JP3711222B2 - 濾布ベルト式脱水装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スラリー状またはスラッジ状の被脱水処理物を含水率の低いケーキ状に脱水処理する濾布ベルト式脱水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スラリー状またはスラッジ状の被脱水処理物を脱水処理する装置として、所謂、ベルトプレス型脱水装置が従来から知られている。この種のベルトプレス型脱水装置は、被脱水処理物を無端状の加圧ベルトにより無端状の濾布ベルトに押圧して濾過することを基本原理としており、例えば特開昭58−181498号公報には、被脱水処理物を挟み込んだ状態で複数の圧搾ローラおよび高圧ローラに巻回される2本の無端濾布ベルト(上部濾布および下部濾布)と、これらを高圧ローラに押圧する1本の加圧ベルトとを備えた「ベルトプレス型汚泥脱水機」が開示されている。
【0003】
また、特開昭62―244599号公報には、被脱水処理物を挟み込む2本の無端濾布ベルト(一方の濾布および他方の濾布)と、これらを挟み込む2本の加圧ベルト(一方の与圧ベルトおよび他方の与圧ベルト)とを複数の脱水ローラに巻回させた構造を有する「ベルトプレス形脱水分離機」が開示されている。さらに、特開平6−79113号公報には、被脱水処理物を挟み込む1本の無端濾布ベルトと1本の無端加圧ベルト(無端高圧ベルト)とを脱水ローラおよび加圧ローラに巻回させた構造を有する「脱水装置」が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記の各公報に記載された所謂ベルトプレス型脱水装置は、少なくとも1本の無端濾布ベルトを移送可能に巻回するための1組ローラユニットと、少なくとも1本の無端加圧ベルトを移送可能に巻回するための他の1組のローラユニットとの2組のローラユニットが最低限必要であり、構造が複雑化して大型化するという問題がある。また、無端濾布ベルトが目詰まりして十分な濾過性能を発揮できないことがあり、被脱水処理物の脱水効率が悪いという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、簡素な構造でありながら、各種のスラリー状またはスラッジ状の被脱水処理物を効率的に脱水処理でき、特に、含水率の低いケーキ状に脱水処理できる濾布ベルト式脱水装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する手段として、第1の発明に係る濾布ベルト式脱水装置は、スラリー状またはスラッジ状の被脱水処理物を濾過可能な単一の濾布ベルトが無端状に巻回されて順次移送される形式の濾布ベルト式脱水装置であって、前記濾布ベルトの上面側に供給される被脱水処理物に対し濾布ベルトの下面側から吸引負圧を作用させて被脱水処理物を初期脱水する負圧脱水部と、初期脱水された被脱水処理物を濾布ベルトと共に一対のプレスロール間で加圧して脱水し、かつ、脱水された処理物を一方のプレスロールに転着させて濾布ベルトから剥離させる加圧脱水転着部と、一方のプレスロールに転着した処理物を掻き落して回収する処理物回収部と、処理物が剥離された濾布ベルトを洗浄する洗浄部と、洗浄された濾布ベルトを一対のスクイズロール間で絞る絞り部と、を備え、前記負圧脱水部は、前記濾布ベルトの下面側に配置する上流側の第1サクションボックスと、前記濾布ベルトの下面側に配置する下流側の第2サクションボックスとを備え、前記第2サクションボックスでは、前記1サクションボックスより強い吸引負圧が作用すると共に、前記第1サクションボックスと前記第2サクションボックスとの間にガイダーロールをさらに備えており、当該ガイダーロールは、上流側の前記スクイズロールと、下流側の前記プレスロールとの中間部で、上方に偏倚した位置に配置しており、前記濾布ベルトが前記ガイダーロールの上流側は上り勾配、前記ガイダーロールの下流側は下り勾配である山形となっており、前記第2サクションボックスは前記濾布ベルトの下り勾配部分に位置していることを特徴とする。
【0007】
第1の発明に係る濾布ベルト式脱水装置では、濾布ベルトの上面側に被脱水処理物が供給されると、第1サクションボックスおよび第2サクションボックスを有する負圧脱水部が濾布ベルトの下面側から被脱水処理物に対して吸引負圧を作用させ、被脱水処理物中の水分を濾布ベルトの下面側に吸引して被脱水処理物を初期脱水する。次に、加圧脱水転着部の一対のプレスロールが初期脱水された被脱水処理物を濾布ベルトと共に加圧して脱水し、脱水された処理物を一方のプレスロールに転着させて濾布ベルトから剥離させる。続いて、処理物回収部が一方のプレスロールに転着した処理物を掻き落して回収し、また、洗浄部が処理物の剥離された濾布ベルトを洗浄する。そして、絞り部の一対のスクイズロールが洗浄された濾布ベルトを絞り、濾布ベルトの上面側に被脱水処理物を供給可能とする
【0008】
の発明に係る濾布ベルト式脱水装置は、第1の発明の濾布ベルト式脱水装置であって、前記濾布ベルトがその上面を構成する外面層と、その下面を構成する内面層と、これらの間の中間層とを有する3層構造のフェルト材から成り、外面層は被脱水処理物を濾過する極細繊維層で構成され、中間層は水分の透過を促進する中細繊維層で構成され、内面層は水切れを促進する基布層で構成されていることを特徴とする。
【0009】
の発明に係る濾布ベルト式脱水装置では、濾布ベルトの上面側に供給された被脱水処理物を負圧脱水部または加圧脱水転着部が脱水する際、濾布ベルトは、その上面を構成する外面層としての極細繊維層が毛細管現象により水分のみを透過させて被脱水処理物を確実に濾過し、中間層としての中細繊維層が毛細管現象により水分の透過を促進し、その下面を構成する内面層としての基布層が水切れを促進する。すなわち、濾布ベルトは、目詰まりすることなく効率的に被脱水処理物を脱水処理する。
【0010】
の発明に係る濾布ベルト式脱水装置は、第1または第2の発明の濾布ベルト式脱水装置であって、前記一対のプレスロールが、濾布ベルトを巻回する周面に複数の水切りガイド溝が形成されたプレスボトムロールと、被脱水処理物を加圧する周面が平滑に形成されたプレストップロールとで構成されていることを特徴とする。
【0011】
の発明に係る濾布ベルト式脱水装置では、一対のプレスロールとしてのプレストップロールおよびプレスボトムロールが濾布ベルトと共に被脱水処理物を加圧して脱水する際、プレスボトムロールの周面に形成された複数の水切りガイド溝濾布ベルトを透過する水の水切れを促進して被脱水処理物を効率的に脱水する。そして、プレストップロールの平滑な周面が脱水された処理物を確実に転着させて濾布ベルトから剥離させる。
【0012】
第1〜第の発明の濾布ベルト式脱水装置において、前記一対のプレスロールのプレス圧力が100〜600kPaの適正圧力に設定されていると、被脱水処理物を低含水率のケーキ状に脱水処理できるので好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る濾布ベルト式脱水装置の実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置の全体構造を示す正面図、図2は一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置の要部構造を模式的に示す正面図、図3は一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置の濾布ベルトの層構造を示す部分斜視図、図4は一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置の負圧脱水部の作用を説明する断面図、図5は一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置の加圧脱水転着部の作用を説明する斜視図、図6は一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置の絞り部の作用を説明する斜視図である。
【0014】
一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置は、図1および図2に示すように、スラリー状またはスラッジ状の被脱水処理物Sを濾過して脱水処理する装置である。被脱水処理物Sとしては、食品工業における余剰汚泥,グルテンミール、化学工業における余剰汚泥,水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウム,炭酸カルシウム,セラミック原料、非鉄金属工業における含鉛スラッジ,含銅スラッジ,酸化亜鉛スラッジ、下水の活性余剰汚泥、生活排水汚泥などが挙げられる。
【0015】
一実施形態の濾布ベルト式脱水装置は、前記の被脱水処理物Sを濾過可能なフェルト材から成り、かつ、無端状に巻回されて順次移送される単一の濾布ベルト1と、この濾布ベルト1の上面側に供給される被脱水処理物Sに対し濾布ベルト1の下面側から吸引負圧を作用させて被脱水処理物Sを初期脱水する負圧脱水部2と、初期脱水された被脱水処理物Sを濾布ベルト1と共に上下一対のプレストップロール3A,プレスボトムロール3B間で加圧して脱水し、かつ、脱水された処理物Cを上方のプレストップロール3Aに転着させて濾布ベルト1から剥離させる加圧脱水転着部3と、上方のプレストップロール3Aに転着された処理物Cを掻き落して回収する処理物回収部4と、処理物Cが剥離された濾布ベルト1を洗浄する洗浄部5と、洗浄された濾布ベルト1を一対のスクイズロール6A,6B間で絞る絞り部6とを備えている。
【0016】
前記の濾布ベルト1は、厚さが4〜8mm、幅が500〜2,800mm程度の無端ベルトであり、図3に示すように、その上面を構成する外面層1Aと、その下面を構成する内面層1Bと、これらの間の中間層1Cとを有する3層構造のフェルト材から成る。外面層1Aは被脱水処理物Sを濾過する極細繊維層で構成され、中間層1Cは水分の透過を促進する中細繊維層で構成され、内面層1Bは水切れを促進する基布層で構成されている。これらの外面層1A、中間層1Cおよび内面層1Bは、接着材などを使用することなく、綿打ち加工と同様の加工によって相互に繊維が絡み合うように接合されている。
【0017】
図1および図2に示すように、前記濾布ベルト1は、下方のスクイズロール6Bからガイダーロール7、プレスボトムロール3B、水中ロール8、フェルトロール9、ストレッチロール10、フェルトロール11、フェルトロール12へと順次巻回され、このフェルトロール12から再びスクイズロール6Bへと無端状に巻回されている。そして、この濾布ベルト1は、プレスボトムロール3Bが反時計方向に回転駆動されることにより、矢印方向に順次移送されるように構成されている。
【0018】
前記プレスボトムロール3Bとスクイズロール6Bとは左右に離間して配置され、ガイダーロール7はプレスボトムロール3Bとスクイズロール6Bとの中間部の若干上方に偏倚した位置に配置されている。そして、ガイダーロール7に内面がガイドされた濾布ベルト1は、緩いスロープの山形を描いてプレスボトムロール3Bとスクイズロール6Bとの間に張設されており、ガイダーロール7によって幅方向の位置ずれが修正されるようになっている。
【0019】
一方、前記水中ロール8は、ガイダーロール7の下方に配置された洗浄部5の洗浄プール5A内に配置されており、プレスボトムロール3Bから繰り出される濾布ベルト1を洗浄プール5A内の洗浄水に浸漬させるように濾布ベルト1の内面をガイドしている。また、フェルトロール9は洗浄プール5Aの右部上方に配置されており、洗浄プール5A内から濾布ベルト1を斜め上方に引き上げるように濾布ベルト1の内面をガイドしている。
【0020】
前記ストレッチロール10はフェルトロール9の左斜め上方に配置されており、濾布ベルト1の弛みを除去するように濾布ベルト1の外面を押圧している。また、フェルトロール11は、スクイズロール6Bの下方に配置されたフェルトロール12と前記ストレッチロール10との間に配置されており、濾布ベルト1の外面を押圧している。そして、フェルトロール12は、濾布ベルト1をスクイズロール6B側へ上向させるように濾布ベルト1の内面をガイドしている。
【0021】
前記負圧脱水部2は、図示しない真空ポンプの吸引負圧が作用する第1サクションボックス2Aおよび第2サクションボックス2Bを備えている。第1サクションボックス2Aは、スクイズロール6Bとガイダーロール7との間に配置されており、図4に示すように、濾布ベルト1の下面に開口部を摺接させている。そして、この第1サクションボックス2Aには、濾布ベルト1上の被脱水処理物S中の水分を濾布ベルト1の表面層1Aから中間層1C、裏面層1Bへと浸透させる程度の弱い吸引負圧、例えば7kPa程度の吸引負圧が作用している。なお、被脱水処理物Sは、図1および図2に示すように、前記絞り部6から繰り出される濾布ベルト1上に供給ボックス13を介して供給されるように構成されている。
【0022】
一方、第2サクションボックス2Bは、ガイダーロール7とプレスボトムロール3Bとの間に配置されており、第1サクションボックス2Aと同様に、濾布ベルト1の下面に開口部を摺接させている。そして、この第2サクションボックス2Bには、被脱水処理物S中の水分を濾布ベルト1の下面側へ吸引して排除できる程度の吸引負圧、例えば25kPa程度の吸引負圧が作用している。なお、前記第1サクションボックス2Aおよび第2サクションボックス2Bに回収された水分は、図2に示すドレンパイプ2Cを介して回収タンク2D内に回収されるように構成されている。
【0023】
前記加圧脱水転着部3を構成する上方のプレストップロール3Aは、図5に示すように、被脱水処理物Sを加圧する周面が平滑に形成されている。また、下方のプレスボトムロール3Bは、濾布ベルト1を巻回する周面に複数の水切りガイド溝3Cが形成されている。各水切りガイド溝3Cの深さ、幅およびピッチ間隔は、プレスボトムロール3Bの本来の機能を損なわない範囲で適宜設定できる。
【0024】
上下一対のプレストップロール3Aおよびプレスボトムロール3Bによるプレス圧力は、図1に示す圧力調整部14により100〜600kPaの適正圧力に設定されている。前記圧力調整部14は、プレストップロール3Aを一端部に枢支して左右方向に延びる揺動アーム14Aと、濾布ベルト式脱水装置のフレーム15上に立設されて前記揺動アーム14Aの中間部を枢支する支持アーム14Bと、前記フレーム15と揺動アーム14Aの他端部との間に架設された空気圧シリンダ装置14Cとを備えている。そして、空気圧シリンダ装置14Cの伸長に伴いプレストップロール3Aが下方に揺動してプレスボトムロール3Bに圧接し、空気圧シリンダ装置14Cの押圧力に応じて両者のプレス圧力が調整されるように構成されている。
【0025】
前記処理物回収部4は、図2に示すように、上方のプレストップロール3Aの周面に転着された処理物Cを掻き落すドクター4Aと、このドクター4Aによって掻き落されたケーキ状の処理物Cを回収ボックス4B側へ落下させるシュート4Cとを備えている。なお、これらのドクター4A、回収ボックス4B、シュート4Cは、プレストップロール3Aおよびプレスボトムロール3Bの長さに応じた前後長を有する。
【0026】
前記洗浄部5は、洗浄水を貯留する洗浄プール5Aと、洗浄水を噴出するシャワーパイプ5B,5Cとを備えている。洗浄プール5A内には前記水中ロール8が配置されており、この水中ロール8にガイドされた濾布ベルト1が洗浄プール5A内の洗浄水で洗浄されるように構成されている。また、シャワーパイプ5B,5Cは、水中ロール8からその上方のフェルトロール9に向けて上向する濾布ベルト1の表面側および裏面側に分離して配置されており、洗浄水を濾布ベルト1の表面および裏面に噴射して濾布ベルト1を洗浄する。なお、絞り部6から滴下する水を洗浄プール5A内に回収するため、洗浄プール5Aには絞り部6の下方に延出するシュート部5Dが突設されている。
【0027】
前記絞り部6を構成する一対のスクイズロール6A,6Bは、図1に示す圧力調整部16により、洗浄された濾布ベルト1から水分を絞る程度のプレス圧力に調整されている。この圧力調整部16は、前記圧力調整部14と同様の揺動アーム16A、支持アーム16Bおよび空気圧シリンダ装置16Cで構成されているため、これらの詳しい説明は省略する。なお、スクイズロール6A,6Bの周面は、通常、平滑面となっているが、その周面に複数の水切りガイド溝を形成してもよい。
【0028】
以上のように構成された一実施形態の濾布ベルト式脱水装置は、例えばスラッジ状の被脱水処理物Sを脱水処理し、含水率の低いケーキ状の処理物Cを回収するために使用される。この使用にあたって、被脱水処理物Sは、図1および図2の矢印方向へ移送される濾布ベルト1の上面側に供給ボックス13を介して順次連続的に供給され、濾布ベルト1と共に負圧脱水部2を通過して加圧脱水転着部3に移送される。
【0029】
濾布ベルト1上の被脱水処理物Sが負圧脱水部2の第1サクションボックス2Aおよび第2サクションボックス2Bの上方を順次通過する際、第1サクションボックス2Aは、図4に示すように、例えば7kPa程度の吸引負圧を濾布ベルト1の下面側から被脱水処理物Sに作用させる。これに伴い、被脱水処理物S中の水分が濾布ベルト1に浸透する。その際、濾布ベルト1の極細繊維層から成る外面層1Aが毛細管現象により水分のみを透過させて被脱水処理物Sを確実に濾過する。また、中細繊維層から成る中間層1Cが毛細管現象により水分の透過を促進する。そして、基布層から成る内面層1Bが水切れを促進する。
【0030】
一方、第2サクションボックス2Bは、例えば25kPa程度の吸引負圧を濾布ベルト1の下面側から被脱水処理物Sに作用させる。これに伴い、濾布ベルト1は、前記のように被脱水処理物S中の水分のみを毛細管現象を利用して効率的に透過させ、被脱水処理物Sを外面層1Aで確実に濾過する。こうして濾布ベルト1は、目詰まりを生じることなく被脱水処理物Sを効率的に確実に初期脱水する。なお、第1サクションボックス2Aおよび第2サクションボックス2B内に吸引された被脱水処理物S中の水分は、図2に示すドレンパイプ2Cを介して回収タンク2D内に回収される。
【0031】
負圧脱水部2により初期脱水された濾布ベルト1上の被脱水処理物Sは、加圧脱水転着部3のプレストップロール3Aとプレスボトムロール3Bとの間を通過することにより加圧脱水される。その際、濾布ベルト1は、前記のように被脱水処理物S中の水分のみを毛細管現象を利用して効率的に透過させ、被脱水処理物Sを外面層1Aで確実に濾過する。また、濾布ベルト1に圧接するプレスボトムロール3Bは、その周面に形成された複数の水切りガイド溝3Cが濾布ベルト1を透過する水分の水切れを促進し、被脱水処理物Sの加圧脱水を一層促進させる。そして、被脱水処理物Sに圧接するプレストップロール3Aは、周面が平滑に形成されているため、加圧脱水された処理物Cを確実に転着させて濾布ベルト1から剥離させる。
【0032】
加圧脱水転着部3のプレストップロール3Aの周面に転着した処理物Cは、処理物回収部4のドクター4Aによって掻き落され、シュート4Cを介して回収ボックス4B内に回収される。この回収されたケーキ状の処理物Cは、含水率の低い0.5〜2mm程度のフレーク状であり、通気性に優れているため取扱いやすい。また、含水率が低いことから、後工程としての乾燥工程および乾燥装置が不要となる。
【0033】
加圧脱水転着部3を通過して処理物Cが剥離された濾布ベルト1は、その上面に新たな被脱水処理物Sを供給可能とするため、洗浄部5により洗浄されて絞り部6により絞られる。すなわち、洗浄部5の洗浄プール5Aが内部の洗浄水に濾布ベルト1を浸漬させて洗浄し、シャワーパイプ5B,5Cが濾布ベルト1の外面および内面に洗浄水を噴出して洗浄する。そして、絞り部6のスクイズロール6A,6Bが所定のプレス圧力を加えつつ濾布ベルト1を通過させることで、濾布ベルト1を毛細管現象の維持できる程度に絞る。
【0034】
一実施形態の濾布ベルト式脱水装置は、単一の濾布ベルト1を移送可能に巻回した簡素な構造でありながら、各種のスラリー状またはスラッジ状の被脱水処理物Sを効率的に脱水処理することができる。そして、脱水処理されたケーキ状の処理物Cは、含水率の低いフレーク状を呈するため、通気性がよく、また後処理の乾燥が不要となるため、取扱い易い。
【0035】
また、一実施形態の濾布ベルト式脱水装置においては、極細繊維層で構成された外面層1Aと、中細繊維層で構成され中間層1Cと、基布層で構成された内面層1Bとの3層構造のフェルト材を濾布ベルト1として使用しているため、被脱水処理物S中の細かい粒子を外面層1A上に架橋させて凝集させることが可能である。
【0036】
【実施例】
一実施形態の濾布ベルト式脱水装置と同様の濾布ベルト式脱水装置を製造し、この濾布ベルト式脱水装置を使用して各種の被脱水処理物Sを脱水処理したところ、下記の表に示すように、それぞれ含水率の低いケーキ状の処理物Cが得られた。なお、使用した濾布ベルト1は、幅1,000mm、厚さ5mmであり、その移送速度は毎分15mに設定した。また、負圧脱水部2の第1サクションボックス2Aの吸引負圧は7kPaに設定し、第2サクションボックス2Bの吸引負圧は25kPaに設定した。そして、プレストップロール3Aおよびプレスボトムロール3B間のプレス圧力は、400kPaに設定し、スクイズロール6A,6B間のプレス圧力は400kPaに設定した。
【0037】
【表1】
Figure 0003711222
【0038】
なお、前記の濾布ベルト1の幅、厚さおよび移送速度、第1サクションボックス2Aおよび第2サクションボックス2Bの吸引負圧、プレストップロール3Aおよびプレスボトムロール3B間のプレス圧力、スクイズロール6A,6B間のプレス圧力などの濾過条件は、被脱水処理物Sの状態によって異なり、実施例に限定されるものではない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明に係る濾布ベルト式脱水装置では、濾布ベルトの上面側に被脱水処理物が供給されると、負圧脱水部が濾布ベルトの下面側から被脱水処理物に対して吸引負圧を作用させ、被脱水処理物中の水分を濾布ベルトの下面側に吸引して被脱水処理物を初期脱水する。次に、加圧脱水転着部の一対のプレスロールが初期脱水された被脱水処理物を濾布ベルトと共に加圧して脱水し、脱水された処理物を一方のプレスロールに転着させて濾布ベルトから剥離させる。続いて、処理物回収部が一方のプレスロールに転着した処理物を掻き落して回収し、また、洗浄部が処理物の剥離された濾布ベルトを洗浄する。そして、絞り部の一対のスクイズロールが洗浄された濾布ベルトを絞り、濾布ベルトの上面側に被脱水処理物を供給可能とする。すなわち、第1の発明によれば、単一の濾布ベルトを移送可能に巻回した簡素な構造でありながら、各種のスラリー状またはスラッジ状の被脱水処理物を効率的に脱水処理することができる。
【0040】
また、第2の発明に係る濾布ベルト式脱水装置では、濾布ベルトの上面側に供給された被脱水処理物を負圧脱水部または加圧脱水転着部が脱水する際、濾布ベルトは、その上面を構成する外面層としての極細繊維層が毛細管現象により水分のみを透過させて被脱水処理物を確実に濾過し、中間層としての中細繊維層が毛細管現象により水分の透過を促進し、その下面を構成する内面層としての基布層が水切れを促進する。すなわち、第2の発明によれば、濾布ベルトが目詰まりすることなく効率的に被脱水処理物を脱水処理するため、被脱水処理物を含水率の低いケーキ状に脱水処理することができる。
【0041】
さらに、第3の発明に係る濾布ベルト式脱水装置では、一対のプレスロールとしてのプレストップロールおよびプレスボトムロールが濾布ベルトと共に被脱水処理物を加圧して脱水する際、プレスボトムロールの周面に形成された複数の水切りガイド溝濾布ベルトを透過する水の水切れを促進して被脱水処理物を効率的に脱水する。そして、プレストップロールの平滑な周面が脱水された処理物を確実に転着させて濾布ベルトから剥離させる。すなわち、第3の発明によれば、被脱水処理物の脱水処理および脱水された処理物のプレストップロールへの転着処理を効率的に確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置の全体構造を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置の要部構造を模式的に示す正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置の濾布ベルトの層構造を示す部分斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置の負圧脱水部の作用を説明する断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置の加圧脱水転着部の作用を説明する斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る濾布ベルト式脱水装置の絞り部の作用を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 :濾布ベルト
1A:外面層
1B:内面層
1C:中間層
2 :負圧脱水部
2A:第1サクションボックス
2B:第2サクションボックス
2C:ドレンパイプ
2D:回収タンク
3 :加圧脱水転着部
3A:プレストップロール
3B:プレスボトムロール
3C:水切りガイド溝
4 :処理物回収部
4A:ドクター
4B:回収ボックス
4C:シュート
5 :洗浄部
5A:洗浄プール
5B:シャワーパイプ
5C:シャワーパイプ
5D:シュート部
6 :絞り部
6A:スクイズロール
6B:スクイズロール
7 :ガイダーロール
8 :水中ロール
9 :フェルトロール
10 :ストレッチロール
11 :フェルトロール
12 :フェルトロール
13 :供給ボックス
14 :圧力調整部
14A:揺動アーム
14B:支持アーム
14C:空気圧シリンダ装置
15 :フレーム
16 :圧力調整部
16A:揺動アーム
16B:支持アーム
16C:空気圧シリンダ装置

Claims (4)

  1. スラリー状またはスラッジ状の被脱水処理物を濾過可能な単一の濾布ベルトが無端状に巻回されて順次移送される形式の濾布ベルト式脱水装置であって、前記濾布ベルトの上面側に供給される被脱水処理物に対し濾布ベルトの下面側から吸引負圧を作用させて被脱水処理物を初期脱水する負圧脱水部と、初期脱水された被脱水処理物を濾布ベルトと共に一対のプレスロール間で加圧して脱水し、かつ、脱水された処理物を一方のプレスロールに転着させて濾布ベルトから剥離させる加圧脱水転着部と、一方のプレスロールに転着した処理物を掻き落して回収する処理物回収部と、処理物が剥離された濾布ベルトを洗浄する洗浄部と、洗浄された濾布ベルトを一対のスクイズロール間で絞る絞り部と、を備え、
    前記負圧脱水部は、前記濾布ベルトの下面側に配置する上流側の第1サクションボックスと、前記濾布ベルトの下面側に配置する下流側の第2サクションボックスとを備え、前記第2サクションボックスでは、前記1サクションボックスより強い吸引負圧が作用すると共に、
    前記第1サクションボックスと前記第2サクションボックスとの間にガイダーロールをさらに備えており、
    当該ガイダーロールは、上流側の前記スクイズロールと、下流側の前記プレスロールとの中間部で、上方に偏倚した位置に配置しており、前記濾布ベルトが前記ガイダーロールの上流側は上り勾配、前記ガイダーロールの下流側は下り勾配である山形となっており
    前記第2サクションボックスは前記濾布ベルトの下り勾配部分に位置していることを特徴とする濾布ベルト式脱水装置。
  2. 請求項に記載の濾布ベルト式脱水装置であって、前記濾布ベルトは、その上面を構成する外面層と、その下面を構成する内面層と、これらの間の中間層とを有する3層構造のフェルト材から成り、外面層は被脱水処理物を濾過する極細繊維層で構成され、中間層は水分の透過を促進する中細繊維層で構成され、内面層は水切れを促進する基布層で構成されていることを特徴とする濾布ベルト式脱水装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の濾布ベルト式脱水装置であって、前記一対のプレスロールは、濾布ベルトを巻回する周面に複数の水切りガイド溝が形成されたプレスボトムロールと、被脱水処理物を加圧する周面が平滑に形成されたプレストップロールとで構成されていることを特徴とする濾布ベルト式脱水装置。
  4. 請求項1〜請求項の何れかに記載の濾布ベルト式脱水装置であって、前記一対のプレスロールは、プレス圧力が100〜600kPaに設定されていることを特徴とする濾布ベルト式脱水装置。
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