JP3720178B2 - デジタル演算処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル演算処理装置に係わり、特に、高速な演算速度が要求されるデジタル演算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高速演算制御装置には以下の例がある。
(1)特開平5−258703号公報に示されている公知例では、高速制御出力演算をデジタル演算器で行わず、アナログ回路を用いて制御出力を行って高速制御に対応している。
【0003】
(2)特開平5−226234号公報に示されている電子線描画装置では、演算器としてのDSPを組み合わせて演算処理部を構成し、DSP間は2ポートメモリを用いてデータの転送を行っている。また、各演算DSPの制御は、マスタとなるDSPが管理する構成となっている。さらに、デジタルデータをアナログ出力に変換するD/A変換器には、プロセッサがデータを出力するため、2面のレジスタを交互に切り替える構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、電子線描画装置等の制御装置においては、その処理速度の向上化が望まれている。処理速度を向上するためには、上記特開平5−258703号公報のように、高速制御出力演算をデジタル演算器で行わず、アナログ回路を用いることが考えられる。ところが、アナログ回路を用いた場合には、処理速度は向上するが、高精度な制御処理は望めない。
【0005】
このため、電子線描画装置等の高速演算制御装置において、精度の向上や処理時間短縮のために、高速演算が可能なデジタル演算処理装置が望まれているが、その実現化には、以下のような問題点があった。
【0006】
(1)高精度かつ高速演算を行うためには、実数演算処理を並列パイプライン的に実行する必要があるが、非常に多くのトランジスタを必要とする。さらに、リアルタイムで動作する制御部と連動するため、レイテンシタイムを小さく保つ必要があり、配線短縮の点からもコンパクトに構成する必要性が生ずる。
このため、非常に高集積なLSI又は電子基板を実現しなければならず、高度な論理設計技術やトランジスタ数の削減技術が要求される。
【0007】
上記要求を満足させようとすると、多くのトランジスタが小さなエリアで大量にスイッチング動作を行うようにしなければならず、それに伴って大量の発熱が生ずる恐れがある。このため、発熱を押さえる回路設計上の工夫が必要となる。しかしながら、これでは、回路構成の大規模化及び複雑化を伴い、高価格となってしまう。
【0008】
(2)マスタプロセッサと高速デジタル演算処理装置との間で高速クロックに同期してスムーズな情報のやり取りが必要となる。
従来は、2ポートメモリを用いた手段が用いられることが多いが、メモリ等のデバイスのアクセススピードの制限やアクセス競合の問題があり、高速化が困難であった。
【0009】
(3)制御対象に指令値を与えるため、高精度な高速制御出力演算データをアナログ信号に変換する変換する必要がある。
【0010】
しかしながら、デジタルアナログ変換に際して、高速高精度のデジタルアナログ変換器には制限があり、誤差成分も補正した形で演算処理結果を高精度なデジタルデータとして、例えば、12bit精度以上で10ns以下のクロック周期で出力するのは困難であり、それ以上の演算速度の高速化ができなかった。
【0011】
本発明の目的は、回路構成の大規模化及び複雑化を伴うこと無く、制御出力周期を100MHz以上で行うことを可能とする高速デジタル演算処理制御装置を実現することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
(1)高速なクロック信号周期に同期してデジタル演算処理を行うデジタル演算処理装置において、
入力データを内部形式に変換する初段、変換した入力データの乗算を実施する段、及び乗算結果を内部形式から出力形式に変換して出力するパイプレジスタからなる最終段を有する実数乗算器と、
入力データを内部形式に変換するパイプレジスタからなる初段、変換した入力データの加算を実施する段、及び加算結果を内部形式から出力形式に変換して出力する最終段を有する実数加算器と、をパイプライン化し、演算処理の基本単位となる演算を、上記パイプライン化した上記実数乗算器と実数加算器とを1つに結合して、乗算と加算とを順次実施して行なうMAC演算器を備え、
上記実数乗算器の最終段であるパイプラインレジスタと実数加算器の初段であるパイプラインレジスタとの演算器における段数を、同レベルにそろえ、実数乗算器の最終段の処理と、実数加算器の初段の処理の1部とを並列に動作させる。
【0013】
本構成において、実数乗算器の出力段と、実数加算器の入力段とのレベルが同レベルであるので、これらの信号を並列に処理可能であり、実数乗算器の最終段の次段で、IEEE形式に変換するステージを設ける必要が無く、内部形式のまま、次段の実数加算器にデータを引き渡すことができる。
【0014】
従って、実数加算器の初段で、乗算器からの結果に対してIEEE形式からの変換ステージを実行する必要もなくなる。これにより、パイプライン段数とトランジスタ数の削減が可能となり、回路構成の大規模化及び複雑化と発熱を伴うことなく高集積化が実現でき、高速で高精度なデジタル演算処理が可能となる。
【0015】
(2)第1の高速クロック信号に同期し、デジタル処理を行うデジタル演算処理装置において、
上記第1の高速クロック信号と非同期の第2のクロック信号に同期して動作するプロセッサと、上記プロセッサからのデータを第1のゲート信号に応答してラッチする機能を有する1段目のラッチレジスタと、上記1段目のラッチレジスタからのデータを第2のゲート信号に応答してラッチする機能を有する2段目のラッチレジスタと、を備え、上記第1のゲート信号は、上記プロセッサからのライトアクセス信号を基に生成され、第2のゲート信号は、上記第1の高速クロック信号に同期化した信号を基に生成され、上記1段目のラッチレジスタに書き込まれた上記プロセッサからの複数のデータが上記第2のゲート信号により上記2段目のラッチレジスタに一斉に引き渡される
【0016】
第1の周期で高速に変化する情報を処理する演算処理装置に、第2の周期で低速に変化する情報を処理するプロセッサを設けることにより、低速で制御する部分と、高速で制御する部分とを分割して、制御の適切化が可能になるが、本構成により、上記2種類の周期で動作する部分のスムーズな情報のやり取りが実現できる。これにより、情報のやり取りの同期が問題とならずに、高速なデジタル演算処理可能な演算手段を用いることができ、高速で高精度なデータ処理が可能なデジタル演算処理装置を実現することができる。
【0017】
(3)高速なクロック信号周期に同期してデジタルデータをアナログデータとして出力するデジタル演算処理装置において、デジタルデータを連続的なビット列で構成された少なくとも2つの出力データに分割する手段と、その上位側の出力データに対応した補正データを記憶するメモリ手段と、上記少なくとも2つの出力データと補正データとに対応したアナログデータを出力する少なくとも3つのデジタルアナログ変換器と、上記少なくとも2つの出力データを、対応するデジタルアナログ変換器に与えるデータフォーマットに変換する手段と、上記少なくとも2つの出力データと補正データとの出力タイミングを合わせる手段と、を備え、上記少なくとも3つのデジタルアナログ変換器のアナログデータを加算する。
【0018】
本構成により、高速で演算処理されたデジタル信号を、適切に高精度かつ高速にアナログ信号に変換可能なデジタル演算処理を実現することができる。
【0019】
(4)ビーム光源からのビームを、ビーム走査制御部により走査して、被検出物に照射し、画像処理部により被検出物の画像情報を得るビーム走査型の画像情報取り込み装置において、上記ビーム走査制御部は、入力データを内部形式に変換する初段、変換した入力データの乗算を実施する段、及び乗算結果を内部形式から出力形式に変換して出力する最終段を有する実数乗算器と、入力データを内部形式に変換する初段、変換した入力データの加算を実施する段、及び加算結果を内部形式から出力形式に変換して出力する最終段を有する実数加算器と、をパイプライン化し、パイプライン化した実数乗算器及び実数加算器を1つに融合し、上記実数乗算器の最終段であるパイプラインレジスタと上記実数加算器の初段であるパイプラインレジスタとの演算器における段数を、同レベルにそろえ、上記実数乗算器の最終段の処理と、上記実数加算器の初段の処理の1部とを並列に動作させて、乗算と加算とを順次実施するMAC演算器を有し、ビーム走査位置の誤差から生じる画像の歪の補正演算を行ない、ビーム制御デジタルデータを出力するデジタル演算処理手段と、上記デジタル演算手段の第1の高速クロック信号と非同期第2のクロック信号に同期して上記補正演算の係数データを設定するプロセッサと、上記プロセッサからのデータを、上記プロセッサからのライトアクセス信号を基に生成される第1のゲート信号に応答してラッチする機能を有する1段目のラッチレジスタと、上記1段目のラッチレジスタに書き込まれた上記プロセッサからの複数のデータを、上記プロセッサから出力される第2のゲート信号により一斉にラッチし、上記デジタル演算処理手段に与える機能を有する2段目のラッチレジスタと、上記ビーム制御デジタルデータをアナログビーム走査制御信号に変換するために、上記デジタル演算処理手段からのデジタルデータを連続的なビット列で構成された少なくとも2つの出力データに分割する手段と、その上位側の出力データに対応した補正データを記憶するメモリ手段と、上記少なくとも2つの出力データと補正データとに対応したアナログデータを出力する少なくとも3つのデジタルアナログ変換器と、上記少なくとも2つの出力データを、対応するデジタルアナログ変換器に与えるデータフォーマットに変換する手段と、上記少なくとも2つの出力データと補正データとの出力タイミングを合わせる手段と、上記少なくとも3つのデジタルアナログ変換器のアナログデータを加算する手段と、を備え、デジタル演算により正確なビーム走査位置を制御する。
【0020】
本構成により、高速で高精度な処理が可能なビーム走査型の画像情報取り込み装置を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態は、第1の周期で高速に変化する情報と、第2の周期で低速に変化する情報との組み合わせ演算を行い、第1の周期毎に高速で結果を出力するデジタル演算処理装置を実現する。
下記に示すように、上記第1の周波数とは100MHz〜200MHz、第2の周波数とは100KHz〜200KHzオーダである。
【0022】
本発明の実施形態であるデジタル演算処理装置が適用される装置の例としては、図1に示すビーム走査型の画像情報取り込み装置が挙げられる。この画像情報取り込み装置は、ビーム光源1と、ビーム走査部2と、レンズ部3と、被検出物(観察物)である試料4と、ステージ部5と、検出部6と、画像処理部7と、ビーム走査制御部8とから構成される。
【0023】
図1に示すビーム走査型の画像情報取り込み装置においては、ビーム光源1から生成されるビームをビーム走査部2で適切な角度に振り、レンズ部3で、そのビームをフォーカスして試料4上を適切な拡大率をもって、ある方向、例えばX方向に走査させ、検出部6及び画像処理部7に得られたX方向の線画像を、ステージ部5にて、例えばY方向にずらしながら連続的にY方向に連結してX−Yの面画像を得るものである。
【0024】
現状、上記X方向の1ピクセルに相当する画像を得る時間を第1の周波数f1とし、f1=100MHz〜200MHz程度とする。そして、X方向に1ライン走査する時間を第2の周波数f2とし、f2=100KHz〜200KHz程度を設定している。
【0025】
上記第1の周波数f1及び第2の周波数f2の値は、例えば、被検出試料4が半導体のウェハ上のLSIチップであり、そのLSIチップ上のパターン画像を得て、それが正しいか否かを検査する装置として、上記画像情報取り込み装置を用いる場合の画像処理分解能及びタクトタイム等から計算した、現実的に必要とされるスペックの1つである。
【0026】
図1の装置において、本発明が提案するデジタル演算処理装置を必要とする重要部分は、ビーム走査制御部8である。ビーム走査制御部8では、主に、具体的に次に示す2つの誤差対象に対して補正制御演算を行う必要がある。
【0027】
(1)光学的歪みに代表される半固定的誤差であり、連続的な誤差関数により事前定義可能なものである誤差対象。これらは、変換関数を用いた座標変換等の数値計算や事前の形状計測情報、又は両者の組み合わせ等によって補正処理を行い、制御出力に反映する。
ビーム経路中、検出物4の位置に依存し、上記計測情報を用いた補正もこれに含まれる。
【0028】
(2)ステージ部5の移動に伴う位置ずれ、速度むら等の機械的変動、温度変動等の環境変化に呼応した変動や経時変化による誤差に対する補正であり、ステージ部5からのセンシング情報及び随時行う計測情報を用いて補正処理を行い、制御出力に反映する。
【0029】
ここで、制御出力とは、ビームを正しく制御するためのビーム走査部2に対する指令に相当する。
図2にビーム走査制御部8の基本システム構成を示す。
図2において、関数演算部12が上記(1)の動作に相当する処理部であり、制御情報演算部11が上記(2)の動作に相当する処理部である。
【0030】
レジスタ部a14は、制御情報演算部11に上記第2の周期で変化する情報g(PCD0…)を保持しており、レジスタ部b15は、関数演算部12に上記第1の周期に同期化され、第2の周期で変化する情報h(FCD0…)を保持している。これらのレジスタ部14、15は、いずれもマスタプロセッサ部16によってその情報が変更され、各演算部の処理に変数又は定数として用いられる。
【0031】
外部情報入力部10は、ステージ制御部17の測長部から得る位置情報等のステージ部5の状態を監視するための情報aを得て、計算処理可能なように情報bを生成する前処理を行う。ここでの入力情報は、ステージ部5を駆動する制御情報のフィードバック情報でも良いし、ステージ部5に装備されるセンサからのフィードフォワード情報を使用しても良い。
制御情報演算部11は、外部情報入力部10からの前処理済情報を得て、関数演算部12に与えるための情報cを第1の周期にて生成する。
【0032】
関数演算部12は、例えば試料20に対してビームを走査する際の位置(X,Y)の関数として、例として、次式(1)に示すような3次式で表される座標変換式で表現される、光学系の歪みを補正して平面等方化するための投影処理を行い、ビーム制御のための基本情報dを生成する。
図には示していないが、a、bの係数は、事前計測情報により得られるもので、ビームの目標位置上の試料20の高さ等の情報から、マスタプロセッサ16からレジスタ部b15を通して与えられる。
【0033】
【数1】
Figure 0003720178
【0034】
Xがライン方向だとすると、画像処理部19での1ラインあたりの画素数n個分を走査する時間がY方向の変化する最小の周期となる。Xの変化周期は1画素分の走査時間に相当し、従って、Yの変化周期は、およそ(Xの変化周期)×n+αとできる。
【0035】
1ラインあたりの走査時間を、およそ10μsで、X方向1ライン当たりの画素数を、およそ1000と仮定すると、Xの変化周期は、およそ10μs/1000=10ns(f=100MHz)となり、Yの変化周期は10μs+αとなる。情報dは、Xの変化周期に応答するため、10nsの周期の高速な変化情報となる。これを上記第1の周波数における周期と定義し、10μs+αを上記第2の周波数における周期と定義する。
【0036】
制御情報出力部13は、DAC部22にて、ビーム走査部18に与える指令情報f(アナログ制御情報)を生成するための元となるデジタル制御情報eを生成する。これについては後に詳しく述べる。
【0037】
マスタプロセッサ部16は、制御情報演算部11、関数演算部12、画像処理部19、ステージ制御部17等からの情報を集約して、総合的な判断処理、管理処理、レジスタ部a14、b15上のパラメータ変更処理等を、上記第2の周波数における周期を基本周期として行う。すなわち、マスタプロセッサ部16は、ビーム走査制御部21の総合制御/管理部と位置づける事ができる。
【0038】
さて、この例において、デジタル処理を行う上で重要かつ実現困難なビーム走査制御部21の第1の構成要素は、上記式(1)にて示した関数処理を、周波数f=100MHz以上のスループットにて動作しなければならない関数演算部12である。
【0039】
単純に、上記式(1)を実行するだけで36個の加算、乗算が必要であり、正規化する事等も含めると40演算以上のオペレーションが要求される。また、これらの演算は、高精度の観点から実数演算が要求されており、式(1)と同様の汎用的な記述に基づいて実行するとなると、浮動小数点型の実数演算処理を1秒間に4G回(4GFLOPS)処理する能力が要求される。その他、前処理演算及び補正演算を組み合わせて実行する必要が生ずる場合もあり、総合すると、10G回/s(10GFLOPS)程度の処理能力が必要となるケースも予想される。
【0040】
関数演算部12を構成する上で、問題となる事項を以下にまとめておく。
(a)上述のような高速演算を行うためには、実数演算処理を並列パイプライン的に実行する必要があるが、非常に多くのトランジスタを必要とする。さらに、リアルタイムで動作する制御部と連動するため、レイテンシタイムを小さく保つ必要があり、配線短縮の点からもコンパクトに構成する必要性が生ずる。すなわち、非常に高集積なLSI又は電子基板を実現しなければならず高度な論理設計技術やトランジスタ数削減技術が要求される。
【0041】
(b)上記(a)の点を実現しようとすると、多くのトランジスタが小さなエリアで大量にスイッチング動作を行うため、それに伴って大量の発熱が生ずる恐れがある。したがって、発熱を押さえる回路設計上の工夫が必要となる。
【0042】
(c)レジスタ部からの情報等、異なる周期で変化する情報をスムーズに高速処理の中に取り込んだり、処理情報をリアルタイムでマスタプロセッサへ読みだしたりする必要がある。すなわち、回路動作上の高度な同期化処理技術が要求される。
【0043】
上記の理由からビーム走査制御部21は、DAC部22を除いては、LSIで構成するのが良い。図2に示した例では、ゲート量とピン数との制約から、外部情報入力部10と、制御情報演算部11と、レジスタ部a14とを1チップとし、関数演算部12と、制御情報出力部13と、レジスタ部b15とを他の1チップとして実現し、かつ1種類のLSI上でセレクト信号により切り替えられるようになっている。
【0044】
上記問題(a)の解決方法の一例として、上記式(1)の演算を、乗算器と加算器を積和型に一体化したMAC演算器(乗算加算積和型演算器)を基本演算器として構成し、それを組み合わせて最も効率良く並列に実行する方式を図3に示す。
【0045】
MAC演算器は、実数入力に対して所望の数値範囲で結果が得られるように、例えばIEEE規格の実数フォーマットに準拠した汎用の実数演算器として構成する。
【0046】
図3において、MAC演算器31には(Yb,a7,a5)が入力され、MAC演算器32には(Yb,a6,a3)が入力される。また、MAC演算器33には(Yb,a8,a4)が入力される。
【0047】
また、MAC演算器34には(Xb,a9)が入力されるとともに、MAC演算器31からの出力が入力され、MAC演算器35には(Yb,a2)が入力されるとともに、MAC演算器32からの出力が入力される。また、MAC演算器36には(Yb,a1)が入力されるとともに、MAC演算器33からの出力が入力される。
【0048】
また、MAC演算器37にはXbが入力されるとともに、MAC演算器34及びMAC演算器35からの出力が入力され、MAC演算器38には(Yb,a0)が入力されるとともに、MAC演算器36からの出力が入力される。また、MAC演算器39にはXbが入力されるとともに、MAC演算器37及びMAC演算器38からの出力が入力される。そして、MAC演算器39からSx又はSyが出力される。
【0049】
上記図3に示した式(1)の演算器30は、2つの制御方向(X,Y)のうちの1方向のみの演算について構成したものである。式(1)を実現するためには、図3に示した構成の演算器を2つ並列に動作させれば良い。
【0050】
MAC演算器31〜39を構成した場合の利点を以下に示す。
【0051】
1)中間フォーマットを自由に設定できるため、乗算器を加算器に単純に接続する場合より省ゲート化が可能である(少なくとも1000ゲート以上の省ゲート化が可能)。
【0052】
2)丸め処理が少なくなり、精度を高く保つことができる。
3)後述するパイプライン化の際、上記1)、2)等の効果と相俟って、演算レイテンシタイムの短縮が図れるため、パイプライン段数を少なくできる。この事も省ゲート化、省電力化に大きく貢献する。
【0053】
ところで、図3に示した例の構成を透過タイプのスカラ演算器で構成した場合、CMOSプロセスのLSIとして設計すると、MAC演算1段当たりのレイテンシタイムは、50ns程度必要である。すべての演算を処理するためのレイテンシタイムは、このような最適な並列処理構造を採用したとても、200ns程度かかることになり、10ns(周波数f=100MHz)以下の計算周期を得ることは不可能である。
【0054】
そこで、上記(a)で述べたように、パイプライン並列型の演算器構造を採用する必要がある。しかし、単純にパイプライン化しても、中間データを保持するためのパイプラインレジスタが増大し、上記(b)に示したパイプラインレジスタでのスイッチングに伴う発熱が発生するとともに、トランジスタ数(ゲート数)が増加してしまう。
【0055】
そこで、図4に示す5段のパイプライン構造を有するMAC演算器40を提案する。詳細は図6に示し、後で述べる。
図4及び図6において、パラメータa及びbは、それぞれレジスタ80及び81、ステージ42及び43を介して、共にレジスタ82、ステージ44に供給される。そして、ステージ44からの出力は、レジスタ83、ステージ45を介してステージ47に供給される。
【0056】
一方、パラメータcは、レジスタ84、ステージ46に直接供給されるとともに、直列に接続された2つのレジスタ41、87を介して、レジスタ84、ステージ46に供給される。そして、ステージ46からの出力は、ステージ47に供給される。
ステージ47からの出力は、レジスタ85、ステージ48に供給され、このステージ48から、レジスタ86、ステージ40、50を通して出力Sが出力される。
【0057】
つまり、レジスタ80及び81と、ステージ42、43、もしくはレジスタ41で1段、レジスタ82、ステージ44、もしくはレジスタ87で2段、レジスタ83、84、ステージ45、46、47で3段、レジスタ85、ステージ48で4段、レジスタ86とステージ49、50で5段となる。
【0058】
図4で示した点線で示した部分が単純にパイプライン化したときに、演算ステージを合わせるために必要となっていたパイプラインレジスタ41、87であり、これを削減すれば、トランジスタ換算でMAC演算器1つ当たり約1600トランジスタ分の省ゲート化とスイッチングパワーの除去が可能である。
【0059】
ところで、MAC演算器に入力される数値パラメータcの入力タイミングがパラメータa、bと異なるため、演算ステージ段数が合わなくなってしまう可能性がある。しかし、図5に示す様に、周波数f=100MHz以上で変化する入力変換(Xb,Yb)の整合用パイプラインパスのみを調整すれば全体の処理を矛盾なく実行させることが可能である。
【0060】
図5に示した例は、図3の構成に対し、図4のパイプライン化されたMAC演算器を適用して、全体的にパイプライン化を図ったものである。各モジュールの下及び上に示したXX段→YY段は、その出力段までのトータルパイプライン段数を示し、XXが図4の点線部分を含む場合、YYが本方式の省ゲートタイプMAC演算器を用いた場合である。
【0061】
トータルレイテンシタイムはもちろん整合用のパイプライン段数も減らせることがわかる。結局、トータルレイテンシタイムとして20段から18段に短縮され、パイプラインレジスタの本数も総合で24段も省略できたことになる。単純に、乗算器と加算器を組み合わせると、MAC処理当たり6段のパイプライン段数となり、結果的に本方式よりも57段ものパイプラインレジスタが余分に必要となる。
【0062】
図6に、図4に示したパイプライン構造のMAC演算器40の演算分割配分を示す。
図6において、入力パラメータa、bは、パイプラインレジスタ80、81、乗算ステージMPYSTG1A(42)、MPYSTG1B(43)、パイプラインレジスタ82、乗算ステージMPYSTG2(44)、パイプラインレジスタ83、乗算ステージMPYSTG3A(45)を介して、加算ステージADDSTG1B(47)に供給される。
一方、入力パラメータcは、パイプラインレジスタ84、加算ステージADDSTG1A(46)を介してADDSTG1B(47)に供給される。
【0063】
そして、ADDSTG1B(47)からの出力は、パイプラインレジスタ85、加算ステージADDSTG2(48)、パイプラインレジスタ86、加算ステージADDSTG3A(49)を介して、加算ステージADDSTG3B(50)に供給される。この加算ステージADDSTG3B(50)から出力S(S=axb+c)が出力される。
【0064】
上記MAC演算器40は、約10nsの周期(周波数f=100MHz)で動作できる。すなわち、入力パラメータa、b、cは、10ns周期でクロック信号に同期して投入可能であり、パイプライン的に処理(S=a×b+c)された結果、出力Sは、10ns周期で出力される。
【0065】
入力段のステージMPYSTG1A(42)及びADDSTG1A(46)では、IEEE規格で入力されたデータ(a,b,c)を、演算処理を施し易い内部形式(2進形式)に変更する必要がある。
【0066】
この処理に約1.5〜3nsかかるが、乗算器と加算器とを融合した本発明によるMAC演算器では、乗算の最終ステージMPYSTG3A(45)と、パラメータcの加算の入力部の内部形式への変化ステージADDSTG1A(46)とを並列に処理可能である。
【0067】
つまり、本発明によれば、実数乗算器と実数加算器とを、実数乗算器の出力段である最終段のパイプラインレジスタと実数加算器の入力段である初段のパイプラインレジスタとを同レベルにそろえ、実数乗算器の最終ステージの処理と、実数加算器の初段ステージの1部とを並列に動作させるという、融合手段が開示され、この融合手段により、乗算の最終ステージMPYSTG3A(45)と、パラメータcの加算の入力部の内部形式への変化ステージADDSTG1A(46)とを並列に処理可能である。
【0068】
また、乗算ステージの最終段MPYSTG3A(45)の次段で、 IEEE形式に変換するステージ(MPYSTG3Bに相当する)を設ける必要が無く、内部形式のまま加算器のステージADDSTG1B(47)にデータを引き渡すことができる。
【0069】
従って、加算ステージの初段で,乗算器からの結果に対してIEEE形式からの変換ステージ(ADDSTG1Aに相当する)を実行する必要もなくなる。次の演算器へIEEE形式に変換(丸め処理も行う)して出力する出力段ステージ(ADDSTG3Bに相当する)についても、加算器の最終段にのみ設けるだけで良い。
【0070】
以上から、関数演算部12の基本単位となるMAC演算器の構成は、乗算ステージMPYSTG1A(42)、MPYSTG1B(43 )が合計9ns、乗算ステージMPYSTG2(44 )が9ns、乗算ステージMPYSTG3A(45)が3ns、加算ステージADDSTG1A(46)が乗算ステージMPYSTG3A(45)と並列に3ns、加算ステージADDSTG1B(47)が6ns、加算ステージADDSTG2(48)が9ns、加算ステージADDSTG3A(49)が3ns、加算ステージADDSTG3B(50)が3ns、というレイテンシタイムの配分となっている。
【0071】
なお、最終段ステージADDSTG3A(49)、ADDSTG3B(50)は、合計6nsとなっているが、次段の演算器に送るために約3nsの余裕(伝送路の遅延マージン)を持たせているためである。なお、IEEEの形式に圧縮してデータの入出力を行う必要があるのは、外部からの汎用データ入力形式と整合性をとる目的もあるが、以下のa)及びb)の理由等からでもある。
a)加算器と乗算器とで有効な内部形式がそれぞれ異なる。
b)内部形式のビット幅はIEEE形式よりも広く、ゲート数、スイッチングパワー、演算器間の結線量のいずれも内部形式の方が不利である。
【0072】
以上から、本発明によるMAC演算器は、5段のパイプラインで構成可能となっており、単純に汎用乗算器を組み合わせた場合より、パイプライン段数で1〜2段、トータルゲート数で15〜20%程度削減できている。
【0073】
次に、上記(c)に示した外部との入出力に関わる同期化の問題についての解決策について述べる。
ここで、外部とは、主としてマスタプロセッサとのやり取りを示す。
【0074】
まず、関数処理部に与えるパラメータ(図3、図5の実数パラメータa0〜a9に相当する)を保持するレジスタ部b(15)へのデータセット方法について、本発明では以下のレジスタ構成と手法を採る。
【0075】
(イ)マスタプロセッサを動作させるクロック信号と、ビーム走査制御部の基準クロック信号(周波数f=100MHz以上)とは、非同期と考えるべきであり、マスタプロセッサ側から、ビーム走査制御部内のレジスタに対し、自在にアクセスするためには、マスタプロセッサからのアクセス判断信号と、前記基準クロックとの間で同期化を図る必要がある。
【0076】
これは、図8に示すように、マスタプロセッサからのライトコマンド(/CPUWT)を、クロック信号CLK(周波数f=100MHz以上)を用いて、2段以上のフリップフロップ回路でシフトすることにより、ライト信号/WTaを生成する非同期信号の同期化処理を施す。
【0077】
さらに、ライト信号/WTaを1段分以上シフトして、ライト信号/WTbを生成すれば、ライト信号/WTa=Hiかつライト信号/WTb=Loの期間を取り出し、クロック信号CLKに同期したライト信号WTEが生成可能である。例えば、図7に示すラッチレジスタA(51)に、ライト信号WTE(53)に応答してマスタプロセッサからのデータをラッチすれば、ラッチされたデータLDATA−A(80)はクロック信号CLKに同期して出力できる。
【0078】
(ロ)事前に変更しておいたパラメータのみをあるタイミング(例えばサンプリング周期の初め)で、一斉に変更して関数演算部12に与えたいケースがある。これは、図7に示すように、もう1つのラッチレジスタB(52)をラッチレジスタA(51)の後段に設け、一斉に変更すべきタイミングを示す信号(REPTRG)に応答してラッチレジスタA(51)の内容をラッチレジスタBにコピーする方法を採る。
【0079】
REPTRG信号に対応するレジスタ群のラッチレジスタB(52)に共通して接続すれば、そのレジスタ群の内容を適切なタイミングで同時に変更可能である。その場合の出力としてはLDATA−Bを用いる。
【0080】
なお、REPTRG信号は、マスタプロセッサ部16からのアクセス制御信号(/CPUWT,/CPURD)に応答して、ライト信号WTEの生成と同様の非同期信号の同期化手法を用いてクロック信号CLKに同期化させて生成するのが一般的であるが、外部からのリプレースコマンドをクロック信号CLKに同期化して用いて生成しても良い。
【0081】
(ハ)図7に示すレジスタの構成の中で、ラッチレジスタA(51)、ラッチレジスタB(52)は、ゲートラッチ回路を用いて構成する。ゲートラッチとはこの場合、G入力に与える信号(ここではライト信号WTE53、REPTRG54)がHiレベルのとき、D入力のデータを透過してQ出力(LDATA−A(80)、LDATA−B(81))に出力し、G入力に与える信号がLoレベルに遷移するタイミングでD入力のデータをラッチし保持する機能を有している。ゲートラッチ回路を用いれば、フリップフロップ回路を用いる場合の約1/2のゲート数で構成可能であり、消費電力的にも有利である。
【0082】
次に、関数演算部を含むビーム走査制御部内のクロック信号CLK(周波数f=100MH以上)に同期したデータ群を、マスタプロセッサ側に読み出す際の同期化手段について述べる。
【0083】
イ)図8に示すように、マスタプロセッサ部16側から生成されるリードコマンド(/CPURD)を、ライト信号/WTa生成時と同様の同期化手段にてクロック信号CLKに同期化し、リード信号/RDa信号を生成する。
【0084】
ロ)図9に示す内部レジスタをラッチするためのラッチレジスタ55を設け、生成したリード信号/RDa信号56の立ち上がりタイミングに応答してマルチプレクサMUX57を介して選択信号SEL59により選択されたクロック信号CLKに同期した内部データ58をラッチレジスタ55にラッチする。
【0085】
これにより、マスタプロセッサ部16に対しては、リード信号/RDaが立ち下がる約1CLK程度以上前のタイミングから、/CPURDが立ち上がる(終了する)少なくとも1CLK以上先のタイミングまでの期間、所望の内部データを正しく表示することができる。マスタプロセッサはこの表示データを読み込めば良い。
【0086】
なお、マルチプレクサMUX57を切り換え、所望の内部データをラッチレジスタ55に対して与えるための選択信号SEL59には、一般的にマスタプロセッサ部16からのアドレス信号か、それに応答してモディファイされた信号を用いれば良い。
【0087】
次に、関数演算部12からの結果を高精度なアナログ情報に変換して100MHz以上のレートで出力する制御情報出力部13について述べる。
【0088】
図10に、周波数f=100MHz以上の周波数で高精度なアナログ情報に変更する手段を示す。
図10において、FI60は、浮動小数点データ(実数)を整数値(32bit)に変換する演算器、MUXH61、 MUXL62及びMUXA63は、それぞれ選択信号SELH64、SELL65及びSELA66に対応して、演算器FI60から出力される32ビットデータのうち上位20ビットから16ビット分を選択するマルチプレクサである。
【0089】
マルチプレクサMUXH61、MUXL62の出力は、フリップフロップ回路FFで構成されるパイプラインレジスタ67、68を介して、DAC(デジタルアナログ変換器)の入力フォーマット(ストレートバイナリ、オフセットバイナリ、コンプリメンタリ等)に変換するロジックFM回路(MSBとその他のビットを反転させる回路)69、70を経由し、さらにパイプラインレジスタ71、72を介して、それぞれ100MHz以上のサンプリング周波数性能を有するD/A変換器であるDACH73、DACL74に入力される。
【0090】
一方、MUXA63の出力は、パイプラインレジスタ75を介して、メモリユニット76のアドレス入力に与えられ、メモリユニット76からは対応するデータが出力される。そして、このメモリユニット76からの出力データは、パイプラインレジスタ77を介した後、100MHz以上のサンプリング周波数性能を有するDACADJ78(補正用DAC)に入力される。
【0091】
上述した例では、DACH73とDACL74とからのアナログ出力をアナログ的に加算することにより、最大32ビット分解能レベルのアナログ出力が得られる。しかし、DACの非線形性や、基準オフセット誤差等を補正しないと十分な精度が得られないため、精度的にネックとなるDACH部の補正を主眼として、DACADJ78により補正加算値を出力する。
【0092】
補正加算値は、DACH73とDACL74の加算値を高精度電圧測定器で事前に測定しておき、誤差の補正分を加算値として、メモリ書き込み手段79によって予めメモリユニット76に保持させておけば良い。また、補正加算値は、アンプ部の動的な歪の逆関数に対応する数値をメモリユニットに保持させることで、アナログ歪も補正可能となる。従って、DACH、DACL、DACADJの各アナログ出力をアナログ的に加算して用いれば、高精度なアナログ情報を出力することができる。
【0093】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているため、次のような効果がある。デジタル演算処理装置において、パイプライン化した実数乗算器と実数加算器とを融合手段により1つに結合して構成したMAC演算器を用い、実数乗算器の出力段である最終段のパイプラインレジスタと実数加算器の入力段である初段のパイプラインレジスタとを同レベルにそろえ、実数乗算器の最終ステージの処理と、実数加算器の初段ステージの1部とを並列に動作させるように構成される。
【0094】
これにより、実数乗算器の出力段と、実数加算器の入力段とのレベルが同レベルであるので、これらの信号を並列に処理可能であり、実数乗算器の最終段の次段で、IEEE形式に変換するステージを設ける必要が無く、内部形式のまま、次段の実数加算器にデータを引き渡すことができる。
【0095】
従って、実数加算器の初段で,乗算器からの結果に対してIEEE形式からの変換ステージを実行する必要もなくなる。これにより、パイプライン段数とトランジスタ数の削減が可能となり、回路構成の大規模化及び複雑化と発熱を伴うことなく高集積化が実現でき、高速で高精度なデジタル演算処理が可能となる。
【0096】
また、第1の周期で高速に変化する情報を処理する演算処理装置に、第2の周期で低速に変化する情報を処理するプロセッサを設けることにより、低速で制御する部分と、高速で制御する部分とを分割して、制御の適切化が可能になるが、本構成により、上記2種類の周期で動作する部分のスムーズな情報のやり取りが実現できる。これにより、情報のやり取りの同期が問題とならずに、高速なデジタル演算処理可能な演算手段を用いることができ、高速で高精度なデータ処理が可能なデジタル演算処理装置を実現することができる。
【0097】
また、デジタルデータを連続的なビット列で構成された出力データに分割する手段と、その上位側の出力データに対応した補正データを記憶するメモリ手段と、2つの出力データと補正データとに対応したアナログデータを出力する3つのデジタルアナログ変換器と、少なくとも2つの出力データを、対応するデジタルアナログ変換器に与えるデータフォーマットに変換する手段と、2つの出力データと補正データとの出力タイミングを合わせる手段とを備え、3つのデジタルアナログ変換器のアナログデータを加算し、高精度なアナログ出力を生成する。
【0098】
これにより、高速で演算処理されたデジタル信号を、適切に高精度かつ高速にアナログ信号に変換可能なデジタル演算処理を実現することができる。
【0099】
また、上記デジタル演算処理装置は、ビーム走査型の画像情報取り込み装置に適用することができ、高速で高精度な画像取り込み処理が可能なビーム走査型の画像情報取り込み装置を実現することができる。
【0100】
さらに、高速デジタル演算処理装置において、100MHz以上のクロック周波数に同期して、外部からの情報やマスタプロセッサからの情報を取り込み、10ns以下の周期でデジタル処理をパイプライン的に進め、10ns以下の周期での結果外部出力が達成できる効果がある。
【0101】
また、演算処理部の論理回路量やパイプラインレジスタの削減可能となり、それによりトランジスタのスイッチングパワーを小さくでき発熱を押さえる効果と、演算処理のレイテンシタイムを小さくする効果とが同時に得られる。
【0102】
また、マスタプロセッサと高速デジタル演算処理装置との間で高速クロックに同期してスムーズに情報のやり取りが可能となる効果がある。
【0103】
また、デジタルアナログ変換器に対して、そのデジタルアナログ変換器の誤差成分も補正した形で演算処理結果を高精度なデジタルデータとして10ns以下のクロック周期で出力できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の数値演算システムを必要とする装置であるビーム走査型の画像情報取り込み装置の概略構成図である。
【図2】図1の例におけるビーム走査制御部の基本システム構成を示した図である。
【図3】基本演算器としてMAC演算器で構成した演算器の例を示した図である。
【図4】5段のパイプライン構造を有するMAC演算器を説明した図である。
【図5】図3の構成に対し、図4のパイプライン化されたMAC演算器を適用した場合のパイプライン段数の削減を説明した図である。
【図6】図4に示したパイプライン構造のMAC演算器の演算分割配分を示した図である。
【図7】ライト時の同期化手段であるライトデータ用レジスタの構成を説明した図である。
【図8】マスタプロセッサからのアクセス信号と、基準クロック信号との同期化を説明した図である。
【図9】リード時の同期化手段であるリードデータ用レジスタの構成を説明した図である。
【図10】デジタルデータを100MHz以上の周期で高精度なアナログ情報に変更する手段を説明する図である。
【符号の説明】
1 ビーム光源
2 ビーム走査部
3 レンズ部
4 被検出試料
5 ステージ部
6 検出部
7 画像処理部
8 ビーム走査制御部
10 外部情報入力部
11 制御情報演算部
12 関数演算部
13 制御情報出力部
14 レジスタ部a
15 レジスタ部b
16 マスタプロセッサ部
17 ステージ制御部
18 ビーム走査部
19 画像処理部
20 被検出試料
21 ビーム走査制御部
30 演算器
31〜39、40 MAC演算器
41 レジスタ
42 MPYSTG1A
43 MPYSTG1B
44 MPYSTG2
45 MPYSTG3A
46 ADDSTG1A
47 ADDSTG1B
48 ADDSTG2
49 ADDSTG3A
50 ADDSTG3B
51 ラッチレジスタA
52 ラッチレジスタB
53 WTE
54 REPTRG
80 LDATA−A
81 LDATA−B
55 ラッチレジスタ
56 /RDa信号
57 MUX
58 内部データ
59 SEL
60 FI
61 MUXH
62 MUXL
63 MUXA
64 SELH
65 SELL
66 SELA
67、68、71 パイプラインレジスタ
72、75、77 パイプラインレジスタ
69、70 FM
73 DACH
74 DACL
76 メモリユニット
78 DACADJ
79 メモリ書き込み手段
80〜87 パイプラインレジスタ

Claims (4)

  1. 高速なクロック信号周期に同期してデジタル演算処理を行うデジタル演算処理装置において、
    入力データを内部形式に変換する初段、変換した入力データの乗算を実施する段、及び乗算結果を内部形式から出力形式に変換して出力するパイプレジスタからなる最終段を有する実数乗算器と、
    入力データを内部形式に変換するパイプレジスタからなる初段、変換した入力データの加算を実施する段、及び加算結果を内部形式から出力形式に変換して出力する最終段を有する実数加算器と、をパイプライン化し、
    演算処理の基本単位となる演算を、上記パイプライン化した上記実数乗算器と実数加算器とを1つに結合して、乗算と加算とを順次実施して行なうMAC演算器を備え、
    上記実数乗算器の最終段であるパイプラインレジスタと実数加算器の初段であるパイプラインレジスタとの演算器における段数を、同レベルにそろえ、実数乗算器の最終段の処理と、実数加算器の初段の処理の1部とを並列に動作させることを特徴とするデジタル演算処理装置。
  2. 第1の高速クロック信号に同期し、デジタル処理を行うデジタル演算処理装置において、
    上記第1の高速クロック信号と非同期の第2のクロック信号に同期して動作するプロセッサと、
    上記プロセッサからのデータを第1のゲート信号に応答してラッチする機能を有する1段目のラッチレジスタと、
    上記1段目のラッチレジスタからのデータを第2のゲート信号に応答してラッチする機能を有する2段目のラッチレジスタと、を備え、
    上記第1のゲート信号は、上記プロセッサからのライトアクセス信号を基に生成され、第2のゲート信号は、上記第1の高速クロック信号に同期化した信号を基に生成され、上記1段目のラッチレジスタに書き込まれた上記プロセッサからの複数のデータが上記第2のゲート信号により上記2段目のラッチレジスタに一斉に引き渡されることを特徴とするデジタル演算処理装置。
  3. 高速なクロック信号周期に同期してデジタルデータをアナログデータとして出力するデジタル演算処理装置において、
    デジタルデータを連続的なビット列で構成された少なくとも2つの出力データに分割する手段と、
    その上位側の出力データに対応した補正データを記憶するメモリ手段と、
    上記少なくとも2つの出力データと補正データとに対応したアナログデータを出力する少なくとも3つのデジタルアナログ変換器と、
    上記少なくとも2つの出力データを、対応するデジタルアナログ変換器に与えるデータフォーマットに変換する手段と、
    上記少なくとも2つの出力データと補正データとの出力タイミングを合わせる手段と、を備え、上記少なくとも3つのデジタルアナログ変換器のアナログデータを加算することを特徴とするデジタル演算処理装置。
  4. ビーム光源からのビームを、ビーム走査制御部により走査して、被検出物に照射し、画像処理部により被検出物の画像情報を得るビーム走査型の画像情報取り込み装置において、
    上記ビーム走査制御部は、
    入力データを内部形式に変換する初段、変換した入力データの乗算を実施する段、及び乗算結果を内部形式から出力形式に変換して出力する最終段を有する実数乗算器と、入力 データを内部形式に変換する初段、変換した入力データの加算を実施する段、及び加算結果を内部形式から出力形式に変換して出力する最終段を有する実数加算器と、をパイプライン化し、パイプライン化した実数乗算器及び実数加算器を1つに融合し、上記実数乗算器の最終段であるパイプラインレジスタと上記実数加算器の初段であるパイプラインレジスタとの演算器における段数を、同レベルにそろえ、上記実数乗算器の最終段の処理と、上記実数加算器の初段の処理の1部とを並列に動作させて、乗算と加算とを順次実施するMAC演算器を有し、ビーム走査位置の誤差から生じる画像の歪の補正演算を行ない、ビーム制御デジタルデータを出力するデジタル演算処理手段と、
    上記デジタル演算手段の第1の高速クロック信号と非同期第2のクロック信号に同期して上記補正演算の係数データを設定するプロセッサと、
    上記プロセッサからのデータを、上記プロセッサからのライトアクセス信号を基に生成される第1のゲート信号に応答してラッチする機能を有する1段目のラッチレジスタと、
    上記1段目のラッチレジスタに書き込まれた上記プロセッサからの複数のデータを、上記プロセッサから出力される第2のゲート信号により一斉にラッチし、上記デジタル演算処理手段に与える機能を有する2段目のラッチレジスタと、
    上記ビーム制御デジタルデータをアナログビーム走査制御信号に変換するために、上記デジタル演算処理手段からのデジタルデータを連続的なビット列で構成された少なくとも2つの出力データに分割する手段と、
    その上位側の出力データに対応した補正データを記憶するメモリ手段と、
    上記少なくとも2つの出力データと補正データとに対応したアナログデータを出力する少なくとも3つのデジタルアナログ変換器と、
    上記少なくとも2つの出力データを、対応するデジタルアナログ変換器に与えるデータフォーマットに変換する手段と、
    上記少なくとも2つの出力データと補正データとの出力タイミングを合わせる手段と、
    上記少なくとも3つのデジタルアナログ変換器のアナログデータを加算する手段と、
    を備え、デジタル演算により正確なビーム走査位置を制御することを特徴とするビーム走査型の画像情報取り込み装置。
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