JP3736699B2 - 倍力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は自動車のブレーキ等に用いられる倍力装置に関し、より詳しくは、ブレーキペダルの踏力(入力)が所定値以上となったら大きな出力が得られるよう 構成した倍力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、倍力装置として、次のような構成を備えたものは知られている。
すなわち、シェル内に摺動自在に設けた概略筒状のバルブボディと、このバルブボディに摺動自在に嵌合されて入力軸と連動した弁プランジャと、リヤ側に位置する基部を上記バルブボディに摺動自在に取り付けた出力軸と、上記出力軸の基部と弁プランジャのフロント側の端面との間に設けたリアクションディスクとを備えた倍力装置は公知である(例えば、特開平8−85442号公報)。
上記従来の装置では、倍力装置の作動開始後における入力が小さい状態よりも入力が大きい状態においてサーボ比が大きくなるように構成してあり、それによって、入力が小さい状態において良好なブレーキフィーリングを得ると同時に、緊急ブレーキのような大きな制動力が必要な時にも、充分な出力が得られるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した公報の倍力装置では、入力が大きい状態においてサーボ比が大きくなるように構成されているが、このサーボ比が大きくなる作動領域において出力を得るためには、当然に入力も大きくする必要がある。そのため、例えば緊急ブレーキのような大きな制動力が必要な場合に、ドライバーが非力な女性等であると、ブレーキペダルの踏力(入力)が小さいために緊急ブレーキとして必要な程の倍力装置の出力が得られないことがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述した事情に鑑み、請求項1の発明では、シェル内に摺動自在に設けた概略筒状のバルブボディと、このバルブボディに摺動自在に嵌合されて入力軸と連動した弁プランジャと、リヤ側に位置する基部を上記バルブボディに摺動自在に取り付けた出力軸と、上記出力軸の基部と弁プランジャのフロント側の端面との間に設けたリアクションディスクとを備えた倍力装置において、
上記出力軸のリヤ側端面とバルブボディとの間に間隙を形成するとともに、上記入力軸の入力が所定値以上となると上記出力軸のリヤ側端面と上記バルブボディとが当接して、入力軸に伝達される反力が増大しないように構成したものである。
また、請求項の発明では、シェル内に摺動自在に設けた概略筒状のバルブボディと、このバルブボディに摺動自在に嵌合されて入力軸と連動した弁プランジャと、リヤ側に位置する基部を上記バルブボディに摺動自在に取り付けた出力軸と、上記出力軸の基部と弁プランジャのフロント側の端面との間に設けたリアクションディスクとを備えた倍力装置において、
上記出力軸のリヤ側端面とバルブボディとの間に間隙を形成するとともに、上記出力軸に、上記リアクションディスクに当接する当接部材を摺動自在に設け、この当接部材と上記出力軸との間にばねを弾装し、上記入力軸の入力が所定値以上になると、上記当接部材はリアクションディスクにより上記ばねに抗して移動されるとともに、上記出力軸のリヤ側端面と上記バルブボディとが当接して、入力軸に伝達される反力が増大しないように構成したものである。
【0005】
【作用】
上記請求項1の構成によれば、倍力装置の作動開始後においてブレーキペダルの踏力(入力)が小さい状態では、出力軸に作用する出力の反力は、その基部がリアクションディスクに当接し、さらにこのリアクションディスクから弁プランジャに伝達されるので、従来一般の倍力装置と同様に所定のサーボ比の出力を得ることができる。
これに対して、倍力装置の作動開始後においてブレーキペダルの踏力(入力)が上記所定値以上となると、上記出力軸のリヤ側端面と上記バルブボディとが当接して、入力軸に伝達される反力が増大しないようになる。つまり、ブレーキペダルを介してドライバーに反力が伝達されなくなるため、入力(ブレーキペダルの踏力)が上記所定値以上となると倍力装置は直ちに全負荷点となり、大きな出力を得ることができる。
そのため、緊急ブレーキのように大きな制動力が必要な場合に、ドライバーが非力な女性であっても確実に大きな出力を得ることができる。
したがって、従来に比較して、ブレーキ作動時の安全性を向上させることができる。
また、上記請求項の構成によれば、倍力装置の作動開始後においてブレーキペダルの踏力(入力)が小さい状態では、出力軸に作用する出力の反力は、その基部がリアクションディスクに当接し、さらにこのリアクションディスクから弁プランジャに伝達されるので、従来一般の倍力装置と同様に所定のサーボ比の出力を得ることができる。
これに対して、倍力装置の作動開始後においてブレーキペダルの踏力(入力)が上記所定値以上となると、当接部材は、リアクションディスクによりばねに抗して移動され、さらに上記出力軸のリヤ側端面と上記バルブボディとが当接して、入力軸に伝達される反力が増大しないようになる。つまり、ブレーキペダルを介してドライバーに反力が伝達されなくなるため、入力(ブレーキペダルの踏力)が上記所定値以上となると倍力装置は直ちに全負荷点となり、大きな出力を得ることができる。
またこのとき、出力軸のリヤ側端面と上記バルブボディとが当接するのに必要な踏力は、上記当接部材と上記出力軸との間に弾装されたばねによって容易に変更することができる。
そのため、緊急ブレーキのように大きな制動力が必要な場合に、ドライバーが非力な女性であっても確実に大きな出力を得ることができる。
したがって、従来に比較して、ブレーキ作動時の安全性を向上させることができる。
【0006】
【実施例】
(第1実施例)
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、フロントシェル1とリヤシェル2とで構成した密封容器内は、その中央部に設けたセンタープレート3によってフロント室4とリヤ室5とに区画している。
上記センタープレート3とリヤシェル2との軸部には、概略筒状に形成したバルブボデイ6をシール部材7、8によって気密を保持して摺動自在に貫通させている。
上記バルブボデイ6には、上記フロント室4およびリヤ室5とに収納したフロントパワーピストン11とリヤパワーピストン12とをそれぞれ連結するとともに、各パワーピストン11、12の背面にフロントダイアフラム13とリヤダイアフラム14とをそれぞれ張設している。これにより、フロントダイアフラム13の前後に定圧室Aと変圧室Bを、またリヤダイアフラム14の前後に定圧室Cと変圧室Dとを形成している。
上記2つの定圧室A、Cと2つの変圧室B、Dおよび大気との間の流路を切換える弁機構15はバルブボデイ6内に設けている。この弁機構15は、バルブボデイ6の内周面に形成した環状の真空弁座16と、この真空弁座16よりも内側でバルブボデイ6に摺動自在に設けた弁プランジャ17の右端に形成した環状の大気弁座18と、さらにばね21の弾発力によって上記両弁座16、18にリヤ側から着座する弁体22とを備えている。
上記真空弁座16とこれに接離する弁体22のシート部によって真空弁23を構成してあり、この真空弁23よりも外側の空間はバルブボデイ6に形成した第1定圧通路24と、この第1定圧通路24よりも外側に形成した第2定圧通路25とを介して定圧室A、Cに連通させている。また上記定圧室Aは、負圧導入管26を介して図示しないエンジンのインテークマニホールドに連通させている。
他方、大気弁座18とこれに接離する弁体22のシート部とによって大気弁27を構成してあり、この大気弁27と真空弁23との間の空間は、バルブボデイ6に形成した半径方向の第1変圧通路28を介して変圧室Dに連通させ、さらに該変圧室Dをバルブボデイ6の軸方向に形成した第2変圧通路31を介して変圧室Bに連通させている。さらに上記大気弁27よりも内側の空間は、大気通路32を介して大気に連通させ、この大気通路32にはフィルタ33を設けている。
上記弁プランジャ17のリヤ側の端部には入力軸34を枢支連結してあり、この入力軸34の末端部を図示しないブレーキペダルに連結している。他方、上記弁プランジャ17のフロント側にはゴム製のリアクションディスク35を配設し、このリアクションディスク35は出力軸36の基部36Aに形成した凹部36a内に収納している。なお、弁プランジャ17にはキー部材37を係合させてあり、それによって、弁プランジャ17がバルブボディ6から脱落するのを防止している。
バルブボディ6の内周部には、フロント側に向けて突出する環状突起6Aを設けてあり、その外周部に、上記出力軸36の凹部36aを摺動自在に嵌装している。そして、凹部36a内のリアクションディスク35は、凹部36aの底部と環状突起6Aの端面との間に介在させている。
上記出力軸36のフロント側の端部はフロントシェル1の軸部からその外方に突出させて、図示しないマスターシリンダのピストンに連動させている。
さらに、バルブボディ6とフロントシェル1とにわたってはリターンスプリング38を弾装してあり、したがって、非作動状態のバルブボディ6等は、キー部材37がリヤシェル2の壁面と当接する図示非作動位置に停止している。この非作動状態では、真空弁23は開放される一方、大気弁27は閉鎖されている。そのため、定圧室A、Cと変圧室B、Dとが連通し、それら各室内には負圧が導入されている。
【0007】
以上の構成は従来公知のブレーキ倍力装置のものと変わるところはない。
しかして、本実施例は、ブレーキ倍力装置が作動された後にブレーキペダルの踏力(入力)が所定の値以上となったら、迅速に全負荷点となるように改良したものである。
すなわち、図2にも拡大して示すように、出力軸36のリヤ側の端部36bのリヤ側には、環状の皿ばね41を環状突起6Aに嵌装させて配置してあり、かつその皿ばね41を出力軸36の端部36bの端面にリヤ側から当接させている。そして、図1ないし図2に示したブレーキ倍力装置の非作動状態では、自然状態における皿ばね41のリヤ側の端部と、それに対向するストッパ部としてのバルブボディ6の段部端面6Bとの間に間隙δが維持されている。
このように構成することで、ブレーキ倍力装置が作動された後、ブレーキペダルの踏力(入力)が所定の値以上となると上記間隙δが解消されて、皿ばね41と段部端面6Bとが当接し、さらに、その後、出力軸36のリヤ側の端部36bとバルブボディ6の段部端面6Bとで挟持された皿ばね41は、最小限に圧縮されるようになり、その時点以降は、出力軸36に作用する出力の反力が弁プランジャ17に伝達されないようになっている(図3の状態)。
また、本実施例では、リアクションディスク35のリヤ側の端面と当接している環状突起6Aの端面6aに環状溝6bからなる空間部を形成している。この環状溝6bを設けたことにより、ブレーキ倍力装置が作動されることに伴って弾性変形されたリアクションディスク35の一部がこの環状溝6b内に充填されるようになっている(図3の状態)。これによって、出力軸36の基部36Aが環状突起6Aの外周部を段部端面6Bに向けて摺動する際の相対的な変位量をできるだけ大きくなるようにしている。
【0008】
(作動説明)
以上の構成において、図1ないし図2に示したブレーキ倍力装置の非作動状態から図示しないブレーキペダルが踏み込まれて入力軸34およびそれに連動した弁プランジャ17が前進されると、真空弁23が閉鎖される一方、大気弁27が開放される。これにより、各変圧室B、D内に大気が導入されて、定圧室A、C内の負圧と変圧室B、D内の大気圧との差圧によって、バルブボディ6および出力軸36等が前進される。すなわち、ブレーキ倍力装置が作動される。
また、このようにブレーキ倍力装置が作動されると、出力軸36に作用する出力の反力によってリアクションディスク35が軸方向に圧縮されるので、そのリヤ側の軸部がリヤ側にむけて膨出して弁プランジャ17のフロント側の端面17aと当接する。このブレーキ倍力装置の作動初期の段階では、ブレーキペダルの踏力(入力)は小さいので、環状溝6b内にはリアクションディスク35は充填されてはおらず、また、環状突起6Aに対する出力軸36の軸方向における相対的な移動量も小さいので、皿ばね41のリヤ側の端部とストッパ部としての段部端面6Bとは離隔している。
したがって、図4にPで示したジャンピングの時点、つまり上述したリアクションディスク35が弁プランジャ17のフロント側の端面17aと当接した時点以降は、弁プランジャ17の断面積とリアクションディスク35に当接したバルブボディの環状突起6Aの断面積とによって決まる所定のサーボ比によって出力が上昇する。
そして、上述したブレーキ倍力装置の作動開始後にブレーキペダルの踏力(入力)が増加することに伴って、弾性変形したリアクションディスク35の一部が環状溝6b内に充填される(図3参照)。さらに、その後、ブレーキペダルの踏力(入力)が所定値以上に大きくなると、出力軸36が環状突起6Aに対して軸方向リヤ側に相対移動することに伴って、皿ばね41のリヤ側の端部がストッパ部としてのバルブボディ6の段部端面6Bと当接する(図3参照)。この時点は図4にQで示した時点であり、この時点から出力軸36に作用する出力の反力は、皿ばね41を介してバルブボディ6にも伝達されるようになる。そして、その分だけ、弁プランジャ17に伝達される反力が小さくなり、したがって、PからQまでの間のサーボ比に比較して、Qで示した時点の後には実線で示した大きなサーボ比で出力が上昇する。
このように、皿ばね41が出力軸36の端部36bと段部端面6Bとによって最小限度まで圧縮されている間はこの大きなサーボ比で出力が上昇するが、皿ばね41が最小限度まで圧縮されると、皿ばね41および出力軸36の基部36aAが実質的に剛体からなる一体物として機能するので、出力軸36に作用する出力の反力はすべて段部端面6B(バルブボディ6)に伝達されるようになり、弁プランジャ17には伝達されなくなる(図3)。つまり、図4に示すように、この時に全負荷点Rとなる。そして、この全負荷点R以降は、従来周知のように出力と入力が1:1の比率で上昇していく様になっている。
なお、皿ばね41のリヤ側の端部が段部端面6Bに当接してから、皿ばね41が最小限に圧縮されるまでの所要時間はきわめて短いので、皿ばね41のリヤ側の端部が段部端面6Bに当接すると迅速に全負荷点Rとなる。
このように、本実施例では、ブレーキペダルの踏力(入力)が所定値以上となると、出力軸36に作用する出力の反力はドライバーに伝達されないので、迅速に全負荷点Rとなるように構成されている。そのため、例えば大きな制動力が必要な緊急ブレーキ等の場合に、ドライバーが非力な女性等の場合であって、小さな入力によって確実に大きな出力を得ることができる。したがって、従来に比較して、ブレーキ作動時の安全性を向上させることができる。
また、上述した構成によれば、リアクションディスク35が出力軸36の基部36Aとバルブボディ6の環状突起6Aとによって圧縮される量および圧縮されている時間が従来一般のものよりも少ないので、リアクションディスク35の材料となるゴムとして比較的、安価なものを採用できる。したがって、リアクションディスク35のコストを安くすることができ、ひいてはブレーキ倍力装置のコストを安くすることができる。
さらに、図4のPからQに至るブレーキ倍力装置の作動開始後の初期の領域、つまり、走行車両が低速度、中速度領域においてブレーキ倍力装置を作動させた際には、従来のブレーキ倍力装置と同様のサーボ比で出力が上昇するので、低速度、中速度領域においてドライバーのブレーキフィーリングを悪化させるようなことはない。
【0009】
(第2実施例)
次に、図5は本発明の第2実施例を示したものである。この第2実施例では、バルブボディ6の環状突起6Aにおけるフロント側端部の外周部を縮径させてあり、それによって、縮径部分のリヤ側の端部にストッパ部としての段部端面6Bを形成している。他方、出力軸36の凹部36aのリヤ側端部の内周面を拡径して、そこに上記段部端面6Bと対向する段部端面36cを形成している。そして、図示非作動状態においては、段部端面36cに皿ばね41を当接させ、該皿ばね41のリヤ側の端部とそれに対向するストッパ部としての段部端面6Bとの間に間隙を維持している。なお、このように構成したことに伴って、凹部36aにおける段部端面36cに隣接するフロント側の内周面を、環状突起6Aにおけるフロント側端部の小径部分に嵌装するとともに、凹部36aにおける段部端面36cよりもリヤ側の内周面を本来の環状突起6Aにおける外周部に嵌装している。
その他の構成は、上記第1実施例と同じである。このような第2実施例であっても、上述した第1実施例と同様の作用、効果を得ることができる。
【0010】
(第3実施例)
次に、図6は本発明の第3実施例を示したものである。この第3実施例では、出力軸36の基部36Aにおけるフロント側端部の外周部に半径方向外方に伸びるフランジ部36cを形成し、そのフランジ部36cのリヤ側の端面36c’にリヤ側から皿ばね41を当接させている。また、この第3実施例では、環状突起36Aの位置よりもフロント側に形成されて、上記皿ばね41と対向する位置の段部端面6Bをストッパ部としている。そして、図示非作動状態においては、ストッパ部としての段部端面6Bと皿ばね41との間に間隙が維持されている。なお、この第3実施例では、環状突起6aの端面に環状溝を設けていない。その他の構成は、上記第1実施例と同じである。このような第3実施例であっても、上述した第1実施例と同様の作用、効果を得ることができる。
【0011】
(第4実施例)
上述した3つの実施例では、出力軸36の基部36Aに形成される端面にリヤ側から皿ばね41を当接させて、非作動状態において皿ばね41とそれに対向するストッパ部としての段部端面6Bとの間に間隙δを維持しているが、本発明の第4実施例として上記各実施例における皿ばね41を省略した構成であっても良い(図面は省略)。この場合には、相互に対向した状態の出力軸36の基部36Aに形成される端面(36c,36c’、リヤ側の端部36bの端面)と、それに対向するバルブボディ6側の段部端面6Bとによってストッパ部が形成されることになる。そして、この場合には、ブレーキ倍力装置が作動開始後にブレーキペダルの踏力(入力)が所定値以上となると、出力軸36の基部36A側の端面(36c,36c’、リヤ側の端部36bの端面)がバルブボディ6側の段部端面6Bに当接し、この時点(図4のQで示す時点)となると、出力軸36に作用する出力の反力はすべて段部端面6B(バルブボディ6)に伝達されて弁プランジャ17に伝達されなくなる。そのため、この場合には、図4に破線で示したように、この時点Qとなると直ちに全負荷点R’となる。このような第4実施例であっても、上述した各実施例と同様の作用、効果を得ることができる。
なお、上述した第1実施例および第2実施例におけるバルブボディ6の環状突起6Aの端面6aには環状溝6bを形成することにより、出力軸36と環状突起6Aとの軸方向における相対移動量を大きくしているが、この環状溝6bは省略しても良い。
【0012】
(第5実施例)
次に図7は、本発明の第5実施例を示したものである。この第5実施例においては、図2に示した第1実施例における皿ばね41および環状突起6Aの環状溝6aを省略する一方、出力軸36の基部36Aを改良したものである。
すなわち、この第5実施例では、出力軸36の基部36Aに、リアクションディスク35を収納した凹部36aの底部36a’から連続する段付の凹部36cを形成している。この段付の凹部36cはリヤ側が小径となっており、フロント側が大径となっている。そして、この段付の凹部36c内に軸方向に短い円柱状の当接部材45を摺動自在に嵌合してあり、さらにこの当接部材45のフロント側の端面とそれに対向する段付の凹部36cの底部とにわたって、所定のセット荷重に設定したばね46を弾装している。図示非作動状態では、当接部材45はばね46の弾撥力によって段付の凹部36cの最もリヤ側の位置に停止している。この時には当接部材45のリヤ側の端面と凹部36aの底部とが同一平面上に位置し、かつそれらの箇所はリアクションディスク35の端面と当接している。また、出力軸36のリヤ側の端部36bの端面と段部端面6Bとの間には、間隙δが維持されている。その他の構成は、図2に示した第1実施例の構成と同じである。この第5実施例では、出力軸36のリヤ側の端部36bの端面および段部端面6Bがそれぞれストッパ部を構成している。
このように構成した第5実施例においては、ブレーキペダルが踏み込まれてブレーキ倍力装置が作動されると、出力軸36と環状突起6Aの端面とによってリアクションディスク35が軸方向に圧縮されて、その軸部がリヤ側に膨出して弁プランジャ17のフロント側の端面17aと当接する。このジャンピングの時点(図4のPで示す時点)では、ばね46は圧縮されておらず、出力軸36のリヤ側の端部36bの端面は段部端面6Bから離隔している。そして、このジャンピングの後にブレーキペダルの入力が所定値以上となると、弾性変形したリアクションディスク35のフロント側の軸部がフロント側に膨出し、上記ばね46の弾撥力に抗して当接部材45を段付の凹部36c内でフロント側に移動させる(図4のQの時点)。出力軸36の基部36Aが段部端面6Bにむけて近接した後、リヤ側の端部36bの端面が段部端面6Bに当接する。したがって、この時点以降は、出力軸36に作用する反力はすべて段部端面6Bに伝達されて弁プランジャ17には一切伝達されなくなる。そのため、段部端面6Bと出力軸36のリヤ側の端部36bが当接すると、直ちに全負荷点となる
したがって、この第5実施例の構成によっても上述した各実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0013】
(第6実施例)
次に図8は本発明の第6実施例を示したものである。この第6実施例は、上記第5実施例における出力軸36の基部36Aの構成を異ならせたものである。
すなわち、この第6実施例では、出力軸36の凹部36aの底部には、該凹部36aと同一内径で、かつそれから連続する凹部36cを形成し、これら連続する凹部36a,36c内に当接部材としてのカップ状のスリーブ51を摺動自在に嵌合している。そして、スリーブ51の底部51aとそれに対向する凹部36cの底部36dとにわたって所定のセット荷重に設定したばね46を弾装している。これにより、スリーブ51は凹部36a,36c内で常時リヤ側にむけて付勢されている。そして、出力軸36の凹部36aのリヤ側の端部に近い位置にはスナップリング52を取り付けてあり、このスナップリング52にスリーブ51のリヤ側の端部を当接させている。これによって、凹部36a,36c内におけるスリーブ51のリヤ側の端部の位置を規制している。
また、本実施例では、上記スリーブ51内にリアクションディスク35を収納してあり、この状態のスリーブ51のリヤ側の内周部およびスナップリング52の内周部をバルブボディ6の環状突起6Aの外周部に摺動自在に嵌装し、かつスリーブ51の底部と環状突起6Aの端面6aとの間にリアクションディスク35を介在させている。また、スリーブ51を環状突起6Aに嵌装したことにより、出力軸36の凹部36aもスリーブ51を環状突起6Aに移動可能に嵌装されたことになり、図示非作動状態では、出力軸36のリヤ側の端部36bの端面とそれに対向する段部端面6Bとの間には間隙が維持されている。
そのほかの構成は第5実施例と同じである。この第6実施例においても、ブレーキ倍力装置の作動開始後にブレーキペダルの踏力(入力)が所定値以上となると、ばね46が圧縮されて出力軸36の基部36Aが段部端面6Bにむけて移動されて、出力軸36のリヤ側の端部36bの端面が段部端面6Bに当接する。そして、この時点(図4のQの時点)から出力軸36に作用する出力の反力は全て段部端面6B(バルブボディ6)に伝達されて、弁プランジャ17には伝達されなくなる。したがって、この時点となると直ちに全負荷点となる(図4のR’の時点)。したがって、この第6実施例においても上述した第5実施例と同様の作用効果を得ることができる。
しかも、上記第5実施例および第6実施例においては、出力軸36のリヤ側の端部36bの端面が段部端面6Bに当接する時点(図4のQの時点)を、上記ばね46のセット荷重を変更することで容易に変更することができる。
【0014】
なお、上述した各実施例は、本発明をタンデムタイプブレーキ倍力装置に適用した場合について説明したが、シングルタイプのブレーキ倍力装置あるいは、シェル1内に定圧室と変圧室とを3組備えたトリプルタイプの倍力装置にも本発明を適用することができる。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、緊急ブレーキのように大きな制動力が必要な場合に、ドライバーが非力な女性であって確実に大きな出力を得ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】図1の要部の拡大図。
【図3】図2に示した各部材の作動後の状態を示す断面図。
【図4】図1に示したブレーキ倍力装置の入力と出力との関係を示す図。
【図5】本発明の第2実施例を示す断面図。
【図6】本発明の第3実施例を示す断面図。
【図7】本発明の第5実施例を示す断面図。
【図8】本発明の第6実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1…フロントシェル 2…リヤシェル
6…バルブボディ 6B…段部端面(ストッパ部)
17…弁プランジャ 35…リアクションディスク
36…出力軸 36b…端部(ストッパ部)

Claims (8)

  1. シェル内に摺動自在に設けた概略筒状のバルブボディと、このバルブボディに摺動自在に嵌合されて入力軸と連動した弁プランジャと、リヤ側に位置する基部を上記バルブボディに摺動自在に取り付けた出力軸と、上記出力軸の基部と弁プランジャのフロント側の端面との間に設けたリアクションディスクとを備えた倍力装置において、
    上記出力軸のリヤ側端面とバルブボディとの間に間隙を形成するとともに、上記入力軸の入力が所定値以上となると上記出力軸のリヤ側端面と上記バルブボディとが当接して、入力軸に伝達される反力が増大しないように構成したことを特徴とする倍力装置。
  2. 上記バルブボディの内周部にはフロント側にむけて突出する環状突起が形成されており、上記出力軸の基部には凹部が形成されて、該凹部内に上記リアクションディスクを収納するとともに、上記凹部はバルブボディの環状突起に移動可能に嵌装されていることを特徴とする請求項1に記載の倍力装置。
  3. 上記出力軸におけるリヤ側端面には、そのリヤ側からばねを当接させてあり、上記入力軸の入力が所定値以上となると上記ばねに対してバルブボディが当接するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の倍力装置。
  4. 上記リアクションディスクは上記バルブボディと出力軸との間に介在されており、
    上記バルブボディにおけるリアクションディスクが当接する端面に、該リアクションディスクの一部が充填される環状溝を形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の倍力装置。
  5. シェル内に摺動自在に設けた概略筒状のバルブボディと、このバルブボディに摺動自在に嵌合されて入力軸と連動した弁プランジャと、リヤ側に位置する基部を上記バルブボディに摺動自在に取り付けた出力軸と、上記出力軸の基部と弁プランジャのフロント側の端面との間に設けたリアクションディスクとを備えた倍力装置において、
    上記出力軸のリヤ側端面とバルブボディとの間に間隙を形成するとともに、上記出力軸に、上記リアクションディスクに当接する当接部材を摺動自在に設け、この当接部材と上記出力軸との間にばねを弾装し、上記入力軸の入力が所定値以上になると、上記当接部材はリアクションディスクにより上記ばねに抗して移動されるとともに、上記出力軸のリヤ側端面と上記バルブボディとが当接して、入力軸に伝達される反力が増大しないように構成したことを特徴とする倍力装置。
  6. 上記出力軸の基部には凹部が形成されており、該凹部内に上記当接部材、ばねおよびリアクションディスクが収納されていることを特徴とする請求項5に記載の倍力装置。
  7. 上記バルブボディに環状突起がフロント側にむけて突出して形成され、また上記出力軸の基部に形成された上記凹部の底部には、該凹部から連続してリヤ側が縮径する段付の凹部が形成されており、この段付の凹部内に上記当接部材が摺動自在に嵌合されて、この当接部材のリヤ側に上記リアクションディスクが当接されるとともに、上記当接部材と上記底部との間に上記ばねが弾装され、さらに上記環状突起が上記基部の凹部に摺動可能に嵌装されていることを特徴とする請求項6に記載の倍力装置。
  8. 上記バルブボディに環状突起がフロント側にむけて突出して形成され、また上記当接部材は有底筒状に形成されており、上記出力軸の基部に形成された凹部に上記当接部材を摺動自在に嵌合し、この当接部材の凹部内に上記リアクションディスクが収納されるとともに、上記当接部材の底部とそれに対向する上記出力軸の凹部底部との間に上記ばねが弾装され、さらに上記環状突起は上記当接部材の凹部に摺動可能に嵌装されていることを特徴とする請求項6に記載の倍力装置。
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