以下、本実施の形態に係る基板処理装置について図面を用いて説明する。
なお、以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等をいう。
また、以下の図面には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。なお、各方向において矢印が向かう方向を+方向、その反対の方向を−方向とする。また、Z方向を中心とする回転方向をθ方向としている。
(1) 基板処理装置の構成
以下、本実施の形態に係る基板処理装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る基板処理装置の模式的平面図である。
図1に示すように、基板処理装置500は、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14、洗浄/乾燥処理ブロック15およびインターフェースブロック16を含む。基板処理装置500では、これらのブロックが上記の順で並設される。
基板処理装置500のインターフェースブロック16に隣接するように露光装置17が配置される。露光装置17では、液浸法により基板Wの露光処理が行われる。
インデクサブロック9は、各ブロックの動作を制御するメインコントローラ(制御部)91、複数のキャリア載置台92およびインデクサロボットIRを含む。インデクサロボットIRには、基板Wを受け渡すためのハンドIRH1,IRH2が上下に設けられる。
反射防止膜用処理ブロック10は、反射防止膜用熱処理部100,101、反射防止膜用塗布処理部30および第1のセンターロボットCR1を含む。反射防止膜用塗布処理部30は、第1のセンターロボットCR1を挟んで反射防止膜用熱処理部100,101に対向して設けられる。第1のセンターロボットCR1には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH1,CRH2が上下に設けられる。
インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間には、雰囲気遮断用の隔壁20が設けられる。この隔壁20には、インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS1,PASS2が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS1は、基板Wをインデクサブロック9から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS2は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からインデクサブロック9へ搬送する際に用いられる。
また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示せず)が設けられている。それにより、基板載置部PASS1,PASS2において基板Wが載置されているか否かの判定を行うことが可能となる。
また、基板載置部PASS1,PASS2には、固定設置された複数本の支持ピンが設けられている。なお、上記の光学式のセンサおよび支持ピンは、後述する基板載置部PASS3〜PASS16にも同様に設けられている。
レジスト膜用処理ブロック11は、レジスト膜用熱処理部110,111、レジスト膜用塗布処理部40および第2のセンターロボットCR2を含む。レジスト膜用塗布処理部40は、第2のセンターロボットCR2を挟んでレジスト膜用熱処理部110,111に対向して設けられる。第2のセンターロボットCR2には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH3,CRH4が上下に設けられる。
反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間には、雰囲気遮断用の隔壁21が設けられる。この隔壁21には、反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS3,PASS4が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS3は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS4は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられる。
現像処理ブロック12は、現像用熱処理部120,121、現像処理部50および第3のセンターロボットCR3を含む。現像処理部50は、第3のセンターロボットCR3を挟んで現像用熱処理部120,121に対向して設けられる。第3のセンターロボットCR3には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH5,CRH6が上下に設けられる。
レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間には、雰囲気遮断用の隔壁22が設けられる。この隔壁22には、レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS5,PASS6が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS5は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS6は、基板Wを現像処理ブロック12からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられる。
レジストカバー膜用処理ブロック13は、レジストカバー膜用熱処理部130,131、レジストカバー膜用塗布処理部60および第4のセンターロボットCR4を含む。レジストカバー膜用熱処理部130,131は、疎水処理を行う後述の疎水処理ユニットHYPを備える。疎水処理ユニットHYPの詳細については後述する。
レジストカバー膜用塗布処理部60は、第4のセンターロボットCR4を挟んでレジストカバー膜用熱処理部130,131に対向して設けられる。第4のセンターロボットCR4には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH7,CRH8が上下に設けられる。
現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間には、雰囲気遮断用の隔壁23が設けられる。この隔壁23には、現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS7は、基板Wを現像処理ブロック12からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS8は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられる。
レジストカバー膜除去ブロック14は、レジストカバー膜除去用処理部70a,70bおよび第5のセンターロボットCR5を含む。レジストカバー膜除去用処理部70a,70bは、第5のセンターロボットCR5を挟んで互いに対向して設けられる。第5のセンターロボットCR5には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH9,CRH10が上下に設けられる。
レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間には、雰囲気遮断用の隔壁24が設けられる。この隔壁24には、レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS9,PASS10が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS9は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13からレジストカバー膜除去ブロック14へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS10は、基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に用いられる。
洗浄/乾燥処理ブロック15は、露光後ベーク用熱処理部150,151、洗浄/乾燥処理部80および第6のセンターロボットCR6を含む。露光後ベーク用熱処理部151はインターフェースブロック16に隣接し、図3で後述するように、基板載置部PASS13,PASS14を備える。
洗浄/乾燥処理部80は、第6のセンターロボットCR6を挟んで露光後ベーク用熱処理部150,151に対向して設けられる。第6のセンターロボットCR6には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH11,CRH12が上下に設けられる。
レジストカバー膜除去ブロック14と洗浄/乾燥処理ブロック15との間には、雰囲気遮断用の隔壁25が設けられる。この隔壁25には、レジストカバー膜除去ブロック14と洗浄/乾燥処理ブロック15との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS11,PASS12が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS11は、基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14から洗浄/乾燥処理ブロック15へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS11は、基板Wを洗浄/乾燥処理ブロック15からレジストカバー膜除去ブロック14へ搬送する際に用いられる。
インターフェースブロック16は、第7のセンターロボットCR7、送りバッファ部SBF、インターフェース用搬送機構IFRおよびエッジ露光部EEWを含む。また、エッジ露光部EEWの下側には、後述の基板載置部PASS15、戻りバッファ部RBFおよび2個の基板載置部兼用の載置兼冷却ユニットPASS−CP(以下、P−CPと略記する)が設けられている。詳細については後述する。なお、載置兼冷却ユニットP−CPは、2個に限らず、可能であれば3個以上設けてもよい。
第7のセンターロボットCR7には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH13,CRH14が上下に設けられ、インターフェース用搬送機構IFRには、基板Wを受け渡すためのハンドH1,H2が上下に設けられる。
図2は、図1の基板処理装置500を+X方向から見た側面図である。
反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用塗布処理部30(図1参照)には、3個の塗布ユニットBARCが上下に積層配置される。各塗布ユニットBARCは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック31およびスピンチャック31上に保持された基板Wに反射防止膜の塗布液を供給する供給ノズル32を備える。
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用塗布処理部40(図1参照)には、3個の塗布ユニットRESが上下に積層配置される。各塗布ユニットRESは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック41およびスピンチャック41上に保持された基板Wにレジスト膜の塗布液を供給する供給ノズル42を備える。
現像処理ブロック12の現像処理部50(図1参照)には、5個の現像処理ユニットDEVが上下に積層配置される。各現像処理ユニットDEVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック51およびスピンチャック51上に保持された基板Wに現像液を供給する供給ノズル52を備える。
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用塗布処理部60(図1参照)には、3個の塗布ユニットCOVが上下に積層配置される。各塗布ユニットCOVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック61およびスピンチャック61上に保持された基板Wにレジストカバー膜の塗布液を供給する供給ノズル62を備える。
レジストカバー膜の塗布液としては、レジストおよび水との親和力が低い材料(レジストおよび水との反応性が低い材料)を用いることが好ましい。例えば、フッ素樹脂である。塗布ユニットCOVは、基板Wを回転させながら基板W上に塗布液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジスト膜上にレジストカバー膜を形成する。
レジストカバー膜除去ブロック14のレジストカバー膜除去用処理部70b(図1参照)には、3個の除去ユニットREMが上下に積層配置される。各除去ユニットREMは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック71およびスピンチャック71上に保持された基板Wに剥離液(例えばフッ素樹脂)を供給する供給ノズル72を備える。除去ユニットREMは、基板Wを回転させながら基板W上に剥離液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジストカバー膜を除去する。
なお、除去ユニットREMにおけるレジストカバー膜の除去方法は上記の例に限定されない。例えば、基板Wの上方においてスリットノズルを移動させつつ基板W上に剥離液を供給することによりレジストカバー膜を除去してもよい。
洗浄/乾燥処理ブロック15の洗浄/乾燥処理部80(図1参照)には、2個の現像処理ユニットDEVが上下に積層配置される。なお、各現像処理ユニットDEVは、現像処理ブロック12の現像処理ユニットDEVと同じものである。
また、上記現像処理ユニットDEVの下側に3個の洗浄/乾燥処理ユニットSDが上下に積層配置される。洗浄/乾燥処理ユニットSDの詳細については後述する。
インターフェースブロック16には、エッジ露光部EEW、基板載置部PASS15、戻りバッファ部RBFおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されるとともに、第7のセンターロボットCR7(図1参照)およびインターフェース用搬送機構IFRが配置される。
各エッジ露光部EEWは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック98およびスピンチャック98上に保持された基板Wの周縁を露光する光照射器99を備える。
図3は、図1の基板処理装置500を−X方向から見た側面図である。
反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用熱処理部100には、2個の加熱ユニット(ホットプレート)HPおよび2個の冷却ユニットCPが積層配置され、反射防止膜用熱処理部101には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置される。また、反射防止膜用熱処理部100,101には、最上部に冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用熱処理部110には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置され、レジスト膜用熱処理部11には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置される。また、レジスト膜用熱処理部110,111には、最上部に冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
現像処理ブロック12の現像用熱処理部120には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置され、現像用熱処理部121には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置される。また、現像用熱処理部120,121には、最上部に冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用熱処理部130には、2個の疎水処理ユニットHYP、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置され、レジストカバー膜用熱処理部131には、2個の疎水処理ユニットHYP、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置される。また、レジストカバー膜用熱処理部130,131には、最上部に冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
レジストカバー膜除去ブロック14のレジストカバー膜除去用処理部70aには、3個の除去ユニットREMが上下に積層配置される。
洗浄/乾燥処理ブロック15の露光後ベーク用熱処理部150には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置され、露光後ベーク用熱処理部151には2個の加熱ユニットHP、2個の冷却ユニットCPおよび基板載置部PASS11,12が上下に積層配置される。また、露光後ベーク用熱処理部150,151には、最上部に冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
なお、塗布ユニットBARC,RES,COV、疎水処理ユニットHYP、洗浄/乾燥処理ユニットSD、除去ユニットREM、現像処理ユニットDEV、加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの個数ならびに設置位置は、各ブロックの処理速度に応じて適宜変更することができる。
(2) 基板処理装置の動作
次に、本実施の形態に係る基板処理装置500の動作について図1〜図3を参照しながら説明する。
インデクサブロック9のキャリア載置台92の上には、複数枚の基板Wを多段に収納するキャリアCが搬入される。インデクサロボットIRは、上側のハンドIRH1を用いてキャリアC内に収納された未処理の基板Wを取り出す。その後、インデクサロボットIRは±X方向に移動しつつ±θ方向に回転移動し、未処理の基板Wを基板載置部PASS1に載置する。
本実施の形態においては、キャリアCとしてFOUP(front opening unified pod)を採用しているが、これに限定されるものではなく、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)等を用いてもよい。
さらに、インデクサロボットIR、第1〜第8のセンターロボットCR1〜CR8ならびにインターフェース用搬送機構IFRには、それぞれ基板Wに対して直線的にスライドさせてハンドの進退動作を行う直動型搬送ロボットを用いているが、これに限定されるものではなく、関節を動かすことにより直線的にハンドの進退動作を行う多関節型搬送ロボットを用いてもよい。
基板載置部PASS1に載置された基板Wは、反射防止膜用処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により受け取られる。第1のセンターロボットCR1は、その基板Wを反射防止膜用塗布処理部30に搬入する。この反射防止膜用塗布処理部30では、露光処理時に発生する定在波およびハレーションを減少させるために、塗布ユニットBARCにより基板W上に反射防止膜が塗布形成される。
その後、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用塗布処理部30から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。
次に、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用熱処理部100,101から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS3に載置する。
基板載置部PASS3に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により受け取られる。第2のセンターロボットCR2は、その基板Wをレジスト膜用塗布処理部40に搬入する。このレジスト膜用塗布処理部40では、塗布ユニットRESにより、反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジスト膜が塗布形成される。
その後、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用塗布処理部40から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。次に、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS5に載置する。
基板載置部PASS5に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを基板載置部PASS7に載置する。
基板載置部PASS7に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック13の第4のセンターロボットCR4により受け取られる。第4のセンターロボットCR4は、その基板Wをレジストカバー膜用塗布処理部60に搬入する。このレジストカバー膜用塗布処理部60では、上述したように、塗布ユニットCOVによりレジスト膜上にレジストカバー膜が塗布形成される。
その後、第4のセンターロボットCR4は、レジストカバー膜用塗布処理部60から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジストカバー膜用熱処理部130,131に搬入する。
レジストカバー膜熱処理部130,131では、加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPにより基板Wに熱処理が施された後、疎水処理ユニットHYPによりレジストカバー膜の表面に疎水処理が行われる。疎水処理ユニットHYPによる基板Wの疎水処理の詳細については後述する。
次に、第4のセンターロボットCR4は、レジストカバー膜用熱処理部130,131から熱処理および疎水処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS9に載置する。
基板載置部PASS9に載置された基板Wは、レジストカバー膜除去ブロック14の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wを基板載置部PASS11に載置する。
基板載置部PASS11に載置された基板Wは、洗浄/乾燥処理ブロック15の第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wを基板載置部PASS13に載置する。
基板載置部PASS13に載置された基板Wは、インターフェースブロック16の第7のセンターロボットCR7により受け取られる。
第7のセンターロボットCR7は、その基板Wをエッジ露光部EEWに搬入する。このエッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部に露光処理が施される。
ここで、露光装置17による露光処理の時間は、通常、他の処理工程および搬送工程よりも長い。その結果、露光装置17が後の基板Wの受け入れをできない場合が多い。この場合、基板Wは送りバッファ部SBFに一時的に収納保管される。本実施の形態では、第7のセンターロボットCR7は、エッジ露光部EEWからエッジ露光処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを送りバッファ部SBFに搬送する。
次に、第7のセンターロボットCR7は、送りバッファ部SBFに収納保管されている基板Wを、2個の載置兼冷却ユニットP−CPのうち、空いている方の載置兼冷却ユニットP−CPに搬送する。載置兼冷却ユニットP−CPに搬送された基板Wは、露光装置17内と同じ温度(例えば、23℃)に維持される。
続いて、載置兼冷却ユニットP−CPで上記所定温度に維持された基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRにより受け取られ、露光装置17内の基板搬入部17a(図1参照)に搬入される。
露光装置17において、基板Wに露光処理が施された後、インターフェース用搬送機構IFRは、基板Wを露光装置17の露光装置17b(図1参照)から取り出し、洗浄/乾燥処理ブロック15の洗浄/乾燥処理部80に搬入する。洗浄/乾燥処理部80の洗浄/乾燥処理ユニットSDにおいては、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。詳細については後述する。
洗浄/乾燥処理部80において、露光処理後の基板Wに洗浄および乾燥処理が施された後、インターフェース用搬送機構IFRは、基板Wを洗浄/乾燥処理部80から取り出し、基板載置部PASS15に載置する。インターフェースブロック16におけるインターフェース用搬送機構IFRの動作の詳細は後述する。
なお、故障等により洗浄/乾燥処理部80において一時的に洗浄および乾燥処理ができないときは、インターフェースブロック16の戻りバッファ部RBFに露光処理後の基板Wを一時的に収納保管することができる。
基板載置部PASS15に載置された基板Wは、インターフェースブロック16の第7のセンターロボットCR7により受け取られる。第7のセンターロボットCR7は、その基板Wを洗浄/乾燥処理ブロック15の露光後ベーク用熱処理部151に搬入する。
露光後ベーク用熱処理部151においては、基板Wに対して露光後ベーク(PEB)が行われる。その後、第7のセンターロボットCR7は、露光後ベーク用熱処理部151から基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS14に載置する。
なお、本実施の形態においては露光後ベーク用熱処理部151により露光後ベークを行っているが、露光後ベーク用熱処理部150により露光後ベークを行ってもよい。
基板載置部PASS14に載置された基板Wは、洗浄/乾燥処理ブロック15の第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wを基板載置部PASS12に載置する。
基板載置部PASS12に載置された基板Wは、レジストカバー膜除去ブロック14の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wをレジストカバー膜除去用処理部70aまたはレジストカバー膜除去用処理部70bに搬入する。レジストカバー膜除去用処理部70a,70bにおいては、除去ユニットREMにより、基板W上のレジストカバー膜が除去される。
その後、第5のセンターロボットCR5は、レジストカバー膜除去用処理部70aまたはレジストカバー膜除去用処理部70bから処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS10に載置する。
基板載置部PASS10に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック13の第4のセンターロボットCR4により受け取られる。第4のセンターロボットCR4は、その基板Wを基板載置部PASS8に載置する。
基板載置部PASS8に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを現像処理部50に搬入する。現像処理部50においては、現像処理ユニットDEVにより、基板Wの現像処理が行われる。なお、この現像処理は、洗浄/乾燥処理ブロック15の現像処理ユニットDEVで行ってもよい。
その後、第3のセンターロボットCR3は、現像処理部50から現像処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを現像用熱処理部120,121に搬入する。
次に、第3のセンターロボットCR3は、現像用熱処理部120,121から熱処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS6に載置する。
基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により受け取られる。第2のセンターロボットCR2は、その基板Wを基板載置部PASS4に載置する。
基板載置部PASS4に載置された基板Wは、反射防止膜用処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により受け取られる。第1のセンターロボットCR1は、その基板Wを基板載置部PASS2に載置する。
基板載置部PASS2に載置された基板Wは、インデクサブロック9のインデクサロボットIRによりキャリアC内に収納される。
(3) 疎水処理ユニットHYPについて
ここで、上記疎水処理ユニットHYPについて図面を参照しながら説明する。
図4は、疎水処理ユニットHYPの構成を説明するための断面図である。
図4に示すように、疎水処理ユニットHYPは、液状の疎水性材料を気化させる気化処理装置201、および気化処理装置201において気化した疎水性材料を基板Wに供給する疎水性材料供給装置202を備える。
気化処理装置201は、疎水性材料を貯留する液溜容器212を有する。液溜容器212は、不活性ガス供給管213を介して不活性ガス供給源T1に接続され、疎水性材料供給管216を介して疎水性材料供給源T2に接続されている。
不活性ガス供給管213にはレギュレータ213aが設けられ、不活性ガス供給源T1から不活性ガスが一定圧力で液溜容器212に供給される。疎水性材料供給管216にはバルブ216aが設けられ、バルブ216aを開くことにより疎水性材料供給源T2から液溜容器212に疎水性材料が供給される。
液溜容器212の下部には熱交換コイル221が取り付けられている。熱交換コイル221に電流が供給されることにより熱交換コイル221の温度が上昇し、液溜容器212内の疎水性材料が気化する。
疎水性材料供給装置202は、基板載置プレート203を備える。基板載置プレート203は、上面に載置された基板Wを所定の温度に加熱する。
基板載置プレート203を鉛直方向に貫通するように複数の昇降ピン205aが設けられている。昇降ピン205は昇降ピン駆動装置205aにより上下方向に昇降する。
また、基板載置プレート203の外周部を取り囲むように排気口211が設けられている。排気口211は配管211aを通して排気装置211bに接続されている。基板載置プレート203上の雰囲気は排気装置により排気口211から配管211aを通して排気される。
基板載置プレート203の上方を覆うようにカバー206が設けられている。カバー206の中央部を鉛直方向に貫通するように筒状の支持部材207が昇降可能に設けられている。支持部材207の上端には配管214が気化処理装置201の液溜容器212と連通するように接続されている。
気化処理装置201において気化した疎水性材料は、配管214を通して疎水性材料供給装置202の支持部材207へ送られる。配管214にはバルブ215が設けられ、バルブ215の開閉により気化処理装置201から疎水性材料供給装置202に送られる疎水性材料の流量が制御される。
支持部材207の下端には蓋体208が設けられている。支持部材207の内部は蓋体208の内部空間に連通している。蓋体208の内部には全面に複数の細孔を有する整流板210が取り付けられている。蓋体208は、整流板210が基板Wに対向するように基板載置プレート203の上方に上下動可能に設けられている。
また、カバー206の側面には基板Wの搬入および搬出を行うための搬入搬出口209が設けられている。カバー206の内側には搬入搬出口209を塞ぐようにシャッター218が設けられている。このシャッター218は、シャッター駆動装置218aにより上下方向に昇降し、カバー206の搬入搬出口209を開閉する。
次に、上記構成を有する疎水処理ユニットHYPの動作について説明する。なお、以下に説明する疎水処理ユニットHYPの各構成要素の動作は、図1のメインコントローラー91により制御される。
最初に、支持部材207および蓋体208が上昇するとともに、昇降ピン駆動装置205aにより昇降ピン205が上昇する。また、シャッター駆動装置218aによりシャッター218が下降し、搬入搬出口209が開かれる。
この状態で図1の第4のセンターロボットCR4によりカバー206内の昇降ピン205a上に基板Wが載置される。次に、昇降ピン駆動装置205aにより昇降ピン205が下降し、昇降ピン205上の基板Wは基板載置プレート203の上面に支持される。また、シャッター駆動機構218aによりシャッター218が上昇し、搬入搬出口209が閉じられる。
次いで、支持部材207および蓋体208が下降する。この状態で、基板載置プレート203上の基板Wは所定の温度に加熱される。基板Wの温度は、基板載置プレート203により23℃〜150℃の範囲で制御されることが好ましい。
次に、気化した疎水性材料が液溜容器212から配管214を通して疎水性材料供給装置202の支持部材207に送られ、整流板210の複数の細孔を通して基板Wに供給される。これにより、基板W上のレジストカバー膜の表面に疎水処理が行われる。カバー206内の疎水性材料は、排気装置により排気口211から配管211aを通して排気される。
処理終了後、支持部材207および蓋体208が上昇する。次いで、昇降ピン昇降ピン駆動装置205aにより昇降ピン205が上昇し、昇降ピン205aにより基板Wが持ち上げられる。
また、シャッター駆動装置218aによりシャッター218が下降し、カバー206の搬入搬出口209が開かれる。そして、図1の第4のセンターロボットCR4により基板Wが疎水処理ユニットHYPから搬出される。
基板Wに供給される疎水性材料としては、レジスト膜およびレジストカバー膜の特性を損なわず、かつレジスト膜およびレジストカバー膜への液体の染み込みを防止できる材料を用いる。例えば、HMDS(ヘキサメチルジシラサン)または低分子材料等を用いることができる。また、気化処理装置201に供給される不活性ガスとしては、例えば窒素(N2 )ガスを用いることができる。不活性ガスとして、アルゴン(Ar)ガス等の他の気体を用いてもよい。
(4) 洗浄/乾燥処理ユニットについて
ここで、上記の洗浄/乾燥処理ユニットSDについて図面を用いて詳細に説明する。
(4−a) 洗浄/乾燥処理ユニットの構成
洗浄/乾燥処理ユニットSDの構成について説明する。図5は、洗浄/乾燥処理ユニットSDの構成を説明するための図である。
図5に示すように、洗浄/乾燥処理ユニットSDは、基板Wを水平に保持するとともに、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック621を備える。
スピンチャック621は、チャック回転駆動機構636によって回転される回転軸625の上端に固定されている。また、スピンチャック621には吸気路(図示せず)が形成されており、スピンチャック621上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの下面をスピンチャック621に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。
スピンチャック621の外方には、第1の回動モータ660が設けられている。第1の回動モータ660には、第1の回動軸661が接続されている。また、第1の回動軸661には、第1のアーム662が水平方向に延びるように連結され、第1のアーム662の先端に洗浄処理用ノズル650が設けられている。
第1の回動モータ660により第1の回動軸661が回転するとともに第1のアーム662が回動し、洗浄処理用ノズル650がスピンチャック621により保持された基板Wの上方に移動する。
第1の回動モータ660、第1の回動軸661および第1のアーム662の内部を通るように洗浄処理用供給管663が設けられている。洗浄処理用供給管663は、バルブVaおよびバルブVbを介して洗浄液供給源R1およびリンス液供給源R2に接続されている。
このバルブVa,Vbの開閉を制御することにより、洗浄処理用供給管663に供給する処理液の選択および供給量の調整を行うことができる。図5の構成においては、バルブVaを開くことにより、洗浄処理用供給管663に洗浄液を供給することができ、バルブVbを開くことにより、洗浄処理用供給管663にリンス液を供給することができる。
洗浄処理用ノズル650には、洗浄液またはリンス液が、洗浄処理用供給管663を通して洗浄液供給源R1またはリンス液供給源R2から供給される。それにより、基板Wの表面へ洗浄液またはリンス液を供給することができる。洗浄液としては、例えば、純水、純水に錯体(イオン化したもの)を溶かした液またはフッ素系薬液などが用いられる。リンス液としては、例えば、純水、炭酸水、水素水および電解イオン水HFE(ハイドロフルオロエーテル)のいずれかが用いられる。
スピンチャック621の外方には、第2の回動モータ671が設けられている。第2の回動モータ671には、第2の回動軸672が接続されている。また、第2の回動軸672には、第2のアーム673が水平方向に延びるように連結され、第2のアーム673の先端に乾燥処理用ノズル670が設けられている。
第2の回動モータ671により第2の回動軸672が回転するとともに、第2のアーム673が回動し、乾燥処理用ノズル670がスピンチャック21により保持された基板Wの上方に移動する。
第2の回動モータ671、第2の回動軸672および第2のアーム673の内部を通るように乾燥処理用供給管674が設けられている。乾燥処理用供給管674は、バルブVcを介して不活性ガス供給源R3に接続されている。このバルブVcの開閉を制御することにより、乾燥処理用供給管674に供給する不活性ガスの供給量を調整することができる。
乾燥処理用ノズル670には、不活性ガスが、乾燥処理用供給管674を通して不活性ガス供給源R3から供給される。それにより、基板Wの表面へ不活性ガスを供給することができる。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガスが用いられる。
基板Wの表面へ洗浄液またはリンス液を供給する際には、洗浄処理用ノズル650は基板の上方に位置し、基板Wの表面へ不活性ガスを供給する際には、洗浄処理用ノズル650は所定の位置に退避される。
また、基板Wの表面へ洗浄液またはリンス液を供給する際には、乾燥処理用ノズル670は所定の位置に退避され、基板Wの表面へ不活性ガスを供給する際には、乾燥処理用ノズル670は基板Wの上方に位置する。
スピンチャック621に保持された基板Wは、処理カップ623内に収容される。処理カップ623の内側には、筒状の仕切壁633が設けられている。また、スピンチャック621の周囲を取り囲むように、基板Wの処理に用いられた処理液(洗浄液またはリンス液)を排液するための排液空間631が形成されている。さらに、排液空間631を取り囲むように、処理カップ623と仕切壁633との間に、基板Wの処理に用いられた処理液を回収するための回収液空間632が形成されている。
排液空間631には、排液処理装置(図示せず)へ処理液を導くための排液管634が接続され、回収液空間632には、回収処理装置(図示せず)へ処理液を導くための回収管635が接続されている。
処理カップ623の上方には、基板Wからの処理液が外方へ飛散することを防止するためのガード624が設けられている。このガード624は、回転軸625に対して回転対称な形状からなっている。ガード624の上端部の内面には、断面く字状の排液案内溝641が環状に形成されている。
また、ガード624の下端部の内面には、外側下方に傾斜する傾斜面からなる回収液案内部642が形成されている。回収液案内部642の上端付近には、処理カップ623の仕切壁633を受け入れるための仕切壁収納溝643が形成されている。
このガード624には、ボールねじ機構等で構成されたガード昇降駆動機構(図示せず)が設けられている。ガード昇降駆動機構は、ガード624を、回収液案内部642がスピンチャック621に保持された基板Wの外周端面に対向する回収位置と、排液案内溝641がスピンチャック621に保持された基板Wの外周端面に対向する排液位置との間で上下動させる。ガード624が回収位置(図5に示すガードの位置)にある場合には、基板Wから外方へ飛散した処理液が回収液案内部642により回収液空間632に導かれ、回収管635を通して回収される。一方、ガード624が排液位置にある場合には、基板Wから外方へ飛散した処理液が排液案内溝641により排液空間631に導かれ、排液管634を通して排液される。以上の構成により、処理液の排液および回収が行われる。
(4−b) 洗浄/乾燥処理ユニットの動作
次に、上記構成を有する洗浄/乾燥処理ユニットSDの処理動作について説明する。なお、以下に説明する洗浄/乾燥処理ユニットSDの各構成要素の動作は、図1のメインコントロ−ラ(制御部)91により制御される。
まず、基板Wの搬入時には、ガード624が下降するとともに、図1のインターフェース用搬送機構IFRが基板Wをスピンチャック621上に載置する。スピンチャック621上に載置された基板Wは、スピンチャック621により吸着保持される。
次に、ガード624が上述した排液位置まで移動するとともに、洗浄処理用ノズル650が基板Wの中心部上方に移動する。その後、回転軸625が回転し、この回転に伴ってスピンチャック621に保持されている基板Wが回転する。その後、洗浄処理用ノズル650から洗浄液が基板Wの上面に吐出される。これにより、基板Wの洗浄が行われる。
なお、洗浄/乾燥処理部80aにおいては、この洗浄時に基板W上のレジストカバー膜の成分が洗浄液中に溶出する。また、基板Wの洗浄においては、基板Wを回転させつつ基板W上に洗浄液を供給している。この場合、基板W上の洗浄液は遠心力により常に基板Wの周縁部へと移動し飛散する。したがって、洗浄液中に溶出したレジストカバー膜の成分が基板W上に残留することを防止することができる。なお、上記のレジストカバー膜の成分は、例えば、基板W上に純水を盛って一定時間保持することにより溶出させてもよい。また、基板W上への洗浄液の供給は、二流体ノズルを用いたソフトスプレー方式により行ってもよい。
所定時間経過後、洗浄液の供給が停止され、洗浄処理用ノズル650からリンス液が吐出される。これにより、基板W上の洗浄液が洗い流される。
さらに所定時間経過後、回転軸625の回転速度が低下する。これにより、基板Wの回転によって振り切られるリンス液の量が減少し、図6(a)に示すように、基板Wの表面全体にリンス液の液層Lが形成される。なお、回転軸625の回転を停止させて基板Wの表面全体に液層Lを形成してもよい。
次に、リンス液の供給が停止され、洗浄処理用ノズル650が所定の位置に退避するとともに乾燥処理用ノズル670が基板Wの中心部上方に移動する。その後、乾燥処理用ノズル670から不活性ガスが吐出される。これにより、図6(b)に示すように、基板Wの中心部のリンス液が基板Wの周縁部に移動し、基板Wの周縁部のみに液層Lが存在する状態になる。
次に、回転軸625(図5参照)の回転数が上昇するとともに、図6(c)に示すように乾燥処理用ノズル670が基板Wの中心部上方から周縁部上方へと徐々に移動する。これにより、基板W上の液層Lに大きな遠心力が作用するとともに、基板Wの表面全体に不活性ガスを吹き付けることができるので、基板W上の液層Lを確実に取り除くことができる。その結果、基板Wを確実に乾燥させることができる。
次に、不活性ガスの供給が停止され、乾燥処理ノズル670が所定の位置に退避するとともに回転軸625の回転が停止する。その後、ガード624が下降するとともに図1のインターフェース用搬送機構IFRが基板Wを洗浄/乾燥処理ユニットSDから搬出する。これにより、洗浄/乾燥処理ユニットSDにおける処理動作が終了する。なお、洗浄および乾燥処理中におけるガード624の位置は、処理液の回収または排液の必要性に応じて適宜変更することが好ましい。
なお、上記実施の形態においては、洗浄液処理用ノズル650から洗浄液およびリンス液のいずれをも供給できるように、洗浄液の供給およびリンス液の供給に洗浄液処理用ノズル650を共用する構成を採用しているが、洗浄液供給用のノズルとリンス液供給用のノズルとを別々に分けた構成を採用してもよい。
また、リンス液を供給する場合には、リンス液が基板Wの裏面に回り込まないように、基板Wの裏面に対して図示しないバックリンス用ノズルから純水を供給してもよい。
また、基板Wを洗浄する洗浄液に純水を用いる場合には、リンス液の供給を行う必要はない。
また、上記実施の形態においては、スピン乾燥方法により基板Wに乾燥処理を施すが、減圧乾燥方法、エアーナイフ乾燥方法等の他の乾燥方法により基板Wに乾燥処理を施してもよい。
また、上記実施の形態においては、リンス液の液層Lが形成された状態で、乾燥処理用ノズル670から不活性ガスを供給するようにしているが、リンス液の液層Lを形成しない場合あるいはリンス液を用いない場合には洗浄液の液層を基板Wを回転させて一旦振り切った後で、即座に乾燥処理用ノズル670から不活性ガスを供給して基板Wを完全に乾燥させるようにしてもよい。
(5) インターフェースブロックのインターフェース用搬送機構について
インターフェース用搬送機構IFRについて説明する。図7は、インターフェース用搬送機構IFRの構成および動作を説明するための図である。まず、インターフェース用搬送機構IFRの構成について説明する。
図7に示すように、インターフェース用搬送機構IFRの可動台181は螺軸182に螺合される。螺軸182は、X方向に延びるように支持台183によって回転可能に支持される。螺軸182の一端部にはモータM2が設けられ、このモータM2により螺軸182が回転し、可動台181が±X方向に水平移動する。
また、可動台181にはハンド支持台184が±θ方向に回転可能でかつ±Z方向に昇降可能に搭載される。ハンド支持台184は、回転軸185を介して可動台181内のモータM3に連結しており、このモータM3によりハンド支持台184が回転する。ハンド支持台184には、基板Wを水平姿勢で保持する2個のハンドH1,H2が進退可能に上下に設けられる。
次に、インターフェース用搬送機構IFRの動作について説明する。インターフェース用搬送機構IFRの動作は、図1のメインコントローラ(制御部)91により制御される。
まず、インターフェース用搬送機構IFRは、図7の位置Aにおいてハンド支持台184を回転させるとともに+Z方向に上昇させ、上側のハンドH1を載置兼冷却ユニットP−CPに進入させる。
載置兼冷却ユニットP−CPにおいてハンドH1が基板Wを受け取ると、インターフェース用搬送機構IFRは、ハンドH1を載置兼冷却ユニットP−CPから後退させ、ハンド支持台184を−Z方向に下降させる。
次に、インターフェース用搬送機構IFRは−X方向に移動し、位置Bにおいてハンド支持台184を回転させるとともにハンドH1を露光装置17の基板搬入部17a(図1参照)に進入させる。基板Wを基板搬入部17aに搬入した後、インターフェース用搬送機構IFRはハンドH1を基板搬入部17aから後退させる。
次に、インターフェース用搬送機構IFRは、下側のハンドH2を露光装置17の基板搬出部17b(図1参照)に進入させる。基板搬出部17bにおいてハンドH2が露光処理後の基板Wを受け取ると、インターフェース用搬送機構IFRはハンドH2を基板搬出部17bから後退させる。
その後、インターフェース用搬送機構IFRは+X方向に移動し、位置Aにおいて、ハンド支持台184を回転させるとともにハンドH2を洗浄/乾燥処理ユニットSDに進入させ、基板Wを洗浄/乾燥処理ユニットSDに搬入する。これにより、洗浄/乾燥処理ユニットSDにより露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
続いて、インターフェース用搬送機構IFRは、上側のハンドH2を洗浄/乾燥処理ユニットSDに進入させ、洗浄/乾燥処理ユニットSDから洗浄および乾燥処理後の基板Wを受け取る。インターフェース用搬送機構IFRは、その基板Wを基板載置部PASS15に載置する。
なお、上述のように、露光装置17が基板Wの受け入れをできない場合は、基板Wは送りバッファ部SBFに一時的に収納保管される。また、洗浄/乾燥処理ユニットSDにおいて一時的に洗浄および乾燥処理ができない場合は、露光処理後の基板Wはインターフェースブロック16の戻りバッファ部RBFに一時的に収納保管される。
本実施の形態においては、1台のインターフェース用搬送機構IFRによって、載置兼冷却ユニットP−CPから露光装置17への搬送、露光装置17から洗浄/乾燥処理ユニットSDへの搬送を行っているが、複数のインターフェース用搬送機構IFRを用いて基板Wの搬送を行ってもよい。
(6) 本実施の形態における効果
(6−a) 載置兼冷却ユニットP−CPを配設したことによる効果
上述のように、本実施の形態では、インターフェースブロック16において、露光装置17による露光処理前の基板Wを載置する機能と、基板Wの温度を露光装置17内の温度に合わせるための冷却機能とを兼ね揃えた載置兼冷却ユニットP−CPを設けることにより、搬送工程を削減することができる。基板の厳密な温度管理が要求される液浸法による露光処理を行う上では、搬送工程を削減することは重要となる。
上記により、スループットを向上することが可能となるとともに、搬送のアクセス位置を削減することができるので信頼性を向上することが可能となる。
特に、2個の載置兼冷却ユニットP−CPを設けていることにより、さらにスループットを向上することができる。以下、本実施の形態における基板Wの搬送工程の一部分について説明する。
図8は、本実施の形態に係る載置兼冷却ユニットP−CPを設けた場合と、基板載置部(送り用)(図8ではPASSで示す)と冷却ユニットとを別個独立に設けた場合とにおける処理時間の比較を示す説明図である。なお、図8(a)は、基板載置部と冷却ユニットとを兼用化した載置兼冷却ユニットP−CPの例を示し、図8(b)は、基板載置部と冷却ユニットとが別個独立に設けられた例を示している。
また、図8(a),(b)において、簡略化のために、基板の載置または搬入を「置」で示し、基板の受け取りまたは搬出を「受」で示し、さらに、同処理ユニット間の区別化のために、「P−CP1,P−CP2」とは第1および第2の載置兼冷却ユニットをそれぞれ指し、「SD1〜SD3」とは第1〜第3の洗浄/乾燥処理ユニットをそれぞれ指し、「CP1,CP2」とは第1および第2の冷却ユニットをそれぞれ指す。
図8(a)に示すように、第7のセンターロボットCR7により第1の載置兼冷却ユニットP−CP1に基板Wが搬入される。次に、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により第1の載置兼冷却ユニットP−CP1の基板Wが露光装置17の入口(図8ではEXPinで示す)に搬入される。
続いて、露光処理済みの基板Wが露光装置17の出口(図8ではEXPoutで示す)で上記インターフェース用搬送機構IFRのハンドH2により受け取られる。
次に、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1において洗浄乾燥処理済みの先の基板Wがインターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られるとともに、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH2により上記露光処理済みの基板Wが、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1に搬入される。
その後、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られた上記洗浄乾燥処理済みの先の基板Wが基板載置部PASS15に載置される。
一方、第7のセンターロボットCR7により第2の載置兼冷却ユニットP−CP2に搬入された基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により露光装置17の入口に搬入される。
続いて、露光処理済みの基板Wが露光装置17の出口でインターフェース用搬送機構IFRのハンドH2により受け取られる。
次に、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2において洗浄乾燥処理済みの先の基板Wがインターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られるとともに、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH2により上記露光処理済みの基板Wが、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2に搬入される。
その後、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られた上記洗浄乾燥処理済みの先の基板Wが基板載置部PASS15に載置される。
他方、第7のセンターロボットCR7により第1の載置兼冷却ユニットP−CP1に搬入された基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により露光装置17の入口に搬入される。
続いて、露光処理済みの基板Wが露光装置17の出口でインターフェース用搬送機構IFRのハンドH2により受け取られる。
次に、第3の洗浄/乾燥処理ユニットSD3において洗浄乾燥処理済みの先の基板Wがインターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られるとともに、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH2により上記露光処理済みの基板Wが、第3の洗浄/乾燥処理ユニットSD3に搬入される。
その後、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られた上記洗浄乾燥処理済みの先の基板Wが基板載置部PASS15に載置される。
以上のような1つの処理サイクルが、72秒よりも短い例えば約66秒の処理時間で繰り返され、第1および第2の載置兼冷却ユニットP−CP1,P−CP2を交互に使用した処理が行われる。
なお、図8(a)に示すように、第1および第2の載置兼冷却ユニットP―CP1,P−CP2による1枚の基板Wの冷却処理は、共に例えば42秒であり、第1〜第3の洗浄/乾燥処理ユニットSD1〜SD3による1枚の基板Wの洗浄乾燥処理は、それぞれ例えば68秒である。
次に、基板載置部PASSと冷却ユニットCPとが別個独立に設けられた例について説明する。
図8(b)に示すように、第7のセンターロボットCR7により基板載置部PASS(送り用)に基板Wが搬入される。次に、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により上記基板載置部PASSの基板Wが第1の冷却ユニットCP1に搬入される。
続いて、露光装置17による露光処理済みの先の基板Wが、露光装置17の出口でインターフェース用搬送機構IFRのハンドH2により受け取られる。
そして、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1において洗浄乾燥処理済みの先の基板Wがインターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られるとともに、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH2により上記露光処理済みの先の基板Wが、第1の洗浄/乾燥処理ユニットSD1に搬入される。
その後、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られた上記洗浄乾燥処理済みの先の基板Wが基板載置部PASS15に載置される。
一方、第2の冷却ユニットCP2に搬入され冷却されている基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られた後、露光装置17の入口に搬入される。
次に、第7のセンターロボットCR7により新たに基板載置部PASSに載置された基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られ、第2の冷却ユニットCP2に搬入される。
続いて、露光装置17の入口に搬入され露光処理を施された上記基板Wが、露光装置17の出口でインターフェース用搬送機構IFRのハンドH2により受け取られる。
そして、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2において洗浄乾燥処理済みの先の基板Wがインターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られるとともに、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH2により上記露光処理済みの基板Wが、第2の洗浄/乾燥処理ユニットSD2に搬入される。
その後、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られた上記洗浄乾燥処理済みの先の基板Wが基板載置部PASS15に載置される。
他方、第1の冷却ユニットCP1により冷却された上記基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られた後、露光装置17の入口に搬入される。
次に、第7のセンターロボットCR7により基板載置部PASSに新たに載置された基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られ、第1の冷却ユニットCP1に搬入される。
続いて、露光装置17の入口に搬入され露光処理を施された上記基板Wが、露光装置17の出口でインターフェース用搬送機構IFRのハンドH2により受け取られる。
そして、第3の洗浄/乾燥処理ユニットSD3において洗浄乾燥処理済みの先の基板Wがインターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られるとともに、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH2により上記露光処理済みの基板Wが、第3の洗浄/乾燥処理ユニットSD3に搬入される。
その後、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1により受け取られた上記洗浄乾燥処理済みの先の基板Wが基板載置部PASS15に載置される。
以上のような1つの処理サイクルが、72秒を超える例えば約80秒の処理時間で繰り返される。なお、図8(b)に示すように、第1および第2の冷却ユニットCP1,CP2による1枚の基板Wの冷却処理は、共に例えば43秒であり、第1〜第3の洗浄/乾燥処理ユニットSD1〜SD3による1枚の基板Wの洗浄乾燥処理は、それぞれ例えば83秒である。
このように、基板載置部PASS(送り用)と冷却ユニットCPとを兼用化した第1および第2の載置兼冷却ユニットP−CP1,P−CP2を設けることにより、スループットが大幅に向上されることがわかる。
(6−b) 疎水処理による効果
本実施の形態に係る基板処理装置500においては、疎水処理ユニットHYPにより基板W上のレジストカバー膜の表面に疎水処理が行われる。それにより、露光装置17において露光処理が行われる際にレジスト膜およびレジストカバー膜に液体が染み込むことが防止される。その結果、露光処理後の露光後ベークおよび現像処理の工程においてパターン欠陥の発生が防止され、歩留まりの低下が防止される。
(6−c) 疎水処理ユニットHYPの効果
本実施の形態の疎水処理ユニットHYPでは、液溜容器212において気化した疎水性材料が基板Wに供給されることにより、基板W上のレジストカバー膜の表面に疎水処理が行われる。それにより、液状の疎水性材料を使用する場合と比べて、基板W上のレジスト膜およびレジストカバー膜への影響が低減される。したがって、レジスト膜の感光性能およびレジストカバー膜の溶出防止機能が低下することが防止される。レジストカバー膜の溶出防止機能については後述する。
また、気化した疎水性材料は支持部材207に取り付けられた整流板210の複数の細孔を介して基板Wに供給される。これにより、疎水性材料は基板W上のレジストカバー膜上に一様に分散される。
また、気化した疎水性材料を基板Wに供給する際には、シャッター218によりカバー206の搬入搬出口209が閉じられるとともに、カバー206内の疎水性材料は排気装置により排気される。これにより、疎水性材料が疎水処理ユニットHYPの外部へ漏洩することが防止される。
また、疎水処理時の基板Wの温度は23℃(室温)〜150℃に制御される。これにより、レジスト膜の光感度を低下させることなく疎水性材料がレジストカバー膜表面に確実に付着される。
(6−d) 露光処理後の基板の洗浄処理の効果
露光装置17において基板Wに露光処理が行われた後、洗浄/乾燥処理ブロック15の洗浄/乾燥処理部80において基板Wの洗浄処理が行われる。この場合、露光処理時に液体が付着した基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着しても、その付着物を取り除くことができる。それにより、基板Wの汚染を防止することができる。
また、洗浄/乾燥処理部80においては、露光処理後の基板Wの乾燥処理が行われる。それにより、露光処理時に基板Wに付着した液体が、基板処理装置500内に落下することが防止される。その結果、基板処理装置500の電気系統の異常等の動作不良を防止することができる。
また、露光処理後の基板Wの乾燥処理を行うことにより、露光処理後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することが防止されるので、基板Wの汚染を防止することができる。
また、基板処理装置500内を液体が付着した基板Wが搬送されることを防止することができるので、露光処理時に基板Wに付着した液体が基板処理装置500内の雰囲気に影響を与えることを防止することができる。それにより、基板処理装置500内の温湿度調整が容易になる。
また、露光処理時に基板Wに付着した液体がインデクサロボットIRおよび第1〜第7のセンターロボットCR1〜CR7に付着することが防止されるので、露光処理前の基板Wに液体が付着することが防止される。それにより、露光処理前の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することが防止されるので、基板Wの汚染が防止される。その結果、露光処理時の解像性能の劣化を防止することができるとともに露光装置17内の汚染を確実に防止することができる。
これらの結果、基板Wの処理不良を確実に防止することができる。
なお、露光処理後の基板Wの乾燥処理を行うための構成は図1の基板処理装置500の例に限られない。レジストカバー膜除去ブロック14とインターフェースブロック16との間に洗浄/乾燥処理ブロック15を設ける代わりに、インターフェースブロック16内に洗浄/乾燥処理部80を設け、露光処理後の基板Wの乾燥処理を行ってもよい。
(6−e) 露光処理後の基板の乾燥処理の効果
洗浄/乾燥処理ユニットSDにおいては、基板Wを回転させつつ不活性ガスを基板Wの中心部から周縁部へと吹き付けることにより基板Wの乾燥処理を行っている。この場合、基板W上の洗浄液およびリンス液を確実に取り除くことができるので、洗浄後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することを確実に防止することができる。それにより、基板Wの汚染を確実に防止することができるとともに、基板Wの表面に乾燥しみが発生することを防止することができる。
(6−f) 洗浄/乾燥処理ブロックの効果
本実施の形態に係る基板処理装置500は、既存の基板処理装置に洗浄/乾燥処理ブロック15を追加した構成を有するので、低コストで、基板Wの処理不良を防止することができる。
(6−g) インターフェース用搬送機構のハンドについての効果
インターフェースブロック16においては、載置兼冷却ユニットP−CPから露光装置17の基板搬入部17aへ露光処理前の基板Wを搬送する際、および洗浄/乾燥処理ユニットSDから基板載置部PASS15へ洗浄および乾燥処理後の基板Wを搬送する際には、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1が用いられ、露光装置17の基板搬入部17bから洗浄/乾燥処理ユニットSDへ露光処理後の基板Wを搬送する際には、露光装置17のハンドH2が用いられる。
すなわち、液体が付着していない基板Wの搬送にはハンドH1が用いられ、液体が付着した基板Wの搬送にはハンドH2が用いられる。
この場合、露光処理時に基板Wに付着した液体がハンドH1に付着することが防止されるので、露光処理前の基板Wに液体が付着することが防止される。また、ハンドH2はハンドH1より下方に設けられるので、ハンドH2およびそれが保持する基板Wから液体が落下しても、ハンドH1およびそれが保持する基板Wに液体が付着することを防止することができる。それにより、露光処理前の基板Wに液体が付着することを確実に防止することができる。その結果、露光処理前の基板Wの汚染を確実に防止することができる。
(6−h) レジストカバー膜の塗布処理の効果
露光装置17において基板Wに露光処理が行われる前に、レジストカバー膜用処理ブロック13において、レジスト膜上にレジストカバー膜が形成される。この場合、露光装置17において基板Wが液体と接触しても、レジストカバー膜によってレジスト膜が液体と接触することが防止されるので、レジストの成分が液体中に溶出することが防止される。
(6−i) レジストカバー膜の除去処理の効果
現像処理ブロック12において基板Wに現像処理が行われる前に、レジストカバー膜除去ブロック14において、レジストカバー膜の除去処理が行われる。この場合、現像処理前にレジストカバー膜が確実に除去されるので、現像処理を確実に行うことができる。
(7) 他の効果
(7−a) 露光処理前の基板の洗浄処理について
本実施の形態に係る基板処理装置500は、露光処理前に基板Wの洗浄処理を行ってもよい。この場合、例えば洗浄/乾燥処理ブロック15の洗浄/乾燥処理部80において、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理を行う。それにより、露光処理前の基板Wに付着した塵埃等を取り除くことができる。その結果、露光装置17内の汚染を防止することができる。
また、洗浄/乾燥処理部80においては、基板Wの洗浄処理後に基板Wの乾燥処理が行われる。それにより、洗浄処理時に基板Wに付着した洗浄液またはリンス液が取り除かれるので、洗浄処理後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が再度付着することが防止される。その結果、露光装置17内の汚染を確実に防止することができる。
また、レジストカバー膜の形成後であって露光装置17において基板Wに露光処理が行われる前に、洗浄/乾燥処理部80において基板Wの洗浄処理が行われる。このとき、基板W上に形成されたレジストカバー膜の成分の一部が洗浄液中に溶出する。それにより、露光装置17において基板Wが液体と接触しても、レジストカバー膜の成分が液体中に溶出することを防止することができる。
これらの結果、露光装置17内の汚染が確実に防止されるとともに基板Wの表面にレジスト膜およびレジストカバー膜の成分が残留することも防止される。それにより、基板Wの処理不良を確実に防止することができる。
なお、露光処理前における基板Wの洗浄および乾燥処理は、インターフェースブロック16内に洗浄/乾燥処理部80を設けることにより行ってもよい。
(7−b) レジストカバー膜用処理ブロックについて
露光処理前に基板Wの洗浄処理を行う場合においては、レジストカバー膜用処理ブロック13は設けなくてもよい。この場合、露光処理前に基板Wの洗浄処理を行う洗浄/乾燥処理部80においては、洗浄処理時にレジスト膜の成分の一部が洗浄液中に溶出する。それにより、露光装置17においてレジスト膜が液体と接触しても、レジストの成分が液体中に溶出することが防止される。その結果、露光装置17内の汚染を防止することができる。
露光処理前に基板Wの洗浄処理を行う場合においては、レジストカバー膜用処理ブロック13を設けなくてもよい。この場合、レジストカバー膜除去ブロック14を設ける必要がない。
さらに、レジストカバー膜用処理ブロック13を設けない場合は、疎水処理ユニットHYPを、レジスト膜用処理ブロック11および現像処理ブロック12の少なくとも一方に設ける。この場合、疎水処理ユニットHYPにより基板W上のレジスト膜の表面に疎水処理が行われる。それにより、露光装置17において露光処理が行われる際、レジスト膜に液体が染み込むことが防止される。
これらの結果、基板処理装置500のフットプリントを低減することができる。
なお、本実施の形態では、疎水処理ユニットHYPにより基板上のレジストカバー膜の表面に疎水処理が行われる際、レジストカバー膜上に疎水性材料からなる膜が形成されない場合を説明した。
疎水処理によりレジストカバー膜上に疎水性材料からなる膜が形成される場合は、疎水性材料からなる膜は、レジストカバー膜除去ブロック14のレジストカバー膜除去用処理部70aまたはレジストカバー膜除去用処理部70bにおいてレジストカバー膜と同時に除去される。これにより、露光後の現像処理が確実に行われる。
また、露光処理前に基板Wの洗浄処理を行う場合においてレジストカバー膜用処理ブロック13およびレジストカバー膜除去ブロック14が設けられない場合は、基板W上のレジスト膜の表面に疎水処理が行われる。疎水処理によりレジスト膜上に疎水性材料からなる膜が形成される場合は、疎水性材料からなる膜の除去ユニットが洗浄/乾燥処理ブロック15および現像処理ブロック12の少なくとも一方に設けられてもよい。これにより、基板Wのレジスト膜上に形成された疎水性材料からなる膜の除去処理が行われ、露光後の現像処理が確実に行われる。
(7−c) 洗浄/乾燥処理ユニットの効果
上述したように、洗浄/乾燥処理ユニットSDにおいては、基板Wを回転させつつ不活性ガスを基板Wの中心部から周縁部へと吹き付けることにより基板Wの乾燥処理を行っているので、洗浄液およびリンス液を確実に取り除くことができる。
それにより、洗浄/乾燥処理部80から現像処理部50へ基板Wを搬送する間に、レジストの成分またはレジストカバー膜の成分が基板W上に残留した洗浄液およびリンス液中に溶出することを確実に防止することができる。それにより、レジスト膜に形成された露光パターンの変形を防止することができる。その結果、現像処理時における線幅精度の低下を確実に防止することができる。
(7−d) 基板処理装置が防水機能を有する場合について
基板処理装置500が十分な防水機能を有している場合には洗浄/乾燥処理部80は設けなくてもよい。したがって、基板処理装置500のフットプリントを低減することができる。また、露光処理後の洗浄/乾燥処理部80への基板Wの搬送が省略されるので、基板Wの生産性が向上する。
(7−e) ロボットのハンドについての効果
第1〜第5のセンターロボットCR1〜CR5およびインデクサロボットIRにおいては、露光処理前の基板Wの搬送には上側のハンドを用い、露光処理後の基板Wの搬送には下側のハンドを用いる。それにより、露光処理前の基板Wに液体が付着することを確実に防止することができる。
(8) 洗浄/乾燥処理ユニットの他の例
図5に示した洗浄/乾燥処理ユニットSDにおいては、洗浄処理用ノズル650と乾燥処理用ノズル670とが別個に設けられているが、図9に示すように、洗浄処理用ノズル650と乾燥処理用ノズル670とを一体に設けてもよい。この場合、基板Wの洗浄処理時または乾燥処理時に洗浄処理用ノズル650および乾燥処理用ノズル670をそれぞれ別々に移動させる必要がないので、駆動機構を単純化することができる。
また、図5に示す乾燥処理用ノズル670の代わりに、図10に示すような乾燥処理用ノズル770を用いてもよい。
図10の乾燥処理用ノズル770は、鉛直下方に延びるとともに側面から斜め下方に延びる分岐管771,772を有する。乾燥処理用ノズル770の下端および分岐管771,772の下端には不活性ガスを吐出するガス吐出口770a,770b,770cが形成されている。
各吐出口770a,770b,770cからは、それぞれ図10の矢印で示すように鉛直下方および斜め下方に不活性ガスが吐出される。つまり、乾燥処理用ノズル770においては、下方に向かって吹き付け範囲が拡大するように不活性ガスが吐出される。
ここで、乾燥処理用ノズル770を用いる場合には、洗浄/乾燥処理ユニットSDは以下に説明する動作により基板Wの乾燥処理を行う。
図11は、乾燥処理用ノズル770を用いた場合の基板Wの乾燥処理方法を説明するための図である。
まず、図6で説明した方法により基板Wの表面に液層Lが形成された後、図11(a)に示すように、乾燥処理用ノズル770が基板Wの中心部上方に移動する。
その後、乾燥処理用ノズル770から不活性ガスが吐出される。これにより、図11(b)に示すように、基板Wの中心部のリンス液が基板Wの周縁部に移動し、基板Wの周縁部のみに液層Lが存在する状態になる。なお、このとき、乾燥処理用ノズル770は、基板Wの中心部に存在するリンス液を確実に移動させることができるように基板Wの表面に近接させておく。
次に、回転軸625(図5参照)の回転数が上昇するとともに、図11(c)に示すように乾燥処理用ノズル770が上方へ移動する。これにより、基板W上の液層Lに大きな遠心力が作用するとともに、基板W上の不活性ガスが吹き付けられる範囲が拡大する。その結果、基板W上の液層Lを確実に取り除くことができる。なお、乾燥処理用ノズル770は、図5の第2の回動軸672に設けられた回動軸昇降機構(図示せず)により第2の回動軸672を上下に昇降させることにより上下に移動させることができる。
また、乾燥処理用ノズル770の代わりに、図12に示すような乾燥処理用ノズル870を用いてもよい。図12の乾燥処理用ノズル870は、下方に向かって徐々に直径が拡大する吐出口870aを有する。
この吐出口870aからは、図12の矢印で示すように鉛直下方および斜め下方に不活性ガスが吐出される。つまり、乾燥処理用ノズル870においても、図10の乾燥処理用ノズル770と同様に、下方に向かって吹き付け範囲が拡大するように不活性ガスが吐出される。したがって、乾燥処理用ノズル870を用いる場合も、乾燥処理用ノズル770を用いる場合と同様の方法により基板Wの乾燥処理を行うことができる。
また、図5に示す洗浄/乾燥処理ユニットSDの代わりに、図13に示すような洗浄/乾燥処理ユニットSDaを用いてもよい。
図13に示す洗浄/乾燥処理ユニットSDaが図5に示す洗浄/乾燥処理ユニットSDと異なるのは以下の点である。
図13の洗浄/乾燥処理ユニットSDaにおいては、スピンチャック621の上方に、中心部に開口を有する円板状の遮断板682が設けられている。アーム688の先端付近から鉛直下方向に支持軸689が設けられ、その支持軸689の下端に、遮断板682がスピンチャック621に保持された基板Wの上面に対向するように取り付けられている。
支持軸689の内部には、遮断板682の開口に連通したガス供給路690が挿通されている。ガス供給路690には、例えば、窒素ガスが供給される。
アーム688には、遮断板昇降駆動機構697および遮断板回転駆動機構698が接続されている。遮断板昇降駆動機構697は、遮断板682をスピンチャック621に保持された基板Wの上面に近接した位置とスピンチャック621から上方に離れた位置との間で上下動させる。
図13の洗浄/乾燥処理ユニットSDaにおいては、基板Wの乾燥処理時に、図14に示すように、遮断板682を基板Wに近接させた状態で、基板Wと遮断板682との間の隙間に対してガス供給路690から不活性ガスを供給する。この場合、基板Wの中心部から周縁部へと効率良く不活性ガスを供給することができるので、基板W上の液層Lを確実に取り除くことができる。
(請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応)
本実施の形態においては、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14および洗浄/乾燥処理ブロック15が処理部に相当し、インターフェースブロック16が受け渡し部に相当し、載置兼冷却ユニットP−CPが温度管理待機ユニットおよび基板載置部に相当する。
また、本実施の形態においては、レジスト膜が感光性膜に相当し、塗布ユニットRESが感光性膜形成ユニットに相当し、レジストカバー膜が保護膜に相当し、塗布ユニットCOVが保護膜形成ユニットに相当し、塗布ユニットBARCが反射防止膜形成ユニットに相当し、洗浄/乾燥処理ユニットSDが乾燥処理ユニットに相当し、インターフェース用搬送機構IFRが搬送ユニットに相当し、ハンドH1,H2がそれぞれ第1および第2の保持手段に相当する。