JP3757196B2 - 電気車の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気車の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
交流電動機の電動機制御においては、一般的に電源の電圧を電力変換手段いわゆるインバータ装置によって直流電源を交流電源に変換し、電動機に印加して制御を行う。この電動機電圧と直流電圧との間には電力変換手段に関係する一定の関係があり、例えば一般的な電圧型正弦波PWM変調方式のインバータでは、直流電圧×70%=最大電動機電圧(実効値)のレベルである。通常はこの関係に従って電動機に電圧を印加して制御するが、直流電圧が低下した場合にも、この関係を制御維持するように電動機電圧を調整しないと、いわゆる電動機電圧の飽和状態となる。このため、電流制御等が追従できなくなり、制御が不安定になる等の弊害が生じる。
【0003】
このような電動機を駆動する制御装置における電動機電圧飽和を検出して補正する方法については、例えば特開平8−80097号公報,特開平10−136699号公報,特開2001−8499号公報,特開2001−145400号公報に記載されたものが知られている。
【0004】
特開平8−80097号公報では、直流電圧を元に出力可能な電圧絶対値を求め、ここから演算によって励磁軸リミット値及びトルク軸リミット値を求め、その値で励磁軸指令電圧及びトルク軸指令電圧の電圧リミット処理を行うという技術が記載されている。
【0005】
特開平10−136699号公報には、電圧指令Vd* 及びVq* から電圧指令の絶対値であるモータ電圧推定値を求め、バッテリ電圧と比較することによってモータに対するトルク指令、もしくはトルク電流指令やトルク電圧指令,励磁電流指令や励磁電圧指令を補正して、モータの電圧飽和を解消する技術が記載されている。
【0006】
特開2001−8499号公報には、d軸とq軸に制御軸を分離制御するベクトル制御において、q軸電圧指令量に基づき磁束指令値を制限することによって、モータの電圧飽和を解消する技術が記載されている。
【0007】
特開2001−145400号公報では、トルク電流方向電圧指令値及び励磁電流方向電圧指令値をもとに直流電圧検出値との比較を行いモータの電圧飽和を監視して磁束指令を可変調整し、モータの電圧飽和を解消する技術について記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、例えば特開平8−80097号公報,特開平10−136699号公報,特開2001−8499号公報,特開2001−145400号公報いずれにおいても、直流電源の電圧と交流電圧の指令値から求めたモータ電圧相当の値、あるいは電流制御上の偏差量に基づいた判定により、電動機電圧の飽和を判定し飽和を解消すべく補正を行う技術である。しかしながら、何れの技術においても直接PWM変調を行う値ではないdq軸上の電圧指令よりモータ電圧の推定演算を行い、直流電源電圧と比較する方式であるので、後段で2相3相変換した後の3相電圧指令を用いてPWM信号を生成した段階で、実際に電動機電圧が飽和しているかどうか、つまりPWM変調状態が搬送波振幅/電圧指令振幅の比を変調比として変調比100%を越える過変調状態になっているかどうかについての判断は出来ていないことになる。
【0009】
また、電力変換手段であるインバータは、通電電流の大きさによって電動機に印加可能な出力電圧が変化するので(一般的に高電流であるほど印加可能電圧が低下する傾向である)、一律にバッテリ電圧のみで電力変換手段が出力可能な電圧を判定する方法では、電力変換手段の能力を最大限に生かし切れない面がある。
【0010】
本発明の目的は、PWM信号生成の段階で実際に電動機の電圧が飽和しているかどうかを3相電圧指令を直接用いて判定することにより、より確実に電動機電圧の飽和を判定してすみやかに飽和状態を解消し電動機を安定に制御することにある。
【0011】
また本発明の別の目的は、PWM信号生成の変調度を直接判定することにより電力変換手段の特性や通電電流によらず、電力変換手段で出力可能な電圧を最大限に引き出すことにより、より性能の高い電気車の制御装置を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、アクセル検出手段と、ブレーキ検出手段と、前後進選択手段と、交流電動機と、電力変換手段と、交流電動機の電流を検出する電流検出手段と、トルク指令値,電流指令を演算する目標指令演算手段と、電流指令と電流検出値を比較する電流制御手段と、電流制御手段からの出力値を座標変換し電圧指令を生成する2相3相座標変換手段と、電圧指令に基づいて駆動信号を生成するPWM生成手段と、電圧指令に基づいて電圧指令合成波を演算する電圧指令合成波演算手段と、電圧指令合成波に基づいて出力制限を判定する変調度判定手段と、出力制限判定結果に基づいて目標指令演算手段での演算を制限する出力制限演算手段を設けた電気車の制御装置によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による電気車の制御装置の実施例を図によって説明する。
【0014】
図1は本発明の電気車の制御装置の基本構成図である。
【0015】
本発明の電気車の制御装置は、アクセル検出手段1,ブレーキ検出手段2,前後進選択手段3によって電気車の運転手の意志を電気的な信号に変換する。コントローラ4にはマイクロコンピュータ5が内蔵されており、マイクロコンピュータ5はCPU6,メモリ7,入出力手段8,A/D変換手段9が備えられている。この構成におけるメモリ7はいわゆるRAMと不揮発性のROMの両方を含むものである。アクセル検出手段1やブレーキ検出手段2の信号はA/D変換手段9,前後進選択手段3の信号は入出力手段8に伝達される。CPU6では入出力手段8やA/D変換手段9からの信号に基づき、メモリ7を必要に応じてアクセスして、電動機14が発生するトルク等の演算を行い入出力手段8を介して駆動信号10を電力変換手段11に伝達する。
【0016】
電力変換手段11は、電源12の電力を駆動信号10の信号に従い、電動機14に供給できるように変換して、電動機14に電力を供給する。電動機14に供給された電力のうち、電流は電流検出手段13によって電流検出信号16としてA/D変換手段9に帰還される。電動機14には回転検出手段15が備えられており、電動機14の回転を電気的な信号に変換してマイクロコンピュータ5の内部の入出力手段8に帰還する。
【0017】
図2は本発明の電気車の制御装置の一実施例である。
【0018】
本発明の電気車の制御装置は、アクセル検出手段1,ブレーキ検出手段2,前後進選択手段3の信号をもとに、コントローラ4の目標指令演算手段18により電動機14が発生すべきトルクである目標トルク指令値と、q軸電流指令19及びd軸電流指令20を演算する。
【0019】
電動機14に供給される電力の電流は電流検出手段13によって電流検出信号16として検出し、コントローラ4の3相2相変換手段31に伝達される。3相2相変換手段31では、電流検出信号16をベクトル制御上で用いるdq軸座標系の直交成分電流であるq軸電流検出値32とd軸電流検出値33に演算変換する。先に述べたq軸電流指令19とq軸電流検出値32,d軸電流指令20とd軸電流検出値33は各々突き合わせ比較され、電流制御手段21にて電流制御を行う。この電流制御はいわゆる電流フィードバック制御であり、比例積分制御等の技術を用いてなされるものである。電流制御した結果はq軸電圧指令22とd軸電圧指令23として出力される。q軸電圧指令22とd軸電圧指令23は2相3相変換手段24に伝達され、ここでdq軸座標系から3相交流座標系への変換が実施される。変換演算の結果はU相電圧指令25,V相電圧指令26,W相電圧指令27として出力される。U相電圧指令25,V相電圧指令26,W相電圧指令27はPWM生成手段28に伝達され、ここでPWM駆動信号生成の為の搬送波と比較され、PWM信号を生成して駆動信号10として電力変換手段11に伝達する。電力変換手段11は、電源12の電力を電動機14に供給できる電力に変換して供給する。電動機14には回転検出手段15が備えられており、電動機14の回転を電気的な信号に変換して回転検出信号17としてコントローラ4の内部の回転演算手段38に伝達する。回転演算手段38では、回転検出信号17をコントローラ4での演算に適用できるように回転検出値39として変換して、各処理手段に伝達する。この回転検出値39はいわゆる電動機14の回転数の他に、電動機14の電気角位置θ等を示す信号を含む場合もある。
【0020】
ここで、U相電圧指令25,V相電圧指令26,W相電圧指令27はPWM生成手段28への伝達とは別に電圧指令合成波演算手段29にも伝達される。電圧指令合成波演算手段29では、U相電圧指令25,V相電圧指令26,W相電圧指令27の各指令をもとに3相電圧指令の合成波を演算し、演算結果を電圧指令合成波35として変調度判定手段30に伝達する。変調度判定手段30では、電圧指令合成波35の信号レベルを元に電力変換手段11が過変調状態であるかどうか、電動機14に印加する電圧が飽和状態になっていないかどうかの判定を行う。この変調度判定手段30における判定は必ずしも変調度100%を基準とする必要はなく、制御装置全体の特性に応じて変調度判定しきい値を任意の値に設定しても良い。判定した結果に基づき、変調度判定手段30では出力制限フラグ36を出力する。これは変調度判定手段30の判定結果に基づいて出力制限を実行するか否かを決めるフラグである。この出力制限フラグ36は先に説明した目標指令演算手段18に伝達され、先に説明した目標トルク指令値,q軸電流指令19及びd軸電流指令20の制限を実施する。
【0021】
このような構成とすることにより、PWM生成手段28でPWM変調を行うためのU相電圧指令25,V相電圧指令26,W相電圧指令27をもとに、直接PWM変調があるしきい値レベルを越えて変調状態になっているかどうか、すなわち電動機14に印加する電圧が飽和状態になっているかどうかの判定を実施する。その時に目標トルク指令値,q軸電流指令19及びd軸電流指令20を適切に制限することによって、電動機14への印加電圧飽和状態を解消することができ、電動機14を安定に制御することができる。
【0022】
また、本発明によれば3相電圧指令そのもので変調度を判定するので、電源12の電圧や電動機14に供給する電流、あるいは電力変換手段11の能力によらず電動機14に最大限の電圧を供給することが可能となり、制御装置全体の性能を最大限に引き出すことができる。
【0023】
図3は本発明の電気車の制御装置における、3相電圧指令の波形を示すグラフである。
【0024】
3相電圧指令は、いわゆるPWM変調の電圧型インバータでは正弦波近似の波形でPMWを生成する。図3における実施例ではこの正弦波近似波形に電圧利用率を向上させる為の処置を施した波形となっている。
【0025】
U相電圧指令25,V相電圧指令26,W相電圧指令27は各々120°の位相差をもった波形となっており、それぞれが3相のU相、V相、W相に対応する。通常はこのような正弦波近似の波形であるため、この波形をそのまま用いてPWM変調度を判定すると正負判定や通電位置判定等処理が複雑になる。また高周波駆動(例えば8極電動機で10000r/min 駆動時、電圧指令の周波数は約700Hzになる)では電圧指令の変化サイクルが早くなるため、これを直接追従監視してPWM変調度を判定するのは演算処理等の負担からも現実的ではない。
【0026】
図4は本発明の電気車の制御装置における、3相電圧指令の絶対値化を示すグラフである。
【0027】
3相電圧指令は通常の2相3相変換処理を行った場合、正負の値を持つ指令であるが、これを全て絶対値化することにより正方向にのみ振幅が生ずる電圧指令の波形となる。
【0028】
図5は本発明の電気車の制御装置における、電圧指令合成波の生成方法を示すグラフである。
【0029】
先に述べた3相電圧指令の絶対値を3相分合計する。この時3相電圧指令が絶対値でない場合は3相平衡の条件(U+V+W=0)から合計値はゼロになってしまうが、3相電圧指令絶対値を合計するとU+V+Wはゼロにならない。
【0030】
この実施例においては、式1の演算を実施している。
【0031】
【数1】
(|Vu* |+|Vv* |+|Vw* |)/2 …式1
その結果、電圧指令合成波は図に示すように振幅の最小値が3相電圧指令の最大振幅と一致する波形として現れる。この電圧指令合成波を用いて、変調度判定ラインと電圧指令合成波を比較することにより、PWM変調の度合いを判定することができる。またこの電圧指令合成波は正負に変化しない準直流の波形であるため、インバータ周波数の影響を受けず単純にしきい値と比較することができる。
【0032】
また、この電圧指令合成波と比較する変調度判定ラインは、インバータのPWM変調の搬送波ピーク値と同じ値とすることによって、電圧指令合成波が常時変調度判定ラインを超過している時に、変調度100%を越えている状態が持続していると判断することができ、過変調の判定が容易となる。
【0033】
図6は本発明の電気車の制御装置における、電圧指令合成波の生成方法を示す第二の実施例を示すグラフである。本実施例においては、変調用の電圧指令値を電圧利用率の向上処置を施さない通常の正弦波で実施した場合である。
【0034】
この実施例においても同様に、式1の演算を実施している。
【0035】
この場合の電圧指令合成波は、3相電圧指令振幅に対して最大値付近をトレースするような波形となる。本実施例では、電圧指令合成波の振幅の最大値が変調度判定ラインと接する状態が変調率100%の状態になる。この実施例においては、電圧指令合成波の最大値が変調度判定ラインを下回るようにすることによって、過変調状態を解消することができる。
【0036】
図7は本発明の電気車の制御装置における出力制限制御の動作を示すグラフである。
【0037】
アクセル検出手段1の信号がオフ、すなわちアクセル開度がゼロの時はアクセル信号が0%となる。ここからアクセルを踏み込んでいくと、それに追従してトルク指令が上昇する。トルク指令に追従して交流の電動機電流が流れ、電動機14はトルクを発生する。この時電源12がバッテリである場合には、電動機出力増加に伴いバッテリ電圧は垂下していく。電動機電流の上昇に伴い3相電圧指令の振幅も増加し、その結果、電圧指令合成波Vr* も上昇していく。やがてバッテリ電圧が低下し続けるとモータ印加電圧が飽和状態となるが、これを電圧指令合成波Vr* と変調度判定レベルの比較により判定することができる。電圧指令合成波Vr* が変調度判定レベルを超過した状態が所定時間ton経過した場合に、過変調状態を解消すべく出力制限フラグをセットする。この出力制限フラグにより出力制限が実行され、出力制限指令が100%から低下していく動作となる。これは逐次時間毎に出力制限指令を減算していっても良いし、所定の関数処理に従って変化させても良い。このように出力制限指令が低下することによって電動機電流が低下し、電圧指令合成波Vr* も低下していく。やがて変調度判定レベルとつりあう点で出力制限フラグが解除され、出力制限指令の低下も停止する。この状態が電動機電圧が飽和せずに印加されバッテリ電圧とバランスした状態であり、この状態であれば良好に電動機14の制御を継続することができる。
【0038】
図8は本発明の電気車の制御装置における、出力制限制御解除の動作を示すグラフである。
【0039】
出力制限後は出力制限指令が0〜100%の間の任意の値に保持されており、この状態で変調度判定レベルと電圧指令合成波Vr* はほぼ一致した状態となっている。ここからアクセル検出手段1をオフした場合、トルク指令はそれに追従して低下し電動機電流も低下してやがてゼロになる。このアクセルがオフになった状態では出力制限指令による出力制限は不要であるので、アクセルオフ時点から所定時間toff が経過した時点で出力制限指令を100%に復帰させ、出力制限を解除するように動作させる。このようにすることによって、次回再起動時は過変調にならない範囲であれば最大の出力を発生することができ、特に電動機電圧があまり上昇しない低速回転域などの条件時に運転性を損なわないように構成することができる。
【0040】
図9は変調度判定処理の内容を示すフローチャートである。
【0041】
まず処理9bで電圧指令合成波Vr* と変調度しきい値との比較を行う。比較の結果電圧指令合成波Vr* の方が変調度しきい値よりも大きい場合は、処理9cに進む。電圧指令合成波Vr* の方が変調度しきい値よりも大きい場合とは、変調度が所定のレベルを越えていると見なせる状態である。
【0042】
処理9cにおいて、変調判定タイマが規定時間経過しているかどうかを判定し、規定時間経過している場合には処理9eに進み出力制限フラグをセットする。次の処理9fにおいて、変調解除タイマをリセットする。
【0043】
処理9bにおいて比較の結果、電圧指令合成波Vr* の方が変調度しきい値よりも小さい場合には、過変調でないと判断できるので処理9dに進む。処理9dにおいて、変調解除タイマを判定し規定時間経過している場合には、処理9gに進み、出力制限フラグをリセットして、処理9iで変調判定タイマをリセットする。
【0044】
処理9dにおいて、変調解除タイマが規定時間経過していない場合には、処理9hに進む。処理9hでは出力制限フラグをそのまま保持する。
【0045】
このようにすることにより、過変調状態を電圧指令合成波Vr* と変調度しきい値との比較のみで判断できるようになり、過変調の判定が容易に実行できるようになる。また、各々の判定に所定時間検出タイマを設けることにより、過変調の有無を確実に検出して出力制限の実行要否を判定することができる。
【0046】
図10は、出力制限判定演算の内容を示すフローチャートである。
【0047】
まず処理10bにおいて、出力制限フラグのチェックを行う。出力制限フラグがセットされている場合には処理10cに進み、そうでない場合は処理10dに進む。処理10cにおいて出力制限フラグがセットされている時間を制限判定タイマで計時し、所定時間経過していれば処理10eに進む。所定時間経過していない場合は何もせず処理10kに進んで、出力制限判定演算の処理を終了する。処理10eに進んだ場合は、出力制限フラグセットの状態が所定時間経過したことになるので、処理10eで制限判定タイマを一旦リセットする。その次に処理10fにおいて、出力制限指令の減算処理を行う。処理10gに進んで出力制限指令が下限値に達しているかどうかの判定を行い、下限値に達している場合には処理10hで下限値リミッタ処理を行う。この処理10bから10hに至る処理で、出力制限フラグがセットされている期間は制限判定タイマによる計時が行われ、所定時間経過毎に出力制限指令が逐次減算される動作となる。処理10fにおける出力制限指令の減算処理は、所定の値を逐次減算する方法であっても良いし、任意の関数による出力制限指令の変化を行わせる方式であっても良い。処理10bにおいて出力制限フラグがセットされていない場合は、出力制限指令の減算等の処理が不要なので、処理10dに進む。処理10dにおいてアクセル検出手段1の状態を判定する。ここでアクセル検出手段1がオフ、すなわち踏み込まれていない場合であると判断される場合には処理10i、踏み込まれている場合は処理10kに進み出力制限判定演算を終了する。処理10dにおけるアクセル検出手段1の判定でアクセルが踏み込まれていない場合は、出力制限指令をリセットすべく処理10iに進む。処理10iで出力制限指令を100%値にリセットすることを実施し、処理10jにおいて制限判定タイマのリセットを実施する。このような処理によって、出力制限フラグがセットされていない状態でアクセル検出手段1をオフにした場合、直ちに出力制限指令が100%の値に復帰し、次回力行時は再度出力100%からリスタートすることが可能となり、不必要に出力制限を行わないようにすることができる。
【0048】
図11に、本発明の電気車の制御装置及び制御方法における電圧指令と搬送波の関係を示すグラフである。
【0049】
PWM変調方式のインバータ装置においては、搬送波と呼ばれる三角形状あるいはのこぎり波形状の波形と正弦波状の電圧指令との比較により、PWM信号の生成を行う。電圧指令は図11(a)に示すように、通常正負の振幅を持つ値として生成される。しかしこのままでは直接搬送波との比較ができないので、図11(b)に示すように、搬送波の中心と電圧指令の振幅中心を一致させるように電圧指令をオフセットする。これによってPWM変調が可能となる。ここで搬送波の頂点が搬送波ピーク値であり、変調率100%のしきい値となる値になる。電圧指令の振幅最大値が、この変調率100%しきい値を越えるレベルになる状態が過変調である。さらに図11(c)において、電圧指令合成波の生成を行う。電圧指令合成波の生成は先に述べたようにU相,V相,W相の電圧指令の絶対値の合成演算で生成すればよいが、本実施例のように搬送波の中心と電圧指令振幅の中心を一致させている条件の場合には、ただ単にU,V,W相の電圧指令の絶対値を合成させても、算出される電圧指令合成波は電圧指令振幅の2倍の値が出力される。よってこの場合は各相の電圧指令の絶対値の加算を1/2する式2によって求めることで、電圧指令の振幅と電圧指令合成波が接するような関係で電圧指令合成波を求めることができ、この時に搬送波の搬送波ピーク値と関係が整合することができる。
【0050】
【数2】
電圧指令合成波=(|Vu* |+|Vv* |+|Vw* |)/2 …式2
電圧指令の振幅中心が搬送波中心と一致していない図11(a)の状態から電圧指令合成波を求める場合には先の式2の1/2を除けばやはり搬送波の搬送波ピーク値と電圧指令合成波が整合するように演算することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、PWM信号生成の段階で実際に電動機の電圧が飽和しているかどうかを3相電圧指令を直接用いて判定することにより、より確実に電動機電圧の飽和を判定してすみやかに飽和状態を解消し電動機を安定に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気車の制御装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例を示す電気車の制御装置のブロック図である。
【図3】本発明の電気車の制御装置における3相電圧指令の波形を示すグラフである。
【図4】本発明の電気車の制御装置における3相電圧指令の絶対値化を示すグラフである。
【図5】本発明の電気車の制御装置における電圧指令合成波の生成方法を示すグラフである。
【図6】本発明の電気車の制御装置における電圧指令合成波の生成方法の第二の実施例を示すグラフである。
【図7】本発明の電気車の制御装置における出力制限制御の動作を示すグラフである。
【図8】本発明の電気車の制御装置における出力制限制御解除の動作を示すグラフである。
【図9】本発明の電気車の制御装置における変調度判定処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】本発明の電気車の制御装置における出力制限判定演算の内容を示すフローチャートである。
【図11】本発明の電気車の制御装置における電圧指令と搬送波の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…アクセル検出手段、2…ブレーキ検出手段、3…前後進選択手段、4…コントローラ、5…マイクロコンピュータ、6…CPU、7…メモリ、8…入出力手段、9…A/D変換手段、10…駆動信号、11…電力変換手段、12…電源、13…電流検出手段、14…電動機、15…回転検出手段、16…電流検出信号、17…回転検出信号、18…目標指令演算手段、19…q軸電流指令、20…d軸電流指令、21…電流制御手段、22…q軸電圧指令、23…d軸電圧指令、24…2相3相変換手段、25…U相電圧指令、26…V相電圧指令、27…W相電圧指令、30…変調度判定手段、31…3相2相変換手段、32…q軸電流検出値、33…d軸電流検出値、34…出力制限演算手段、35…電圧指令合成波、36…出力制限フラグ、37…出力制限指令、38…回転演算手段、39…回転検出値、40…変調度判定ライン。

Claims (6)

  1. アクセル検出手段と、ブレーキ検出手段と、前後進選択手段と、交流電動機と、電力変換手段と、交流電動機の電流を検出する電流検出手段を備えた電気車の制御装置において、
    前記アクセル手段と前記ブレーキ検出手段と前記前後進選択手段からの信号を基に目標トルク指令値,q軸電流指令,d軸電流指令を演算する目標指令演算手段と、電流検出手段による電流検出値をq軸電流検出値とd軸電流検出値に変換する3相2相座標変換手段と、q軸電流指令及びd軸電流指令とq軸電流検出値及びd軸電流検出値を比較する電流制御手段と、前記電流制御手段からの出力値を座標変換し電圧指令を生成する2相3相座標変換手段と、前記電圧指令に基づいて駆動信号を生成するPWM生成手段と、前記電圧指令に基づいて電圧指令合成波を演算する電圧指令合成波演算手段と、前記電圧指令合成波に基づいて出力制限を判定する変調度判定手段と、前記出力制限判定結果に基づいて前記目標指令演算手段での演算を制限する出力制限演算手段を設けたことを特徴とする電気車の制御装置。
  2. U相電圧指令Vu* と、V相電圧指令Vv* と、W相電圧指令Vw* の各指令値をもとに、U相電圧指令絶対値|Vu*|と、V相電圧指令絶対値|Vv*|と、W相電圧指令絶対値|Vw*|を生成し、|Vu*|と|Vv*|と|Vw*|の演算合成により前記電圧指令合成波を求めることを特徴とする請求項1記載の電気車の制御装置。
  3. U相電圧指令Vu* と、V相電圧指令Vv* と、W相電圧指令Vw* のいずれか2相分の電圧指令をもとに、
    Vu* +Vv* +Vw* =0
    の3相平衡条件を用いて残り1相分の指令を求め、それぞれの絶対値|Vu*|,|Vv*|,|Vw*|の演算合成により前記電圧指令合成波を求めることを特徴とする請求項1記載の電気車の制御装置。
  4. 前記出力制限演算手段により制限する値は、前記q軸電流指令,前記d軸電流指令,目標トルク指令値のいずれかを、単独もしくは複数組み合わせて制限することを特徴とする請求項1記載の電気車の制御装置。
  5. 前記出力制限演算手段による制限は、前記アクセル検出手段の踏み込み解除もしくは前記前後進選択手段の方向選択解除に伴い制限を解除することを特徴とする請求項1記載の電気車の制御装置。
  6. 前記出力制限演算手段による制限は、前記変調度判定手段による判定を実施してから所定時間経過後に、所定の傾き又は関数に従い出力制限を行うようにすることを特徴とする請求項1記載の電気車の制御装置。
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