JP3757606B2 - フォームラバー用共重合体ゴムラテックス及びフォームラバー - Google Patents

フォームラバー用共重合体ゴムラテックス及びフォームラバー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐油性に優れ、やわらかい感触を有する化粧用スポンジ等のフォームラバーの製造に使用される共重合体ゴムラテックスおよびこれを用いたフォームラバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
重合体ゴムラテックスを用いて製造されたフォームラバー(ゴム発泡体)は、マットレス、化粧用スポンジ(パフ)、ロール、衝撃吸収剤等として種々の用途に使用されている。
フォームラバーの用途のなかで、特にパフには、化粧料に対する良好な耐油性を有し、やわらかい感触を有するスポンジが求められている。
【0003】
パフに耐油性を付与するために、従来からアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)ラテックスが使用されているが、NBRラテックスを用いたパフは、やわらかさが十分でないという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は化粧料に対する良好な耐油性を有し、且つやわらかい感触を有するパフの製造に特に好適なフォームラバー製造用重合体ゴムラテックス及びこれを用いてなるフォームラバーを提供することである。
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、共役ジエン単位が特定範囲のミクロ構造を有し、特定量のゲルを含有するNBRラテックスを使用することによって目的が達成されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体15〜45重量%、共役ジエン単量体55〜85重量%およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体0〜30重量%からなる単量体混合物を乳化重合してなる共重合体ゴムラテックスであって、該共重合体ゴム中の共役ジエン単量体単位のミクロ構造が、トランス−1,4結合が75%以上、シス−1,4結合が12%以下、残りがビニル結合であり、該共重合体ゴム中のゲル含有量が20〜65重量%であることを特徴とするフォームラバー用共重合体ゴムラテックス及び加硫剤を配合した該共重合体ゴムラテックスを発泡させ、凝固、加硫させてなることを特徴とするフォームラバーが提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に発明の好ましい実施形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の共重合体ゴムラテックスは、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体、共役ジエン単量体、必要によりこれらの単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体とを乳化重合させて得られる共重合体ゴムのラテックスである。
【0007】
本発明で使用されるシアノ基含有不飽和単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−シアノエチルアクリレート等が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。特に好ましいものはアクリロニトリル、メタクリロニトリルである。
シアノ基含有エチレン性不飽和単量体の使用量は、単量体混合物中15〜45重量%である。15重量%未満の使用量ではパフの耐油性が不十分となり、45重量%を超えるとパフの風合が硬くなり、肌ざわりが悪くなる。好ましくは20〜40重量%、さらに好ましくは25〜35重量%である。
【0008】
本発明で使用される共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
共役ジエン単量体の使用量は、単量体混合物中55〜85重量%である。使用量が55重量%未満ではパフの風合が硬くなり、パフの肌ざわりは悪くなる。また、85重量%を超えるとパフの耐油性が不十分となる。好ましくは60〜80重量%であり、さらに好ましくは65〜75重量%である。
【0009】
本発明で必要により使用されるシアノ基含有エチレン性不飽和単量体および共役ジエン単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノまたはジメチル、フマル酸モノまたはジエチル、フマル酸モノまたはジ−n−ブチル、イタコン酸モノまたはジ−n−ブチル等の前記エチレン性不飽和カルボン酸のモノまたはジアルキルエステル;メトキシアクリレート、エトキシアクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレート等の前記エチレン性不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド及びその誘導体;ジメチルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミノメチルアクリレート等のアミノ基を有するアクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン;ジシクロペンタジエン、ビニルノルボルネン等の非共役ジエン単量体等が挙げられる。これらを必要に応じて用いる場合には、少なくとも1種が本発明の効果が損なわれない範囲で、好ましくは単量体混合物中30重量%以下の範囲で使用される。
【0010】
本発明の共重合体ゴムラテックスは、上記の単量体を上記の範囲の量で共重合させて得られる共重合体ゴムのラテックスであるとともに、この共重合体ゴム中の共役ジエン単位のミクロ構造が、トランス−1,4結合が75%以上、シス−1,4結合が12%以下、残りがビニル結合であり、また、該共重合体のゲル含有量が20〜65重量%であることも特徴であり、このような共重合体ゴムのラテックスを用いることによって優れた耐油性を有し、且つ柔らかい感触を有する化粧用スポンジ(パフ)等のフォームラバー製品の製造が可能となる。
【0011】
該共重合体ゴム中の共役ジエン単位のミクロ構造は、赤外分光分析法によって求めたものであり、トランス−1,4結合の含有量は75%以上、シス−1,4結合の含有量は12%以下、残りはその他の結合である。尚、その他の結合は、1,2−結合や3,4−結合等であり、本発明ではこれらの結合をビニル結合と総称する。
これらのミクロ構造は、フォームラバーの柔らかさと関係があり、トランス−1,4結合が75%未満の場合にはフォームラバーが硬くなる。シス−1,4結合が12%を超える場合にはフォームラバーが硬くなる。好ましいトランス−1,4結合含有量は80%以上である。好ましいシス−1,4結合含有量は10%以下である。残りがビニル結合である。
【0012】
又、該共重合体ゴムラテックス中のゲル(メチルエチルケトン不溶解分)含有量は、フォームラバーの耐油性に影響を及ぼし、ゲル含有量は20〜65重量%の範囲であることが必要である。ゲル含有量が20重量%未満では耐油性が不十分となり、65重量%を超えるとフォームラバーが硬くなるので好ましくない。好ましくは30〜60重量%であり、更に好ましくは40〜55重量%である。
【0013】
このような特徴を有する本発明の共重合体ゴムラテックスは、通常の乳化重合の手法によって得ることができ、ミクロ構造は重合温度、重合開始剤の種類によって、またゲル含有量は重合温度、重合転化率、分子量調節剤の使用量等により調節することができる。
乳化重合に使用する乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、キレート剤、酸素捕捉剤、分子量調整剤等の重合薬剤は、従来公知のそれぞれの薬剤が使用でき、特に限定されない。
例えば、乳化剤としては、通常、アニオン系またはアニオン系とノニオン(非イオン)系の乳化剤が使用される。乳化剤は、通常、単量体混合物に対して0.5〜5重量%の範囲で使用される。
【0014】
アニオン系乳化剤としては、例えば、牛脂脂肪酸カリウム、部分水添牛脂脂肪酸カリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩;ロジン酸カリウム、ロジン酸ナトリウム、水添ロジン酸カリウム、水添ロジン酸ナトリウム等の樹脂酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリエチレングリコールエステル型、ポリエチレングリコールエステル型、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体等のプルロニック型等の乳化剤が挙げられる。
【0015】
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等の熱分解型開始剤;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;これらと二価の鉄イオン等の還元剤とからなるレドックス系開始剤等が挙げられる。なかでもレドックス系開始剤が好ましい。これらの開始剤の使用量は、通常、単量体混合物に対して0.01〜10重量%の範囲である。
【0016】
乳化重合反応は、連続式、回分式のいずれでもよい。又、重合時間、重合転化率等も特に限定されない。好ましい重合転化率は90%以上である。
重合温度は40℃以下、好ましくは0〜35℃である。40℃を超えるとシス1,4−結合が増え(トランス1,4−結合は減少し)パフが硬くなるので好ましくない。又、単量体の添加の方法も特に制限されず、例えば、一括添加法、分割添加法等を用いることができる。
本発明の共重合体ゴムラテックスを得る好ましい重合方法は、例えば、反応器に全単量体を一括添加してレドックス系開始剤を用いて重合温度0〜35℃の範囲で重合する方法である。又、重合後、公知の方法で粒径肥大化処理を施すことが好ましい。
【0017】
粒径肥大化方法としては、例えば、重合途中で反応を停止させ、強攪拌する方法;重合終了後ブタジエン等の共役ジエン単量体やトルエン等の溶剤、カルボキシル基含有重合体ラテックス等の粒径肥大化剤を共重合体ゴムラテックスに添加して強攪拌する方法等が挙げられる。
本発明の共重合体ゴムラテックスの固形分は特に限定されないが、通常、50〜70重量%程度である。また、ラテックス粒子径も特に限定されないが、通常、3,000〜30,000A(オングストローム)、好ましくは4,000〜20,000A程度である。
【0018】
次に、本発明の共重合体ゴムラテックスを用いたフォームラバーの製造方法について説明する。
本発明においては、フォームラバーの製造方法自体は特に限定されず、従来公知のいずれの方法も用いることができる。
フォームラバーを製造する場合には、先ず、本発明の共重合体ゴムラテックスに、通常、加硫系、必要により凝固剤、その他の配合剤を添加し、混合、分散させてフォームラバー製造用の組成物を調製する。
【0019】
加硫剤は、重合体ゴムラテックスを使用する通常のフォームラバーの製造に使用される加硫系はいずれも使用することができ、特に限定されない。
加硫系としては、例えば、加硫剤としての硫黄、特にコロイド硫黄、加硫助剤としての亜鉛華/各種加硫促進剤が使用される。加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール及びその亜鉛塩、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系促進剤、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバメート系促進剤等が挙げられる。これらの加硫剤や加硫助剤の使用量は特に限定されないが、通常、共重合体ゴムラテックス(固形分)100重量部に対して、硫黄0.1〜10重量部、亜鉛華0.5〜10重量部、加硫促進剤0.1〜5重量部程度である。これらの使用量は、フォームラバーの要求性能を満たすように決定される。
【0020】
必要により使用される配合剤としては、例えば、各種老化防止剤、各種着色剤、泡安定剤等、また上記の各種配合剤をラテックスに安定して分散させるための分散剤、例えば、NASF(ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)等;増粘剤、例えば、ポリアクリル酸及びそのナトリウム塩、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール等;起泡剤としての界面活性剤、例えば、オレイン酸カリウム等の脂肪族アルカリ石けん、ドデシル硫酸ナトリウム等の高級アルコールの硫酸塩等を必要有効量該ラテックスに添加することができる。凝固剤としては後記のものが使用される。
【0021】
本発明のフォームラバーは、上記の配合剤を添加して調製された共重合体ゴムラテックス組成物を用い、これを発泡させ、凝固、加硫することによって得ることができる。発泡には通常空気が用いられるが、炭酸アンモニウム、重炭酸ソーダ等の炭酸塩;アゾジカルボン酸アミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゼンスルフォニルヒドラジド等のガス発生物質を使用することもできる。
空気を使用する場合には共重合体ゴムラテックスを攪拌し、空気を巻き込んで泡立てる。この際、例えば、オークス発泡機、超音波発泡機等が用いられる。
【0022】
所定の発泡倍率に発泡させ、次に、発泡状態を固定化するために、発泡該ラテックスを凝固させる。凝固方法は、ラテックスをゲル化し、固化させることができる方法であれば特に制限されず、従来公知の方法がいずれも使用できる。
例えば、凝固剤としてヘキサフルオロ珪酸ナトリウムや同カリウム(珪フッ化ソーダ、同カリ)、チタン珪フッ化ソーダ等のフッ化珪素化合物を起泡した該ラテックスに添加するダンロップ法(常温凝固法);起泡した該ラテックスにオルガノポリシロキサン、ポリビニルメチルエーテル、硫酸亜鉛アンモニウム錯塩等の感熱凝固剤を添加する感熱凝固法;冷凍凝固法等が使用される。凝固剤の使用量は、特に限定されないが、該ラテックス(固形分)100重量部に対し、通常、0.5〜10重量部程度である。
【0023】
凝固剤が添加された未だ流動性を有する発泡該ラテックス組成物を所定形状の型に移し、凝固した後、例えば、100〜160℃程度の温度で15〜60分程度加硫させることによりフォームラバーが得られる。型からフォームラバーを取り出し、例えば、洗濯機等を用い、20〜70℃程度の水で5〜15分程度攪拌下に洗浄する。洗浄後、水切りをし、フォームラバーの風合いを損なわないように30〜90℃程度の温度で乾燥する。
例えば、このようにして得られたフォームラバーを所定の厚さにスライスし、所定形状に切断した後、側面を回転砥石で研磨することによって化粧用スポンジ、即ち、パフが製造される。
【0024】
本発明のフォームラバーは、耐油性に優れ、肌ざわりも良好であり、特にパフに好適である。本発明のフォームラバーの耐油性(実施例に記載の方法による)は60%以下が好ましく、更に好ましくは55%以下である。又、本発明のフォームラバーの肌ざわりは硬さ(アスカーF型硬度)と関係があり、該硬度が低いほど柔らかく、好ましい該硬度は65(度)以下、更に好ましくは60(度)以下である。
【0025】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
【0026】
実施例1〜5、比較例1〜4
(1)NBRラテックスの製造
下記の重合処方に従って表1に記載の単量体混合物およびその他の重合薬剤を窒素置換した重合反応器に仕込み、攪拌しながら内容物の温度を5℃として重合反応を開始させた。20時間後にN,N−ジエチルヒドロキシルアミンを添加して転化率95%で重合反応を停止させ、NBRラテックスを得た。
【0027】
これらのNBRラテックスにブタジエンをNBRラテックスの固形分重量と同量添加し、温度を15℃としてからパドル型攪拌翼で1000rpmの回転数で5時間攪拌し、粒径肥大化を行った。粒径肥大化後固形分65%に濃縮して本発明および比較例のNBRラテックスを得た。それぞれ以下に示す方法で各NBRのブタジエン単位のミクロ構造、NBRラテックス中のゲル含有量を測定し、表1に示す結果を得た。
【0028】
Figure 0003757606
【0029】
ミクロ構造の測定方法
新版 高分子分析ハンドブック(紀伊国屋書店刊、1995年、第625頁)に従い、ラテックスを攪拌下のエチルアルコールに滴下して凝固させ、濾別、洗浄後、減圧乾燥する。得られた固体ゴムをKBR錠剤法によって測定用プレートに成型する。IRスペクトロメーターにてスペクトルを得、下記式にて共重合体ゴム中のブタジエン単位部分の各ミクロ構造の割合を求める。
AλC:967cm-1における吸光度
AλV:911cm-1における吸光度
AλT:737cm-1における吸光度
C=1.7455AλC−0.0151AλV
V=0.3746AλV−0.0070AλC
T=0.4292AλT−0.0129AλV−0.0454AλC
シス−1,4結合含有量(%)=〔C/(C+V+T)〕×100
トランス−1,4結合含有量(%)=〔T/(C+V+T)〕×100
ビニル結合含有量(%)=〔V/(C+V+T)〕×100
【0030】
ラテックスのゲル含有量の測定方法
各NBRラテックスを水平に保たれたガラス板上に流延し、温度23℃、相対湿度(RH)65%の恒温恒湿ルームに48時間放置して約0.3mm厚さのフィルムを得る。この一部を約2mm×2mmの細片に裁断し、約0.2gを精秤する。これを重量既知の100メッシュのステンレス製金網の箱に入れ、この箱を80mlのメチルエチルケトンの入ったビーカーに浸漬してアルミ泊で蓋をし、上記の恒温恒湿ルームに24時間静置する。24時間浸漬後、該箱を取り出し、40℃で減圧(750mmHg)下に4時間乾燥する。浸漬前後のフィルム重量を測定し、ゲル含有量(%)を下記の式で求める。
ゲル含有量(重量%)=(W′/W)×100
(W:採取したフィルムの重量、W′:浸漬後のフィルムの重量)
【0031】
(2)フォームラバーの作製
上記の各NBR(固形分65%)のそれぞれ100部に、コロイド硫黄分散液(固形分50%)2.6部、亜鉛華分散液(固形分50%)3.9部を添加して十分に分散させ、フォームラバー用ラテックス組成物を得た。
各ラテックス組成物を温度30℃でハンドミキサー(東芝製HM300)で1分間攪拌し、次いで珪フッ化ソーダ分散液(固形分20%)9.8部を添加し、更に30分間攪拌した。
上記で得られた各発泡組成物をそれぞれ円筒形の型(直径7cm、高さ50cm)に入れ、110℃で40分加硫させた。
型から取り出したフォームラバーを長さ方向に厚さ0.8cmにスライスし、下記の方法で硬さを測定した。尚、耐油性は上記のフォームラバー用ラテックス組成物を用いた加硫フィルムについて測定した。結果を表1に示した。
【0032】
硬さ(アスカーF型硬度)
高分子計器社製アスカーゴム硬度計F型を用いてフォームラバーの硬度を測定する。値が小さい程フォームラバーは柔らかく、肌ざわりは良好である
【0033】
耐油性
上記の各フォームラバー用ラテックス組成物を乾燥厚さが約0.5mmとなるようにガラス板上に流延し、風乾後ガラス板から生成フィルムを剥離し、110℃のオーブン中で30分加硫させた。
上記のフィルムから短冊状試験片を切り取り、標線を入れ、これを500mlのトルエンに20℃で5時間浸漬する。5時間浸漬後、試験片を取り出し標線間の長さを測定し、下記式により線膨張度(%)を求める。
線膨張度(%)=〔(L′−L)/L〕×100
(L:浸漬前の標線間の長さ、L′:浸漬後の標線間の長さ)
【0034】
実施例6、比較例5
下記の重合処方に従って表2に記載の単量体混合物およびその他の重合薬剤を窒素置換した重合反応器に仕込み、攪拌しながら内容物の温度を表2に記載の温度とし、これに過硫酸アンモニウム0.3部を添加して重合反応を開始させた。30時間後に重合停止剤としてN,N−ジエチルヒドロキシルアミンを添加し、転化率95%で重合反応を停止させ、NBRラテックスを得た。
実施例1〜5と同様にして粒径肥大化とフォームラバーを作製した。各NBRのブタジエン部分のミクロ構造、各NBRラテックスのゲル含有量及び耐油性を上記同様にして測定した。結果を表2に示した。
【0035】
Figure 0003757606
【0036】
【表1】
Figure 0003757606
(注)C:シス T:トランス V:ビニル
【0037】
【表2】
Figure 0003757606
(注)C:シス T:トランス V:ビニル
【0038】
表1、2の結果から、本発明の共重合体ゴムラテックスは、耐油性に優れ柔らかいフォームラバーの製造に好適なラテックスであることが分かる。一方比較例の共重合体ゴムラテックスでは、アクリロニトリルが本発明範囲外であり、少な過ぎる場合(比較例1)にはフォームラバーの耐油性は劣り、多過ぎる場合(比較例2)には硬いフォームラバーしか得られない。又、ゲル含量が本発明範囲外で、低過ぎる場合(比較例4)にはフォームラバーの耐油性は劣り、高過ぎる場合(比較例3)にはフォームラバーが硬くなり過ぎ、実用的なフォームラバーは得られない。トランス−1,4結合含有量が本発明範囲を下回り、シス−1,4結合含有量が本発明範囲を超える場合(比較例5)には、フォームラバーは硬くなり過ぎ、実用的でない。
【0039】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、耐油性に優れ、やわらかい感触を有する化粧用スポンジ(パフ)等のフォームラバー製品の製造に好適な共重合体ゴムラテックスが提供される。
【0040】
本発明の好ましい実施態様は下記の通りである。
(1)請求項1又は2において、共重合体ゴムラテックスは、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体が好ましくは20〜40重量%、更に好ましくは25〜35重量%、共役ジエン単量体が好ましくは60〜80重量%、更に好ましくは65〜75重量%、およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体が0〜30重量%からなる単量体混合物を乳化重合してなる共重合体ゴムラテックスである。
(2)請求項1又は2、又は(1)において、該共重合体ゴム中の共役ジエン単量体単位のミクロ構造は、トランス−1,4結合が好ましくは80%以上、シス−1,4結合が好ましくは10%以下、残りがビニル結合である
(3)請求項1又は2、又は(1)又は(2)において、該共重合体ゴム中のゲル含有量が好ましくは30〜60重量%、更に好ましくは40〜55重量%である。
【0041】
(4)請求項1又は2、又は(1)〜(3)のいずれかにおいて、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体がアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−シアノエチルアクリレートから選択される少なくとも1種、好ましくはアクリロニトリル、メタクリロニトリルである。
(5)請求項1又は2、又は(1)〜(4)のいずれかにおいて、共役ジエン単量体が、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンから選択される少なくとも一種、好ましくはブタジエン及び/又はイソプレンである。
【0042】
(6)請求項1又は2、又は(1)〜(5)のいずれかにおいて、該共重合可能なエチレン性不飽和単量体が、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノ及びジアルキルエステル、エチレン性不飽和カルボン酸アルコキシアルキルエステル、ヒドロキシアルキル基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド及びその誘導体、芳香族ビニル化合物、α−オレフィン単量体、非共役ジエン単量体から選択される少なくとも一種である。
(7)請求項1又は2、又は(1)〜(6)のいずれかにおいて、共重合体ゴムラテックスは、重合温度が40℃以下、好ましくは35〜0℃で重合してなるものである。
(8)請求項1又は2、又は(1)〜(7)のいずれかにおいて、共重合体ゴムラテックスは重合転化率が90%以上まで重合してなるものである。
(9)請求項2、又は(1)〜(8)のいずれかにおいて、フォームラバーはアスカーF型硬度が65(度)以下、好ましくは60(度)以下である。

Claims (2)

  1. シアノ基含有エチレン性不飽和単量体15〜45重量%、共役ジエン単量体55〜85重量%およびこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体0〜30重量%からなる単量体混合物を乳化重合してなる共重合体ゴムラテックスであって、該共重合体ゴム中の共役ジエン単量体単位のミクロ構造が、トランス−1,4結合が75%以上、シス−1,4結合が12%以下、残りがビニル結合であり、該共重合体ゴム中のゲル含有量が20〜65重量%であることを特徴とするフォームラバー用共重合体ゴムラテックス。
  2. 加硫剤を配合した請求項1に記載の共重合体ゴムラテックスを、発泡させ、凝固、加硫させてなることを特徴とするフォームラバー。
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