JP3748968B2 - オレフィン重合用触媒及びポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒及びポリオレフィンの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、オレフィン重合用触媒に関するものである。さらに具体的には、立体規則性の高いポリオレフィンを収率良く与えるケイ素化合物を含むポリオレフィン重合用触媒、及びその触媒を用い炭素数3以上のオレフィンを重合させて、分子量が小さく(MFR>20(g/10分))、かつ分子量分布が広い(MLMFR/MFR>22)、立体規則性の高いポリオレフィンを収率良く得るポリオレフィンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
担持型チーグラー触媒の助触媒成分としてケイ素化合物を用いると、生成ポリマーの立体規則性が高まり、ポリマーの機械的特性が向上することが知られている。
例えば、ジフェニルジメトキシシラン化合物(特開昭57-63310号公報、特開昭57-63311号公報、特開昭58-138708号公報、特開昭61-296006号公報、特開昭63-175008号公報、特開昭63-289004号公報)、ジイソブチルジメトキシシラン化合物(特開昭62-18406号公報、特開昭63-258907号公報、特開平2-70708号公報、特開平2-173010号公報、特開平3-33103号公報)、ジイソプロピルジメトキシシラン化合物(特開昭63-258907号公報、特開平2-229807号公報、特開平3-33102号公報、特開平3-33103号公報)、ジシクロペンチルジメトキシシラン化合物(特開平2-229807号公報)、ジ−t−ブチルジメトキシシラン化合物(特開平2-70708号公報、特開平2-229806号公報、特開平3-33102号公報)、ジシクロヘキシルジメトキシシラン化合物(特開昭63-258907号公報)、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン化合物(特開平2-170803号公報、特開平2-229807号公報)、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン化合物(特開平2-163104号公報)、t−ブチルメチルジメトキシシラン化合物(特開昭63-11705号公報、特開昭62-20507号公報、特開昭63-92615号公報、特開平2-229807号公報)、t−ブチルプロピルジメトキシシラン化合物(特開平4-202505号公報、特開平5-17319号公報)、フェニルトリエトキシシラン化合物(特開昭57-63311号公報、特開昭58-83006号公報、特開昭62-20507号公報、特開昭61-296006号公報)、エチルトリエトキシシラン化合物(特開昭57-63310号公報)、ブチルトリエトキシシラン化合物(特開平2-170803号公報)、t−ブチルトリメトキシシラン化合物(特開昭63-11705号公報、特開昭63-92615号公報、特開昭63-258907号公報、特開平3-33106号公報、特開平3-33105号公報、特開平2-70708号公報)、t−ブチル(t−ブトキシ)ジメトキシシラン化合物(特開平3-119004号公報)、イソブチルトリメトキシシラン化合物(特開平3-33106公報)、t−ブチルトリエトキシシラン化合物(特開平2-229807号公報)、ノルボルナントリメトキシシラン化合物(特開昭63-92615号公報)等が報告されている。
【0003】
ところが、例えばジフェニルジメトキシシラン化合物のようにケイ素原子上にベンゼン環を有する化合物は、その化合物の分解により人体に有害なベンゼンが生成し、製品ポリマー中に残存するため衛生上問題となる。
ジイソプロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン及びジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、t−ブチル(t−ブトキシ)ジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン化合物等では、ケイ素上の置換基が脂肪族炭化水素基であるため衛生上の問題はないが、いずれもかさ高い置換基を有しているため合成上に問題点が多く、極めて高価である。
また、ジイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン及びシクロヘキシルエチルジメトキシシラン化合物等は、ヒドロシリレーション反応により目的物を合成することも可能であり安価に製造できるが、生成ポリマーの立体規則性は、必ずしもポリマーに要求される特性を満たすものではなかった。
【0004】
一方、トリアルコキシラン化合物(例えば、フェニルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、ノルボルナントリメトキシシラン等)は触媒活性を著しく失活させることが知られている。そこで、トリメトキシ化合物を用いる場合の触媒活性の低下を防ぐため、ジメトキシシラン化合物等と併用する技術もいくつか提示されているが(特開平2-70708号公報、特開平3-33103号公報、特開平3-33105号公報、特開平3-33106号公報)、いずれも立体規則性の低下を伴い、また、製造プラントにおいてそれぞれのケイ素化合物の貯蔵及びプラントへの供給を行うための複数のタンクが必要となる等の新たな問題を生じている。
また、近年、1−アルキルシクロアルキル基を有するトリアルコキシシラン化合物を用いることにより分子量の小さいポリオレフィンを製造する方法(特開平8-157520号公報、特開平8-59730号公報)も開示されているが、これらトリアル コキシシラン化合物を助触媒成分として用いる塩化マグネシウム担持型触媒では、分子量が小さく(MFR>20(g/10分))、かつ分子量分布の広い(MLMFR/MFR>22)、立体規則性の高いポリオレフィンを得ることは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、担持型チーグラー触媒を用いるポリオレフィンの製造方法において、前記従来技術における問題点を解決し、炭素数3以上のオレフィンの重合に適用した際、分子量が小さく(MFR>20(g/10分))、かつ分子量分布が広い(MLMFR/MFR>22)、立体規則性の高いポリオレフィンを収率良く得ることができるオレフィン重合用触媒及びポリオレフィンの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく担持型チーグラー触媒に用いる助触媒、特に電子供与性化合物からなる外部ドナー成分について鋭意検討を行った結果、チタン、マグネシウム、ハロゲンを必須成分として含有する固体触媒成分(成分(A))及び有機アルミニウム化合物(成分(B))に対して、電子供与性の外部ドナー化合物として、特定のシラン系化合物(成分(C))を使用した触媒の存在下に、オレフィン類を重合させると低分子量で分子量分布が広く、かつ立体規則性の高い実用的に優れたポリオレフィンが収率よく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のオレフィン重合用触媒、及びポリオレフィンの製造方法を提供する。
1)チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体触媒成分(成分(A))、有機アルミニウム化合物(成分(B))、及び一般式(1)
Figure 0003748968
(式中、R1は炭素数2以上の直鎖状、炭素数3以上の分岐状もしくは環状の飽 和脂肪族炭化水素基またはシリル基を表わし、R2は直鎖状、分岐状または環状 の飽和脂肪族炭化水素基を表わす。)で示されるシラン化合物(成分(C))を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒。
2)成分(C)を表わす一般式(1)において、R1が炭素数2〜10の直鎖状 飽和脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の分岐もしくは環状飽和脂肪族炭化水素基またはトリアルキルシリル基であり、R2が炭素数1〜10の直鎖または炭素 数3〜10の分岐状飽和脂肪族炭化水素基である前記1に記載のオレフィン重合用触媒。
3)成分(C)が、
3−メチル−3−(トリメトキシシリル)ペンタン、
3−メチル−3−(tert−ブトキシジメトキシシリル)ペンタン、
4−メチル−4−(トリメトキシシリル)ヘプタン、
2,3,4−トリメチル−3−(トリメトキシシリル)ペンタン、
3,4,5−トリメチル−4−(トリメトキシシリル)へプタン、
1,1−ジシクロペンチル−1−(トリメトキシシリル)エタン、
1,1−ジシクロヘキシル−1−(トリメトキシシリル)エタン、及び
1,1−ビス(トリメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)エタンから選択されるシラン化合物である前記1または2に記載のオレフィン重合用触媒。
4)前記1乃至3のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィン類を重合させて、MFR>20(g/10分)、かつMLMFR/MFR>22であるポリオレフィンを製造することを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
【0007】
本発明による触媒の効果は、特に外部ドナーとして特定の構造を有するケイ素化合物(助触媒)を使用することによってはじめて得られるものであるが、その詳細な理由については不明である。
【0008】
以下、本発明を具体的に説明する。
成分(A):チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体触媒成分
本発明において使用するマグネシウム成分としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウム;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウムの様なアルコキシマグネシウム;ラウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムの様なマグネシウムのカルボン酸塩;ブチルエチルマグネシウムの様なアルキルマグネシウム等を例示することができる。また、これらの化合物の2種類以上の混合物であってもよい。好ましくは、ハロゲン化マグネシウムを使用するもの、もしくは触媒形成時にハロゲン化マグネシウムを形成するものである。さらに好ましくは、上記のハロゲンが塩素であるものである。
【0009】
本発明において使用するチタン成分としては、四塩化チタン、三塩化チタン等のハロゲン化チタン;チタンブトキシド、チタンエトキシド等のチタンアルコキシド;フェノキシチタンクロライドなどのアルコキシチタンハライド等を例示することが出来る。また、これらの化合物の2種以上の混合物であってもよい。
【0010】
本発明において使用されるハロゲン含有成分は、ハロゲンがフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素、好ましくは塩素であり、具体的化合物としては、四塩化チタン、四臭化チタンなどのハロゲン化チタン、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素などのハロゲン化ケイ素、三塩化リン、五塩化リンなどのハロゲン化リンなどが代表的例であるが、調製法によってはハロゲン化炭化水素、ハロゲン分子、ハロゲン化水素酸(例、HCl,HBr,HI等)を用いてもよい。これらは上記チタン化合物やマグネシウム化合物と共通であってもよい。
【0011】
本発明に用いる固体触媒成分(A)を調製するにあたっては、各種電子供与体(内部ドナー)を添加してもよく、また添加することは好ましくもある。電子供与体としては、含酸素化合物及び含窒素化合物等が挙げられる。具体的には、
(1)メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、2−エチル−ヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、クミルアルコール、ジフェニルメタノール、トリフェニルメタノールなどの炭素数1乃至20のアルコール類;
(2)フェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、クミルフェノール、ノニルフェノール、ナフトールなどのアルキル基を有してよい炭素数6乃至25のフェノール類;
(3)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノンなどの炭素数3乃至15のケトン類;
(4)アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2乃至15のアルデヒド類;
【0012】
(5)ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル、n−酪酸メチル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸イソプロピル、吉草酸エチル、吉草酸ブチル、ステアリン酸エチル、クロロ酢酸メチル、ジクロロ酢酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酪酸メチル、フェニル酪酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸セロソルブ、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジネオペンチル、γ−ブチロラクトン、γ−パレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸ジエチル、オルトぎ酸メチル、オルトぎ酸エチル、などの炭素数2乃至20の有機酸エステル類;
【0013】
(6)メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸フェニル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸フェニル、n−プロポキシ酢酸エチル、i−プロポキシ酢酸エチル、n−ブトキシ酢酸メチル、i−ブトキシ酢酸エチル、n−ヘキシルオキシ酢酸エチル、sec−ヘキシルオキシ酢酸オクチル、2−メチルシクロヘキシルオキシ酢酸メチル,3−メトキシプロピオン酸メチル,3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸n−オクチル、3−エトキシプロピオン酸ドデシル、3−エトキシプロピオン酸ペンタメチルフェニル、3−(i−プロポキシ)プロピオン酸エチル、3−(i−プロポキシ)プロピオン酸ブチル、3−(n−プロポキシ)プロピオン酸アリル、3−(n−ブトキシ)プロピオン酸シクロヘキシル、3−ネオペンチルオキシプロピオン酸エチル、3−(n−オクチルオキシ)プロピオン酸ブチル、3−(2,6−ジメチルデシルオキシ)プロピオン酸オクチル、4−エトキシ酢酸エチル、4−エトキシ酪酸シクロヘキシル、5−(n−プロポキシ)吉草酸オクチル、12−エトキシラウリン酸エチル、3−(1−インデノキシ)プロピオン酸エチル、3−メトキシアクリル酸メチル、2−エトキシアクリル酸メチル、3−フェノキシアクリル酸エチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−(i−プロポキシ)酪酸n−ブチル、2−エトキシイソ酪酸メチル、2−シクロヘキシルオキシイソ吉草酸フェニル、2−エトキシ−2−フェニル酢酸ブチル、3−ネオペンチルオキシ酪酸アリル、3−エトキシ−3−(o−メチルフェニル)プロピオン酸メチル、3−エトキシ−2−(o−メチルフェニル)プロピオン酸エチル、4−エトキシ−2−メチル−1−ナフチルノナン酸エチル、2−メトキシシクロペンタンカルボン酸エチルエステル、2−エトキシシクロヘキサンカルボン酸ブチルエステル、3−(エトキシメチル)テトラリン−2−酢酸イソプロピルエステル、8−ブトキシ−デカリン−1−カルボン酸エチルエステル、3−エトキシノルボルナン−2−カルボン酸メチルエステル、2−(フェノキシ)酢酸メチル、3−(p−クレゾキシ)プロピオン酸エチル、4−(2−ナフトキシ)酪酸メチル、5−カルバロキシ吉草酸ブチル、2−フェノキシプロピオン酸メチル、3−(4−メチルフェノキシ)−2−フェニルプロピオン酸エチル、2−フェノキシシクロヘキサンカルボン酸エチルエステル、チオフェン−3−オキシ酢酸エチル、2−(2−ピコリノキシメチル)−シクロヘキサンカルボン酸エチル、3−フルフリルオキシプロピオン酸エチル等のアルコキシエステル類;
【0014】
(7)アセチル酢酸メチル、アセチル酢酸エチル、アセチル酢酸ブチル、プロピオニル酢酸メチル、アセチル酢酸フェニル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸フェニル、プロピオニル酢酸ブチル、ブチリル酢酸エチル、i−ブタノイル酢酸エチル、ペンタノイル酢酸エチル、3−アセチルプロピオン酸メチル、3−アセチルプロピオン酸エチル、3−アセチルプロピオン酸ブチル、3−プロピオニルプロピオン酸エチル、3−プロピオニルプロピオン酸ブチル、3−プロピオニルプロピオン酸n−オクチル、3−プロピオニルプロピオン酸ドデシル、3−プロピオニルプロピオン酸ペンタメチルフェニル、3−(i−プロピオニル)プロピオン酸エチル、3−(i−プロピオニル)プロピオン酸ブチル、3−(i−プロピオニル)プロピオン酸アリル、3−(i−プロピオニル)プロピオン酸シクロヘキシル、3−ネオペンタノイルプロピオン酸エチル、3−n−ラウリルプロピオン酸ブチル、3−(2,6−ジメチルヘキサノイル)プロピオン酸メチル、4−プロピオニル酪酸エチル、4−プロピオニル酪酸シクロヘキシル、5−ブチリル吉草酸オクチル、12−ブチリルラウリン酸エチル、3−アセチルアクリル酸メチル、2−アセチルアクリル酸メチル、3−ベンゾイルプロピオン酸エチル、3−ベンゾイルプロピオン酸メチル、3−メチルベンゾイルプロピオン酸エチル、3−トルイル酪酸ブチル、o−ベンゾイル安息香酸エチル、m−ベンゾイル安息香酸エチル、p−ベンゾイル安息香酸エチル、o−トルイル安息香酸ブチル、o−トルイル安息香酸エチル、m−トルイル安息香酸エチル、p−トルイル安息香酸エチル、o−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)安息香酸エチル、m−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)安息香酸エチル、p−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)安息香酸エチル、o−エチルベンゾイル安息香酸エチル、o−アセチル安息香酸エチル、o−プロピオニル安息香酸エチル、o−ラウリル安息香酸エチル、o−シクロヘキサノイル安息香酸エチル、o−ドデシル安息香酸エチル等のケトエステル類;
【0015】
(8)ホウ酸メチル、チタン酸ブチル、リン酸ブチル、亜リン酸ジエチル、ジ(2−フェニルフェニル)ホスホロクロリデイト等の無機酸エステル類;
(9)メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジフェニルエーテル、2,2−ジメトキシプロパンなどの炭素数2乃至25のエーテル類;
(10)酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミド等の炭素数2乃至20の酸アミド類;
(11)アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリド、塩化フタロイル、イソ塩化フタロイルなどの炭素数2乃至20の酸ハライド類;
(12)無水酢酸、無水フタル酸などの炭素数2乃至20の酸無水物類;
(13)モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなどの炭素数1乃至20のアミン類;
(14)アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリニトリルなどの炭素数2乃至20のニトリル類;
(15)エチルチオアルコール、ブチルチオアルコール、フェニルチオールなどの炭素数2乃至20のチオール類;
(16)ジエチルチオエーテル、ジフェニルチオエーテルなどの炭素数4乃至25のチオエーテル類;
【0016】
(17)硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどの炭素数2乃至20の硫酸エステル類;
(18)フェニルメチルスルホン、ジフェニルスルホンなどの炭素数2乃至20のスルホン酸類;
(19)フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、トリメチルシラノール、フェニルジメチルシラノール、トリフェニルシラノール、ジフェニルシランジオール、ケイ酸低級アルキル(特にケイ酸エチル)などの炭素数2乃至24のケイ素含有化合物などを挙げることができる。
これらの電子供与性化合物を2種以上用いることができる。これらのうちで好ましいものは有機酸エステル類、アルコキシエステル類、ケトエステル類等である。
【0017】
本発明の触媒の調製法は特に限定されるものではないが、例えば以下のような方法をあげることができる。
(a)ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化チタン、上記電子供与性化合物を共粉砕により、もしくは溶媒中での分散または溶解により接触させて触媒成分を得る方法。
(b)ハロゲン化マグネシウムと有機または無機化合物(上記電子供与性化合物を含んでもよい)との複合体を作り、これにハロゲン化チタンまたはそれと上記電子供与性化合物の複合体を接触させて触媒成分を得る方法。
(c)ハロゲン化マグネシウムと有機または無機化合物(上記電子供与性化合物を含んでもよい)との複合体を作り、これに上記電子供与性化合物とチタン化合物を逐次的に接触(順は入れ替わっても可)させて触媒成分を得る方法。
(d)マグネシウム化合物(またはさらにチタン化合物を含む)に上記電子供与性化合物を接触させ、同時にもしくはその後段でチタン化合物との接触及びまたはハロゲン化処理を行って触媒成分を得る方法(いずれかの段階でチタン化合物の使用を含んでいること)。
上記の触媒成分は、一般に触媒担体として用いられる物質、例えばシリカやアルミナ上に担持または含浸させる方法で製造してもよい。
【0018】
成分(A)における各成分の量的関係は、本発明の効果が認められる限り任意であるが、一般的には次の範囲が好ましい。
成分(A)におけるマグネシウムの含量は、チタンに対する原子比で 0.1〜1000の範囲内、好ましくは2〜200の範囲内でよく、ハロゲンの含量はチタンに対する原子比で1〜100の範囲内でよく、電子供与性化合物を使用する場合にその含量はチタンに対する原子比で10以下の範囲内、好ましくは 0.1〜5の範囲内でよい。
本発明において用いられる固体触媒成分の平均粒径は本発明の効果が認められる限り任意であるが、一般的には 0.1〜200ミクロンの範囲内、好ましくは1〜100ミクロン、より好ましくは10〜100ミクロンである。
【0019】
本発明における有機アルミニウム化合物の代表的なものは下記一般式(2)式乃至(4)で表わされる。
AlR345 (2)
67Al−O−AlR89 (3)
Figure 0003748968
【0020】
一般式(2)、(3)及び(4)において、R3、R4及びR5は同一でも異種 でもよく、炭素数が多くとも12個の炭化水素基であり、R6、R7、R8及びR9は同一でも異種でもよく、炭素数が多くとも12個の炭化水素基である。
またR10は、炭素数が多くとも12個の炭化水素基であり、nは1以上の整数である。
【0021】
一般式(2)で示される有機アルミニウム化合物の代表的なものとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム及びトリオクチルアルミニウムのごときトリアルキルアルミニウム;さらにジエチルアルミニウムハイドライド及びジイソブチルアルミニウムハイドライドのごときアルキルアルミニウムハイドライドならびにジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド及びエチルアルミニムセスキクロライド及びエチルアルミニムセスキクロライドなどのアルキルアルミニムハライドが挙げられる。
【0022】
また、一般式(3)で示される有機アルミニウム化合物のうち、代表的なものとしては、テトラエチルジアルモキサン及びテトラブチルジアルモキサンのごときアルキルジアルモキサン類が挙げられる。
また、一般式(4)は、アルミニウム化合物の重合体であるアルミノオキサンを表わす。R10はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジルなどを含むが、好ましくはメチル、エチル基である。nは1〜10が好ましい。
これらの有機アルミニウム化合物のうち、特に好ましい結果を与えるトリアルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハイドライド及びアルキルアルモキサン類が好適である。
【0023】
オレフィンの重合において、重合系内における有機アルミニウムの使用量は、一般に10-4ミリモル/リットル以上であり、10-2ミリモル/リットル以上が好適である。
また、固体触媒成分中のチタン原子に対する使用割合は、モル比で一般には0.5 以上であり、好ましくは2以上、とりわけ10以上が好適である。なお、有機アルミニウムの使用量が少な過ぎる場合には、重合活性の大幅な低下を招く。なお、重合系内における有機アルミニウムの使用量が20ミリモル/リットル以上で、かつチタン原子に対する割合が、モル比で1000以上の場合、更にこれらの値を高くしても触媒性能の向上は見られない。
【0024】
本発明に用いられる触媒の成分(C)は、下記一般式(1)で表わされる構造を有するケイ素化合物である。
Figure 0003748968
【0025】
式中、R1は炭素数2以上の直鎖状、炭素数3以上の分岐状もしくは環状の飽 和脂肪族炭化水素基またはシリル基であり、R2は直鎖状、分岐状または環状の 飽和脂肪族炭化水素基である。好ましくは、R1が炭素数2〜10の直鎖状飽和 脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の分岐もしくは環状飽和脂肪族炭化水素基またはトリアルキルシリル基であり、R2が炭素数1〜10の直鎖または炭素数3 〜10の分岐状飽和脂肪族炭化水素基である。より好ましくは、R1が炭素数2 〜5の直鎖状飽和脂肪族炭化水素基、炭素数3〜6の分岐または環状飽和脂肪族炭化水素基あるいはトリメチルシリル基であり、R2が炭素数1〜4の直鎖また は炭素数3〜4の分岐状飽和脂肪族炭化水素基である。
【0026】
このような化合物の具体例として下記に示されるものが挙げられる。
3−メチル−3−(トリメトキシシリル)ペンタン、
3−メチル−3−(エトキシジメトキシシリル)ペンタン、
3−メチル−3−(イソプロポキシジメトキシシリル)ペンタン、
3−メチル−3−(ブトキシジメトキシシリル)ペンタン、
3−メチル−3−(tert−ブトキシジメトキシシリル)ペンタン、
4−メチル−4−(トリメトキシシリル)ヘプタン、
4−メチル−4−(エトキシジメトキシシリル)ヘプタン、
4−メチル−4−(イソプロポキシジメトキシシリル)ヘプタン、
4−メチル−4−(ブトキシジメトキシシリル)ヘプタン、
4−メチル−4−(tert−ブトキシジメトキシシリル)ヘプタン、
5−メチル−5−(トリメトキシシリル)ノナン、
5−メチル−5−(エトキシジメトキシシリル)ノナン、
5−メチル−5−(イソプロポキシジメトキシシリル)ノナン、
5−メチル−5−(ブトキシジメトキシシリル)ノナン、
5−メチル−5−(tert−ブトキシジメトキシシリル)ノナン、
2,3,4−トリメチル−3−(トリメトキシシリル)ペンタン、
2,3,4−トリメチル−3−(エトキシジメトキシシリル)ペンタン
2,3,4−トリメチル−3−(イソプロポキシジメトキシシリル)ペンタン、
2,3,4−トリメチル−3−(ブトキシジメトキシシリル)ペンタン
2,3,4−トリメチル−3−(tert−ブトキシジメトキシシリル)ペンタン、
3,4,5−トリメチル−4−(トリメトキシシリル)へプタン、
3,4,5−トリメチル−4−(エトキシジメトキシシリル)へプタン、
3,4,5−トリメチル−4−(イソプロポキシジメトキシシリル)へプタン、
3,4,5−トリメチル−4−(ブトキシジメトキシシリル)へプタン、
3,4,5−トリメチル−4−(tert−ブトキシジメトキシシリル)へプタン、
【0027】
1,1−ジシクロペンチル−1−(トリメトキシシリル)エタン、
1,1−ジシクロペンチル−1−(エトキシジメトキシシリル)エタン、
1,1−ジシクロペンチル−1−(イソプロポキシジメトキシシリル)エタン、
1,1−ジシクロペンチル−1−(ブトキシジメトキシシリル)エタン、
1,1−ジシクロペンチル−1−(tert−ブトキシジメトキシシリル)エタン、
1,1−ジシクロヘキシル−1−(トリメトキシシリル)エタン、
1,1−ジシクロヘキシル−1−(エトキシジメトキシシリル)エタン、
1,1−ジシクロヘキシル−1−(イソプロポキシジメトキシシリル)エタン、
1,1−ジシクロヘキシル−1−(ブトキシジメトキシシリル)エタン、
1,1−ジシクロヘキシル−1−(tert−ブトキシジメトキシシリル)エタン、
1,1−ビス(トリメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)エタン、
1,1−ビス(トリメチルシリル)−1−(エトキシジメトキシシリル)エタン、
1,1−ビス(トリメチルシリル)−1−(イソプロポキシジメトキシシリル)エタン、
1,1−ビス(トリメチルシリル)−1−(ブトキシジメトキシシリル)エタン、
1,1−ビス(トリメチルシリル)−1−(tert−ブトキシジメトキシシリル)エタン。
【0028】
上記一般式(1)で示されるトリアルコキシシラン化合物のうち、R1が炭素 数が2〜10の直鎖状飽和脂肪族炭化水素基、または炭素数が3〜10の分岐状もしくは環状の飽和脂肪族炭化水素基を表わし、R2がメチル基を表わすトリメ トキシシラン化合物は新規化合物であるが、この新規化合物についても他の公知のトリアルコキシシラン化合物と同様の方法により製造することができる。
【0029】
すなわち、例えば、一般式(5)
Figure 0003748968
(式中、Xはハロゲン原子を表わし、R1は前記と同じ意味を表わす。)で示さ れるグリニャール試薬とジクロロシランとを反応させ、一般式(6)
Figure 0003748968
で示されるアルキルシラン化合物とし、次いで、一般式(6)の化合物を脱ハロゲン化水素酸の存在下で、メタノールと反応させて一般式(7)
Figure 0003748968
で示される化合物とし、さらに、一般式(7)の化合物を脱水素触媒の存在下、メタノールと反応させて、一般式(1)でR2がメチル基を表わすトリメトキシ シラン化合物を得ることができる。
【0030】
成分(C)の使用量は、成分(B)に対するモル比(成分(C)/成分(B))で 0.001〜5、好ましくは0.01〜1である。
【0031】
オレフィン重合に使用されるオレフィンは、一般には炭素数が多くとも12個のオレフィンである。その代表例としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などがあげられるが、これらの混合物、及びエチレンと3個以上の炭素原子を含有するα−オレフィンとの混合物における立体特異性重合に有利である。さらに好ましくは、プロピレンまたは最高約20モル%のエチレンまたは高級α−オレフィンとプロピレンとの混合物の立体特異性重合に有効であるが、プロピレン単独重合に特に有効である。
【0032】
重合方法及び条件:
本発明による触媒を用いる重合方法を実施するに当たっては、固体触媒成分(成分(A))、有機アルミニウム化合物(成分(B))あるいはこれらとケイ素化合物(成分(C))を重合容器に個別に導入してもよいが、それらのうちの二種類または全部を事前に混合してもよく、後述する不活性溶媒、有機アルミニウム化合物及びケイ素化合物を加え混合し一定時間以上(約1分以上)経過後、この混合物を固体触媒成分と接触させ、さらに一定時間以上(約1分以上)反応させた後、重合反応容器内へ添加することが好ましい。
【0033】
この際使用する不活性溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサンのようなアルカン及びシクロアルカン;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、エチルトルエン、n−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン及びモノまたはジアルキルナフタレンのようなアルキル芳香族炭化水素;クロロベンゼン、クロロナフタレン、オルトジクロロベンゼン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレンのようなハロゲン化及び水素化芳香族炭化水素;高分子量液状パラフィンまたはそれらの混合物を用いることが出来る。
【0034】
本発明によるオレフィンの重合は、大気圧または大気圧以上のモノマー圧力で行われる。気相重合ではモノマー圧力は重合させるオレフィンの重合温度における蒸気圧を下回ってはいけないが、一般にはモノマー圧力は約20ないし600PSIの範囲にある。
重合は不活性溶媒中、液体モノマー(オレフィン)中あるいは気相のいずれでも行うことができる。また、重合は回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに、重合は反応条件を変えて2段以上に分けて行うこともできる。
【0035】
実用可能の溶融流れを有する重合体を得るために、分子量調節剤(一般には、水素)を共存させてもよい。
重合時間は、回分法の場合には、一般に30分ないし数時間であり、連続法の場合には相当する平均滞留時間である。オートクレーブ型反応では約1時間ないし6時間にわたる重合時間が典型的である。
【0036】
スラリー法では、重合時間は30分ないし数時間にわたる重合時間が好ましい。スラリー重合で用いるのに適当な希釈溶媒には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサンのようなアルカン及びシクロアルカン;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、エチルトルエン、n−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン及びモノまたはジアルキルナフタレンのようなアルキル芳香族炭化水素;クロロベンゼン、クロロナフタレン、オルトジクロロベンゼン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレンのようなハロゲン化及び水素化芳香族炭化水素;高分子量液状パラフィンまたはそれらの混合物、及び他の周知の希釈溶媒がある。
【0037】
本発明が有用である気相重合法は、撹拌層反応器、流動層反応器システム等を用いることが出来る。典型的な気相オレフィン重合反応器システムは、オレフィンモノマー及び触媒成分を加えることができ、撹拌装置を備えた反応容器よりなり、触媒成分は1つ以上の弁調節口から一緒にまたは別々に反応容器に加えられる。オレフィンモノマーは、典型的には、排ガスとして除かれる未反応モノマー及びフレシュな供給モノマーが混合されて反応容器に圧入されるリサイクルガスシステムを通じて反応器に供給される。
【0038】
一般には必要としないが、重合の完了時における重合の停止あるいは触媒の不活性化は、触媒毒として既知である水、アルコール、アセトンまたは他の適当な触媒不活性化剤と接触させて行うことができる。
重合温度は、一般には−10℃ないし180℃であるが、良好な触媒性能及び高生産速度を得る見地からは20℃ないし100℃が好適であり、50℃ないし80℃の範囲がより好適である。
【0039】
予備重合は必ずしも必要とはしないが、行うことが好ましい。予備重合では、通常前記固体触媒成分(A)を前記有機アルミニウム化合物成分(B)の少なくとも一部と組み合わせて用いる。この時、ケイ素化合物あるいはアセタール化合物を共存させておくことができる。このようなケイ素化合物は前記触媒成分(C)として用いられた化合物に限定されるものではない。予備重合における固体触媒成分(A)の濃度は後述する不活性炭化水素溶媒1リットル当り、チタン原子換算で、通常0.01ないし200ミリモルの範囲とすることが望ましい。
【0040】
有機アルミニウム化合物成分(B)の量は、固体チタン触媒成分(A)1g当り 0.1ないし500gの重合体が生成するような量であればよく、好ましくは 0.1ないし300gの重合体が生成するような量である。予備重合は、不活性炭化水素溶媒にオレフィン及び上記の触媒成分を加え、温和な条件下に行うことが好ましい。
【0041】
この際用いられる不活性炭化水素溶媒としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ケロシンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの混合物等を挙げることができる。これらの不活性炭化水素溶媒のうちでは、特に脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。予備重合で使用されるオレフィンは、後述する本重合で使用されるオレフィンと同一であっても、また異なってもよい。予備重合の反応温度は、生成する予備重合体が実質的に不活性炭化水素溶媒中に溶解しないような温度であればよく、通常約−10℃ないし100℃、好ましくは約−10℃ないし80℃である。なお、予備重合においては、水素の様な分子量調節剤を用いることもできる。予備重合は回分式あるいは連続式で行うことが出来る。
そのほか、重合の制御法、後処理方法などについては、本触媒系固有の制限はなく、公知のすべての方法を適用することができる。
【0042】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を説明するが、以下の記載により本発明が制限されるものではない。
実施例及び比較例において、ポリマーの室温でのキシレン可溶分(%)(XSRT(%))、重合活性、メルトフローレート(MFR)、及び荷重が10kgにおけるMLMFRは以下の方法により測定した。
【0043】
ポリマーの室温でのキシレン可溶分(%)(XSRT(%)):
135℃でキシレン200mlにポリマー2gを溶解した後、溶液を室温まで冷却することにより析出するポリマーを減圧ろ過し、ろ液をロータリーエバポレーターを用いることにより溶媒を留去し、さらにこれを乾燥して得られる残査を測定し、次の式によりXSRT(%)を計算した。
Figure 0003748968
【0044】
重合活性:次式により計算した。
Figure 0003748968
【0045】
MFR(荷重2.16kgにおけるメルトフローレート)及びMLMFR(荷重が10kgにおけるメルトフローレート):JIS K-7210-1995 にしたがって測定した。
MLMFRをMFRで除した値(MLMFR/MFR)はその値が大きいほど、ポリオレフィンの分子量分布が広いことを示す。
また、各実施例及び比較例において、固体触媒成分の製造及び重合に使用した各化合物(有機溶媒、オレフィン、水素、チタン化合物、マグネシウム化合物、ケイ素化合物など)はすべて実質的に水分を除去したものを使用し、固体触媒成分の製造及び重合は、実質的に水分が存在しない条件で、かつ窒素ガスの雰囲気下で行った。
重合時に用いる有機アルミニウム化合物及びケイ素化合物はそれぞれ1.0 Mヘキサン溶液及び0.1 Mヘキサン溶液を使用した。
【0046】
実施例1
1)固体Ti触媒成分(A)の調整
無水塩化マグネシウム1.71g、デカン9ml及び2−エチルヘキシルアルコール 8.4mlを130℃で2時間加熱反応を行い均一溶液とした後、この溶液中に無水フタル酸0.39gを添加し、130℃にて更に2時間撹拌混合を行い、無水フタル酸を均一に溶解させる。得られた均一溶液を室温に冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタン72ml中に1時間にわたって全量滴下装入する。装入終了後、混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでジ(2−エチルヘキシル)フタレート0.95gを添加し、これより2時間同温度にて撹拌下に保持する。2時間の反応終了後熱ろ過にて固体部を採取し、この固体部を72ml四塩化チタンにて再懸濁させた後、再び110℃で2時間、加熱反応を行う。反応終了後、再び熱ろ過にて固体部を採取し、デカン及びヘキサンにて、洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなる充分洗浄後減圧下で乾燥する。
【0047】
2)重合
1.5リットルのステンレス製オートクレーブに、以上の方法で製造された固体成分を 4.8mg、3−メチル−3−(トリメトキシシリル)ペンタン(成分(C)) 1.6ml(0.1M/lのヘキサン溶液)、トリエチルアルミニウム 1.6ml(1M/lのヘキサン溶液)を入れ、次いで330gのプロピレン及び0.38gの水素を入れた。オートクレーブを昇温し、内温を80℃に保った。1時間後、内容ガスを放出して重合を終結した。その結果を第1表に示す。
【0048】
比較例1〜4
成分(C)の化合物を、ジシクロペンチルジメトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチル(tert−ブトキシ)ジメトキシシランあるいは1−メチルシクロヘキシルトリメトキシシランに変えた以外は実施例1と同様にして触媒の調製及びプロピレンの重合を行った。その結果を第1表に示す。
【0049】
実施例2〜4
水素の使用量あるいは重合温度を第2表の様に示した様に変えた以外は実施例1と同様にして触媒の調製及び重合を行った。その結果を第2表に示す。
【0050】
実施例5〜7
成分(C)の化合物を、3−メチル−3−(tert−ブトキシジメトキシシリル)ペンタン、2,3,4−トリメチル−3−(トリメトキシシリル)ペンタン、あるいは1,1−ジシクロペンチル−1−(トリメトキシシリル)エタンに変えた以外は実施例1と同様にして触媒の調製及び重合を行った。結果を第3表に示す。
【0051】
Figure 0003748968
【0052】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明の方法により、炭素数3以上のオレフィンの重合に適用した際、分子量が小さく(MFR>20(g/10分))、かつ分子量分布が広い(MLMFR/MFR>22)高立体規則性ポリオレフィンを収率良く得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る触媒を調整法を示すフローチャート図である。

Claims (4)

  1. チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体触媒成分(成分(A))、有機アルミニウム化合物(成分(B))、及び一般式(1)
    Figure 0003748968
    (式中、R1はエチル基またはシクロペンチル基を表わし、R2は直鎖状、分岐状または環状の飽和脂肪族炭化水素基を表わす。)で示されるシラン化合物(成分(C))を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒。
  2. チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体触媒成分(成分(A))、有機アルミニウム化合物(成分(B))、及び
    3−メチル−3−(トリメトキシシリル)ペンタン、
    3−メチル−3−(tert−ブトキシジメトキシシリル)ペンタン、
    4−メチル−4−(トリメトキシシリル)ヘプタン、
    3,4,5−トリメチル−4−(トリメトキシシリル)へプタン、
    1,1−ジシクロペンチル−1−(トリメトキシシリル)エタン、
    1,1−ジシクロヘキシル−1−(トリメトキシシリル)エタン、及び
    1,1−ビス(トリメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)エタン
    から選択されるシラン化合物(成分(C))を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒。
  3. MFR>20(g/10分)、かつMLMFR/MFR>22であるポリプロピレンを製造するための請求項1または2に記載のオレフィン重合用触媒。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、プロピレンを重合させて、MFR>20(g/10分)、かつMLMFR/MFR>22であるポリプロピレンを製造することを特徴とするポリプロピレンの製造方法。
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