JP3735175B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板およびPDP(プラズマディスプレイパネル)用ガラス基板のような各種被処理基板に対して処理を施すための基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程では、半導体ウエハに複数の工程からなる一連の処理が施される。そのために、半導体ウエハに対する処理を自動化した基板処理装置においては、複数の処理室が備えられ、予め定められた順序でウエハが各処理室を渡り歩くことによって、このウエハに一連の処理が施されていく。ウエハを複数の処理室に順番に搬入するために、この種の装置においては、ウエハを各処理室に搬出または搬入するための搬送ロボットが備えられている。
【0003】
このような基板処理装置の典型的な先行技術は、たとえば、特許第2519096号公報(平成8年7月31日発行)に開示されている。この特許公報に記載された基板処理装置は、一直線状の搬送路に沿って往復直線走行する搬送ロボットと、搬送路に沿ってその両側に振り分けて配置された複数の処理部と、未処理のウエハをカセットから取り出して搬送ロボットに受け渡し、かつ、処理済みのウエハを搬送ロボットから受け取ってカセットに収容するための搬入/搬出ロボットとを備えている。
【0004】
搬入/搬出ロボットは、搬送路の一端に配置され、この搬送路に平行な方向および直交する方向に沿って走行する。この搬入/搬出ロボットによるアクセスが可能な位置に複数のカセットが配置されており、搬入/搬出ロボットは、副搬送路を往復直線走行することによって、任意のカセットにアクセスできるようになっている。
【0005】
搬送ロボットおよび搬入/搬出ロボットは、それぞれ、ウエハを保持するためのハンドを備えている。このハンドは、鉛直軸まわりの回動および上下方向の昇降が可能なハウジングに対して、水平方向に沿ってスライドすることができるように取り付けられており、これにより、処理室に対して進退できるように構成されている。
【0006】
ウエハの処理に際し、搬入/搬出ロボットは副搬送路を走行して任意のカセットから未処理のウエハを取り出し、搬送路の一端付近の待機位置まで走行する。この待機位置で、搬入/搬出ロボットと搬送ロボットとの間でウエハの受け渡しが行われる。次いで、搬送ロボットは、1つの処理部の前まで搬送路を走行して移動し、その処理部に未処理のウエハを搬入する。この処理部でのウエハの処理が終了すれば、搬送ロボットは、ウエハをその処理部から取り出し、搬送路を走行して、他の処理部まで移動し、当該他の処理部にウエハを搬入する。
【0007】
同様にして複数の処理部に所定の順序でウエハが搬入され、一連の処理が施される。この一連の処理を受けた後のウエハは、搬送ロボットによって、搬送路の一端付近まで搬送され、搬入/搬出ロボットに受け渡される。搬入/搬出ロボットは、搬送路に平行な方向および垂直な方向に、副搬送路を走行して、受け取ったウエハを任意のカセットに収容する。
【0008】
搬送路の搬入/搬出ロボットとは反対側には、必要に応じて、他の処理装置を連設するためのインタフェース部が設けられる。このインタフェース部は、処理装置間でのウエハの受け渡しのためにウエハが一旦載置される載置台を有している。
この先行技術の第1の問題点は、直線状の搬送路が平面視において大きな面積を占めており、このことが装置のフットプリントを大きくしている点である。しかも、搬送路上は、搬送ロボット自身が移動するから、この搬送路上に処理ユニットなどを配置することもできない。
【0009】
また、第2の問題点は、搬送ロボットおよび搬入/搬出ロボットは、それぞれ直線走行するため、この直線走行を案内するためのガイドレール上での摺動が避けられない点である。この摺動により発生するパーティクルは、ウエハの処理品質の低下を招く。同様に、各ロボットのハンドはハウジングに対してスライド移動する構成であるから、ハンドのスライド移動を案内するためのガイドレールにおける摺動に起因するパーティクルの発生の問題も無視できない。しかも、直線摺動機構を低コストで有効にシールする方法はなく、パーティクルの発生に対する対策が極めて困難である。
【0010】
第3の問題点は、インタフェース部を介して別の処理装置を連設しようとすると、ウエハの受け渡しのための載置台を搬送路外に設ける必要があり、装置全体のフットプリントが大きくなる点である。
さらに、第4の問題点は、搬送路の両側が複数の処理に囲まれており、搬送路の一端には搬入/搬出ロボットが配置され、かつ、搬送路の他端にはインタフェース部が配置されてしまうと、作業員は、搬送路に配置された搬送ロボットにアクセスすることができない点である。すなわち、搬送ロボットのメンテナンスが極めて困難である。しかも、搬送路内には、搬送ロボットの直線往復走行を案内するガイドレールが配置されているから、メンテナンスの際、作業員は、ガイドレールに十分な注意を払う必要がある。このこともまた、メンテナンス作業を困難にする一因となっている。
【0011】
特開平8−46010号公報には、ウエハに処理を施すための基板処理装置の他の先行技術が開示されている。こ基板処理装置は、平面視において中央に配置された主搬送ロボットを備えている。この主搬送ロボットは、ウエハを保持するためのハンドと、このハンドを水平方向に沿ってスライド可能に保持する搬送基台と、この搬送基台を鉛直軸に沿って昇降するための昇降機構と、搬送基台を鉛直軸まわりに回動させるための回動機構とを備えている。
【0012】
主搬送路ロボットの昇降移動を許容するために、鉛直方向に沿って延びる主搬送室が設けられている。この主搬送室の周囲に、複数の処理部群が平面視においてクラスター形に配置されており、かつ、各処理部群は上下方向に多段に積層された複数の処理部を備えている。
上記複数の処理部群のうちの1つの処理部群を挟んで上記主搬送ロボットに対向する位置には、カセットステーションが設けられている。カセットステーションには、直線状の搬送路を往復直線走行する搬入/搬出ロボットと、搬送路に沿って複数のカセットを載置することができるカセット載置部とが備えられている。搬入/搬出ロボットは、ウエハを保持するためのハンドと、このハンドを水平方向に沿うスライド移動が可能であるように保持する搬送基台と、この搬送基台を昇降させる昇降機構と、当該搬送基台を鉛直軸まわりに回動させ回動機構とを備えている。
【0013】
一方、主搬送ロボットに対してカセットステーションとは反対側には、他の装置を連設するためのインタフェース部が備えられている。このインタフェース部には、カセットステーションの搬入/搬出ロボットとほぼ同様な構成のロボットが備えられている。
この構成により、搬入/搬出ロボットは、未処理のウエハを任意のカセットから取り出し、主搬送ロボットとの間に配置された処理部群のなかに設けられたウエハ受け渡し部を介して、主搬送ロボットにそのウエハを受け渡す。主搬送ロボットは、受け取ったウエハを1つの処理部に搬入する。この処理部でのウエハの処理が終了すると、主搬送ロボットはそのウエハを取り出して、さらに、別の処理部に搬入する。同様にして、ウエハには複数の処理部における処理が施され、こうして一連の処理が施された後のウエハは、上記ウエハ受け渡し部を介してカセットステーションの搬入/搬出ロボットに受け渡される。この搬入/搬出ロボットは、受け取ったウエハを任意のカセットに収容する。
【0014】
他の基板処理装置におけるさらなる処理が必要な場合には、主搬送ロボットは、インタフェース部との間に配置された1つの処理部群のなかに設けられたウエハ受け渡し部を介して、インタフェース部に当該基板を受け渡す。
この基板処理装置においては、主搬送ロボットに対するメンテナンスを容易にするために、主搬送室の周囲に配置された複数の処理部群のうちの1つがスライド可能に構成されている。すなわち、1つの処理部群をスライド移動させることによって、作業員は、主搬送室内の主搬送ロボットにアクセスすることができる。
【0015】
この先行技術の第1の問題点は、主搬送ロボットが、水平方向に関しては、放射状にしかウエハを搬送することができないので、複数の処理部群も放射状に配置する必要があり、装置のレイアウトが制限され、処理部群を効率的に配置することができないことである。そのため、複数の処理部群を平面視において矩形のハウジング内に配置する際、その四隅に無駄なスペースが生じることになり、このことがフットプリントを大きくする要因となっている。
【0016】
また、第2の問題点は、主搬送ロボットのハンドの進退、カセットステーションおよびインタフェース部のロボットのハンドの進退、ならびにカセットステーションおよびインタフェース部のロボット自体の走行が、水平方向への直線摺動を伴うことである。すなわち、この直線摺動によるパーティクルの発生が避けられず、しかも、直線駆動機構に対するシールが困難であることは上述のとおりである。
【0017】
また、主搬送ロボットの昇降駆動機構は、ハンドに保持されたウエハの上方に、ベルト、ガイドレールおよびロッドレスシリンダなどを有しているので、ウエハにパーティクルが落下するおそれがある。このパーティクルの落下の問題については、ファンによって気流を発生させることで一応の解決が図られてはいるものの、万全であるとは言えないうえ、装置の構成が複雑になりコストがかかる。
【0018】
さらに、第3の問題点は、主搬送ロボットのメンテナンス性を確保するために、1つの処理部群をスライド可能としており、装置の構成が複雑になっていることである。すなわち、処理部群をスライドさせる際には、当該処理部群に接続されている薬液および圧縮空気などの配管類、および給電線や信号線などの配線類を、切り離したり、ケーブルベア等で案内したりする必要がある。しかも、処理部群をスライドさせたとしても、一方向からのメンテナンスができるに過ぎないので、必ずしもメンテナンス作業がやりやすいとは言えない。
【0019】
第4の問題点は、熱処理部を含む処理部群からの熱雰囲気がウエハに悪影響を与える点である。すなわち、熱処理部からの熱雰囲気が主搬送室に流出するから、主搬送ロボットのハンドに保持されているウエハはその熱雰囲気にさらされることになる。また、熱処理部からの熱雰囲気は、主搬送室を介して、薬液処理などを行う他の処理部に入り込むから、薬液処理などを適切な温度管理下で行うことができないおそれがある。
【0020】
さらに、第5の問題点は、カセットステーションおよびインタフェース部のロボットが、比較的長い搬送路に沿って直線往復走行する構成となっているため、平面視において搬送路がしめる面積が大きく、装置のフットプリントが大きくなる点である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、パーティクルの発生を抑え、さらに、その発生に対する対策が容易であり、しかも、装置の省スペース化を容易に実現できる構成の基板処理装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板に一連の処理を施す複数の処理部と、上記複数の処理部に対して基板を搬送する基板搬送機構と、この基板搬送機構が収容された搬送室とを含んだ基板処理装置であって、上記複数の処理部と上記搬送室との境界部の隔壁には、上記基板搬送機構が上記複数の処理部にアクセスするための複数の開口がそれぞれ形成されており、上記基板搬送機構は、当該基板処理装置の底面部に固定された搬送台と、この搬送台に対して、ほぼ鉛直方向に沿う第1回転駆動軸を中心に回転可能に連結された第1回転部材と、この第1回転部材を回転駆動するための第1駆動源と、上記第1回転部材に対して、ほぼ鉛直方向に沿う第2回転駆動軸を中心に回転可能に連結された第2回転部材と、この第2回転部材を回転駆動するための第2駆動源と、上記第2回転部材に対してほぼ鉛直方向に沿う第3回転駆動軸を中心に回転可能に連結された第1アーム部およびこの第1アーム部の先端に鉛直軸まわりの回動が可能であるように取り付けられた第2アーム部を備えたアーム伸縮機構、ならびに上記第2アーム部の先端に鉛直軸まわりの回転が可能であるように取り付けられた基板保持ハンドをそれぞれ有する一対の基板保持手段と、この一対の基板保持手段の上記第1アーム部を回転駆動するための一対の第3駆動源とを備えており、上記複数の処理部は、上記開口の上記搬送室側への対向方向が上記搬送台(より具体的には上記第1回転駆動軸)からずれている処理部を含んでおり、上記基板搬送機構は、上記第1回転駆動軸、第2回転駆動軸および第3回転駆動軸のまわりで、それぞれ上記第1回転部材、第2回転部材および第1アーム部を独立して回転させることができるものであることを特徴とする基板処理装置である(図参照)。
【0023】
上記の構成によれば、基板搬送機構は、直線摺動を伴うことなく、水平方向への基板の搬送を行うことができる。すなわち、回動動作のみで、水平方向への基板搬送を実現している。回動動作においては、回動摺動される距離が、直線摺動の場合に比べて短いので、摺動の際に発生するパーティクルが低減され、そのうえ、回動部におけるシールは、一般に、安価にかつ効果的に行えるから、回動部からのパーティクル発生に対する対策も容易である。
【0024】
また、基板搬送機構は、それ自体が直線走行しなくとも、回転部材や第1アーム部の回転によって、基板を水平方向に搬送できるから、基板搬送機構によって基板が搬送される領域内であっても、基板搬送機構の回転部材や基板保持手段の動作と干渉しない高さであれば、利用可能なスペースとなる。すなわち、このスペースには、たとえば、基板の受け渡しのための受け渡し台、電装品、薬液キャビネット、または別の処理部等が配置できる。これにより、装置内のスペースを有効利用できるので、装置の省スペース化を図ることができる。
【0025】
さらに、基板搬送機構は、第1回転駆動軸、第2回転駆動軸および第3回転駆動軸の3つの軸のまわりで、それぞれ第1回転部材、第2回転部材および第1アーム部を独立して自由に回転させることができるように構成されているので、或る一定範囲内については、基板を任意の位置に任意の角度で搬送することができる。また、その一定範囲の外側の範囲であっても、基板保持手段が届く範囲内であれば、基板の搬送が可能である。したがって、放射状にしか基板を搬送することができない上記の第2の先行技術の主搬送ロボットに比較して、処理部をはるかに自由にレイアウトすることができ、これにより、装置の省スペース化が実現される。
【0026】
また、基板搬送機構自体が水平走行する必要はないので、この基板搬送機構との給電線および信号線などの配線類や、気体や液体を供給するための配管類が基板搬送機構とともに移動する必要がない。そのため、配線や配管等に損傷を与えることがないうえ、これらの摩耗に伴うパーティクルの発生も抑制できる。
さらに、基板搬送機構自体が走行する必要がないので、大がかりな構造物の移動に伴う搬送エリア内の気流の乱れが生じる心配もない。そのため、パーティクルの巻き上げを防止でき、また、クリーンルームにおいて通常適用されているダウンブローが阻害されるおそれもない。
【0027】
請求項2記載の発明は、前記一対の基板保持手段の全体を、前記第3回転駆動軸まわりにそれぞれ回動させるための回動用モータが、前記一対の基板保持手段のそれぞれについて設けられていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置である。
また、請求項記載の発明は、上記第1回転部材または第2回転部材は、互いに回転可能に連結された複数のアーム部を有し、アーム部間の連結部を関節として伸縮するアーム伸縮機構を備えているものであることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置である
この構成によれば、アーム伸縮機構を用いることによって、第1回転部材または第2回転部材を伸縮可能な構成とすることができる。したがって、アーム伸縮機構を収縮させた状態で回転を行えば、回転半径を小さくできる。よって、搬送エリア内において空きスペースを増加させることができるから、さらなる省スペース化が実現できる。
【0028】
また、回転半径を小さくする必要がなければ、アーム伸縮機構を伸長させることにより、より遠くまで基板を搬送することができるので、より多くの処理部に基板を搬送することができる。これにより、多数の処理部で基板処理装置を構成する場合に、少数の基板搬送機構で、各処理部に対する基板の搬送を達成できる。その結果、装置のコストを抑えることができる。さらに、複数の基板搬送機構の間で基板を受け渡しする工程が少なくてすむので、装置の搬送タクトを短縮することができる。
【0029】
請求項記載の発明は、上記第1駆動源は、上記搬送台に取り付けられており、上記第2駆動源は、上記第1回転部材に取り付けられており、上記第3駆動源は、上記基板保持手段に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置である。
請求項5記載の発明は、上記一対の基板保持手段の一方の基板保持ハンドは、上記複数の処理部のうち特定の処理部に基板を搬入する基板搬入用ハンドであり、上記一対の基板保持手段の他方の基板保持ハンドは、その特定の処理部から基板を搬出する基板搬出用ハンドであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置である。
請求項記載の発明は、基板に一連の処理を施す複数の処理部と、上記複数の処理部に対して基板を搬送する基板搬送機構と、この基板搬送機構が収容された搬送室とを含んだ基板処理装置であって、上記複数の処理部と上記搬送室との境界部の隔壁には、上記基板搬送機構が上記複数の処理部にアクセスするための複数の開口がそれぞれ形成されており、上記基板搬送機構は、当該基板処理装置の底面部に固定された搬送台と、互いに回転可能に連結された一組のアーム部を有し、第1の水平方向に沿ってアーム部間の連結部を関節として伸縮可能であるように上記搬送台に取り付けられた第1のアーム伸縮機構と、この第1のアーム伸縮機構を伸縮させるために、この第1のアーム伸縮機構に回転力を与える第1アーム伸縮駆動源と、互いに回転可能に連結された一組のアーム部を有し、上記第1の水平方向と直交する第2の水平方向に沿ってアーム部間の連結部を関節として伸縮可能であるように上記第1のアーム伸縮機構に連結された第2のアーム伸縮機構と、この第2のアーム伸縮機構を伸縮させるために、この第2のアーム伸縮機構に回転力を与える第2アーム伸縮駆動源と、上記第2のアーム伸縮機構に設けられ、基板を保持するための基板保持手段とを備えており、上記複数の処理部は、上記開口の上記搬送室側への対向方向が上記搬送台からずれている処理室を含んでいることを特徴とする基板処理装置である(図9参照)。
【0030】
この構成によれば、第2のアーム伸縮機構の伸縮により、基板保持手段は、第2の水平方向に沿って搬送される。また、第1のアーム伸縮機構の伸縮により、基板保持手段は、第2のアーム伸縮機構とともに、第1の水平方向に沿って搬送される。第1の水平方向と第2の水平方向とは互いに直交しているから、結局、或る一定範囲内については、自由に基板を搬送することができる。
【0031】
しかも、第1のアーム伸縮機構および第2のアーム伸縮機構をともに収縮しておけば、搬送機構自体を配置するスペースは極めて小さくなるから、装置内のスペースに余裕ができ、基板処理装置の省スペース化を図ることができる。
また、水平方向への直線摺動が不要な点および配線や配管の移動が不要な点などは、請求項1の発明の場合と同様であり、したがって、パーティクルの発生や巻き上げなどを効果的に防止でき、高品質な基板処理を達成できる。また、装置のレイアウトも必要以上に制限されることがないので、これによっても、装置の省スペース化を図ることが可能である。
【0032】
請求項記載の発明は、上記第1のアーム伸縮機構は、上記搬送台に対して、ほぼ鉛直方向に沿う回転駆動軸まわりに回転可能に連結されており、上記基板搬送機構は、上記第1のアーム伸縮機構を、上記回転駆動軸まわりに回転駆動するための回転駆動源をさらに備えていることを特徴とする請求項記載の基板処理装置である(図9参照)。
【0033】
この構成によれば、第1アーム伸縮機構を回転させることができるので、基板保持手段が届く範囲であれば、処理部に対して基板を任意の方向に搬出または搬入することができる。これにより、装置のレイアウトの自由度がさらに高まるから、省スペース化をさらに有利に図ることができる。また、基板保持手段によって基板を搬送できる範囲が広がるので、より多くの処理部に対して基板を搬送することができる。これにより、処理部の数に対する基板搬送機構の数の割合を低くすることができるから、基板処理装置の低コスト化に寄与することができる。
【0037】
請求項8記載の発明は、上記基板搬送機構は、上記基板保持手段を複数個有するものであることを特徴とする請求項6または7に記載の基板処理装置である(図6ないし図8、図12、図18ないし図25参照)。
この構成によれば、複数の基板保持手段を備えたことにより、処理部に対する基板の搬送や、処理部への基板の搬出または搬入を迅速に行うことができる。これにより、装置の搬送タクトを短縮できる。
【0038】
請求項記載の発明は、上記複数の基板保持手段は、互いに独立して動作し、上記複数の処理部のうちの互いに異なる処理部に対して基板を搬送するものであることを特徴とする請求項記載の基板処理装置である(図6、図7および図12、図13ないし図25の構成において適用可能)。
この構成によれば、複数の基板保持手段は、互いに異なる処理部に対して基板を搬送することが可能であるので、基板の搬送を効率的に行える。これにより、装置の搬送タクトをさらに短縮することができる。
【0039】
請求項10記載の発明は、上記複数の基板保持手段は、上記複数の処理部のうち特定の処理部に基板を搬入する基板搬入用ハンドと、その特定の処理部から基板を搬出する基板搬出用ハンドとを含むことを特徴とする請求項またはに記載の基板処理装置である(図19ないし図22参照)。
この構成によれば、処理部における処理が施される前と後とで、別のハンドで基板を保持することができるので、処理前の基板と処理後の基板とが、互いに物理的(熱、水分、パーティクルなど)または化学的(薬液、処理ガスなど)影響を与え合うことを防止できる。この構成は、特に、基板を洗浄する装置において有効であり、未洗浄の基板を保持した履歴を持つハンドが洗浄後の清浄な基板を保持することがないので、洗浄後の基板が再汚染されることを防止できる。
【0040】
請求項11記載の発明は、上記基板処理装置が載置されるグレーチング床面よりも下方に上記基板搬送機構を移動させる移動手段をさらに備え、グレーチング床面よりも下方の空間において上記基板搬送機構をメンテナンスできるようにしたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の基板処理装置である(図26参照)。
また、請求項12記載の発明は、基板に一連の処理を施す複数の処理部と、上記複数の処理部に対して基板を搬送する基板搬送機構と、この基板搬送機構が収容された搬送室とを含んだ基板処理装置であって、上記複数の処理部と上記搬送室との境界部の隔壁には、上記基板搬送機構が上記複数の処理部にアクセスするための複数の開口がそれぞれ形成されており、上記複数の処理部は、上記基板搬送機構を囲むように配置されており、上記基板搬送機構は、当該基板処理装置の底面部に固定された搬送台と、この搬送台に対して、ほぼ鉛直方向に沿う第1回転駆動軸を中心に回転可能に連結された第1回転部材と、この第1回転部材を回転駆動するための第1駆動源と、上記第1回転部材に対して、ほぼ鉛直方向に沿う第2回転駆動軸を中心に回転可能に連結された第2回転部材と、この第2回転部材を回転駆動するための第2駆動源と、上記第2回転部材に対して、ほぼ鉛直方向に沿う第3回転駆動軸を中心に回転可能に連結され、基板を保持することができる基板保持手段と、この基板保持手段を回転駆動するための第3駆動源とを備えており、上記複数の処理部は、上記開口の上記搬送室側への対向方向が上記搬送台からずれている処理部を含んでおり、上記基板搬送機構は、上記第1回転駆動軸、第2回転駆動軸および第3回転駆動軸のまわりで、それぞれ上記第1回転部材、第2回転部材および基板保持手段を独立して回転させることができるものであり、上記基板処理装置は、さらに、当該基板処理装置が載置されるグレーチング床面よりも下方に上記基板搬送機構を移動させる移動手段を備え、グレーチング床面よりも下方の空間において上記基板搬送機構をメンテナンスできるようにしてあることを特徴とする基板処理装置である。
これらの構成によれば、基板搬送機構が処理部に包囲されている場合であっても、基板搬送機構をグレーチング床面よりも下方に移動することにより、基板搬送機構のメンテナンスを良好な作業性で行うことができる。また、装置内にメンテナンスエリアを設けなくてもよいから、装置の省スペース化が実現される。
請求項13記載の発明は、上記基板搬送機構は、さらに、上記搬送台と上記基板保持手段との間のいずれかの位置に介装され、かつ、当該位置においてほぼ水平方向に沿う回転駆動軸を中心に回転可能に連結された昇降用回転部材と、この昇降用回転部材を回転駆動するための昇降用駆動源とを含むものであることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の基板処理装置である(図10参照)。
この構成によれば、昇降用回転部材を回転させることにより、基板保持手段を昇降させることができる。したがって、基板保持手段の昇降に関しても、直線摺動がなくなる。その結果、パーティクルの発生をさらに効果的に抑制できる。また、シールが困難な直線摺動部がなくなることにより、処理液による腐食の問題も軽減されるから、基板搬送機構の耐久性を向上することができる。
請求項14記載の発明は、上記基板搬送機構のうちの回転可能に連結された部分に関連して磁性流体シールを周設することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板搬送機構の回転可能に連結された部分の回転軸を磁性流体シールによって軸シールすることにより、パーティクルの発生が防止される。さらには、回転部への処理液やその雰囲気等の侵入を防止できるので、基板搬送機構の耐久性を向上することができる。
請求項15記載の発明は、上記基板保持手段は、角形基板を保持することができるものであることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の基板処理装置である(図12、図17ないし図25の構成において適用可能)。
この構成によれば、基板保持手段によって角形基板が保持され、この角形基板が処理部に対して搬送されて処理される。この場合、処理部は、角形基板を収容することができるように構成されるが、基板の方向と処理部の方向とを整合させた方がスペース効率がよい。すなわち、角形基板を同じく角形の処理部に斜めに収容しようとすると、処理部は、平面視においてその隅部にほぼ三角形状のスペースが形成され、基板の大きさよりもはるかに大きな処理室を有している必要がある。もしも、上記第2の先行技術のように、放射方向にのみ水平搬送が可能な搬送ロボットを用いるとすれば、角形基板を処理部に対して斜めに搬入せざるを得ない事態も起こりうる。これに対して、この発明の基板処理装置に備えられた基板搬送機構は、自由な角度で基板を処理部に搬入できるから、処理部と角形基板との方向を確実に一致させることができる。これにより、装置の省スペース化に寄与することができる。
【0041】
請求項16記載の発明は、上記複数の処理部のうちの少なくとも一部の処理部群は、ほぼ水平方向に沿って直線状に連設された複数の処理部からなることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の基板処理装置である(図12、図17ないし図21、図23ないし図25参照)。
処理部に対して基板を任意の方向に搬出または搬入できる基板搬送機構を有していることにより、この発明では、複数の処理部を自由にレイアウトできる。したがって、複数の処理部をクラスター形に配列しなければならないなどといった制限がないから、水平方向に沿って直線状に複数の処理部を連設することにより、装置の省スペース化を実現できる。
【0042】
請求項17記載の発明は、上記基板搬送機構が複数個設けられており、この複数の基板搬送機構のうち少なくとも一対の基板搬送機構の間で、互いに基板を受け渡しするための基板受け渡し台をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の基板処理装置である(図18、図22ないし図25参照)。
【0043】
この構成によれば、複数の基板搬送機構を備えることにより、基板搬送機構1個当たりの搬送負荷が軽減されるから、搬送タクトを向上できる。また、基板搬送機構は水平方向に走行する必要がないので、基板受け渡し台は、搬送エリア内に配置することも可能である。したがって、基板の受け渡しのために特別のスペースを必要としないから、装置の省スペース化を実現できる。
【0044】
請求項18記載の発明は、基板を複数枚収容可能なカセットを複数個載置するカセット載置部をさらに備え、上記基板搬送機構は、さらに、上記カセット載置部に載置された複数個のカセットに対して基板を収容または取り出しするものであることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の基板処理装置である(図19ないし図25参照)。
この構成によれば、基板搬送機構は、カセットに対しても基板の搬送を行うので、カセットから基板を搬入/搬出する専用ロボットの搬送路のためのスペースが不要となり、装置の省スペース化を実現できる。また、直線走行する専用ロボットを用いることなくカセットに対する基板の搬出または搬入を行えるので、パーティクルの発生をさらに抑制できる。
【0045】
さらに、1台の基板搬送機構が、カセットと処理部との間の基板の搬送を行うので、2台のロボットでこれを行う場合に比較すると、受け渡し台や基板の位置合わせ機構が不要であるので、搬送タクトを向上することができる。
請求項19記載の発明は、上記カセット載置部と上記基板搬送機構との間に、基板が通過する開口が形成された隔壁と、この隔壁の開口を開閉するシャッター機構とを介在させたことを特徴とする請求項18記載の基板処理装置である(図21参照。ただし、図19、図20、図22ないし図25の構成においても適用可能)。
【0046】
この構成によれば、基板が通過するとき以外は隔壁の開口をシャッタ機構で閉塞しておくことにより、基板搬送機構からのパーティクルや処理部からの処理液や処理ガスがカセット載置部に及ぶことを防止できる。これにより、カセット内のカセットにパーティクルや処理液などが付着したり、処理ガスによる悪影響が与えられたりすることを防止できる。
【0047】
請求項20記載の発明は、上記複数の処理部のうち、少なくとも1つは、基板に対して処理剤を供給して基板に処理を施す処理剤供給処理部であることを特徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載の基板処理装置である(図12、図17ないし図25参照)。
処理剤には、純水、洗浄液、エッチング液、現像液、レジスト液、その他酸/アルカリ溶液、オゾン水、およびイオン水等の処理液、ならびに、オゾンガス、処理液のミストおよびベーパ等の処理ガスが含まれる。
【0048】
処理剤が基板搬送機構の内部に侵入すれば、回転軸の軸受け等に錆が生じたりするおそれがある。しかし、この発明の装置に備えられた基板搬送機構は、回転のみによって水平方向に基板を搬送することができるように構成されているので、回転軸のシールが容易であり、これにより、処理剤が基板搬送機構の内部に侵入することを効果的に防止することができる。これにより、処理剤を用いた処理部が備えられている場合であっても、基板搬送機構は十分な耐久性を有することができる。
【0049】
請求項21記載の発明は、上記処理剤供給処理部は、基板に洗浄液を供給して基板を洗浄処理する洗浄処理部であることを特徴とする請求項20記載の基板処理装置である(図17、図19ないし図22参照)。
この構成においては、請求項20の発明と同様な作用および効果が達成される。また、特に、洗浄処理部においては処理に用いる洗浄液の使用量が多く、洗浄液が大量に基板搬送機構の内部に侵入して、基板搬送機構の耐久性が低下することを効果的に防止することができる。さらに、特に、請求項10の構成と組み合わせられた場合には、未洗浄基板と洗浄済み基板とでハンドを区別することによって、洗浄済み基板が再汚染されることを確実に防止できる。
【0050】
請求項22記載の発明は、上記処理剤供給処理部は、CMP処理が施された基板に洗浄液を供給して基板を洗浄処理するCMP後洗浄処理部であることを特徴とする請求項20記載の基板処理装置である(図22参照)。
この構成によれば、請求項21の発明と同様な効果を達成できる。また、特に、CMP後洗浄処理部においては、CMP処理工程で用いられた研磨剤(スラリー)が付着した基板を洗浄する必要があるため、研磨剤(スラリー)が基板搬送機構の内部に侵入して、基板搬送機構の耐久性が低下することを効果的に防止することができる。
【0051】
請求項23記載の発明は、上記基板保持手段に保持された基板に純水を供給するシャワー手段を備えたことを特徴とする請求項21または22に記載の基板処理装置である(図22参照)。
この構成によれば、基板の搬送中に、その基板に向けて純水を供給できるから、基板を乾燥させることなく搬送できる。これにより、基板の表面の汚れ、たとえばスラリー等が乾燥して落ちにくくなることを防止できるので、洗浄効果を高めることができる。
【0052】
また、基板搬送機構の回転軸付近のシールは容易に行えるから、基板搬送機構には、簡単に、十分な防水性を持たせることができる。
請求項24記載の発明は、上記複数の処理部のうち、少なくとも1つは基板に対して化学増幅型レジスト処理を行う化学増幅型レジスト処理部であることを特徴とする請求項1ないし20のいずれかに記載の基板処理装置である(図18、図24、図25参照)。
【0053】
この基板処理装置では、装置スペースを小さくすることができ、また、処理部を自由にレイアウトすることができるので、化学増幅型レジスト処理において必要な化学吸着フィルタの設置面積を削減でき、また、化学吸着フィルタの設置エリアを一部に集中させることも可能である。これにより、装置コストおよびランニングコストを抑えることができる。
【0054】
請求項25記載の発明は、上記基板搬送機構が移動する範囲である搬送エリアに、上記複数の処理部のうち少なくとも1つの処理部または上記基板搬送機構をメンテナンスするためのメンテナンスエリアを備えたことを特徴とする請求項1ないし24のいずれかに記載の基板処理装置である(たとえば、図17、図27参照)。
【0055】
この構成によれば、搬送エリアの一部をメンテナンスエリアとすることにより、基板搬送機構および処理部のメンテナンス性を向上できる。搬送ロボットが搬送路内を走行する上記第1の先行技術においては、搬送路内にガイドレールなどが存在しているため、メンテナンスエリアを設けることは困難であったが、基板搬送機構自体が走行する必要のないこの発明の構成では、上記のメンテナンスエリアを容易に設けることができる。しかも、このメンテナンスエリアにガイドレールなどは存在しないので、メンテナンスは、良好な作業性で行える。
【0057】
請求項26記載の発明は、上記搬送室は、上記複数の処理部が連設される水平方向に沿う長手方向に延びて設けられていることを特徴とする請求項16記載の基板処理装置である。
請求項27記載の発明は、上記搬送室を挟んで上記複数の処理部とは反対側に設けられ、上記搬送室の長手方向に沿って配列された別の複数の処理部をさらに備え、上記基板搬送機構は、さらに、上記別の複数の処理部に対して基板を搬送するものであることを特徴とする請求項26記載の基板処理装置である。
請求項28記載の発明は、上記搬送室を挟んで上記複数の処理部とは反対側に設けられ、基板を複数枚収容可能なカセットを上記搬送室の長手方向に沿って複数個載置するカセット載置部をさらに備え、上記基板搬送機構は、さらに、上記カセット載置部に載置された複数個のカセットに対して基板を収容または取り出しするものであることを特徴とする請求項26記載の基板処理装置である。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
この発明の実施形態にかかる基板処理装置の説明をするに先立ち、各実施形態の装置において共通に適用可能な基板搬送ロボットの構成について説明する。
図1(a) は、基板搬送ロボットの基本構成を説明するための概念的な断面図であり、図1(b) はこの基板搬送ロボットの概念的な平面図である。この基板搬送ロボットは、基板処理装置の底面部のフレームに対して固定されるべき搬送台1と、この搬送台1に対して鉛直方向に沿う第1回転駆動軸θ1まわりに回転可能に連結された第1回転部材としての第1アーム11と、この第1アーム11を第1回転駆動軸θ1まわりに回転駆動するための第1駆動源としての第1モータ21と、第1アーム11に対して、鉛直方向に沿う第2回転駆動軸θ2まわりに回転可能に連結された第2回転部材としての第2アーム12と、この第2アーム12を第2回転駆動軸θ2まわりに回転駆動するための第2駆動源としての第2モータ22と、第2アーム12に対して、鉛直方向に沿う第3駆動軸θ3まわりに回転可能に連結された基板保持手段を兼ねる第3アーム13と、この第3アーム13を第3回転駆動軸θ3まわりに回転駆動するための第3駆動源としての第3モータ23とを備えている。第3アーム13の先端部は、基板Wを保持するためのハンド20となっている。
【0059】
搬送台1には、上下方向であるZ方向に沿ってねじ軸2が備えられており、このねじ軸2には、モータ3からの回転力がタイミングベルトを介して与えられるようになっている。ねじ軸2には、第1モータ21などを支持した状態で昇降する昇降ブロック7に備えられたボールナットが螺合している。昇降ブロック7は、第1モータ21を支持し、この第1モータ21は、上述のように第1回転駆動軸θ1を介して、第1回転部材11を回転することが可能であるように連結されている。
【0060】
また、昇降ブロック7は、図示しないガイドレール等の案内手段により、Z方向へ移動可能に案内されている。
モータ3、第1ないし第3モータ21,22,23は、制御部100によって、それぞれ独立に駆動制御される。
図2は、上述の基板搬送ロボットのより具体的な構成を説明するための断面図であり、図3は、その平面図である。搬送台1は、大略的に四角筒状に形成されており、その内部にZ方向に沿ってねじ軸2が配設されている。このねじ軸2の途中部には、ねじ軸2に螺合するボールナットを内蔵した昇降ブロック7が取り付けられている。昇降ブロック7は、Z方向に沿って搬送台1の内側壁(図2において前後に設けられた一対の内側壁)に設けられたリニアガイド8上を摺動することができるようになっている。
【0061】
ねじ軸2には、プーリー15が固定されている。このプーリー15には、図4に示すように、モータ3の回転力が、その駆動軸に固定されたプーリー16から、タイミングベルト17を介して伝達されている。したがって、モータ3を正転/逆転駆動すれば、昇降ブロック7は、リニアガイド8上を摺動しつつ昇降する。
【0062】
昇降ブロック7には、回転軸31の下端が回転可能に支持されている。回転軸31の下端付近には、昇降ブロック7よりも上方の部位に、ギア25が取り付けられている。また、昇降ブロック7には、第1モータ21が取り付けられており、この第1モータ21の駆動軸に固定されたギア26が、回転軸31に取り付けられた上記のギア25と噛合している。したがって、第1モータ21を正転/逆転駆動することにより、回転軸31を第1回転駆動軸θ1まわりに回動させることができる。
【0063】
したがって、モータ3および第1モータ21を駆動制御することによって、回転軸31を昇降させたり、第1回転駆動軸θ1まわりに回動させたりすることができることになる。
ここで、上部プレート9は、上述の搬送台1の内部の駆動機構等と基板搬送ロボットの周囲の空間とを隔離するために、搬送台1の上面を閉塞するものであり、その上部プレート9を回転軸31が貫通している。
【0064】
回転軸31の上端には、水平方向に延びる第1アーム11が固定されている。第1アーム11は、中空の平板な形状に形成されており、その先端付近の裏蓋部35には、第2モータ22が駆動軸を第1アーム11の内部空間に収容した状態で固定されている。この第2モータ22の本体部分は、第1アーム11の裏蓋部35に固定されたモータカバー36の内部空間に収容されている。第1アーム11の内部空間には、第2モータ22の駆動軸に固定されたギア38が収容されている。
【0065】
第2アーム12は、第1アーム11の先端部に、水平方向に延びて、第2回転駆動軸θ2まわりに回動可能であるように連結されている。より具体的には、第2アーム12は、第1アーム11と同様に中空の平板な形状に形成されており、その基端部付近には、下方に向けてボス45が固定されている。このボス45の下面には、第1アーム11の先端付近の内部空間に収容されたギア46が固定されており、このギア46は、第2モータ22の駆動軸に固定されたギア38に噛合している。ボス45とギア46との連結部には、第1アーム11に固定された軸受け47が外嵌されている。この構成により、第2モータ22を正転/逆転駆動すれば、第2アーム12は、第2回転駆動軸θ2まわりに回動することになる。
【0066】
第2アーム12の先端付近には、基板を保持するためのハンド20と、このハンド20を保持するハンド保持部19とからなる第3アーム13が、第3回転駆動軸θ3まわりに回転可能であるように連結されている。具体的には、ハンド保持部19は、長尺な板状アームをなしており、その基端部の上面には、第3モータ23が駆動軸を下向きにして固定されている。この第3モータ23は、ハンド保持部19の上面側に固定されたモータカバー54内の空間に収容されている。
【0067】
第3モータ23の駆動軸の先端は、ハンド保持部19の基端部に形成された孔を挿通して第2アーム部12の先端付近の内部空間に至っており、その駆動軸の先端に固定されたギア(図示せず)は、ここに収容され第2 アーム部12に固定されたハーモニックギア部56に噛合されている。このハーモニックギア部56の上方において、ハンド保持部19と第2アーム部12との連結部には軸受け57が設けられている。そのため、第3モータ23が正転/逆転駆動されると、この第3モータ23の本体側と固定されているハンド保持部19が、第2アーム12に対して相対的に回動することになる。
【0068】
ハンド保持部19は、第3モータ23よりも先端よりの位置の上面に、ハンド20の基端部を受け入れる段差部58を有している。ハンド20は、その基端部がハンド保持部19の段差部58に、ボルト59によって固定されている。ハンド20は、基板S の周縁部の位置に互いにほぼ等間隔に、基板保持部材60を5個有しており、基板Sの下面でほぼ点接触することによって基板Sを保持する構造になっている。
【0069】
第2モータ22および第3モータ23への給電のために、回転軸31の上端付近には、第1アーム11の取り付け位置付近に、ケーブル62,63を引き出すためのケーブル引き出し口61が形成されている。ケーブル62,63は、第1アーム11の内部の空間を通って配線されており、そのうちの1本のケーブル62は、第2モータ22に接続されている。
【0070】
第3モータ23への給電のために、第1アーム11の先端付近に設けられた上記のギア46およびボス45には、中央に孔65が形成されている。ケーブル63は、この孔65を通って第2アーム12の内部空間に導かれ、この第2アーム12の側面部に設けられたケーブル固定金具66を通って外部に一旦引き出された後、ハンド保持部19に固定された第3モータ23に導かれている。
【0071】
上述のような構成により、第1モータ21、第2モータ22および第3モータ23を独立に駆動させることによって、第1アーム11、第2アーム12および第3アーム13(ハンド保持部19およびハンド20からなる)を、それぞれ第1回転駆動軸θ1、第2回転駆動軸θ2および第3回転駆動軸θ3まわりに、自由に回転させることができる。また、モータ3を駆動することによって、第1アーム11、第2アーム12および第3アーム13の全体をZ方向に昇降させることができる。これにより、第3アーム13に保持された基板Sを一定の範囲内においては、任意の場所に任意の角度で搬送することができる。
【0072】
具体的には、第1回転駆動軸θ1と第2回転駆動軸θ2との間の距離をL1とし、第2回転駆動軸θ2と第3回転駆動軸θ3との間の距離をL2とし、第3回転駆動軸θ3と基板Sの中心との距離をL3とすると、図5に示すように、第1回転駆動軸θ1を中心とした(L1+L2−L3)の半径の円内の領域101においては、基板Sを任意の角度で任意の場所に搬送できる。また、領域101の外側であっても、半径(L1+L2+L3)の円内の領域102内では、基板Sの角度はある程度限定されるものの、任意の位置に基板Sを搬送することができる。
【0073】
上述の基板搬送ロボットは、第1ないし第3回転駆動軸θ1,θ2およびθ3まわりに独立して回転可能な第1ないし第3アーム11,12,13を備えているので、以下では、このようなロボットを「3θロボット」と呼ぶことにする。基板を処理するための処理部に対して基板の搬入/搬出を行うには、その処理部に対して独立にアクセスすることができる一対のハンドを基板搬送ロボットに備えることが好ましい。これは、一方のハンドで処理済みの基板を処理部から搬出できるとともに、他方のハンドで未処理の基板を処理部に搬入することができるから、基板の交換を高速に行えるからである。このように一対のハンドを備えた構成を以下では「ダブルハンド」と呼ぶことにする。
【0074】
図6には、ダブルハンドの3θロボットの1つの構成例が示されている。図6(a) は簡略化した側面図であり、図6(b) は、簡略化した平面図である。このロボットは、図1ないし図5に示された構成のロボットを一対備えたものである。すなわち、図1ないし図5に示された構成とほぼ同様の構成の第1ロボット部51および第2ロボット部52を備えている。第1ロボット部51および第2ロボット部52の各第3アーム13は、上下に重なり合った位置で基板S1およびS2をそれぞれ保持することができるように構成されている。すなわち、上方で基板S2を保持する第2ロボット部52の第3アーム13は、途中で上方に立ち上がり、第1ロボット部51の方向に向かって水平に折れ曲がり、さらに前方に向かって折れ曲がった形状のハンド保持部53を備えている。
【0075】
第1ロボット部51と第2ロボット部52とが完全に自由に動作すると、この2つのロボット部51,52が互いに干渉し合うおそれがある。そこで、この図6に示された構成を採用するときには、両ロボット部51,52が干渉し合わないように、制御部100(図1参照)によって、各ロボット部51,52の動作に対して、ソフトウエア的に制限を加える必要がある。
【0076】
図7には、ダブルハンドの3θロボットの他の構成例が示されている。図7(a) には簡略化した側面図を示し、図7(b) には簡略化した平面図を示す。このロボットも、図6に示されたロボットと同様、図1ないし図5に示された構成とほぼ同様の構成の第1ロボット部71および第2ロボット部72を備えている。ただし、図7( a) に明らかに示されているように、第1ロボット部71と第2ロボット部72とは、第1アーム11、第2アーム12および第3アーム13の連結の仕方が異なっている。すなわち、第1ロボット部71は、第1アーム11の先端の上面側に第2アーム12が連結され、第2アーム12の先端の上面側に第3アーム13が連結されて構成されている。これに対して、第2ロボット部72は、第1アーム11の先端の下面側に第2アーム12が連結され、第2アーム12の先端の下面側に第3アーム13が連結されている。したがって、第1ロボット部71および第2ロボット部72のZ方向の昇降の範囲に制限を加えておけば、第1ロボット部71の第1ないし第3アーム11〜13と、第2ロボット部72の第1ないし第3アーム11〜13とが、完全に自由に回動したとしても、両ロボット部71,72間での干渉が生じるおそれはない。
【0077】
一般に、ある処理部に対する処理済み基板の搬出および未処理基板の搬入は相次いで行われるから、一対のハンドが独立して昇降すべきとの要求は少なく、Z方向に関しては、第1ロボット部71および第2ロボット部72が同期して昇降するようにしてもよい。したがって、第1ロボット部71および第2ロボット部72は、Z方向の昇降駆動機構を共有することもできる。このことは、図6に示された構成のロボットにおいても同様である。
【0078】
また、図7に示された構成において、たとえば、下側に配置された第1ロボット部71の回転軸31を大きな内径の中空軸で構成し、第2ロボット部72の回転軸31を小さな外径の中実軸で構成して、第1ロボット71側の回転軸31に第2ロボット72側の回転軸31が挿通するようにしてもよく、このようにすれば、基板搬送ロボットのフットプリントを小さくできる。
図8は、ダブルアームの3θロボットのさらに他の構成例を示す。図8(a) は簡略化した側面図を示し、図8(b) は簡略化した平面図を示す。図1ないし図5に示されたロボットと図8のロボットとの主要な相違は、第2アーム12の先端に、一対の第3アーム13Aおよび13Bが連結されていることである。そして、この一対の第3アーム13Aおよび13Bは、それぞれ、アーム伸縮機構としてのいわゆるスカラーアーム機構をなしている。このスカラーアーム機構とは、たとえば実開公昭62−144186号公報に示されるようなもので、第3アーム13Aまたは13Bをベルトおよびプーリを利用して屈伸させることで、基板保持ハンド83の姿勢を保持したまま保持された基板を直線状に進退させることができるものである。
【0079】
すなわち、第3アーム13Aおよび13Bは、それぞれ、第2アーム12の先端において第3回転駆動軸θ3A,θ3Bまわりに回転可能に取り付けられた第1アーム部81およびこの第1アーム部81の先端に鉛直軸まわりの回動が可能であるように取り付けられた第2アーム部82を備えたアーム伸縮機構、ならびに第2アーム部82の先端に鉛直軸まわりの回動が可能であるように取り付けられた基板保持ハンド83を有している。
【0080】
第1アーム部81に関連して、この第1アーム部81を第3回転駆動軸θ3A,θ3Bまわりに回動するための第3駆動源としての、進退用モータ85が設けられている。この進退用モータ85を正転/逆転することにより、基板保持ハンド83を、第3回転駆動軸θ3A,θ3Bに対して近接/離反する方向に進退させることができる。すなわち、進退用モータ85を正転/逆転駆動すると、基板保持ハンド83はその姿勢を保持したままで、第1アーム部81と第2アーム部82とがその連結部を関節として屈伸し、これにより、基板保持ハンド83は、第3回転駆動軸θ3A,θ3Bに対して近接/離反する方向に進退する。第3アーム13A側の進退用モータ85と、第3アーム部13B側の進退用モータ85とは独立に駆動制御され、これにより、第3アーム13A,13Bは、独立に基板保持ハンド83を進退させることができる。
【0081】
第3アーム13Bは、第3アーム13Aに保持された基板S1の上方において互いに重なり合った位置で基板S2を保持するために、第3アーム13Aの基板保持ハンド83とは異なった形状の基板保持ハンド83を有している。すなわち、第3アーム13Bの基板保持ハンド83は、第2アーム部82との連結部において上方に立ち上がりと、この立ち上がり部の上端において水平方向に直角に折れ曲がり、さらに、水平面内において前方(第3回転駆動軸θ3から離反する方向)に向かって直角に折れ曲がった形状を有している。
【0082】
上記の構成により、第2アーム12の先端部において、第3アーム13Aおよび13Bを進退させることができるから、処理部に対する基板の搬入/搬出を行えるうえ、ロボット部を一対備えた上述の図6および図7の構成に比較して、構成を単純化できる。
なお、図8の構成において、進退モータ85のほかに、第3アーム13A,13Bの全体を第3回転駆動軸θ3まわりに回動させるための回動用モータを、第3アーム13Aおよび13Bのそれぞれについて設けてもよい。このようにすれば、第3アーム13A,13Bは、第2アーム12に対して任意の角度で進退動作を行うことができる。
【0083】
図9は、3θロボットの他の構成例を示す簡略化した平面図である。この3θロボットは、搬送台1に取り付けられ、鉛直軸まわりの回動が可能で、かつ昇降可能に設けられた第1回転部材としてのコラム90と、このコラム91に連結された第2回転部材としての第1スカラーアーム機構91と、この第1スカラーアーム機構91に連結された基板保持手段としての第2スカラーアーム機構92とを有している。コラム90は、第1駆動源としてのモータM1によって、第1回転駆動軸θ11まわりに回転される。第1スカラーアーム機構91は、コラム90に回転可能に連結された第1アーム部91aと、この第1アーム部91aの先端に回転可能に連結された第2アーム部9bと、第1アーム部91aを第1回転駆動軸θ11と共通の第2回転駆動軸θ12まわりに回転駆動するための第2駆動源としてのモータM2とを備えている。そして、モータM2を駆動することによって、第1アーム部91aと第2アーム部91bとがその連結部を関節として屈伸するように構成されている。具体的には、ベルトおよびプーリーを用いて構成された駆動力伝達機構によって、第1アーム部91aと第2アーム部91bとは、アーム伸縮機構としてのスカラーアーム方式の機構を形成している。
【0084】
第2スカラーアーム機構92は、第1スカラーアーム機構91の第2アーム部91bの先端に第3回転駆動軸θ13まわりに回転可能であるように連結された第1アーム部92aと、この第1アーム部92aの先端部に、鉛直軸まわりの回転が可能であるように連結された第2アーム部92bと、第2アーム部92bの先端部において鉛直軸まわりの回動が可能であるように連結された基板保持ハンド92cと、第1アーム部92aを、第2回転駆動軸θ13まわりに回転駆動するための第3駆動源としてのモータM3とを備えている。第1アーム部92a、第2アーム部92bおよび基板保持ハンド92cは、たとえば、ベルトおよびプーリーによって構成された駆動力伝達機構によって、アーム伸縮機構としてのスカラーアーム方式の機構を形成している。これにより、モータM3を正転/逆転させることで、基板保持ハンド92cは、その姿勢を保持したままで、第3回転駆動軸θ13に対して近接/離反するように進退する。
【0085】
この構成により、たとえば、第1スカラーアーム機構91を図9の上下方向に相当する第1水平方向yに沿って進退させ、第2スカラーアーム機構92を第1水平方向yと直交する第2水平方向x方向に沿って進退させるとすれば、第2スカラーアーム機構92は、第1スカラーアーム機構91の進退範囲RY内において任意のy方向位置をとることができる。また、第2スカラーアーム機構92の先端の基板保持ハンド92cは、この第2スカラーアーム機構92の進退範囲RX内において、任意の方向位置をとることができる。したがって、結果として、範囲RYおよびRXにより規定される矩形領域内の任意の位置に基板を搬送することができる。しかも、コラム90を回転させることによって、上記の矩形領域を回転させることができるから、結果として、上記矩形領域の対角線を直径とする円内の範囲の任意の位置に基板を搬送することが可能である。
【0086】
なお、図9には、基板保持ハンドを1つのみ備えた構成を示したが、図1ないし図5に示した基板搬送ロボットが図6ないし図8のようにダブルハンドのロボットに変形することができるのと同様、図9に示された構成のロボットについても、ダブルハンド化が可能である。
また、第2スカラーアーム機構92全体が、第1スカラーアーム機構91に対して、第3回転駆動軸θ13まわりに回動できるように構成して、さらに、基板搬送の自由度を高めてもよい。
【0087】
図10は、基板搬送ロボットとして適用可能な3θロボットのさらに他の例を示す簡略化した側面図である。この基板搬送ロボットは、Z方向の昇降を、たとえばベルトおよびプーリーで構成した上述のスカラーアーム方式のスカラー昇降機構98で実現した点に主要な特徴を有している。すなわち、スカラー昇降機構98は、基板処理装置のフレームに固定されるべき搬送台部105に、水平な回転駆動軸θ0まわりの回転が可能であるように連結された第1アーム部98aと、この第1アーム部98aの先端において回転駆動軸θ0と平行な水平軸まわりの回動が可能であるように連結された第2アーム部98bとを有している。そして、第2アーム部98bに、図1ないし図5に示されたロボットの場合と同様な第1ないし第3アーム11,12,13が連結されており、第1アーム11は、第2アーム部98bの先端に固定された取り付け台99に、鉛直方向に沿う第1回転駆動軸θ1まわりの回転が可能であるように連結されている。取り付け台99は、スカラー昇降機構98が屈伸しても、その姿勢が不変に保持されるように、スカラー昇降機構98と連動するようになっている。
【0088】
第1アーム部98aと第2アーム部92bをその連結部を関節として屈伸駆動するために、第1アーム部98aを回転駆動軸θ0まわりに駆動するための昇降用駆動源としてのモータM0が設けられている。このモータM0を正転/逆転駆動することによって、第1アーム部98aと第2アーム部98bとが屈伸し、第2アーム部92bの先端部が、Z方向に沿って上下する。また、第1ないし第3アーム11,12,13等の取り付け台99上に保持されている部分の重量がある場合は、このスカラー昇降機構98をもう一つ設け、2 本足構造としたほうが良い。 この構成を採用することによる利益は、Z方向の昇降に関しても、直線摺動部を排除することができる点にある。すなわち、直線摺動部が少なければ、その分、パーティクル対策が容易になる。これは、直線摺動部のシールに比較して、回動部のシールは比較的安価にかつ効果的に行えるからである。たとえば、図2に示す構成では、筒状の搬送台1によって、直線摺動部を覆っているが、図10の構成を採用した場合には、その必要はなく、関節部分の回動部のみをシールしておけばよい。
【0089】
関節部分のシールには、磁性流体シールを適用することが好ましい。磁性流体シールとは、固定部と回転部との間に磁性流体を満たし、固定部と磁性流体とを通る磁気回路を形成することによって磁性流体の流動を阻止し、結果として、流動が阻止された磁性流体によってシールを達成するものである。このような磁性流体シールは、上述のいずれの構成の基板搬送ロボットにおいても、第1回転駆動軸、第2回転駆動軸および第3回転駆動軸の軸シールのために適用することが好ましい。むろん、その他の関節部などの任意の回動部にも、磁性流体シールによる軸シールを施すことが好ましく、これにより、回動部からの発塵を防止できる。
【0090】
図11は、適用可能な基板保持ハンドを例示するための平面図である。
図11(a) に示すハンドはフォーク形のものであり、真空吸着孔110が適所に設けられている。すなわち、このハンドは、基板Wの裏面を真空吸着により保持する。このハンドは、半導体ウエハのような円形基板や液晶表示装置用ガラス基板のような角形基板を保持することができる。
【0091】
図11(b) に示すハンドは、半導体ウエハのような円形基板Wを保持するためのハンドである。このハンドは、板状のビーム111と、ビーム111の基端部側に設けられた円弧形状の後端ガイド部112と、ビーム111の先端部に設けられた円弧形状の先端ガイド部113とを有している。そして、後端ガイド部112の両端からは、円弧の内方に基板保持部材114が突出しており、各基板保持部材114には、上方に向かって円形基板Wの裏面を点接触で保持するためのピン115が立設されている。さらに、ビーム111において先端ガイド部113よりもやや基端部寄りの位置および後端ガイド部112よりもやや先端部寄りの位置には、上方に向かって円形基板Wの裏面をその頂点において点接触で保持するためのピン116が立設されている。
【0092】
なお、後端ガイド部112および先端ガイド部113の上面は、ピン116の先端よりも高く形成されている。これにより円形基板Wが基板保持ハンド上で水平方向にずれることを防止している。
図11(c) に示すハンドも、半導体ウエハのような円形基板Wを保持するためのハンドである。このハンドは、円形基板Wの周囲の2/3程度の領域にわたる円弧形状の基板ガイド部120と、この基板ガイド部120の5箇所において円弧の内方に向かって突出して設けられた基板保持部材121とを有している。各基板保持部材121には、円形基板Wの下面を点接触で保持するための5本のピン122が、基板ガイド部120に沿ってほぼ等間隔に、上方に向かって立設されている。
【0093】
なお図11(b) のハンドと同様に、基板ガイド部120の上面は、ピン122の先端よりも高く形成されている。これにより円形基板Wが基板保持ハンド上で水平方向にずれることを防止している。また、円形基板Wが所定の長さのオリエンテーションフラットやノッチ等の切欠き部を有する場合には、5本のピン122のすべての間隔が互いに切欠き部の長さよりも長い間隔でほぼ等間隔に配置しているので、円形基板Wがどの向きで保持される場合であっても、円形基板Wの下面の少なくとも4点で点接触し、かつ、その4点を結んでできる4角形の内部に円形基板Wの重心(ほぼ円形基板Wの中心に位置する)を含むので、円形基板W を正確に水平保持できる。
【0094】
図11(d) に示すハンドは、液晶用ガラス基板のような角形基板Sを保持するためのハンドである。このハンドは、角形基板Sの周囲の3/4程度の領域にわたる矩形の基板ガイド部130と、この基板ガイド部130の角形基板Sの四隅および中央部に対応する周縁部の6箇所において内方に向かって突出して設けられた基板保持部材131とを有している。各基板保持部材131には、角形基板Sの下面を点接触で保持するためのピン132が上方に向かって立設されている。
【0095】
なお図11(c) のハンドと同様に、基板ガイド部130の上面は、ピン132の先端よりも高く形成されている。これにより角形基板Sが基板保持ハンド上で水平方向にずれることを防止している。
次に、上記のような基板搬送ロボットが適用された基板処理装置の形態について説明する。
【0096】
図12は、この発明の第1の実施形態にかかる基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。この基板処理装置は、主に、半導体ウエハなどの基板上にレジスト膜を形成する機能と、露光機によって露光されたレジスト膜を現像液で現像する機能とを有するものであり、これらの各機能を実現すべく複数の処理部が設けられた基板処理モジュール201を備えている。基板処理モジュール201には、一端に、インデクサモジュールINDが連設されており、他端には、インタフェースモジュールIFBを介して露光機EXPが結合されている。
【0097】
インデクサモジュールINDは、複数のカセットC1〜C4から未処理の基板を取り出して基板処理モジュール201に与え、また、処理済みの基板を基板処理モジュール201から受け取ってカセットC1〜C4に収納するためのものである。この機能を実現するために、インデクサモジュールINDは、直線搬送路221に沿って往復直線移動可能なインデクサロボットIDRと、直線搬送路221の一方側に沿って複数のカセットC1〜C4を並列に配置することができるカセット載置部222とを有している。
【0098】
インデクサロボットIDRは、1つのハンド231を有するスカラーアームロボットである。すなわち、インデクサロボットIDRは、直線搬送路221に沿って配置されたレール(図示せず)上を走行する基台部232と、この基台部232に対して鉛直軸まわりの回動および昇降が可能であるように取り付けられたスカラーアーム機構233とを有し、このスカラーアーム機構233の先端に図11を参照して説明した基板を保持するハンド231を有している(ただし、図12においては、図面の簡略化のために、ハンド231を棒状のシンボルであらわしている。また、後述するすべての実施形態の参照図面においても同様に、インデクサロボットや主搬送ロボット等の基板搬送機構の基板を保持するハンドを棒状のシンボルであらわすが、図11を参照して説明した基板を保持する4 種類のハンドをすべて適用可能である。)。スカラーアーム機構233は、一対のアーム部235,236が連結されたものであり、この一対のアーム部235,236が、連結部を関節として屈伸することにより、ハンド231を、その姿勢を保持した状態で進退させることができる。
【0099】
したがって、スカラーアーム機構233の全体の回動および昇降、ならびにスカラーアーム機構233の屈伸によるハンド231の進退により、ハンド231は任意のカセットC1〜C4にアクセスして、そのカセット内の1枚の基板を取り出したり、1枚の基板をそのカセットに収容したりすることができる。また、同様にして、基板処理モジュール201に未処理の基板を受け渡したり、処理済みの基板を基板処理モジュール201から受け取ったりすることができる。
【0100】
基板処理モジュール201は、中央に、主搬送ロボットMTRを備えている。この主搬送ロボットMTRは、ダブルハンドの3θロボットであり、図1ないし図11を参照して説明したいずれかのダブルハンドの基板搬送ロボットを、この主搬送ロボットMTRとして適用することができる。
主搬送ロボットMTRは、インデクサモジュールINDの直線搬送路221の中間部付近から直交する方向に延びて設けられた搬送室240の中央に配置されている。この搬送室240内において、主搬送ロボットMTRとインデクサモジュールINDとの間には、インデクサロボットIDRと主搬送ロボットMTRとの間での基板の受け渡しのための受け渡し台としての載置台POが設けられている。インデクサロボットIDRから主搬送ロボットMTRに基板が受け渡されるときには、インデクサロボットIDRは基板を一旦載置台POに載置し、この載置された基板を主搬送ロボットMTRが受け取ることになる。同様に、主搬送ロボットMTRからインデクサロボットIDRに基板を受け渡すときには、主搬送ロボットMTRが基板を載置台POに載置し、この載置された基板をインデクサロボットIDRが受け取る。
【0101】
搬送室240の両側には、それぞれ、第1処理部群251および第2処理部群252が配置されている。第1処理部群251は、スピンコータSCおよびスピンデベロッパSDを搬送室240の長手方向に沿って配列して構成されている。スピンコータSCおよびスピンデベロッパSDと搬送室240との境界部の隔壁には、主搬送ロボットMTRがそれらにアクセスするための開口がそれぞれ形成されており、これらの開口は、搬送室240の長手方向に直交する水平方向に向かって開口している。そして、それらの開口の搬送室240への対向方向は、主搬送ロボットMTRの搬送台1(図1、図9等参照)からずれている。
第2処理部群252は、複数の処理部がそれぞれ多段に積層された3つのグループG1,G2およびG3を搬送室240の長手方向に沿って配列して構成されている。そのうち、第1グループG1は、クールプレートCP1、密着強化ユニットAH、ソフトベーク部SB2,SB1を、この順に下から積層して構成されている。第2グループG2は、クールプレートCP2、ハードベーク部HB3,HB2,HB1を、この順に下から積層して構成されている。第3グループG3は、クールプレートCP4,CP3をこの順で下から積層して構成されている。クールプレートCP3の上方には、2ユニット分の空きスペースがあり、必要に応じて、他の処理ユニットを配設することができるようになっている。
【0102】
各処理ユニットの働きは次のとおりである。
スピンデベロッパ(SD)は、基板を回転しつつ、基板の表面に現像液を供給し、基板の表面に形成された露光後のレジスト膜を現像する。
スピンコータ(SC)は、基板を回転しつつ、基板の表面にレジスト液を供給し、レジストを基板に塗布して、レジスト膜を基板表面に形成する。
【0103】
クールプレート(CP)は、基板を冷却して、次工程に熱影響を与えないようにするためのユニットである。
密着強化ユニット(AH)は、フォトレジストの塗布前に、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)等の薬液蒸気により、フォトレジストの基板への密着強化性を向上させるためのユニットである。
【0104】
ソフトベーク部(SB)は、スピンコータにて処理が施された基板を加熱することにより、フォトレジスト中の溶媒を蒸発させるためのユニットである。
ハードベーク部(HB)は、現像後の残ったフォトレジスト膜を高温で処理してパターンを焼き締め、耐エッチング性の向上を図ったりするためのユニットである。
【0105】
主搬送ロボットMTRは、搬送室240内において、第1ないし第3アームを可能に回動させ、任意の処理部に任意の順序でアクセスすることができる。搬送室240内において、主搬送ロボットMTRに対して載置台POとは反対側には、空きスペース242が生じている。この空きスペース242には、クールプレートCP4,CP3、スピンデベロッパSDおよびインタフェースモジュールIFBなどへの主搬送ロボットMTRのアクセスの障害にならない高さであれば、他の処理ユニットを配置したり、電装品等を配置したりすることができる。
【0106】
インタフェースモジュールIFBは、搬送室240の長手方向と直交する直線搬送路245上を往復直線走行するロボット247を備えている。このロボット247は、主搬送ロボットMTRから、受け渡し位置250において基板を受け取る。直線搬送路245の一端付近には、基板を一時的に収容しておく第1 バッファ部246が設けられており、この直線搬送路245の他端付近には、露光機EXPによる露光処理に失敗した基板を収容するための第2 バッファ部248が備えられている。受け渡し位置250に載置された基板は、一時的に第1 バッファ部246に一旦収容された後、あるいは直接に、受渡しユニット255に受け渡されて、露光機EXP側のロボット(図示せず)によって取り出され、露光処理を受ける。露光処理後の基板は、受渡しユニット255に受け渡され、ロボット247によって取り出されて、一時的に第1 バッファ部246に一旦収容された後、あるいは直接に、基板受け渡し位置250において、主搬送ロボットMTRに受け渡される。
【0107】
この基板処理装置における処理フローの一例を示せば次のとおりである。
すなわち、まず、カセットC1〜C4のうちのいずれかから未処理の1枚の基板がインデクサロボットIDRによって取り出され、載置台POに載置される。この基板は、主搬送ロボットMTRによって受け取られ、まず、密着強化ユニットAHに搬入される。
【0108】
密着強化ユニットAHにおける処理が施された後の基板は、主搬送ロボットMTRによって搬出され、次に、クールプレートCP1またはCP2に搬入される。クールプレートCP1またはCP2での処理が終了すると、主搬送ロボットMTRは、次に、その基板をスピンコータSCに搬入する。スピンコータSCでレジストが塗布された後の基板は、主搬送ロボットMTRによって搬出され、さらに、クールプレートCP3に搬入されて冷却される。冷却後の基板は、主搬送ロボットMTRによって搬出され、次に、インタフェースモジュールIFBを介して、露光機EXPに受け渡される。
【0109】
露光機EXPによる処理後の基板は、インタフェースモジュールIFBを介して主搬送ロボットMTRに受け渡され、スピンデベロッパSDに搬入される。スピンデベロッパSDによる現像処理後の基板は、主搬送ロボットMTRによって搬出され、次いで、ホットベーク部HB1,HB2,HB3のいずれかに搬入されて、加熱処理が施される。この加熱処理後の基板は、主搬送ロボットMTRによって搬出され、さらに、クールプレートCP4に搬入されて冷却される。そして、冷却後の基板は、主搬送ロボットMTRにより搬出されて載置台POに載置される。この載置された基板は、インデクサロボットIDRによって受け取られ、カセットC1〜C4のいずれかに収容される。
【0110】
主搬送ロボットMTRは、各処理ユニットにおいて、一方のハンドで処理済みの基板を取り出し、他方のハンドで未処理の基板を搬入する動作を行う。このような基板交換動作を各処理ユニットを巡回して行うことにより、1枚の基板に対して、上述の処理フローに従う一連の処理が施されていくことになる。
図13は、載置台POの構成例を簡略化して示す平面図である。載置台POは、たとえば、平面視において正三角形の3つの頂点にほぼ対応する位置にそれぞれ配置された3本のピン262を有している。この3本のピン262は、基板Wを下面から点接触して水平に支持するように相互の高さが調整されている。また、必要に応じて、3本のピン262を同時に昇降させるための昇降機構を設け、インデクサロボットIDRとの間での基板Wの受け渡し時と、主搬送ロボットMTRとの間の基板Wの受け渡し時とで、3本のピン262の基板支持高さを変化させるようにしてもよい。
【0111】
3本のピン262による基板支持位置に関連して、位置合わせ機構263が設けられている。この位置合わせ機構263は、ピン262によって水平に支持された基板Wを所定位置に導くことにより、主搬送ロボットMTRまたはインデクサロボットIDRとの間の基板Wの受け渡しを補助するためのものである。位置合わせ機構263は、鉛直方向に沿って立設された4本のガイドピン264を有する。そのうちの2本は、シリンダ265によって、3本のピン262に支持された基板Wに対して近接/離反するように進退駆動される。そして、残る2本のガイドピン264は、シリンダ266によって、基板Wに対して近接/離反変位するように進退駆動される。4本のガイドピン264は、平面視において長方形の4つの頂点に対応する位置にそれぞれ配置されており、これらのガイドピン264を基板Wの端部に当接させることによって、基板Wの位置合わせが達成される。ただし実際には、ガイドピン264をシリンダ265,266により、基板Wに対して近接するように移動した場合でも、基板Wは、ガイドピン264によって完全に挟み込まれるわけではなく、わずかな間隙を残して包み込まれるようにして位置合わせされる。
【0112】
なお、基板Wが所定の長さのオリエンテーションフラットやノッチ等の切欠き部を有する場合は、これらのガイドピン264のすべての間隔が互いに切欠き部の長さよりも長い間隔で配置されるようにすれば、ガイドピン264の少なくとも3 本で基板Wを包み込むことができるので、基板W の位置合わせを正確に行うことができる。
【0113】
図14は、載置台POの他の構成例を示す簡略化した平面図である。この図14において、図13に示された各部と同等の部分には同一の参照符号を付して示す。図14に示された載置台POにおいては、図15に示す構成のガイドローラ267を基板Wの端縁に対応する位置に4つ設けることによって基板Wの位置合わせを達成している。すなわち、ガイドローラ267は、水平な回転軸を中心に回転可能な円柱形状をしており、たとえばフッ素樹脂やUPE (ultra poly-ethylene )等で形成されている。よって、基板Wを上方から落とし込むことにより、3本のピン262による基板支持高さまで基板Wが下降するまでの過程で、基板がずれて4つのガイドローラ267のどれかに当接した場合であっても、ガイドローラ267が回転するので、基板Wは3本のピン262上に載置され位置合わせが達成される。このため、ガイドローラ262が固定されたテーパ上のガイドであった場合に比べて、基板を落とし込む際の基板端縁部での擦れによるパーティクルの発生がほとんど無い。また、この構成は、図13に示された構成と比較すると、シリンダのような駆動機構が不要である点で有利である。
【0114】
なお、この構成例においてもガイドローラ267を4つ設けた理由は、図13の構成例において説明したのと同様に、切欠き部を有する基板に対応するためである。また、この構成例において、基板Wを載置台POに受け渡すハンドの構造は、たとえば図11(b) に示したハンドを用いる。
図16は、載置台POのさらに他の構成例を示す簡略化した斜視図である。この載置台POは、同時に2枚の基板W1およびW2を上下に積層して支持することができる。すなわち、鉛直方向に沿って設けられた1本の支柱271の上端には、平面視においてコ字状の支持腕272が取り付けられており、この支持腕272の両端に、上方に向けて支持ピン273が立設されている。また、支柱271の途中部にも、同様に、コ字状の支持腕274が固定されており、この支持腕274の両端には、上方に向けて支持ピン275が立設されている。また、支持腕272および274に対向する位置には、別の支柱276が鉛直方向に沿って設けられており、この支柱276の上端には、支柱271に向かって水平に延びた支持腕277が固定されており、この支持腕277の先端には、上方に向けて支持ピン278が立設されている。また、支柱276の途中部にも、同様に、支持腕279が支柱271に向かって水平に延びて固定されており、この支持腕279の先端には、上方に向けて支持ピン280が立設されている。
【0115】
上段に配置された合計3本の支持ピン273および278は、平面視においてほぼ正三角形の3つの頂点に対応する位置に配置され、各ピンの先端はほぼ同一水平面上に存在している。同様に、下段に配置された合計3本の支持ピン275,280は、平面視においてほぼ正三角形の3つの頂点に対応する位置に配置され、各ピンの先端はほぼ同一水平面上に存在している。
【0116】
基板の位置合わせを行うために、図13に示された構成と同様、ガイドピン264と、このガイドピン264を基板に対して進退させるためのシリンダ265,266とを有する位置合わせ機構263が備えられている。位置合わせ機構263の位置合わせ時には、支柱271,276は、基板W1またはW2をガイドピン264の高さに導くように、昇降機構281によって昇降される。
【0117】
この構成により、上段の3本の支持ピン273,278によって、1枚の基板W1をほぼ水平に支持することができ、下段の3本の支持ピン275,280によって、他の1枚の基板W2をほぼ水平に支持することができる。このように同時に2枚の基板を支持することができるから、載置台POに1枚の基板が載置されている状態でも、さらに別の基板を載置できる。よって、載置台POにバッファ機能を付加することができるから、搬送タクトを短縮でき、基板の処理を高速に行える。
【0118】
図17は、この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。この図17において、上記の図12に示された各部に対応する部分には同一の参照符号を付して示す。この実施形態の基板処理装置においては、1つのハンドを備えた3θロボットからなる主搬送ロボットMTRが基板の搬送のために用いられる。この主搬送ロボットMTRが収容された搬送室300の両側には、第1処理トラック301と第2処理トラック302とが振り分けて配置されている。第1処理トラック301と第2処理トラック302とは、基板に対してほぼ同様な処理を施すためのものであり、この実施形態においては、薬液洗浄処理および水洗処理ならびに基板乾燥処理を施して、基板を洗浄・乾燥することができるようになっている。
【0119】
具体的には、第1処理トラック301は、インデクサモジュールINDから遠い側から順に、薬液洗浄処理ユニットMTC1と水洗・乾燥処理ユニットDTC1とを搬送室300の長手方向に沿って配列して構成されている。第2処理ユニット302も同様に、インデクサモジュールINDから遠い側から順に、薬液洗浄処理ユニットMTC2と水洗・乾燥処理ユニットDTC2とを搬送室300の長手方向に沿って配列して構成されている。
【0120】
薬液洗浄処理ユニットMTC1,MTC2は、基板を水平に支持した状態で高速回転し、フッ酸などの薬液を用いて基板の表面の異物を除去するためのユニットである。また、水洗・乾燥処理ユニットDTC1,DTC2は、基板を水平に支持した状態で高速回転するとともに、純水や超音波が付与された純水を基板に供給し、また、基板の表面をブラシによりスクラブ洗浄したりして、基板の表面の水洗を行い、さらに、基板を高速回転して水分を振り切って乾燥させるためのものである。
【0121】
薬液洗浄処理ユニットMTC1,MTC2による薬液洗浄処理の後の薬液が付着した基板を水洗・乾燥処理ユニットDTC1,DTC2に搬入するために、薬液洗浄処理ユニットMTC1,MTC2と水洗・乾燥処理ユニットDTC1,DTC2との間には、副搬送ロボットSTR1,STR2がそれぞれ配置されている。副搬送ロボットSTR1,STR2は、それぞれスカラー方式のロボットで構成されており、互いに回動可能に連結された一対のアームを、その連結部を関節として屈伸させることによって、ほぼ直線に沿う水平な経路に沿って基板を搬送することができるものである。この構成により、副搬送ロボットSTR1,STR2は、薬液洗浄処理ユニットMTC1,MTC2から基板を受け取り、その基板を、水洗・乾燥処理ユニットDTC1,DTC2に搬入する。
【0122】
主搬送ロボットMTRは、この実施形態においては、インデクサロボットIDRによって載置台POに置かれた基板を受け取って、薬液洗浄処理ユニットMTC1,MTC2のいずれかに、搬送室300に隣接する側壁に形成された搬入口305,306から、搬入する。これらの搬入口305,306は、搬送室300に対向しているが、その対向方向は主搬送ロボットMTRの搬送台1(図1、図9等参照)からずれている。
また、水洗・乾燥処理ユニットDTC1,DTC2による処理が終了した基板は、インデクサモジュールINDに隣接する側壁に形成された搬出口309,310から搬出される。この場合、処理済みの基板を搬出するのは、インデクサロボットIDRである。
【0123】
インデクサロボットIDRは、この実施形態においては、2つのハンドを備えたダブルハンドの構成となっている。ただし、インデクサロボットIDRは、3θロボットではなく、単に第1の実施形態のインデクサロボットIDRのスカラーアーム機構と同様なスカラーアーム機構が一対備えられているに過ぎない。インデクサロボットIDRは、一方のハンドを、専ら、未処理の基板をカセットから取り出して載置台POに載置するために用い、他方のハンドは、専ら、処理済みの基板を水洗・乾燥処理部DTC1,DTC2から搬出して、いずれかのカセットに収容するために用いる。すなわち、未処理の基板と処理済みの基板とでハンドを使い分けているので、洗浄処理が施された基板を、未洗浄の基板を保持した履歴を持つ汚染されたハンドで保持することがなく、洗浄後の基板の再汚染が防止される。
【0124】
主搬送ロボットMTRに対して載置台POとは反対側の空間320は、空きスペースであり、この空間320はメンテナンスエリアとすることができる。すなわち、搬送室300において載置台POとは反対側の端部に、搬送室300内にアクセスするためのドアを設けておけば、主搬送ロボットMTRや処理ユニットのメンテナンスを容易に行える。しかも、搬送室300内には、ガイドレールなどが存在しないから、良好な作業性で主搬送ロボットMTRなどのメンテナンスを行える。
【0125】
図18は、この発明の第3の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。この図18において、上記の図12に示された各部と同等の部分には同一の参照符号を付して示す。
この基板処理装置は、基板上にレジスト膜を形成する機能と、露光処理後のレジスト膜を現像する機能とを有するものであり、化学増幅型レジスト処理を行うためのものである。化学増幅型レジスト処理とは、レジスト膜の露光処理の後の基板に対して加熱処理を施すことにより、レジスト膜を焼き締めることにより、線幅を縮小し、極微細なレジストパターンの形成を可能とするための処理である。この化学増幅型レジスト処理を施す処理部の配置されるエリアは、アンモニアを除去しておく必要が有り、このための化学吸着フィルタを配置する必要がある。
【0126】
複数の処理部を有する処理モジュール330には、インデクサモジュールINDのインデクサロボットIDRが走行する直線搬送路221の中間部から直交する方向に延びる長尺な搬送室331が設けられている。搬送室331内には、第1の主搬送ロボットMTR1と第2の主搬送ロボットMTR2とが設けられている。第1および第2の主搬送ロボットMTR1,MTR2は、いずれもダブルハンドの3θロボットであり、上記第1の実施形態における主搬送ロボットMTRと同様な構成を有する。
【0127】
搬送室331のインデクサモジュールIND側の端部には、第1の主搬送ロボットMTR1とインデクサモジュールINDとの間に、第1の載置台PO1が設けられている。そして、第1の主搬送ロボットMTR1と第2の主搬送ロボットMTR2との間には、第2の載置台PO2が設けられている。第1および第2の載置台PO1,PO2は、上記第1の実施形態における載置台POと同様な構成を有し、基板の受け渡し時に、基板を一時的に載置することができるものである。
【0128】
搬送室331の両側には、第1処理部群341および第2処理部群342が振り分けて配置されている。各処理部群は、複数の処理部をそれぞれ有している。すなわち、第1処理部群341は、インデクサモジュールIND側から、スピンデベロッパSD1、スピンデベロッパSD2、スピンコータSC1およびスピンコータSC2を、この順で搬送室331の長手方向に沿って配列して構成されている。
これらのうち、スピンデベロッパSD1,SD2は、第1の主搬送ロボットMTR1の近傍に配置され、この第1の主搬送ロボットMTR1による基板の搬入/搬出のためのアクセスが可能なように配置されている。スピンデベロッパSD1,SD2と搬送室331との境界部の隔壁には、主搬送ロボットMTR1がそれらにアクセスするための開口がそれぞれ形成されており、これらの開口は、搬送室331の長手方向に直交する水平方向に向かって開口している。そして、それらの開口の搬送室331への対向方向は、主搬送ロボットMTR1の搬送台1(図1、図9等参照)からずれている。
また、スピンコータSC1,SC2は、第2の主搬送ロボットMTR2の近傍に配置され、この第2の主搬送ロボットMTR2による基板の搬入/搬出のためのアクセスが可能なように配置されている。スピンコータSC1,SC2と搬送室331との境界部の隔壁には、主搬送ロボットMTR1がそれらにアクセスするための開口がそれぞれ形成されており、これらの開口は、搬送室331の長手方向に直交する水平方向に向かって開口している。そして、それらの開口の搬送室331への対向方向は、主搬送ロボットMTR1の搬送台1(図1、図9等参照)からずれている。
【0129】
一方、第2処理部群342は、第1の主搬送ロボットMTR1の近傍に配置された第1ユニットグループUG1と、第2主搬送ロボットMTR2の近傍に配置された第2ユニットグループUG2とを備えており、第1および第2ユニットグループUG1,UG2の間には、空きスペースES1が生じている。
第1ユニットグループUG1は、第1の主搬送ロボットMTR1によってアクセスすることができる複数の処理ユニットを備えている。具体的には、第1ユニットグループUG1は、それぞれ上下方向に複数の処理ユニットを多段に積層して構成されたグループG11とグループG12とを、搬送室331の長手方向に沿って配列して構成されている。グループG11は、下から順に、クールプレートCP1、ホットベーク部HB1、および減圧式密着強化ユニットAHL1を積層して構成されている。また、グループG12も同様に、下から順に、クールプレートCP2、ホットベーク部HB2、および減圧式密着強化ユニットAHL2を積層して構成されている。減圧式密着強化ユニットAHL1,AHL2は、減圧下で、HMDSなどの薬液蒸気によって基板を処理することにより、レジスト膜の基板への密着強化性を向上させるためのユニットである。
【0130】
第2ユニットグループUG2は、インデクサモジュールIND側から順に、エッジ露光ユニットEEWと、複数の処理ユニットを上下に多段積層して構成された一対のグループG21,G22を、搬送室331の長手方向に沿って配列して構成されている。グループG21は、下から順に、クールプレートCP3、空きユニット部(図18において、記号「−」で示す。)と、ソフトベーク部SB1,SB2をこの順で積層して構成されている。グループG22は、下から順に、クールプレートCP4、空きユニット部、ポストイクスポージャーベーク部PEB1,PEB2をこの順に積層して構成されている。なお、エッジ露光ユニットEEWは、基板の周縁部のレジスト膜を露光することにより、後の現像工程において、エッジ部のレジストの除去を可能とするための処理を実行するユニットである。また、ポストイクスポージャーベーク部PEB1,PEB2は、露光処理後のレジスト膜を焼き締めるためのユニットである。
【0131】
第2ユニット群UG2の各処理ユニットは、化学増幅型レジスト処理を行うためのユニットであり、そのため、これらのユニットが配置される領域345には、たとえばアンモニアを吸着する化学吸着フィルタが配置されている。
第1ユニット群UG1と第2処理ユニット群UG2との間の空きスペースES1は、第1の主搬送ロボットMTR1によるアクセスが可能な位置にあるので、必要に応じて他の追加の処理ユニットを配置することもできる。同様に、搬送室331内において、第2の主搬送ロボットMTR2とインタフェースモジュールIFBとの間には、空きスペースES2が生じている。この空きスペースES2は、ガイドレールなどの一切ない空間であり、第2の主搬送ロボットMTR2による基板の搬送の障害とならない高さであれば、電装品や他のユニットを追加して配置することができる。もちろん、第2処理ユニット群UG2のなかの空きユニット部にも、追加のユニットを装備することが可能である。
【0132】
この基板処理装置による処理フローの一例について説明する。
まず、インデクサロボットIDRは、カセットC1〜C4のいずれかから未処理の基板を1枚取り出し、第1の載置台PO1に載置する。この載置された基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって受け取られ、減圧式密着強化ユニットAHL1またはAHL2に搬入される。減圧式密着強化ユニットAHL1またはAHL2による処理が終了した後の基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、次に、クールプレートCP1に搬入される。このクールプレートCP1による冷却処理が終了すると、第1の主搬送ロボットMTR1は、その基板を搬出し、次に、第2の載置台PO2に載置する。この載置された基板は、第2の主搬送ロボットMTR2によって受け取られ、スピンコータSC1またはSC2に搬入されて、レジスト塗布処理が施される。
【0133】
レジスト塗布後の基板は、第2の主搬送ロボットMTR2によって搬出され、ソフトベーク部SB1またはSB2に搬入され、塗布されたレジストが乾燥させられる。この乾燥処理後の基板は、第2の主搬送ロボットMTR2によって搬出され、クループレートCP3に搬入されて、常温まで冷却される。冷却後の基板は、第2の主搬送ロボットMTR2によって搬出され、次に、インタフェースモジュールIFBを介して露光機EXPに与えられる。
【0134】
露光処理後の基板は、インタフェースモジュールIFBを介して第2主搬送ロボットMTR2に受け渡され、さらに、エッジ露光ユニットEEWに搬入される。エッジ露光処理後の基板は、第2主搬送ロボットMTR2によって搬出され、ポストイクスポージャーベーク部PEB1またはPEB2に搬入される。このポストイクスポージャーベーク部PEBまたはPEB2による処理が施された基板は、第2主搬送ロボットMTR2によって搬出され、クールプレートCP4に搬入されて冷却される。冷却後の基板は、第2の主搬送ロボットMTR2によって搬出され、第2の載置台PO2に載置される。
【0135】
この第2の載置台PO2に載置された基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって受け取られ、スピンデベロッパSD1またはSD2のいずれかに搬入され、現像処理が施される。現像処理後の基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、ホットベーク部HB1またはHB2に搬入されて、加熱処理が施される。この加熱処理後の基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、さらに、クループレートCP2に搬入されて冷却される。冷却後の基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出されて、第1の載置台PO1に載置される。この基板をインデクサロボットIDRが受け取り、カセットC1〜C4のいずれかに搬入する。
【0136】
第1および第2の主搬送ロボットMTR1,MTR2は、各処理ユニットにおいて、一方のハンドで処理済みの基板を取り出し、他方のハンドで未処理の基板を搬入する動作を行う。このような基板交換動作を各処理ユニットを巡回して行うことにより、1枚の基板に対して、上述の処理フローに従う一連の処理が施されていくことになる。
【0137】
この実施形態の基板処理装置においては、現像処理に関連する処理ユニットの近傍には第1の主搬送ロボットMTR1を配置し、化学増幅型レジスト処理に関連する処理ユニットの近傍には第2の主搬送ロボットMTR2を配置し、2つの主搬送ロボットMTR1,MTR2の間の基板の受け渡しを、第2の載置台PO2を介して行うようにしている。したがって、化学吸着フィルタを配置すべき領域345が比較的小さくなっている。もしも、上記第1の先行技術のように、処理モジュールを貫く搬送路を走行する搬送ロボットを適用した場合には、この搬送ロボットが走行する搬送室内の全域に化学吸着フィルタを配置しなければならない。
【0138】
図19は、この発明の第4の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。この基板処理装置は、基板の表面を洗浄するための装置であり、両面部ブラシユニットBRと、スピンスクラバSSとが、並設されており、両面ブラシユニットBRに近接して、紫外線洗浄ユニットUVが設けられている。両面ブラシユニットBRは、基板の両面をブラシ洗浄するためのユニットであり、スピンスクラバSSは、基板を回転させつつ、スポンジブラシなどのスクラブ部材を基板に擦り付けることにより、基板の表面をスクラブ洗浄するユニットである。また、紫外線照射ユニットUVは、基板表面に紫外線を照射することによって、表面に存在している有機物を分解して除去し、基板の表面の接触角を小さくして、基板表面を親水性にするための処理である。この処理により、薬液洗浄処理部におけるウエット洗浄の効果を高めることができる。
【0139】
両面ブラシユニットBR、スピンスクラバSSおよび紫外線照射ユニットUVがかたち作る鉤形に包囲されるように、主搬送ロボットMTRが設けられている。この主搬送ロボットMTRは、ダブルハンドの3θロボットであり、図12に示された主搬送ロボットMTRと同様のものであって、基板処理装置の底面のフレームに固定されている。
【0140】
主搬送ロボットMTRに近接した位置には、複数のカセットC1〜C3を直列に配列して載置することができるカセット載置部370が設けられている。主搬送ロボットMTRは、第1〜第3アームを第1ないし第3回転駆動軸まわりにそれぞれ回動させることによって、カセットC1〜C3、紫外線洗浄ユニットUV、両面ブラシユニットBRおよびスピンスクラバSSに対して、基板の搬入/搬出のために、アクセスすることができる。各部にアクセスする際、主搬送ロボットMTRは、未洗浄の基板を一方のハンドAで保持し、洗浄処理後の基板は、他方のハンドBで保持する。
【0141】
処理フローの一例を示せば次のとおりである。
すなわち、主搬送ロボットMTRは、カセットC1〜C3のなかのいずれかから、一方のハンドAで未洗浄の基板を取り出し、紫外線洗浄ユニットUVに搬入する。この紫外線洗浄ユニットによる処理が終了した基板は、主搬送ロボットMTRのハンドAで取り出され、両面ブラシユニットBRに搬入される。この両面ブラシユニットBRでの処理が終了した基板は、ハンドAで搬出され、スピンスクラバSSに搬入される。スピンスクラバSSでの洗浄処理が終了すると、主搬送ロボットMTRは、この洗浄済みの基板を、ハンドBで取り出し、カセットC1〜C3のうちのいずれかに搬入する。
【0142】
この第4 の実施形態は、主搬送ロボットMTRはカセットC1〜C3と複数の処理ユニットとの両方に対して基板を搬入/搬出する点で、上述の第1 ないし第3 の実施形態とは異なる。このため、この第4 の実施形態においては、第1 ないし第3 の実施形態のようなインデクサロボット部がないので、さらに、装置の省スペース化を実現し、装置のコストダウンを図ることができる。
【0143】
図20は、この発明の第5の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す概念的な平面図である。この基板処理装置は、並設された一対のスピンスクラバSS1,SS2を有しており、基板の洗浄処理を行うための装置である。一対のスピンスクラバSS1,SS2に近接して、主搬送ロボットMTRが配置されている。この主搬送ロボットMTRは、ダブルアームの3θロボットであり、図12の主搬送ロボットMTRと同様な構成を有している。そして、図19に示された第4実施形態の装置に備えられた主搬送ロボットMTRと同様、洗浄前の基板を一方のハンドAで保持し、洗浄後の基板を他方のハンドBで保持するように動作する。
【0144】
主搬送ロボットMTRの周囲には、この主搬送ロボットMTRを取り囲むコ字形をなすように、上記スピンスクラバSS1,SS2を含む複数の処理ユニットが配設されている。すなわち、スピンスクラバSS1の近傍の位置には、クールプレートCPおよびデハイバベーク部DB1が、下から順に2段に積層されている。また、スピンスクラバSS2の近傍の位置には、デハイドベーク部DB2,DB3が下から順に積層されている。これらのコ字形に配置された複数の処理ユニットとともに主搬送ロボットMTRを取り囲むように、カセット載置部380が設けられている。このカセット載置部380には、複数のカセットC1〜C4を直列に配列して載置することができるようになっている。
【0145】
主搬送ロボットMTRは、カセットC1〜C4、スピンスクラバSS1,SS2、クールプレートCP、デハイドベーク部DB1,DB2,DB3に対して、基板の搬入/搬出のためにアクセスすることができる。
処理フローの一例を示せば次のとおりである。
まず、主搬送ロボットMTRは、カセットC1〜C4のいずれかから、未洗浄の基板を一方のハンドAで搬出し、その基板を、スピンスクラバSS1またはSS2のいずれかに搬入する。スピンスクラバSS1,SS2での洗浄処理が終了した後の基板は、主搬送ロボットMTRの他方のハンドBで搬出され、デハイドベーク部DB1,DB2またはDB3に搬入され、脱水のための加熱処理が行われる。デハイドベーク部DB1,DB2,DB3での加熱脱水処理後の基板は、主搬送ロボットMTRのハンドBによって搬出され、クールプレートCPに搬入されて冷却される。クールプレートCPでの冷却処理後の基板は、主搬送ロボットMTRのハンドBによって搬出され、カセットC1〜C4のいずれかに収容される。
【0146】
ここで、デハイドベーク部DB1,DB2,DB3およびクールプレートCPは、主搬送ロボットMTRが基板をカセットC1〜C4およびスピンスクラバSS1,SS2に搬入/搬出する際に、主搬送ロボットMTRが干渉することの無いように配置されている。すなわち、たとえば、デハイドベーク部DB1,DB2,DB3およびクールプレートCPの上面の高さは、カセットC1〜C4の基板を収容する高さよりも低くされている。
【0147】
図21は、この発明の第6実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。この基板処理装置は、第2 の実施形態と同様、フッ酸などの薬液を用いた薬液洗浄処理を基板に施した後、その基板を水洗し、さらにスピン乾燥を施す基板洗浄装置である。
主搬送ロボットMTRが配置された搬送室390の一側壁391に隣接して、一対の薬液洗浄処理部MTC1およびMTC2が並設されている。主搬送ロボットMTRを挟んで薬液洗浄処理部MTC1およびMTC2に対向する側壁392に近接する位置には、カセット載置部400が配置されている。このカセット載置部400には、複数のカセットC1〜C3が配置できるようになっている。
【0148】
側壁391に隣接する一対の側壁393および394に近接した位置には、それぞれ、水洗・乾燥処理部DTC1,DTC2が配置されている。そして、水洗・乾燥処理部DTC1と薬液洗浄処理部MTC1との間の装置の角部には、薬液洗浄処理部MTC1による薬液洗浄処理が施された後の基板を水洗・乾燥処理部DTC1に搬入するための副搬送ロボットSTR1が設けられている。同様に、水洗乾燥処理部DTC2と薬液洗浄処理部MTC2との間の装置の角部には、薬液洗浄処理部MTC2による薬液洗浄処理が施された後の基板を水洗・乾燥処理部DTC2に搬入するための副搬送ロボットSTR2が配置されている。
【0149】
副搬送ロボットSTR1,STR2は、1本のハンド395を進退させるためのスカラーアーム機構396と、このスカラーアーム機構396の全体を鉛直軸まわりに回動させるための回動駆動機構(図示せず)とを備えている。この構成により、副搬送ロボットSTR1は、ハンド395を薬液洗浄処理部MTC1,MTC2および水洗・乾燥処理部DTC1,DTC2に選択的に向けることができ、これらに対してハンド395を進退させることができる。
【0150】
薬液洗浄処理部MTC1,MTC2と搬送室390との境界部の隔壁には、主搬送ロボットMTRによる基板の搬入を許容するための開口401,402が形成されており、これらの開口401,402の搬送室390への対向方向は主搬送ロボットMTRの搬送台(図1,図9等参照)からずれている。また、薬液洗浄処理部MTC1,MTC2と副搬送ロボットSTR1,STR2が収容された各室との境界部の隔壁には、副搬送ロボットSTR1,STR2による基板の搬出を許容するための開口403,404が形成されている。また、水洗・乾燥処理部DTC1,DTC2と搬送室390との境界部の隔壁には、主搬送ロボットMTRによる基板の搬出を許容するための開口405,406が形成されており、さらに、水洗・乾燥処理部DTC1,DTC2と副搬送ロボットSTR1,STR2が収容された各室との境界部の隔壁には、副搬送ロボットSTR1,STR2による基板の搬入を許容するための開口407,408が形成されている。
【0151】
各開口401〜408に関連して、それらをそれぞれ開閉するためのシャッタ401a,402a,403a,404a,405a,406a,407a,408aが設けられている。これらのシャッタ401a〜408aは、対応する開口を基板が通るときにのみ開成され、残余の期間には閉塞されるように開閉制御される。これにより、とくに、薬液洗浄処理部MTC1,MTC2において生成される薬液雰囲気が搬送室390に流出することが可及的に防止され、主搬送ロボットMTRの腐食およびカセットC1〜C3に収容された基板への薬液雰囲気による影響が抑制される。
【0152】
カセットC1〜C3に対する薬液の影響をさらに低減するためには、搬送室390とカセット載置部400との境界部の隔壁392に、さらに、シャッタ411a,412a,413aを付属させた開口411,412,413を形成しておくようにしてもよい。そして、シャッタ411a〜413aは、対応する開口411〜413に対して主搬送ロボットMTRがアクセスするときにのみ開成し、残余の期間には閉成されるように開閉制御されるようにする。
【0153】
主搬送ロボットMTRは、図12に示された第1実施形態における主搬送ロボットMTRと同様なダブルハンドの3θロボットである。この主搬送ロボットMTRは、上記第4および第5実施形態の主搬送ロボットMTRの場合と同じく、未洗浄の基板を一方のハンドAで保持し、洗浄処理後の基板を他方のハンドBで保持する。
【0154】
未洗浄の基板は、カセットC1〜C3のうちのいずれかから、主搬送ロボットMTRのハンドAによって搬出され、開口405または開口406からそれぞれ、薬液洗浄処理部MTC1またはMTC2に搬入される。
薬液洗浄処理部MTC1による薬液洗浄処理が終了した基板は、副搬送ロボットSTR1によって搬出され、水洗・乾燥処理部DTC1に搬入される。この水洗・乾燥処理部DTC1による水洗・乾燥処理後の基板は、開口405から、主搬送ロボットMTRのハンドBによって搬出され、カセットC1〜C3のいずれかに搬入される。
【0155】
薬液洗浄処理部MTC2に搬入された基板は、この薬液洗浄処理部MTC2による薬液洗浄処理を経た後、副搬送ロボットSTR2によって搬出され、水洗・乾燥処理部DTC2に搬入される。この水洗・乾燥処理部DTC2による水洗・乾燥処理が終了した基板は、開口406から、主搬送ロボットMTRのハンドBによって搬出され、カセットC1〜C3のいずれかに収容される。
【0156】
図22は、この発明の第7の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。この基板処理装置は、いわゆるCMP(Chemical Mechanical Polishing )処理後の基板の表面に残るスラリーを除去するための洗浄装置である。すなわち、CMP処理では、研磨剤を用いて基板自体の表面または基板表面に形成された薄膜の研磨が行われるのであるが、この研磨処理の後に、研磨材が基板上にスラリーとなって残留している。
【0157】
この基板処理装置は、複数の処理ユニットを有する洗浄モジュール420と、この洗浄モジュール420に処理対象の基板を供給するためのローダ部421と、洗浄処理モジュール420による洗浄処理後の基板が払い出されるアンローダ部422とを直列に配列して構成されている。
ローダ部421は、CMP処理後の基板の表面に残るスラリーの乾燥を防ぐために、水中において基板を待機させる水中ローダとして構成されている。すなわち、ローダ部421は、複数の基板を収容したカセットC1,C2を水槽に貯留された純水中に浸漬しておき、カセットに収容された処理対象の基板を必要時にのみ浮上させる機能を有する。
【0158】
処理モジュール420には、ローダ部421から基板を1枚ずつ取り出すための第1の主搬送ロボットMTR1が備えられている。この第1の主搬送ロボットMTR1が収容された搬送室425には、シャワーノズル426が備えられている。このシャワーノズル426は、第1の主搬送ロボットMTR1によって保持されている基板に終始純水をスプレーする。これにより、基板表面のスラリーの乾燥が防がれる。
【0159】
処理モジュール420の中央には、一対の薬液洗浄処理部MTC1,MTC2が、搬送室425に近接して並設されている。薬液洗浄処理部MTC1とローダ部421の間には、搬送室425に近接して、両面ブラシユニットBR1が配設されている。同様に、薬液洗浄処理部MTC2とローダ部421との間には、搬送室425に近接して、両面ブラシユニットBR2が配設されている。
【0160】
搬送室425に収容された第1の主搬送ロボットMTR1は、ダブルハンドの3θロボットであり、図12に示された第1の実施形態の基板処理装置に備えられた主搬送ロボットMTRと同様な構成を有している。この第1の主搬送ロボットMTR1は、ローダ部421、薬液洗浄処理部MTC1,MTC2および両面ブラシユニットBR1,BR2にアクセスすることができる。その際、第1の主搬送ロボットMTR1は、両面ブラシユニットBR1,BR2によるブラシ洗浄前の基板は、一方のハンドAで保持し、両面ブラシユニットBR1,BR2によるブラシ洗浄後基板は、他方のハンドBで保持する。
薬液洗浄処理部MTC1,MTC2と搬送室425との境界部の隔壁には、第1の主搬送ロボットMTR1がそれらにアクセスするための開口がそれぞれ形成されている。これらの開口の搬送室425への対向方向は、第1の主搬送ロボットMTR1の搬送台1(図1、図9等参照)からずれている。
一対の薬液洗浄処理部MTC1,MTC2に対して、第1の主搬送ロボットMTR1とは反対側には、第2の主搬送ロボットMTR2を収容した搬送室427が配置されている。この搬送室427は、薬液洗浄処理部MTC1,MTC2とアンローダ部421との間に、これらに近接して設けられている。搬送室427に収容された第2の主搬送ロボットMTR2は、第1の主搬送ロボットMTR1と同様な構成を有するダブルハンドの3θロボットである。
薬液洗浄処理部MTC1,MTC2と搬送室427との境界部の隔壁には、第2の主搬送ロボットMTR2がそれらにアクセスするための開口がそれぞれ形成されている。これらの開口の搬送室427への対向方向は、第2の主搬送ロボットMTR2の搬送台1(図1、図9等参照)からずれている。
【0161】
薬液洗浄処理部MTC1とアンローダ部421との間には、搬送室427に隣接して、水洗・乾燥処理部DTC1が設けられている。同様に、薬液洗浄処理部MTC2とアンローダ部421との間には、搬送室427に隣接して、水洗・乾燥処理部DTC2が設けられている。アンローダ部421には、洗浄処理後の基板を収容するためのカセットC3,C4を載置することができるようになっている。
【0162】
第2の主搬送ロボットMTR2は、水洗・乾燥処理部DTC1,DTC2による水洗・乾燥処理前の基板は一方のハンドAで保持し、水洗・乾燥処理後の清浄な基板は他方のハンドBで保持する。
処理フローの一例を次に示す。
第1の主搬送ロボットMTR1は、ローダ部421のカセットC1,C2のいずれかから、未処理の基板をハンドAで受け取り、その基板を両面ブラシユニットBR1またはBR2に搬入する。両面ブラシユニットBR1,BR2による処理が終了した後の基板は、第1の主搬送ロボットMTR1のハンドBによって搬出され、薬液洗浄処理部MTC1またはMTC2に搬入される。このように、両面ブラシユニットBR1,BR2での処理の前後でハンドA,Bを使い分けているので、スラリーが付着した基板を保持した履歴を持つハンドAによって、両面ブラシ洗浄処理後の基板が汚染されることはない。
【0163】
薬液洗浄処理部MTC1,MTC2による薬液洗浄処理が施された後の基板は、第2の主搬送ロボットMTR2のハンドAによって搬出され、水洗・乾燥処理部DTC1またはDTC2に搬入される。水洗・乾燥処理部DTC1,DTC2による処理が施された後の基板は、第2の主搬送ロボットMTR2のハンドBによって搬出され、カセットC3またはC4に搬入される。このように、水洗・乾燥処理部DTC1,DTC2での処理の前後でハンドA,Bを使い分けているので、薬液洗浄処理時に薬液が付着した基板を保持した履歴を持つハンドAによって、水洗・乾燥処理後の基板が汚染されることはない。
【0164】
両面ブラシユニットBR1,BR2と、水洗・乾燥処理部DTC1,DTC2との間には、中央に配置された薬液洗浄処理部MTC1,MTC2よりも外側に、空きスペース431,432が生じている。これらの空きスペース431,432には、必要に応じて、薬液キャビネットや電装品などを配置することができる。
【0165】
なお、この第7 の実施形態においては特に、第1 の主搬送ロボットMTR1を防水構造とする必要が有る。防水構造とするには、たとえば、第1 の主搬送ロボットMTR1の回転可能に連結されたアームの関節に関連して、シール部材(たとえばフッ素樹脂からなる)を周設したり、各部品の接合部にもシール部材を設けたり、また、第1 の主搬送ロボットMTR1を覆っているカバーの内部をその外部よりも高い圧力に保ったりする。さらに、第2の主搬送ロボットMTR2もこれと同様に防水構造とすることが望ましく、この場合はさらに、薬液洗浄処理部MTC1,MTC2の薬液の影響で腐食されるのを防止するために、第2の主搬送ロボットMTR2のアームにフッ素樹脂コーティングを施して耐薬液性を向上させることが望ましい。
【0166】
図23は、この発明の第8の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す簡略化した平面図である。この基板処理装置は、上述の第1 の実施形態と同様に、基板表面にレジスト膜を形成する機能と、露光後のレジスト膜を現像する機能とを有している。
この基板処理装置は、複数の処理ユニットを有する処理モジュール440と、この処理モジュール440の一方端に結合されたカセット載置部441と、処理モジュール440の他方端に結合され、露光機EXPを連設するためのインタフェースモジュールIFBとを備えている。インタフェースモジュールIFBの構成は、図12に示されたインタフェースモジュールIFBと同様である。カセット載置部441は、複数のカセットC1〜C4を直列に配列して載置することができるように構成されている。
【0167】
処理モジュール440は、カセット載置部441の中央付近からインタフェースモジュールIFBに向かって延びた搬送室444を中央に備えている。この搬送室444内には、カセット載置部441側の端部に第1の主搬送ロボットMTR1が配置されており、インタフェースモジュールIFB側の端部に第2の主搬送ロボットMTR2が配置されている。第1および第2の主搬送ロボットMTR1,MTR2は、ダブルハンドの3θロボットであり、図12に示された第1実施形態の装置に備えられた主搬送ロボットMTRと同様な構成のものである。
【0168】
搬送室444の両側には、その長手方向に沿って、第1処理部群451と第2処理部群452とが振り分けられて配置されている。第1処理部群451は、基板にレジストを塗布するためのスピンコータSCと、露光処理後のレジスト膜を現像するためのスピンデベロッパSDとを、搬送室444の長手方向に沿って配列して構成されている。また、第2処理部群452は、複数の処理ユニットをそれぞれ上下に多段に積層して構成された複数のユニットグループ461,462,463を、搬送室444の長手方向に沿って配列して構成されている。
【0169】
ユニットグループ461は、下から順に、クールプレートCP1、密着強化ユニットAH、ソフトベーク部SB2,SB1を積層して構成されている。ユニットグループ462は、下から順に、3つのクールプレートCP2,CP3,CP4を積層して構成されている。ユニットグループ463は、下から順に、3つのハードベーク部HB1,HB2,HB3を積層して構成されている。
【0170】
第1の主搬送ロボットMTR1は、カセットC1〜C4と、スピンコータSCと、ユニットグループ461および462の各処理ユニットとにアクセスして基板の搬入/搬出を行うことができる。また、第2の主搬送ロボットMTR2は、スピンデベロッパSDと、ユニットグループ462および463の各ユニットと、インターフェースユニットIFBにアクセスして基板の搬入/搬出を行うことができる。すなわち、第2処理部群452の3つのユニットグループのうち、中央のユニットグループ462には、第1および第2の主搬送ロボットMTR1,MTR2が共通にアクセスすることができる。そこで、第1の主搬送ロボットMTR1と第2の主搬送ロボットMTR2との間の基板の受け渡しは、ユニットグループ462のいずれかのクールプレートCP2,CP3,CP4を介して行われる。
【0171】
処理フローの一例を示せば次のとおりである。
まず、第1の主搬送ロボットMTR1は、カセットC1〜C4のいずれかから、未処理の基板を搬出し、その基板を密着強化ユニットAHに搬入する。この密着強化ユニットAHでの処理を受けた基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、クールプレートCP1に搬入されて冷却される。冷却後の基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によってクールプレートCP1から搬出され、スピンコータSCに搬入されて、レジスト塗布処理を受ける。レジストが塗布された基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によってスピンコータSCから搬出され、ソフトベーク部SB1またはSB2に搬入されて乾燥させられる。乾燥処理後の基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって、ソフトベーク部SB1,SB2から搬出され、クールプレートCP2またはCP3に搬入されて冷却される。
【0172】
クールプレートCP2,CP3によって冷却された後の基板は、今度は、第2の主搬送ロボットMTR2によって搬出され、インタフェースモジュールIFBを介して露光機EXPに与えられる。露光機EXPによる露光処理後の基板は、インタフェースモジュールIFBを介して、第2の主搬送ロボットMTR2に受け取られる。第2の主搬送ロボットMTR2は、その基板を、スピンデベロッパSDに搬入する。
【0173】
スピンデベロッパSDによって現像処理が施された後の基板は、第2の主搬送ロボットMTR2によって搬出され、ハードベーク部HB1,HB2またはHB3のいずれかに搬入されてパターン焼き締めのための加熱処理が施される。この加熱処理後の基板は、第2の主搬送ロボットMTR2によって、HB1,HB2,HB3にから搬出され、クールプレートCP4に搬入されて冷却される。
【0174】
クールプレートCP4による冷却処理後の基板は、今度は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、カセットC1〜C4のいずれかに収容される。第1および第2の主搬送ロボットMTR1,MTR2は、各処理ユニットにおいて、一方のハンドで処理済みの基板を取り出し、他方のハンドで未処理の基板を搬入する動作を行う。このような基板交換動作を各処理ユニットを巡回して行うことにより、1枚の基板に対して、上述の処理フローに従う一連の処理が施されていくことになる。
【0175】
図23に示すように、第1および第2の主搬送ロボットMTR1,MTR2の間には、空きスペース470が生じている。この空きスペース470には、第1および第2の主搬送ロボットMTR1,MTR2による基板の搬送に差し支えない高さであれば、必要に応じて、処理ユニットを追加して配置することができる。
【0176】
また、この第8の実施形態では、前述の第1 の実施形態に比べ、インデクサ部が存在しない。このため、装置の省スペース化が実現されていることがわかる。図24は、この発明の第9の実施形態に係る基板処理装置の基本的な構成を示す簡略化した平面図である。この基板処理装置は、第3 の実施形態と同様に、化学増幅型レジスト処理によって基板の表面にレジスト膜を形成する機能と、露光されたレジスト膜を現像する機能とを有している。
【0177】
この基板処理装置は、複数の処理ユニットが収容された処理モジュール480を備えている。処理モジュール480の一端には、複数のカセットC1〜C4を直列に配列して載置することができるカセット載置部481が結合されている。また、処理モジュール480の他端には、インタフェースモジュールIFBを介して露光機EXPが連設されている。
【0178】
処理モジュール480は、カセット載置部481の中間部付近から、インタフェースモジュールIFBに向かって延びる、平面視において長尺な搬送室483を備えている。搬送室483内には、カセット載置部481側の端部に第1の主搬送ロボットMTR1が配置されており、中間部付近に第2の主搬送ロボットMTR2が配置されており、さらに、インタフェースモジュールIFB側の端部に第3の主搬送ロボットMTR3が配置されている。第1の主搬送ロボットMTR1と第2の主搬送ロボットMTR2との間には、これらの2つの主搬送ロボットMTR1,MTR2の間での基板の受け渡しの際に受け渡される基板が載置される第1の載置台PO1が備えられている。また、第2の主搬送ロボットMTR2と第3の主搬送ロボットMTR3との間には、これらの間での基板の受け渡しのための第2の載置台PO2が配置されている。
【0179】
第1、第2および第3の主搬送ロボットMTR1,MTR2,MTR3は、ダブルハンドの3θロボットであり、図12に示された第1の実施形態の基板処理装置における主搬送ロボットMTRと同様な構成をそれぞれ有している。また、第1および第2の載置台PO1,PO2は、図12に示された第1の実施形態における載置台POと同様な構成を有するものである。
【0180】
搬送室483の両側には、第1処理部群501と第2処理部群502とが振り分けて配置されている。第1処理部群501は、カセット載置部481側から順に、積層ユニット部503と、スピンデベロッパSD1と、スピンコータSC1と、空きスペース504と、積層ユニット部505とを配列して構成されている。また、第2処理部群502は、カセット載置部481側から順に、積層ユニット部506と、スピンデベロッパSD2と、スピンコータSC2と、エッジ露光ユニットEEWと、積層ユニット部507とを配列して構成されている。
【0181】
積層ユニット部503,505,506,507は、それぞれ、複数の処理ユニットを上下方向に沿って多段に積層して構成されている。具体的には、積層ユニット部503および506は、下から順に、それぞれ、クールプレートCP1,CP2、ハードベーク部HB1,HB2、および減圧式密着強化ユニットAHL1,AHL2を積層して構成されている。また、積層ユニット部505は、下から順に、クールプレートCP4、空きユニット部、ポストイクスポージャベーク部PEB2,PEB1を積層して構成されている。さらに、積層ユニット部507は、下から順に、クールプレートCP3、空きユニット部、ソフトベーク部SB2,SB1をこの順で積層して構成されている。
【0182】
第1の主搬送ロボットMTR1は、カセット載置部481に載置されたカセットC1〜C4、積層ユニット部503および506の各処理ユニット、および載置台PO1にアクセスして、基板の搬入/搬出を行う。また、第2の主搬送ロボットMTR2は、スピンデベロッパSD1,SD2、スピンコータSC1,SC2、および載置台PO1,PO2にアクセスして、基板の搬入/搬出を行う。さらに、第3の主搬送ロボットMTR3は、エッジ露光ユニットEEW、積層ユニット部505および507の各ユニット、インタフェースモジュールIBF、および載置台PO2にアクセスして、基板の搬入/搬出を行う。
スピンコータSC1,SC2およびスピンデベロッパSD1,SD2と搬送室483との境界部の隔壁には、第2の主搬送ロボットMTR2がそれらにアクセスするための開口がそれぞれ形成されており、これらの開口は、搬送室483の長手方向に直交する水平方向に向かって開口している。そして、それらの開口の搬送室483への対向方向は、第2の主搬送ロボットMTR2の搬送台1(図1、図9等参照)からずれている。
【0183】
処理フローの一例を示せば次のとおりである。
すなわち、まず、第1の主搬送ロボットMTR1は、カセットC1〜C4のいずれかから、基板を1枚搬出し、その基板を減圧式密着強化ユニットAHL1またはAHL2に搬入する。この減圧密着強化ユニットAHL1,AHL2での処理後の基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、クールプレートCP1に搬入される。クールプレートCP1で冷却された後の基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、第1の載置台PO1に載置される。
【0184】
第1の載置台PO1に載置された基板は、第2の主搬送ロボットMTR2によって受け取られ、スピンコータSC1またはSC2に搬入される。スピンコータSC1,SC2でレジストが塗布された基板は、第2の主搬送ロボットMTR2によって搬出され、第2の載置台PO2に載置される。この基板は、第3の主搬送ロボットMTR3によって受け取られ、ソフトベーク部SB1またはSB2に搬入され、塗布されたレジストが乾燥される。ソフトベーク部SB1,SB2での処理後の基板は、第3の主搬送ロボットMTR3によって搬出されて、クールプレートCP3に搬入される。クールプレートCP3で冷却された基板は、再び、第3の主搬送ロボットMTR3によって搬出され、インタフェースモジュールIFBを介して露光機EXPに与えられる。
【0185】
露光機EXPによって露光処理がされた基板は、インタフェースモジュールIFBから、第3の主搬送ロボットMTR3に受け取られる。第3の主搬送ロボットMTR3は、受け取った基板を、エッジ露光ユニットEEWに搬入する。エッジ露光処理後の基板は、エッジ露光ユニットEEWから、第3の主搬送ロボットMTR3によって搬出され、ポストイクスポージャベーク部PEB1またはPEB2に搬入される。ポストイクスポージャベーク部PEB1,PEB2で処理された後の基板は、第3の主搬送ロボットMTR3によって搬出され、クールプレートCP4に搬入される。クールプレートCP4において冷却された基板は、第3の主搬送ロボットMTR3によって搬出され、第2の載置台PO2に載置される。
【0186】
この基板は、第2の主搬送ロボットMTR2によって受け取られ、スピンデベロッパSD1またはSD2のいずれかに搬入されて、現像処理が行われる。現像処理後の基板は、スピンデベロッパSD1,SD2から、第2の主搬送ロボットMTR2によって搬出され、第1の載置台PO1に載置される。
この基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって受け取られ、ホットベーク部HB1またはHB2に搬入されて、レジストパターンの焼き締めのための加熱処理が施される。この加熱処理後の基板は、ホットベーク部HB1,HB2から、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、クールプレートCP2に搬入される。クールプレートCP2での冷却処理後の基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、カセットC1〜C4のいずれかに収容される。
【0187】
第1、第2および第3の主搬送ロボットMTR1,MTR2,MTR3は、各処理ユニットにおいて、一方のハンドで処理済みの基板を取り出し、他方のハンドで未処理の基板を搬入する動作を行う。このような基板交換動作を各処理ユニットを巡回して行うことにより、1枚の基板に対して、上述の処理フローに従う一連の処理が施されていくことになる。
【0188】
化学増幅型レジスト処理を施す処理部が配置されるエリア510には、化学吸着フィルタが配置される。この化学吸着フィルタ510が配置されるエリアが、直線搬送路を往復走行する搬送ロボットを用いる場合に比較してはるかに小面積である点は、上述の図18に示された第3の実施形態の場合と同様である。
スピンコータSC1と積層ユニット部505との間の空きスペース504には、必要に応じて追加のユニットを配置することができる。また、この空きスペース504は、第3の主搬送ロボットMTR3やその周辺の処理ユニットのメンテナンスのためのエリアとして利用されてもよい。
【0189】
図25は、この発明の第10の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。この基板処理装置は、第3 および第9 の実施形態と同様に、化学増幅型レジスト処理によって基板の表面にレジスト膜を形成する機能と、露光されたレジスト膜を現像する機能とを有している。
この基板処理装置は、複数の処理ユニットを有する処理モジュール520と、この処理モジュール520の一端に結合されたカセット載置部521と、処理モジュール520の他端において露光機EXPを連設するためのインタフェースモジュールIFBとを備えている。
【0190】
カセット載置部521は、複数のカセットC1〜C4を直列に配列して載置することができるものである。
処理モジュール520において、カセット載置部521側の端部には、第1の主搬送ロボットMTR1が配置されている。この第1の主搬送ロボットMTR1の近傍には、カセット載置部521におけるカセットの配列方向に沿って第1の主搬送ロボットMTR1を挟み込むように、一対のスピンスクラバSS1,SS2が配置されている。
【0191】
第1の主搬送ロボットMTR1に対して、カセット載置部520とは反対側には、積層処理ユニット群531が設けられている。この積層ユニット群531に対して第1の主搬送ロボットMTR1とは反対側には、第2の主搬送ロボットMTR2が配置されている。この第2の主搬送ロボットMTR2を、カセット載置部521におけるカセットの配列方向に沿って挟み込むように、一対のスピンデベロッパSD1,SD2が配置されている。
【0192】
第2の主搬送ロボットMTR2に対して、積層処理ユニット群531とは反対側には、もう1つの積層処理ユニット群532が設けられている。この積層処理ユニット群532に対して、第2の主搬送ロボットMTR2とは反対側には、インタフェースモジュールIFBに隣接して、第3の主搬送ロボットMTR3が配置されている。この第3の主搬送ロボットMTR3を、カセット載置部521におけるカセットの配列方向に沿って挟みこむように、一対のスピンコータSC1,SC2が設けられている。
【0193】
積層処理ユニット群531は、3つの積層ユニット部541,542,543を有している。スピンスクラバSS1およびスピンデベロッパSD1側の積層ユニット部541は、下から順に、クールプレートCP1、ホットベーク部HB1および減圧式密着強化ユニットAHL1を積層して構成されている。第1および第2の主搬送ロボットMTR1,MTR2の間に配置された中央の積層ユニット部542は、下から順に、クールプレートCP3,CP2、デハイドベーク部DB2、DB1を積層して構成されている。これらのうち、クールプレートCP2およびCP3は、第1および第2の主搬送ロボットMTR1,MTR2の間の基板の受け渡し場所としても利用される。さらに、積層ユニット部543は、下から順に、クールプレートCP4、ホットベーク部HB2および減圧式密着強化ユニットAHL2を積層して構成されている。クールプレートCP4は、第1および第2の主搬送ロボットMTR1,MTR2の間の基板の受け渡しのための場所として利用される場合もある。
【0194】
積層ユニット群532は、スピンコータSC1およびスピンデベロッパSD1側に配置された積層ユニット部551と、中央に配置された積層ユニット部552と、スピンデベロッパSD2およびスピンコータSC2の側に配置されたエッジ露光ユニットEEWとを備えている。積層ユニット部551は、下から順に、クールプレートCP5、空きユニット部、ソフトベーク部SB2,SB1を積層して構成されている。積層ユニット部552は、下から順に、クールプレートCP6、載置台部PO、ポストイクスポージャベーク部PEB1,PEB2を積層して構成されている。第2および第3の主搬送ロボットMTR2,MTR3の間の基板の受け渡しは、載置台部POまたはクールプレートCP6を介して行われる。
【0195】
第1、第2および第3の主搬送ロボットMTR1,MTR2,MTR3は、それぞれ、ダブルハンドの3θロボットであり、図12に示された第1実施形態の基板処理装置における主搬送ロボットMTRと同様な構成を有している。そして、第1の主搬送ロボットMTR1は、カセット載置部521に載置されたカセットC1〜C4、スピンスクラバSS1,SS2、積層ユニット群531に備えられた任意の処理ユニットにアクセスして、基板の搬入/搬出を行うことができる。また、第2の主搬送ロボットMTR2は、スピンデベロッパSD1,SD2、積層ユニット群531に備えられた任意の処理ユニット、および積層ユニット群532に備えられた任意の処理ユニットにアクセスして、基板の搬入/搬出を行うことができる。さらに、第3の主搬送ロボットMTR3は、スピンコータSC1,SC2、積層ユニット群532に備えられた任意の処理ユニット、およびインタフェースモジュールIBFにアクセスして、基板の搬入/搬出を行うことができる。
【0196】
スピンスクラバSS1,SS2とスピンデベロッパSD1,SD2との間には、それぞれ、積層ユニット群531の外側に、空きスペース561,562が生じている。また、スピンデベロッパSD1,SD2とスピンコータSC1,SC2との間には、それぞれ、積層ユニット群532の外側に、空きスペース563,564が生じている。これらの空きスペース561〜564には、薬液キャビネットや電装品などを配置することができる。
【0197】
処理フローの一例を以下に示す。
まず、第1の主搬送ロボットMTR1は、カセットC1〜C4のいずれかから未処理の基板を取り出し、スピンスクラバSS1またはSS2に搬入する。スピンスクラバSS1,SS2での処理が終了した後の基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、デハイドベーク部DB1またはDB2のいずれかに搬入される。ここでの処理が終了した基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、クールプレートCP1に搬入される。クールプレートCP1で冷却された基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、次に、減圧式密着強化ユニットAHL1またはAHL2に搬入される。ここでの処理が終了した基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、クールプレートCP2またはCP3に搬入される。
【0198】
クールプレートCP2,CP3で冷却された基板は、今度は、第2の主搬送ロボットMTR2によって搬出され、さらに、積層ユニット群532の載置台部POに載置され、第3の主搬送ロボットMTR3に受け渡される。
第3の主搬送ロボットMTR3は、載置台部POに載置された基板を受け取り、その基板を、スピンコータSC1またはSC2に搬入する。スピンコータSC1,SC2でレジスト塗布処理が施された後の基板は、第3の主搬送ロボットMTR3によって搬出され、ソフトベーク部SB1またはSB2に搬入される。ソフトベーク部SB1,SB2での処理が終了した基板は、第3の主搬送ロボットMTR3によって搬出され、クールプレートCP5に搬入される。クールプレートCP5で冷却された基板は、第3の主搬送ロボットMTR3によって搬出され、インタフェースモジュールIFBを介して露光機EXPに与えられる。
【0199】
露光機EXPによって露光処理が施された後の基板は、インタフェースモジュールIFBを介して第3の主搬送ロボットMTR3に受け渡され、エッジ露光ユニットEEWに搬入される。エッジ露光処理後の基板は、エッジ露光ユニットEEWから第3の主搬送ロボットMTR3によって搬出され、さらに、ポストイクスポージャベーク部PEB1またはPEB2に搬入される。ここでの処理が終了した基板は、第3の主搬送ロボットMTR3によって搬出され、クールプレートCP6に搬入される。
【0200】
クールプレートCP6で冷却された基板は、次に、第2の主搬送ロボットMTR2によって搬出され、スピンデベロッパSD1またはSD2に搬入され、現像処理が行われる。スピンデベロッパSD1,SD2での処理後の基板は、第2の主搬送ロボットMTR2によって搬出され、ホットベーク部HB1またはHB2に搬入される。ホットベーク部HB1,HB2でレジストパターンの焼き締めのための加熱処理が施された後の基板は、第2の主搬送ロボットMTR2によって搬出され、クールプレートCP4に搬入される。
【0201】
クールプレートCP4で冷却された後の基板は、第1の主搬送ロボットMTR1によって搬出され、カセット載置部521のいずれかのカセットC1〜C4に収容される。
第1、第2および第3の主搬送ロボットMTR1,MTR2,MTR3は、各処理ユニットにおいて、一方のハンドで処理済みの基板を取り出し、他方のハンドで未処理の基板を搬入する動作を行う。このような基板交換動作を各処理ユニットを巡回して行うことにより、1枚の基板に対して、上述の処理フローに従う一連の処理が施されていくことになる。
【0202】
二点鎖線で示す領域570には、化学吸着フィルタが配置される。直線搬送路を往復走行する搬送ロボットを用いた基板処理装置の場合に比較して、化学吸着フィルタが配置される領域がはるかに縮小される点は、上述の第3および第9の実施形態の場合と同様である。
図26は、上述の各実施形態の基板処理装置に備えられた主搬送ロボットMTR(ここでは、主搬送ロボットMTR、MTR1,MTR2を総称して指すものとする。)のメンテナンスのための構成例を示す概念図である。
【0203】
上述の基板処理装置、特に、主搬送ロボットMTRや処理ユニットに何らかのトラブルが生じた際、そのメンテナンスを行う場合の作業性が非常に重要となる。なぜなら、そのトラブルが発生した時点で基板処理装置を停止させる必要が有り、このトラブルを復旧させるためのメンテナンス時間が長いほど、結果的に、装置全体の生産能力が低下するからである。すなわち、装置の生産能力を向上させるためには、メンテナンス時の作業性を向上させ、このメンテナンス時間を可能な限り短くする必要が有る。
【0204】
半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板を処理する装置は、通常、天井から下方向に吹く清浄な気流、すなわちダウンフローが形成されたクリーンルーム内に配置されて使用される。クリーンルームは、通常、図26に示されているように、上述のダウンフローが巻き上がるのを防止するために、2階部分602のフロアは、ダウンフローが通過可能な格子状のグレーチング605で構成され、1階部分601の気圧は2階部分602の気圧よりも低く調整されている。よって、この清浄な2階部分602のフロアであるグレーチング605の上に基板処理装置610が配置される。
【0205】
そこで、1階部分601のフロア604と2階部分のフロアを構成しているグレーチング605との間に、主搬送ロボットMTRを昇降させるためのエレベータ機構615が設けられている。基板処理装置610の床面およびグレーチング605には、主搬送ロボットMTRを1階部分601に下降させるための開口が形成されており、この開口を介して主搬送ロボットMTRを1階部分601のフロア604まで下降させることができるようになっている。なお、エレベータ機構615は、人間の手で手動で昇降させるものであっても良いし、モータ等の昇降用駆動源によって昇降させるものであっても良い。
【0206】
この構成によれば、主搬送ロボットMTRを1階部分601に引き下ろして、主搬送ロボットMTRの周囲の全方向からメンテナンスすることができるので、メンテナンス作業を極めて良好な作業性で行える。
このようなメンテナンスが可能なのは、上述の各実施例において用いられている主搬送ロボットMTRが、いずれも、直線搬送路を往復走行しない構成であるからである。すなわち、直線搬送路を走行する構成の搬送ロボットでは、搬送路に設けられたガイドレールと搬送ロボットとが係合しているから、図26に示されたメンテナンス方法を採用することは、実際上困難である。
【0207】
図27は、他のメンテナンス方法を説明するための図である。この図27において、図26に示された各部に対応する部分には同一の参照符号を付して示す。この図27に示された構成では、2階部分602のフロアを構成しているグレーチング605と、1階部分601のフロア604との間には、主搬送ロボットMTRが収容された搬送室630の内部に対応する位置に、メンテナンス用の階段またははしご620が設けられている。作業者は、階段またははしご620を登り、搬送室630内に入り込み、主搬送ロボットMTRや他の処理ユニットのメンテナンスを行うことができる。
【0208】
メンテナンス作業を行いやすくするためには、たとえば、主搬送ロボットMTRの側方に配置された載置台POなどをスライドまたは開閉可能に構成しておき、この載置台POなどをスライドまたは開閉させて、メンテナンスのための十分な空間を確保するようにしてもよい。
この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は上記の実施形態に限定されるものではない
【0209】
たとえば、図7ないし図10に示された構成において、アーム伸縮機構としてスカラーアーム機構を例にとって説明したが、スカラーアーム機構に替えて、下に説明するようなリンク機構を利用したパンタグラフ機構をアーム伸縮機構として採用することもできる。
図28に示すように、パンタグラフ機構700は、駆動源701を備える駆動部702と、被駆動部703との間を連結し、被駆動部703の姿勢を保持したまま、被駆動部703を駆動部702に対して接近または離間するように移動させることができる。
具体的に説明すると、パンタグラフ機構700は、互いにその端部で回転可能に連結された一対のアーム704a,704bを有する第1アーム部704と、これと同様に構成されてこの第1アーム部に対向し、一対のアーム705a,705bを有する第2アーム部705とからなる。さらに、第1アーム部704および第2アーム部705の先端側には被駆動部703が回転可能に連結され、これらの後端側には駆動部702が駆動可能に連結されている。さらにこの後端側の連結について詳しく説明すると、第1アーム部704の後端側に固定された第1ギア711と、第2アーム部705の後端側に固定された第2ギア712とが噛合するようになっており、第1ギア111には、駆動源701に接続された第3ギア713が噛合されている。
【0210】
これにより、図28において、たとえば、駆動源701が第3ギア713を時計方向に回転させると、アーム704bとアーム705bとが互いに開く方向に回転し、アーム704aとアーム705aとが互いに閉じる方向に回転し、結果的に、被駆動部703は駆動部702の方向に直線移動し、接近する。ここで、第3ギア713を反時計方向に回転させた場合は、被駆動部703は駆動部702から離間する。また、これらのアームの長さや、第1ギア711と第2ギア712とのギア比を同一にしているので、たとえ移動しても、被駆動部703の姿勢は保持されたままである。
【0211】
ここで、駆動部702および被駆動部703は、図7ないし図10の基板搬送機構を構成する部分のうち、互いに接近または離間する任意の2つの部分をあらわす。換言すれば、パンタグラフ機構700は、スカラーアーム機構と同様に、図7ないし図10のいずれの基板搬送機構においても適用することが可能で、搬送台から基板保持手段までのどの位置においても備えることができる。
【0212】
このパンタグラフ機構700は、スカラーアーム機構と比較すると、搬送する基板等の重量が大きい場合でも搬送可能であり、また、スカラーアーム機構のようにベルトやプーリを必要としないので、パーティクルの発生がより少なくて耐久性のある構造とすることができる。
さらに、図7ないし図10、図28で示されたアーム伸縮機構において、その回転可能な連結部分の回転軸は、ほぼ鉛直方向に沿って設けられているが、たとえば、回転軸をほぼ水平方向に沿って設けたとしても本発明を実施することができる。この場合、アームはほぼ鉛直な平面に沿って伸縮するので、基板搬送機構自体の設置スペースが小さくなり、装置の省スペース化に寄与することができる。また、アーム伸縮機構の回転軸の設けられる方向はどの方向でも良く、要するに、アーム伸縮機構は、、互いに回転可能に連結された複数のアーム部間の連結部を関節として伸縮するものであれば良い。
【0213】
さらには、図9に示された構成において、コラム90が昇降のみを行い、回転駆動軸θ11まわりの回転を行わない構成の搬送ロボットを用いることもできる。ただし、この場合には、図9のx方向に関してのみ基板の搬入/搬出を行えることになるから、搬送ロボットの片側(図9の右側)に複数の処理部をほぼ直線状に配置した、いわゆる片側配置のレイアウトを採用する必要がある。
【0214】
さらにまた、図10の構成のロボットを変形して、昇降用スカラーアーム機構を、たとえば、第1アーム11と第2アーム12との間、または第2アーム12と第3アーム13との間に配置するようにしてもよく、このような構成であっても、直線摺動機構を用いることなく基板を昇降することができる。
なお、図22に示す第7 の実施形態において説明した防水構造の主搬送ロボットMTR1,MTR2を、第2,第4 ないし第6 の実施形態における主搬送ロボットMTRに対しても適用することが望ましい。
【0215】
その他、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板搬送ロボットの基本構成を示す概念図であり、(a) は概念的な断面図であり、(b) は概念的な平面図である。
【図2】上述の基板搬送ロボットのより具体的な構成を説明するための断面図である。
【図3】図2に示された構成の平面図である。
【図4】基板搬送ロボットの昇降駆動機構を示す断面図である。
【図5】基板を搬送することができる範囲を説明するための図である。
【図6】ダブルハンドの3θロボットの1つの構成例を示す図であり、(a) は簡略化した側面図、(b) は簡略化した平面図である。
【図7】ダブルハンドの3θロボットの他の構成例を示す図であり、(a) は簡略化した側面図、(b) は簡略化した平面図である。
【図8】ダブルアームの3θロボットのさらに他の構成例を示す図であり、(a) は簡略化した側面図、(b) は簡略化した平面図である。
【図9】3θロボットの他の構成例を示す簡略化した平面図である。
【図10】適用可能な基板搬送ロボットのさらに他の例を示す簡略化した側面図である。
【図11】適用可能な基板保持ハンドを例示するための平面図である。
【図12】この発明の第1の実施形態にかかる基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。
【図13】基板の受け渡しのための載置台の構成例を簡略化して示す平面図である。
【図14】載置台の他の構成例を示す簡略化した平面図である。
【図15】載置台の他の構成例における基板の位置決めのためのガイドローラの斜視図である。
【図16】載置台のさらに他の構成例を示す簡略化した斜視図である。
【図17】この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。
【図18】この発明の第3の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。
【図19】この発明の第4の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。
【図20】この発明の第5の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。
【図21】この発明の第6実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。
【図22】この発明の第7の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。
【図23】この発明の第8の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。
【図24】この発明の第9の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。
【図25】この発明の第10の実施形態に係る基板処理装置の全体の構成を示す簡略化した平面図である。
【図26】各実施形態の基板処理装置に備えられた主搬送ロボットのメンテナンスのための構成例を示す概念図である。
【図27】他のメンテナンス方法を説明するための図である。
【図28】アーム伸縮機構として適用可能なパンタグラフ機構の構成を説明するための概念図である。
【符号の説明】
11 第1アーム
12 第2アーム
13 第3アーム
13A,13B スカラーアーム機構
21 第1モータ
22 第2モータ
23 第3モータ
91,92 スカラーアーム機構
98 スカラー昇降機構
M0 モータ
MTR 主搬送ロボット
MTR1 第1の主搬送ロボット
MTR2 第2の主搬送ロボット
MTR3 第3の主搬送ロボット
PO 載置台
PO1 第1の載置台
PO2 第2の載置台
201 基板処理モジュール
IND インデクサモジュール
IDR インデクサロボット
C1〜C4 カセット
222 カセット載置部
330 処理モジュール
370 カセット載置部
380 カセット載置部
400 カセット載置部
401〜408,411〜413 開口
401a〜408a,411a〜413a シャッタ
420 処理モジュール
421 ローダ部
440 処理モジュール
441 カセット載置部
480 処理モジュール
481 カセット載置部
520 処理モジュール
521 カセット載置部
601 1階部分
602 2階部分
605 グレーチング
615 エレベータ機構
700 パンタグラフ機構
701 駆動源

Claims (28)

  1. 基板に一連の処理を施す複数の処理部と、
    上記複数の処理部に対して基板を搬送する基板搬送機構と、
    この基板搬送機構が収容された搬送室とを含んだ基板処理装置であって、
    上記複数の処理部と上記搬送室との境界部の隔壁には、上記基板搬送機構が上記複数の処理部にアクセスするための複数の開口がそれぞれ形成されており、
    上記基板搬送機構は、
    当該基板処理装置の底面部に固定された搬送台と、
    この搬送台に対して、ほぼ鉛直方向に沿う第1回転駆動軸を中心に回転可能に連結された第1回転部材と、
    この第1回転部材を回転駆動するための第1駆動源と、
    上記第1回転部材に対して、ほぼ鉛直方向に沿う第2回転駆動軸を中心に回転可能に連結された第2回転部材と、
    この第2回転部材を回転駆動するための第2駆動源と、
    上記第2回転部材に対してほぼ鉛直方向に沿う第3回転駆動軸を中心に回転可能に連結された第1アーム部およびこの第1アーム部の先端に鉛直軸まわりの回動が可能であるように取り付けられた第2アーム部を備えたアーム伸縮機構、ならびに上記第2アーム部の先端に鉛直軸まわりの回転が可能であるように取り付けられた基板保持ハンドをそれぞれ有する一対の基板保持手段と、
    この一対の基板保持手段の上記第1アーム部を回転駆動するための一対の第3駆動源とを備えており、
    上記複数の処理部は、上記開口の上記搬送室側への対向方向が上記搬送台からずれている処理部を含んでおり、
    上記基板搬送機構は、上記第1回転駆動軸、第2回転駆動軸および第3回転駆動軸のまわりで、それぞれ上記第1回転部材、第2回転部材および第1アーム部を独立して回転させることができるものである
    ことを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記一対の基板保持手段の全体を、前記第3回転駆動軸まわりにそれぞれ回動させるための回動用モータが、前記一対の基板保持手段のそれぞれについて設けられていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  3. 上記第1回転部材または第2回転部材は、互いに回転可能に連結された複数のアーム部を有し、アーム部間の連結部を関節として伸縮するアーム伸縮機構を備えているものであることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
  4. 上記第1駆動源は、上記搬送台に取り付けられており、
    上記第2駆動源は、上記第1回転部材に取り付けられており、
    上記第3駆動源は、上記基板保持手段に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 上記一対の基板保持手段の一方の基板保持ハンドは、上記複数の処理部のうち特定の処理部に基板を搬入する基板搬入用ハンドであり、
    上記一対の基板保持手段の他方の基板保持ハンドは、その特定の処理部から基板を搬出する基板搬出用ハンドであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置。
  6. 基板に一連の処理を施す複数の処理部と、
    上記複数の処理部に対して基板を搬送する基板搬送機構と、
    この基板搬送機構が収容された搬送室とを含んだ基板処理装置であって、
    上記複数の処理部と上記搬送室との境界部の隔壁には、上記基板搬送機構が上記複数の処理部にアクセスするための複数の開口がそれぞれ形成されており、
    上記基板搬送機構は、
    当該基板処理装置の底面部に固定された搬送台と、
    互いに回転可能に連結された一組のアーム部を有し、第1の水平方向に沿ってアーム部間の連結部を関節として伸縮可能であるように上記搬送台に取り付けられた第1のアーム伸縮機構と、
    この第1のアーム伸縮機構を伸縮させるために、この第1のアーム伸縮機構に回転力を与える第1アーム伸縮駆動源と、
    互いに回転可能に連結された一組のアーム部を有し、上記第1の水平方向と直交する第2の水平方向に沿ってアーム部間の連結部を関節として伸縮可能であるように上記第1のアーム伸縮機構に連結された第2のアーム伸縮機構と、
    この第2のアーム伸縮機構を伸縮させるために、この第2のアーム伸縮機構に回転力を与える第2アーム伸縮駆動源と、
    上記第2のアーム伸縮機構に設けられ、基板を保持するための基板保持手段とを備えており、
    上記複数の処理部は、上記開口の上記搬送室側への対向方向が上記搬送台からずれている処理部を含んでいる
    ことを特徴とする基板処理装置。
  7. 上記第1のアーム伸縮機構は、上記搬送台に対して、ほぼ鉛直方向に沿う回転駆動軸まわりに回転可能に連結されており、
    上記基板搬送機構は、上記第1のアーム伸縮機構を、上記回転駆動軸まわりに回転駆動するための回転駆動源をさらに備えていることを特徴とする請求項記載の基板処理装置。
  8. 上記基板搬送機構は、上記基板保持手段を複数個有するものであることを特徴とする請求項6または7に記載の基板処理装置。
  9. 上記複数の基板保持手段は、
    互いに独立して動作し、上記複数の処理部のうちの互いに異なる処理部に対して基板を搬送するものであることを特徴とする請求項8記載の基板処理装置。
  10. 上記複数の基板保持手段は、
    上記複数の処理部のうち特定の処理部に基板を搬入する基板搬入用ハンドと、
    その特定の処理部から基板を搬出する基板搬出用ハンドとを含むことを特徴とする請求項8または9に記載の基板処理装置。
  11. 上記基板処理装置が載置されるグレーチング床面よりも下方に上記基板搬送機構を移動させる移動手段をさらに備え、グレーチング床面よりも下方の空間において上記基板搬送機構をメンテナンスできるようにしたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の基板処理装置。
  12. 基板に一連の処理を施す複数の処理部と、
    上記複数の処理部に対して基板を搬送する基板搬送機構と、
    この基板搬送機構が収容された搬送室とを含んだ基板処理装置であって、
    上記複数の処理部と上記搬送室との境界部の隔壁には、上記基板搬送機構が上記複数の処理部にアクセスするための複数の開口がそれぞれ形成されており、
    上記複数の処理部は、上記基板搬送機構を囲むように配置されており、
    上記基板搬送機構は、
    当該基板処理装置の底面部に固定された搬送台と、
    この搬送台に対して、ほぼ鉛直方向に沿う第1回転駆動軸を中心に回転可能に連結された第1回転部材と、
    この第1回転部材を回転駆動するための第1駆動源と、
    上記第1回転部材に対して、ほぼ鉛直方向に沿う第2回転駆動軸を中心に回転可能に連結された第2回転部材と、
    この第2回転部材を回転駆動するための第2駆動源と、
    上記第2回転部材に対して、ほぼ鉛直方向に沿う第3回転駆動軸を中心に回転可能に連結され、基板を保持することができる基板保持手段と、
    この基板保持手段を回転駆動するための第3駆動源とを備えており、
    上記複数の処理部は、上記開口の上記搬送室側への対向方向が上記搬送台からずれている処理部を含んでおり、
    上記基板搬送機構は、上記第1回転駆動軸、第2回転駆動軸および第3回転駆動軸のまわりで、それぞれ上記第1回転部材、第2回転部材および基板保持手段を独立して回転させることができるものであり、
    上記基板処理装置は、さらに、当該基板処理装置が載置されるグレーチング床面よりも下方に上記基板搬送機構を移動させる移動手段を備え、グレーチング床面よりも下方の空間において上記基板搬送機構をメンテナンスできるようにしてあることを特徴とする基板処理装置。
  13. 上記基板搬送機構は、さらに、
    上記搬送台と上記基板保持手段との間のいずれかの位置に介装され、かつ、当該位置においてほぼ水平方向に沿う回転駆動軸を中心に回転可能に連結された昇降用回転部材と、この昇降用回転部材を回転駆動するための昇降用駆動源とを含むものであることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の基板処理装置。
  14. 上記基板搬送機構のうちの回転可能に連結された部分に関連して磁性流体シールを周設することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の基板処理装置。
  15. 上記基板保持手段は、角形基板を保持することができるものであることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の基板処理装置。
  16. 上記複数の処理部のうちの少なくとも一部の処理部群は、ほぼ水平方向に沿って直線状に連設された複数の処理部からなることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の基板処理装置。
  17. 上記基板搬送機構が複数個設けられており、
    この複数の基板搬送機構のうち少なくとも一対の基板搬送機構の間で、互いに基板を受け渡しするための基板受け渡し台をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の基板処理装置。
  18. 基板を複数枚収容可能なカセットを複数個載置するカセット載置部をさらに備え、
    上記基板搬送機構は、さらに、上記カセット載置部に載置された複数個のカセットに対して基板を収容または取り出しするものであることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の基板処理装置。
  19. 上記カセット載置部と上記基板搬送機構との間に、基板が通過する開口が形成された隔壁と、この隔壁の開口を開閉するシャッター機構とを介在させたことを特徴とする請求項18記載の基板処理装置。
  20. 上記複数の処理部のうち、少なくとも1つは、基板に対して処理剤を供給して基板に処理を施す処理剤供給処理部であることを特徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載の基板処理装置。
  21. 上記処理剤供給処理部は、基板に洗浄液を供給して基板を洗浄処理する洗浄処理部であることを特徴とする請求項20記載の基板処理装置。
  22. 上記処理剤供給処理部は、CMP処理が施された基板に洗浄液を供給して基板を洗浄処理するCMP後洗浄処理部であることを特徴とする請求項20記載の基板処理装置。
  23. 上記基板保持手段に保持された基板に純水を供給するシャワー手段を備えたことを特徴とする請求項21または22に記載の基板処理装置。
  24. 上記複数の処理部のうち、少なくとも1つは基板に対して化学増幅型レジスト処理を行う化学増幅型レジスト処理部であることを特徴とする請求項1ないし20のいずれかに記載の基板処理装置。
  25. 上記基板搬送機構が移動する範囲である搬送エリアに、上記複数の処理部のうち少なくとも1つの処理部または上記基板搬送機構をメンテナンスするためのメンテナンスエリアを備えたことを特徴とする請求項1ないし24のいずれかに記載の基板処理装置。
  26. 上記搬送室は、上記複数の処理部が連設される水平方向に沿う長手方向に延びて設けられていることを特徴とする請求項16記載の基板処理装置。
  27. 上記搬送室を挟んで上記複数の処理部とは反対側に設けられ、上記搬送室の長手方向に沿って配列された別の複数の処理部をさらに備え、
    上記基板搬送機構は、さらに、上記別の複数の処理部に対して基板を搬送するものであることを特徴とする請求項26記載の基板処理装置。
  28. 上記搬送室を挟んで上記複数の処理部とは反対側に設けられ、基板を複数枚収容可能なカセットを上記搬送室の長手方向に沿って複数個載置するカセット載置部をさらに備え、
    上記基板搬送機構は、さらに、上記カセット載置部に載置された複数個のカセットに対して基板を収容または取り出しするものであることを特徴とする請求項26記載の基板処理装置。
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