JP3698796B2 - 角度検出装置、及び頭部搭載型映像表示装置 - Google Patents
角度検出装置、及び頭部搭載型映像表示装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、角度検出装置、及び頭部搭載型映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、物体の傾斜角を測定する方法として以下のような方式がある。
ここでは、説明の簡単のため、一次元の方向の角度傾斜を測定する場合について述べる。
図22に示すように、描記しない参照光源から発せられる略平行光101が、フォトダイオード(PDa、PDb)のような受光素子103,104の光源側に一定距離hをおいて設けられた遮光板105上の開口102を透過する。
【0003】
この透過した光束は、入射角θの傾斜により受光素子103,104上を移動する。上述のように受光素子は、PDa103、PDb104の2つの素子が隣接して配置されているため、それぞれの受光素子の出力をV1、V2で表した場合、それらの出力差等によって略平行光101の傾斜角θがわかる。
即ち、図中において、出力V1、V2と、入射角θと、上記距離hとの間には、(V1−V2)/(V1+V2)∝hTanθ ・・・・・・・(数1)という関係がある。
【0004】
距離hは、一定値であるから、測定された出力V1、V2と、(数1)を利用することにより、略平行光101の傾斜角θがわかる(特開平7-146123アルプス電気、実開昭62-140407三菱電機)。
また、別方式として図23に示すように、描記しない参照光源から発せられる略平行光101をレンズ201によってPosition Sensor DeviceやCCD202上に集光させる。集光された光は入射角θの傾斜によりCCD202上を移動する。参照光源からの垂直光の、CCD202上の到達位置(原点)203からのずれ量をd、レンズ201とCCD202との距離をhとすると、
d=hTanθ ・・・・・・・(数2)
という関係がある。
【0005】
一方、上述した様な開口ではなく、格子を用いたものに特開昭58-205805、特開昭60-105912がある。特開昭58-205805は、傾斜角を測定するため、平行光線を遮 光するものとして遮光格子を用い、この遮光格子は一定ピッチで壁を周期的に設けたものである。この装置では、遮光壁が受光素子に対して垂直に配されている。
【0006】
更にまた、遮光を用いた例として、特開昭60-105912がある。この従来の装置では、回転板に重りがついてその回転板の周辺部に多数のスリットが設けられている。回転板が回転するに従ってスリットも移動し、その移動に伴って、受光素子上では明、暗、明、暗と、明度が変化するので、その明度の変化をパルス列としてカウントし、傾斜角を求めるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した開口を利用した従来の方式において、分解能を上げるためには、距離hをなるべく長くとるのがよいが、距離hを大きくすると入射角θが大きい場合、集光された光の位置が大きく動くので受光領域を外れやすくなるので、受光面積を大きくしなければならないといった問題が生じる。仮に受光面積を大きくしないとすると、検出レンジが狭くなってしまうといった欠点を有していた。つまり、従来の装置において、受光面積が一定の場合、検出分解能と検出レンジはトレードオフの関係にある。
【0008】
一方、上述した格子を利用した従来の装置では、遮光壁を受光素子に垂直に配するため、受光素子から光源方向へのスペースがある程度必要となり、装置の小型化が図れないといった欠点を有していた。また、入射角の±の符号の区別、すなわち、入射角が変化した方向として、例えば、右方向か左方向かの区別がつかないといった点や、検出レンジが狭いといった課題もあった。
【0009】
更にまた、重りを利用した従来の装置では、重りを使うので、応答スピードが遅く、横方向の加速度の影響を受けるといった課題があった。
本発明は、従来の装置のこのような課題を考慮し、光の入射角変化の検出レンジを落とすことなく従来に比べて検出精度をより一層向上出来、しかも、従来に比べてより一層小型化が図れる角度検出装置、及び頭部搭載型映像表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、光透過部が格子状に形成された格子手段が、複数個実質上対向して配置され、それら複数の格子手段を透過する透過光により形成されるモアレ縞の変化を検出する光検出手段が、それら格子手段の片方側に設けられ、その検出結果を利用して、受けた光の入射角の変化量を判定する入射角判定手段が設けられている角度検出装置である。
【0011】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の本発明において、前記受けた光は実質上平行光であり、前記複数の格子手段は、2枚の板状体であって、所定間隔を保ちつつ互いに実質上平行に、且つ、前記一方の格子手段の光透過部の長手方向を基準として、他方の格子手段の光透過部の長手方向が所定角度傾斜して配置されており、前記受けた光の入射角の変化に応じて、前記モアレ縞が前記光検出手段上を移動する角度検出装置である。
【0012】
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2記載の角度検出装置を頭部に固定・保持する保持手段と、前記角度検出装置からの出力に基づいて、映像を表示するための映像表示手段とを備えた頭部搭載型映像表示装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明にかかる一実施の形態の傾斜角検出装置の構成を模式的に表した概略斜視図であり、図2は、同装置の略示側面図であり、これらの図を参照しながら、本実施の形態の構成について述べる。
【0014】
ここでは、簡単のため1方向(1次元)のみに限定した構成で説明する。
本発明の格子手段としての第1格子1は、光透過部3と遮光部4を交互に備えた板状部材であり、その光透過部3のピッチpと大きさ(ここで、大きさとは、厳密には光透過部の幅×長さ、即ち光透過部の面積を意味する)は同じである。図中では、遮光部4を黒く表し、光透過部3を白く表している。本発明の格子手段としての第2格子2は、第1格子1と距離d(以下、格子間隔dとも呼ぶ)を隔てて平行に配置されている。第2格子2は、第1格子1とは異なり、第1領域21、第2領域22に2等分に分割されている。第1領域21の光透過部3のピッチと大きさは同じであり、又第2領域22の光透過部3のピッチと大きさは同じである。更に、第1格子1の光透過部3のピッチと大きさと、第2格子2の第1領域21の光透過部3のピッチと大きさと、第2格子2の第2領域22の光透過部3のピッチと大きさも互いに同じである。
【0015】
又、第1格子1の法線方向を基準として、法線と平行に見て、第2格子2の第1領域21の光透過部3と第1格子1の光透過部3とは光学的に重なり、しかも第2格子2の第2領域22の光透過部3と第1格子1の光透過部3とは、1/4ピッチ(これを、1/4周期とも呼ぶ)分ずれる様に構成されている。この様子を図1(b)に示す。尚、図1(b)は、第1格子1と、第2格子2のそれぞれの光透過部3のずれの関係のみを説明するための便宜上の図である。従って、上述した第1,第2格子の平行配置の関係を無視して、両者があたかも同一平面上にあるかのごとく描いてある。
【0016】
受光素子(PDa、PDb)5,6は、第1格子1,2の光透過部を透過した光量の変化を検出する手段であり、第2格子2と所定間隔を隔てて平行に配置されている。しかも、受光素子5,6は、それぞれ第2格子2の第1領域21と、第2領域22に対応する様に配置されている。本発明の光検出手段は、受光素子5,6を含む手段である。
【0017】
図1(a)において描記していないが、受光素子PDa5,とPDb6の間には、遮光部材を設けることが望ましい。この遮光部材は、隣の格子の情報即ち、第1領域21、あるいは第2領域22を透過してきたそれぞれの光がノイズとして、隣の受光素子に乗らないようにするためのものであり、各々の格子情報の測定を妨げない程度の部材である。
【0018】
入射角判定手段7は、受光素子5,6からの出力結果を利用して、受けた光の入射角の変化量を判定し、その判定結果から、本実施の形態の傾斜角度検出装置の相対的な傾斜角度を算出・出力する手段である。最大・最小判別回路8は、受光素子5,6の出力値が、最大値であるか、最小値であるかを判別するための回路であり、入射角度判定手段7に含まれている。
【0019】
入射角は法線方向から時計回りに正、反時計回りに負とする。本実施の形態で使用する光源としての照明手段は、格子に到達する光束がほぼ平行光とみなせれば、点光源でもよい。
以上の構成において、次に、本実施の形態の動作を説明する。
理解を容易にするために、(1)まず、第2格子2の第1領域21を透過する光に関する動作を説明し、(2)次に、第2領域22を通過する光に関する動作を説明する。(3)最後に、両者を総合的に説明する。
【0020】
(1)第2格子2の第1領域21を透過する光に関する動作説明
光源から発せられる略平行光は、第1格子1と,第2格子2の第1領域21を経て受光素子5に到達する。このとき光線の入射角が変化することにより、受光素子5に達する光量が周期的に変化する。この周期的に変化する光量の受光素子5による検出結果から、入射光の角度変化が判定出来る。尚、この周期的に変化する明暗をカウントすることによっても、入射光の角度変化が判ることは言うまでもない。
【0021】
図3(a)〜(c)は、入射角の変化によって、どのように受光素子5側の受光量が増減するかを模式的に示した図であり、同図を参照しながら更に詳細に説明する。
図3(a)は、光源が法線方向にある場合(θ=0)を示している。即ち、第1格子1,2に対して垂直な光束は、第1格子1に入射する全光量の1/2が、そのまま、第2格子2の第1領域21の光透過部3を透過して、受光素子5に到達する。このときは光量が最も大きく(最大値max)、明として認識される。従って、受光素子5の出力値は、最大値を示す。
【0022】
図3(b)は、光源が法線方向に対して、+方向(時計回り)に所定の角度だけ移動した場合(θ=θ2)を示している。即ち、この場合、入射角度がある角度になると第1格子1において透過した光束が、第2格子2の遮光部4で全てカットされ、受光素子5には、全く光が到達しない状態になる。このときの光量が最小であり、これは暗として認識される。従って、受光素子5の出力値は、最小値を示す。
【0023】
図3(c)は、光源が更に+方向(時計回り)へ移動した場合(θ=θ4)を示す。即ち、更に傾斜角度がついた光線により、図3(a)で説明した場合と同じ光量、つまり、再び全光量の半分(最大値max)が受光素子5に到達する。このように、光源からの光線の入射角の連続的な変化によって、明暗が周期的に繰り返され、結果として受光素子5に到達するトータル光量で入射角度が判定できる。入射角の変化に対する、受光素子5の受光量a(受光素子5の出力値に対応)の周期的変化の様子(受光量の入射角依存性)を図4に示す。尚、図4では、法線方向から光が入射する場合の入射角θを0として表したものである。
【0024】
入射角の変化に対する、受光素子5上の明暗あるいは、図4に対応した受光素子5からの出力値(以下、前記明暗、前記出力値を併せて、明暗等と呼ぶ)の周期的変化は、第1格子1及び第2格子2のそれぞれにおける光透過部3のピッチ(以下、これを格子ピッチとも呼ぶ)と、第1格子1,第2格子2の格子間隔との両方に依存する。
【0025】
即ち、格子ピッチを細かくすれば、明暗等の入射角における周期が小さくなるので、分解能が上がる。また、2枚の格子間隔を広くとっても同様な効果は得られる。
従って、従来技術の検出分解能が、光束をうける役目をする開口や、光束を集光するレンズや、遮光する格子といった物からセンシングデバイスまでの距離のみに依存していたのに対して、本実施の形態の格子手段の場合は、第1格子1,第2格子2の格子間隔が一定でも、格子ピッチだけを変えることにより、検出感度を変化させることができるという特徴がある。尚、ここで測定する角度は測定開始時からの相対角である。リセットとして明暗をカウントするカウンタをリフレッシュすることによってゼロリセットできる。受光素子5が、図4に示す様な周期的に変化する値を出力する場合は、測定開始時点での角度を基準として、その基準となった角度からの相対的な角度変化が測定される。尚、この測定開始時点の角度が、法線を基準として特定可能な構成であれば、法線を基準とした絶対角度と、その変化の測定が出来ることは言うまでもない。
【0026】
(2)第2格子2の第2領域22を透過する光に関する動作説明
光源から発せられる略平行光は、第1格子1と,第2格子2の第2領域22を経て受光素子6に到達する。このとき光線の入射角が変化することにより、受光素子6に達する光量が周期的に変化する。この周期的に変化する光量の受光素子6による検出結果から、入射光の角度変化が判定出来る。ここで、受光素子6の受光量bの変化と、上記受光素子5の受光量aの変化との主な相違点は、前者が後者に比べて、変化の位相に一定のずれがある点である(図5参照)。
【0027】
例えば、図3(a)において説明した様に光源が法線方向にある場合(θ=0)、受光素子5の受光量aは最大値maxとなったが、受光素子6の受光量bは最大値maxの半分の値1/2・maxとなる。即ち、光源が上述した方向にある場合、図2で示した構成から明らかなように、第1格子1の光透過部3を透過し、 更に第2格子2の第2領域22の光透過部3を透過して受光素子6に到達する光量は、第1格子1の光透過部3を透過し、更に第2格子2の第1領域21の光透過部3を透過して受光素子6に到達する光量の1/2となるからである。上記と同様にして光源による入射角を、例えば、入射角θ=θ1、入射角θ=θ2と言うように変化させた場合、受光素子6の受光量は、それぞれ図5に示すように、最大値max、1/2・maxとなる。
【0028】
以上のことから明らかなように、本実施の形態では、受光量bの変化の仕方は、同じ測定開始時点からの入射角の変化を基準として、受光量aの変化の仕方に比べて、位相が1/4周期分だけ入射角θの+方向にずれている。受光素子6,5の出力についてもこれと同様の関係がある。
尚、以上の(1)、(2)の動作説明等から明らかなように、第2格子2は、第1領域21または第2領域22の何れか一方のみにより構成されている場合でも、以下に述べる一定の場合を除いて、上述した相対角度の変化を測定することが出来る。
【0029】
(3)第1、第2領域22を透過する各光の利用に関する総合的な動作説明
ここでは、上述した受光素子5,6における受光量の変化の位相のずれを利用した動作を中心に説明する。
図6は、光の入射方向が法線方向と一致した時の入射角を0(原点)として、入射角θの変化に対する、受光素子5,6の出力値PDa(θ)、PDb(θ)の変化を示す図である。
【0030】
同図に示す様に、第2領域22の受光素子6による受光量の出力値は、受光素子5の出力値に比べて、位相が1/4周期分ずれているので、これを用いることにより以下に述べる様に、入射角の変化が、+方向であるか、あるいは−方向であるかの判定ができる。
簡単のため、測定開始時点の入射角がθ=0の場合を例にとり具体的に説明する。
【0031】
(3−1)入射角θが0(原点)からθ1までの間で、+方向へ変化した場合、図6に示す様に、PDa(θ)の変化に関して、原点を中心として+方向と−方向とが対称形なので、受光素子5の出力値だけでは変化量は判定できても、変化方向が特定できない。これに対して、PDb(θ)の変化は、PDa(θ)の変化のように、対称形ではないので、受光素子6の出力値の増減の変化をも加味することにより、更に変化方向をも判定出来る。
【0032】
即ち、受光素子6の出力値は、通常、0≦θ≦θ1の変化に対して、1/2・PDmax≦PDb(θ)≦PDmaxとなり、又、−θ1≦θ≦0の変化に対して、0≦PDb(θ)≦1/2・PDmaxとなる。この特性は予めわかっている。 ここでの現実の変化量が、0≦θ≦θであることから、受光素子6の現実の出力値としては、1/2・PDmax≦PDb(θ)≦PDmaxが出力されるので、変化方向が+方向であることが特定できる。これら一連の判定動作は、入射角判定手段7が行う。
【0033】
尚、入射角がθ1、又は−θ1である場合の、光の透過状態を図7(a)、(b)に示す。ここで、図7(a),(b)は、図6で示す入射角がそれぞれθ=θ1、 θ=−θ1、の場合に対応しており、第1格子1,第2格子2を透過する光の様子を模式的に表した本装置の略示側面図である。
(3−2)入射角θが、上述のように、0(原点)から+方向へ変化し、θ1まで変化した後、変化方向を反転させて再び0(原点)に戻る様な変化をした場合は、(3−1)のように受光素子6の出力値の変化からは、方向変転の有無を判定することは出来ない。即ち、PDb(θ)の値は、θ=θ1を基準として、+方向と−方向とが対称形となるからである。
【0034】
従って、最大・最小判定回路8が、受光素子の各出力値を調べ、予め定められた最大値PDmax、あるいは最小値0と一致したかどうかの判定を出す。このような何れかに一致したとの判定結果が出力された場合、その判定を受けた受光素子以外の、もう一方の受光素子の出力値を、入射角の変化方向を判定するために利用するといった切り替え動作が入射角判定手段7により行われる。
【0035】
ここでは、入射角がθ1となった時点で変化方向を反転させる場合であるから、変化方向の判定は、受光素子5の出力値により判定される。即ち、その判定は、PDa(θ)の値が、θ=θ1において入射角の変化方向が反転することで、それ までの減少方向の変化から、増加方向の変化に変わるという増減特性を利用することにより可能となる。
【0036】
尚、例えば、入射角がθ3において、反転した場合は、PDa(θ)の値の増減特性が、上述したものと逆の関係となるが、そのことは最大・最小判定回路8の判定結果が、最大値と判定したかあるいは、最小値と判定したかにより、何れの増減特性を利用するかを決めることが出来る。又、最大・最小判定回路8の判定基準には、ある程度の幅があることはいうまでもない。又、本実施の形態では、変化量の判定は受光素子5により行っているが、これに限らず、変化方向の判定を受光素子6により行ってももちろんよい。
【0037】
以上の説明は、測定開始時点の入射角がθ=0の場合を例にとったが、これに限らず例えば、測定開始時点の入射角が、上記原点を基準としてθ=θ1+方向へ傾いたところからスタートする場合でも、原点を0からθ1だけ+方向へ移動させ たと見れば、上述した場合と基本的に同様の動作となる。
(実施の形態2)
図8は、本発明にかかる他の実施の形態の傾斜角検出装置の構成を模式的に表した概略斜視図であり、同図を参照しながら、本実施の形態の構成について述べる。図1(a),(b)で説明したものと同様のものは同じ符号を付した。
【0038】
本実施の形態と、上記実施の形態1との主なる相違点は、第1格子が第1,第2領域に分けられた点と、それに対応して、受光素子が4つになり、差分回路が追加された点などである。
即ち、図8に示すように、第1格子30は、第1,第2領域31,32の2等分に分割されている点で、図1(a),(b)の第1格子1と相違する。この第1領域31の光透過部3のピッチと大きさは、第1格子1のそれと同じであり、又、第2領域32の光透過部3のピッチと大きさも、第1格子1のそれと同じである。但し、第1領域31の光透過部3と第2領域32の光透過部3とは、1/2ピッチ分ずれる様に構成されている。又、第1格子30、第2格子2のそれぞれにおける第1,第2領域の分け方は、同図に示すように、各格子間において互いに直交する様になされている。
【0039】
このような第1格子30と第2格子2を一定間隔を保って、平行に設置すると、光の透過する領域として、4つの領域を形成することが出来る。この4つの領域に対応する位置に、4つの受光素子(PDa、PDb,PDc,PDd)5,6, 51,52が第2格子2の下方に設けられている。第1差分回路53は、受光素子5の出力値から受光素子51の出力値を差し引いた差分値を出力する回路である。第2差分回路54は、受光素子6の出力値から受光素子52の出力値を差し引いた差分値を出力する回路である。入射角判定手段55は、第1、第2差分回路53,54の出力結果を利用して、受けた光の入射角の変化量を判定し、その判定結果から、本実施の形態の傾斜角度検出装置の相対的な傾斜角度を算出・出力する手段である。
【0040】
以上の構成において、次に動作の説明を行う。
図9(a)〜(d)は、法線方向からの入射角を0として、入射角θの変化に対する、受光素子5,6,51,52の出力値PDa(θ)、PDb(θ),PDc(θ),PDd(θ)を示す図である。PDa(θ)とPDb(θ)の位相のずれは、上記実施の形態の場合と同様に1/4周期分だけ+方向にずれている。
又、PDa(θ)とPDc(θ)とは、1/2周期分だけずれている。又、同様にPDb(θ)とPDd(θ)ともこれと同様である。
【0041】
第1差分回路53は、受光素子5の出力と受光素子51の出力を得て、その差分を計算して、入射角判定手段55へ出力する。第1差分回路53の出力値(PDa(θ)−PDc(θ))の変化を、受光素子5,51からの出力値の変化と併せて、図10に示す。第2差分回路54もこれと同様の動作を行う。入射角判定手段55の動作は、上記実施の形態の入射角判定手段7と基本的に同じである。
【0042】
ここで、このようにして、差分をとる理由を説明する。
即ち、差分をとらずに、受光素子5,6の出力をそのまま利用すると、次のような不都合が生じる場合がある。例えば、本傾斜角検出装置を使用する外部環境が、常に真っ暗であるとは限らないため、図11(a)に示す様に、測定結果は、環境の光量分の余分な下駄をはいた状態となる。又、その場合、環境の光量が変化すると、測定誤差が発生する(図11(b)、(c)参照)。これを避けるために、上述したように、受光素子51、52の出力を加味して差分とる。これにより、上述した余分な光量分を取り除くことが出来、環境の影響を受けない、しかも誤差の少ない測定が可能となる。
【0043】
(実施の形態3)
図12は、本発明にかかる更に他の実施の形態の傾斜角検出装置の構成を模式的に表した概略斜視図であり、同図を参照しながら、本実施の形態の構成について述べる。図1(a),(b)で説明したものと同様のものは同じ符号を付した。
【0044】
本実施の形態と、上記実施の形態1との主なる相違点は、第1格子が第1,第2領域に分けられた点と、それに対応して、第2格子の第1,第2領域内において、更に2分割された点と、それに応じて受光素子が4つになった点などである。
このような構成としたのは、上記実施の形態では、入射角の変化方向を、1次元に限った場合の説明であったのに対して、本実施の形態では、2次元の変化にも対応出来る様にするためである。
【0045】
従って、X,Yのそれぞれの方向について、出力信号は2つ取り出すような構成とする。
第1格子40は、横方向領域41と縦方向領域42の格子を面内で組み合わせたものである。第2格子43は、X,Yのそれぞれの方向に対応して横方向領域60と、縦方向領域70に分けられ、それら各領域について更に、1/4周期ずれた領域62,71と、ずれのない領域61,72に分割され、合計4つの領域に分けられている。受光素子PDX1,PDX2,PDY1,PDY2は、この4つの領域に対応して配置され、受光素子PDX1とPDX2の出力値が、X方向入射角判定手段95に入力されてX方向の入射角の変化量が判り、受光素子PDY1とPDY2の出力値が、Y方向入射角判定手段96に入力されてY方向の入射角の変化量が判る。これにより2次元面内に入射する入射角の変化量が特定できる。その他の動作は、上記実施の形態1と同様である。
【0046】
ところで、上記構成の傾斜角検出装置(傾斜角センサ)において、パラメータとして挙げられるのは、格子間隔d、格子ピッチp、格子の透過部3と遮光部4のデューティ比等がある。このうち、格子間隔dと格子ピッチpについては検出感度に直接関係するが、格子の透過部3と遮光部4のデューティ比は受光素子に達する受光量に関係し、明暗の周期変化の周期には関係しない。
【0047】
尚、上記実施の形態では、1/4周期ずらした領域を有する格子は、第1,第2の2枚のうち、第2格子即ち受光素子により近い方の格子とした場合について説明したが、これに限らず例えば、受光素子からより遠い方の第1格子としてももちろんよく、この場合でも作用、効果は同じである。
また、上記実施の形態では、格子ピッチpは第1,第2格子において、同じである場合について説明したが、これに限らず例えば、それぞれの格子ピッチが異なっていてもかまわない。但し、2枚の格子の格子ピッチが異なってくると受光特性が変わる。2枚の格子の格子ピッチが大きく異なってくると格子ピッチが大きい方の格子が、小さい方の格子に比べて、受光素子に達する光量に対して支配的になり、入射角依存性の信号が弱くなる。したがって、2枚の格子の格子ピッチは同ピッチの方が計算も煩雑にならず、又検出の感度的にも望ましい。ここで、検出感度に関連する付随的事項について述べる。即ち、2枚の格子の格子ピッチが同じ場合、図13に示す様に、格子ピッチp、格子間隔d、と入射角Θの関係式は以下の(数3)のように表される。なお格子ピッチは、透過部と遮光部のデューティー比は1:1とし、透過部と遮光部1ペアで1周期と考える。図14は、 図13の構成における、入射角と受光量の関係を示す図である。
【0048】
Θ=Tan-1(p/2d) ・・・・・・・・・・・・・・・(数3)
また、分解能をさらに上げる他の例として以下のような方法がある。即ち、上述したように、2枚の格子のうち、どちらか一方に1/4周期ずれた領域を持たせた場合、ずれていない領域とずれた領域とのそれぞれの入射角と受光量に関する信号が、お互いに位相がπ/2ずれた状態で取り出せる(図15参照)。図15は、ずれていない領域を透過した光についての受光量の変化をS1、1/4周期ずれた領域を透過した光についての受光量の変化をS2で表した図である。図中S1とS2はお互いに位相がπ/2ずれており、S1のほうが進んでいるが、入射角が正か負かでどちらかの信号が進むか、すなわち右にくるか左にくるかが変わってくる。ここで信号の値を横軸にS1の受光量(またはS2の受光量)、縦軸にS2の受光量(またはS1の受光量)をとり、プロットすれば信号S1とS2のリサージュが得られる(図16参照)。検出される傾斜角というのは受光素子で感知する明暗を1カウントとして得られるので、信号の1周期分が検出限界な角度である。すなわち、図16に示すリサージュ図形における1回転分が検出可能な最小角である。ここで電気回路処理によって、このリサージュ図形を2分割、4分割、8分割と細分化することにより、さらに検出可能な最小角の値が小さくでき分解能を実効的に上げることが出来る。しかし、細分化すれば理想的には検出感度はどこまでも上げられると思われるが、電気ノイズなどによりある程度は制限される。
【0049】
(実施の形態4)
図17は、本発明にかかる一実施の形態の傾斜角検出装置の構成を模式的に表した概略斜視図であり、図18は、同装置の略示平面図であり、これらの図を参照しながら、本実施の形態の構成について述べる。
図17に示す様に、第1格子1は、上記実施の形態1で説明したものと基本的に同じ構成である。上記実施の形態1と同じものには、同じ符号を付した。第2格子12は、第1格子1と一定距離を保持しつつ平行に設けられ、第1格子1と基本的な構成は同じものである。又、双方の格子の配置関係は、第2格子12の光透過部3の長手方向を基準として、第1格子1の光透過部3の長手方向が微少角度εだけ傾斜している。描記しない光源は、第1格子1側にあるものとする。この光源は、各格子に到達する光束がほぼ平行光とみなせれば、点光源でもよい。
又、本発明の光検出手段としての、3個のフォトダイオード(受光素子とも呼ぶ)PD1,PD2,PD3は、第2格子12側に設置され、後述するモアレ縞の移動を検出する手段である。フォトダイオードPD1,PD2,PD3は、第2格子12のほぼ中央部で、その光透過部3の長手方向に沿って一列に配列されている。入射角判定手段97は、フォトダイオードPD1,PD2,PD3からの出力を得て入射光の角度変化を判定する手段である。
【0050】
ここで、モアレ縞を最適に発生させるための構成について更に説明する。上述した様に、第1格子1は、第2格子12を基準とし、格子面の法線方向を軸として微小角εだけ反時計方向に回転した状態で設置されている。格子ピッチ、格子板の間隔、回転角εは、発生するモアレ縞の周期を大きい物にして、1列に並んだフォトダイオード上に暗縞が1、2本のっている状態になる様に、最適に設定する(図18参照)。図18は、フォトダイオード上にモアレ縞の暗縞98が1本のっている状態を示している。尚、2枚の格子の格子ピッチは同一でなくてもよい。
【0051】
以上の構成において、以下に本実施の形態の動作を説明する。光源から発せられる略平行光は2枚の格子1,12を経て受光素子に到達するが、このとき光線の入射角により受光素子に達する光量が周期的に変化する。入射角判定手段97が、この周期的に変化する明暗をカウントすることにより、入射光の角度変化を判定する。
【0052】
モアレ縞の変化について更に説明する。光源の位置の移動により、つまり入射角の変化により、モアレ縞は、格子の遮光部4の長手方向にほぼ沿うように移動する。
具体的には、図18において、光源が左側から右側に移動(+方向への移動)する場合は、暗縞98がB方向へ移動し、これとは反対に、光源が右側から左側に移動(−方向への移動)する場合は、暗縞98がA方向へ移動する。尚、図18と異なり、第1格子1が微小角εだけ時計方向に回転した状態で設置されている場合は、光源の移動方向とモアレ縞の移動方向の関係は、上述した内容と丁度逆の関係となる。
【0053】
従って、入射角の変化により各フォトダイオード上で明暗が、A(又はB)方向に周期的に変化する。この明暗の変化を受光側に設けられた入射角判定手段97を用いてカウントすることにより、入射角度が特定できる。光検出手段は図18に示したように、例えば3素子のフォトダイオードPD1〜PD3の配置とモアレ縞のピッチをうまく合わせることによって、位相がπ/2ずつずれた各PD1〜PD3の出力信号が得られる。また、フォトダイオードの数を増やすことによって、モアレ縞の濃度において、最大値、最小値、中間値を検出すれば、より検出感度を上げることが可能である。
【0054】
(実施の形態5)
図19は、本発明にかかる一実施の形態の頭部搭載型映像表示装置の外観を表した斜視図、図20は、同装置の構成を模式的に表した略示構成図であり、これらの図を参照しながら、本実施の形態の構成及び動作について述べる。
本実施の形態は、頭部搭載型の映像表示装置80に対して、上述した実施の形態で既に説明した傾斜角測定装置81を、頭部の動きを検出するセンサとして付加する構成である。保持手段82は、傾斜角測定装置81を頭部の上面に固定・保持するための手段であり、表示手段83と一体構造をなしている。保持手段82は、略リング形状であり、使用者が装着した時に、その内周面が後頭部上側から目のあたりに沿うように形成されている。表示手段83は、傾斜角測定装置81からの出力に基づいて映像を表示するための手段であり、頭部搭載型の映像表示装置80を装着した時に、丁度目のあたりにくるように配置されている。これにより、頭部の動きに追従した映像を映像表示手段83に表示することができる。
【0055】
この用法の傾斜角検出装置はヘッドモーションセンサと呼ばれ、図21に示すように頭部を向けた方向に対応した映像、具体的にはCGによる映像などを表示することによって、実効的に表示画角を上げることが出来る。このことはVR(バーチャル・リアリティー)などの用途において現実感の向上に大きく寄与するものである。
【0056】
傾斜角検出装置81の構成について、図20を参照しながら更に詳細に述べる。
同図に示したように、傾斜角検出装置81は、上記実施の形態で説明した1方向(1次元)の2枚の格子と1個の受光素子を1ペアとし、それぞれを図13のように直交させて配置する。即ち、X方向センシングユニット84は、X方向の角度変化の検出用として、格子81X1,81X2、及び受光素子PDXを所定間隔を有して平行配列したものである。又、Y方向センシングユニット85は、Y方向の角度変化の検出用として、格子81Y1,81Y2、及び受光素子PDYを所定間隔を有して平行配列したものである。ここで、X方向の動きとは、頭部を左右に傾ける動きをいい、Y方向の動きとは、頭部を前後に傾ける動きをいうものとする。これらX,Y方向の動きは、天井に取り付けられた光源87を利用して判定する。又、頭部を左右にねじる場合の動きを、首振り方向の動きとして、この動きを、頭部前部に配した首振り方向センシングユニット86により検出する。このために用いる光源88は、利用者の正面に配置されている。何れのセンシングユニットにおいても、光源からの光の入射角の変化を検出する動作は、既に上記実施の形態で説明した内容と基本的に同じである。
【0057】
これにより、3次元での位置、即ち基準位置に対する頭部の向きの検出が可能となる。この位置情報をCG映像を表示する側にフィードバックすることによって、その方向の映像を表示し、表示画角を上げることが出来る。
ここで、本方式によって検出できる角度は相対角である。従って、絶対角度を求める場合は、次に述べる様な測定開始時における初期設定動作が必要となる。そのためには、頭部搭載型の映像表示装置80の本体に目印を設け、さらに外部に別の目印を設けておき、それら目印の向きが合致したか否かを検出出来る検出器が必要である。具体的には、利用者が、頭部搭載型の映像表示装置80を装着した時、予め定められた外部の別の目印の方向を必ず見る様にさせて、双方の目印の向きが合致したことを条件として、上記実施の形態1に述べたリセット動作を行うことによって、測定開始時点の入射角を原点とする絶対角度の判定が出来る。
【0058】
あるいは、重りや液体などを用いた傾斜センサと組み合わせることによって傾斜センサのゼロ点の時にリセットすることにより絶対角とすることが出来る。
また、他のセンサと組み合わせても良い。例えば、光源を天井などに設け、2軸の傾斜角を本センサで、首振り方向(光軸回り)の回転角を地磁気コンパスなど、他の角度センサで検出するなど、状況に応じて適した物を組み合わせることにより、VRの用途に用いられるシステム自体のトータル性能を上げることができる。
【0059】
尚、上記実施の形態では、+方向,−方向の判定も含めた入射角の変化量の判定をするために、第2格子2に第1,第2の領域を設けて、受光素子からの、周期のずれた2つの出力値(図6参照)を利用する場合について説明したが、これに限らず例えば、上述した初期設定動作を行うことを前提とすれば、第1,第2領域の2つの領域の何れか一方だけでも同様の効果を得ることが出来る。但し、この場合、初期設定動作の結果、測定開始時点の入射角即ち、原点における受光素子の出力値(受光量に対応)が、ピーク値を取らない様に構成することが重要となる。この様な構成の実現に関与するものとしては、第1格子と第2格子の格子間における光透過部のずれ具合、上記目印の位置、光源の位置等が挙げられる。
測定開始時点において、出力値がピーク値を取る構成とすると、入射角の変化特性が、原点を中心として、+方向と−方向が対称形状となり、入射角の変化方向が判定出来ないからである。尚、入射角の変化方向が変化の途中において、出力値がピーク値となるところで反転した場合のみ、その反転動作を検出することが出来ないが、頭部搭載型の映像表示装置等に利用する上では、実質上問題とはならない。又、他のセンサで簡単に検出出来る。
【0060】
以上、実施の形態に基づいて説明したが、本明細書中には、以下の発明が含まれる。
第1の発明は、光透過部が格子状に形成された格子手段が、複数個実質上対向して配置され、それら複数の格子手段を透過する光量の変化を検出する光検出手段が、それら格子手段の片方側に設けられ、その検出結果を利用して、受けた光の入射角の変化量を判定する入射角判定手段が設けられている角度検出装置である。
【0061】
この発明に関する実施の形態は、実施の形態1,2,3,4,5が対応する。
これにより、光の入射角変化の検出レンジを落とすことなく従来に比べて検出精度をより一層向上出来、しかも、従来に比べてより一層小型化が図れる。
第2の発明は、前記受けた光は実質上平行光であり、前記複数の格子手段は、2枚の板状体であって、所定間隔を保ちつつ互いに実質上平行に配置されており、更に、前記受けた光の入射角の変化に応じて、前記透過する光量が周期的に変化する様に前記光透過部の配置が調整されている第1の発明の角度検出装置である。
【0062】
この発明に関する実施の形態は、実施の形態1,2,3,5が対応する。
これにより例えば、光源から発せられる略平行光は2枚の格子を経て受光素子に到達するが、このとき光束の入射角により受光素子に達する光量が周期的に変化する。この周期的に変化する明暗を受光素子以降でカウントすれば入射光の角度変化が判る。角度検出の検出感度は格子のピッチと2枚の格子の間隔という2つのファクタに依存するが、格子ピッチのみを変化させることによって、検出レンジに影響を出すことなく検出感度を変えられる。すなわち、検出分解能が高い、かつ薄型な角度検出装置が実現できる。
【0063】
第3の発明は、前記一方の格子手段の光透過部のピッチと大きさは、実質上同じであり、又、前記他方の格子手段の光透過部のピッチと大きさは、実質上同じであり、更に、双方の格子手段の光透過部のピッチと大きさも、実質上同じである第2の発明の角度検出装置である。
この発明に関する実施の形態は、実施の形態1,2,3,5が対応する。
【0064】
これにより、光の入射角変化の検出レンジを落とすことなく従来に比べて検出精度をより一層向上出来、しかも、従来に比べてより一層小型化が図れる。
第4の発明は、前記一方の格子手段の光透過部のピッチと大きさは、実質上同じであり、又、前記他方の格子手段は、第1領域、第2領域に別れており、前記第1領域の光透過部のピッチと大きさは、実質上同じであり、又前記第2領域の光透過部のピッチと大きさは、実質上同じであり、前記一方の格子手段の光透過部のピッチと大きさと、前記第1領域の光透過部のピッチと大きさと、前記第2領域の光透過部のピッチと大きさも、互いに実質上同じであり、前記第1領域の光透過部と前記一方の光透過部との重なり具合が、前記第2領域の光透過部と前記一方の光透過部との重なり具合と異なっており、前記他方の第1領域と、第2領域に対応して前記光検出手段が分割・配置されている第2の発明の角度検出装置である。
【0065】
この発明に関する実施の形態は、実施の形態1が対応する。
これにより、例えば、1/4周期ずれた領域とそうでない領域では明暗の入射依存性の位相がπ/2ずれるのでそれを検出することにより、入射角が+方向か−方向かが判別できる。
第5の発明は、前記一方の格子手段は、第1領域、第2領域に別れており、前記第1領域の光透過部のピッチと大きさは、実質上同じであり、又前記第2領域の光透過部のピッチと大きさは、実質上同じであり、
又、前記他方の格子手段は、第1領域、第2領域に別れており、前記他方の第1領域の光透過部のピッチと大きさは、実質上同じであり、又前記他方の第2領域の光透過部のピッチと大きさは、実質上同じであり、
前記一方の第1領域と、前記一方の第2領域と、前記他方の第1領域と、前記他方の第2領域の、それぞれの領域の光透過部のピッチと大きさは、互いに実質上同じであり、
前記一方の第1領域の光透過部と前記他方の第1領域の光透過部の重なり具合と、前記一方の第1領域の光透過部と前記他方の第2領域の光透過部の重なり具合と、前記一方の第2領域の光透過部と前記他方の第1領域の光透過部の重なり具合と、前記一方の第2領域の光透過部と前記他方の第2領域の光透過部の重なり具合とが、相互に異なっており、
前記一方の第1、第2領域と、前記他方の第1、第2領域とに対応して前記光検出手段が分割・配置されている第2の発明の角度検出装置である。
【0066】
この発明に関する実施の形態は、実施の形態2が対応する。
これにより例えば、1つの格子において2つの領域を有しており、2枚の格子で受光量の入射角依存性において計4つの信号が作り出せる。
第6の発明は、前記受けた光の入射角の変化量の判定のスタートにおいて、前記光の発光源の方向と、前記格子手段の向きと、前記光透過部のずれ方との相対的な位置関係を、前記スタートにおける前記光検出手段により受光される受光量が、前記周期的受光量特性のピーク値となることを避ける様に調整しておく第3の発明の角度検出装置である。
【0067】
これにより、光の入射角変化の検出レンジを落とすことなく従来に比べて検出精度をより一層向上出来、しかも、従来に比べてより一層小型化が図れる。
第7の発明は、光透過部が格子状に形成された格子手段が、複数個実質上対向して配置され、それら複数の格子手段を透過する透過光により形成されるモアレ縞の変化を検出する光検出手段が、それら格子手段の片方側に設けられ、その検出結果を利用して、受けた光の入射角の変化量を判定する入射角判定手段が設けられている角度検出装置である。
【0068】
この発明に関する実施の形態は、実施の形態4が対応する。
これにより、光の入射角変化の検出レンジを落とすことなく従来に比べて検出精度をより一層向上出来、しかも、従来に比べてより一層小型化が図れる。
第8の発明は、前記受けた光は実質上平行光であり、前記複数の格子手段は、2枚の板状体であって、所定間隔を保ちつつ互いに実質上平行に、且つ、前記一方の格子手段の光透過部の長手方向を基準として、他方の格子手段の光透過部の長手方向が所定角度傾斜して配置されており、前記受けた光の入射角の変化に応じて、前記モアレ縞が前記光検出手段上を移動する第7の発明の角度検出装置である。
【0069】
この発明に関する実施の形態は、実施の形態4が対応する。
これにより例えば、2枚の格子を、格子面の法線方向を軸として微小角回転させることによって発生するモアレ縞は、入射角によって移動する。この明暗を受光側でカウントすることにより入射角を特定できる。格子を回転させるだけでよいので装置の構成が簡略であり、製作性がよい。
【0070】
第9の発明は、第1の発明、又は第7の発明の角度検出装置を頭部に固定・保持する保持手段と、前記角度検出装置からの出力に基づいて、映像を表示するための映像表示手段とを備えた頭部搭載型映像表示装置である。
この発明に関する実施の形態は、実施の形態5が対応する。
これにより、光の入射角変化の検出レンジを落とすことなく検出精度をより一層向上させることが出来る。
【0071】
これにより例えば、頭部搭載型の映像表示装置に上記の傾斜角測定装置を付加することにより、頭部の動きが検出でき、検出された頭部の方向に応じて、映像を表示することによって、実効的に表示画角を上げることが出来、VRなどの用途において現実感の向上がはかれる。このとき、頭部に装着する装置にとりつけるために要求されるスリムさと、望まれる高い検出感度の双方が本願の検出装置により達成できる。
【0072】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように本発明は、光の入射角変化の検出レンジを落とすことなく従来に比べて検出精度をより一層向上出来、しかも、従来に比べてより一層小型化が図れるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明にかかる一実施の形態の傾斜角検出装置の構成を模式的に表した概略斜視図
(b):本発明にかかる一実施の形態の第1,第2格子の光透過部のずれの関係を説明するための図
【図2】図1(a)に示す傾斜角検出装置の略示側面図
【図3】(a)〜(c):入射角の変化による、受光素子側の受光量の増減を模式的に示した図
【図4】本実施の形態の一方の受光素子の受光量の周期的変化の様子を示す図
【図5】本実施の形態の他方の受光素子の受光量の周期的変化の様子を示す図
【図6】本実施の形態の双方の受光素子の出力値の変化を示す図
【図7】(a):入射角がθ1である場合の、第1格子1,第2格子2を透過する光の様子を模式的に表した本装置の略示側面図
(b):入射角が−θ1である場合の、第1格子1,第2格子2を透過する光の様子を模式的に表した本装置の略示側面図
【図8】本発明にかかる他の実施の形態の傾斜角検出装置の構成を模式的に表した概略斜視図で
【図9】(a)〜(d):図8の装置における、入射角θの変化に対する、各受光素子の出力値の変化を示す図
【図10】図8の装置における第1差分回路の出力値の変化と、各受光素子からの出力値の変化とを併せて示した図
【図11】(a)〜(c):環境の光量変化により、測定誤差が発生する様子を説明するための図
【図12】本発明にかかる更に他の実施の形態の傾斜角検出装置の構成を模式的に表した概略斜視図
【図13】実施の形態における、2枚の格子の、格子ピッチp、格子間隔d、入射角Θの関係を示す格子の略示側面図
【図14】図13の構成における、入射角と受光量の関係を示す図
【図15】実施の形態における、入射角と受光量に関する信号がお互いに位相がπ/2ずれた状態を示す図
【図16】図15の2つの信号を利用して作成したリサージュの図
【図17】 本発明にかかる一実施の形態の傾斜角検出装置の構成を模式的に表した概略斜視図
【図18】図17に示す装置の略示平面図
【図19】本発明にかかる一実施の形態の頭部搭載型映像表示装置の外観斜視図
【図20】本実施の形態の構成を模式的に表した略示構成図
【図21】本実施の形態の頭部搭載型映像表示装置のバーチャル・リアリティーへの利用を示す図
【図22】従来の傾斜角度検出装置の略示斜視図
【図23】従来の他の傾斜角度検出装置の略示斜視図
【符号の説明】
1 第1格子
2 第2格子
3 光透過部
4 遮光部
5,6 受光素子
7 入射角判定手段
8 最大・最小判定回路
21 第1領域
22 第2領域
53 第1差分回路
Claims (3)
- 光透過部が格子状に形成された格子手段が、複数個実質上対向して配置され、それら複数の格子手段を透過する透過光により形成されるモアレ縞の変化を検出する光検出手段が、それら格子手段の片方側に設けられ、その検出結果を利用して、受けた光の入射角の変化量を判定する入射角判定手段が設けられていることを特徴とする角度検出装置。
- 前記受けた光は実質上平行光であり、前記複数の格子手段は、2枚の板状体であって、所定間隔を保ちつつ互いに実質上平行に、且つ、前記一方の格子手段の光透過部の長手方向を基準として、他方の格子手段の光透過部の長手方向が所定角度傾斜して配置されており、前記受けた光の入射角の変化に応じて、前記モアレ縞が前記光検出手段上を移動することを特徴とする請求項1記載の角度検出装置。
- 請求項1又は請求項2記載の角度検出装置を頭部に固定・保持する保持手段と、前記角度検出装置からの出力に基づいて、映像を表示するための映像表示手段と、を備えたことを特徴とする頭部搭載型映像表示装置。
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