JP3724442B2 - 時計の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回路基板を内蔵する時計の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、時計のムーブメントに組み込まれる回路基板を製造する工程においては、複数の回路基板に相当する複数の回路パターン部が相互に或る程度の間隔を隔てて元基板上に配置されるように形成し、各回路パターン部にICチップなどを実装した後に、各回路パターンをそれぞれプレス加工装置のパンチによって打ち抜くことによって抜き落とすといった方法が用いられていた。
【0003】
図3及び図4には、従来の時計用回路基板の製造工程を含む時計の製造過程を示し、図6には、時計の製造方法の手順を示す。図3に示すように、まず、テープ状の元基板10に搬送用スロット10a、基板取付孔10b、水晶振動子を配置するための部品配置孔10cなどをプレスの打ち抜き加工によって孔開けし(図6に示すステップ1)、その後、元基板10の表面上に銅箔などを貼り付け、公知のフォトリソグラフィ技術を適用して、所定の回路パターン部11A及び11B並びにメッキリード部11C及び11Dを含む導体パターンを形成する(図6に示すステップ2)。次に、上記回路パターン部11A及び11Bの表面に、メッキリード部11C及び11Dを用いてAuなどの電解メッキを施す(図6に示すステップ3)。
【0004】
その後、メッキリード部11Dの配線経路を打ち抜いてなる切断孔10dを形成することによって個々の回路パターン部11A及び11Bを電気的に分離する(図6に示すステップ4)。そして、回路パターン部11A上にICチップ12を実装し(図6に示すステップ5)、ICチップ12と回路パターン部11Aとの間の導電接続(ボンディング接続)に問題がないか否かを調べる電気的接続検査を行う(図6に示すステップ6)。そして、異常がなければ、ICチップ12をモールドし(図6に示すステップ7)、さらに、ヒートサイクルなどの電気特性検査を行う(図6に示すステップ8)。
【0005】
さらに、水晶振動子13が上記部品配置孔10cの内部に配置されるように、水晶振動子13の端子を上記回路パターン部11Aに実装し(図6に示すステップ9)、その後、水晶振動子13が正常に発振するか否かの確認、水晶振動子13の発振周波数の調整、及び、回路基板全体の電気特性検査を行う(図6に示すステップ10)。
【0006】
その後、上記回路パターン部11A及び11Bをプレスの打ち抜きによって抜き落とし(図6に示すステップ11)、図4(a)に示す回路パターン部11Aを有する回路基板14Aと、図4(b)に示す回路パターン部11Bを有する回路基板14Bとを形成する。ここで、回路基板14AにはICチップ12と水晶振動子13が既に実装されている。また、回路基板14Bには、時計の指針を駆動するための駆動用ステッピングモータを構成するコイル体15の端部15aの一方が取り付けられる(図6に示すステップ12)。
【0007】
上記のようにして形成された各部品は、図4(c)に示すように、最終的に時計100(図示例は腕時計の本体部)の内部に配置される時計ムーブメント110の内部に組み込まれる(図6に示すステップ13)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の時計の製造方法においては、上記回路基板14A及び14Bをそれぞれ元基板10から個々に支障なく抜き落とすことができるようにするには、周知のように抜き落とされる各回路基板14A及び14Bとなる部分の間に或る程度のクリアランスがなければならないことから、元基板10上において回路パターン部11A及び11Bを相互に或る程度離反した状態で配列させる必要があるため、元基板10上の回路パターン部の配列密度の向上に限界があり、これが製造コストの低減を妨げていた。
【0009】
また、上記従来においては、元基板10に部品配置孔10cを形成し、この部品配置孔10cに水晶振動子13を収容した状態で実装する方法を採用していたため、部品配置孔10cを避けて回路パターン部11A、11Bを配置しなければならないことから、元基板10上の回路パターン部の配列密度の向上の大きな障害となっていた。
【0010】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、元基板から回路基板を分離する製造工程において回路基板を構成する回路パターン部の配列密度を従来よりも高めることにより、製造コストを低減できる製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、 回路基板を内蔵する時計の製造方法であって、前記回路基板に相当する回路パターン部を元基板上に複数配列形成する回路パターン形成工程と、前記元基板から前記回路パターン部を分離して前記回路基板を形成する回路基板分離工程と、を有し、
前記回路パターン形成工程では、前記回路パターン部は、製造ラインにおける前記元基板の搬送方向には間隔を有し、前記元基板の幅方向には相互に密接した態様に配列され、 前記回路基板分離工程では、隣接する前記回路パターン部に対応する前記回路基板が相互に分離線の一部を共有する態様で分離され、かつ、前記元基板は帯状に構成されて製造ライン上に架設されることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、隣接する回路パターン部に対応する回路基板が相互に分離線の一部を共有する態様で分離されることにより、元基板上の回路パターン部の間にクリアランスを設ける必要がなくなるため、元基板における回路パターン部の配列密度を向上させることができるとともに、抜き落とし部分間に生ずる抜きカエリなどの発生も防止できる。したがって、従来よりも元基板からの回路基板の取り個数を増大させることができるとともに生産性を向上させることができるため、製造コストを大幅に低減できる。
また、この発明によれば、帯状に形成された元基板を用いることによって、元基板を製造ラインに架設して搬送しながら加工を行うことにより効率的に製造を行うことができる。また、元基板上の搬送方向には回路パターン部間に間隔を設け、幅方向には回路パターン部を相互に密接させることにより、回路基板の取り個数を増大させつつ、回路基板の分離後に元基板がばらばらになることを防止できる。したがって、製造ラインの架設状態を維持することができ、取り扱いが容易になる。
【0013】
本発明において、前記回路基板分離工程では、前記回路基板は、前記元基板の前記回路パターン部に打ち抜き型を適用させることにより抜き落とされ、前記打ち抜き型は、隣接する前記回路パターン部に対する適用範囲が部分的に重複するように用いられることが好ましい。
【0014】
この発明によれば、隣接する回路パターン部に対して打ち抜き型の適用範囲を部分的に重複させることにより、抜きカエリ等を防止したり、抜きカスの発生を低減させたりすることが可能になり、さらに不具合の低減及び生産効率の向上を図ることができる。
【0017】
本発明において、前記元基板における前記回路パターン部の搬送方向の間隔領域に、前記回路パターン部に対するメッキリードの切断用孔部、前記回路基板の分離時に用いる位置決め孔、或いは、前記回路パターン部のパターニング時における重なり露光部が設けられることが好ましい。
【0018】
この発明によれば、回路パターン部の間隔領域を有効活用することができるため、実質的な元基板上における回路パターン部の配列密度を向上させることが可能になり、さらに製造コストを低減できる。
【0019】
本発明において、前記回路基板は、基準クロックを発生する振動子を実装するための第1実装部と、時計表示用の表示駆動手段を実装するための第2実装部とを共に備えていることが好ましい。
【0020】
この発明によれば、従来別々の回路基板として製造されていたものを一体化することができるため、製造効率を高めることができるとともに、実質的に回路パターン部の配列密度を向上させることが可能となり、さらに製造コストを低減できる。
【0021】
なお、上記本発明において、回路基板が元基板から分離された後の時計製造工程において振動子や表示駆動手段を実装することが好ましい。このようにすると、元基板上に部品を配置するための領域を確保するために部品配置孔などを形成する必要がなくなり、回路パターン部の配列密度をさらに高めることができる。
【0028】
次に、本発明の時計は、回路基板を内蔵する時計であって、前記回路基板の第1外縁部の反対側にある第2外縁部の外縁形状は、前記第1外縁部の外縁形状を前記第1外縁部から前記第2外縁部に向けて平行移動させた形状と一致することを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、元基板上から複数の回路基板を形成する際に、隣接する回路パターン部を分離するときの分離線の一部が共有される態様で分離させることが可能になるので、回路基板の取り個数を増大させることができ、製造コストを低減できる。
【0030】
また、本発明の別の時計は、回路基板を内蔵する時計であって、共通の前記回路基板に、基準クロックを発生する振動子と、時計表示用の表示駆動手段とが共に実装されていることを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、振動子と表示駆動手段とが共通の回路基板に共に実装されていることによって、回路基板の種類を低減することができ、効率的に製造を行うことが可能になるので、製造コストを低減できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る時計回路基板の製造方法、時計の製造方法及び時計の実施形態について詳細に説明する。
【0033】
図1及び図2は、本実施形態の製造工程の態様を示す工程説明図である。ここで、図1は、元基板20上のパターン態様を、元基板20の搬送方向に並んだパターン部分が後述する搬送方向Vに向けて工程順に表されるように模式的に示すものである。したがって、実際の元基板の配列態様を示すものではない。また、図5は、本実施形態の製造工程の手順を示す概略フローチャートである。
【0034】
本実施形態では、図1に示すように、ポリイミド樹脂等で構成される基材を有する元基板20を用いる。元基板20は、図示のように帯状(テープ状)に構成されていることが好ましい。また、本実施形態では、元基板20はフレキシブル基板で構成されているが、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板で構成されていてもよい。
【0035】
最初に、上記元基板20には、搬送用スロット20aと、位置決め孔20bとをプレス加工の打ち抜き等によって形成する(図5に示すステップ21)。また、この工程では、図示しないが、後に形成される回路基板の組込用孔(他の部品やムーブメントに組み込む際に用いる孔、例えば固定ねじを挿通する孔など)、回路基板分離工程において回路基板をプレスにより抜き落とす際に残材が鋭角になり抜きカエリが発生する箇所をI抜き型などにより予め抜いておくための抜きカエリ防止用抜き孔、後に形成される導体パターンの一部が基材から張り出す(オーバーハングする)べき部分を形成するためのオーバーハング部抜き孔、なども必要に応じて形成される。なお、オーバーハング部抜き孔以外の孔については、次工程の導体パターンの形成後に形成してもよい。
【0036】
次に、元基板20の表面上に銅箔を貼り付けるなどの方法によって導体層を形成し、この導体層をパターニングすることによって導体パターンを形成する(図5に示すステップ22)。この工程では、導体層上にレジストを塗布する段階、レジストを所定パターンで露光する段階、露光されたレジストを現像する段階、現像によって形成されたレジストマスク上からエッチングを行う段階、レジストマスクを剥離する段階などを順次行うフォトリソグラフィ法などを用いる。この導体パターンには、複数配列された回路パターン部21Aが含まれる。また、導体パターンには、次工程で行われる電解メッキを施すためのメッキリード部21C及び21Dが含まれる。
【0037】
回路パターン部21Aは、それぞれが後述する回路基板を構成するための所定の配線パターンを含む。回路パターン部21A内の配線パターンは、少なくとも表面メッキが必要な部分(すなわち、ボンディング端子や他部品などに導電接続される部分)については上記メッキリード部21C及び21Dに導電接続されている。
【0038】
回路パターン部21Aは、元基板20の搬送方向V(すなわち、搬送用スロット20aの配列方向、つまり、元基板20がリールに巻かれる方向、或いは、製造装置にて送られる方向)については、或る程度の間隔をもって配列されている。この回路パターン部21Aの搬送方向Vの間隔領域21Pには、上記位置決め孔20bが配列されている。位置決め孔20bは、個々の回路パターン部21Aに対する加工に際して位置決めを行うための孔であり、例えば、後述する回路基板分離工程において、プレス抜き打ちを行う際にプレス型に設けられた位置決めピンを挿通させるといった使い方をする。したがって、位置決め孔20bは回路パターン部21A毎にそれぞれ形成されている。
【0039】
一方、回路パターン部21Aは、元基板20の幅方向W(すなわち、上記の搬送方向Vと直交する、元基板20の基板面内の方向)については、相互に密接して、その境界線の一部が接続される態様で配列されている。図1には、隣接する回路パターン部21Aが幅方向Wには部分的に重なり合っているように示してある。隣接する回路パターン部21Aの重なり領域21Xは、実際には、回路パターン部21A内にて配線パターンが全く形成されていないか、或いは、有意の配線パターンが形成されていない領域である。つまり、図1に示す回路パターン部21Aの境界線(外縁線)は、後述する回路基板分離工程において元基板20から抜き落とされる範囲(プレス型の適用範囲)を画成する仮想的な分離線を示すものであり、実在するものではない。
【0040】
その後、上記導体パターンの表面に電解メッキを施す(図5に示すステップ23)。この電解メッキは、元基板20上に形成された上記回路パターン部21A内の配線パターンの表面に導電接続に適した接続特性を付与するためのものである。この電解メッキとしては、例えば、表面にAu或いはAuを主成分とする金合金が表面に露出するように形成される。より具体的には、例えば、Niメッキ層の上にAuメッキ層が積層されたものが形成される。この表面メッキ層は、半田や銀合金などで構成されていてもよい。
【0041】
次に、上記のメッキリード部21Dを切断して、上記複数の回路パターン部21Aを電気的に独立させるために、簡易な孔開けユニット等によるプレス抜き打ち等によって切断孔20dを形成する(図5に示すステップ24)。この切断孔20dは、上記回路パターン部21Aの搬送方向Vの間隔領域21Pに形成される。すなわち、本実施形態では、予めメッキリード部21Dが上記間隔領域21Pに集中するように導体パターンが形成されており、メッキリード部21Dの集中した上記間隔領域21Pに切断孔20dを形成することによって各回路パターン部21Aが電気的に分離される。
【0042】
その後、回路パターン部21A上にICチップ等の電子部品22を実装する(図5に示すステップ25)。この電子部品22は、例えば、後述する振動子とともに発振回路を構成するための回路部分、当該発振回路から得られる基準クロックに基づいて各種信号を生成する分周回路その他の時計回路を構成するための回路部分、後述する駆動用ステッピングモータ等の時計表示駆動手段を駆動するための駆動回路の少なくとも一部を構成するための回路部分などを備えたものである。このICチップ22は、回路パターン部21A上に配置され、その後、必要に応じて電子部品22の端子と回路パターン部21Aの配線パターンとの間に適宜の導電接続が行われる。例えば、ボンディングワイヤなどを介して行うボンディング接続や半田リフロー等による接続などである。
【0043】
上記のようにして電子部品22の実装が完了すると、電子部品22と回路パターン部21A内の配線パターンとの導電接続状態を確認するための電気接続検査が行われる(図5に示すステップ26)。この電機接続検査は、例えば、検査点間の電気的非接続を確認するためのオープン検査及び検査点間の電気的接続を確認するためのショート検査である。
【0044】
次に、上記検査で問題がなければ、電子部品22がICチップ等で或る場合、或いは、電子部品22がボンディング接続された場合には、電子部品22をエポキシ系樹脂等のモールド用樹脂によってモールド(封止)する(図5に示すステップ27)。
【0045】
上記モールド用樹脂を乾燥させた後に、電気特性検査を行う(図5に示すステップ28)。この電気特性検査は、例えば、ヒートショックを与えても電気的特性が劣化しないか否か、電子部品22の実装済みの回路パターン部21A全体の電気的性能が基準をクリアしているか否かなどを確認するものである。
【0046】
次に、プレス抜き打ちなどによって、回路パターン部21Aを個々に抜き落とし、元基板20から分離させる(図5に示すステップ29)。これによって、図2(a)に示す回路基板24が形成される。この工程において、元基板20に対する回路パターン部21Aの分離作業は、通常、幅方向Wに配列された複数の回路パターン部21Aに対して順次行われる。回路パターン部21Aの幅方向Wの配列に対する分離作業の順番は任意でよいが、例えば、図示右方向から左方向、或いは、図示左方向から右方向といったように、幅方向Wに沿った配列順に行われることが好ましい。
【0047】
個々の回路パターン部21Aに対する分離作業は、例えば、図1に示す回路パターン部21Aの外縁形状に対応するプレス型(例えば抜き型、或いは、パンチとこれに対応するダイ)を元基板20に適用させることにより行われる。ここで、上記のように複数の回路パターン部21Aは、元基板20の幅方向Wに沿って相互に重なり領域21Xを有するように配列されている。また、複数の回路パターン部21Aは、本実施形態では元基板20上において同じ姿勢(同じ方向を向いた姿勢)で配列されている。したがって、先に分離された回路パターン部21Aで構成される回路基板24の外縁部分(すなわち上記重なり領域21Xに相当する外縁部分)と、この回路パターン部21Aに隣接し、後に分離された回路パターン部21Aで構成される回路基板24の外縁の反対側にある外縁部分とは、相互に分離線を共有する態様で分離されることとなる。
【0048】
本実施形態では、上記のようにプレス型の適用範囲が上記重なり領域21Xにおいて相互に重なるようにして回路基板24が分離されるので、従来方法では生じ得る抜きカエリの発生がなくなり、抜きカスの発生もなくなる。したがって、型の抜きカス詰まりが発生したり、抜きカスが型に付着することによって回路基板24に打痕が生じたりするといった問題がなくなり、このような問題の発生を検査する必要もなくなる。
【0049】
この場合、上記のように幅方向Wに配列される複数の回路パターン部21Aを幅方向Wに沿って順次分離させていくと、図1に示す幅方向Wの両端に配置された回路パターン部21Aにより構成される回路基板を除いて、図2(a)に示すように、幅方向Wの両側に存在する外縁部分24sと24tとが相互に対応する形状となる。すなわち、外縁部分24sの形状を幅方向Wに平行移動(並進移動)させると、外縁部分24tの形状に一致する。これは、図2(b)に示すように、複数配列された回路パターン部21Aを分離させていく向きを逆向きにしたときに得られる回路基板24’の外縁部分24’sと24’tについても同様である。
【0050】
本実施形態においては、図2(a)に示すように、回路基板24には、図2(c)に示す水晶振動子23を実装するための第1実装部24aと、図2(c)に示すコイル体25の端部25a(コイル体25のコイルを貫通する磁芯(鉄心)の端部)を実装するための第2実装部24bとが共に設けられている。すなわち、従来のように水晶振動子を実装する回路基板とコイル体を実装する回路基板とを別体に製造するのではなく、両回路基板を一体に形成している。これによって、従来のように両回路基板を別々に抜き落とす必要がなくなり、また、両回路基板を構成する回路パターン部を相互にクリアランスをとって元基板上に配列させる必要もなくなるので、元基板上の回路パターン部の配列密度を実質的に向上させることができる。
【0051】
次に、図2(c)に示すように、水晶振動子等の振動子23を上記第1実装部24aに半田付け等により実装し(図5に示すステップ30)、その後、従来と同様に、発振の確認、発振周波数の調整、電気特性検査を行う(図5に示すステップ31)。
【0052】
本実施形態では、図2(c)に示すように、回路基板24を分離させてから振動子23を実装するようにしているため、元基板20上に振動子23を配置する領域(部品配置孔)を設ける必要がなくなり、その結果、元基板20上の回路パターン部21Aの配列密度を高めることができる。
【0053】
その後、回路基板24の第2実装部24に、コイル体25の端部25aを実装する(図5に示すステップ32)。
【0054】
本実施形態では、上記のように、回路基板24に振動子23とコイル体25とを共に実装しているため、従来、振動子23を実装する回路基板と、コイル体25を実装する回路基板とを別々に設ける必要がなくなり、両回路基板を一体に形成している。その結果、従来のように両回路基板を別々に抜き落とす必要がなくなり、また、両回路基板を構成する回路パターン部を相互にクリアランスをとって元基板上に配列させる必要もなくなるので、元基板上の回路パターン部の配列密度を実質的に向上させることができる。
【0055】
その後、図2(c)に示す回路基板24を、図2(d)に示す時計200のムーブメント210の内部に組み込む(図5に示すステップ33)。ここで、時計200は、時計ケース201の内部にムーブメント210が配置され、このムーブメント210内には、上記回路基板24に接続された端部25aを有するコイル体25を備えた駆動用ステッピングモータが配置される。この駆動用ステッピングモータでは、上記コイル体25にステータ26aが連結され、このステータ26aに作用して回転するロータ26bが設けられる。このロータ26bの回転は、図示しない輪列等を介して指針203に伝達される。
【0056】
なお、本実施形態では時計表示駆動手段として指針駆動用のステッピングモータを例示しているが、それ以外に、液晶表示体等の各種電気光学装置を表示体とする場合には、表示体を駆動するための駆動回路を時計表示駆動手段として適用しても構わない。
【0057】
以上説明した本実施形態によれば、元基板20の限られたスペースの中で、無駄なスペースを設けないことにより、従来よりも単位面積当たりの基板取り個数を大幅に増加させることができ、その結果、製造コストの低減を図ることができる。
【0058】
特に、元基板20の幅方向Wに複数の回路パターン部を相互に密接して配置したことによって、回路基板の取り個数が大幅に増大できた。この場合、元基板20の幅を大きくすると取り個数の増大効果が大きくなるため、本実施形態では、従来の元基板よりも幅を大きくしてさらにコスト低減効果を高めることができる。例えば、従来の元基板が35mm幅であったのに対して、本実施形態では、元基板の幅を倍の70mmとすることによって、単位面積当たりの基板取り個数が従来の5倍となった。
【0059】
また、本実施形態では、隣接する回路パターン部同士が元基板の幅方向Wに部分的に重なり領域21Xにて重なるように打ち抜くことによって、隣接する回路パターン部から形成された回路基板が分離線の一部を共有する態様で分離されるため、抜きカエリ等の問題点を低減することができ、打ち抜きの順番を任意に設定できるため、生産効率を高めることが可能になる。また、抜きカスが出ないため、型の抜きカス詰まりや抜きカスの付着等の発生、及びこれらに起因する製品への打痕の発生などの不具合が生じない。
【0060】
また、回路パターン部は、元基板の搬送方向Vには間隔を持って配列されているため、回路基板の分離後に元基板が左右幅方向に分離してしまうといったことも起こらないとともに、元基板のリール等への巻取り時に巻乱れ等のトラブルが発生しない。そして、その搬送方向Vの間隔領域には、回路パターン部の分離時等に用いる位置決め孔、メッキリードを切断するための切断孔、パターン露光時の重なりスペースなどを設けることで有効活用することができる。
【0061】
尚、本発明の時計回路基板の製造方法、時計の製造方法及び時計は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0062】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、元基板から回路基板を分離する製造工程において回路基板を構成する回路パターン部の配列密度を従来よりも高めることにより、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る時計用回路基板或いは時計の製造方法の実施形態の製造過程を示す説明図である。
【図2】 同実施形態の製造過程を示す説明図である。
【図3】 従来の時計用回路基板或いは時計の製造方法の製造過程を示す説明図である。
【図4】 従来の製造過程を示す説明図である。
【図5】 実施形態の製造過程の概略手順を示す概略フローチャートである。
【図6】 従来の製造過程の概略手順を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
20・・・元基板、20a・・・搬送用スロット、20b・・・位置決め孔、20d・・・切断孔、21A・・・回路パターン部、21P・・・間隔領域、21X・・・重なり領域、22・・・電子部品、23・・・振動子、24・・・回路基板、24a・・・第1実装部、24b・・・第2実装部、24s,24t・・・外縁部分、25・・・コイル体、25a・・・端部、200・・・時計、210・・・ムーブメント

Claims (5)

  1. 回路基板を内蔵する時計の製造方法であって、
    前記回路基板に相当する回路パターン部を元基板上に複数配列形成する回路パターン形成工程と、
    前記元基板から前記回路パターン部を分離して前記回路基板を形成する回路基板分離工程と、
    を有し、
    前記回路パターン形成工程では、前記回路パターン部は、製造ラインにおける前記元基板の搬送方向には間隔を有し、前記元基板の幅方向には相互に密接した態様に配列され、
    前記回路基板分離工程では、隣接する前記回路パターン部に対応する前記回路基板が相互に分離線の一部を共有する態様で分離され、かつ、前記元基板は帯状に構成されて製造ライン上に架設されることを特徴とする時計の製造方法。
  2. 前記回路基板分離工程では、前記回路基板は、前記元基板の前記回路パターン部に打ち抜き型を適用させることにより抜き落とされ、
    前記打ち抜き型は、隣接する前記回路パターン部に対する適用範囲が部分的に重複するように用いられることを特徴とする請求項1に記載の時計の製造方法。
  3. 前記元基板における前記回路パターン部の搬送方向の間隔領域に、前記回路パターン部に対するメッキリードの切断用孔部、前記回路基板の分離時に用いる位置決め孔、或いは、前記回路パターン部のパターニング時における重なり露光部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の時計の製造方法。
  4. 前記回路基板は、基準クロックを発生する振動子を実装するための第1実装部と、時計表示用の表示駆動手段を実装するための第2実装部とを共に備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の時計の製造方法。
  5. 前記回路基板分離工程の後に、前記振動子を前記回路基板の前記第1実装部に実装する工程と、前記表示駆動手段を前記回路基板の前記第2実装部に実装する工程と、を有することを特徴とする請求項4に記載の時計の製造方法。
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