JP3739716B2 - 印字ヘッドメンテナンス機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
記録媒体にインク滴を吐出することによって印字記録をおこなうようにしたインクジェット方式の印字装置における印字ヘッド部の清掃及び保護を行うためのメンテナンス機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、一般に、記録媒体に印字を行う印字動作、印字ヘッドの保護及びノズルの乾燥防止の目的で行われるキャッピング動作、印字ヘッドのノズル表面を払拭清掃するワイピング動作の3つの動作モードを有する。図10(a)〜(c)は 、従来の印字ヘッドメンテナンス機構の一例を示し、特開2000−233517号公報には、このような構成のメンテナンス装置の一例が記載されている。
【0003】
図10(a)は、第1及び第2の印字ヘッド3’,4’の底面(図示下部)に配置されたノズル部が、キャップ7’a,7’bで封止されている状態を示す。この時、キャップ7’a,7’bを装備したスライドケース6’は、キャリッジ2’に連動して左端に位置しており、印字装置のベース部に形成された傾斜したカム溝Bに対して摺動自在に係合する摺動突起Cの作用によって、最上位置(上死点)にあり、印字ヘッド3’,4’がキャップ7’a,7’bによって封止されている。
【0004】
図10(b)は、印字ヘッド3’,4’のノズル表面を払拭・清掃するためのワイピング動作中の状態を示す。この時、スライドケース6’は、ロック機構(図示せず)により、摺動突起Cがカム溝Bの中間位置に固定された状態にあり、キャップ7’a,7’bは印字ヘッド3’,4’のノズル面から離間しており、ワイパー8’の上部をキャリッジ2’が通過することによって、そのワイパー8’で印字ヘッド3’,4’のノズル表面が払拭清掃される。
【0005】
図10(c)は、印字中の状態を示す。この時、キャリッジ2’は、図10(b)の位置よりも更に右方向へ移動して印字領域内に入り印字を行うが、この状態では、スライドケース6’はロック状態を解除されて最も右側の位置に停止している。そのスライドケース6’の高さレベルは、印字途中の印字ヘッド3’,4’に対して、ワイパー8’及びキャップ7’a,7’bが干渉しない最下位置(下死点)にあり、通常の印刷動作が実行可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来例では、メンテナンス機構の一連の斜めスライド動作を許容するために、図中長さL2の分だけ、記録装置本体の幅方向に、余分のスペースが必要とされる。つまり、スライドケース6’を上下に移動させるために、カム溝Bに遊嵌された摺動突起Cを、キャリッジ2’の移動方向と同方向に摺動動作させるために、図中L2に相当する移動スペースを必要としていた。そのために、装置の幅方向に余分なスペースが必要とされ、装置の幅サイズが大きくなってしまうという問題があった。
【0007】
このような問題に対処するための対策として、例えば、特開2000−203042号公報には、メンテナンス部分を印字領域の内側へ配置した構成が開示されている。この場合、そのメンテナンス部分を駆動させるために、給紙ローラやフィードローラの駆動用として以前から設けられていたモータを活用している。しかし、このような構成では、駆動力伝達機構が複雑化して部品点数も増え、駆動系の構成が複雑になり、その制御も複雑化してコスト高となる。
【0008】
また、例えば、USP5,455,609号公報には、モータの出力軸に取り付けたウォームギヤにホイールギヤを噛み合わせると共に、そのホイールギヤにラックを噛み合わせた駆動力伝動機構により、メンテナンス部分を上下に移動させるようにした構成が開示されている。しかし、この場合にも、駆動系の構成が複雑になる難点がある。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、印字ヘッドのメンテナンス機構を上下動させるために幅方向の余分なスペースが不要でコンパクト化が可能な構成簡易な印字ヘッドメンテナンス機構を安価に提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。
【0011】
(1)印字ヘッドを担持したキャリッジによって印字記録を行うようにしたインクジェット記録装置において、
前記印字ヘッドに設けたノズルの乾燥を防ぐためのキャップと、
前記キャップを保持して前記印字ヘッドの主走査方向および副走査方向に直交する方向に移動自在なキャップ保持部材と、
前記主走査方向において所定の間隔を挟んだ2箇所の所定位置で前記主走査方向に平行なカム軸回りに回転駆動される2個の第1カムと、
前記キャップ保持部材の底面における前記副走査方向の中心部分を前記第1カムに付勢当接させる付勢手段として、前記カム軸からの距離が互いに等しい前記キャップ保持部材の前面側及び背面側の各1箇所であって一方の箇所が前記主走査方向について前記2個の第1カムの一方に近接するとともに他方の箇所が前記主走査方向について前記2個の第1カムの他方に近接し、かつ、両方の箇所が前記主走査方向について前記所定の間隔内に位置する2箇所のそれぞれに配置した一対の引っ張りスプリングと、
前記印字ヘッドに設けたノズル表面を拭き取って清掃するためのワイパーと、
所定位置で回転駆動される第2カムと、
前記ワイパーを保持して前記印字ヘッドの主走査方向および副走査方向に直交する方向に移動自在なワイパー保持部材と、
前記ワイパー保持部材を前記第2カムに付勢当接させる付勢手段と、を具備し、
前記第1カムと、第2カムと、を単一のカム軸に取り付け、
前記カム軸を1回転させる間に、
前記キャップ保持部材とワイパー保持部材と、を、通常の印字動作をおこなえる印字モード位置と、前記印字ヘッドのノズル表面を前記キャップで封止するキャッピングモード位置と、前記ノズルの表面を前記ワイパーで払拭清掃するワイピングモード位置と、に切り替え可能に構成したことを特徴とする。
【0021】
この構成においては、2つのカムを取り付けたカム軸を1回転させることで、3つのモード位置への切り替えが可能となるため、その構成が簡易であり、また、制御も容易となり、安価に提供することができる。
【0023】
また、付勢手段としての一対の引っ張りスプリングを、キャップ保持部材の平面内の一方の対角線上でカム軸を挟む両側の均等位置にそれぞれ配置するので、キャップ保持部材をカムに対してバランスよく付勢させることができ、かつ、その構成が簡易となるため、安価に提供することができる。
【0024】
(2)前記ワイパー保持部材を付勢するための付勢手段として、一対の引っ張りスプリングを用い、該一対の引っ張りスプリングのそれぞれを、前記ワイパー保持部材の前記副走査方向に平行な中心線上で前記カム軸からの距離が互いに等しい前面側及び背面側のそれぞれにおいて前記ワイパー保持部材と前記キャップ保持部材との間に係止して配置したことを特徴とする。
【0025】
この構成においては、付勢手段としての一対の引っ張りスプリングを、ワイパー保持部材の前記カム軸に直交する中心線上で前記カム軸を挟む両側の均等位置にそれぞれ配置するので、ワイパー保持部材をカムに対してバランスよく付勢させることができ、かつ、その構成が簡易となるため、安価に提供することができる。
【0027】
また、キャップ保持部材を第1カムに対して付勢するため一対の引っ張りスプリングと、ワイパー保持部材を第2カムに対して付勢するための一対の引っ張りスプリングと、を、それぞれ前記カム軸を挟む両側の均等位置に配置したので、そのキャップ保持部材と、ワイパー保持部材と、を第1カムと、第2カムと、に対してバランスよく付勢させることができ、かつ、構成が簡易となるため、安価に提供することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態に係る印字ヘッドメンテナンス機構について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
図1〜図6は、印字ヘッドメンテナンス機構の各動作モードにおける状態をそれぞれ示す。これらの図に示すように、メインフレーム1に横架されたキャリッジシャフト5に沿って主走査方向に往復移動するキャリッジ2には、一対の印字ヘッド3,4が設けられている。なお、一方の印字ヘッド3にはカラーカートリッジが搭載され、他方の印字ヘッド4にはモノクロカートリッジが搭載されている。
【0030】
その印字ヘッド3,4に設けられたノズル(図示省略)の乾燥を防ぐためのキャップ7,7が、圧縮コイルスプリング11,11によって常に上方に付勢された状態でキャップ保持部材(キャップホルダー)13,13に取り付けられ、そのキャップ保持部材13,13が、一方のメンテナンスステーションL6に上下動作可能に取り付けられている。
【0031】
そのメンテナンスステーションL6は、メインフレーム1に立設されたガイドボス16とメインフレーム1の一部を折曲して形成したガイドレール23によってガイドされ、上下方向に移動自在となっている。そして、そのメンテナンスステーションL6とメインフレーム1の間に掛張された一対の付勢手段(引っ張りスプリング)12,12によって、そのメンテナンスステーションL6が図示下方に付勢されることにより、上述のキャップ保持部材13,13の下部が、常時、第1カム14a,14cに付勢当接している。
【0032】
また、ノズル表面を拭き取って清掃するための一方のワイパー8が、ワイパー保持部材(ワイパーホルダー)9に固定され、そのワイパー保持部材9が一方のメンテナンスステーションL6に立設されたガイド部材によって上下動作可能に案内保持され、かつ、そのワイパー保持部材9とメンテナンスステーションL6との間に掛張された一対の付勢手段(引っ張りスプリング)10,10によって、ワイパー保持部材9が、図示下方に付勢されることにより、その下部が、常時、第2カム14bに付勢当接している。
【0033】
そして、他方のワイパー8が、ワイパー保持部材(ワイパーホルダー)9に固定され、そのワイパー保持部材9が、メインフレーム1の図示右側に固定状態に形成された他方のメンテナンスステーションR21に立設されたガイド部材によってに上下動作可能に案内保持され、かつ、そのワイパー保持部材9とメンテナンスステーションR21との間に掛張された一対の付勢手段(引っ張りスプリング)10,10によって、そのワイパー保持部材9の下部が、常時、第2カム14dに付勢当接している。
【0034】
上述の第1カム14a,14cと、第2カム14b,14dと、は単一のカムシャフト(カム軸)14に固定状態に取り付けられ、そのカムシャフト14と伝動連結された図示省略のモータ(メンテナンス機構駆動専用モータ)が回転駆動することにより、キャップ保持部材13,13と、ワイパー保持部材9,9と、がそれぞれキャリッジ2の主走査方向および副走査方向に直交する方向、つまり、メインフレーム1を水平状態に載置した時には、垂直方向に変位し、通常の印字動作をおこなえる印字モード位置(図1,図2参照)と、ノズルの表面を払拭清掃するワイピングモード位置(図3,図4参照)と、ノズル表面を封止するキャッピングモード位置(図5,図6参照)と、の3つのモード位置に切り替え可能に構成されている。
【0035】
上述のメンテナンスステーションL6を下方に付勢するための一対の付勢手段12,12は、カムシャフト14の軸心(またはキャップ保持部材13,13のカム当接部位)を挟む対称位置(均等位置)に配設されているので、キャップ保持部材13,13が、第1カム14a,14cに対してバランスよく付勢される。また、一方のワイパー保持部材9も、同様に、カムシャフト14の軸心(またはワイパー保持部材9のカム当接部位)を挟む対称位置(均等位置)に配設した一対の付勢手段10,10によって第2カム14bに対して付勢されるので、その付勢状態が安定する。他方のワイパー保持部材9も、同様に、カムシャフト14の軸心(またはワイパー保持部材9のカム当接部位)を挟む対称位置(均等位置)に配設した一対の弾発部材10,10によって第2カム14dに対して付勢されるので、その付勢状態が安定する。このような簡易な構成により、キャップ保持部材13とワイパー保持部材9を確実に上下動させることができ、装置を安価に製作することができる。
【0036】
一方、カムシャフト14は、メンテナンスステーションL6及びメンテナンスステーションR21の真下の位置に配置され、カムギヤ15及び図示されないギヤを介して図示省略のモータによって回転駆動される。そのカムシャフト14の初期位置検知は、カムギヤ15に対応する位置に設けた位置検出スイッチ22によって行われ、送りステップ数をカウントして上記モータを制御することにより、上述の3つのモード位置、つまり、印字モード位置と、キャッピングモード位置と、ワイピングモード位置と、への切り替えが可能となる。
【0037】
参考までに、本実施形態における各モード位置でのカムシャフト14の好ましい回転角度を以下に示す。
通常(印字)状態→ワイパー状態:97.1°
ワイパー状態→キャップ状態:112.2°
キャップ状態→通常(印字)状態:150.7°
このような回転角度を設定することにより、カムシャフト14を1回転させることで、上記3通りのモード切替えが可能となり、その制御も容易となる。
【0038】
以上のように構成される印字ヘッドメンテナンス機構により、通常の印字モードから廃インクのパージングを含むワイピングモードを経てキャッピングモードに至る一連の工程について、以下に説明する。
【0039】
図示されていない制御システムによって、印字信号が入力されると、まず、図示省略のモータを回転駆動させることにより、図1および図2に示すように、キャップ7,7およびワイパー8を下降させて印字ヘッド3,4と緩衝しない位置に移動させて印字可能な状態とする(印字モード位置)。次いで、メインフレーム1の後方から給紙された用紙に対して、キャリッジ2を、キャリッジシャフト5に沿って主走査方向に往復動作させつつ、印字信号に基いてインクを吐出して記録動作を行い、図示されていない搬送ローラーによって精度よく間欠的に副走査方向に用紙を送り移動させつつ印字が継続される。
【0040】
そして、印字途中において、印字品位を保つために、一定周期で、ノズル面の拭き取り清掃作業と、ノズル口に付着した廃インクを除去するためのインク吐出によるパージングクリーニングを行う。ノズル面の拭き取りは、図3,図4に示すように、メンテナンスステーションR21及びメンテナンスステーションL6のワイパー8が上昇して、印字ヘッド3,4と当接することで行われる(ワイピングモード位置)。ワイパー動作終了後には、常に、ワイパー8を下降させて印字ヘッド3,4から待避させる。又、インク吐出のクリーニングパージングはメンテナンスステーションR21の廃インク収納部分に向けて行われる。
【0041】
印字終了後は、図示されていない排出ローラーによって、用紙が、例えば、図1では手前側へ排出された後、キャリッジ2は図示左側の待機位置へ移動して、モータを回転させてカムシャフト14を駆動することによって、キャップ7,7を上昇させて、図5,図6に示すように、印字ヘッド3,4を密封する(キャッピングモード位置)。これにより、インクノズルの乾燥防止のためのキャッピング処理がおこなわれる。
【0042】
このような一連の工程にて、図1および図2の印字実行中の状態では、キャップ7,7およびワイパー8の双方が、往復動作する印字ヘッド3,4に干渉することのない下死点へ待避しており、この時点では、カム位置を検出する(接触式の)位置検出スイッチ22は、カムギヤ15と接触してONとなっている。
【0043】
図3および図4のワイピング実施中の状態では、カムシャフト14が回転してカム(第2カム)14b,14dを作動位置に回動させて、両ワイパー8,8の上端と、印字ヘッド3、4のノズル面とが直交方向に重なり合ってオーバーラップする位置状態となり、この時点では、位置検出スイッチ22は、カムギヤ15と接触してONとなっている。
【0044】
この状態における両ワイパー8,8の動作については、例えば、図8のフローチャートに示す様に、キャリッジ2の往復動作と、両ワイパー8,8の上下動作を組み合わせて行うようにする。すなわち、ワイパー8を上昇させた後には、キャリッジ2を移動させてワイピングをおこない、その後、直ちにワイパー8を下降させ、キャリッジ2を移動させるように、交互に動作を組み合わせてワイピングをおこなうようにする。
【0045】
図5および図6のキャッピング実施中の状態では、印字終了又は初期化動作完了後、キャリッジ2が左側の待機位置に停止し、カムシャフト14が回転してカム(第1カム)14a,14cを作動位置に回動させて、メンテナンスステーションL6と共にキャップ7が上昇して、印字ヘッド3、4のノズル面を密封し、この時点では、位置検出スイッチ22は、カムギヤ15と接触せずOFFとなっている。
【0046】
このキャッピング動作については、例えば、図9のフローチャートに示す様に、キャリッジ2を待機位置から移動させる前に、キャップ7を下降させてキャリッジ2を移動可能な状態とする一方、キャリッジ2を印字領域から待機位置へ復帰させた後に、キャップ7を上昇させてキャッピング動作を行うようにすればよい。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、以下の効果を奏する。
【0050】
(1)第1カムおよび第2カムを回転させることにより、キャップ保持部材と、ワイパー保持部材と、をそれぞれ主走査方向および副走査方向に直交する方向、つまり、インクジェット記録装置を水平に配置した場合には、垂直方向に変位させ、通常の印字動作をおこなえる印字モード位置と、前記印字ヘッドのノズル表面を封止するキャッピングモード位置と、前記ノズルの表面を払拭清掃するワイピングモード位置と、に切り替え可能にするので、そのキャップ保持部材とワイパー保持部材の上下動作が許容されるスペースを確保すればよく、幅方向のスペースを必要とせず、従って、印字ヘッドメンテナンス機構を設けるために、インクジェット記録装置に幅方向の余分なスペースを要さず、コンパクト化を実現することができる。また、単一のカム軸の回転動作によって、2つのカムを回転させ、3つのモード位置への切り替えが可能となるためメンテナンスに万全を期すことができる。しかも、その構成が簡易であり、また、制御も容易となるため、安価に提供することができる。
【0051】
また、2つのカムを取り付けたカム軸を1回転させることで、3つのモード位置への切り替えが可能となるので、その構成が簡易となり、また、制御も容易となり、安価に提供することができる。
【0053】
(2)付勢手段としての一対の引っ張りスプリングを、ワイパー保持部材の一方の中心線上で前記カム軸を挟む両側の均等位置にそれぞれ配置するので、ワイパー保持部材をカムに対してバランスよく付勢させることができ、かつ、その構成が簡易となるため、安価に提供することができる。
【0054】
また、キャップ保持部材の付勢手段としての一対の引っ張りスプリングをキャップ保持部材の一方の対角線上で前記カム軸を挟む両側の均等位置に配置し、ワイパー保持部材の付勢手段としての一対の引っ張りスプリングをワイパー保持部材の一方の中心線上で前記カム軸を挟む両側の均等位置に配置するので、そのキャップ保持部材と、ワイパー保持部材と、を第1カムと、第2カムと、に対してバランスよく付勢させることができ、かつ、構成が簡易となるため、安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る印字ヘッドメンテナンス機構の通常(印字中)状態の正面から見た構成図である。
【図2】同側面から見た構成図である。
【図3】同ワイピング状態の正面から見た構成図である。
【図4】同側面から見た構成図である。
【図5】同キャッピング状態の正面から見た構成図である。
【図6】同側面から見た構成図である。
【図7】同従来の技術と比較した構成説明図である。
【図8】同ワイピングモードのフローチャートである。
【図9】同キャッピングモードのフローチャートである。
【図10】従来の印字ヘッドメンテナンス機構の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
2−キャリッジ
3−印字ヘッド
4−印字ヘッド
6−メンテナンスステーションL
7−キャップ
8−ワイパー
9−ワイパー保持部材
10−付勢手段
12−付勢手段
13−キャップ保持部材
14−カム軸
14a−(第1)カム
14b−(第2)カム
14c−(第1)カム
14d−(第2)カム
21−メンテナンスステーションR
Claims (2)
- 印字ヘッドを担持したキャリッジによって印字記録を行うようにしたインクジェット記録装置において、
前記印字ヘッドに設けたノズルの乾燥を防ぐためのキャップと、
前記キャップを保持して前記印字ヘッドの主走査方向および副走査方向に直交する方向に移動自在なキャップ保持部材と、
前記主走査方向において所定の間隔を挟んだ2箇所の所定位置で前記主走査方向に平行なカム軸回りに回転駆動される2個の第1カムと、
前記キャップ保持部材の底面における前記副走査方向の中心部分を前記第1カムに付勢当接させる付勢手段として、前記カム軸からの距離が互いに等しい前記キャップ保持部材の前面側及び背面側の各1箇所であって一方の箇所が前記主走査方向について前記2個の第1カムの一方に近接するとともに他方の箇所が前記主走査方向について前記2個の第1カムの他方に近接し、かつ、両方の箇所が前記主走査方向について前記所定の間隔内に位置する2箇所のそれぞれに配置した一対の引っ張りスプリングと、
前記印字ヘッドに設けたノズル表面を拭き取って清掃するためのワイパーと、
所定位置で回転駆動される第2カムと、
前記ワイパーを保持して前記印字ヘッドの主走査方向および副走査方向に直交する方向に移動自在なワイパー保持部材と、
前記ワイパー保持部材を前記第2カムに付勢当接させる付勢手段と、を具備し、
前記第1カムと、第2カムと、を単一のカム軸に取り付け、
前記カム軸を1回転させる間に、
前記キャップ保持部材とワイパー保持部材と、を、通常の印字動作をおこなえる印字モード位置と、前記印字ヘッドのノズル表面を前記キャップで封止するキャッピングモード位置と、前記ノズルの表面を前記ワイパーで払拭清掃するワイピングモード位置と、に切り替え可能に構成したことを特徴とする印字ヘッドメンテナンス機構。 - 前記ワイパー保持部材を付勢するための付勢手段として、一対の引っ張りスプリングを用い、該一対の引っ張りスプリングのそれぞれを、前記ワイパー保持部材の前記副走査方向に平行な中心線上で前記カム軸からの距離が互いに等しい前面側及び背面側のそれぞれにおいて前記ワイパー保持部材と前記キャップ保持部材との間に係止して配置したことを特徴とする請求項1に記載の印字ヘッドメンテナンス機構。
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