JP3700980B1 - せん断力補強方法、せん断力補強構造及びせん断補強部材 - Google Patents

せん断力補強方法、せん断力補強構造及びせん断補強部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易かつ確実に所定の引き抜き剛性を確保することが可能となる、既設のRC構造体のせん断力補強方法、せん断力補強構造及びせん断補強部材を提供する。
【解決手段】 せん断力が作用する既設のRC構造体の中間壁Wのせん断力補強方法であって、以下の工程を含むことを特徴としている。
(1)既設のRC構造体の中間壁Wを貫通する、せん断補強部材20を設置するための補強部材挿入孔10を穿孔する工程。
(2)補強部材挿入孔10に充填材30を充填する工程。
(3)せん断補強鉄筋21と、その基端部に設けられている基端プレートヘッド23とを補強部材挿入孔10に挿入して、前記せん断補強鉄筋21の先端部に先端プレートヘッド22を固定して中間壁Wの内部に、せん断補強部材20を配置する工程。
【選択図】 図2

Description

本発明は、せん断力が作用する既設の鉄筋コンクリート造(以下、鉄筋コンクリートを「RC」という場合がある)の構造物のせん断力補強方法、せん断力補強構造及びせん断補強部材に関する。
阪神大震災以前に設計及び施工された地下鉄、上下水道浄化施設などの各種施設において、その構造物躯体を構成するRC造のボックスカルバートやRC造の地中埋設構造物の中間壁や中間スラブや、橋梁の壁式橋脚など(以下「RC構造体」という場合がある)は、せん断鉄筋が配筋されていない場合が多く、レベル2地震動に対するせん断耐力が不足していることが、各種の耐震診断の結果から明らかになっており、速やかに耐震補強を行う必要性が指摘されている。
従来、これらのRC構造体の補強方法としては、RC構造体の面に沿って主鉄筋及び配力鉄筋を配筋して、コンクリートを打設する増厚工法や、RC構造体の周囲に鋼板を巻き立て、RC構造体と鋼板との隙間にモルタルや樹脂等の充填材を充填する鋼板巻き立て工法等が採用されていた。
しかし、これらの工法では、補強後に面材や版材の厚さが増大して、躯体の内空断面が減少してしまう等、各種の不都合が生じてしまう(例えば、上下水道浄化施設の場合には、貯水能力や処理能力が減少してしまい、また地下鉄の場合には、建築限界を満足しなくなるため、使用不能となってしまう場合が生じる)。さらに、増厚工法は、主鉄筋が増加することから、せん断耐力が向上する一方で、曲げ耐力も増加することから、補強後においてせん断耐力と曲げ耐力の比を2〜4に移行させるという要請を実現するのが困難であった。
さらに、補強鉄筋や鋼板等の補強部材の搬入や組み立てに、大掛かりな揚重機械を必要とし、地下構造物内や橋梁等の限られた空間では、これらの揚重機械の制約があり施工が困難な場合があった。また、供用中の道路トンネル内や鉄道トンネル内の中間壁のせん断補強では、その交通量や列車運行の制約により、夜間の限られた時間帯内での急速施工の要求に対して、前記従来の補強方法では、施工ができない場合があった。
そこで、前記問題点を解決するために、ボックスカルバートのせん断力補強方法として、ボックスカルバートの外壁の内側から、所定の間隔で鉛直方向にスリットを形成し、該スリット内に所定の鋼板を挿入した後に、前記スリット内にグラウト材を充填して前記鋼板と前記外壁とを一体化させる方法が提案されている。(例えば、特許文献1)
特開2003−3556号公報(第2頁−第4頁、図2)
しかし、前記補強方法では、単に、スリット内に所定の鋼板を挿入するだけであることから、鋼板に引抜き力が発生した際、充分な剛性(引き抜き力に対する引き抜き抵抗の大きさ、以下「引き抜き剛性」という)を得ることができないという新たな問題点が生じることになった。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、簡易かつ確実に所定の引き抜き剛性を確保することが可能となる、既設のRC構造体のせん断力補強方法(以下、単に「せん断力補強方法」という)、せん断力補強構造及びせん断補強部材を提供することを課題としている。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、せん断力が作用する既設の鉄筋コンクリート構造物のせん断力補強方法であって、以下の工程を含むことを特徴としている。
(1)前記鉄筋コンクリート構造物を貫通する、せん断補強部材を設置するための補強部材挿入孔を穿孔する工程。
(2)前記補強部材挿入孔に充填材を充填する工程。
(3)線材と、前記線材の基端部に設けられている当該線材より断面形状が大きい基端側定着部材と、を前記鉄筋コンクリート構造物の一面側から前記補強部材挿入孔に挿入して、前記鉄筋コンクリート構造物の他面側から挿入された前記線材より断面形状が大きい先端側定着部材に、前記線材の先端部を固定して前記鉄筋コンクリート構造物内に、せん断補強部材を前記既設の鉄筋コンクリート構造物の主鉄筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配置する工程。
また、請求項2に記載の発明は、せん断力が作用する既設の鉄筋コンクリート構造物のせん断力補強方法であって、以下の工程を含むことを特徴としている。
(1)前記鉄筋コンクリート構造物を貫通する、せん断補強部材を設置するための補強部材挿入孔を穿孔する工程。
(2)線材と、前記線材の基端部に設けられている、当該線材より断面形状が大きい基端側定着部材と、を前記鉄筋コンクリート構造物の一面側から前記補強部材挿入孔に挿入する工程。
(3)前記鉄筋コンクリート構造物の他面側から、前記線材より断面形状が大きい先端側定着部材を挿入し、前記線材の先端部に固定して前記鉄筋コンクリート構造物内に、せん断補強部材を前記既設の鉄筋コンクリート構造物の主鉄筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配置する工程。
(4)前記補強部材挿入孔に充填材を充填する工程。
また、請求項3に記載の発明は、せん断力が作用する既設の鉄筋コンクリート構造物のせん断力補強方法であって、以下の工程を含むことを特徴としている。
(1)前記鉄筋コンクリート構造物を貫通する、せん断補強部材を設置するための補強部材挿入孔を穿孔する工程。
(2)線材と、前記線材の基端部に設けられている、当該線材より断面形状が大きい基端側定着部材と、を前記鉄筋コンクリート構造物の一面側から前記補強部材挿入孔に挿入する工程。
(3)前記補強部材挿入孔に充填材を充填する工程。
(4)前記鉄筋コンクリート構造物の他面側から、前記線材より断面形状が大きい先端側定着部材を挿入し、前記線材の先端部に固定して前記鉄筋コンクリート構造物内に、せん断補強部材を前記既設の鉄筋コンクリート構造物の主鉄筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配置する工程。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のせん断力補強方法であって、前記補強部材挿入孔を穿孔する工程は、前記線材の直径よりも大きく、且つ前記基端側定着部材の幅寸法及び先端側定着部材の幅寸法よりも小さい内径の一般部を穿孔する工程と、前記補強部材挿入孔の基端部に形成されて、前記基端側定着部材の幅寸法よりも大きい内径の拡幅部を穿孔する工程と、前記補強部材挿入孔の先端部に形成されて、前記先端側定着部材の幅寸法よりも大きい内径の拡幅部を穿孔する工程と、からなることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、既設の鉄筋コンクリート構造物と、この鉄筋コンクリート構造物を貫通するように形成された補強部材挿入孔の内部に配設されるせん断補強部材と、前記補強部材挿入孔に充填される充填材と、からなるせん断力補強構造であって、前記せん断補強部材が、線材と、前記線材の基端部と先端部にそれぞれ固定された基端定着部材及び先端定着部材とから構成されて、且つ該せん断補強部材の両端が前記既設の鉄筋コンクリート構造物の主鉄筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配置されており、前記補強部材挿入孔が、前記線材の直径よりも大きく、且つ前記基端定着部材の幅寸法よりも小さい内径の一般部と、前記補強部材挿入孔の基端部に形成されて、前記基端定着部材の幅寸法よりも大きい内径の拡幅部とから構成されていることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のせん断力補強構造であって、前記補強部材挿入孔の先端部に、該補強部材挿入孔の前記一般部よりも大きい内径を有する拡幅部が形成されていることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、既設の鉄筋コンクリート構造物を貫通するように形成された補強部材挿入孔の内部に両端が前記既設の鉄筋コンクリート構造物の主鉄筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配設されるせん断補強部材であって、前記補強部材挿入孔の延長よりも短い長さの線材と、前記線材の直径よりも大きな幅寸法を有し、該線材の基端部及び先端部にそれぞれ固定された基端側定着部材及び先端側定着部材とから構成されており、前記基端側定着部材に空気抜き孔、前記先端側定着部材に注入孔がそれぞれ形成されていることを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のせん断補強部材であって、前記線材には、その先端部に雄ネジ部材が一体に形成されており、前記先端側定着部材は、厚さ寸法が前記線材の直径の80%乃至120%、幅寸法が前記線材の直径の200%乃至300%の円形又は多角形の形状をした鋼製プレートからなり、当該鋼製プレートには、雌ネジが形成されており、この雌ネジに前記線材の雄ネジ部材をねじ込むことにより前記線材の先端部に固定されてなることを特徴としている。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7に記載のせん断補強部材であって、前記線材には、その先端部に雄ネジが加工されており、前記先端側定着部材は、厚さ寸法が前記線材の直径の80%乃至120%、幅寸法が前記線材の直径の200%乃至300%の円形又は多角形の形状をした鋼製プレートからなり、この鋼製プレートには、雌ネジが形成されており、この雌ネジに前記線材の雄ネジをねじ込むことにより前記線材の先端部に固定されてなることを特徴としている。
また、請求項10に記載の発明は、請求項7に記載のせん断補強部材であって、前記線材は、ネジ鉄筋から構成されてなり、前記先端側定着部材は、厚さ寸法が前記線材の直径の80%乃至120%、幅寸法が前記線材の直径の200%乃至300%の円形又は多角形の形状をした鋼製プレートからなり、この鋼製プレートには、雌ネジが形成されており、この雌ネジに前記線材をねじ込むことにより前記線材の先端部に固定されてなることを特徴としている。
また、請求項11に記載の発明は、請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のせん断補強部材であって、前記基端側定着部材は、厚さ寸法が前記線材の直径の30%乃至120%、幅寸法が前記線材の直径の200%乃至300%の円形又は多角形の形状をした鋼製プレートが前記線材の基端部に固定されてなることを特徴としている。
ここで、本発明による補強の対象部材は、せん断補強が必要となる部材であり、既設である鉄筋コンクリート構造物の面材(中間壁や壁式橋脚の壁面部等)又は版材(中間スラブ等)(以下「RC造面版材」という)に適用可能であり、また、施工対象に関して、現場打ちや、プレキャストコンクリート製品等の種類は問わない。
また、せん断補強部材は、RC造面版材の厚さ方向の外面から所定の被りコンクリート厚を確保するとともに、予め配筋されている主鉄筋及び配力鉄筋を避けるように配置される必要がある。
さらに、充填材は、せん断補強部材とRC造面版材のコンクリートとを強固に一体とさせるために充填するものであり、エポキシ樹脂、セメント系ミルクあるいはセメント系モルタルなどを用いることが好適である。
セメント系ミルクあるいはセメント系モルタルの配合として、これらの充填材の材料が硬化した後に、乾燥収縮や自己収縮により補強部材挿入孔とこれらの充填材料との間に微小な隙間が発生してRC構造体と一体とならないことが考えられるので、これらの充填材料に膨張剤を混入して、これらの充填材料が硬化した後にも無収縮の材料としてRC構造体とせん断補強部材との一体性を図ることが好適である。また、補強部材挿入孔の向きにより、充填中の充填材が流れ出すことがないように、充填材に可塑性のある材料を使用することも好適である。
本発明によれば、せん断補強部材とRC造面版材のコンクリートが充填材を介して一体化されているため、当該RC造面版材に、面外のせん断力が発生した場合に発生する斜め引張り応力に対して、せん断補強部材とRC造面版材とが一体となって抵抗することになる。従って、既設のRC造面版材のせん断耐力を向上させ、地震等による破壊形態を脆性的な破壊から靱性的な破壊へ移行させることができる。
また、本発明によれば、RC造面版材のコンクリート厚さを増加させることなく、直接的にせん断補強部材を壁内部に埋設することにより、せん断耐力と靱性性能の増大を効率的に実現できることから、補強後に躯体の内空断面が減少してしまうといった不都合が生じることを防止することができる。加えて、主鉄筋を増加させることがないことから、曲げ耐力を増加させることなく、面外せん断耐力を向上させることができるので、レベル2地震時において、曲げ・せん断先行破壊型の可能性があるRC構造体を曲げ先行破壊型に移行することができる。
また、せん断補強部材において、線材であるせん断補強鉄筋の基端部及び先端部には、それぞれ当該せん断補強鉄筋より断面形状が大きい基端側定着部材及び先端側定着部材(以下、「基端側定着部材」と「先端側定着部材」とを区別しないときは、単に「定着部材」という場合がある)が設けられているため、当該せん断補強部材の定着効果を高めることができるとともに、せん断補強鉄筋の引張抵抗と定着部材の内側のコンクリートに発生する圧縮応力により、より効果的にせん断耐力の向上と靱性性能の向上を図ることができる。
ここで、線材は異形鉄筋や丸鋼鉄筋に限定されるものではなく、炭素線材、鋼棒、PC鋼より線等、あらゆる線材が適用可能である。また、本明細書において、定着部材の「幅寸法」は、定着部材の形状が矩形、多角形であれば対角線長、円形であれば直径、楕円形であれば長辺長に統一するものとする。
本発明のせん断力補強方法、せん断力補強構造及びせん断補強部材によれば、簡易かつ確実に所定の引き抜き剛性を確保することができる。
本発明の補強方法の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下は、地中に埋設された既設の鉄筋コンクリート構造物であるボックスカルバートの中間壁をせん断補強する場合について説明を行う。なお、以下の説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
ここで、図1は、第1の実施の形態〜第3の実施の形態に係るせん断力補強方法の補強部材挿入孔穿設工程を示す図であり、(a)は側断面図、(b)は正断面図である。また、図2は、第1の実施の形態に係るせん断力補強方法の各工程を示す正断面図であり、(a)は充填材充填工程、(b)は補強鉄筋挿入工程、(c)及び(d)はせん断補強部材配置工程を示している。また、図3(a)は、第1の実施の形態に係るせん断補強部材の分解斜視図であり、図3(b)及び(c)は同せん断補強部材の変形例を示す分解斜視図である。また、図4は、第1の実施の形態に係る補強方法を適用した壁にせん断力が作用した場合の応力状態を示す正断面図であり、図5(a),(b)は、ともに、プレートヘッドを有するせん断補強鉄筋と、端部に半円形状のフックを形成したせん断補強鉄筋の引き抜き実験の結果を示すグラフである。また、図6は、第2の実施の形態に係るせん断力補強方法の各工程を示す正断面図であり、(a)は補強鉄筋挿入工程、(b)はせん断補強部材配置工程、(c)及び(d)は充填材充填工程を示している。さらに、図7は、第3の実施の形態に係るせん断力補強方法の各工程を示す正断面図であり、(a)は補強鉄筋挿入工程、(b)は補強鉄筋挿入工程、(c)は充填材充填工程、(d)はせん断補強部材配置工程を示している。なお、説明における「左」「右」は、図1(b)に示した方向に統一する。
本発明に係るせん断力補強構造1は、既設の鉄筋コンクリート造の中間壁Wと、この中間壁Wの主鉄筋と交差する方向に中間壁Wを貫通した補強部材挿入孔10の内部に配設されるせん断補強部材20と、前記補強部材挿入孔10に充填される充填材30とから構成されている(図2(d)、図6(d)、図7(d)参照)。
せん断補強部材20は、線材であるせん断補強鉄筋21と、この基端部と先端部にそれぞれ固定された基端プレートヘッド(基端定着部材)23及び先端プレートヘッド(先端定着部材)22とから構成されている。
また、補強部材挿入孔10は、せん断補強鉄筋21の鉄筋径よりも大きく、且つ基端プレートヘッド23の幅寸法よりも小さい内径の一般部12と、補強部材挿入孔10の基端部に形成された、基端プレートヘッド23の幅寸法よりも大きい内径の拡幅部11と、補強部材挿入孔10の先端部に形成された、先端プレートヘッド22の幅寸法よりも大きい内径の拡幅部11とから構成されている。
以下、本発明に係るせん断力補強構造の構築方法及び細部の構成について説明する。
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態(以下、単に「第1実施形態」という場合がある)に係る補強方法は、(1)補強部材挿入孔穿孔工程と、(2)充填材充填工程と、(3)補強鉄筋挿入工程と、(4)せん断補強部材配置工程、の各工程を主要部として構成されている。
(1)補強部材挿入孔の穿孔工程
本工程は、既設RC構造体の中間壁を貫通する、せん断補強部材を設置するための補強部材挿入孔を穿孔する工程である。
図1(a)に示すように、補強部材挿入孔10は、既設RC構造体の施工時の配筋図や非破壊試験の情報をもとに、穿孔時に主鉄筋R1及び配力鉄筋R2に損傷を与えることの無いように、横間隔は主鉄筋R1と、縦間隔は配力鉄筋R2と同間隔で両鉄筋の中央に配置する。図1(b)に示すように、補強部材挿入孔10は、中間壁Wの側面に略垂直な方向に貫通しており、インパクト・ドリル、レッグドリル、ロータリーハンマ・ドリル、コア・ドリルなどの穿孔手段を用いて穿孔される。この補強部材挿入孔10の孔径は、図2(b)に示すせん断補強鉄筋21の鉄筋径に若干の余裕を見込んだ値とする。
その後、せん断補強部材20の基端部(末端部)に取り付けられている基端プレートヘッド(基端側定着部材)23と先端部に取り付けられている先端プレートヘッド(先端側定着部材)22の周縁部が孔内に掛止されるように(図2(c)参照)、前記穿孔手段を用いて補強部材挿入孔10の削孔径の拡幅(以下、この削孔径が拡幅された部分を「拡幅部11」という)を行う。なお、この拡幅部11の削孔深さは、それぞれ先端プレートヘッド22と基端プレートヘッド23の厚みに被りコンクリート厚さを加算した値とする必要がある。なお、この拡幅部11の直径は、それぞれ先端プレートヘッド22と基端プレートヘッド23の幅(円形の場合は直径)に若干の余裕を見込んだ値とする。以降、補強部材挿入孔10において、削孔径の拡幅がなされていない部分を一般部12と称する。
そして、補強部材挿入孔10の拡幅部11の穿孔が完了したら、当該孔内に穿孔のために生じたコンクリート粉を除去する。
(2)充填材充填工程
本工程は、図2(a)に示すように、補強部材挿入孔穿孔工程において穿孔された補強部材挿入孔10の一般部12に充填材30を圧入機械Mにより充填する工程である。
図2(a)に示すように、補強部材挿入孔10の穿孔が完了した後、圧入機械Mにより、一般部12に可塑性のあるセメント系モルタルからなる充填材30を充填する。ここで、補強部材挿入孔10一般部12の右側端部には、木製あるいはプラスチック製の栓30aが設置されており、充填材30の流出を防止している。
可塑性のあるセメント系モルタルは、セメントとシリカヒュームや石英粉などのポゾラン物質と増粘材と水とから構成される材料で、上向きに充填しても流れ落ちることのない性質を有している充填材30であるため、補強部材挿入孔10の方向に限定されることなく、充填することが可能である。なお、充填材30の材質等は、同様の特性を有するものであれば、これに限定されるものではない。また、充填材30の補強部材挿入孔10への充填は、圧入機械Mによる充填に限定されるものではなく、その他、公知の方法により充填してもよい。
(3)せん断補強鉄筋挿入工程
本工程は、図2(b)に示すように、充填材充填工程において一般部12に充填材30が充填された補強部材挿入孔10にせん断補強鉄筋21と、せん断補強鉄筋21の基端部に設けられている、当該せん断補強鉄筋21より断面形状が大きい基端プレートヘッド23とを挿入する工程である。
せん断補強鉄筋21の補強部材挿入孔10への挿入は、補強部材挿入孔10の栓30aが設置されていない左側の開口部から、その基端部に基端プレートヘッド23が固定されたせん断補強鉄筋21を、その先端が栓30aに当接するまで挿入することにより行う。この際、補強部材挿入孔10はせん断補強鉄筋21の鉄筋径に余裕を見込んで形成されているため、補強部材挿入孔10の一般部12内に充填材30が充填されていても、せん断補強鉄筋21の挿入が可能となっている。なお、せん断補強鉄筋21の補強部材挿入孔10への挿入の際に、せん断補強鉄筋21の先端部に弾丸状のゴム製あるいはプラスチック製のキャップを取り付けることにより、充填材の挿入抵抗を小さくする構成としてもよい。
ここで、第1実施形態に係るせん断補強鉄筋21は、図3(a)に示すように、異形鉄筋からなり、その基端部(図3(a)において左端部)には、基端プレートヘッド23が、摩擦圧接Aにより固定されている。また、せん断補強鉄筋21の先端部(図3(a)において右端部)には、後記する先端プレートヘッド22を接合するための雄ネジ部材21aが摩擦圧接Aにより固定されている。ここで、せん断補強鉄筋(線材)21として異形鉄筋を使用するものとしたが、線材21は、異形鉄筋に限定されるものではなく、線状の補強材料としての機能を発揮するものであれば、例えばネジ鉄筋、鋼棒、PC鋼より線、炭素線材等を使用してもよい。
また、基端プレートヘッド23は、図3(a)に示すように、厚さ寸法がせん断補強鉄筋21の鉄筋径の30%〜120%、幅寸法がせん断補強鉄筋21の鉄筋径の200%〜300%の四角形状をした鋼製プレートを、せん断補強鉄筋21の基端部に接合することにより構成されている。
なお、基端プレートヘッド23のせん断補強鉄筋21への接合方法は、図示しない摩擦圧接機械を用いて、固定したせん断補強鉄筋21に回転させた鋼製プレートを押し付けることにより、回転する鋼製プレートに所定の圧力で摩擦熱を発生させて、鋼製プレートをせん断補強鉄筋21に溶着(摩擦圧接A)させることにより行う。
ここで、基端プレートヘッド23とせん断補強鉄筋21との接合方法は、摩擦圧接Aに限定されるものではなく、ガス圧接接合やアーク溶接接合等、その一体化が可能であればよい。また、基端プレートヘッド23の形状は、四角形に限定されるものではなく、その他の多角形、円形、楕円形でもよい。
(4)せん断補強部材配置工程
本工程は、図2(c)及び(d)に示すように、補強部材挿入孔10の右側から、せん断補強鉄筋21より断面形状が大きい先端プレートヘッド22を挿入し、せん断補強鉄筋挿入工程において補強部材挿入孔10に挿入されたせん断補強鉄筋21の先端部に固定した後、拡幅部11内の空間11aに、充填材30を充填することで、中間壁Wの内部に、せん断補強部材20を配置する工程である。
先端プレートヘッド22は、補強部材挿入孔10の一般部12の右端部に設置された栓30aを取り外したうえで、当該一般部12の端面(拡幅部11の底面)に先端プレートヘッド22の後記する雌ネジ22aが配置されるように、補強部材挿入孔10の右側から挿入する。そして、せん断補強鉄筋21の先端を雌ネジ22aにねじ込むことによりせん断補強鉄筋21と先端プレートヘッド22とを固定させて、中間壁Wの内部にせん断補強部材20を形成する。
そして、先端プレートヘッド22の右側の拡幅部11にできた空間11a及び基端プレートヘッド23の左側の拡幅部11にできた空間11aを、セメント系モルタルからなる充填材30をコテによりすり込むことで充填する。充填が完了したら、充填材30がその流動性により変形することがないように、型枠26を、拡幅部11を塞ぐように中間壁Wの表面に設置する。なお、型枠26は、充填材30が硬化した後、撤去する。この場合において、補強部材挿入孔10が第1実施形態のように横向きの場合は、充填材30が変形することがないため型枠26を設置する必要がない場合もある。また、補強部材挿入孔10が縦向きの場合、あるいは傾斜している場合は、下側となる拡幅部11にのみに型枠26を設置すればよい。なお、型枠26の材質、形状、設置方法は、拡幅部11からの充填材30の流出を抑止することができればよく、限定されるものではない。この補強部材挿入孔10の内部には予め充填材30が充填されているので、せん断補強部材20を挿入して充填材が硬化することで、せん断補強部材20が隙間なく補強部材挿入孔10内に固定されて、中間壁Wとの一体化が可能となる。
ここで、第1実施形態に係る先端プレートヘッド22は、図3(a)に示すように、厚さがせん断補強鉄筋21の鉄筋径の80%〜120%、幅寸法がせん断補強鉄筋21の鉄筋径の200%〜300%の四角形状をした鋼製プレートの中央に雌ネジ22aが形成されており、この雌ネジ22aにせん断補強鉄筋21の雄ネジ部材21aをねじ込むことが可能になっている。なお、先端プレートヘッド22の形状は四角形に限定されるものではなく、その他の多角形、円形、楕円形(小判型や円の側部を切り落としたような形状も含む)でもよい。また、先端プレートヘッド22のせん断補強鉄筋21との接合部の形状も限定されるものではなく、図3(c)に示す先端プレートヘッド22’のように、その内面にせん断補強鉄筋21先端の形状に合せて雌ネジが形成された筒状の部材22a’を固定する構成でもよい。この場合において、筒状の部材22a’としてはナットを用いることができる。
また、せん断補強鉄筋21として、異形鉄筋の先端に雄ネジ部材21aを摩擦圧接Aにより接合したものをするものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図3(b)に示すように、せん断補強鉄筋21’として、異形鉄筋の先端部に雄ネジ21a’を加工したものを使用してもよく、あるいは、図3(c)に示すように、せん断補強鉄筋21”として、ネジ鉄筋を使用してもよい。
また、充填材充填工程において、栓30aの代わりに、先端プレートヘッド22を一般部12に右端に配設して、該先端プレートヘッド22の周囲にシール材を介装することにより、一般部12の右端を遮蔽した後、充填材30を充填する構成としてもよい。これにより、せん断補強鉄筋挿入工程において、せん断補強鉄筋21を補強鉄筋挿入孔10に挿入し、先端プレートヘッド22にその先端を固定することにより、中間壁Wの内部にせん断補強部材20を配設することが可能となる。
本発明の補強方法によって補強されたRC構造体は、図4に示すように面外のせん断力Sが作用した時に発生する斜めひび割れcに対して、直接的にせん断補強部材20で補強してせん断耐力を向上させるものである。
つまり、面外のせん断力Sが中間壁Wに作用すると斜めひび割れcが発生しようとするが、せん断補強部材20に引張力が働くために、両端部の先端プレートヘッド22や基端プレートヘッド23に引き抜き力ftが作用する。このために、先端プレートヘッド22及び基端プレートヘッド23の内側にあるコンクリート(以下「内部コンクリート」という)には、その反力として内部コンクリートに支圧力が作用して、圧縮応力fcの場が形成される。つまり、内部コンクリートは横拘束を受けて、斜め引張に対して、抵抗力を増大する結果となる。このために、端部にそれぞれリングヘッド22とプレートヘッド23の付いたせん断補強部材20により中間壁Wの面外せん断耐力が増大するとともに、内部コンクリートに圧縮応力fcが発生する(圧縮応力場が形成される)ことによる靱性性能の増大も図られることになる。
また、本実施の形態による補強を行った場合に、先端プレートヘッド22と基端プレートヘッド23が存在することから、定着部分が増大することになる。この定着効果を調べるために、基端プレートヘッド23を有するせん断補強鉄筋21と、端部に半円形状のフックを形成したせん断補強鉄筋(以下「比較例」という)の引き抜き実験を行った結果の一例を、図5(a)及び図5(b)に示す。
図5(a)は、異形鉄筋(D16)を用い、RC部材中に直径25mmの補強部材挿入孔を穿孔し、当該補強部材挿入孔に、厚さ9mm、直径35mmの円形状の基端プレートヘッドを有するせん断補強部材と比較例とを挿入して、充填材を充填させて硬化させた場合における、各せん断補強部材の引張応力と、抜け出し変位の関係を求めたものである。
図5(b)は、同様に異形鉄筋(D22)を用い、RC部材中に直径32mmの補強部材挿入孔を穿孔し、当該補強部材挿入孔に、厚さ16mm、直径が45mmの円形状の基端プレートヘッドを有するせん断補強部材と比較例とを挿入して、各せん断補強部材の引張応力と、抜け出し変位の関係を求めたものである。
この結果によれば、本発明に係る基端プレートヘッドを有するせん断補強鉄筋は、比較例と比べると抜け出し変位が小さく(引き抜き剛性が高く)、定着効果が格段に優れていることが実証されることになった。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態(以下、単に「第2実施形態」という場合がある)に係る補強方法は、(1)補強部材挿入孔穿孔工程と、(2)補強鉄筋挿入工程と、(3)せん断補強部材配置工程、(4)充填材充填工程と、の各工程を主要部として構成されている。
(1)補強部材挿入孔穿孔工程
本工程は、第1の実施の形態において説明した補強部材挿入孔穿孔工程と同様であるため、詳細な説明は省略する。
(2)せん断補強鉄筋挿入工程
本工程は、図6(a)に示すように、補強部材挿入孔穿孔工程において中間壁Wに貫通された補強部材挿入孔10にせん断補強鉄筋21と、せん断補強鉄筋21の基端部に設けられている、当該せん断補強鉄筋21より断面形状が大きい基端プレートヘッド23とを挿入する工程である。
せん断補強鉄筋21の補強部材挿入孔10への挿入は、補強部材挿入孔10の左側の開口部から、その基端部に基端プレートヘッド23が固定されたせん断補強鉄筋21を、基端プレートヘッド23が左側の拡幅部11の先端部に当接するまで挿入することにより行う。
ここで、基端プレートヘッド23には、後記する充填材30の充填時の空気抜き孔23aが予め形成されている。なお、第2実施形態に係るせん断補強鉄筋21及び基端プレートヘッド23のその他の構成は、第1実施形態に示した構成と同様なため、詳細な説明は省略する。
(3)せん断補強部材配置工程
本工程は、図6(b)に示すように、補強部材挿入孔10の右側から、せん断補強鉄筋21より断面形状が大きい先端プレートヘッド22を挿入し、せん断補強鉄筋挿入工程において補強部材挿入孔10に挿入されたせん断補強鉄筋21の先端部に固定することで、中間壁Wの内部に、せん断補強部材20を配置する工程である。
先端プレートヘッド22は、補強部材挿入孔10の一般部12の右端部(拡幅部の底面)に先端プレートヘッド22の雌ネジ22aが配置されるように、補強部材挿入孔10の右側から挿入する。そして、せん断補強鉄筋21の先端を雌ネジ22aにねじ込むことによりせん断補強鉄筋21と先端プレートヘッド22とを固定させて、中間壁Wの内部にせん断補強部材20を形成する。そして、先端プレートヘッド22及び基端プレートヘッド23の周囲には、シール材24を介装し後記する充填材充填工程において、充填材30を注入した際に充填材30が漏洩することを防止する。
ここで、第2実施形態に係る先端プレートヘッド22には、後記する充填材30の充填時の注入孔22bが予め形成されている。また、先端プレートヘッド22のその他の構成は、第1実施形態に示した構成と同様なため、詳細な説明は省略する。
(4)充填材充填工程
本工程は、図6(c)及び(d)に示すように、せん断補強部材20が設置された補強部材挿入孔10に充填材30を充填する工程である。
まず、図6(c)にしめすように、ビニールチューブ等からなる注入管31を先端プレートヘッド22の注入孔22bに挿入して、補強部材挿入孔10の一般部12まで貫通させる。また、基端プレートヘッド23の空気抜き孔23aには、ビニールチューブ等からなる空気抜き管32が補強部材挿入孔10の一般部12まで貫通させる。
そして、注入管31から公知の注入装置を利用して充填材30を一般部12に注入(充填)する。なお、充填材30の注入は、空気抜き管32から充填材30が排出されるまで行うものとし、一般部12とせん断補強鉄筋21との隙間を完全に充填する。また、一般部12の両端には、その周囲がシール材24により介装された先端プレートヘッド22及び基端プレートヘッド23により遮蔽されているため、充填材30が漏洩することがない。
一般部12への充填材30の充填が完了したら、先端プレートヘッド22の右側の拡幅部11にできた空間11a及び基端プレートヘッド23の左側の拡幅部11にできた空間11aを、セメント系モルタルからなる充填材30をコテによりすり込むことで充填する。なお、空間11aへの充填材30の充填方法は、第1実施形態で示した方法と同様なため、詳細な説明は省略する。
これにより、充填材30が硬化することで、せん断補強部材20が隙間なく補強部材挿入孔10内に固定されて、中間壁Wとの一体化が可能となる。
また、第2実施形態によるせん断補強のメカニズム及び定着効果は、第1実施形態で記載した内容と同様なため詳細な説明は省略する。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態(以下、単に「第3実施形態」という場合がある)に係る補強方法は、(1)補強部材挿入孔穿孔工程と、(2)補強鉄筋挿入工程と、(3)充填材充填工程と、(4)せん断補強部材配置工程、の各工程を主要部として構成されている。
(1)補強部材挿入孔穿孔工程
本工程は、第1の実施の形態において説明した補強部材挿入孔穿孔工程と同様であるため、詳細な説明は省略する。
(2)せん断補強鉄筋挿入工程
本工程は、図7(a)に示すように、補強部材挿入孔穿孔工程において中間壁Wに貫通された補強部材挿入孔10にせん断補強鉄筋21と、せん断補強鉄筋21の基端部に設けられている、当該せん断補強鉄筋21より断面形状が大きい基端プレートヘッド23とを挿入する工程である。
せん断補強鉄筋21の補強部材挿入孔10への挿入は、補強部材挿入孔10の左側の開口部から、その基端部に基端プレートヘッド23が固定されたせん断補強鉄筋21を、基端プレートヘッド23が左側の拡幅部11の底面(一般部の左端部)に当接するまで挿入することにより行う。そして、基端プレートヘッド23の周囲には、シール材24を介装し後記する充填材充填工程において、充填材30を注入した際に充填材30が漏洩することを防止する。
ここで、第3実施形態に係るせん断補強鉄筋21及び基端プレートヘッド23のその他の構成は、第1実施形態に示した構成と同様なため、詳細な説明は省略する。
(3)充填材充填工程
本工程は、図7(b)に示すように、せん断補強鉄筋21が設置された補強部材挿入孔10の一般部12に充填材30を充填する工程である。
まず、図7(b)に示すように、ビニールチューブ等からなる注入管31を一般部12の右側開口部から、その先端が左側の基端プレートヘッド23付近に配置されるように挿入する。そして、注入管31から公知の注入装置を利用して充填材30を一般部12左側から注入する。ここで、注入管31は、一般部12に充填が完了するまで、その先端が常に注入された充填材30の内部に配置されつつ、充填材30の充填とともに徐々に右側に引き抜かれていく。なお、一般部12の左端は、その周囲がシール材24により介装された基端プレートヘッド23により遮蔽されているため、充填材30が漏洩することがない。
(4)せん断補強部材配置工程
本工程は、図7(c)及び(d)に示すように、補強部材挿入孔10の右側から、せん断補強鉄筋21より断面形状が大きい先端プレートヘッド22を挿入し、せん断補強鉄筋挿入工程において補強部材挿入孔10に挿入されたせん断補強鉄筋21の先端部に固定した後、拡幅部11内の空間11aに、充填材30を充填することで、中間壁Wの内部に、せん断補強部材20を配置する工程である。
なお、本工程は、第1実施形態におけるせん断補強部材配置工程と同様なため、詳細な説明は省略する。
また、第3実施形態に係る先端プレートヘッド22の構成は、第1実施形態に示した構成と同様なため、詳細な説明は省略する。
これにより、充填材30が硬化することで、せん断補強部材20が隙間なく補強部材挿入孔10内に固定されて、中間壁Wとの一体化が可能となる。
また、第3実施形態によるせん断補強のメカニズム及び定着効果は、第1実施形態で記載した内容と同様なため詳細な説明は省略する。
以上のように、本発明のせん断力補強方法によれば、RC造面版材の面外せん断補強を、直接的にせん断補強鉄筋とせん断補強鉄筋の両端部に設けられた各プレートヘッドをRC造面版材の内部に形成することにより、せん断耐力と靱性性能の増大を効率的に実現できる。
また、本発明のせん断力補強方法は、RC造面版材の内部に限られるので、従来工法である増厚工法や鋼板巻き立て工法等では生じる建築限界の縮小や貯蔵容積能力の減少等を回避することができる。
また、せん断補強のみに対応した補強方法であるので、曲げ耐力の向上をすることなく面外せん断耐力のみが向上する。そのため、曲げ・せん断先行破壊型の可能性があるRC構造体を曲げ先行破壊型に移行することができるので、耐震補強の観点からも好適である。
また、前記各実施形態によるせん断力補強方法によれば、補強部材挿入孔10の一般部の削孔径がせん断補強鉄筋21,21’の鉄筋径の120%〜130%程度でよく、作業効率がよく、施工性に優れている。
またせん断補強鉄筋の先端に固定する先端プレートヘッドは、容易に取り付けることができるが、固定度は高く、せん断補強鉄筋の定着の効果を十分に発揮することができる。
また、補強部材挿入孔10は、充填材30により外部と遮断されるので、補強後の耐久性の観点で劣化の抑制を期待できる。
また、せん断補強鉄筋21の基端部に設けられている基端プレートヘッド23及び先端部に設けられている先端プレートヘッド22は、充分な定着効果が得られるとともに、面外せん断力が発生するとせん断補強鉄筋21に引張力が作用するために、先端プレートヘッド22及びプレートヘッド23に支圧力が働き、内部コンクリートには圧縮応力場が形成されるため、せん断に対して内部コンクリート自身のせん断抵抗力が増大して効果的なせん断補強となる。
また、第1実施形態に係るせん断力補強方法は、可塑性のセメント系モルタルを充填した後に、せん断補強部材を配置して、せん断補強部材の両端に固定された各プレートヘッドの外側の空間に充填材をコテですりこむだけで施工が完了するため、従来の増厚工法や鋼板巻き立て工法に比較すると、施工期間の短縮が可能となり、経済的にも優れている。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることは言うまでもない。
特に、本発明の補強方法の対象とするRC構造体は、前記実施形態に限られず、橋梁の壁式橋台等であってもよい。
また、補強対象である既設RC構造体は、RC造であればよく、現場打ち鉄筋コンクリート構造体や、プレキャストコンクリート構造体等その種類は問わないとともに、補強を行う部位についても限定されず、中間スラブ等にも適用可能である。
また、せん断補強部材の挿入間隔・挿入数は、前記実施形態に限られず、適宜に定めることができる。
また、前記各実施形態では、せん断補強鉄筋を中間壁の左側から挿入する構成としたが、その挿入方向は限定されるものではないことはいうまでもない。
また、前記各実施形態の基端プレートヘッドは、四角形の鋼板プレートを摩擦圧接によりせん断補強鉄筋に固定してなる構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、基端プレートヘッドに雌ネジを構成することで、せん断補強鉄筋の基端部にも先端部と同様に雄ネジを加工しせん断補強鉄筋を基端プレートヘッドにねじ込む構成やせん断補強鉄筋にネジ鉄筋を使用しせん断補強鉄筋を基端プレートヘッドにねじ込む構成としてもよい。
第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係る補強方法の補強部材挿入孔穿設工程を示す図であり、(a)は側断面図、(b)は正断面図である。 第1の実施の形態に係るせん断力補強方法の各工程を示す正断面図であり、(a)は充填材充填工程、(b)は補強鉄筋挿入工程、(c)及び(d)はせん断補強部材配置工程を示している。 (a)は、第1の実施の形態に係るせん断補強部材の分解斜視図であり、(b)及び(c)はせん断補強部材の変形例を示す分解斜視図である。 第1の実施の形態に係る補強方法を適用した壁にせん断力が作用した場合の応力状態を示す正断面図である。 (a),(b)ともに、プレートヘッドを有するせん断補強鉄筋と、端部に半円形状のフックを形成したせん断補強鉄筋の引き抜き実験の結果を示すグラフである。 第2の実施の形態に係るせん断力補強方法の各工程を示す正断面図であり、(a)は補強鉄筋挿入工程、(b)はせん断補強部材配置工程、(c)及び(d)は充填材充填工程を示している。 第3の実施の形態に係るせん断力補強方法の各工程を示す正断面図であり、(a)は補強鉄筋挿入工程、(b)は補強鉄筋挿入工程、(c)は充填材充填工程、(d)はせん断補強部材配置工程を示している。
符号の説明
1 せん断力補強構造
10 補強部材挿入孔
11 拡幅部
20,20’,20” せん断補強部材
21,21’,21” せん断補強鉄筋(線材)
22 先端プレートヘッド(先端側定着部材)
23 基端プレートヘッド(基端側定着部材)
30 充填材
c 斜めひび割れ
fc 圧縮応力
ft 引き抜き力
G 地盤
R1 主鉄筋
R2 配力鉄筋
S せん断力
W 中間壁(鉄筋コンクリート構造物)

Claims (11)

  1. せん断力が作用する既設の鉄筋コンクリート構造物の補強方法であって、以下の工程を含むことを特徴とするせん断力補強方法。
    (1)前記鉄筋コンクリート構造物を貫通する、せん断補強部材を設置するための補強部材挿入孔を穿孔する工程。
    (2)前記補強部材挿入孔に充填材を充填する工程。
    (3)線材と、前記線材の基端部に設けられている当該線材より断面形状が大きい基端側定着部材と、を前記鉄筋コンクリート構造物の一面側から前記補強部材挿入孔に挿入して、前記鉄筋コンクリート構造物の他面側から挿入された前記線材より断面形状が大きい先端側定着部材に、前記線材の先端部を固定して前記鉄筋コンクリート構造物内に、せん断補強部材を前記既設の鉄筋コンクリート構造物の主鉄筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配置する工程。
  2. せん断力が作用する既設の鉄筋コンクリート構造物の補強方法であって、以下の工程を含むことを特徴とするせん断力補強方法。
    (1)前記鉄筋コンクリート構造物を貫通する、せん断補強部材を設置するための補強部材挿入孔を穿孔する工程。
    (2)線材と、前記線材の基端部に設けられている、当該線材より断面形状が大きい基端側定着部材と、を前記鉄筋コンクリート構造物の一面側から前記補強部材挿入孔に挿入する工程。
    (3)前記鉄筋コンクリート構造物の他面側から、前記線材より断面形状が大きい先端側定着部材を挿入し、前記線材の先端部に固定して前記鉄筋コンクリート構造物内に、せん断補強部材を前記既設の鉄筋コンクリート構造物の主鉄筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配置する工程。
    (4)前記補強部材挿入孔に充填材を充填する工程。
  3. せん断力が作用する既設の鉄筋コンクリート構造物の補強方法であって、以下の工程を含むことを特徴とするせん断力補強方法。
    (1)前記鉄筋コンクリート構造物を貫通する、せん断補強部材を設置するための補強部材挿入孔を穿孔する工程。
    (2)線材と、前記線材の基端部に設けられている、当該線材より断面形状が大きい基端側定着部材と、を前記鉄筋コンクリート構造物の一面側から前記補強部材挿入孔に挿入する工程。
    (3)前記補強部材挿入孔に充填材を充填する工程。
    (4)前記鉄筋コンクリート構造物の他面側から、前記線材より断面形状が大きい先端側定着部材を挿入し、前記線材の先端部に固定して前記鉄筋コンクリート構造物内に、せん断補強部材を前記既設の鉄筋コンクリート構造物の主鉄筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配置する工程。
  4. 前記補強部材挿入孔を穿孔する工程は、前記線材の直径よりも大きく、且つ前記基端側定着部材の幅寸法及び先端側定着部材の幅寸法よりも小さい内径の一般部を穿孔する工程と、
    前記補強部材挿入孔の基端部に形成されて、前記基端側定着部材の幅寸法よりも大きい内径の拡幅部を穿孔する工程と、
    前記補強部材挿入孔の先端部に形成されて、前記先端側定着部材の幅寸法よりも大きい内径の拡幅部を穿孔する工程と、からなることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のせん断力補強方法。
  5. 既設の鉄筋コンクリート構造物と、この鉄筋コンクリート構造物を貫通するように形成された補強部材挿入孔の内部に配設されるせん断補強部材と、前記補強部材挿入孔に充填される充填材と、からなるせん断力補強構造であって、
    前記せん断補強部材が、線材と、前記線材の基端部と先端部にそれぞれ固定された基端定着部材及び先端定着部材とから構成されて、且つ該せん断補強部材の両端が前記既設の鉄筋コンクリート構造物の主鉄筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配置されており、
    前記補強部材挿入孔が、前記線材の直径よりも大きく、且つ前記基端定着部材の幅寸法よりも小さい内径の一般部と、前記補強部材挿入孔の基端部に形成されて、前記基端定着部材の幅寸法よりも大きい内径の拡幅部とから構成されていることを特徴とする、せん断力補強構造。
  6. 前記補強部材挿入孔の先端部に、該補強部材挿入孔の前記一般部よりも大きい内径を有する拡幅部が形成されていることを特徴とする、請求項5に記載のせん断力補強構造。
  7. 既設の鉄筋コンクリート構造物を貫通するように形成された補強部材挿入孔の内部に両端が前記既設の鉄筋コンクリート構造物の主鉄筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配設されるせん断補強部材であって、
    前記補強部材挿入孔の延長よりも短い長さの線材と、前記線材の直径よりも大きな幅寸法を有し、該線材の基端部及び先端部にそれぞれ固定された基端側定着部材及び先端側定着部材とから構成されており、
    前記基端側定着部材に空気抜き孔、前記先端側定着部材に注入孔がそれぞれ形成されていることを特徴とする、せん断補強部材。
  8. 前記線材には、その先端部に雄ネジ部材が一体に形成されており、
    前記先端側定着部材は、厚さ寸法が前記線材の直径の80%乃至120%、幅寸法が前記線材の直径の200%乃至300%の円形又は多角形の形状をした鋼製プレートからなり、当該鋼製プレートには、雌ネジが形成されており、この雌ネジに前記線材の雄ネジ部材をねじ込むことにより前記線材の先端部に固定されてなることを特徴とする、請求項7に記載のせん断力補強部材。
  9. 前記線材には、その先端部に雄ネジが加工されており、
    前記先端側定着部材は、厚さ寸法が前記線材の直径の80%乃至120%、幅寸法が前記線材の直径の200%乃至300%の円形又は多角形の形状をした鋼製プレートからなり、この鋼製プレートには、雌ネジが形成されており、この雌ネジに前記線材の雄ネジをねじ込むことにより前記線材の先端部に固定されてなることを特徴とする、請求項7に記載のせん断力補強部材。
  10. 前記線材は、ネジ鉄筋から構成されてなり、
    前記先端側定着部材は、厚さ寸法が前記線材の直径の80%乃至120%、幅寸法が前記線材の直径の200%乃至300%の円形又は多角形の形状をした鋼製プレートからなり、この鋼製プレートには、雌ネジが形成されており、この雌ネジに前記線材をねじ込むことにより前記線材の先端部に固定されてなることを特徴とする、請求項7に記載のせん断力補強部材。
  11. 前記基端側定着部材は、厚さ寸法が前記線材の直径の30%乃至120%、幅寸法が前記線材の直径の200%乃至300%の円形又は多角形の形状をした鋼製プレートが前記線材の基端部に固定されてなることを特徴とする、請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のせん断力補強部材。
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