JP3754964B2 - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3754964B2
JP3754964B2 JP2003026230A JP2003026230A JP3754964B2 JP 3754964 B2 JP3754964 B2 JP 3754964B2 JP 2003026230 A JP2003026230 A JP 2003026230A JP 2003026230 A JP2003026230 A JP 2003026230A JP 3754964 B2 JP3754964 B2 JP 3754964B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
pixel
camera
exposure
camera shake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003026230A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003274281A (ja
Inventor
一朗 大貫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2003026230A priority Critical patent/JP3754964B2/ja
Publication of JP2003274281A publication Critical patent/JP2003274281A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3754964B2 publication Critical patent/JP3754964B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exposure Control For Cameras (AREA)
  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像装置に関し、特に、画像の露光レベルを調節するために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
銀塩フィルムを用いたカメラに対し、CCD等の固体撮像素子を用いた、いわゆる電子スチルカメラが既に商品化されている。この電子スチルカメラは即時性の点で銀塩カメラに優るものの、撮像素子の解像度及びダイナミックレンジの能力の点で銀塩カメラより劣っている。
【0003】
そこで上記第1の欠点である解像度の能力不足を改善するため、従来より、結像光学系により形成された被写体像と、この被写体像を光電変換する撮像素子との相対位置を微少変化させながら複数回の撮影を行って複数組の画像信号を得、この複数組の画像信号を所定の方法で合成することにより高精細な画像を得る、いわゆる画素ずらし技術を用いた撮像装置が既に提案されている。この画素ずらしの先行技術文献としては、例えば以下に示すような特許公開公報がある。
【0004】
特開昭60−27278号公報(特許文献1)では、撮影光学系前方の楔形プリズムを光軸回りに回動させて、撮像素子上の光学像を平行偏心させ、出力画像を合成して高精細画像を得ている。
特開昭60−91774号公報(特許文献2)では、変倍系とマスター系で構成された撮影光学系において、マスター系の一部のレンズを光軸に対して垂直方向にシフトさせ、撮像素子上の光学像を平行偏心させて、出力画像を合成し高精細画像を得ている。
特開昭61−236282号公報(特許文献3)では、撮像素子前方の平行平面透明体を光軸と直交する軸回りに回動させて、撮像素子上の光学像を平行偏心させ、出力画像を合成して高精細画像を得ている。
特開平7−287268号公報(特許文献4)では、撮影光学系前方の可変頂角プリズムを手振れ信号と画素ずらし信号に基づいて駆動し、撮像素子上の光学像を平行偏心させて、手振れによる像振れの解消と画素ずらしによる画像の高精細化を同時に達成している。
【0005】
しかしながらこのような画素ずらし技術は、スチルカメラの多重露光と同様に、最初の画像信号と最後の画像信号の取得時刻の間隔が長くなり、その間に手振れが生ずると画質低下を来たし、画素ずらしによる高精細化が望めない。そこでこの欠点を解消するための先行技術文献としては、例えば以下に示すような特許公開公報がある。
【0006】
特開平7−240932号公報(特許文献5)では、撮影光学系前方の可変頂角プリズム或いは撮影光学系後方の移動レンズ群により、手振れによる像振れの解消と画素ずらしによる画像の高精細化を同時に達成している。
また、前記特開平7−287268号公報でも、撮影光学系の焦点距離が所定値以上の時は画素ずらし駆動精度が低下するため、画素ずらし制御を禁止する旨の開示がなされている。
【0007】
また、前記第2の欠点であるダイナミックレンジの能力不足を改善するための先行技術文献として以下に示すような特許公開公報がある。
特開平1−319370号公報(特許文献6)では、1組の撮像素子に対して露光量が異なるように複数回の露光を行い、この操作によって得た画像を合成し、広ダイナミックレンジ画像を得ている。
特開平7−264488号公報(特許文献7)では、感度特性の異なる複数組の撮像素子で得た画像信号を合成し、広ダイナミックレンジ画像を得ている。
【0008】
さらに、前記第1及び第2の欠点を同時に解消する先行技術として、特開平8−37628号公報(特許文献8)では、画素ずらしのための複数の画像のうち少なくとも1組の画像は、他の画像に対して露光量を変えて得ることにより、高精細かつ広ダイナミックレンジ画像を得ている。
【0009】
一方、撮像素子を有する撮像装置では、撮像素子の時系列的出力から画像の動きベクトルを求め、撮影に先立って画像振れを判断することが可能である。そこでこの分野の先行技術として、特開平2−57078号公報(特許文献9)においては、画像の動きベクトルを連続的に検出し、該動きベクトルが最小になった時点での画像を最終的な記録画像とすることにより、露光中の手振れの影響を抑える旨の開示がある。
また特開平8−172568号公報(特許文献10)では、画素ずらし用の複数の画像間の動きベクトルを求め、手振れや被写体振れによる像振れ成分を補間によって取り除いてから画像合成を行い、画像の高精細化を図る開示がなされている。
【0010】
【特許文献1】
特開昭60−27278号公報
【特許文献2】
特開昭60−91774号公報
【特許文献3】
特開昭61−236282号公報
【特許文献4】
特開平7−287268号公報
【特許文献5】
特開平7−240932号公報
【特許文献6】
特開平1−319370号公報
【特許文献7】
特開平7−264488号公報
【特許文献8】
特開平8−37628号公報
【特許文献9】
特開平2−57078号公報
【特許文献10】
特開平8−172568号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記各公報に開示された従来例では以下のような欠点があった。特開昭60−27278号、特開昭60−91774号、特開昭61−236282号の各公報では、手振れ補正機構を有していないため、手振れによる像振れが大きな撮影条件下では高精細な画像を得ることができない。これは、画素ずらし用に複数組の画像を得る操作が多重露光と同様の操作であるため、第1組目の画像取り込みから最終組の画像取り込みまでの時間が通常撮影の露光時間に比べてはるかに長くなり、その結果、手振れの影響をより強く受けるためである。
【0012】
特開平7−287268号公報では、手振れ補正及び画素ずらし用の光束偏向手段である可変頂角プリズムが撮影光学系の前方にあるため、手振れ信号を可変頂角プリズムの駆動量に変換する係数(手振れ補正係数)はズーミングによって変動しない。従ってズーミングに際しては、画素ずらし信号を可変頂角プリズムの駆動量に変換する係数(画素ずらし補正係数)のみを変えればよかった。しかし撮影光学系の小型化を図るために光束偏向手段を撮影光学系内に設けると、ズーミングに際して手振れ信号と画素ずらし信号の両方をそれぞれ固有の係数で変換し、光束偏向手段を駆動しなければならないが、この公報にはこのような開示がない。
【0013】
また、この公報では、画素ずらし機構を、動画を記録するビデオカメラ(カムコーダ)に適用しているため、画像の取り込みサイクルは動画のフィールド周波数で決まり、一定である。しかし画素ずらし機構を、静止画を記録するいわゆる電子スチルカメラに適用すると、画像取り込みサイクルを撮像素子の電荷蓄積時間(すなわち被写体輝度)に応じて変化可能な撮像素子を使用した方が、広範な輝度範囲の被写体に対応できる。しかしこの場合、画像取り込みサイクルが伸びると手振れの影響がより強く表れるため、画素ずらし動作を撮影条件に応じてきめこまかく制御する必要がある。しかしこの公報には、撮影光学系の焦点距離に応じて画素ずらし動作を変える記載しかない。さらにダイナミックレンジの拡大に関する記載がない。
【0014】
特開平7−240932号公報では、手振れ補正の精度が足りなかったり手振れ補正が失敗した場合にも画素ずらしを実行するため、高精細画像が得られないばかりか、画素ずらし制御を行わないオリジナル画像よりも低画質の画像が得られてしまう場合がある。
特開平7−287268号公報では、所定の画素ずらし精度が得られないと予想される条件下では画素ずらしを禁止しているが、実際の手振れの影響を基に判断しているのではない。従って上記公報と同様に、大きな手振れが発生した場合には、オリジナル画像よりも低画質の画像が得られてしまう可能性がある。
【0015】
特開昭60−91774号公報では、画像の高精細化のみが可能で、ダイナミックレンジ拡大の記載はない。
特開平1−319370号、特開平7−264488号の各公報では、ダイナミックレンジの拡大のみが可能で、高精細化の記載がない。
【0016】
一方、特開平8−37628号公報では、画像の高精細化とダイナミックレンジ拡大の記載はあるものの、ダイナミックレンジ拡大のために得る複数組の画像に対する露光量決定法の詳しい記載がない。従って世の中に存在するさまざまな輝度分布を有した被写体シーンに、きめ細かく対応する事ができない。また、画素ずらし操作は多重露光と同じく、撮像素子に対する見かけ上の露光(蓄積)時間が伸びるため、手振れ対策も必要になるが、この公報にはその記載がない。
【0017】
特開平2−57078号公報では、画素ずらしの記載が無いため、通常の撮影画像に対する手振れの影響を低減するという効果のみで、画素ずらしによる画像の高精細化は望めない。
また画素ずらしによる画像の高精細化を行う際は、画素ずらし量を撮像素子の画素間隔に基づいた所定量に制御する必要がある。しかしながら特開平8−172568号公報では、可変頂角プリズム等を用いた光学的手振れ補正手段がないため、画素ずらし中の手振れによる像振れが大きくかつランダムに生じる。従って、上記所定量の画素ずらしが実行される保証はなく、補間による像振れ補正を行っても高精細画像が得られる可能性は低い。また所望の高精細画像が得られない場合の警告や、次善の策の選択等の開示もない。
【0018】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、被写体の輝度分布に応じた広ダイナミックレンジの画像を得るようにすることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、被写体像を形成する撮像光学手段と、上記被写体像を光電変換する撮像手段と、上記撮像手段から読み出された複数フレームの画像信号を記憶する複数画像取得手段と、上記被写体像を複数の領域に分割して測光する測光手段と、上記測光手段の測光結果に基づいて、上記複数の領域のうちの第1の領域が適正露光量となる第1の露光条件と、上記複数の領域のうちの第2の領域が適正露光量となる上記第1の露光条件と異なる第2の露光条件とを求めるとともに、上記第1の露光条件を設定し、上記第1の露光条件で第1の所定数のフレーム画像信号を上記撮像手段から読み出し、上記第2の露光条件を設定し、上記第2の露光条件で上記第1の所定数よりも多い第2の所定数のフレーム画像信号を上記撮像手段から読み出すように調節する露光レベル調節手段とを有し上記複数画像取得手段は、上記撮像手段から読み出された、上記第1の露光条件の上記第1の所定数のフレーム画像信号と上記第2の露光条件の上記第2の所定数のフレーム画像信号とを合成することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1〜10の実施の形態について説明する。
図1ないし図5は本発明の第1〜10の実施の形態に共通に係わる図である。
図2は結像光学系の一例を示したもので、焦点距離は10mm〜30mmの3倍ズームであり、同図(a)はワイド端(f=10mm)、同図(b)はテレ端(f=30mm)におけるレンズの配置を示す。
【0021】
この結像光学系は4つの群より成り、変倍に当たっては第4群が固定で第1、第2、第3群が移動し、焦点調節の際には第1群が移動する。そして第2群を光軸に対して垂直方向に変位させることにより、結像面上の像を変位させて画素ずらし及び手振れ補正を行う。
【0022】
次に図3を用いて第2レンズ群の光束偏向効果について説明する。図3は図2の各レンズ群を簡略化して示したもので、同図(a)は第2群が所定量dL だけ下方向にシフトした時の像側での光束偏向効果を、同図(b)は同じく第2群が所定量dL だけ下方向にシフトした時の物体側での光束偏向効果を示している。まず図3(a)について説明する。物体側より第1群の光軸上に入射した光線は、下方向にシフトした負の第2群により、上方向に偏向され、第3群、第4群を通過して像面上の像高dIMの位置に到達する。この時の第2群シフト量dL と像変位量高dIMの比を偏心敏感度Sd と称することにすると、これら3つの値は、
IM=Sd ×dL ………(1)
で関係づけられる。
【0023】
そして偏心敏感度Sd は第2群以降のレンズ群の配置によって変わるため、本実施の形態ではズーミングに応じて変化する。一方、本実施の形態は第1群によるフロントフォーカスを採用しているため、偏心敏感度Sd はフォーカシングによっては変動しない。ただし第4群等でフォーカシングするリアフォーカス方式を採用すれば、フォーカシングによっても偏心敏感度Sd は変動する。そこで一般的に偏心敏感度Sd は焦点距離fと被写体距離Rの関数 Sd (f,R)と表されるため、式(1)も、
IM=Sd (f,R)×dL ………(2)
と置き換えられる。
【0024】
次に画素ずらし実行時の第2群のシフト駆動量について説明する。図4は画素ずらしの原理を説明するための図で、撮像素子の受光部拡大図を示している。図4において、受光面上には画素としての正方形の受光部が横方向WY 、縦方向WP の間隔にて規則的に配置される。この受光面上に結像された像の分解能は上記画素間隔WY 、WP で規定されてしまうが、画素と像との相対位置を変えながら複数の像信号を取り込み、これを所定の法則に従って合成・復元することで像の分解能を向上できる。例えば像のある点が、受光面中央の受光部の中心IM1に位置する時、第1組目の像信号(2次元センサのすべての画素信号)を取り込み、記憶する。次に該像の点がIM2に位置するように像を右方向XY =WY /2だけ変位させ、第2組目の像信号を取り込み、記憶する。同様に像点をIM3、IM4に移動して第3、第4組目の像信号を取り込み、合計4組の像信号を合成することで像に関する情報量が4倍になり、画像の空間分解能を水平、垂直方向とも2倍に高められる。
【0025】
ここで画素ずらしのために像をXY (=WY /2)或いはXP (=WP /2)だけ移動させるためには前記図3(a)で示した第2群の像移動作用を利用する。すなわち、像を上方向にXP だけ変位させるためには、式(2)に従って、
L =XP /Sd (f,R) ………(3)
で求まるdL だけ第2群を下方向にシフトさせればよい。そして画素ずらしのための像変位量XP はいつも一定値だが、偏心敏感度Sd (f,R)はズーミング、フォーカシングによって変わるため、第2群シフト量dL も光学系の状態に応じて変える必要がある。そこで本発明では後述するように、ズーミング、フォーカシングの状態に応じた偏心敏感度Sd (f,R)に関するデータを第1の係数として、マイクロプロセッサ(CPU)内のROM(Read Only Memory)に記憶させている。
【0026】
次に図3(b)について説明する。像面の中央より光学系の光軸cに沿って左に射出した光線は第4群、第3群を通過し、下方向にシフトした負の第2群により、上方向に偏向される。そして第1群を通過した光線は結像系の光軸cと平行な軸c′に対しθOB の角度だけ偏向して物体側に投射される。この時の第2群シフト量dL と光軸偏向角θOBとの比を角度敏感度Sθと称することにすると、これら3つの値は、
θOB=Sθ×dL ………(4)
で関係づけられる。そして角度敏感度Sθは第2群以前のレンズ群の配置によって変わるため、本実施の形態ではズーミング及びフォーカシングに応じて変化する。そこで一般的に角度敏感度Sθも前述の偏心敏感度Sd と同様に、焦点距離fと被写体距離Rの関数Sθ(f,R)と表されるため、式(4)も、
θOB=Sθ(f,R)×dL ………(5)
と置き換えられる。
【0027】
次に手振れ補正時の第2群のシフト駆動量について説明する。結像光学系と撮像素子を有するカメラ本体が手振れによって下方向に、すなわち、結像光学系の先端が下を向く方向に角度θCAMERAだけ回転振れを生じたとする。この時の手振れによる像振れはカメラに対して被写体が上方向に角度θOB(=θCAMERA)だけ移動した時の像変位と等価である。そこで図3(b)を参照すると、被写体が上方向に角度θOBだけ移動した時には第2群を下方向にdL だけシフト駆動させれば、被写体像の移動を解消させることができる。すなわち、手振れ検知センサが検知した手振れ角度θCAMERAと、式(5)に基づき、次式、
L =θCAMERA/Sθ(f,R) ………(6)
で求まるdL だけ第2群を下方向にシフトさせれば手振れによる像振れを解消できる。
【0028】
そして手振れ角度θCAMERAは時々刻々変わるとともに、角度敏感度Sθ(f,R)もズーミング、フォーカシングによって変わるため、第2群シフト量dL も光学系の状態に応じて変える必要がある。そこで本発明では前述の偏心敏感度Sd (f,R)と同様に、ズーミング、フォーカシングの状態に応じた角度敏感度Sθ(f,R)に関するデータを第2の係数として、マイクロプロセッサ内のROMに記憶させている。
【0029】
図1は撮像装置の構成図である。図1において、CMRはカメラ本体、LNSはレンズで、カメラ本体CMRに対して着脱可能な交換レンズとして構成されている。
まずカメラ本体CMRについて説明する。
CCPUはカメラ内マイクロコンピュータ(以下マイコンと略す)で、ROM、RAM、A/D、D/A変換機能を有する1チップマイコンである。カメラ内マイコンCCPUはROMに格納されたカメラのシーケンスプログラムに従って、自動露出制御(AE)、自動焦点調節(AF)、画素ずらし制御等のカメラの一連の動作を行う。そのためにカメラ内マイコンCCPUは、カメラ本体CMR内の周辺回路及びレンズLNSと通信して各々の回路やレンズの動作を制御する。
【0030】
カメラ本体CMRとレンズLNSとを結合するマウント部には4組の接続端子が設けられる。カメラ内電源BATはカメラ内各回路やアクチュエータへ電源を供給するとともに、ラインVCCを介してレンズLNSにも電源供給する。
DCLはカメラ内マイコンCCPUから後述するレンズ内マイコンLCPUへ信号を送信するライン、DLCはレンズ内マイコンLCPUからカメラ内マイコンCCPUへ信号を送信するラインで、この2つのラインを通じてカメラ本体CMRはレンズLNSを制御する。またカメラ、レンズのグラウンドもラインGNDを介して接続される。
【0031】
IMSはCCD等の撮像素子、IMDRは撮像素子IMSの電荷蓄積、電荷転送等を制御するドライバである。
MEMは撮影した画像の画像信号データを記録・保存するためのメモリで、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等が用いられる。
DISPは液晶ディスプレイ等で構成された表示部で、撮像素子IMSで得た画像を表示するとともにカメラの動作状態等も表示する。
BSはハーフミラーで構成されたビームスプリッタで、撮影光束の一部をセンサSNSへ導く。センサSNSは結像光学系の焦点状態を検出する焦点検出センサと、被写体輝度を検出する測光センサとからなる。
CNCはデスクトップコンピュータ等の外部装置と接続するためのコネクタで、前記メモリMEMの内容を外部に送信したり、外部装置からの信号でカメラ本体CMRを制御するのに用いられる。
【0032】
SWMNはメインスイッチで、このスイッチがオンされるとカメラ内マイコンCCPUは撮影に関する所定のプログラムの実効を許可する。
SW1、SW2はカメラのレリーズボタンに連動したスイッチで、それぞれレリーズボタンの第1ストローク、第2ストロークの押下でオンとなる。
SWSFは画素ずらしモード選択スイッチで、画素ずらしの許可/不許可や、複数の画素ずらしのモードから所定のモードを選択するのに用いられる。
SWISは手振れ補正(Image Stabilization 、以下図面ではISと略す)選択スイッチで、手振れ補正の許可/不許可を選択するスイッチである。
SWMODは撮影モード選択スイッチで、撮影者が所定のモードを選択すると、撮影者の意図するAEモード、AFモードが設定されるほか、前記画素ずらしモードと手振れ補正モードも自動設定される。
【0033】
次にレンズLNS側について説明する。
LCPUはレンズ内マイコンで、カメラ内マイコンCCPUと同じくROM、RAM、A/D、D/A変換機能を有する1チップマイコンである。レンズ内マイコンLCPUはカメラ内マイコンCCPUから信号ラインDCLを介して送られてくる命令に従い、後述するフォーカシングアクチュエータ、ズーミングアクチュエータ、絞りアクチュエータ及び像振れ補正アクチュエータの駆動制御を行う。またレンズの各種動作状況やレンズ固有のパラメータを信号ラインDLCを介してカメラ内マイコンCCPUへ送信する。
L1ないしL4は、図2で説明した第1ないし第4のレンズ群に相当するレンズ群であり、ズーム光学系を構成し、この光学系により被写体像が撮像素子IMS上に形成される。
【0034】
FACTはフォーカシングアクチュエータで、第1レンズ群L1を光軸方向に進退させて焦点調節を行い、L1の位置すなわち被写体距離に相当する情報をフォーカスエンコーダFENCが検知し、レンズ内マイコンLCPUに送出する。
ZACTはズーミングアクチュエータで、不図示のズーム機構により第1レンズ群L1ないし第3レンズ群L3を光軸方向に進退させてズーミングを行い、該ズーム情報をズームエンコーダZENCが検知し、レンズ内マイコンLCPUに送出する。
DFMは光量調節用の絞り、DACTは絞りDFMを駆動する絞りアクチュエータである。
【0035】
GRP、GRYは振動ジャイロ等の手振れセンサで、カメラの上下(ピッチ)方向及び左右(ヨー)方向の角度振れを検知するため、同一のセンサGRP、GRYが設置される。そして手振れ検知結果はレンズ内マイコンLCPUに送信される。
第2レンズ群L2は光軸に対して垂直な平面内で2次元方向に独立にシフト可能に構成される。そして、光軸に対して上下方向すなわちピッチ振れ補正方向にはピッチアクチュエータIACTPで駆動され、左右方向(当図では紙面に垂直方向)すなわちヨー振れ補正方向にはヨーアクチュエータIACTYで駆動される。なおこのシフト機構については本出願人による特開平6−3727号公報等に記載され公知となっている。
【0036】
図5は本発明の画素ずらしと手振れ補正の主要動作を説明するためのブロック図であり、2点鎖線で囲まれたCCPUブロックがカメラ内マイコンCCPUで実行された部分、同じくLCPUブロックがレンズ内マイコンLCPUで実行される部分である。
11は撮影条件設定回路で、AE、AF、画素ずらし、手振れ補正の各機能の動作モードが設定される。
12はタイミングパルス発生回路で、画素ずらしのための像移動光学系駆動及び撮像素子の画像信号取り込みタイミングを制御するトリガ信号を発生する。
13は撮像素子駆動回路で、撮影条件設定回路11及びタイミングパルス発生回路12の制御信号に従い、所定のタイミング、所定の電荷蓄積条件で画像信号を取り込む。
14は一時記憶回路で、取り込んだ画像信号を画素ずらし処理するために一時的に記憶する。
15は画像合成回路で、画素ずらし操作で得た複数組の画像信号を合成し、高精細な画像を得る。
16は記録部で、図1のメモリMEMに相当し、合成された高精細画像信号を記録する。
【0037】
21は画素ずらし信号発生回路で、画素ずらし用に像を変位させるための指令信号を発生する。
22は第1係数発生回路で、結像光学系のフォーカス及びズーム情報に応じて前述の偏心敏感度Sd (f,R)に相当するデータをレンズ内マイコンLCPUのROMから読み出し、前記画素ずらし信号の大きさに補正して像移動量がXY 、或いはXP となるような第2群のシフト量指令値を算出する。
【0038】
31は手振れセンサで、前述の振動ジャイロGRP、GRYに相当する。
32は手振れ信号演算回路で、手振れ検知センサ31が検出した手振れの角速度信号のフィルタリング及び積分演算を行い。手振れ角度を算出する。
33は第2係数発生回路で、結像光学系のフォーカス及びズーム情報に応じて前述の角度敏感度Sθ(f,R)に相当するデータをレンズ内マイコンLCPUのROMから読み出し、前記手振れ角度信号の大きさを補正して、像振れ防止制御のための第2群シフト量指令値を算出する。
【0039】
41は合成回路で、22で求めた画素ずらしのための第2群シフト量指令値と、33で求めた手振れ補正のための第2群シフト量指令値を加算する。
42は手振れ補正アクチュエータで、図1のIACTP、IACTYに相当し、第2レンズ群が合成回路41で求めた駆動指令値に従って駆動するよう、アクチュエータを制御する。
43は第2レンズ群が実際にシフト駆動されていることを示すブロックで、該駆動により撮像素子13上に像が移動制御される。
以上の各ブロックにより画素ずらし及び手振れ補正が同時に実行される。
【0040】
(第1の実施の形態)
図6及び図7は本発明の第1の実施の形態におけるカメラ本体及び交換レンズ内の各マイコンCCPU、LCPUの制御フローを示すフローチャートである。
まず、図1を参照しながら図6を用いて、カメラ内マイコンCCPUの制御フローを説明する。
カメラ本体CMR側の電源スイッチ(メインスイッチ)SWMNがオンされると、カメラ内マイコンCCPUへの給電が開始され、ステップ(101)を経てステップ(102)からの動作を開始する。
ステップ(102)においては、レリーズボタンの第1段階押下によりオンとなるSW1の状態検知を行い、このスイッチSW1がオフの時にはステップ(103)へ移行する。そして、このステップ(103)において、レンズLNS側へ像振れ補正動作(以下IS(Image Stabilization の略)と称す)を停止する命令を送信する。
上記ステップ(102)及び(103)はスイッチSW1がオンとなるか、或いは電源スイッチSWMNがオフとなるまで繰り返し実効される。
【0041】
上記フローを実行中にスイッチSW1がオンされると、ステップ(102)からステップ(111)へ移行する。
ステップ(111)においては、カメラ内マイコンCCPUはラインDCLを介してレンズ内マイコンLCPUに対し、像振れ補正開始命令を送信する。
次のステップ(112)においては、レンズの開放Fナンバー、焦点距離等のレンズ固有のパラメータをレンズ内マイコンLCPUから取得するパラメータ通信を行う。
ステップ(113)ではセンサSNSによって被写体輝度を測定し、所定の露出制御プログラム線図に従って撮像素子の像信号蓄積時間や絞り制御値を演算するとともに、その結果をレンズ内マイコンLCPUにも送信する。
ステップ(114)ではセンサSNSによって焦点状態を検出するとともに、フォーカシングレンズの駆動命令をレンズ内マイコンLCPUに送信する。
【0042】
ステップ(115)では前述の画素ずらしモード選択スイッチSWSFの状態検知を行うとともに、前記測光結果等を基に、画素ずらし実行の可否や画素ずらし回数等の画素ずらし条件を設定する。
ステップ(116)では、レリーズボタンの第2段階押下によりオンとなるSW2の状態検知を行い、このスイッチSW2がオフの時にはステップ(111)へ戻り、ステップ(111)ないしステップ(115)を繰り返し実行する。ステップ(116)でSW2がオンと判定されたらステップ(117)へ移行する。
【0043】
ステップ(117)では画素ずらし回数をカウントするカウンタCNTをゼロに初期化する。
ステップ(118)では画素ずらし制御のトリガ信号となるタイミングパルスを発生し、レンズ内マイコンLCPUにも送信する。
ステップ(119)ではドライバIMDRを介して、撮像素子IMSの電荷蓄積、及び蓄積した電荷の転送・読み出し制御を行う。
ステップ(120)では、前記ステップ(119)で読み出した画像信号をカメラ内マイコンCCPU内のRAMに一時記憶する。
ステップ(121)では、画素ずらし回数カウンタCNTに1を加え、更新する。
ステップ(122)ではカウンタCNTが所定値NSFに達したか否かを判定する。そしてカウンタCNTが所定値NSFに達していない場合にはステップ(118)に戻って次のタイミングパルス発生を待ち、画素ずらし制御を続行する。ステップ(122)でカウンタCNTが所定値NSFに達したら、ステップ(123)へ移行する。
【0044】
ステップ(123)ではレンズ内マイコンLCPUに対し、画素ずらしが完了したことを送信する。
ステップ(124)では画素ずらしによって得た複数の画像信号を合成し、1つの高精細画像を作成する。
ステップ(125)では上記ステップ(124)で得た画像をメモリMEMに記録する。
【0045】
以上で撮影動作が終了し、ステップ(102)へ戻る。そして当ステップ(102)でスイッチSW1がオンの状態であればステップ(111)以降の動作を繰り返し、スイッチSW1がオフであれば、ステップ(103)でレンズ内マイコンLCPUに対し、像振れ補正動作の停止を命令する。
【0046】
図7はレンズ内マイコンLCPUの制御を示すフローチャートである。
図7において、カメラ側の電源スイッチSWMNのオンにより、交換レンズ側にも電源が供給されると、ステップ(131)よりステップ(132)へ進む。
ステップ(132)においてはIS開始命令の判別を行い、カメラ本体CMRからIS開始命令が来ていない時はステップ(133)へ進む。
ステップ(133)においてはIS停止命令の判別を行い、カメラ本体CMRからIS停止命令が来ていない時はステップ(132)へ戻る。IS停止命令が来ている時はステップ(134)へ進み、ピッチ及びヨー方向の像振れ補正アクチュエータIACTを停止する。
ステップ(132)ないしステップ(134)を実行中にカメラ内マイコンCCPUよりIS開始命令が送信されると、ステップ(132)よりステップ(141)へ移る。
【0047】
ステップ(141)では振れ検知センサGRP、GRYを起動し、ピッチ、ヨー方向の手振れ信号を入力する。
ステップ(142)は図6のステップ(112)に相当し、カメラ内マイコンCCPUの要求に従ってレンズ固有のパラメータをカメラ側に送信する。
ステップ(143)では光学系のズーム状態、フォーカス状態を検出するために、ズームエンコーダZENC、フォーカスエンコーダFENCを検知する。
ステップ(144)では上記ステップ(143)の検知結果に基づいて、画素ずらしのための第1係数及び手振れ補正のための第2係数をROMテーブル内から読み出す。
ステップ(145)ではステップ(141)で得た手振れ信号とステップ(144)で得た第2係数に基づいて像振れ補正アクチュエータIACTを駆動制御し、手振れによる像振れを解消させる。
【0048】
ステップ(146)ではカメラ内マイコンCCPUから入手した測光情報を基に、アクチュエータDACTを介して絞りDFMを駆動し、光量調節する。
ステップ(147)ではカメラ内マイコンCCPUから入手した焦点検出情報を基に、フォーカシングアクチュエータFACTを駆動し、焦点調節する。
ステップ(148)では画素ずらしのためのタイミングパルスの受信有無を判断する。そしてタイミングパルスを受信していなければ、ステップ(141)に戻り、手振れ補正、絞り制御、焦点調節動作を繰り返し実行する。ステップ(148)でタイミングパルスの受信を確認すると、ステップ(149)へ進む。
【0049】
ステップ(149)では画素ずらしのために第2レンズ群をピッチ或いはヨー方向に駆動するための基準波形を生成する。
ステップ(150)では上記ステップ(149)で生成した画素ずらし基準波形に、ステップ(144)で読み出した第1係数を乗じた画素ずらし駆動波形を生成し、これと手振れ補正用の信号とを合成する。そしてこの合成信号に従って像振れ補正アクチュエータIACTを駆動制御することで、手振れ補正と画素ずらしのため像駆動が同時にかつ正確に実行される。
【0050】
ステップ(151)ではカメラ内マイコンCCPUから画素ずらし完了信号が送信されているか否かの判定を行い、未送信であれば画素ずらしは完了していないのでステップ(148)へ戻り、次のタイミングパルスの受信を待つ、そしてステップ(148)ないしステップ(150)を所定回数実施し、画素ずらし動作終了後に送信される画素ずらし完了信号を受信したら、ステップ(151)よりステップ(132)へ戻る。
そしてステップ(132)でIS開始命令を受信せず、ステップ(133)でIS停止命令を確認したら、ステップ(134)で像振れ補正アクチュエータIACTを停止し、撮影に伴う一連のレンズ制御動作が終了する。
【0051】
図8は上記図6及び図7のフローによるカメラ及びレンズの動作を説明するタイミングチャートである。
(a)、(b)はそれぞれカメラのレリーズボタンに連動したスイッチSW1、SW2の状態を示す。(c)は画素ずらしのタイミング制御用トリガ信号である。(d)は撮像素子IMSの電荷蓄積タイミングを示す。(e)、(f)はピッチ及びヨー方向の画素ずらし基準波形を示す。(g)、(h)は手振れセンサGRP、GRYが検知した手振れ波形で、ここでは検知信号を適宜積分等の処理を行った後の振れ変位波形が示されている。(i)、(j)は像振れ補正用第2レンズ群のピッチ、ヨー方向の駆動変位を示す。
【0052】
以下、図8を用いて図6及び図7のフローをまとめて概説する。
時刻t1 においてスイッチSW1がオンされると、手振れ信号(g)、(h)が出力される。すると、この信号に第2係数を乗じた値に従って第2レンズ群L2が波形(i)、(j)のごとく駆動制御され、手振れ補正がなされる。
【0053】
時刻t2 においてスイッチSW2がオンされると、所定時間後の時刻t11に第1のタイミングパルスTP1が発生される。するとこれを受けて、撮像素子IMSは測光結果から演算された蓄積時間に従い、時刻t12から時刻t13の期間中に受光部の電荷蓄積を行う。
時刻t13で電荷蓄積が終了すると、蓄積電荷の転送・読み出しと共に、ヨー方向の画素ずらし基準波形(f)が発生される。するとヨー方向のレンズ変位(j)は、上記基準波形(f)に第1係数を乗じた値と前記手振れ補正波形とを加算した指令値にて駆動される。
【0054】
時刻t11から所定時間経過後の時刻t21には第2のタイミングパルスTP2が発生される。すると同様に撮像素子IMSは、時刻t22から時刻t23の期間中に受光部の電荷蓄積を行う。そして時刻t23で電荷蓄積が終了すると、蓄積電荷の転送・読み出しと共に、ピッチ方向の画素ずらし基準波形(e)が発生される。するとピッチ方向のレンズ変位(i)も、上記基準波形(e)に第1係数を乗じた値と前記手振れ補正波形とを加算した指令値にて駆動される。
【0055】
時刻t21から所定時間経過後の時刻t31には第3のタイミングパルスTP3が発生される。すると同様に撮像素子IMSは、時刻t32から時刻t33の期間中に受光部の電荷蓄積を行う。そして時刻t33で電荷蓄積が終了すると、蓄積電荷の転送・読み出しと共に、ヨー方向の画素ずらし基準波形(f)は元の値に戻される。するとヨー方向のレンズ変位(j)は、手振れ補正波形のみに応答した指令値にて駆動される。
【0056】
時刻t31から所定時間経過後の時刻t41には最期のタイミングパルスTP4が発生される。すると同様に撮像素子IMSは、時刻t42から時刻t43の期間中に受光部の電荷蓄積を行う。そして時刻t43で電荷蓄積が終了すると、蓄積電荷の転送・読み出しと共に、ピッチ方向の画素ずらし基準波形(e)も元の値に戻される。するとピッチ方向のレンズ変位(i)も、手振れ補正波形のみに応答した指令値にて駆動される。
そして時刻t5 でスイッチSW1がオフされると、手振れ検知及び第2レンズ群の駆動が停止される。
【0057】
上記手振れ補正及び画素ずらし制御中の時刻t11、t21、t31、t41、t5 における像の位置は前述の図4において、それぞれIM1、IM2、IM3、IM4、IM1となり、各像の上下、左右の位置が画素間隔の半分だけずれた画像ずらしが実現される。
なお、画像ずらし基準波形が矩形波でなく台形波となっているのは、第2レンズ群の急激な位置変化による衝撃を緩和するためである。
【0058】
次に図9及び図10を用いて画素ずらしにより得た複数組の画像信号を合成し、1組の高精細画像信号を生成する原理について説明する。
図9は画素ずらしにおける像と撮像素子の相対位置関係を説明する図である。図9の(a)は図4でも説明したもので、カメラ内に固定された撮像素子の画素に対して像がIM1→IM2→IM3→IM4→IM1の順に移動することを示している。これはその下の(b)のごとく、不動の像に対して撮像素子の位置がIG1→IG2→IG3→IG4→IG1の順に移動するのと全く等価である。そこで撮像素子がIG1に位置する時の各画素の出力信号をIG1(i,j)とする。ここで撮像素子は(m×n)画素のエリアセンサである。同様にIG2、IG3、IG4に位置する時の出力信号をIG2(i,j)、IG3(i,j)、IG4(i,j)とする。
【0059】
これら4組の画像信号の合成方法を説明したものが図10である。
4組の(m×n)画素の信号を合成した(2m×2n)画素の新たな画素信号組をIMG(u,v)とする。そして画素信号IMG(u,v)の左上の4画素は、4組の元の画素を図のごとく組み立てたものである。そこでこの図を基に画像復元方法を考えると、
IMG(u=2i−1,v=2j) ←IG1(i,j)………(7)
IMG(u=2i−1,v=2j−1)←IG2(i,j)………(8)
IMG(u=2i,v=2j−1) ←IG3(i,j)………(9)
IMG(u=2i,v=2j) ←IG4(i,j)………(10)
の式に従えば、4組の画像信号から1組の高精細画像信号を生成できる。
【0060】
なおこの方法は白黒撮像素子或いは色分解プリズムを用いた多板式カラー撮像素子に適用されるもので、モザイク型色フィルターを用いた単板式カラー撮像素子では画素ずらし量や画像合成方法の点で多少の違いはあるが、基本的な考えは同一である。
【0061】
上記第1の実施の形態によれば、
(1)画素ずらし信号を第1係数で変換し、手振れ信号を第2係数で変換し、両者の合成信号にて像振れ補正光学系を駆動することにより、1つの像移動手段で手振れ補正と画素ずらし制御とを同時に行い、手振れによる像劣化がなく、かつ画素ずらしによる高精細な画像信号を得ることができる。
(2)ズーム、フォーカス状態に応じた第1係数及び第2係数を用いることにより、ズーム、フォーカス状態が変化しても常に正確な手振れ補正と画素ずらし制御が可能である。
(3)カメラ内の制御回路で画素ずらし後の画像合成も行うため、専用の外部装置等を用いずに高精細な画像信号を得ることができる。
という効果がある。
【0062】
(第2の実施の形態)
前記第1の実施の形態は手振れ補正と画素ずらしを同時に正確に行うための実施の形態であった。以下に示す第2の実施の形態は、カメラの撮影状態に応じて最適な画素ずらしモードを選択する実施形態を示す。
図11は第2の実施の形態の制御フローの一部、図12は第2の画素ずらしモード原理図、図13は第2の画素ずらしモードにおける画像合成の原理説明図である。以下、図面を用いて第2の実施の形態の動作を説明する。
【0063】
本実施の形態のカメラの制御フローは、図6に示した第1の実施の形態のカメラの制御フローと基本的な部分は同一であるが、ステップ(115)の「画素ずらし条件設定」部分を図11に示すサブルーチンとすることで、本実施の形態特有の作用を実現させている。以下、図6及び図11を用いて本実施の形態のフローを説明するが、図6のフローについては前述により詳細な説明を行っているため、ここでは簡単に説明する。
図6において、ステップ(102)でSW1がオンと判断されるとステップ(111)へ移り、ステップ(111)、ステップ(112)でIS開始命令の送信と、パラメータ通信を行う。続いてステップ(113)、ステップ(114)で測光及び焦点検出を行い、その結果をレンズ内マイコンLCPUにも送信する。
【0064】
次のステップ(115)では図11に示すフローを実行する。図11のステップ(215)では、レンズ内マイコンLCPUに対し、所定時間以内の手振れ角速度ピーク値ωpeakの送信要求を行う。するとレンズ内マイコンLCPUは、例えば2秒間中のピッチ或いはヨ一方向の手振れ角速度最大値ωpeakをカメラ内マイコンCCPUに送信する。
ステップ(216)では次式
δ=f×ωpeak×texp ………(11)
に従って、手振れ補正不作動時の露光中の像振れ量最大値δを演算する。ただしfは結像光学系の焦点距離、texp は測光結果から導かれた撮像素子の露光秒時、すなわち電荷蓄積時間である。ここで導かれた像振れ量δは、画素ずらしを実行すべきか否かの判定をするための手振れ指標として、以下のステップで利用される。
【0065】
ステップ(217)では像振れ量δの大きさ判定を行う。そして像振れ量δが所定値DEL1以下なら、手振れによる像劣化の影響が少なく、画素ずらしによって十分な高精細化が可能であるとして、ステップ(218)で画素ずらし回数NSFを4回に設定する。ここで画素ずらし回数が4回というのは第1の実施の形態で説明した画素ずらし及び画像合成方法のことであり、これを第1の画素ずらしモードと称する。
ステップ(217)で像振れ量δが所定値DEL2以下(ただしDEL2>DEL1)と判断されたらステップ(219)で画素ずらし回数、NSFを2回に設定する。これは手振れ補正を実行しても手振れによる若干の画質劣化が予想されるため、画素ずらし回数が少ないモード(これを第2の画素ずらしモードと称する)を選択して、手振れによる画質低下と画素ずらしによる画質向上の最適化を図るためである。なお第2の画素ずらしモードについては後述する。
【0066】
ステップ(217)で像振れ量δが所定値DEL2より大きいと判定されたらステップ(220)で画素ずらし回数NSFを1回、すなわち画素ずらし非実行に設定する。これは手振れ補正を実行しても、手振れによる画質劣化の影響が画素ずらしによる画質向上を上回ることが予想されるため、画素ずらしを禁止する。
ステップ(218)ないしステップ(220)を実行後は、ステップ(221)へ移行する。
ステップ(221)ではレンズ内マイコンLCPUに上記フローで決定した画素ずらしモードを送信する。
ステップ(222)ではカメラ内の表示手段DISPに上記画素ずらしモードの種別を表示して、撮影者にどのモードで撮影が行われるのかを報知する。
【0067】
ステップ(222)実行後は図6のステップ(116)に戻る。
ステップ(116)ではスイッチSW2の判別を行い、SW2がオンならステップ(117)へ進む。
ステップ(117)ないしステップ(122)では第1の実施の形態と同様に画素ずらしを実行するが、この第2の実施の形態では前述のごとくステップ(215)ないしステップ(222)で複数の画素ずらしモードを選択的に用いるため、ステップ(117)ないしステップ(122)でも各画素ずらしモードに応じた動作で制御される。
続いてステップ(123)ではレンズ内マイコンLCPUに画素ずらし完了通信を行い、ステップ(124)へ進む。
ステップ(124)でも前記複数の画素ずらしモードに応じた画像合成を選択して行う。
ステップ(125)では前ステップで合成された画素を記録し、ステップ(102)へ戻る。
【0068】
図12は第2の画素ずらしモード、すなわち画素ずらし回数が2回の時の作用を説明したものであり、第1の実施の形態における図9に相当する。図12の上図(a)は受光素子に対する画像の移動を示したものである。画像のある点はまずIM21に位置した状態で受光素子の電荷蓄積・読み出しがなされる。ついで画素ずらし動作で像がIM22に移動した後、再び受光素子の電荷蓄積・読み出しがなされる。そして像は元の位置IM21に戻される。
図12の下図(b)は上記像の動きを撮像素子の動きに置き換えたもので、最初IG21に位置していた撮像素子は、画素ずらし動作によってIG22に移動し、その後IG21に戻る。
【0069】
図13は第2の画素ずらしモードにおける画像合成方法を説明する図である。この第2の画素ずらしモードではIG21(i,j)とIG22(i,j)の2組の画像、すなわち合計(2×m×n)個の画像信号から、(4×m×n)個で構成されるIMG2(u,v)の画像信号を合成する。そのために図13に示すごとく、IMG2(u,v)の黒丸で示す画素はIG21(i,j)或いはIG22(i,j)の画素をそのまま用い、白丸で示す画素はその周辺の4画素(4画素が無い時は2或いは3画素)の平均値から合成する。
【0070】
これを式で表すと、
Figure 0003754964
と表わせる。
【0071】
上記第2の実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果のほかに、
(4)画素ずらし実行時の手振れによる画質劣化と画素ずらし効果を勘案し、手振れ量に応じて最適な画素ずらしモードを選択するため、撮影状況に応じた最適な画素ずらし動作が実行できる。
という効果がある。
【0072】
(第3の実施の形態)
前記第2の実施の形態では、手振れに応じた最適画素ずらしモードを選択する実施の形態を示した。以下に示す第3の実施の形態は、撮影者により設定されたカメラの撮影モードから画素ずらし実行の適否を判断し、画素ずらしモードを切り替える実施形態を示す。
第3の実施の形態のカメラの制御フローも前記第2の実施の形態と同様に、基本的な部分は図6に示した第1の実施の形態のカメラの制御フローと同一であり、ステップ(115)の「画素ずらし条件設定」部分を図14に示すサブルーチンとすることで、第3の実施の形態特有の作用を実現させている。以下、図6及び図14を用いて第3の実施の形態のフローを説明するが、図6のフローについては第1の実施の形態で詳細な説明を行っているため、ここでは簡単に説明する。
【0073】
図6において、ステップ(102)でSW1がオンと判断されるとステップ(111)へ移り、ステップ(111)、ステップ(112)でIS開始命令の送信と、パラメータ通信を行う。続いてステップ(113)、ステップ(114)で測光及び焦点検出を行い、その結果をレンズ内マイコンLCPUにも送信する。
次のステップ(115)では図14に示すフローを実行する。図14のステップ(315)ではカメラCMRの撮影モード選択スイッチSWMODの状態判別を行い、撮影者によって設定された露出制御モード等の撮影条件を認識する。
【0074】
ステップ(316)では撮影モードが風景モードか否かの判別を行う。風景モードとは絞り制御値を小絞り(大Fナンバー)として被写界深度を深くする露出制御モードである。そして風景モード設定時は被写体が静止しており、カメラもしっかりとホールディングされて手振れも生じにくいと予想されるため、ステップ(319)に進んで画素ずらしを4回行う高精細モードに設定する。ステップ(316)で風景モードでないと判定されたらステップ(317)へ進む。
ステップ(317)では撮影モードがポートレイトモードか否かの判別を行う。ポートレイトモードは絞り制御値を開放近傍絞り(小Fナンバー)として被写界深度を浅くする露出制御モードである。ポートレイトモード時も風景モードと同様の撮影状態であると予想されるため、ステップ(319)へ進む。ステップ(317)でポートレイトモードでないと判定されたらステップ(318)へ進む。
【0075】
ステップ(318)では撮影モードがスポーツモードか否かの判別を行う。スポーツモードは露出秒時を高速秒時にして被写体の動きを止める露出制御モードである。スポーツモード選択時は被写体が動いており、カメラにはパンニング操作、すなわち大きな手振れと同様のカメラの運動が生じると予想される。また画素ずらし動作中の被写体の動きにより被写体振れも発生し、画素ずらしによる高精細化が期待できないばかりか、かえって不自然な写真になってしまうことも予想される。従ってスポーツモード設定時はステップ(321)へ進み、NSF=1すなわち画素ずらしを禁止する。ステップ(318)でスポーツモードでないと判定されたら、すなわち風景、ポートレイト、スポーツのいすれのモードでも無いと判定されたらステップ(320)へ進み、画素ずらし回数を2回に設定する。
ステップ(319)ないしステップ(321)を実行後は、ステップ(322)へ移行する。
【0076】
ステップ(322)ではレンズ内マイコンLCPUに上記フローで決定した画素ずらしモードを送信する。
ステップ(323)ではカメラ内の表示手段DISPに上記画素ずらしモードの種別を表示して、撮影者にどのモードで撮影が行われるのかを報知する。
ステップ(323)実行後は図6のステップ(116)に戻る。
ステップ(116)ではスイッチSW2の判別を行い、SW2がオンならステップ(117)へ進む。
ステップ(117)ないしステップ(122)では第2の実施の形態と同様に選択された画素ずらしモードに従って画素ずらしが実行される。
続いてステップ(123)ではレンズ内マイコンLCPUに画素ずらし完了通信を行い、ステップ(124)へ進む。
ステップ(124)でも前記複数の画素ずらしモードに応じた画像合成を選択して行う。
ステップ(125)で前ステップで合成された画像を記録し、ステップ(102)へ戻る。
【0077】
上記第3の実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果のほかに、
(5)撮影者により設定されたカメラの撮影モードから画素ずらし実行の適否を判断し、画素ずらしモードを切り替えることにより、カメラ及び被写体の動きに適した画素ずらし動作が実行できる。
という効果がある。
また、本実施の形態では撮影モードの一例として露出制御モードを対象としたが、焦点検出モード等に応じて画素ずらしモードを切り替えても良い。
【0078】
(第4の実施の形態)
前記第1の実施の形態では画素ずらし制御用の第1係数と手振れ補正用の第2係数を用いて1つの像移動手段により画素ずらしと手振れ補正を実行していた。一方、第1係数を前記手振れ補正とは異なる方式の手振れ補正制御に用いることにより、手振れ補正能力をさらに高めることができる。
図15はそのための第4の実施の形態のブロック図で、図5に示した第1の実施の形態のブロック図を変形したものである。図15において、カメラ内マイコンCCPUに動きベクトル検知回路17が追加されたのと、レンズ内マイコンLCPUにもう1つの第1係数発生回路22aが追加された点が異なっている。
【0079】
動きベクトル検知回路17は、時間的に異なるタイミングで取り込まれた2組の画像信号の空間的な相関から、2組の画像の手振れによる位置ずれを検知する公知の回路で、いわゆる電子式手振れ補正に用いられる。そして動きベクトル検知に用いられる2組の画像は、画素ずらしで得られた画像或いは画素ずらしとは無関係に周期的に取り込まれた画像が利用される。或いは焦点検出センサからの信号を用いてもよい。ただし画素ずらし用の2組の画像信号はその相対位置が画素ずらしによって予め所定寸法だけずれているため、動きベルトル検知時にこのずれの補正は必要である。
【0080】
ところで本実施の形態では、振動ジャイロ等の慣性力を利用した振れ検知センサによる手振れ補正システムが組み込まれているため、この手振れ補正システムが動作している間は像振れが補正され、動きベクトル検知回路17は振れを検知しないはずである。しかしながら、前記慣性力を利用した振動ジャイロ等の振れ検知センサは、出力信号のDCオフセットやドリフト等の発生で、超低周波帯域の振れを検知できないという欠点がある。よって手振れ補正システム動作中も動きベクトル検知回路17は低周波の像振れを検知する。そこでこの像振れ信号を第1係数発生回路22aで変換し、この信号と第2係数発生回路33を通過した手振れ信号とを合成回路41にて合成する。そしてその合成出力にて手振れ補正アクチュエータ42を駆動すれば、低周波域から高周波域までの広帯域の手振れ補正システムが実現され、手振れ補正能力が高められる。ひいては画素ずらし時の像振れもさらに減少し、画像の高精細化に貢献する。
【0081】
図16、図17は第4の実施の形態におけるカメラ本体及び交換レンズ内の各マイコンの制御フローを示すフローチャートである。
まず、前述の図1を参照しながら図16を用いて、カメラ内マイコンCCPUの制御フローを説明する。
カメラ本体CMR側の電源スイッチ(メインスイッチ)SWMNがオンされると、カメラ内マイコンCCPUへの給電が開始され、ステップ(401)を経てステップ(402)からの動作を開始する。
ステップ(402)におていは、レリーズボタンの第1段階押下によりオンとなるSW1の状態検知を行い、このスイッチSW1がオフの時にはステップ(403)へ移行する。そして、このステップ(403)において、交換レンズLNS側へ像振れ補正動作を停止する命令を送信する。
上記ステップ(402)、(403)はスイッチSW1がオンとなるか、或いは電源スイッチSWMNがオフとなるまで繰り返し実効される。
【0082】
上記フローを実行中にスイッチSW1がオンされると、ステップ(402)からステップ(411)へ移行する。
ステップ(411)においては、カメラ内マイコンCCPUはラインDCLを介してレンズ内マイコンLCPUに対し、像振れ補正開始命令を送信する。
次のステップ(412)においては、レンズの開放Fナンバー、焦点距離等のレンズ固有のパラメータをカメラ内マイコンCCPUが取得するパラメータ通信を行う。
ステップ(413)ではセンサSNSによって被写体輝度を測定し、撮像素子の像信号蓄積時間や絞り制御値を演算して、その結果をレンズ内マイコンLCPUにも送信する。
ステップ(414)ではセンサSNSにより焦点状態を検出し、その結果をレンズ内マイコンLCPUにも送信する。
【0083】
ステップ(415)では前述の画素ずらしモード選択スイッチSWSFの状態検知を行うとともに、前記測光結果等を基に画素ずらし実行の可否や画素ずらし回数等の画素ずらし条件を設定する。
ステップ(416)ではドライバIMDRを介して、撮像素子IMSの電荷蓄積、及び蓄積した電荷の転送・読み出し制御を行う。
ステップ(417)では、制御ステップ(416)で読み出した画像信号をカメラ内マイコンCCPU内のRAMに一時記憶する。
ステップ(418)では上記RAMに記憶された2組の画像から動きベクトルを検知する。なお当ステップを最初に実行する時は画像信号は1組しかないため、この時は動きベクトルはゼロが出力される。
【0084】
ステップ(419)では前ステップで検知した動きベクトルをレンズ内マイコンLCPUに送信する。
ステップ(420)では、レリーズボタンの第2段階押下によりオンとなるSW2の状態検出を行い、このスイッチSW2がオフの時にはステップ(411)へ戻り、ステップ(411)ないしステップ(419)を繰り返し実行する。ステップ(420)でSW2がオンと判定されたらステップ(421)へ移行する。
ステップ(421)では図6に示した第1の実施の形態のステップ(117)ないしステップ(122)と同様の画素ずらし制御を実行する。
ステップ(422)ではレンズ内マイコンLCPUに対し、画素ずらしが完了したことを送信する。
ステップ(423)では画素ずらしによって得た複数の画像信号を合成し、1つの高精細画像を作成する。
ステップ(424)では上記ステップ(423)で得た画像をメモリMEMに記録する。
【0085】
以上で撮影動作が終了し、ステップ(402)へ戻る。そして当ステップ(402)でスイッチSW1がオンの状態であればステップ(411)以降の動作を繰り返し、スイッチSW1がオフであれば、ステップ(403)でレンズ内マイコンLCPUに対し、像振れ補正動作の停止を命令する。
【0086】
図17はレンズ内マイコンLCPUの制御を示すフローチャートである。
図17において、カメラ側の電源スイッチSWMNのオンにより、交換レンズ側にも電源が供給されると、ステップ(431)よりステップ(432)へ進む。
ステップ(432)においてはIS開始命令の判別を行い、カメラ本体CMRからIS開始命令が来ていない時はステップ(433)へ進む。
ステップ(433)においてはIS停止命令の判別を行い、カメラ本体CMRからIS停止命令が来ていない時はステップ(432)へ戻る。IS停止命令が来ている時はステップ(434)へ進み、ピッチ及びヨー方向の像振れ補正アクチュエータIACTを停止する。
ステップ(432)ないしステップ(434)を実行中にカメラ内マイコンCCPUよりIS開始命令が送信されると、ステップ(432)よりステップ(441)へ移る。
【0087】
ステップ(441)では振れ検知センサGRP、GRYを起動し、ピッチ、ヨー方向の手振れ信号を入力する。
ステップ(442)は図16のステップ(412)に相当し、カメラ内マイコンCCPUの要求に従ってレンズ固有のパラメータをカメラ側に送信する。
ステップ(443)では光学系のズーム状態、フォーカス状態を検出するために、ズームエンコーダZENC、フォーカスエンコーダFENCを検知する。
ステップ(444)では前記ステップ(443)の検知結果に基づいて、画素ずらしのための第1係数及び手振れ補正のための第2係数をROMテーブル内から読み出す。
ステップ(445)ではステップ(441)で得た手振れ信号とステップ(444)で得た第2係数に基づいて像振れ補正アクチュエータIACTを駆動制御し、手振れによる像振れを解消させる。
【0088】
ステップ(446)ではカメラ内マイコンCCPUから入手した測光情報を基に、アクチュエータDACTを介して絞りDFMを駆動し、光量を調節する。
ステップ(447)ではカメラ内マイコンCCPUから入手した焦点検出情報を基に、フォーカシングアクチュエータFACTを駆動し、焦点調節する。
ステップ(448)では図16のステップ(419)に対応する動きベクトルの受信を行う。
ステップ(449)ではステップ(448)で得た動きベクトル信号とステップ(444)で得た第1係数に基づいて像振れ補正信号を生成し、この信号と振動ジャイロから得た手振れ補正信号とを合成する。そしてこの合成信号により像振れ補正アクチュエータIACTを駆動制御することで、より広帯域の手振れ補正を実現する。
【0089】
ステップ(450)では画素ずらしのためのタイミングパルスの受信有無を判断する。そしてタイミングパルスを受信していなければ、ステップ(441)に戻り、手振れ補正、絞り制御、焦点調節、動きベクトル受信を繰り返して実行する。ステップ(450)でタイミングパルスの受信を確認すると、ステップ(451)へ進む。
ステップ(451)では画素ずらしのために第2群をピッチ或いはヨー方向に駆動するための基準波形を生成する。
ステップ(452)では前記ステップ(451)で生成した画素ずらし基準波形に、ステップ(444)で読み出した第2係数を乗じた画素ずらし駆動波形を生成し、これと手振れ補正用の信号を合成する。そしてこの合成信号に従って像振れ補正アクチュエータIACTを駆動制御することで、手振れ補正と画素ずらしのための像駆動が同時にかつ正確に実行される。
【0090】
ステップ(453)ではカメラ内マイコンCCPUから画素ずらし完了信号が送信されているか否かの判定を行い、未送信であれば画素ずらしは完了していないのでステップ(450)へ戻り、次のタイミングパルスの受信を待つ。そしてステップ(450)ないしステップ(453)を所定回数実施し、画素ずらし動作終了後に送信される画素ずらし完了信号を受信したら、ステップ(453)よりステップ(432)へ戻る。
そしてステップ(432)でIS開始命令を受信せず、ステップ(433)でIS停止命令を確認したら、ステップ(434)で像振れ補正アクチュエータIACTを停止し、撮影に伴う一連のレンズ制御動作が終了する。
【0091】
上記第4の実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果のほかに、
(6)動きベクトル信号を第1係数で変換し、手振れ信号を第2係数で変換し、両者の合成信号にて像振れ補正光学系を駆動することにより、手振れ補正帯域を広帯域化できる。
(7)ズーム、フォーカス状態に応じた第1係数及び第2係数を用いることにより、ズーム、フォーカス状態が変化しても常に正確な手振れ補正が可能である。
という効果がある。
なお当第4の実施の形態は画素ずらし機能の有無に拘わらず効果を発揮するものである。
【0092】
(他の変形例)
前記第1ないし第4の実施の形態では、手振れ補正及び画素ずらしのための像移動手段として、結像光学系内のレンズ群を光軸に対して垂直方向にシフトさせ、これによる光軸偏向作用を利用していた。その代わりに結像光学系の一部に、2枚の透明平行平板とこれに封止された透明液体からなる、いわゆる可変頂角プリズムを用いることも可能である。
また第2及び第3の実施の形態はいかなる結像光学系の方式に対しても有効であり、また手振れ補正機構の有無に拘わらずその効果を発揮する。
【0093】
(第5の実施の形態)
図18は第5の実施の形態によるカメラ内マイコンCCPUの制御フローであり、図6の第1の実施の形態の制御フローとステップ(115)以外は実質的に同じ処理が行われる。
ステップ(115)では前述の画素ずらしモード選択スイッチSWSFの状態検知を行うとともに、前記ステップ(113)、(114)による測光結果、焦点検出結果等を基に、画素ずらし制御形態及び撮像素子の露光制御形態等の条件を設定する。詳しくは後述する。
【0094】
なお、レンズ内マイコンLCPUの制御フローは第1の実施の形態による図7の制御フローと実質的に同じである。
【0095】
次に図19ないし図21を用いて第5の実施の形態の露光量制御方法の詳細について説明する。まず、図20を用いて一般的な撮像素子の受光特性を説明する。
図20はフィルム或いは撮像素子の特性曲線で、横軸は露光量、縦軸は銀塩フィルムであれば像濃度、撮像素子であれば出力電圧である。そして被写体を一定の絞り値とシャッター秒時で撮影する場合、図の横軸は被写体輝度とみなすこともできる。
図20において、破線は銀塩フィルムを、実線はCCD等の撮像素子の特性曲線を表す。そして銀塩フィルムが広ダイナミックレンジを有するのに対し、撮像素子のダナミックレンジは狭く、H1 からH2 の輝度範囲の被写体しか再生できない。
【0096】
図19は露光量設定フローで、図6のステップ(115)を詳述したものである。
ステップ(181)は、図6のステップ(113)で測光された被写体をブロック分割するステップである。その方法を図21を用いて説明する。
図21は図1に示した焦点検出及び測光用センサSNSの検出領域を示す図である。このセンサSNSの検出領域は撮像素子IMSの受光領域とほぼ同一の検出範囲を有し、かつその検出領域は同図のごとく、8×12=96の領域に分割され、各領域毎に焦点検出及び被写体輝度検出が可能となっている。なおセンサSNSの構成は例えば1対の2次結像光学系と、各々の2次結像光学系に設けられた2次元イメージセンサで構成された2次結像位相差検出方式の焦点検出手段によって実現できる。
【0097】
センサSNS上には図21に示すごとく被写体像が形成されており、この被写体像の焦点検出結果及び輝度測定結果から、被写体領域はBK1ないしBK5の5つのブロックに分類される。ここで各ブロック内には、ほぼ同一の距離及び輝度レベルを有する被写体が含まれる様にブロック分割がなされる。
【0098】
続いて図19に戻り、ステップ(182)では上記分割されたブロックの中から、所定のアルゴリズムに従って主被写体を類推する。具体的には、
・撮影者によって焦点検出領域が設定されていれば、その領域に含まれる被写体が主被写体
・焦点検出領域が自動選択モードに設定されていれば、画面中央近傍でかつ比較的近距離の被写体
・撮影者によって測光領域が選択されていれば、その測光領域に含まれる被写体が主被写体
・ファンインダー内における撮影者の視線方向を検出する機能を備えたカメラであれば、撮影者の注視方向の被写体
等の判定によって主被写体を類推できる。
本実施の形態では上記アルゴリズムに従い、人物を含んだブロックBK3が主被写体であると判断する。
【0099】
続いてステップ(183)では、前記分割されたブロックと主被写体類推結果から、ブロックのグループ化を行う。これは、本発明の主たる作用が画素ずらしの際の露光量調節にあり、露光量調節回数は画素ずらし回数以下にならざるを得ない。そこで前記多数のブロックを少数のグループに整理して露光量調節数を画素ずらし回数以下にする。具体的には次に示すように、BK1、BK2を高輝度グループGP1に、主被写体が含まれるブロックBK3を中輝度グループGP2に、ブロックKB4、KB5を低輝度グループGP3に設定する。
BK1、BK2 → GP1(高輝度グループ)
BK3 → GP2(中輝度グループ)
BK4、BK5 → GP3(低輝度グループ)
【0100】
続いてステップ(184)では、前ステップ(183)で決定した各グループ内における被写体の平均輝度を計算する。
ステップ(185)では、上記平均輝度に対する適正露光量E1 ないしEn (ここではn=3)を演算する。
ステップ(186)では、上記適正露光量を得るための絞り値と露光時間te1ないしtenを、所定のプログラム線図に従って演算する。
ステップ(186)実行後は、図6のステップ(116)に戻り、画素ずらし及び撮像素子IMSの露光(電荷蓄積)を実行する。
【0101】
図22は前記図6及び図19のフローによるカメラ及びレンズの動作を説明するタイミングチャートである。
(a)、(b)はそれぞれカメラのレリーズボタンに連動したスイッチSW1、SW2の状態を示す。(c)は画素ずらしのタイミング制御用トリガ信号である。(d)は撮像素子IMSの電荷蓄積タイミングを示す。(e)、(f)はピッチ及びヨー方向の画素ずらし基準波形を示す。(g)、(h)は振れ検知センサGRP、GRYが検知した手振れ波形で、ここでは検知信号を適宜積分等の処理を行った後の振れ変位波形が示されている。(i)、(j)は像振れ補正用第2レンズ群のピッチ、ヨー方向の駆動変位を示す。
【0102】
以下図22を用いて図6及び図19のフローをまとめて概説する。
時刻t1 においてスイッチSW1がオンされると、手振れ信号(g)、(h)が出力される。すると、この信号に第2係数を乗じた値に従って第2レンズ群が波形(i)、(j)のごとく駆動制御され、手振れ補正がなされる。
時刻t2 においてスイッチSW2がオンされると、所定時間後の時刻t11に第1のタイミングパルスTP1が発生される。するとこれを受けて、撮像素子IMSは図19のステップ(186)で演算した中輝度グループGP2に適した露光時間te2の露光を行うべく、時刻t12から時刻t13の期間中に受光部の電荷蓄積を行う。
【0103】
時刻t13で電荷蓄積が終了すると、蓄積電荷の転送・読み出しと共に、ヨー方向の画素ずらし基準波形(f)が発生される。するとヨー方向のレンズ変位(j)は、基準波形(f)に第1係数を乗じた値と上記手振れ補正波形を加算した指令値にて駆動される。
時刻t11から所定時間経過後の時刻t21には第2のタイミングパルスTP2が発生される。すると同様に撮像素子IMSは、時刻t22から時刻t23の期間中に受光部の電荷蓄積を行う。ここでの露光時間は図19のステップ(186)で演算した高輝度グループGP1に適した露光時間te1が設定される。
そして時刻t23で電荷蓄積が終了すると、蓄積電荷の転送・読み出しと共に、ピッチ方向の画素ずらし基準波形(e)が発生される。するとピッチ方向のレンズ変位(i)も、この基準波形(e)に第1係数を乗じた値と上記手振れ補正波形を加算した指令値にて駆動される。
【0104】
時刻t21から所定時間経過後の時刻t31には第3のタイミングパルスTP3が発生される。すると同様に撮像素子IMSは、時刻t32から時刻t33の期間中に受光部の電荷蓄積を行う。ここでの露光時間は再び前記中輝度グループGP2に適した露光時間te2が設定される。
そして時刻t33で電荷蓄積が終了すると、蓄積電荷の転送・読み出しと共に、ヨー方向の画素ずらし基準波形(f)は元の値に戻される。するとヨー方向のレンズ変位(j)は、手振れ補正波形のみに応答した指令値にて駆動される。
【0105】
時刻t31から所定時間経過後の時刻t41には最後のタイミングパルスTP4が発生する。すると同様に撮像素子IMSは、時刻t42から時刻t43の期間中に受光部の電荷蓄積を行う。ここでの露光時間は図19のステップ(186)で演算した低輝度グループGP3に適した露光時間te3が設定される。
そして時刻t43で電荷蓄積が終了すると、蓄積電荷の転送・読み出しと共に、ピッチ方向の画素ずらし基準波形(e)も元の値に戻される。するとピッチ方向のレンズ変位(i)も、手振れ補正波形のみに応答した指令値にて駆動される。そして時刻t5 でスイッチSW1がオフされると、手振れ検知及び第2レンズ群の駆動が停止される。
【0106】
上記手振れ補正及び画素ずらし制御中の時刻t11、t21、t31、t41、t5 における像の位置は前述の図4において、それぞれIM1、IM2、IM3、IM4、IM1となり、各像の上下、左右の位置が画素間隔の半分だけずれた画素ずらしが実現される。そして画素ずらし中の4回の露光時に、各被写体輝度グループに適した露光量が与えられる。
なお画素ずらし基準波形が矩形波ではなく台形波となっているのは、第2レンズL2の急激な位置変化による衝撃を緩和するためである。
【0107】
次に前記図9及び図10を用いて本実施の形態による画素ずらしにより得た複数組の画像信号を合成し、1組の高精細画像信号を生成する原理について説明する。
図9は前述したように、画素ずらしにおける像と撮像素子の相対位置関係を説明する図である。図9の(a)は図4でも説明したもので、カメラ内に固定された撮像素子の画素に対して像がIM1→IM2→IM3→IM4→IM1の順に移動することを示している。これは(b)のごとく、不動の像に対して撮像素子の位置がIG1→IG2→IG3→IG4→IG1の順に移動するのと全く等価である。そして本実施の形態では、画素ずらしの各ステップ、すなわち撮像素子の位置に応じて露光時間を変えているため、露光時間の多寡を図9(b)において、丸の大小で示してある。
【0108】
次に、上記動作によって得た複数の画像を合成する方法を説明する。まず、撮像素子がIG1に位置する時の各画素の出力信号をIG1(i,j)とする。ここで撮像素子は(m×n)画素のエリアセンサである。同様にIG2、IG3、IG4に位置する時の出力信号をIG2(i,j)、IG3(i,j)、IG4(i,j)とする。
これらの4組の画像信号の合成方法を説明したものが図10である。
【0109】
4組の(m×n)画素の信号を合成した(2m×2n)画素の新たな画像信号組をIMG(u,v)とする。そして画像信号IMG(u,v)の左上の4画素は、4組の元の画素を図のごとく組み立てたものである。そこでこの図を基に画像復元方法を考えると、
Figure 0003754964
の式に従えば、4組の画像信号から1組の高精細画像信号を生成できる。ここでK1 ないしK3 は、露光時間の違いによる各画像信号組の出力レベルのずれを補正する係数で、
1 =C/te1 ………(20)
2 =C/te2 ………(21)
3 =C/te3 ………(22)
で表される。ここでCは定数のため、K1 >K2 >K3 の大小関係となる。
【0110】
図23はこの作用を説明するためのもので、図20と同じく横軸は被写体輝度、縦軸は出力電圧である。ここでは露光時間の一番長い画像信号組IG4の補正係数K3 を1とし、IG1、IG3はK2倍、IG2はK1倍して合成する。また元の画像信号出力の有効範囲をVminとVmaxの間の範囲とし、画像信号組IG4の上限領域、画像信号組IG1、IG3の上下限領域、及び画像信号組IG2の下限領域では該有効範囲外の出力信号は用いずに、画素ずらしによる画像合成後に周囲の画素を用いた補間演算により、画像信号を得る。
【0111】
すなわち、露光時間の短い画素組は画像信号に再生する時点で出力電圧の増幅率を上げ、反対に露光時間の長い画素組は出力電圧の増幅率を下げることで、合成された高精細画像の各画素の再生レベル正規化を図っている。そして1つの画素組では飽和しているが、他の画素組では飽和が生じていない領域では、飽和していない画像信号から飽和した画像信号を補間により生成する。以上の操作により、H3からH4までの輝度範囲の被写体像を忠実に再現できる。
【0112】
本実施の形態では、画素ずらし操作における4回の露光のうち、2回は主被写体の輝度レベルに合わせた同一の露光時間としている。これは主被写体に適した露光の回数を多くし、主被写体の画像情報がなるべく多く得られる様にしたためである。
また本実施の形態では、画像合成時の信号正規化を露光時間の伸縮により制御しているが、複数組の画像信号の同一撮影領域での出力値が等しくなるように補正を行ってもよい。
なお本実施の形態での画素ずらし及び画像合成方法は、白黒撮像素子或いは色分解プリズムを用いた多板式カラー撮像素子に適用されるもので、モザイク型色フィルターを用いた単板式カラー撮像素子では画素ずらし量や画像合成方法の点で多少の違いはあるが、基本的な考えは同一である。
【0113】
上記第5の実施の形態によれば、
(1)多分割センサで測光した被写体の輝度分布情報から、画素ずらし実行時の各画像の露光レベルを調整し、これらを合成することにより、高精細かつ広ダイナミックレンジの画像を得ることができる。
(2)主被写体類推手段を有し、その検出結果に基づいて露光レベルを調整するため、主被写体の画像再現性が高まる。
(3)画素ずらしに伴う複数回の露光のうち、主被写体の輝度レベルに適した露光の回数を多くするため、主被写体の画像再現性がさらに高められる。
という効果がある。
【0114】
(第6の実施の形態)
前記第5の実施の形態は画素ずらし回数は固定で、被写体輝度状況に応じて露光レベルを調整する実施の形態であった。以下に示す第6の実施の形態は、カメラの撮影状態に応じて最適な画素ずらしモードを選択、かつ選択された画素ずらしモードに適した露光レベル調整を行う実施形態を示す。
図24は第6の実施の形態の制御フローの一部、前記図12は第2の画素ずらしモード原理図、図13は第2の画素ずらしモードにおける画像合成の原理説明図である。以下、図面を用いて第6の実施の形態の動作を説明する。
【0115】
第6の実施の形態のカメラの制御フローは、図18に示した第5の実施の形態のカメラの制御フローと基本的な部分は同一であるが、ステップ(115)の「露光・画素ずらし条件設定」部分を図24に示すサブルーチンとすることで、第6の実施の形態特有の作用を実現させている。以下、図18及び図24を用いて第6の実施の形態のフローを説明するが、図18のフローについては第5の実施の形態で詳細な説明を行っているため、ここでは簡単に説明する。
【0116】
図18において、ステップ(102)でSW1がオンと判断されるとステップ(111)へ移り、ステップ(111)、ステップ(112)でIS開始命令の送信と、パラメータ通信を行う。続いてステップ(113)、ステップ(114)で測光及び焦点検出を行い、その結果をレンズ内マイコンLCPUにも送信する。
次のステップ(115)では図24に示すフローを実行する。図24のステップ(261)では、第5の実施の形態の図19のステップ(181)と同様に、測光センサSNS上に投影された被写体を複数のブロックにブロック化する。
続いてステップ(262)では、図19のステップ(182)と同様に、上記複数ブロックの中から主被写体を類推する。
ステップ(263)では、レンズ内マイコンLCPUに対し、所定時間内の手振れ角速度ピーク値ωpeakの送信要求を行う。するとレンズ内マイコンLCPUは、例えば2秒間中のピッチ或いはヨー方向の手振れ角速度最大値ωpeakをカメラ内マイコンCCPUに送信する。
【0117】
ステップ(264)では次式
δ=f×ωpeak×texp ………(23)
に従って、手振れ補正不作動時の露光中の像振れ量最大値δを演算する。ただしfは結像光学系の焦点距離、texp は測光結果から導かれた主被写体の露光秒時、すなわち電荷蓄積時間である。ここで導かれた像振れ量δは、画素ずらしを実行すべきか否かの判定をするための手振れ指標として、以下のステップで利用される。
ステップ(265)では像振れ量δの大きさ判定を行う。そして像振れ量δが所定値DEL1以下なら、手振れによる像劣化の影響が少なく、画素ずらしによって十分な高精細化が可能であるとして、ステップ(271)で画素ずらし回数NSFを4回に設定する。ここで画素ずらし回数が4回というのは第5の実施の形態で説明した画素ずらし及び画像合成方法のことであり、これを第1の画素ずらしモードと称する。第1の画素ずらしモード時は、ステップ(272)以降を実行する。
【0118】
ステップ(272)ないしステップ(275)では、図19のステップ(183)ないしステップ(186)と同一の動作を実行し、4回の画素ずらし操作時の各露光時間te1ないしten=3を決定する。ステップ(275)実行後はステップ(266)に進む。
ステップ(265)で像振れ量δが所定値DEL2以下(ただしDEL2>DEL1)と判定されたらステップ(281)で画素ずらし回数NSFを2回に設定する。これは手振れ補正を実行しても手振れによる若干の画質劣化が予想されるため、画素ずらし回数が少ないモード(これを第2の画素ずらしモードと称する)を選択して、手振れによる画質低下と画素ずらしによる画質向上の最適化を図るためである。第2の画素ずらしモードではステップ(282)以降を実行する。
【0119】
ステップ(282)では、主被写体の次に重要な従被写体を推定する。例えばステップ(261)で分割された各ブロックのうち、面積の一番大きなブロックが従被写体と類推される。
ステップ(283)では、ステップ(262)で決定された主被写体及びステップ(282)で決定された従被写体の輝度計算を行う。
ステップ(284)では、上記ステップ(283)で計算された輝度から、主・従被写体の輝度に適する露光量Emain、Esub が演算される。
ステップ(285)では、上記ステップ(284)で計算された露光量から、主・従被写体の輝度に適する露出時間temain 、tesubが演算される。ステップ(285)実行後はステップ(266)に進む。なお第2の画素ずらしモードについては後述する。
ステップ(265)で像振れ量δが所定値DEL2より大きいと判定されたらステップ(291)で画素ずらし回数NSFを1回、すなわち画素ずらし非実行に設定する。これは手振れ補正を実行しても、手振れによる画質劣化の影響が画素ずらしによる画質向上を上回ることが予想されるため、画素ずらしを禁止する。
【0120】
ステップ(293)では、ステップ(262)で決定された主被写体の輝度計算を行う。
ステップ(294)では、上記ステップ(293)で計算された輝度から、主被写体の輝度に適する露光量Emainが演算される。
ステップ(295)では、上記ステップ(294)で計算された露光量から、主被写体の輝度に適する露出時間temain が演算される。ステップ(295)実行後はステップ(266)に進む。
ステップ(275)、ステップ(285)或いはステップ(295)を実行後は、ステップ(266)へ移行する。
ステップ(266)ではレンズ内マイコンLCPUに上記フローで決定した画素ずらしモードを送信する。
ステップ(267)ではカメラ内の表示手段DISPに上記画素ずらしモードの種別を表示して、撮影者にどのモードで撮影が行われるのかを報知する。
ステップ(267)実行後は図18のステップ(116)に戻る。
【0121】
ステップ(116)ではスイッチSW2の判別を行い、SW2がオンならステップ(117)へ進む。
ステップ(117)ないしステップ(122)では第5の実施の形態と同様に画素ずらしを実行するが、第6の実施の形態では前述のごとくステップ(271)ないしステップ(295)で複数の画素ずらしモードを選択的に用いるため、ステップ(117)ないしステップ(122)でも各画素ずらしモードに応じた動作で制御される。
続いてステップ(123)ではレンズ内マイコンLCPUに画素ずらし完了通信を行い、ステップ(124)へ進む。
ステップ(124)でも前記複数の画素ずらしモードに応じた画像合成を選択して行う。
ステップ(125)では前ステップで合成された画像を記録し、ステップ(102)へ戻る。
【0122】
第2の画素ずらしモード、すなわち画素ずらし回数が2回の時の作用について前記図12を用いて説明する。
なお、この図12は、第1、第5の実施の形態における図9に相当する。図12の(a)は受光素子に対する画像の移動を示したものである。画像のある点はまずIM21に位置した状態で、主被写体の輝度に適した露光条件で受光素子の電荷蓄積・読み出しがなされる。ついで画素ずらし動作で像がIM22に移動した後、被写体の輝度に適した露光条件で再び受光素子の電荷蓄積・読み出しがなされる。そして像は元の位置IM21に戻される。
図12の(b)は上記像の動きを撮像素子の動きに置き換えたもので、最初IG21に位置する撮像素子は露光時間temain で露光される。続いて画素ずらし動作によってIG22に移動し、露光時間tesubで露光された後にIG21に戻る。
【0123】
図13は第2の画素ずらしモードにおける画像合成方法を説明する図である。第2の画素ずらしモードではIG21(i,j)とIG22(i,j)の2組の画像、すなわち合計(2×m×n)個の画像信号から、(4×m×n)個で構成されるIMG2(u,v)の画像信号を合成する。そのために図13に示すごとく、IMG2(u,v)の黒丸で示す画素はIG21(i,j)或いはIG2(i,j)の画素をそのまま用い、白丸で示す画素はその周辺の4画素(4画素が無い時は2或いは3画素)の平均値から合成する。
【0124】
これを式で表すと
Figure 0003754964
と表わせる。ここでKmain及びKsub は、第1の実施の形態と同じく露光時間の違いによる各画像信号組の出力レベルのずれを補正する係数で、
main=C/temain ………(28)
sub =C/tesub ………(29)
で表わせる。
【0125】
上記第6の実施の形態によれば、前記第5の実施の形態の効果のほかに、
(4)手振れ量に応じて最適な画素ずらしモードを選択し、かつ選択された画素ずらしモードに適した露光レベル調節を行うため、撮影状況に応じて精細度及ダイナミックレンジのバランスの取れた画像を得ることができる。
という効果がある。
【0126】
(第7の実施の形態)
前記第6の実施の形態は手振れに応じた最適画素ずらし及び露光調整モードを選択する実施形態を示した。以下に示す第7の実施の形態は、撮影者により設定されたカメラの撮影モードから画素ずらし実行の適否を判断し、画素ずらしモード及び露光調整モードを切り替える実施形態を示す。
第7の実施の形態のカメラの制御フローも前記第6の実施の形態と同様に、基本的な部分は図18に示したカメラの制御フローと同一であり、ステップ(115)の「露光・画素ずらし条件設定」部分を図25に示すサブルーチンとすることで、第7の実施の形態特有の作用を実現させている。以下、図18及び図25を用いて第7の実施の形態のフローを説明するが、図18のフローについては第5の実施の形態で詳細な説明を行っているため、ここでは簡単に説明する。
【0127】
図18において、ステップ(102)でSW1がオンと判断されるとステップ(111)へ移り、ステップ(111)、ステップ(112)でIS開始命令の送信と、パラメータ通信を行う。続いてステップ(113)、ステップ(114)で測光及び焦点検出を行い、その結果をレンズ内マイコンLCPUにも送信する。
次のステップ(115)では図25に示すフローを実行する。図のステップ(361)では、図19のステップ(181)と同様に、測光センサSNS上に投影された被写体を複数のブロックにブロック化する。
続いてステップ(362)では、図19のステップ(182)と同様に、上記複数ブロックの中から主被写体を類推する。
ステップ(363)ではカメラCMRの撮影モード選択スイッチSWMODの状態判別を行い、撮影者によって設定された露出制御モード等の撮影条件を認識する。
【0128】
ステップ(364)では撮影モードが風景モードか否かの判別を行う。風景モードとは絞り制御値を小絞り(大Fナンバー)として被写界深度を深くする露出制御モードである。そして風景モード設定時は被写体が静止しており、カメラもしっかりとホールディングされて手振れも生じにくいと予想されるため、ステップ(371)に進んで画素ずらしを4回行う高精細モードに設定する。ステップ(364)で風景モードでないと判定されたらステップ(365)へ進む。
ステップ(365)では撮影モードがポートレイトモードか否かの判別を行う。ポートレイトモードは絞り制御値を開放近傍絞り(小Fナンバー)として被写界深度を浅くする露出制御モードである。ポートレイトモード時も風景モードと同様の撮影状態であると予想されるため、ステップ(371)へ進む。ステップ(365)でポートレイトモードでないと判定されたらステップ(366)へ進む。
【0129】
ステップ(366)では撮影モードがスポーツモードか否かの判別を行う。スポーツモードは露出秒時を高速秒時にして被写体の動きを止める露出制御モードである。スポーツモード選択時は被写体が動いており、カメラにはパンニング操作、すなわち大きな手振れと同様のカメラの運動が生じると予想される。また画素ずらし動作中の被写体の動きにより被写体振れも発生し、画素ずらしによる高詳細化が期待できないばかりか、かえって不自然な写真になってしまうことも予想される。従ってスポーツモード設定時はステップ(391)へ進み、NSF=1すなわち画素ずらしを禁止する。ステップ(366)でスポーツモードでないと判定されたら、すなわち風景、ポートレイト、スポーツのいずれのモードでも無いと判定されたらステップ(381)へ進み、画素ずらし回数を2回に設定する。
【0130】
ステップ(371)ないしステップ(375)、ステップ(381)ないしステップ(385)、ステップ(391)ないしステップ(395)は、図24に示した第6の実施の形態のステップ(271)ないしステップ(275)、ステップ(281)ないしステップ(285)、ステップ(291)ないしステップ(295)と同一内容の動作を実行する。すなわち、各画素ずらしモードに応じた露光調節量を決定するが、詳しい動作は第6の実施の形態で説明済みのため、省略する。
ステップ(375)、ステップ(385)或いはステップ(395)を実行後は、ステップ(367)へ移行する。
ステップ(367)ではレンズ内マイコンLCPUに上記フローで決定した画素ずらしモードを送信する。
ステップ(368)ではカメラ内の表示手段DISPに上記画素ずらしモードの種別を表示して、撮影者にどのモードで撮影が行われるのかを報知する。
ステップ(368)実行後は図18のステップ(116)に戻る。
【0131】
ステップ(116)ではスイッチSW2の判別を行い、SW2がオンならステップ(117)へ進む。
ステップ(117)ないしステップ(122)では第6の実施の形態と同様に選択された画素ずらしモードに従って画素ずらしが実行される。
続いてステップ(123)ではレンズ内マイコンLCPUに画素ずらし完了通信を行い、ステップ(124)へ進む。
ステップ(124)でも前記複数の画素ずらしモードに応じた画像合成を選択して行う。
ステップ(125)では前ステップで合成された画像を記録し、ステップ(102)へ戻る。
【0132】
上記第7の実施の形態によれば、前記第5の実施の形態の効果のほかに、
(5)撮影者により設定されたカメラの撮影モードから画素ずらし実行の適否を判断し、画素ずらしモードを切り替えることにより、カメラ及び被写体の動きに適した画素ずらし動作が実行できる。その結果、撮影状況に応じて精細度及びダイナミックレンジのバランスの取れた画像を得ることができる。
という効果がある。
また、本実施の形態では、撮影モードの一例として露出制御モードを対象としたが、焦点検出モード等に応じて画素ずらしモードを切り替えても良い。
【0133】
(他の変形例)
前記第5ないし第7の実施の形態においては、手振れ補正及び画素ずらしのための像移動手段として、結像光学系内のレンズ群を光軸に対して垂直方向にシフトさせ、これによる光軸偏光作用を利用しているが、その代わりに結像光学系の一部に、2枚の透明平行平板とこれに封止された透明液体からなる、いわゆる可変頂角プリズムを用いることも可能である。
また、手振れ補正手段を有しない形態においても、本発明の効果は等しく発揮できる。
また、画素ずらしの際の複数の画像間での露光量調節方法として、露光時間を可変としたが、絞り値を可変としても構わない。或いは撮影光学系中にEC(エレクトロ・クロミック)素子または液晶素子等の透過光量調節手段を配置し、その濃度を可変とすることで、露光量を調節しても構わない。
また本実施の形態において、露光レベルの異なる複数の画像組を得る際、画素ずらしを行わない形態においても、本発明の効果は発揮できる。この場合は画像の高詳細化の効果はなくなるが、被写体の状態に応じた広ダイナミックレンジ画像を得るという効果が発揮できる。
【0134】
(第8の実施の形態)
第8の実施の形態におけるカメラ内マイコンCCPU制御フローは前記図18と実質的に同様に行われるが、ステップ(124)の処理内容が異なる。すなわち、ステップ(124)では画素ずらしによって得た複数の画像信号から像振れを判定し、その判定結果に基づいて所定の方法で画像合成し、1つの高精細画像を作成するサブルーチンである。詳しい動作内容は図33で説明する。
【0135】
なお、レンズ内マイコンLCPUの制御フローは前記図7と実質的に同じ処理が行われる。
【0136】
また、図18、図7の制御フローによるカメラ及びレンズの動作は前記図8に示すタイミングチャートに沿って第1の実施の形態で説明したのと実質的に同様に行われる。
【0137】
次に図26ないし図32を用いて画素ずらしにより得られた複数画像から、手振れによる像振れ判定を行う方法について説明する。
図26及び図27は2組の1次元画像信号の相関度から両画像の相対位置ずれ量を算出する原理を示す。両図において、横軸は撮像素子の画素座標、縦軸は各画素の出力信号値である。
【0138】
図26(a)のIM1はある時刻に取得された第1の画像信号組の出力、IM2はそれから所定時間後に取得された第2の画像信号組の出力で、両画像は画素ずらし動作或いは手振れによる像振れのために、画素間隔の整数倍だけ位置ずれしているものとする。
図26(b)は第2の画像信号IM2を左方向に2画素分シフトしたもので、両画像信号は完全に一致する。
【0139】
ここで2画像の相関度(Correlation )CRを、
CR=1−Σ{ABS(IM2(i)−IM1(i))/(IM1(i)+IM2(i))} ………(30)
ただしABSは絶対値、iは画素番号、Σはi=1から所定画素番号までの和演算子
と定義すると、図26の例では画素シフト量STが−2の時、相関度CRが最大値1となる。この状態をSTmax =−2、CRmax =1と表す。
【0140】
図27(a)は2組の画像間隔が画素間隔の整数倍とは異なる場合(同図では1.5画素)の説明図である。
図27(b)は第2の画像信号IM2を左方向に1画素分シフトしたもので、相関度CRは0.8となる。そしてさらにもう1画素分シフトしても相関度CRは1にはならない。
【0141】
この時の画素シフト量STと相関度CRの関係を表したものが図28である。
図28によると、画素シフト量STを+2から−3まで変化させながら相関度CRを計算すると、画素シフト量STが−1と−2で相関度CRが最大値0.8となる。そこで相関度CRを直線回帰で補間すると、画素シフト量STが−1.5の時、相関度CRが真の最大値0.9になることが判る。すなわち、STmax =−1.5、CRmax =0.9となる。
【0142】
上記の説明は2組の1次元画像における像ずれ量の算出方法だが、これを拡張することにより、2組の2次元画像における上下、左右方向の像ずれ量も算出できる。具体的には特開昭64−10787号公報に開示されているように、2次元の画像信号を上下、左右方向の1次元信号に射影圧縮し、それぞれの相関演算により像の動きベクトルすなわち上下、左右方向の像ずれ量を検出できる。或いは、2次元画像を2方向に順次ずらしながら相関演算し、2次元の動きベクトルを直接求めることも可能である。
【0143】
図29は、手振れの影響を受けずに正確な画素ずらし制御が実行された場合の、像移動状況を示す図であり、図4でも説明した像と撮像素子の相対位置関係を示している。
図29において、像のある点が左下の画素上の点IM1に位置する状態で第1の画像信号の取得(撮像素子の電荷蓄積及び読み出し)を行う。続いて水平方向(手振れ補正のヨー方向に対応)に0.5画素間隔分の画素ずらしを行って像位置をIM2に移動させ、第2の画像信号を取得する。
【0144】
図30は上記図29で取得した第1及び第2の画像信号の相関度CRを示す図である。横軸は2組の画像信号の相関演算を行う際の画素の相対シフト量で、水平方向のシフト量をSTH、垂直方向のシフト量をSTVとしてある。縦軸は相関度CRである。図中のCRHは、2組の2次元画像を水平方向に相対的にSTH画素(±3画素)だけシフトして演算した相関度を、CRVは同じく垂直方向にSTV画素(±3画素)だけシフトして演算した相関度を示す。
【0145】
ここで図29の画素ずらしは水平方向のみに0.5画素ずらし、垂直方向(手振れ補正のピッチ方向)にはずらしていないため、相関度CRが最大となる画素シフト量(これを最大相関シフト量と称す)は、STHmax =−0.5、STVmax =0となる。またこの時の相関度最大値CRHmax 、CRVmax は1を若干下回る値となる。これは、第1及び第2の画像が画素間隔の整数倍とは異なるずれ量で取得されたため、各画素の信号が完全には一致していないからである。そしてこの現象は画素ずらしを行っていない上下方向についても当てはまるため、CRVmax も1とはならない。
【0146】
図31は、画素ずらし制御中に大きな手振れが発生し、手振れ補正を行っても像振れが発生した場合の像移動状況を示す。
図31において、像のある点が左下の画素上の点IM1に位置する状態で第1の画像信号の取得を行う。続いて破線矢印のごとく水平方向に0.5画素間隔分の画素ずらしを行ったが、手振れによる像振れが上乗せされ、像位置がIM2に移動した時に、第2の画像信号を取得している。
【0147】
図32は上記図31で取得した第1及び第2の画像信号の相関度CRを示す図で、図中の各記号は前記図30と同一の意味を表す。
図32によると、最大相関シフト量はSTHmax =−0.7、STVmax =−0.3となる。そこで図30における手振れが無い場合の最大相関シフト量との差(計算式上は和)をδH 、δV とすると、
δH =−0.7+(−0.5)=0.2 ………(31)
δV =−0.3+0=0.3 ………(32)
となり、上記δH 、δV がそれぞれ画素ずらし中の水平、垂直方向の手振れによる像振れ量(単位は画素間隔)となる。この像振れ量δH 、δV が所定値、例えばδMAX =±0.1画素間隔を超えると、画素ずらしによる高精細化の効果が打ち消されてしまうため、その時には画素ずらしモードの変更等の対処を行う。
【0148】
ここで、本実施の形態では手振れ補正機構が動作しているため、理想的には手振れによる像振れは発生しないはずだか、現実には振れ検知センサの出力エラー、手振れ補正能力以上の大きな振れの発生等で像振れが発生する可能性がある。そして上記原因による像振れは撮影画面の全面に渡って一様に生じる。
【0149】
次に画素ずらしにより得た複数組の画像信号を合成して1枚の高精細画像信号を生成する原理については、第1の実施の形態において図9、図10及び式(7)〜(10)と共に説明したのと同様の方法に基づくものである。
なおこの方法は白黒撮像素子或いは色分解プリズムを用いた多板式カラー撮像素子に適用されるもので、モザイク型色フィルターを用いた単板式カラー撮像素子では画素ずらし量や画像合成方法の点で多少の違いはあるが、基本的な考えは同一である。
【0150】
図33は上記図26ないし図32及び図9、図10で説明した画素ずらし中の手振れ判定と画像合成の作用を示すフロー図で、図6のステップ(124)の画像合成サブルーチンに相当する。
まずステップ(161)では、画素ずらし回数カウンタCNTを0に初期化する。
ステップ(162)では、前述の式(30)に従って第1及び第2の画像信号組の相関度を演算する。
ステップ(163)では、上記相関演算結果から、最大相関シフト量STHmax 、STVmax を計算する。
ステップ(164)では、相関度最大値CRHmax 、CRVmax を計算する。
ステップ(165)では、像振れ量δH 、δV を計算する。
ステップ(166)では、カウンタCNTに1を加えて更新する。
【0151】
ステップ(167)では、カウンタCNTと画素ずらし回数を表す所定値NSFとの比較を行う。例えばNSF=4の場合、ステップ(162)ないしステップ(165)の演算は、第1と第2の画像信号組、第2と第3の画像信号組、第3と第4の画像信号組の間で合計3回行うことになる。従ってCNTがNSF−1に達していなければステップ(162)に戻って次の画像信号組に対するステップ(162)ないしステップ(166)の演算を繰り返し実行する。CNTがNSF−1に達したら、ステップ(168)に進む。
【0152】
ステップ(168)では、上記ステップ(165)で計算したすべての像振れ量について、所定値δmax との比較を行う。そしてすべての像振れ量が所定値δmax より小さければ、画素ずらしによる高精細化が期待できるため、ステップ(169)に進んで図10で示した方法により画像合成を行う。
ステップ(170)では正規の画素ずらし動作が実行されたことを、表示手段DISPに表示する。そしてステップ(171)において図6のメインフローにリターンする。
一方ステップ(168)において、所定値δmax 以上の像振れの存在が確認されたら、ステップ(172)へジャンプし、画素ずらしによる画像合成は行わない旨を報知する警告表示を、同じく表示手段DISPに表示する。そしてステップ(171)において図6のメインフローにリターンする。この時は合成画像ではない原画像、例えば第1の画像信号組が最終的な画像信号となる。
【0153】
上記第8の実施の形態によれば、
(1)画素ずらし操作で得た複数の画像信号同士の相関演算結果から手振れによる像振れを抽出し、像振れの大小に応じて画素ずらしによる画像合成の実行可否を選択するため、手振れによる像劣化の影響を抑え、かつ画素ずらしによる高精細な画像信号を得ることができる。
(2)画素ずらしの実行可否結果を表示手段を用いて撮影者に報知するため、撮影者は得られた画像の精細度を確認できるとともに、手振れによって画素ずらしが実行されなかった時には撮影をやり直す等の対策を講じることができる。
(3)画素ずらしによる画像の移動毎に像振れ演算を行うため、高精度の像振れ検知ができ、手振れによる画素ずらし動作の失敗を確実に排除できる。
という効果がある。
【0154】
(第9の実施の形態)
前記第8の実施の形態は画素ずらしによる像の移動毎に像振れ検出を行い、1回でも大きな像振れが発生したら画素ずらしを禁止する実施形態であった。以下に示す第9の実施の形態は、画素ずらし実行後に像を初期位置に戻して像振れ判定用の予備画像信号を取得し、これを用いて像振れ検知を行う実施の形態を示す。
【0155】
図34は第9の実施の形態の画素ずらし動作時の像移動軌跡、図35及び図36はカメラの制御フローである。以下、図面を用いて第9の実施の形態の動作を説明する。
図34において、撮像素子に対して像を破線の軌跡に従って移動させ、5組の画像信号を取得する。しかし、手振れのために実際の像はIM1→IM2→IM3→IM4→IM5のごとく移動するものとする。そして画素ずらしによる高精細化のためにIM1ないしIM4の4組の像を用いる一方、像振れ検知のための相関演算にはIM1及びIM5の2組の像を用いる。すなわち、手振れが無ければIM1及びIM5の2像は完全に一致し、STHmax =STVmax =0、δH =δV =0、CRHmax =CRVmax =1となるのに対し、手振れが生ずると画素ずらし動作の全行程中の像振れ量積算値がδH 、δV として表れる。
【0156】
図35はカメラのメインフローである。当フローは、図18に示した第8の実施の形態のカメラの制御フローと基本的な部分は同一であるが、図18のステップ(122)において、画素ずらし実行回数を判定し、条件分岐する部分が異なる。すなわち、図18の第8の実施の形態では画素ずらしによる4組の画像信号取得完了後にステップ(123)に分岐した。
一方、図35の本実施の形態では、4組の画像信号取得後に像位置を初期位置に戻し、像振れ検知用に第5組目の画像信号を取得する。そこでステップ(122)において、画素ずらし回数計測用カウンタCNTがNSF+1=5になってからステップ(123)に分岐する。
ステップ(123)実行後はステップ(124)において、図36に示すサブルーチンにて画像合成を行う。上記以外のステップは第8の実施の形態の作用と同一のため、説明を省略する。
【0157】
図36は、前記図35のメインフロー中の、ステップ(124)の画像合成サブルーチンを示すフロー図で、第8の実施の形態の図33と同様に、画素ずらし中の手振れ判定と画像合成を実行する。
まずステップ(461)では、前述の式(30)に従って第1及び第5の画像信号組の相関度を演算する。
ステップ(462)では、上記関数演算結果から、最大相関シフト量STHmax 、STVmax を計算する。
ステップ(463)では、相関度最大値CRHmax 、CRVmax 、を計算する。
ステップ(464)では、像振れ量δH 、δV を計算するが、本実施の形態ではステップ(462)で計算された最大相関シフト量STHmax 、STVmax が、そのまま像振れ量δH 、δV となる。
【0158】
ステップ(465)では、上記ステップ(464)で計算した像振れ量について、第1の所定値δ1 との比較を行う。そして像振れ量が第1の所定値δ1 より小さければ、手振れによる像振れが極めて小さく、画素ずらしによる高精細化が期待できるため、ステップ(466)に進んで図10で示した方法により4組の画像の合成を行う。
ステップ(467)では、4画像合成による画素ずらしを実行したことを、表示部DISPに表示する。そしてステップ(472)に進んで図35のメインフローにリターンする。
【0159】
一方ステップ(465)において、像振れ量が第1の所定値δ1 以上であると判定されたらステップ(468)へ進む。ステップ(468)では、像振れ量と、第1の所定値δ1 より大きな第2の所定値δ2 との比較を行う。そして像振れ量が第2の所定値δ2 より小さければ、手振れによる像振れがやや大きいが、画素ずらしによる高精細化も若干は期待できるため、ステップ(469)に進んで2組の画像の合成を行う。これは、画素ずらし回数の増加は画像の高精細化に寄与するが、画像の取得時間が延びて手振れによる画質低下の影響を受けやすくなり、場合によっては画素ずらしを行わない原画像よりも低画質となってしまう場合もある。そこで本実施の形態では、若干の像振れが生じた時には4組全部の画像を用いず、画像の高精細化を若干犠牲にして手振れの影響を排除している。具体的には、第1及び第2の画像信号組を合成して水平方向のみの解像度を向上させる、或いは第1及び第3の画像信号組を合成し、画素の埋まらない空白部は周囲の画像信号を補間して生成する等の方法がある。
【0160】
ステップ(469)で所定の画像合成を行ったら、ステップ(470)に進み、2画像合成による画素ずらしを実行したことを、表示手段DISPに表示する。そしてステップ(472)に進んで図35のメインフローにリターンする。
一方ステップ(468)において、第2の所定値δ2 以上の像振れの存在が確認されたら、像振れがかなり大きく、画素ずらしによってかえって画質が低下する可能性があるため、ステップ(471)へジャンプし、画素ずらしによる画像合成は行わない旨を報知する警告表示を同じく表示手段DISPに表示する。そしてステップ(472)において図35のメインフローにリターンする。この時は合成画像ではない原画像、例えば第1の画像信号組が最終的な画像信号となる。
【0161】
上記第9の実施の形態によれば、前記第8の実施の形態の効果(1)(2)を有すると共に、
(4)2組の画像から画素ずらし動作の全時間中の像振れを検出するため、像振れ判定時間が短くて済む。
(5)記録用の最初の画像と、画素ずらし終了後に元の位置に戻した画像とで相関演算を行うため、相関演算結果から得られた画像の相対ずれ量が手振れによる像振れ量に一致し、像振れ検出演算が簡易になる。
(6)像振れ量に応じて、複数の画素ずらしモードから最適な画素ずらしモードを選択するため、手振れによる画素ずらし動作の失敗を確実に排除できる。
(7)選択された画素ずらしモードを表示するため、撮影者はどの程度の高精細画像が得られたかを把握することができる。
という効果がある。
【0162】
(第10の実施の形態)
前記第8及び第9の実施の形態は画素ずらし用複数画像の相関演算から像振れを計算し、該像振れが所定値以上の時は画素ずらしを禁止する実施形態であった。以下に示す第10の実施の形態は、この像振れが所定値以上でも像振れ補正対策を施して画素ずらしを可能とする実施の形態を示す。
【0163】
図37は第10の実施の形態の画素ずらし動作時の像移動軌跡、図38は相関演算結果説明図、図39はカメラの制御フローである。以下、図面を用いて第10の実施の形態の動作を説明する。
図37において、撮像素子に対して像を破線の軌跡に従って水平方向に0.5画素間隔分だけ移動させる。しかし、手振れのために実際の像は実線の矢印のごとく、IM1→IM2のように移動するものとする。
【0164】
図38は図37で取得した2組の像IM1とIM2の相関演算結果である。この図38より、STHmax =−1.5、STVmax =0、δH =1、δV =0、CRHmax =CRVmax =0.94であることが分かる。ここで、垂直方向の像振れδV は0で問題無いが、水平方向の像振れδH は1画素間隔分あるため、このまま画像合成を行うと、画素ずらしを実施しない原画像よりさらに精細度の低い画像が得られてしまう。しかしながら、2組の像同士の像振れ量が画素間隔の整数倍にほぼ等しい量であれば、片方の像を該整数分だけ像振れと反対の方向にずらして合成すれば、この像振れを打ち消すことができる。例えば、図37では第2の画像IM2は第1のIM1に対し、画素ずらしと手振れのために水平方向に1.5画素間隔だけずれているが、画素ずらし後の画像合成時に第2の画像を予め1画素間隔分だけずらしてから合成すれば、手振れの影響が排除され、画素ずらし相当の0.5画素間隔分のずれのみが残る。
【0165】
具体的には、まず
H =INT(δH ) ………(33)
V =INT(δV ) ………(34)
ただしINT( )は( )内の数値を四捨五入して整数化することを表すにしたがって像振れ量δH 、δV を整数nH 、nV に変換する。ついで、前述の式(8)における画像信号組IG2(i,j)の画像信号i及びjを、
i←i+nH ………(35)
j←j+nV ………(36)
にしたがって更新すると、像振れ相当分だけ像の相対位置が移動し、像振れを打ち消すことができる。
【0166】
上記操作を画像信号組IM3及びIM4(計算上はIG3及びIG4)に対しても行う。この場合、像振れ計算のための相関演算は、すべて最初の画像信号組IM1を基準に行う方が良い。
以上の操作を行った後、式(7)ないし(10)に従って画像合成を行えば、画像信号組間に画像間隔以上の像振れが生じていても、画素ずらしによる画像の高精細化が実現できる。
【0167】
この第10の実施の形態によるカメラのメインフローは図18に示した第8の実施の形態のメインフローと同一であり、ステップ(124)の画像合成サブルーチンのみが異なるので、図39に第10の実施の形態のサブルーチンを示す。まずステップ(561)では、画素ずらし回数カウンタCNTを0に初期化する。
ステップ(562)では、前述の式(30)に従って第1及び第2の画像信号組の相関度を演算する。
ステップ(563)では、上記相関演算結果から、最大相関シフト量STHmax 、STVmax を計算する。
ステップ(564)では、相関度最大値CRHmax 、CRVmax を計算する。
ステップ(565)では、像振れ量δH 、δV を計算する。
ステップ(566)では、像振れ量δH 、δV を整数化する。
【0168】
ステップ(567)では、像振れ量の大きさ判定を行い、像振れ量が所定値、例えば5画素間隔分より小さければ、ステップ(568)に進む。一方像振れ量が5画素間隔分以上あると、1組の画像蓄積中にも像振れが生じている可能性が大きいため、ステップ(575)へジャンプして像振れが大きいことを示す警告表示を表示部DISPに表示する。
その後、ステップ(576)にてメインルーチンへリターンするため、画素ずらしによる画像の合成は行われず、メインルーチンの次のステップ(125)にて原画像が記録装置に記録される。
【0169】
ステップ(567)よりステップ(568)に進むと、相関度最大値CRHmax 、CRVmax の大きさ判定を行い、相関度最大値が所定値、例えば0.5より大きければ、ステップ(569)に進む。一方、相関度最大値が低い場合は、相関演算から求めた像振れ量の信頼性が低いことを意味する。よって誤った像振れ結果に基づいて振れ補正を施して画像合成を行うと、かえって画質を低下させてしまう恐れがある。そこで相関度最大値が0.5以下の場合はステップ(575)にジャンプし、前述の場合と同様、ステップ(575)で警告表示を行い、ステップ(576)でリターンする。
像振れ量が所定値以下で、かつ相関度最大値が所定値以上ならステップ(567)、ステップ(568)を経由してステップ(569)に進む。
【0170】
ステップ(569)では、前述の式(35)(36)に従って像振れ補正を行う。
ステップ(570)では、カウンタCNTに1を加えて更新する。
ステップ(571)では、カウンタCNTと画素ずらし回数を表す所定値NSFとの比較を行う。例えばNSF=4の場合、ステップ(562)ないしステップ(569)の演算は、第1と第2の画像信号組、第1と第3の画像信号組、第1と第4の画像信号組の間で合計3回行うことになる。従ってCNTがNSF−1に達していなければステップ(562)に戻ってステップ(562)ないしステップ(569)の演算を繰り返し実行する。CNTがNSF−1に達したら、ステップ(572)に進む。
ステップ(572)では、図10で示した方法により画像合成を行う。
ステップ(573)では、像振れ補正をした後に画素ずらしの画像合成を行ったことを示す表示を行う。そしてステップ(574)で図18のメインフローにリターンする。
【0171】
上記第10の実施の形態によれば、前記第8の実施の形態の効果(1)(2)を有すると共に、
(8)複数画像間の像振れを検出及び補正して画素ずらしの画像合成を行うため、1画素間隔分以上の大きな像振れが生じた時も、画素ずらしによる画像の高精細化が可能である。
(9)複数画像間の相関度(一致度)の大小から、画素ずらしによる画像合成の実行可否を判断するため、画素ずらしの失敗による画質低下を防止できる。
という効果がある。
【0172】
(他の変形例)
本発明は画素ずらし以外の目的で所定時間以内に複数の画像信号を取得し、これを合成する撮像装置についても利用できる。例えば撮像素子に異なる露光量を与えて複数の画像信号組を得、これを合成して広ダイナミックレンジ画像を得る撮像装置に適用すれば、手振れの影響を受けずに広ダイナミックレンジ画像を得ることができる。
或いは異なる時刻において取得された同一のシーンの画像信号を合成し、多重露光効果を得る撮像装置に適用すれば、動きのある被写体が多重に写し込まれ、静止被写体は振れることなく再生される。
【0173】
以下に、上述した各実施の形態から得られる効果を列挙する。
第1に、撮像光学系の形態如何に拘わらず、画素ずらし制御と手振れ補正制御が1つの可動光学部材にて正確に行われる撮像装置を提供できる。
第2に、ズーミング光学系或いはフォーカシング光学系の状態に応じて最適な第1係数及び第2係数を用いて制御するため、光学状態が変化しても常に画素ずらし制御と手振れ補正制御を正確に行う撮像装置を提供できる。
【0174】
第3に、装置単体で画素ずらしによる高精細画像が得られる撮像装置を提供できる。このためCRTモニタやプリンタ装置等の外部装置で画像を出力表示する際に、画像合成機能を有する特殊な外部装置を必要とせず、取得した高精細画像を凡用の出力装置を用いて出力し鑑賞することができる。
第4に、撮像条件に応じて最適な画素ずらしモードを選択する撮像装置を提供でき、撮影者が煩雑な操作を行うことなく、高精細画像が得られる。
【0175】
第5に、撮像時の手振れによる画質劣化と画素ずらしによる高画質化を勘案し、最適な画素ずらしモードを選択する撮像装置を提供でき、撮影者が煩雑な操作を行うことなく、高精細画像が得られる。
第6に、撮影者の撮影意図に適した画素ずらしモードを選択する撮像装置が提供でき、撮影者が煩雑な操作を行うことなく、高精細画像が得られる。
【0176】
第7に、撮影者が設定した露出制御条件に適した画素ずらしモードを選択する撮像装置を提供でき、撮影者が煩雑な操作を行うことなく、高精細画像が得られる。
第8に、手振れによる画質低下と画素ずらしによる高精細化のバランスが取れた画素ずらし回数を選択する撮像装置を提供でき、撮影者が煩雑な操作を行うことなく、高精細画像が得られる。
【0177】
第9に、手振れによる画質低下が画素ずらしによる高精細化を打ち消す場合、画素ずらしを禁止する撮像装置を提供でき、手振れによる悪影響を最小限に抑えられる。
第10に、手振れ検知手段が高周波域の振れを、動きベクトル検知手段が低周波域の振れを検知し、両信号の合成信号にて可動光学部材が駆動制御され、低域から高域までの手振れを正確に補正する撮像装置を提供できる。
第11に、ズーミング光学系或いはフォーカシング光学系の状態に応じて最適な第1係数及び第2係数を用いて制御するため、光学系の状態に拘わらず正確な手振れ補正ができる撮像装置を提供できる。
【0178】
第12に、画素ずらしにより画像の高精細化を図り、かつ被写体輝度分布に応じた複数画像間の露光レベル調節によってダイナミックレンジ拡大を図ることにより、低価格の素子を用いながら高品位の画像を得ることができる。
第13に、主従いずれの被写体に対しても適正な露光レベルを与え、幅広い輝度差を有する被写体においても高精細かつ広ダイナミックレンジの画像を得ることができる。
【0179】
第14に、画素ずらし操作によって得た複数組の画像信号において、主被写体と類推された被写体に対する画像情報が従被写体と類推された被写体に対する画像情報よりも多く得られ、画素ずらしによる主被写体の高精細化を図りながら従被写体の輝度情報も失うことのない広ダイナミックレンジ画像が得られる。
第15に、撮像条件に応じて画像の高精細化とダイナミックレンジ拡大の最適化がなされ、高品位の画像を得ることができる。
【0180】
第16に、手振れが生じてもその手振れの範囲内で画素ずらしによる高画質化と露光レベル調節によるダイナミックレンジ拡大の最適化をはかり、高品位の画像を得ることができる。
第17に、設定された撮影モードに応じて手振れの発生を予測し、撮影者の撮影意図に適した画像の高精細化及びダイナミックレンジ拡大の最適化をはかり、高品位の画像を得ることができる。
【0181】
第18に、撮像画面内の被写体輝度分布に応じて複数画像間の露光レベルを調節し、これを合成してダイナミックレンジ拡大を図ることにより、低価格で狭ダイナミックレンジの素子を用いながら広ダイナミックレンジの画像を得ることができる。
第19に、撮像画面内において主被写体と従被写体を認識し、いずれの被写体に対しても最適な露光量を与えることにより、撮像画面全体に渡って画像のダイナミックレンジ拡大がなされる。
【0182】
第20に、主被写体と類推された被写体に対する画像情報が従被写体と類推された被写体に対する画像情報よりも多く得られ、主被写体がより高品位になる画像が得られる。
第21に、撮像条件に応じて最適な画像取得回数の選択と露光調節制御がなされ、ダイナミックレンジ拡大の最適化がなされる。
【0183】
第22に、手振れに応じてダイナミックレンジ拡大のための画像取得回数を調節することにより、手振れによる画質劣化を最小限に抑えながらダイナミックレンジ拡大を図ることができる。
第23に、設定された撮像条件から手振れの発生を予め予測し、画像のダイナミックレンジ拡大の際の手振れの影響を未然に防止することができる。
【0184】
第24に、画素ずらし用複数画像間の像振れに応じて画素ずらしの画像合成動作を制御するため、像振れが大きく画像合成を行うとかえって画質を低下させてしまう場合には画素ずらしを禁止する等して、手振れがないときは高精細画像を得、手振れがある時は手振れによる画素ずらしの弊害を防止する撮像装置を提供できる。
第25に、画素ずらしのために取得した各画像間で振れを検知して画素ずらし動作を制御するため、画像取得中の微細な振れも検知でき、手振れによる画素ずらしの失敗を正確に排除できる撮像装置を提供できる。
【0185】
第26に、画素ずらし開始時と終了時に取得した2組の画像間で振れを検知して画素ずらし動作を制御するため、振れ検知計算が簡略化され、手振れによる画素ずらしの失敗を正確に排除できる撮像装置を提供できる。
第27に、大きな振れが発生した場合には画素ずらしを禁止して、手振れによる画素ずらしの弊害を防止する撮像装置を提供できる。
第28に、振れ量に応じて最適な画素ずらし及び画像合成動作を行うため、振れの影響を最小限に抑え、かつ画素ずらしで高詳細な画像を得る撮像装置を提供できる。
【0186】
第29に、像振れの影響で正規の画素ずらしが実行できたか否かを撮影者に報知するため、撮影者は望みどおりの画像が得られたか否かを把握でき、もし意図した画像が得られないと判った時には再撮像等の対策を施すことができる。
第30に、手振れを光学的或いは機械的に抑制したうえで、複数画像間になお残った残存振れを画像処理的に補正してから画素ずらしによる画像の合成を行うため、従来なら振れによって画素ずらしができない撮像条件下でも、画素ずらしを実行して高精細な画像を得る撮像装置を提供できる。
【0187】
第31に、複数画像間の像振れを補正してから画素ずらしによる画像の合成を行うため、手振れ補正手段を用いても大きな残存振れが生じる撮像条件下でも、画素ずらしを実行して高精細な画像を得る撮像装置を提供できる。
第32に、互いに異なる画像情報を有した複数画像を合成して多量の情報を有した高品質画像を得る場合、手振れを光学的或いは機械的に抑制し、かつ合成前の画像の相対関係を確認してから画像合成を行うため、誤った画像合成が行われることなく、高品質な画像を得る撮像装置を提供できる。
【0188】
第33に、互いに異なる画像情報を有した複数画像を合成して多量の情報を有した高品質画像を得る場合、手振れを光学的或いは機械的に抑制し、かつ合成前の画像の像振れを検出してから画像合成を行うため、誤った画像合成が行われることなく、高品質な画像を得る撮像装置を提供できる。
第34に、互いに異なる画像情報を有した複数画像を合成して多量の情報を有した高品質画像を得る場合、手振れを光学的或いは機械的に抑制し、かつ合成前の画像の一致度を確認してから画像合成を行うため、誤った画像合成が行われることなく高品質な画像を得る撮像装置を提供できる。
【0189】
第35に、互いに異なる画像情報を有した複数画像を合成して多量の情報を有した高品質画像を得る場合、複数画像間の相対関係の検出結果から高品質画像が得られるか否かを撮影者に報知し、得られない時は再撮像等の対策を促すことができる。
第36に、互いに異なる画像情報を有した複数画像を合成して多量の情報を有した高品質画像を得る場合、複数画像間の像振れ検出結果から高品質画像が得られるか否かを撮影者に報知し、得られない時は再撮像等の対策を促すことができる。
【0190】
第37に、互いに異なる画像情報を有した複数画像を合成して多量の情報を有した高品質画像を得る場合、複数画像間の一致度検出結果からなる高品質画像が得られるか否かを撮影者に報知し、得られない時は再撮像等の対策を促すことができる。
第38に、互いに異なる画像情報を有した複数画像を合成して多量の情報を有した高品質画像を得る画像合成制御方式を複数種類有し、複数画像間の相対関係に基づいて該複数方式の中から所定方式を選択的に用いるため、誤った画像合成による画質低下を防止し、高品質な画像を得る画像合成装置を提供できる。
【0191】
第39に、互いに異なる画像情報を有した複数画像を合成して多量の情報を有した高品質画像を得る画像合成制御方式を複数種類有し、複数画像間の像振れ検出結果に基づいて該複数方式の中から所定方式を選択的に用いるため、誤った画像合成による画質低下を防止し、高品質な画像を得る画像合成装置を提供できる。
第40に、互いに異なる画像情報を有した複数画像を合成して多量の情報を有した高品質画像を得る画像合成制御方式を複数種類有し、複数画像間の一致度検出結果に基づいて該複数方式の中から所定方式を選択的に用いるため、誤った画像合成による画質低下を防止し、高品質な画像を得る画像合成装置を提供できる。
【0192】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、被写体像を複数の領域に分割して測光し、上記被写体像の第1の領域が適正となる第1の露光条件で得られた、第1の所定数のフレーム画像信号を読み出すとともに、上記被写体像の第2の領域が適正となる第2の露光条件で得られた、上記第1の所定数よりも多い第2の所定数のフレーム画像信号を読み出すようにしたので、可及的に高ダイナミックレンジの画像が得られるとともに、上記被写体像の第2の領域における画像再現性を可及的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撮像装置の構成図である。
【図2】本発明に用いられる結像光学系の構成図である。
【図3】本発明に用いられる結像光学系の光束偏向作用を説明する構成図である。
【図4】本発明の画素ずらし原理を説明する構成図である。
【図5】本発明の主要部の制御ブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態のカメラの制御フローチャートである。
【図7】本発明の第1、5、8の実施の形態のレンズの制御フローチャートである。
【図8】本発明の第1、8の実施の形態の制御のタイミングチャートである。
【図9】本発明の第1、5の実施の形態の画素ずらし方法を説明する構成図である。
【図10】本発明の第1、5の実施の形態の画像合成方法を説明する構成図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態のカメラの制御フローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態の画素ずらし方法を説明する構成図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態の画像合成方法を説明する構成図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態のカメラの制御フローチャートである。
【図15】本発明の第4の実施の形態の制御ブロック図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態のカメラの制御フローチャートである。
【図17】本発明の第4の実施の形態のレンズの制御フローチャートである。
【図18】本発明の第5、8の実施の形態のカメラの制御フローチャートである。
【図19】本発明の第5の実施の形態の露光量調節制御フローチャートである。
【図20】撮像素子の特性曲線を説明する特性図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態の被写体分割を説明する構成図である。
【図22】本発明の第5の実施の形態の制御のタイミングチャートである。
【図23】本発明の第5の実施の形態のダイナミックレンジ拡大方法を説明する構成図である。
【図24】本発明の第6の実施の形態におけるカメラの制御フローの一部を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第7の実施の形態におけるカメラの制御フローの一部を示すフローチャートである。
【図26】本発明の第8の実施の形態の相関演算を説明する特性図である。
【図27】本発明の第8の実施の形態の相関演算を説明する特性図である。
【図28】本発明の第8の実施の形態の相関度を説明する特性図である。
【図29】本発明の第8の実施の形態における振れがない時の画像軌跡を説明する構成図である。
【図30】本発明の第8の実施の形態における振れがない時の相関度を説明する特性図である。
【図31】本発明の第8の実施の形態における振れがある時の画像軌跡を説明する構成図である。
【図32】本発明の第8の実施の形態における振れがある時の相関度を説明する特性図である。
【図33】本発明の第8の実施の形態のカメラのサブルーチン制御フローチャートである。
【図34】本発明の第9の実施の形態における振れがある時の画像軌跡を説明する構成図である。
【図35】本発明の第9の実施の形態のカメラのメイン制御フローチャートである。
【図36】本発明の第9の実施の形態のカメラのサブルーチン制御フローチャートである。
【図37】本発明の第10の実施の形態における振れがある時の画像軌跡を説明する構成図である。
【図38】本発明の第10の実施の形態における振れがある時の相関度を説明する特性図である。
【図39】本発明の第10の実施の形態のカメラのサブルーチン制御フローチャートである。
【符号の説明】
CMR カメラ本体
CCPU カメラ内マイコン
IMS 撮像素子
MEM メモリ
DISP 表示部
CNC コネクタ
SWMOD 撮影モード選択スイッチ
LNS レンズ
LCPU レンズ内マイコン
L2 第2レンズ群(振れ補正レンズ群)
ZENC ズームエンコーダ
FENC フォーカスエンコーダ
GRP、GRY 手振れセンサ
IACTP、IACTY 振れ補正アクチュエータ
SNS 測光・焦点検知センサ

Claims (2)

  1. 被写体像を形成する撮像光学手段と、
    上記被写体像を光電変換する撮像手段と、
    上記撮像手段から読み出された複数フレームの画像信号を記憶する複数画像取得手段と、
    上記被写体像を複数の領域に分割して測光する測光手段と、
    上記測光手段の測光結果に基づいて、上記複数の領域のうちの第1の領域が適正露光量となる第1の露光条件と、上記複数の領域のうちの第2の領域が適正露光量となる上記第1の露光条件と異なる第2の露光条件とを求めるとともに、上記第1の露光条件を設定し、上記第1の露光条件で第1の所定数のフレーム画像信号を上記撮像手段から読み出し、上記第2の露光条件を設定し、上記第2の露光条件で上記第1の所定数よりも多い第2の所定数のフレーム画像信号を上記撮像手段から読み出すように調節する露光レベル調節手段とを有し
    上記複数画像取得手段は、上記撮像手段から読み出された、上記第1の露光条件の上記第1の所定数のフレーム画像信号と上記第2の露光条件の上記第2の所定数のフレーム画像信号とを合成することを特徴とする撮像装置。
  2. 上記撮像光学手段に生じた振れによる像振れを検知する像振れ検知手段を有し、上記像振れ検知手段の検知結果に基づいて、上記撮像手段で光電変換される被写体像が手振れ補正された像となるように上記撮像装置を制御するとともに、制御された条件に基づき、上記第1の露光条件の上記第1の所定数のフレーム画像信号と上記第2の露光条件の上記第2の所定数のフレーム画像信号を上記撮像手段から読み出すように上記露光レベル調節手段の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
JP2003026230A 2003-02-03 2003-02-03 撮像装置 Expired - Fee Related JP3754964B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003026230A JP3754964B2 (ja) 2003-02-03 2003-02-03 撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003026230A JP3754964B2 (ja) 2003-02-03 2003-02-03 撮像装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34931096A Division JP3530696B2 (ja) 1996-12-27 1996-12-27 撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003274281A JP2003274281A (ja) 2003-09-26
JP3754964B2 true JP3754964B2 (ja) 2006-03-15

Family

ID=29208404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003026230A Expired - Fee Related JP3754964B2 (ja) 2003-02-03 2003-02-03 撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3754964B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4586434B2 (ja) * 2004-07-01 2010-11-24 株式会社ニコン 閃光制御装置およびカメラ
JP4635748B2 (ja) * 2005-07-06 2011-02-23 コニカミノルタホールディングス株式会社 撮像装置
JP4898704B2 (ja) * 2005-12-12 2012-03-21 淳大 上田 画像診断用データ・サンプリング・デバイス並びに該デバイスに用いられる撮像用アダプタ
JP5019543B2 (ja) * 2006-05-09 2012-09-05 シャープ株式会社 撮像装置
JP2010056953A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Sony Corp 撮像装置、画像処理装置及び撮像システム
JP5397068B2 (ja) * 2009-06-03 2014-01-22 ソニー株式会社 撮像装置、撮像制御方法、露出制御装置および露出制御方法
JP5475384B2 (ja) * 2009-09-29 2014-04-16 富士フイルム株式会社 撮像装置及び撮像方法
JP6218389B2 (ja) * 2013-02-07 2017-10-25 キヤノン株式会社 画像処理装置及び画像処理方法
JP2014179756A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Canon Inc 画像処理装置、その制御方法、および制御プログラム
JP6291749B2 (ja) * 2013-08-29 2018-03-14 株式会社ニコン 受光ユニットおよび撮像装置
JP2022145212A (ja) 2021-03-19 2022-10-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 撮像装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003274281A (ja) 2003-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6429895B1 (en) Image sensing apparatus and method capable of merging function for obtaining high-precision image by synthesizing images and image stabilization function
US9729773B2 (en) Interchangeable lens digital camera
US9843710B2 (en) Focusing adjustment apparatus and focusing adjustment method
JP4794963B2 (ja) 撮像装置および撮像プログラム
JP5791349B2 (ja) 撮像装置及びその制御方法
JP3530696B2 (ja) 撮像装置
JP2006086978A (ja) カメラシステム、カメラ本体及び交換レンズ
US8872963B2 (en) Imaging apparatus and imaging method
US20090128638A1 (en) Imaging apparatus
JPH10191136A (ja) 撮像装置及び画像合成装置
JP3754964B2 (ja) 撮像装置
JP4567313B2 (ja) カメラ
JP2019138979A (ja) 像振れ補正装置、撮像システム、及びそれらの制御方法、プログラム
JP2022117599A (ja) 画像処理装置、撮像装置、制御方法およびプログラム
JP2005064699A (ja) カメラ
JP5038448B2 (ja) カメラ
US11092774B2 (en) Lens apparatus, image capturing apparatus, control method of lens apparatus, and control method of image capturing apparatus
JP2014142497A (ja) 撮像装置及びその制御方法
JP2011071712A (ja) 立体撮像装置及び立体撮像方法
JP4845653B2 (ja) カメラシステム、カメラ本体、交換レンズユニットおよび像ブレ補正方法
JP2008070566A (ja) カメラシステム、カメラ本体、交換レンズユニットおよび像ブレ補正方法
JP4533175B2 (ja) 撮像装置
JPH11258489A (ja) 焦点検出装置、方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
WO2022044551A1 (ja) 撮像装置、駆動方法、及び撮像プログラム
JP2011112731A (ja) 撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111222

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121222

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131222

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees