JP3721200B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、充填材を含有する熱可塑性樹脂に関し、特に流動性が良好であり、更に衝撃強度や曲げ強度などの機械的性質、靱性及び加熱安定性が改良された熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
背景技術
従来、ポリオレフィン樹脂、ABS樹脂や塩化ビニル樹脂に代表される熱可塑性樹脂は、機械的性質や電気的性質等に優れているため、多方面にわたって多量に使用されているが、剛性、耐衝撃性、耐候性、寸法安定性、難燃性、塗装性、接着性、着色等の諸性質を改良するために、熱可塑性樹脂に無機充填材を配合することは広く行われている。しかしながら、このような際の問題点として熱可塑性樹脂の流動性が低下して成形加工が困難であったり、表面状態が不良で製品外観を損なったり、靱性が低下して脆くなるなどが挙げられる。また、剛性を向上させるために、無機の充填材を多量に添加することが多いが、このような場合には衝撃強度や耐候性が低下してしまうという問題点がある。
これらの欠点を改良するために、特定化合物を添加する方法が提案されている。例えば、特定のHLB値(親水基と親油基のバランスを表す数値で、分子中の水酸基等の親水基の量が0%のときを0、100%のときを20として等分したもの)を有するエチレンオキシド系界面活性剤を添加する方法(特開昭58−79043号公報)、ポリカーボネート樹脂に高級脂肪酸のグリセリンエステルを添加して成形性と離型性を改良する方法(特開昭49−55752号公報)、無機粉体を含むポリオレフィン樹脂にグリセリン脂肪酸エステルを添加して加工性を改良する方法(特開昭64−90234号公報、特開平01−90234号公報)、ポリスチレン樹脂にグリセリン脂肪酸トリエステルを添加して成形性と離型性を改良する方法(特開平04−91150号公報)などが提案されている。しかし、これらの方法では満足できるものは得られていない。
また、ポリグリセリンと脂肪酸からなるエステルを高分子改質剤とする方法(特開平04−202429号公報)も提案されている。しかし、高分子の表面改質には効果があるが、本願に記載の強度や成形加工性を改良する効果はなく、更に流動性や耐熱性が劣り、満足できるものは得られていないのが現状である。
また、微細に分割されたセラミック固体と熱可塑性樹脂の分散組成物を製造する際にヒドロキシカルボン酸から誘導される分散剤を使用する方法は既に公知である(特開昭62−235252号公報)。ところが、該方法のヒドロキシカルボン酸から誘導される分散剤の縮合度は1〜3と低く、分散組成物を得ることは可能ではあるが、機械的性質や加熱安定性については満足できるものは得られていない。
発明の開示
本発明は、無機充填材及び/又は有機充填材を含有する熱可塑性樹脂に関して、流動性や靱性が良好であり、更に、衝撃強度や曲げ強度などの機械的性質や加熱安定性が改良された熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、(A)熱可塑性樹脂、(B)無機充填材及び/又は有機充填材、並びに(C)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル及び/又は(C’)縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が、上記課題を効果的に解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、
1.(A)熱可塑性樹脂、(B)無機充填材及び/又は有機充填材、並びに(C)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル及び/又は(C’)縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、
2.(C)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを構成する縮合ヒドロキシ脂肪酸が、炭素数12〜20のヒドロキシ脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の脱水重合物である上記1記載の熱可塑性樹脂組成物、
3.(C)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを構成する縮合ヒドロキシ脂肪酸が、9−ヒドロキシステアリン酸,10−ヒドロキシステアリン酸,12−ヒドロキシステアリン酸,リシノレイン酸及び水素添加ヒマシ油脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の脱水重合物である上記2記載の熱可塑性樹脂組成物、
4.(C)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを構成する縮合ヒドロキシ脂肪酸が、縮合度1より大である上記1〜3いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物、
5.縮合ヒドロキシ脂肪酸の縮合度が3.5〜7である上記4記載の熱可塑性樹脂組成物、
6.(C)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを構成する多価アルコールが、ポリグリセリン及びペンタエリスリトールよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の多価アルコールである上記1〜5いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物、
7.(C)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを構成する多価アルコールが、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリンよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のポリグリセリンである上記6記載の熱可塑性樹脂組成物、
8.(C)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルがテトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、オクタグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、デカグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、テトラグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル、オクタグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル、デカグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物である上記1〜7いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物、
9.(C’)縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸の縮合度が4〜7である上記1記載の熱可塑性樹脂組成物、
10.(C’)縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸を構成するヒドロキシカルボン酸が、リシノール酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である上記1又は9記載の熱可塑性樹脂組成物、
11.(B)無機充填材及び/又は有機充填材が増量剤、強化材、セラミックス、難燃剤及び磁性材料から選ばれる1種又は2種以上の物質である上記1〜10いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物、
12.(B)無機充填材及び/又は有機充填材が炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化鉄、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、デカブロモジフェニルエーテル及び木粉から選ばれる1種又は2種以上の物質である上記11記載の熱可塑性樹脂組成物、
13.(A)熱可塑性樹脂が低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びポリアミド樹脂から選ばれる1種又は2種以上の物質である上記1〜12いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物、
14.(B)無機充填材及び/又は有機充填材を0.01〜98重量%含有する熱可塑性樹脂組成物に充填材100重量部あたり、(C)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル及び/又は(C’)縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸を0.05〜20重量部を配合することを特徴とする上記1〜13いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物、
15.(C)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル及び/又は(C’)縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸を、(B)無機充填材及び/又は有機充填材を配合した(A)熱可塑性樹脂に配合し、溶融混練することを特徴とする上記1〜14いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物の製造法、並びに
16.(C)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル及び/又は(C’)縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸を、(B)無機充填材及び/又は有機充填材を配合した(A)熱可塑性樹脂に高濃度に配合混練し、それを別途(A)熱可塑性樹脂又は(B)無機充填材及び/又は有機充填材を配合した(A)熱可塑性樹脂で希釈しながらブレンディング及び/又はコンパウンディングすることを特徴とする上記1〜14いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物の製造法、に関する。
発明を実施するための最良の形態
(1)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル
本発明の熱可塑性樹脂組成物の1成分として用いられる多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルとは、縮合ヒドロキシ脂肪酸と多価アルコールとを反応して得られるエステルである。
本発明に使用される多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの原料として用いられる多価アルコールを具体的に示すと、例えば、ペンタエリスリトール、グリセリンなどのアルカンポリオール、ショ糖などの糖類、ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコールに代表される糖誘導体、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリンなどのポリグリセリン及びジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールに代表されるポリアルカンポリオール等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物として利用される。多価アルコールの中では、ポリグリセリン、ペンタエリスリトールが好ましく、特に重合度2〜10、より好ましくは重合度4〜8のポリグリセリンが好ましい。
本発明に使用される多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルのもう一方の原料として用いられる縮合ヒドロキシ脂肪酸とは、ヒドロキシ脂肪酸の縮合体である。本発明でいうところの縮合度は下記の(1)式で求められる。
(縮合度)=(脂肪酸の酸価)/(縮合後の脂肪酸の酸価)(1)
ここで、酸価とは脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウム(化学式はKOHであり、分子量は56.11である)のミリグラム数をいい、下記の(2)式で求められる。
(酸価)=[KOH]/[脂肪酸]×1000 (2)
ここで、[KOH]:水酸化カリウムの分子量(=56.11)
[脂肪酸]:脂肪酸の平均分子量
また、脂肪酸が複数の混合物である場合、脂肪酸の分子量は、各脂肪酸の混合割合から計算された平均分子量である。例えば、12−ヒドロキシステアリン酸(分子量=298)50重量%、リシノレイン酸(分子量=300)30重量%、ステアリン酸(分子量=284)20重量%からなる混合脂肪酸の平均分子量は295.8として酸価を求めた。縮合ヒドロキシ脂肪酸の酸価は好ましくは10〜100の範囲、更に好ましくは20〜50の範囲である。
本発明の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルで使用される縮合ヒドロキシ脂肪酸の縮合度は通常1より大であり、好ましくは縮合度3以上であり、特に好ましくは縮合度3.5〜7である。
上記ヒドロキシ脂肪酸とは分子内に1個以上の水酸基を有する脂肪酸であり、具体的に示すと例えば、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸の他に少量のステアリン酸及びパルミチン酸を含有する脂肪酸)、サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イプロール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、カムロレン酸、フェロン酸、セレブロン酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物として利用される。ヒドロキシ脂肪酸の中では炭素数8〜22のものが好ましく、より好ましくは炭素数12〜20である。その中でもリシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸が好ましく、リシノレイン酸と12−ヒドロキシステアリン酸が特に好ましい。
本発明の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルは上記原料を用いてリン酸、p−トルエンスルホン酸、苛性ソーダ等触媒の存在下もしくは無触媒で100℃〜300℃、好ましくは120℃〜250℃の範囲で加熱し生成水を系外に除去することによって得られる。反応は不活性ガスの存在下で行うのが好ましい。またトルエン又はキシレン等の共沸溶剤中で行っても良い。これらの反応の進行度合いは、生成した水の量と反応物の酸価を測定することで確認することができる。このようにして合成された多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを具体的に例示すると、ポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル、トリペンタエリスリトール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル、ショ糖縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル、ソルビトール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル、マンニトール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルなどが挙げられ、例えば、テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、テトラグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル、オクタグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、オクタグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル、デカグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、デカグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル、ペンタエリスリトール縮合リシノレイン酸エステル、ペンタエリスリトール縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル、ジペンタエリスリトール縮合リシノレイン酸エステル、ジペンタエリスリトール縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル、トリペンタエリスリトール縮合リシノレイン酸エステル、トリペンタエリスリトール縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上の混合物として利用される。なかでも縮合リシノレイン酸又は縮合12−ヒドロキシステアリン酸と重合度が2〜10のポリグリセリンとのエステルが好ましく、テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、テトラグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル、オクタグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、オクタグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル、デカグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、デカグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン酸エステル等を挙げることができる。
本発明における多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの酸価は、10以下であり、好ましくは5以下である。
本発明の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの好ましい添加量は、充填材100重量部あたり、0.05〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜5重量部であり、添加量がその範囲より少ない場合には当該化合物を添加した効果がなく、添加量がその範囲より多い場合には、本来の樹脂の物性を損ない好ましくない。
(1’)縮合ヒドロキシ脂肪酸
本発明の熱可塑性樹脂組成物に添加される縮合ヒドロキシ脂肪酸とは、ヒドロキシ脂肪酸の縮合体である。本発明でいうところの縮合度は前記の通りである。
なお、縮合ヒドロキシ脂肪酸の酸価は好ましくは10〜100の範囲、更に好ましくは20〜50の範囲内である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に添加される縮合ヒドロキシ脂肪酸の縮合度は3より大きいことが特徴である。縮合度が3以下では未反応のヒドロキシ脂肪酸が多量に存在することになり、縮合ヒドロキシ脂肪酸を添加した効果が低下するため好ましくない。好ましい縮合度は3.5以上であり、特に好ましくは4〜7である。
上記ヒドロキシ脂肪酸とは分子内に1個以上の水酸基を有する脂肪酸であり、具体的に示すと例えば、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸の外に少量のステアリン酸及びパルミチン酸を含有する脂肪酸)、サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イソプール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、カムロレン酸、フェロン酸、セレブロン酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物として利用される。ヒドロキシ脂肪酸の中では炭素数8〜22のものが好ましく、より好ましくは炭素数12〜20である。その中でもリシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシ脂肪酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸が好ましく、リシノール酸と12−ヒドロキシステアリン酸が特に好ましい。
上記縮合ヒドロキシ脂肪酸の製造方法は特に限定するものではないが、例えばヒドロキシカルボン酸又はその混合物を、任意にエステル化触媒の存在下で好ましくは160〜220℃の範囲内の温度で、所定の縮合度(3より大、好ましくは3.5以上、特に好ましくは4〜7)となるまで加熱することにより得ることができる。エステル化の経過は生成物の酸価を測定することにより推定することができる。エステル化反応で生成した水は反応系から除去することが好ましい。生成水の除去は窒素気流を反応混合物上に通すか又は反応を溶剤(例えばトルエン又はキシレン)の存在で行い、水を生成するに従って留去することにより行うことができる。次いで得られた縮合ヒドロキシ脂肪酸は通常の方法で単離することができるが、反応を有機溶剤の存在で行い、その存在が樹脂組成物に悪影響を与えない場合には、得られたポリエステル溶液を使用することも可能である。
また、本発明に使用される縮合ヒドロキシ脂肪酸の製造において、縮合停止剤を加えることは、縮合ヒドロキシ脂肪酸の縮合度を制御することができて好ましい。即ち、縮合停止剤1モルに対してヒドロキシ脂肪酸nモルを加えて重合すると、完全に重合が終了した時点では理論的には重合度nの縮合ヒドロキシ脂肪酸の末端に縮合停止剤が化合した重合物が得られる。このため、ヒドロキシ脂肪酸に特定量の縮合停止剤を加えて重合させれば、最適な縮合度の縮合ヒドロキシ脂肪酸を容易に合成することができる。ヒドロキシ脂肪酸と縮合停止剤の配合割合は縮合ヒドロキシ脂肪酸に合わせて適宜選択する必要がある。縮合停止剤とヒドロキシ脂肪酸の割合が1モル:0.5モルより大きくなると縮合が進行せず、本発明に必要な縮合度が得られない。本発明の縮合停止剤とは、分子中に水酸基を含まない脂肪酸が用いられる。これは天然の動植物より抽出した油脂を加水分解し、分離してまたは分離せずに精製して得られるカルボキシル基を官能基として含む物質の総称であって特に限定するものではない。または石油などを原料にして化学的に合成して得られる脂肪酸であってもよい。また、これら脂肪酸を水素添加などして還元したものでもよい。これらのうち、オレイン酸やステアリン酸が好ましい。
本発明の縮合ヒドロキシ脂肪酸の好ましい添加量は、充填材100重量部あたり、0.05〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜5重量部である。
(2)熱可塑性樹脂
本発明で対象となる熱可塑性樹脂としては、加熱により溶融し、冷却すると再び固化し、溶融と冷却が可逆的に繰り返される性質を有する樹脂であれば特に制限は無い。熱可塑性樹脂の例示としては、次のような樹脂が挙げられる。低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、及びこれらの共重合体などを含むポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体に塩化ビニルをグラフトした共重合体などを含む塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などのスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイドやポリフェニレンサルファイド等のエンジニアリングプラスチックなどの樹脂のほかに、更には各種ポリマーを1種以上ブレンドしたものも含まれる。これら熱可塑性樹脂の中で、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド樹脂が好ましい。
(3)無機充填材及び/又は有機充填材
本発明の無機充填材及び/又は有機充填材としては、増量剤や強化材のほかにセラミックス、難燃剤及び磁性材料などがあり、無機充填材を例示すると、炭酸カルシウム、珪藻土、クレー、カオリン、酸化チタン、酸化カルシウム、マイカ、シリカ、アルミナ、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、鉛丹、亜鉛華、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、ガラスビーズ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ガラスフレーク、ガラス繊維、アルミナ繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、ゾノトライト、ホスフェートファイバー、ウィスカー、酸化鉄、クロム酸鉛、クロム酸ストロンチウム、カーボンブラック、アルミニウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、黄銅、ニッケル、銅、ステンレス、金属酸化物系セラミックス、非酸化物系セラミックス(窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化ケイ素、炭化チタニウム、炭化タングステン)、三酸化アンチモン、三塩基性硫酸鉛、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、スラグ繊維等が挙げられ、好ましくは炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化鉄、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラス繊維がよい。また、有機充填材を例示すると、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、テフロン、木粉、パルプ、ゴム粉、デカブロモジフェニルエーテルなどの臭素系難燃剤等が挙げられ、好ましくは炭素繊維、アラミド繊維、デカブロモジフェニルエーテル、木粉がよい。本発明においてはこれらの充填材1種又は2種以上を適宜用いることができる。
本発明における多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル、及び/又は縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸は、充填材を樹脂組成物の0.01〜98重量%、好ましくは15〜98重量%含有する熱可塑性樹脂組成物に特に有効であり、上記の割合で添加される。
特に、無機充填材及び/又は有機充填材を樹脂組成物の70重量%以上の高濃度に含有する熱可塑性樹脂組成物では、樹脂/充填材の二成分では混練が困難又は不可能であったが、本発明における多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル及び/又は縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸を添加することにより、熱可塑性樹脂組成物の混練が可能となり、無機充填材及び/又は有機充填材を高濃度(好ましくは70〜98重量%)に含有した樹脂組成物の製造が可能となり、特に好ましい。
(4)その他の配合剤
本発明組成物には更にその目的に応じ所望の特性を付与するため、一般に熱可塑性樹脂に添加される公知の物質、すなわち酸化防止剤や耐熱安定剤、紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、潤滑剤、可塑剤及び結晶化促進剤、結晶核剤、またその他の無機充填材や有機充填材を配合することも勿論可能である。
(5)配合方法
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造するには溶融混練方法が一般的には採用されている。この溶融混練とは、加熱条件(好ましくは150℃以上の高温度)下で樹脂を溶融して、充填材や添加剤等を均一に混練させる方法である。溶融混練には単軸混練機、噛合同方向回転型・噛合異方向回転型・非噛合同方向回転型・非噛合異方向回転型等の二軸混練機などによる連続溶融混練機又はロールもしくはバンバリー等のバッチ式溶融混練機が一般的に使用される。混練機への供給方法としては、上記各成分を所定量配合し、ヘンシェル型混合機、Vブレンダーやタンブラー型混合機などの一般に知られている混合機にて予備混合した後混練機へ供給する方法や各成分を自動計量機にて所定量を秤量し個別に混練機へ供給する方法を採用しても構わない。
本発明で使用される多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル及び/又は縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸(以下、「多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル等」という)の添加方法は、その樹脂組成物の製造方法のどの時点で添加してもよい。また、予め無機充填材及び/又は有機充填材(以下、充填材と略す)、又は多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル等、又は充填材及び多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル等(必要に応じて各種添加剤)を特定の熱可塑性樹脂(例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、好ましくは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂)に高濃度(例えば充填材であれば樹脂組成物の5重量%以上、好ましくは30〜98重量%、多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル等であれば樹脂組成物の0.5重量%以上、好ましくは1〜20重量%)に配合混練して、それを別途樹脂等または充填材含有樹脂等で希釈しながらブレンディング及び/又はコンパウンディングしたり、成形することもできる。
また、特殊な場合は、熱可塑性樹脂、充填材と多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル等とを直接各種成形機に供給し、成形機で混練しながら成形することもできる。
(6)樹脂組成物の成形加工法
本発明の樹脂組成物の成形加工法は特に限定されるものではない。成形方法としては射出成形、押出成形、圧縮成形、シート成形、ラミネーション成形、中空成形、真空成形、移送成形等を挙げることができる。
以下、実施例、比較例等により、本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1−1
(多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの製造例)
1リットルの四つ口フラスコに12−ヒドロキシステアリン酸(分子量=300、酸価=187.0)500gとp−トルエンスルホン酸0.5gを加えて、窒素気流下で生成水を除去しながら180℃、15時間反応して縮合12−ヒドロキシステアリン酸475gを得た。このものの酸価は45.5であり、エステル化されていることを確認した。このものの縮合度は4.1であった。(縮合度は前述のとおり、[脂肪酸の酸価]/[縮合後の脂肪酸の酸価]の式より、187.0/45.5=4.1と算出される)。ついで、得られた縮合12−ヒドロキシステアリン酸(酸価=45.5、縮合度=4.1)400gとヘキサグリセリン30gを混合し窒素気流下で生成水を除去しながら190℃、10時間反応して本発明の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを412g得た。このものの酸価は4.3でありエステル化されていることを確認した。
製造例1−2
(多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの製造例)
1リットルの四つ口フラスコにリシノレイン酸(分子量=298、酸価=188.3)500gを加えて、窒素気流下で生成水を除去しながら200℃、6時間反応して縮合リシノレイン酸480gを得た。このものの酸価は40.5であり、エステル化されていることを確認した。このものの縮合度は4.6であった。(縮合度は前述のとおり、[脂肪酸の酸価]/[縮合後の脂肪酸の酸価]の式より、188.3/40.5=4.6と算出される)。ついで、得られた縮合リシノレイン酸(酸価=40.5、縮合度=4.6)400gとデカグリセリン50gを混合し窒素気流下で生成水を除去しながら190℃、15時間反応して本発明の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを425g得た。このものの酸価は3.8でありエステル化されていることを確認した。
製造例1−3
(多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの製造例)
1リットルの四つ口フラスコにリシノレイン酸(分子量=298、酸価=188.3)500gと苛性ソーダ0.5gを加えて、窒素気流下で生成水を除去しながら190℃、12時間反応して縮合リシノレイン酸463gを得た。このものの酸価は40.2であり、エステル化されていることを確認した。このものの縮合度は4.7であった。(縮合度は前述のとおり、[脂肪酸の酸価]/[縮合後の脂肪酸の酸価]の式より、188.3/40.2=4.7と算出される)。ついで、得られた縮合リシノレイン酸(酸価=40.2、縮合度=4.7)400gとテトラグリセリン20gを混合し窒素気流下で生成水を除去しながら190℃、7時間反応して本発明の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを398g得た。このものの酸価は1.4でありエステル化されていることを確認した。
製造例1−4
(多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの製造例)
1リットルの四つ口フラスコにリシノレイン酸(分子量=298、酸価=188.3)500gを加えて、窒素気流下で生成水を除去しながら200℃、6時間反応して縮合リシノレイン酸480gを得た。このものの酸価は40.5であり、エステル化されていることを確認した。このものの縮合度は4.6であった。(縮合度は前述のとおり、[脂肪酸の酸価]/[縮合後の脂肪酸の酸価]の式より、188.3/40.5=4.6と算出される)。ついで、得られた縮合リシノレイン酸(酸価=40.5、縮合度=4.6)400gとヘキサグリセリン30gを混合し窒素気流下生成水を除去しながら190℃、10時間反応して本発明の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを412g得た。このものの酸価は4.1であり、エステル化されていることを確認した。
製造例1−5
(多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの製造例)
1リットルの四つ口フラスコにリシノレイン酸(分子量=298、酸価=188.3)500gを加えて、窒素気流下で生成水を除去しながら200℃、6時間反応して縮合リシノレイン酸480gを得た。このものの酸価は40.5であり、エステル化されていることを確認した。このものの縮合度は4.6であった。(縮合度は前述のとおり、[脂肪酸の酸価]/[縮合後の脂肪酸の酸価]の式より、188.3/40.5=4.6と算出される)。ついで、得られた縮合リシノレイン酸(酸価=40.5、縮合度=4.6)400gとテトラグリセリン30gを混合し窒素気流下で生成水を除去しながら190℃、15時間反応して本発明の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを425g得た。このものの酸価は3.8でありエステル化されていることを確認した。
製造例1−6
(多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの製造例)
1リットルの四つ口フラスコにステアリン酸(酸価=197.6、縮合度=1.0)284gとヘキサグリセリン462g及びリン酸0.1gを加えて、窒素気流下で生成水を除去しながら250℃、5時間反応して未縮合の脂肪酸を用いた多価アルコール脂肪酸エステル690gを得た。このものの酸価は0.7でありエステル化されていることを確認した。
表1−1に製造例1−1〜1−5の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル及び製造例1−6の多価アルコール脂肪酸エステルの概略をまとめた。
Figure 0003721200
製造例2−1
(縮合ヒドロキシ脂肪酸の製造例)
1リットルの四つ口フラスコに工業用の12−ヒドロキシステアリン酸(分子量=300、酸価=188.3)500gとp−トルエンスルホン酸0.5gを加えて、窒素気流下で生成水を除去しながら180℃、15時間反応して縮合12−ヒドロキシステアリン酸475gを得た。このものの酸価は45.5であり、エステル化されていることを確認した。このものの縮合度は4.1であった。
製造例2−2
(縮合ヒドロキシ脂肪酸の製造例)
1リットルの四つ口フラスコに工業用のリシノール酸(分子量=298、酸価=188.3)500gを加えて、窒素気流下で生成水を除去しながら200℃、6時間反応して縮合リシノール酸480gを得た。このものの酸価は40.5であり、エステル化されていることを確認した。このものの縮合度は4.6であった。
製造例2−3
(縮合ヒドロキシ脂肪酸の製造例)
1リットルの四つ口フラスコに工業用の12−ヒドロキシステアリン酸(分子量=300、酸価=188.3)、500gとp−トルエンスルホン酸0.5gを加えて、窒素気流下で生成水を除去しながら180℃、12時間反応して縮合12−ヒドロキシステアリン酸483gを得た。このものの酸価は53.8であり、エステル化されていることを確認した。このものの縮合度は3.5であった。
製造例2−4
(縮合ヒドロキシ脂肪酸の製造例)
1リットルの四つ口フラスコに工業用のリシノール酸(分子量=298、酸価=188.3)500gを加えて、窒素気流下で生成水を除去しながら200℃、0.5時間反応して縮合リシノール酸480gを得た。このものの酸価は117.5であり、エステル化されていることを確認した。このものの縮合度は1.6であった。表2−1に製造例の概略をまとめた。
Figure 0003721200
尚、本発明の実施例と比較例における評価項目及び評価方法は下記の通りである。
1.物性測定の方法
1)メルトフローレート
JIS K−7210に規定するA法に準拠して測定した。
なお、測定条件はポリプロピレン樹脂(PP)の場合、測定温度230℃、試験荷重2.16kg、ポリスチレン樹脂(PS)の場合、測定温度200℃、試験荷重5kg、ポリエチレン樹脂(PE)の場合、測定温度190℃、試験荷重2.16kgとした。
2)粘度
ポリ塩化ビニル樹脂については、溶融混練前の段階で、JIS K7117に規定するS法に準拠して測定し、流動性の指標とした。
3)引張り試験
JIS K−7113に準拠して強度と伸びを測定した。
4)荷重たわみ温度
JIS K−7207に準拠して荷重たわみ温度を測定した。
5)加熱安定性
熱重量分析計を用いて、250℃で30分間保持した後の重量減少(重量%)と、200℃で30分間保持した後の重量減少(重量%)を測定した。
2.充填材の高濃度含有組成物の評価
無機充填材及び/又は有機充填材を高濃度(樹脂組成物の70〜98重量%)に含有した熱可塑性樹脂組成物については、以下の方法で評価した。
1)混練トルク測定
ラボプラストミル((株)東洋精機製作所、ミル容量60cc)に表1−3及び表1−5に示す配合量を投入し、溶融混練開始3分後の混練トルクを測定した。混練トルクが低いほど成形加工性が良好である。なお、混練時の温度はポリプロピレン樹脂が190℃、ポリエチレン樹脂が170℃とし、回転数は30rpmとした。
2)シート評価
卓上小型ロールミキシング機((株)東洋精機製作所、3in×6in)で、ロール温度を175℃に加熱した後、表1−3、表1−5、表1−6及び表1−8に示す配合量を投入し、全試料投入後3分間混練し、シートを作製した。このシートの外観と強度を目視により判定した。
Figure 0003721200
実験結果
実施例1−1〜1−6
タルク(ソープストンP、ソブエクレー(株)製)に対し、製造例1−1〜1−3の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを表1−2に示す配合量を添加し、ヘンシェルミキサーで高速攪拌して充填材の表面処理を行った。この処理充填材20重量部を耐衝撃性ポリプロピレン樹脂(BC3L、三菱化学(株)製)80重量部に添加して、二軸押出機により溶融混練し、ペレットを製造した。次いで、このペレットを用いて射出成形機により2mm厚のテストピースを作製し、そのテストピースにより物性測定を行った。また、ペレットそのものを用いてメルトフローレートと加熱安定性を測定した。測定結果を表1−2に示す。
比較例1−1〜1−3
多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルで処理しない充填材の使用(比較例1−1)、多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの添加量変更(比較例1−2)、多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの代わりに多価アルコール脂肪酸エステルを使用(比較例1−3)したこと以外は実施例1−1〜1−6と同様の操作・評価を行った。測定結果を表1−2に示す。
実施例1−7、比較例1−4〜1−5
充填材を炭酸カルシウム(NS−100、日東粉化(株)製)に代えて実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−3と同様の操作・評価を行った。測定結果を表1−2に示す。
実施例1−8、比較例1−6〜1−7
樹脂をポリスチレン樹脂(679R、旭化成工業(株)製)に代えて、実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−3と同様の操作・評価を行った。測定結果を表1−2に示す。
実施例1−9〜1−13
タルクに対し、製造例1−1−1〜1−3の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを表1−3に示す配合量を添加し、ヘンシェルミキサーで高速攪拌して充填材の表面処理を行った。この処理充填材80重量部を耐衝撃性ポリプロピレン樹脂(BC3L、三菱化学(株)製)20重量部に添加した後、充填材の高濃度含有組成物の評価で記載した混練トルク測定とそのシートの評価を行った。これらの結果を表1−3に示す。
比較例1−8〜1−9
多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルで処理しないタルクの使用(比較例1−8)、多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの代わりに多価アルコール脂肪酸エステルを使用(比較例1−9)したこと以外は実施例1−9〜1−13と同様の操作・評価を行った。測定結果を表1−3に示す。
実施例1−14
酸化鉄(川崎製鉄(株)製)に対し、製造例1−1の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを表1−3に示す配合量を添加し、ヘンシェルミキサーで高速攪拌して充填材の表面処理を行った。この処理充填材80重量部を耐衝撃性ポリプロピレン樹脂(BC3L、三菱化学(株)製)20重量部に添加した後、充填材の高濃度含有組成物の評価で記載した混練トルク測定とそのシートの評価を行った。これらの結果を表1−3に示す。
比較例1−10〜1−11
多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルで処理しない酸化鉄の使用(比較例1−10)、多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの代わりに多価アルコール脂肪酸エステルを使用(比較例1−11)したこと以外は実施例1−9〜1−13と同様の操作・評価を行った。測定結果を表1−3に示す。
実施例1−15〜1−28
タルク(ソープストンP、ソブエクレー(株)製)と炭酸カルシウム(NS−100、日東粉化(株)製)の2種類の充填材に対し、製造例1−1〜1−5の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを表1−4に示す配合量を添加し、ヘンシェルミキサーで高速攪拌して充填材の表面処理を行った。この処理充填材40重量部を耐衝撃性ポリプロピレン樹脂(BC3L、三菱化学(株)製)60重量部に添加して、二軸押出機により溶融混練し、ペレットを製造した。次いで、このペレットを用いて射出成形機により2mm厚のテストピースを作製し、そのテストピースにより物性測定を行った。また、ペレットそのものを用いてメルトフローレートと加熱安定性を測定した。測定結果を表1−4に示す。
比較例1−12〜1−17
多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルで処理しない充填材の使用(比較例1−12、15)、多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルの添加量変更(比較例1−13、16)、多価アルコール脂肪酸エステルを使用(比較例1−14、17)したこと以外は実施例1−15〜1−28と同様の操作・評価を行った。測定結果を表1−4に示す。
実施例1−29〜1−40
タルクと炭酸カルシウム(共に実施例1−15〜1−28と同様)に対し、製造例1−1〜1−5の多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを表1−5に示す配合量を添加し、ヘンシェルミキサーで高速攪拌して各充填材の表面処理を行った。この処理充填材80重量部を耐衝撃性ポリプロピレン樹脂(実施例1−15〜1−28と同様)20重量部に添加した後、充填材の高濃度含有組成物の評価で記載した混練トルク測定とシートの評価を行った。評価結果を表1−5に示す。
比較例1−18〜1−21
多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルで処理しない充填材の使用(比較例1−18、20)、多価アルコール脂肪酸エステルを使用(比較例1−19、21)したこと以外は実施例1−29〜1−40と同様の操作・評価を行った。評価結果を表1−5に示す。
実施例1−41〜1−46、比較例1−22〜1−23
充填材を酸化鉄(実施例1−14と同様)に代えて実施例1−29〜1−46及び比較例1−18〜1−21と同様の操作・評価を行った。評価結果を表1−6に示す。
実施例1−47〜1−56、比較例1−24〜1−29
耐衝撃性ポリプロピレン樹脂を高密度ポリエチレン樹脂(HJ580、三菱化学(株)製)とポリスチレン樹脂(679R、旭化成工業(株)製)の2種類の樹脂に代えて、実施例1−15〜1−28及び比較例1−12〜1−17と同様の操作・評価を行った。測定結果を表1−7に示す。
実施例1−57〜1−60、比較例1−30〜1−31
耐衝撃性ポリプロピレン樹脂を高密度ポリエチレン樹脂(HJ580、三菱化学(株)製)に代えて、実施例1−35〜1−40及び比較例1−20〜1−21と同様の操作・評価を行った。測定結果を表1−8に示す。
実施例1−61〜1−65、比較例1−32〜1−34
樹脂組成物の配合をポリ塩化ビニル樹脂/可塑剤/充填材=15/10/75(重量%)に代え、更に流動性の測定にメルトフローレートの代わりに粘度測定を行った以外は実施例1−15〜1−28及び比較例1−12〜1−17と同様の操作・評価を行った。なお、ポリ塩化ビニル樹脂はTH−1000(東ソー(株)製)、可塑剤はフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(通常DOPと略される)(ビニサイザー80K、花王(株))、充填材は炭酸カルシウム(実施例1−15〜1−28と同様)を各々使用した。測定結果を表1−9に示す。
実施例1−66〜1−75、比較例1−35〜1−40
樹脂をポリアミド樹脂(CM1017(ナイロン6)、東レ(株)製)に代えて、実施例1−15〜1−28及び比較例1−12〜1−17と同様の操作・評価を行った。測定結果を表1−10に示す。
Figure 0003721200
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実施例2−1〜2−12
タルク(ソープストンP、ソブエクレー(株)製)と炭酸カルシウム(NS−100、日東粉化(株)製)の2種類の充填材に対し、製造例2−1〜2−3の縮合ヒドロキシ脂肪酸を表2−2に示す配合量を添加し、ヘンシェルミキサーで高速攪拌して各充填材の表面処理を行なった。この処理充填材40部を耐衝撃性ポリプロピレン樹脂(BC3L、三菱化学(株)製)60部に添加して、二軸押出機により溶融混合し、ペレットを製造した。次いで、このペレットを用いて射出成形機により2mm厚のテストピースを作製し、そのテストピースにより物性測定を行った。また、ペレットそのものを用いてメルトフローレートと加熱安定性を測定した。測定結果を表2−2に示す。
比較例2−1〜2−6
縮合ヒドロキシ脂肪酸で処理しない充填材の使用(比較例2−1、4)、縮合ヒドロキシ脂肪酸の添加量変更(比較例2−2、5)、縮合度が3以下の縮合ヒドロキシ脂肪酸を使用(比較例2−3、6)したこと以外は実施例2−1〜2−12と同様の操作・評価を行った。測定結果を表2−2に示す。
実施例2−13〜2−27
タルクと炭酸カルシウム(共に実施例2−1〜2−12と同様)及び酸化鉄(川崎製鉄(株)製、比重6g/cm3)に対し、製造例2−1〜2−3の縮合ヒドロキシ脂肪酸を表2−3に示す配合量を添加し、ヘンシェルミキサーで高速攪拌して充填材の表面処理を行った。この処理充填材80部を耐衝撃性ポリプロピレン樹脂(実施例2−1〜2−12と同様)20部に添加した後、充填材の高濃度含有組成物の評価で記載した混練トルク測定とシートの評価を行った。評価結果を表2−3に示す。
比較例2−7〜2−12
縮合ヒドロキシ脂肪酸を添加しない使用(比較例2−7、9、11)、縮合度が3以下の縮合ヒドロキシ脂肪酸を使用(比較例2−8、10、12)したこと以外は実施例2−13〜2−27と同様の操作・評価を行った。評価結果を表2−3に示す。
実施例2−28〜2−32、比較例2−13〜2−15
樹脂を高密度ポリエチレン樹脂(HJ580、三菱化学(株)製)に代えて、実施例2−1〜2−12及び比較例2−1〜2−6と同様の操作・評価を行った。測定結果を表2−4に示す。
実施例2−33〜2−37、比較例2−16、2−18
樹脂をポリスチレン樹脂(679R、旭化成工業(株)製)に代えて、実施例2−1〜2−12及び比較例2−1〜2−6と同様の操作・評価を行った。測定結果を表2−4に示す。
実施例2−38〜2−41、比較例2−19〜2−20
樹脂を高密度ポリエチレン樹脂(HJ580、三菱化学(株)製)に代えて、実施例2−18〜2−22及び比較例2−9〜2−10と同様の操作・評価を行った。評価結果を表2−5に示す。
実施例2−42〜2−46、比較例2−21〜2−23
樹脂組成物の配合をポリ塩化ビニル樹脂/可塑剤/充填材=15/10/75(重量%)に代え、更に流動性の測定にメルトフローレートの代わりに粘度測定を行った以外は実施例2−1〜2−12及び比較例2−1〜2−6と同様の操作・評価を行った。なお、ポリ塩化ビニル樹脂はTH−800(東ソー(株)製)、可塑剤はフタル酸ジ2−エチルヘキシル(通常DOPと略される)(ビニサイザー80K、花王(株)製)、充填材は炭酸カルシウム(実施例2−1〜2−12と同様)を各々使用した。測定結果を表2−6に示す。
実施例2−47〜2−56、比較例2−24〜2−29
樹脂をポリアミド樹脂(CM1017(ナイロン6)、東レ(株)製)に代えて、実施例2−1〜2−12及び比較例2−1〜2−6と同様の操作・評価を行った。測定結果を表2−7に示す。
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産業上の利用可能性
多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルからなることを特徴とする充填材を含有する熱可塑性樹脂用改質剤であり、また、(A)熱可塑性樹脂、(B)無機充填材及び/又は有機充填材、(C)多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物及びその製造法であり、流動性が良好であり、また、伸びや衝撃強度等の靱性が良好であり、更に曲げ強度などの機械的性質や耐熱性が改良された熱可塑性樹脂組成物を得ることができた。更に、本発明における多価アルコール縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルを添加することにより、充填材を高濃度に含有した熱可塑性樹脂組成物の混練が可能となり、無機充填材及び/又は有機充填材を70重量%以上の高濃度に含有した樹脂組成物の製造が可能となった。

Claims (9)

  1. (A)熱可塑性樹脂、(B)無機充填材及び/又は有機充填材、並びに(C')縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸を含有する組成物であって、該縮合ヒドロキシ脂肪酸の含有量が充填材100重量部に対して0.05〜20重量部であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. (C')縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸の縮合度が4〜7である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. (C')縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸を構成するヒドロキシカルボン酸が、リシノール酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. (B)無機充填材及び/又は有機充填材が増量剤、強化材、セラミックス、難燃剤及び磁性材料から選ばれる1種又は2種以上の物質である請求項1〜3いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. (B)無機充填材及び/又は有機充填材が炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化鉄、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、デカブロモジフェニルエーテル及び木粉から選ばれる1種又は2種以上の物質である請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. (A)熱可塑性樹脂が低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びポリアミド樹脂から選ばれる1種又は2種以上の物質である請求項1〜いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. (B)無機充填材及び/又は有機充填材を0.01〜98重量%含有する請求項1〜いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. C')縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸を、(B)無機充填材及び/又は有機充填材を配合した(A)熱可塑性樹脂に配合し、溶融混練することを特徴とする請求項1〜いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物の製造法。
  9. C')縮合度が3より大きい縮合ヒドロキシ脂肪酸を、(B)無機充填材及び/又は有機充填材を配合した(A)熱可塑性樹脂に高濃度に配合混練し、それを別途(A)熱可塑性樹脂又は(B)無機充填材及び/又は有機充填材を配合した(A)熱可塑性樹脂で希釈しながらブレンディング及び/又はコンパウンディングすることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物の製造法。
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