は低トルク高速回転状態となる。この状態でチャック部9の先端工具(図示せず)に負荷をかけていき、所定の負荷トルクとなると、第1内歯車13外周のばね66の一方向回転側が圧縮されて、第1太陽歯車11と反対方向に回転する。すると、第1内歯車13外周のカム面17に噛合っている連動リング51が、カムの傾斜面によって反転ばね61に抗して軸方向前方に押し出されて移動して行き、図7(b)及び図3(b)の状態を経て、図7(c)及び図3(c)の状態へと移動してゆく。図7(b)及び図3(b)は、第2内歯車23が移動ストロークの中立点到達の状態である。図7(c)及び図3(c)は、第2内歯車23が移動ストロークの中立点を過ぎた終期噛合い状態である。この時、第2内歯車23の外周の歯25がギヤケース4内周の歯42と噛合い、回転が停止される。第2遊星歯車22とは噛合っているので、1段目、2段目、3段目の遊星機構部とも減速として働き、従い、出力軸8は3段減速による高トルク低速回転状態となる。第2内歯車23の軸方向移動力として、カム面17による押し出し力ばかりでなく、図7に示すように、反転ばね61が図7(b)の位置で反転して軸方向前方に付勢して働くので、切換え点付近での負荷トルク変動による第2内歯車23の行き来がなくなる。
【0008】
逆に、低速回転状態から高速回転状態への第2内歯車23の戻しは、図示しないセットレバーが図示しない工具本体のSWのOFF(戻し)と連動して、反転ばね61の前方への付勢力に抗して後方に働き、第2内歯車23を後進させて戻す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
後者の反転ばね61による移動する第2内歯車23の軸方向付勢のため、切換え点付近での負荷トルク変動による第2内歯車23の行き来はなくなった。しかし、実際は、第2内歯車23は「初期噛合い状態→中立点→終期噛合い状態」と移動する。中立点では、第1キャリア14外周の歯車15ともギヤケース4内周の歯42ともどちらにも噛合わず無拘束の自由回転状態となる。初期と終期の噛合い状態が同時に起こると、回転ロック状態となるので、中立点は必要となる。この中立点では第2内歯車23の拘束がないため、出力軸8に負荷トルクがかかると、第2内歯車23及び第2内歯車23と噛合う第2遊星歯車22が無負荷自由回転状態(第2遊星歯車22は自転のみ)となり、出力軸8から第2キャリア24までが回転停止状態となる。すると、第2遊星歯車22と噛合う第2太陽歯車21も無負荷自由回転状態となる。即ち第2太陽歯車21と一体をなす第1キャリア14から第1太陽歯車11までは無負荷自由回転状態となる。従い、その間の第1内歯車13も無負荷となっているので、この第1内歯車13の回動がなくなり、カム面17による軸方向押し出し力がなくなる。さらに、反転ばねも61中立位置に来ているので、連動リング51を軸直角方向に付勢するように働き、軸方向付勢力がなくなる。
【0010】
以上のように、後者の公報に示す例では、実際には、中立点ではカム部材をなす連動リング51及び反転ばね61による軸方向付勢力がなくなるので、切換えがスムーズにいかないという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、変速切換えをスムーズにし、操作性の向上を図るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、移動する第2内歯車が中立点到達以前に反転ばねが反転して、軸方向付勢力が発生するようにばね位置を設定することにより達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図1、図2、図3を参照して説明する。基本構成、動作は上記とほぼ同じであり、説明を省略する。
【0014】
図1に示すように、移動する第2内歯車23が移動ストロークOA間の初期噛合い状態(高速回転)のうちに、即ち、中立点到達以前に、反転ばね61が反転して付勢方向を変えるように設ける。第2内歯車23と反転ばね61(連動リング51支持部)のストロークの関係がOA>ONとする。図2に中立点到達(移動ストロークs1)時の反転ばね61と第2内歯車23、連動リング51の位置関係を表す外観図を示す。ストロークs1時には、反転ばね61が前方へ付勢している。図3(b)に示すように、第2内歯車23が中立点到達時では、第1キャリア14外周の歯車15と第2内歯車23との噛合いが外れ、また、ギヤケース4内周の歯42とも噛合わず、第2遊星歯車22のみと噛合っている。
【0015】
そこで、第2内歯車23の拘束がないので、無負荷自由回転状態となり、出力軸8から第2キャリア24までは先端側の負荷トルクにより回転停止となる。第2遊星歯車22は自転のみ行う。第2太陽歯車21から第1太陽歯車11までは無負荷状態となる。第1内歯車13も無負荷状態となり、負荷トルクによる回動がなくなり、カム面17からの軸方向押し出し力がなくなるが、反転ばね61は既に反転しているので、連動リング51、第2内歯車23を軸方向前方に付勢することにより移動する。中立点を越え、図3(c)のように、第2内歯車23の外周の歯25がギヤケース4内周の歯42と噛合えば、第1内歯車13の負荷トルクによるカム面17の軸方向押し出し力も加わり、ストローク終点まで移動する。
【0016】
また、変形例を図4に示す。ギヤケース4に一端を回転自在に固定した引張りばね71と揺動アーム72で連動リング51を付勢しても良い。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、反転ばねの反転位置を第2内歯車が移動ストロークの中立点に到達するより前としたので、中立点での第2内歯車の移動がスムーズになり、切換えがスムーズになり、操作性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による第2内歯車と反転ばねの移動の状態説明図。
【図2】図1における第2内歯車が中立点到達時の反転ばねとの位置関係を表す外観図。
【図3】本発明及び従来技術による一実施例を示す歯車配列部の縦断面図。
【図4】本発明の変形例による主要部の側面図。
【図5】従来技術による主要部の側面図。
【図6】図5の1段目減速部の横断面図。
【図7】従来技術の連動リングと反転ばねの動きを示す側面図。
【符号の説明】
13は第1内歯車、17はカム面、23は第2内歯車、51は連動リング、52はカム溝、61は反転ばね、66はばねである。
Claims (1)
- 少なくとも一つの内歯車を軸方向に移動して減速比を変える複数段の遊星歯車装置と、前記内歯車を軸方向に移動させるカム部材と、該カム部材と噛合うカムを外周面に有し、ギヤケース内で所定の負荷トルク以上で所定量回動できる他の内歯車と、該内歯車の所定の回動を許す弾性体と、前記カム部材と前記移動内歯車を軸方向に付勢するとともに、この付勢方向を反転させる反転ばねとを備えたものにおいて、前記の移動する内歯車が初期噛合い状態のうちに、反転ばねの付勢方向が反転するようにしたことを特徴とする回転動力工具の自動変速装置。
Priority Applications (1)
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JP05788199A JP3893790B2 (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 回転動力工具の自動変速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05788199A JP3893790B2 (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 回転動力工具の自動変速装置 |
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JP2000254870A JP2000254870A (ja) | 2000-09-19 |
JP3893790B2 true JP3893790B2 (ja) | 2007-03-14 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05788199A Expired - Fee Related JP3893790B2 (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 回転動力工具の自動変速装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3893790B2 (ja) |
-
1999
- 1999-03-05 JP JP05788199A patent/JP3893790B2/ja not_active Expired - Fee Related
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