JPH09243336A - 角度検出装置、及び頭部搭載型映像表示装置 - Google Patents

角度検出装置、及び頭部搭載型映像表示装置

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JPH09243336A
JPH09243336A JP5358696A JP5358696A JPH09243336A JP H09243336 A JPH09243336 A JP H09243336A JP 5358696 A JP5358696 A JP 5358696A JP 5358696 A JP5358696 A JP 5358696A JP H09243336 A JPH09243336 A JP H09243336A
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Kazunari Hanano
和成 花野
Arinori Tokuhashi
有紀 徳橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】受光面積が一定の場合、検出分解能と検出レン
ジはトレードオフの関係にあるという課題。 【解決手段】 光透過部3が格子状に形成された第1格
子1と、第2格子2とが実質上対向して配置され、それ
ら第1,第2の格子1,2を透過する光量の変化を検出
する受光素子5,6が、それら第1,第2の格子1,2
の片方側に設けられ、その検出結果を利用して、受けた
光の入射角の変化量を判定する入射角判定手段7が設け
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角度検出装置、及
び頭部搭載型映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、物体の傾斜角を測定する方法
として以下のような方式がある。ここでは、説明の簡単
のため、一次元の方向の角度傾斜を測定する場合につい
て述べる。図22に示すように、描記しない参照光源か
ら発せられる略平行光101が、フォトダイオード(P
Da、PDb)のような受光素子103,104の光源
側に一定距離hをおいて設けられた遮光板105上の開
口102を透過する。
【0003】この透過した光束は、入射角θの傾斜によ
り受光素子103,104上を移動する。上述のように
受光素子は、PDa103、PDb104の2つの素子
が隣接して配置されているため、それぞれの受光素子の
出力をV1、V2で表した場合、それらの出力差等によ
って略平行光101の傾斜角θがわかる。即ち、図中に
おいて、出力V1、V2と、入射角θと、上記距離hと
の間には 、(V1−V2)/(V1+V2)∝hTanθ ・・・・・・・(数1) という関係がある。
【0004】距離hは、一定値であるから、測定された
出力V1、V2と、(数1)を利用することにより、略
平行光101の傾斜角θがわかる(特開平7-146123アル
プス電気、実開昭62-140407三菱電機)。また、別方式
として図23に示すように、描記しない参照光源から発
せられる略平行光101をレンズ201によってPositi
on Sensor DeviceやCCD202上に集光させる。集光
された光は入射角θの傾斜によりCCD202上を移動
する。参照光源からの垂直光の、CCD202上の到達
位置(原点)203からのずれ量をd、レンズ201と
CCD202との距離をhとすると、 d=hTanθ ・・・・・・・(数2) という関係がある。
【0005】一方、上述した様な開口ではなく、格子を
用いたものに特開昭58-205805、特開昭60-105912があ
る。特開昭58-205805は、傾斜角を測定するため、平行
光線を遮 光するものとして遮光格子を用い、この遮光
格子は一定ピッチで壁を周期的に設けたものである。こ
の装置では、遮光壁が受光素子に対して垂直に配されて
いる。
【0006】更にまた、遮光を用いた例として、特開昭
60-105912がある。この従来の装置では、回転板に重り
がついてその回転板の周辺部に多数のスリットが設けら
れている。回転板が回転するに従ってスリットも移動
し、その移動に伴って、受光素子上では明、暗、明、暗
と、明度が変化するので、その明度の変化をパルス列と
してカウントし、傾斜角を求めるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た開口を利用した従来の方式において、分解能を上げる
ためには、距離hをなるべく長くとるのがよいが、距離
hを大きくすると入射角θが大きい場合、集光された光
の位置が大きく動くので受光領域を外れやすくなるの
で、受光面積を大きくしなければならないといった問題
が生じる。仮に受光面積を大きくしないとすると、検出
レンジが狭くなってしまうといった欠点を有していた。
つまり、従来の装置において、受光面積が一定の場合、
検出分解能と検出レンジはトレードオフの関係にある。
【0008】一方、上述した格子を利用した従来の装置
では、遮光壁を受光素子に垂直に配するため、受光素子
から光源方向へのスペースがある程度必要となり、装置
の小型化が図れないといった欠点を有していた。また、
入射角の±の符号の区別、すなわち、入射角が変化した
方向として、例えば、右方向か左方向かの区別がつかな
いといった点や、検出レンジが狭いといった課題もあっ
た。
【0009】更にまた、重りを利用した従来の装置で
は、重りを使うので、応答スピードが遅く、横方向の加
速度の影響を受けるといった課題があった。本発明は、
従来の装置のこのような課題を考慮し、光の入射角変化
の検出レンジを落とすことなく従来に比べて検出精度を
より一層向上出来、しかも、従来に比べてより一層小型
化が図れる角度検出装置、及び頭部搭載型映像表示装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、光透過部が格子状に形成された格子手段が、複数個
実質上対向して配置され、それら複数の格子手段を透過
する光量の変化を検出する光検出手段が、それら格子手
段の片方側に設けられ、その検出結果を利用して、受け
た光の入射角の変化量を判定する入射角判定手段が設け
られている角度検出装置である。
【0011】請求項2記載の本発明は、光透過部が格子
状に形成された格子手段が、複数個実質上対向して配置
され、それら複数の格子手段を透過する透過光により形
成されるモアレ縞の変化を検出する光検出手段が、それ
ら格子手段の片方側に設けられ、その検出結果を利用し
て、受けた光の入射角の変化量を判定する入射角判定手
段が設けられている角度検出装置である。
【0012】請求項3記載の本発明は、請求項1又は請
求項2記載の角度検出装置を頭部に固定・保持する保持
手段と、前記角度検出装置からの出力に基づいて、映像
を表示するための映像表示手段とを備えた頭部搭載型映
像表示装置である。これにより、光の入射角変化の検出
レンジを落とすことなく、例えば、光透過部のピッチを
より細かくすることにより、検出精度を一層向上させる
ことが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を用いて説明する。 (実施の形態1)図1(a)は、本発明にかかる一実施
の形態の傾斜角検出装置の構成を模式的に表した概略斜
視図であり、図2は、同装置の略示側面図であり、これ
らの図を参照しながら、本実施の形態の構成について述
べる。
【0014】ここでは、簡単のため1方向(1次元)の
みに限定した構成で説明する。本発明の格子手段として
の第1格子1は、光透過部3と遮光部4を交互に備えた
板状部材であり、その光透過部3のピッチpと大きさ
(ここで、大きさとは、厳密には光透過部の幅×長さ、
即ち光透過部の面積を意味する)は同じである。図中で
は、遮光部4を黒く表し、光透過部3を白く表してい
る。本発明の格子手段としての第2格子2は、第1格子
1と距離d(以下、格子間隔dとも呼ぶ)を隔てて平行
に配置されている。第2格子2は、第1格子1とは異な
り、第1領域21、第2領域22に2等分に分割されて
いる。第1領域21の光透過部3のピッチと大きさは同
じであり、又第2領域22の光透過部3のピッチと大き
さは同じである。更に、第1格子1の光透過部3のピッ
チと大きさと、第2格子2の第1領域21の光透過部3
のピッチと大きさと、第2格子2の第2領域22の光透
過部3のピッチと大きさも互いに同じである。
【0015】又、第1格子1の法線方向を基準として、
法線と平行に見て、第2格子2の第1領域21の光透過
部3と第1格子1の光透過部3とは光学的に重なり、し
かも第2格子2の第2領域22の光透過部3と第1格子
1の光透過部3とは、1/4ピッチ(これを、1/4周
期とも呼ぶ)分ずれる様に構成されている。この様子を
図1(b)に示す。尚、図1(b)は、第1格子1と、
第2格子2のそれぞれの光透過部3のずれの関係のみを
説明するための便宜上の図である。従って、上述した第
1,第2格子の平行配置の関係を無視して、両者があた
かも同一平面上にあるかのごとく描いてある。
【0016】受光素子(PDa、PDb)5,6は、第
1格子1,2の光透過部を透過した光量の変化を検出す
る手段であり、第2格子2と所定間隔を隔てて平行に配
置されている。しかも、受光素子5,6は、それぞれ第
2格子2の第1領域21と、第2領域22に対応する様
に配置されている。本発明の光検出手段は、受光素子
5,6を含む手段である。
【0017】図1(a)において描記していないが、受
光素子PDa5,とPDb6の間には、遮光部材を設け
ることが望ましい。この遮光部材は、隣の格子の情報即
ち、第1領域21、あるいは第2領域22を透過してき
たそれぞれの光がノイズとして、隣の受光素子に乗らな
いようにするためのものであり、各々の格子情報の測定
を妨げない程度の部材である。
【0018】入射角判定手段7は、受光素子5,6から
の出力結果を利用して、受けた光の入射角の変化量を判
定し、その判定結果から、本実施の形態の傾斜角度検出
装置の相対的な傾斜角度を算出・出力する手段である。
最大・最小判別回路8は、受光素子5,6の出力値が、
最大値であるか、最小値であるかを判別するための回路
であり、入射角度判定手段7に含まれている。
【0019】入射角は法線方向から時計回りに正、反時
計回りに負とする。本実施の形態で使用する光源として
の照明手段は、格子に到達する光束がほぼ平行光とみな
せれば、点光源でもよい。以上の構成において、次に、
本実施の形態の動作を説明する。理解を容易にするため
に、(1)まず、第2格子2の第1領域21を透過する
光に関する動作を説明し、(2)次に、第2領域22を
通過する光に関する動作を説明する。(3)最後に、両
者を総合的に説明する。
【0020】(1)第2格子2の第1領域21を透過す
る光に関する動作説明 光源から発せられる略平行光は、第1格子1と,第2格
子2の第1領域21を経て受光素子5に到達する。この
とき光線の入射角が変化することにより、受光素子5に
達する光量が周期的に変化する。この周期的に変化する
光量の受光素子5による検出結果から、入射光の角度変
化が判定出来る。尚、この周期的に変化する明暗をカウ
ントすることによっても、入射光の角度変化が判ること
は言うまでもない。
【0021】図3(a)〜(c)は、入射角の変化によ
って、どのように受光素子5側の受光量が増減するかを
模式的に示した図であり、同図を参照しながら更に詳細
に説明する。図3(a)は、光源が法線方向にある場合
(θ=0)を示している。即ち、第1格子1,2に対し
て垂直な光束は、第1格子1に入射する全光量の1/2
が、そのまま、第2格子2の第1領域21の光透過部3
を透過して、受光素子5に到達する。このときは光量が
最も大きく(最大値max)、明として認識される。従
って、受光素子5の出力値は、最大値を示す。
【0022】図3(b)は、光源が法線方向に対して、
+方向(時計回り)に所定の角度だけ移動した場合(θ
=θ2)を示している。即ち、この場合、入射角度があ
る角度になると第1格子1において透過した光束が、第
2格子2の遮光部4で全てカットされ、受光素子5に
は、全く光が到達しない状態になる。このときの光量が
最小であり、これは暗として認識される。従って、受光
素子5の出力値は、最小値を示す。
【0023】図3(c)は、光源が更に+方向(時計回
り)へ移動した場合(θ=θ4)を示す。即ち、更に傾
斜角度がついた光線により、図3(a)で説明した場合
と同じ光量、つまり、再び全光量の半分(最大値ma
x)が受光素子5に到達する。このように、光源からの
光線の入射角の連続的な変化によって、明暗が周期的に
繰り返され、結果として受光素子5に到達するトータル
光量で入射角度が判定できる。入射角の変化に対する、
受光素子5の受光量a(受光素子5の出力値に対応)の
周期的変化の様子(受光量の入射角依存性)を図4に示
す。尚、図4では、法線方向から光が入射する場合の入
射角θを0として表したものである。
【0024】入射角の変化に対する、受光素子5上の明
暗あるいは、図4に対応した受光素子5からの出力値
(以下、前記明暗、前記出力値を併せて、明暗等と呼
ぶ)の周期的変化は、第1格子1及び第2格子2のそれ
ぞれにおける光透過部3のピッチ(以下、これを格子ピ
ッチとも呼ぶ)と、第1格子1,第2格子2の格子間隔
との両方に依存する。
【0025】即ち、格子ピッチを細かくすれば、明暗等
の入射角における周期が小さくなるので、分解能が上が
る。また、2枚の格子間隔を広くとっても同様な効果は
得られる。従って、従来技術の検出分解能が、光束をう
ける役目をする開口や、光束を集光するレンズや、遮光
する格子といった物からセンシングデバイスまでの距離
のみに依存していたのに対して、本実施の形態の格子手
段の場合は、第1格子1,第2格子2の格子間隔が一定
でも、格子ピッチだけを変えることにより、検出感度を
変化させることができるという特徴がある。尚、ここで
測定する角度は測定開始時からの相対角である。リセッ
トとして明暗をカウントするカウンタをリフレッシュす
ることによってゼロリセットできる。受光素子5が、図
4に示す様な周期的に変化する値を出力する場合は、測
定開始時点での角度を基準として、その基準となった角
度からの相対的な角度変化が測定される。尚、この測定
開始時点の角度が、法線を基準として特定可能な構成で
あれば、法線を基準とした絶対角度と、その変化の測定
が出来ることは言うまでもない。
【0026】(2)第2格子2の第2領域22を透過す
る光に関する動作説明 光源から発せられる略平行光は、第1格子1と,第2格
子2の第2領域22を経て受光素子6に到達する。この
とき光線の入射角が変化することにより、受光素子6に
達する光量が周期的に変化する。この周期的に変化する
光量の受光素子6による検出結果から、入射光の角度変
化が判定出来る。ここで、受光素子6の受光量bの変化
と、上記受光素子5の受光量aの変化との主な相違点
は、前者が後者に比べて、変化の位相に一定のずれがあ
る点である(図5参照)。
【0027】例えば、図3(a)において説明した様に
光源が法線方向にある場合(θ=0)、受光素子5の受
光量aは最大値maxとなったが、受光素子6の受光量
bは最大値maxの半分の値1/2・maxとなる。即
ち、光源が上述した方向にある場合、図2で示した構成
から明らかなように、第1格子1の光透過部3を透過
し、 更に第2格子2の第2領域22の光透過部3を透
過して受光素子6に到達する光量は、第1格子1の光透
過部3を透過し、更に第2格子2の第1領域21の光透
過部3を透過して受光素子6に到達する光量の1/2と
なるからである。上記と同様にして光源による入射角
を、例えば、入射角θ=θ1、入射角θ=θ2と言うよう
に変化させた場合、受光素子6の受光量は、それぞれ図
5に示すように、最大値max、1/2・maxとな
る。
【0028】以上のことから明らかなように、本実施の
形態では、受光量bの変化の仕方は、同じ測定開始時点
からの入射角の変化を基準として、受光量aの変化の仕
方に比べて、位相が1/4周期分だけ入射角θの+方向
にずれている。受光素子6,5の出力についてもこれと
同様の関係がある。尚、以上の(1)、(2)の動作説
明等から明らかなように、第2格子2は、第1領域21
または第2領域22の何れか一方のみにより構成されて
いる場合でも、以下に述べる一定の場合を除いて、上述
した相対角度の変化を測定することが出来る。
【0029】(3)第1、第2領域22を透過する各光
の利用に関する総合的な動作説明 ここでは、上述した受光素子5,6における受光量の変
化の位相のずれを利用した動作を中心に説明する。図6
は、光の入射方向が法線方向と一致した時の入射角を0
(原点)として、入射角θの変化に対する、受光素子
5,6の出力値PDa(θ)、PDb(θ)の変化を示
す図である。
【0030】同図に示す様に、第2領域22の受光素子
6による受光量の出力値は、受光素子5の出力値に比べ
て、位相が1/4周期分ずれているので、これを用いる
ことにより以下に述べる様に、入射角の変化が、+方向
であるか、あるいは−方向であるかの判定ができる。簡
単のため、測定開始時点の入射角がθ=0の場合を例に
とり具体的に説明する。
【0031】(3−1)入射角θが0(原点)からθ1
までの間で、+方向へ変化した場合、図6に示す様に、
PDa(θ)の変化に関して、原点を中心として+方向
と−方向とが対称形なので、受光素子5の出力値だけで
は変化量は判定できても、変化方向が特定できない。こ
れに対して、PDb(θ)の変化は、PDa(θ)の変
化のように、対称形ではないので、受光素子6の出力値
の増減の変化をも加味することにより、更に変化方向を
も判定出来る。
【0032】即ち、受光素子6の出力値は、通常、0≦
θ≦θ1の変化に対して、1/2・PDmax≦PDb
(θ)≦PDmaxとなり、又、−θ1≦θ≦0の変化
に対して、0≦PDb(θ)≦1/2・PDmaxとな
る。この特性は予めわかっている。 ここでの現実の変
化量が、0≦θ≦θであることから、受光素子6の現実
の出力値としては、1/2・PDmax≦PDb(θ)
≦PDmaxが出力されるので、変化方向が+方向であ
ることが特定できる。これら一連の判定動作は、入射角
判定手段7が行う。
【0033】尚、入射角がθ1、又は−θ1である場合
の、光の透過状態を図7(a)、(b)に示す。ここ
で、図7(a),(b)は、図6で示す入射角がそれぞ
れθ=θ 1、 θ=−θ1、の場合に対応しており、第
1格子1,第2格子2を透過する光の様子を模式的に表
した本装置の略示側面図である。 (3−2)入射角θが、上述のように、0(原点)から
+方向へ変化し、θ1まで変化した後、変化方向を反転
させて再び0(原点)に戻る様な変化をした場合は、
(3−1)のように受光素子6の出力値の変化からは、
方向変転の有無を判定することは出来ない。即ち、PD
b(θ)の値は、θ=θ1を基準として、+方向と−方
向とが対称形となるからである。
【0034】従って、最大・最小判定回路8が、受光素
子の各出力値を調べ、予め定められた最大値PDma
x、あるいは最小値0と一致したかどうかの判定を出
す。このような何れかに一致したとの判定結果が出力さ
れた場合、その判定を受けた受光素子以外の、もう一方
の受光素子の出力値を、入射角の変化方向を判定するた
めに利用するといった切り替え動作が入射角判定手段7
により行われる。
【0035】ここでは、入射角がθ1となった時点で変
化方向を反転させる場合であるから、変化方向の判定
は、受光素子5の出力値により判定される。即ち、その
判定は、PDa(θ)の値が、θ=θ1において入射角
の変化方向が反転することで、それ までの減少方向の
変化から、増加方向の変化に変わるという増減特性を利
用することにより可能となる。
【0036】尚、例えば、入射角がθ3において、反転
した場合は、PDa(θ)の値の増減特性が、上述した
ものと逆の関係となるが、そのことは最大・最小判定回
路8の判定結果が、最大値と判定したかあるいは、最小
値と判定したかにより、何れの増減特性を利用するかを
決めることが出来る。又、最大・最小判定回路8の判定
基準には、ある程度の幅があることはいうまでもない。
又、本実施の形態では、変化量の判定は受光素子5によ
り行っているが、これに限らず、変化方向の判定を受光
素子6により行ってももちろんよい。
【0037】以上の説明は、測定開始時点の入射角がθ
=0の場合を例にとったが、これに限らず例えば、測定
開始時点の入射角が、上記原点を基準としてθ=θ1
方向へ傾いたところからスタートする場合でも、原点を
0からθ1だけ+方向へ移動させ たと見れば、上述し
た場合と基本的に同様の動作となる。 (実施の形態2)図8は、本発明にかかる他の実施の形
態の傾斜角検出装置の構成を模式的に表した概略斜視図
であり、同図を参照しながら、本実施の形態の構成につ
いて述べる。図1(a),(b)で説明したものと同様
のものは同じ符号を付した。
【0038】本実施の形態と、上記実施の形態1との主
なる相違点は、第1格子が第1,第2領域に分けられた
点と、それに対応して、受光素子が4つになり、差分回
路が追加された点などである。即ち、図8に示すよう
に、第1格子30は、第1,第2領域31,32の2等
分に分割されている点で、図1(a),(b)の第1格
子1と相違する。この第1領域31の光透過部3のピッ
チと大きさは、第1格子1のそれと同じであり、又、第
2領域32の光透過部3のピッチと大きさも、第1格子
1のそれと同じである。但し、第1領域31の光透過部
3と第2領域32の光透過部3とは、1/2ピッチ分ず
れる様に構成されている。又、第1格子30、第2格子
2のそれぞれにおける第1,第2領域の分け方は、同図
に示すように、各格子間において互いに直交する様にな
されている。
【0039】このような第1格子30と第2格子2を一
定間隔を保って、平行に設置すると、光の透過する領域
として、4つの領域を形成することが出来る。この4つ
の領域に対応する位置に、4つの受光素子(PDa、P
Db,PDc,PDd)5,6, 51,52が第2格
子2の下方に設けられている。第1差分回路53は、受
光素子5の出力値から受光素子51の出力値を差し引い
た差分値を出力する回路である。第2差分回路54は、
受光素子6の出力値から受光素子52の出力値を差し引
いた差分値を出力する回路である。入射角判定手段55
は、第1、第2差分回路53,54の出力結果を利用し
て、受けた光の入射角の変化量を判定し、その判定結果
から、本実施の形態の傾斜角度検出装置の相対的な傾斜
角度を算出・出力する手段である。
【0040】以上の構成において、次に動作の説明を行
う。図9(a)〜(d)は、法線方向からの入射角を0
として、入射角θの変化に対する、受光素子5,6,5
1,52の出力値PDa(θ)、PDb(θ),PDc
(θ),PDd(θ)を示す図である。PDa(θ)と
PDb(θ)の位相のずれは、上記実施の形態の場合と
同様に1/4周期分だけ+方向にずれている。又、PD
a(θ)とPDc(θ)とは、1/2周期分だけずれて
いる。又、同様にPDb(θ)とPDd(θ)ともこれ
と同様である。
【0041】第1差分回路53は、受光素子5の出力と
受光素子51の出力を得て、その差分を計算して、入射
角判定手段55へ出力する。第1差分回路53の出力値
(PDa(θ)−PDc(θ))の変化を、受光素子
5,51からの出力値の変化と併せて、図10に示す。
第2差分回路54もこれと同様の動作を行う。入射角判
定手段55の動作は、上記実施の形態の入射角判定手段
7と基本的に同じである。
【0042】ここで、このようにして、差分をとる理由
を説明する。即ち、差分をとらずに、受光素子5,6の
出力をそのまま利用すると、次のような不都合が生じる
場合がある。例えば、本傾斜角検出装置を使用する外部
環境が、常に真っ暗であるとは限らないため、図11
(a)に示す様に、測定結果は、環境の光量分の余分な
下駄をはいた状態となる。又、その場合、環境の光量が
変化すると、測定誤差が発生する(図11(b)、
(c)参照)。これを避けるために、上述したように、
受光素子51、52の出力を加味して差分とる。これに
より、上述した余分な光量分を取り除くことが出来、環
境の影響を受けない、しかも誤差の少ない測定が可能と
なる。
【0043】(実施の形態3)図12は、本発明にかか
る更に他の実施の形態の傾斜角検出装置の構成を模式的
に表した概略斜視図であり、同図を参照しながら、本実
施の形態の構成について述べる。図1(a),(b)で
説明したものと同様のものは同じ符号を付した。
【0044】本実施の形態と、上記実施の形態1との主
なる相違点は、第1格子が第1,第2領域に分けられた
点と、それに対応して、第2格子の第1,第2領域内に
おいて、更に2分割された点と、それに応じて受光素子
が4つになった点などである。このような構成としたの
は、上記実施の形態では、入射角の変化方向を、1次元
に限った場合の説明であったのに対して、本実施の形態
では、2次元の変化にも対応出来る様にするためであ
る。
【0045】従って、X,Yのそれぞれの方向につい
て、出力信号は2つ取り出すような構成とする。第1格
子40は、横方向領域41と縦方向領域42の格子を面
内で組み合わせたものである。第2格子43は、X,Y
のそれぞれの方向に対応して横方向領域60と、縦方向
領域70に分けられ、それら各領域について更に、1/
4周期ずれた領域62,71と、ずれのない領域61,
72に分割され、合計4つの領域に分けられている。受
光素子PDX1,PDX2,PDY1,PDY2は、こ
の4つの領域に対応して配置され、受光素子PDX1と
PDX2の出力値が、X方向入射角判定手段95に入力
されてX方向の入射角の変化量が判り、受光素子PDY
1とPDY2の出力値が、Y方向入射角判定手段96に
入力されてY方向の入射角の変化量が判る。これにより
2次元面内に入射する入射角の変化量が特定できる。そ
の他の動作は、上記実施の形態1と同様である。
【0046】ところで、上記構成の傾斜角検出装置(傾
斜角センサ)において、パラメータとして挙げられるの
は、格子間隔d、格子ピッチp、格子の透過部3と遮光
部4のデューティ比等がある。このうち、格子間隔dと
格子ピッチpについては検出感度に直接関係するが、格
子の透過部3と遮光部4のデューティ比は受光素子に達
する受光量に関係し、明暗の周期変化の周期には関係し
ない。
【0047】尚、上記実施の形態では、1/4周期ずら
した領域を有する格子は、第1,第2の2枚のうち、第
2格子即ち受光素子により近い方の格子とした場合につ
いて説明したが、これに限らず例えば、受光素子からよ
り遠い方の第1格子としてももちろんよく、この場合で
も作用、効果は同じである。また、上記実施の形態で
は、格子ピッチpは第1,第2格子において、同じであ
る場合について説明したが、これに限らず例えば、それ
ぞれの格子ピッチが異なっていてもかまわない。但し、
2枚の格子の格子ピッチが異なってくると受光特性が変
わる。2枚の格子の格子ピッチが大きく異なってくると
格子ピッチが大きい方の格子が、小さい方の格子に比べ
て、受光素子に達する光量に対して支配的になり、入射
角依存性の信号が弱くなる。したがって、2枚の格子の
格子ピッチは同ピッチの方が計算も煩雑にならず、又検
出の感度的にも望ましい。ここで、検出感度に関連する
付随的事項について述べる。即ち、2枚の格子の格子ピ
ッチが同じ場合、図13に示す様に、格子ピッチp、格
子間隔d、と入射角Θの関係式は以下の(数3)のよう
に表される。なお格子ピッチは、透過部と遮光部のデュ
ーティー比は1:1とし、透過部と遮光部1ペアで1周
期と考える。図14は、 図13の構成における、入射
角と受光量の関係を示す図である。
【0048】 Θ=Tan-1(p/2d) ・・・・・・・・・・・・・・・(数3) また、分解能をさらに上げる他の例として以下のような
方法がある。即ち、上述したように、2枚の格子のう
ち、どちらか一方に1/4周期ずれた領域を持たせた場
合、ずれていない領域とずれた領域とのそれぞれの入射
角と受光量に関する信号が、お互いに位相がπ/2ずれ
た状態で取り出せる(図15参照)。図15は、ずれて
いない領域を透過した光についての受光量の変化をS
1、1/4周期ずれた領域を透過した光についての受光
量の変化をS2で表した図である。図中S1とS2はお
互いに位相がπ/2ずれており、S1のほうが進んでい
るが、入射角が正か負かでどちらかの信号が進むか、す
なわち右にくるか左にくるかが変わってくる。ここで信
号の値を横軸にS1の受光量(またはS2の受光量)、
縦軸にS2の受光量(またはS1の受光量)をとり、プ
ロットすれば信号S1とS2のリサージュが得られる
(図16参照)。検出される傾斜角というのは受光素子
で感知する明暗を1カウントとして得られるので、信号
の1周期分が検出限界な角度である。すなわち、図16
に示すリサージュ図形における1回転分が検出可能な最
小角である。ここで電気回路処理によって、このリサー
ジュ図形を2分割、4分割、8分割と細分化することに
より、さらに検出可能な最小角の値が小さくでき分解能
を実効的に上げることが出来る。しかし、細分化すれば
理想的には検出感度はどこまでも上げられると思われる
が、電気ノイズなどによりある程度は制限される。
【0049】(実施の形態4)図17は、本発明にかか
る一実施の形態の傾斜角検出装置の構成を模式的に表し
た概略斜視図であり、図18は、同装置の略示平面図で
あり、これらの図を参照しながら、本実施の形態の構成
について述べる。図17に示す様に、第1格子1は、上
記実施の形態1で説明したものと基本的に同じ構成であ
る。上記実施の形態1と同じものには、同じ符号を付し
た。第2格子12は、第1格子1と一定距離を保持しつ
つ平行に設けられ、第1格子1と基本的な構成は同じも
のである。又、双方の格子の配置関係は、第2格子12
の光透過部3の長手方向を基準として、第1格子1の光
透過部3の長手方向が微少角度εだけ傾斜している。描
記しない光源は、第1格子1側にあるものとする。この
光源は、各格子に到達する光束がほぼ平行光とみなせれ
ば、点光源でもよい。又、本発明の光検出手段として
の、3個のフォトダイオード(受光素子とも呼ぶ)PD
1,PD2,PD3は、第2格子12側に設置され、後
述するモアレ縞の移動を検出する手段である。フォトダ
イオードPD1,PD2,PD3は、第2格子12のほ
ぼ中央部で、その光透過部3の長手方向に沿って一列に
配列されている。入射角判定手段97は、フォトダイオ
ードPD1,PD2,PD3からの出力を得て入射光の
角度変化を判定する手段である。
【0050】ここで、モアレ縞を最適に発生させるため
の構成について更に説明する。上述した様に、第1格子
1は、第2格子12を基準とし、格子面の法線方向を軸
として微小角εだけ反時計方向に回転した状態で設置さ
れている。格子ピッチ、格子板の間隔、回転角εは、発
生するモアレ縞の周期を大きい物にして、1列に並んだ
フォトダイオード上に暗縞が1、2本のっている状態に
なる様に、最適に設定する(図18参照)。図18は、
フォトダイオード上にモアレ縞の暗縞98が1本のって
いる状態を示している。尚、2枚の格子の格子ピッチは
同一でなくてもよい。
【0051】以上の構成において、以下に本実施の動作
を説明する。光源から発せられる略平行光は2枚の格子
1,12を経て受光素子に到達するが、このとき光線の
入射角により受光素子に達する光量が周期的に変化す
る。入射角判定手段97が、この周期的に変化する明暗
をカウントすることにより、入射光の角度変化を判定す
る。
【0052】モアレ縞の変化について更に説明する。光
源の位置の移動により、つまり入射角の変化により、モ
アレ縞は、格子の遮光部4の長手方向にほぼ沿うように
移動する。具体的には、図18において、光源が左側か
ら右側に移動(+方向への移動)する場合は、暗縞98
がB方向へ移動し、これとは反対に、光源が右側から左
側に移動(−方向への移動)する場合は、暗縞98がA
方向へ移動する。尚、図18と異なり、第1格子1が微
小角εだけ時計方向に回転した状態で設置されている場
合は、光源の移動方向とモアレ縞の移動方向の関係は、
上述した内容と丁度逆の関係となる。
【0053】従って、入射角の変化により各フォトダイ
オード上で明暗が、A(又はB)方向に周期的に変化す
る。この明暗の変化を受光側に設けられた入射角判定手
段97を用いてカウントすることにより、入射角度が特
定できる。光検出手段は図18に示したように、例えば
3素子のフォトダイオードPD1〜PD3の配置とモア
レ縞のピッチをうまく合わせることによって、位相がπ
/2ずつずれた各PD1〜PD3の出力信号が得られ
る。また、フォトダイオードの数を増やすことによっ
て、モアレ縞の濃度において、最大値、最小値、中間値
を検出すれば、より検出感度を上げることが可能であ
る。
【0054】(実施の形態5)図19は、本発明にかか
る一実施の形態の頭部搭載型映像表示装置の外観を表し
た斜視図、図20は、同装置の構成を模式的に表した略
示構成図であり、これらの図を参照しながら、本実施の
形態の構成及び動作について述べる。本実施の形態は、
頭部搭載型の映像表示装置80に対して、上述した実施
の形態で既に説明した傾斜角測定装置81を、頭部の動
きを検出するセンサとして付加する構成である。保持手
段82は、傾斜角測定装置81を頭部の上面に固定・保
持するための手段であり、表示手段83と一体構造をな
している。保持手段82は、略リング形状であり、使用
者が装着した時に、その内周面が後頭部上側から目のあ
たりに沿うように形成されている。表示手段83は、傾
斜角測定装置81からの出力に基づいて映像を表示する
ための手段であり、頭部搭載型の映像表示装置80を装
着した時に、丁度目のあたりにくるように配置されてい
る。これにより、頭部の動きに追従した映像を映像表示
手段83に表示することができる。
【0055】この用法の傾斜角検出装置はヘッドモーシ
ョンセンサと呼ばれ、図21に示すように頭部を向けた
方向に対応した映像、具体的にはCGによる映像などを
表示することによって、実効的に表示画角を上げること
が出来る。このことはVR(バーチャル・リアリティ
ー)などの用途において現実感の向上に大きく寄与する
ものである。
【0056】傾斜角検出装置81の構成について、図2
0を参照しながら更に詳細に述べる。同図に示したよう
に、傾斜角検出装置81は、上記実施の形態で説明した
1方向(1次元)の2枚の格子と1個の受光素子を1ペ
アとし、それぞれを図13のように直交させて配置す
る。即ち、X方向センシングユニット84は、X方向の
角度変化の検出用として、格子81X1,81X2、及び
受光素子PDXを所定間隔を有して平行配列したもので
ある。又、Y方向センシングユニット85は、Y方向の
角度変化の検出用として、格子81Y1,81Y2、及び
受光素子PDYを所定間隔を有して平行配列したもので
ある。ここで、X方向の動きとは、頭部を左右に傾ける
動きをいい、Y方向の動きとは、頭部を前後に傾ける動
きをいうものとする。これらX,Y方向の動きは、天井
に取り付けられた光源87を利用して判定する。又、頭
部を左右にねじる場合の動きを、首振り方向の動きとし
て、この動きを、頭部前部に配した首振り方向センシン
グユニット86により検出する。このために用いる光源
88は、利用者の正面に配置されている。何れのセンシ
ングユニットにおいても、光源からの光の入射角の変化
を検出する動作は、既に上記実施の形態で説明した内容
と基本的に同じである。
【0057】これにより、3次元での位置、即ち基準位
置に対する頭部の向きの検出が可能となる。この位置情
報をCG映像を表示する側にフィードバックすることに
よって、その方向の映像を表示し、表示画角を上げるこ
とが出来る。ここで、本方式によって検出できる角度は
相対角である。従って、絶対角度を求める場合は、次に
述べる様な測定開始時における初期設定動作が必要とな
る。そのためには、頭部搭載型の映像表示装置80の本
体に目印を設け、さらに外部に別の目印を設けておき、
それら目印の向きが合致したか否かを検出出来る検出器
が必要である。具体的には、利用者が、頭部搭載型の映
像表示装置80を装着した時、予め定められた外部の別
の目印の方向を必ず見る様にさせて、双方の目印の向き
が合致したことを条件として、上記実施の形態1に述べ
たリセット動作を行うことによって、測定開始時点の入
射角を原点とする絶対角度の判定が出来る。
【0058】あるいは、重りや液体などを用いた傾斜セ
ンサと組み合わせることによって傾斜センサのゼロ点の
時にリセットすることにより絶対角とすることが出来
る。また、他のセンサと組み合わせても良い。例えば、
光源を天井などに設け、2軸の傾斜角を本センサで、首
振り方向(光軸回り)の回転角を地磁気コンパスなど、
他の角度センサで検出するなど、状況に応じて適した物
を組み合わせることにより、VRの用途に用いられるシ
ステム自体のトータル性能を上げることができる。
【0059】尚、上記実施の形態では、+方向,−方向
の判定も含めた入射角の変化量の判定をするために、第
2格子2に第1,第2の領域を設けて、受光素子から
の、周期のずれた2つの出力値(図6参照)を利用する
場合について説明したが、これに限らず例えば、上述し
た初期設定動作を行うことを前提とすれば、第1,第2
領域の2つの領域の何れか一方だけでも同様の効果を得
ることが出来る。但し、この場合、初期設定動作の結
果、測定開始時点の入射角即ち、原点における受光素子
の出力値(受光量に対応)が、ピーク値を取らない様に
構成することが重要となる。この様な構成の実現に関与
するものとしては、第1格子と第2格子の格子間におけ
る光透過部のずれ具合、上記目印の位置、光源の位置等
が挙げられる。測定開始時点において、出力値がピーク
値を取る構成とすると、入射角の変化特性が、原点を中
心として、+方向と−方向が対称形状となり、入射角の
変化方向が判定出来ないからである。尚、入射角の変化
方向が変化の途中において、出力値がピーク値となると
ころで反転した場合のみ、その反転動作を検出すること
が出来ないが、頭部搭載型の映像表示装置等に利用する
上では、実質上問題とはならない。又、他のセンサで簡
単に検出出来る。
【0060】以上、実施の形態に基づいて説明したが、
本明細書中には、以下の発明が含まれる。第1の発明
は、光透過部が格子状に形成された格子手段が、複数個
実質上対向して配置され、それら複数の格子手段を透過
する光量の変化を検出する光検出手段が、それら格子手
段の片方側に設けられ、その検出結果を利用して、受け
た光の入射角の変化量を判定する入射角判定手段が設け
られている角度検出装置である。
【0061】この発明に関する実施の形態は、実施の形
態1,2,3,4,5が対応する。これにより、光の入
射角変化の検出レンジを落とすことなく従来に比べて検
出精度をより一層向上出来、しかも、従来に比べてより
一層小型化が図れる。第2の発明は、前記受けた光は実
質上平行光であり、前記複数の格子手段は、2枚の板状
体であって、所定間隔を保ちつつ互いに実質上平行に配
置されており、更に、前記受けた光の入射角の変化に応
じて、前記透過する光量が周期的に変化する様に前記光
透過部の配置が調整されている第1の発明の角度検出装
置である。
【0062】この発明に関する実施の形態は、実施の形
態1,2,3,5が対応する。これにより例えば、光源
から発せられる略平行光は2枚の格子を経て受光素子に
到達するが、このとき光束の入射角により受光素子に達
する光量が周期的に変化する。この周期的に変化する明
暗を受光素子以降でカウントすれば入射光の角度変化が
判る。角度検出の検出感度は格子のピッチと2枚の格子
の間隔という2つのファクタに依存するが、格子ピッチ
のみを変化させることによって、検出レンジに影響を出
すことなく検出感度を変えられる。すなわち、検出分解
能が高い、かつ薄型な角度検出装置が実現できる。
【0063】第3の発明は、前記一方の格子手段の光透
過部のピッチと大きさは、実質上同じであり、又、前記
他方の格子手段の光透過部のピッチと大きさは、実質上
同じであり、更に、双方の格子手段の光透過部のピッチ
と大きさも、実質上同じである第2の発明の角度検出装
置である。この発明に関する実施の形態は、実施の形態
1,2,3,5が対応する。
【0064】これにより、光の入射角変化の検出レンジ
を落とすことなく従来に比べて検出精度をより一層向上
出来、しかも、従来に比べてより一層小型化が図れる。
第4の発明は、前記一方の格子手段の光透過部のピッチ
と大きさは、実質上同じであり、又、前記他方の格子手
段は、第1領域、第2領域に別れており、前記第1領域
の光透過部のピッチと大きさは、実質上同じであり、又
前記第2領域の光透過部のピッチと大きさは、実質上同
じであり、前記一方の格子手段の光透過部のピッチと大
きさと、前記第1領域の光透過部のピッチと大きさと、
前記第2領域の光透過部のピッチと大きさも、互いに実
質上同じであり、前記第1領域の光透過部と前記一方の
光透過部との重なり具合が、前記第2領域の光透過部と
前記一方の光透過部との重なり具合と異なっており、前
記他方の第1領域と、第2領域に対応して前記光検出手
段が分割・配置されている第2の発明の角度検出装置で
ある。
【0065】この発明に関する実施の形態は、実施の形
態1が対応する。これにより、例えば、1/4周期ずれ
た領域とそうでない領域では明暗の入射依存性の位相が
π/2ずれるのでそれを検出することにより、入射角が
+方向か−方向かが判別できる。第5の発明は、前記一
方の格子手段は、第1領域、第2領域に別れており、前
記第1領域の光透過部のピッチと大きさは、実質上同じ
であり、又前記第2領域の光透過部のピッチと大きさ
は、実質上同じであり、又、前記他方の格子手段は、第
1領域、第2領域に別れており、前記他方の第1領域の
光透過部のピッチと大きさは、実質上同じであり、又前
記他方の第2領域の光透過部のピッチと大きさは、実質
上同じであり、前記一方の第1領域と、前記一方の第2
領域と、前記他方の第1領域と、前記他方の第2領域
の、それぞれの領域の光透過部のピッチと大きさは、互
いに実質上同じであり、前記一方の第1領域の光透過部
と前記他方の第1領域の光透過部の重なり具合と、前記
一方の第1領域の光透過部と前記他方の第2領域の光透
過部の重なり具合と、前記一方の第2領域の光透過部と
前記他方の第1領域の光透過部の重なり具合と、前記一
方の第2領域の光透過部と前記他方の第2領域の光透過
部の重なり具合とが、相互に異なっており、前記一方の
第1、第2領域と、前記他方の第1、第2領域とに対応
して前記光検出手段が分割・配置されている第2の発明
の角度検出装置である。
【0066】この発明に関する実施の形態は、実施の形
態2が対応する。これにより例えば、1つの格子におい
て2つの領域を有しており、2枚の格子で受光量の入射
角依存性において計4つの信号が作り出せる。第6の発
明は、前記受けた光の入射角の変化量の判定のスタート
において、前記光の発光源の方向と、前記格子手段の向
きと、前記光透過部のずれ方との相対的な位置関係を、
前記スタートにおける前記光検出手段により受光される
受光量が、前記周期的受光量特性のピーク値となること
を避ける様に調整しておく第3の発明の角度検出装置で
ある。
【0067】これにより、光の入射角変化の検出レンジ
を落とすことなく従来に比べて検出精度をより一層向上
出来、しかも、従来に比べてより一層小型化が図れる。
第7の発明は、光透過部が格子状に形成された格子手段
が、複数個実質上対向して配置され、それら複数の格子
手段を透過する透過光により形成されるモアレ縞の変化
を検出する光検出手段が、それら格子手段の片方側に設
けられ、その検出結果を利用して、受けた光の入射角の
変化量を判定する入射角判定手段が設けられている角度
検出装置である。
【0068】この発明に関する実施の形態は、実施の形
態4が対応する。これにより、光の入射角変化の検出レ
ンジを落とすことなく従来に比べて検出精度をより一層
向上出来、しかも、従来に比べてより一層小型化が図れ
る。第8の発明は、前記受けた光は実質上平行光であ
り、前記複数の格子手段は、2枚の板状体であって、所
定間隔を保ちつつ互いに実質上平行に、且つ、前記一方
の格子手段の光透過部の長手方向を基準として、他方の
格子手段の光透過部の長手方向が所定角度傾斜して配置
されており、前記受けた光の入射角の変化に応じて、前
記モアレ縞が前記光検出手段上を移動する第7の発明の
角度検出装置である。
【0069】この発明に関する実施の形態は、実施の形
態4が対応する。これにより例えば、2枚の格子を、格
子面の法線方向を軸として微小角回転させることによっ
て発生するモアレ縞は、入射角によって移動する。この
明暗を受光側でカウントすることにより入射角を特定で
きる。格子を回転させるだけでよいので装置の構成が簡
略であり、製作性がよい。
【0070】第9の発明は、第1の発明、又は第7の発
明の角度検出装置を頭部に固定・保持する保持手段と、
前記角度検出装置からの出力に基づいて、映像を表示す
るための映像表示手段とを備えた頭部搭載型映像表示装
置である。この発明に関する実施の形態は、実施の形態
5が対応する。これにより、光の入射角変化の検出レン
ジを落とすことなく検出精度をより一層向上させること
が出来る。
【0071】これにより例えば、頭部搭載型の映像表示
装置に上記の傾斜角測定装置を付加することにより、頭
部の動きが検出でき、検出された頭部の方向に応じて、
映像を表示することによって、実効的に表示画角を上げ
ることが出来、VRなどの用途において現実感の向上が
はかれる。このとき、頭部に装着する装置にとりつける
ために要求されるスリムさと、望まれる高い検出感度の
双方が本願の検出装置により達成できる。
【0072】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、光の入射角変化の検出レンジを落とすことなく
従来に比べて検出精度をより一層向上出来、しかも、従
来に比べてより一層小型化が図れるという長所を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明にかかる一実施の形態の傾斜角
検出装置の構成を模式的に表した概略斜視図 (b):本発明にかかる一実施の形態の第1,第2格子
の光透過部のずれの関係を説明するための図
【図2】図1(a)に示す傾斜角検出装置の略示側面図
【図3】(a)〜(c):入射角の変化による、受光素
子側の受光量の増減を模式的に示した図
【図4】本実施の形態の一方の受光素子の受光量の周期
的変化の様子を示す図
【図5】本実施の形態の他方の受光素子の受光量の周期
的変化の様子を示す図
【図6】本実施の形態の双方の受光素子の出力値の変化
を示す図
【図7】(a):入射角がθ1である場合の、第1格子
1,第2格子2を透過する光の様子を模式的に表した本
装置の略示側面図 (b):入射角が−θ1である場合の、第1格子1,第
2格子2を透過する光の様子を模式的に表した本装置の
略示側面図
【図8】本発明にかかる他の実施の形態の傾斜角検出装
置の構成を模式的に表した概略斜視図で
【図9】(a)〜(d):図8の装置における、入射角
θの変化に対する、各受光素子の出力値の変化を示す図
【図10】図8の装置における第1差分回路の出力値の
変化と、各受光素子からの出力値の変化とを併せて示し
た図
【図11】(a)〜(c):環境の光量変化により、測
定誤差が発生する様子を説明するための図
【図12】本発明にかかる更に他の実施の形態の傾斜角
検出装置の構成を模式的に表した概略斜視図
【図13】実施の形態における、2枚の格子の、格子ピ
ッチp、格子間隔d、入射角Θの関係を示す格子の略示
側面図
【図14】図13の構成における、入射角と受光量の関
係を示す図
【図15】実施の形態における、入射角と受光量に関す
る信号がお互いに位相がπ/2ずれた状態を示す図
【図16】図15の2つの信号を利用して作成したリサ
ージュの図
【図17】本発明にかかる一実施の形態の傾斜角検出装
置の構成を模式的に表した概略斜視図
【図18】図17に示す装置の略示平面図
【図19】本発明にかかる一実施の形態の頭部搭載型映
像表示装置の外観斜視図
【図20】本実施の形態の構成を模式的に表した略示構
成図
【図21】本実施の形態の頭部搭載型映像表示装置のバ
ーチャル・リアリティーへの利用を示す図
【図22】従来の傾斜角度検出装置の略示斜視図
【図23】従来の他の傾斜角度検出装置の略示斜視図
【符号の説明】
1 第1格子 2 第2格子 3 光透過部 4 遮光部 5,6 受光素子 7 入射角判定手段 8 最大・最小判定回路 21 第1領域 22 第2領域 53 第1差分回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過部が格子状に形成された格子手段
    が、複数個実質上対向して配置され、 それら複数の格子手段を透過する光量の変化を検出する
    光検出手段が、それら格子手段の片方側に設けられ、 その検出結果を利用して、受けた光の入射角の変化量を
    判定する入射角判定手段が設けられていることを特徴と
    する角度検出装置。
  2. 【請求項2】 光透過部が格子状に形成された格子手段
    が、複数個実質上対向して配置され、 それら複数の格子手段を透過する透過光により形成され
    るモアレ縞の変化を検出する光検出手段が、それら格子
    手段の片方側に設けられ、 その検出結果を利用して、受けた光の入射角の変化量を
    判定する入射角判定手段が設けられていることを特徴と
    する角度検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の角度検出装
    置を頭部に固定・保持する保持手段と、 前記角度検出装置からの出力に基づいて、映像を表示す
    るための映像表示手段と、を備えたことを特徴とする頭
    部搭載型映像表示装置。
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