JP3697828B2 - 原稿角度補正方法及び原稿角度補正装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、各種原稿読み取り装置で傾いた状態の原稿を読み取った際に傾き検出及び傾き補正を行って原稿角度補正をすることが可能な原稿角度補正方法及び原稿角度補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スキャナ,ファクシミリ装置,ディジタル複写機などの各種画像読み取り装置において、読み取り状態によって傾いた状態で読み取ることがある。また、傾きが一切ない状態で読み取ることは極めて困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
(1)このような場合には、読み取った原稿の画像データに含まれる文字の並びを抽出し、その文字の並びの傾きを検出することにより、原稿の傾きを求めるようにしていた。
【0004】
このような原稿の傾きの検出は、計算が複雑であり、多くのメモリを使用するという問題があった。また、故意に文字の並びを傾けたレイアウトの原稿では、原稿自体の傾きを正確に求められないという問題もあった。
【0005】
(2)また、求められた傾きを補正する場合、三角関数を使い、マトリクス演算を行うアフィン変換を行うことが一般的であった。このアフィン変換では、計算量が多く、装置が複雑化するといった問題があった。また、処理の際には、処理前の画像データと処理後の画像データとの両方を一時的に蓄積しておく必要があり、多くのメモリも必要であった。
【0006】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複雑な計算や装置を必要とせずに、簡易に傾きを検出し補正することが可能な原稿角度補正方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
従って、課題を解決する手段としての発明は、以下に説明するものである。
(1)請求項1記載の発明は、原稿を読み取って生成した画像データに含まれる原稿の縁の情報により原稿の傾き角を検出する工程と、原稿を読み取る読み取り手段の読み取り速度を変えて読み取ることで副走査方向への変倍を行って大きさの補正を行う変倍工程と、前記変倍工程の後に行われる工程であって、主走査方向と副走査方向を有する画像データを、原稿の傾き角に応じて一方の方向へシフトした後に、他方の方向へシフトして傾きの補正を行うデータシフト処理工程と、を有することを特徴とする原稿角度補正方法である。
【0012】
この請求項1記載の原稿角度補正方法の発明では、読み取った画像データに含まれる原稿の縁の情報を抽出し、この原稿の縁の情報から原稿の傾きを検出している。この原稿の縁の情報は、画像データの信号変化タイミングにより抽出することが可能である。
【0013】
従って、画像データに含まれる文字の並びの傾きを検出する必要はなく、複雑な計算や多くのメモリも必要ない。そして、原稿中に傾いた文字列が存在していても、誤動作することもない。
【0014】
また、原稿の傾き角に応じた変倍処理とデータシフト処理を行うことにより、原稿の傾きの補正を行うようにしている。この傾きの補正では、傾き角に応じてデータを縦方向及び横方向にシフト処理して傾きを除去し、このシフト処理により生じた大きさの変化を、傾き角に応じた変倍処理により戻すようにしている。尚、変倍処理とデータシフト処理とは、いずれを先にしてもよい。
【0015】
従って、三角関数を用いてマトリクス演算を行うアフィン変換を行う必要はなく、また、処理前と処理後の両方の画像データを保持する必要もなく、膨大な計算や多くのメモリを搭載した複雑な演算装置は必要なくなる。
【0016】
このため、複雑な計算や装置を必要とせずに、簡易に傾きを検出し補正することが可能な原稿角度補正方法を実現できる。
【0022】
(2)請求項2記載の発明は、原稿を読み取り画像データを生成する読み取り手段と、画像データから原稿の縁を抽出して原稿の傾き角を検出する傾き検出手段と、画像データの傾きの補正を行う傾き補正手段と、を備え、前記傾き補正手段は、主走査方向と副走査方向を有する画像データを、原稿の傾き角に応じて大きさと傾きとを補正するため、変倍処理と、該変倍処理の後にデータシフト処理とを行うものであって、前記変倍処理における副走査方向への変倍処理が、原稿を読み取る前記読み取り手段の読み取り速度を変えて読み取ることで、副走査方向へ変倍された画像データを生成する処理であり、前記データシフト処理は主走査方向と副走査方向を有する画像データを、原稿の傾き角に応じて一方の方向へシフトした後に、他方の方向へシフトする処理である、ことを特徴とする原稿角度補正装置である。
【0023】
この請求項2記載の原稿角度補正装置の発明では、読み取った画像データに含まれる原稿の縁の情報を抽出し、この原稿の縁の情報から原稿の傾きを検出している。この原稿の縁の情報は、画像データの信号変化タイミングにより抽出することが可能である。
【0024】
従って、画像データに含まれる文字の並びの傾きを検出する必要はなく、複雑な計算や多くのメモリも必要ない。そして、原稿中に傾いた文字列が存在していても、誤動作することもない。
【0025】
また、原稿の傾き角に応じた変倍処理とデータシフト処理を行うことにより、原稿の傾きの補正を行うようにしている。この傾きの補正では、傾き角に応じてデータを縦方向及び横方向にシフト処理して傾きを除去し、このシフト処理により生じた大きさの変化を、傾き角に応じた変倍処理により戻すようにしている。尚、変倍処理とデータシフト処理とは、いずれを先にしてもよい。
【0026】
従って、三角関数を用いてマトリクス演算を行うアフィン変換を行う必要はなく、また、処理前と処理後の両方の画像データを保持する必要もなく、膨大な計算や多くのメモリを搭載した複雑な演算装置は必要なくなる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態例について図面を参照しつつ説明する。
<原稿角度補正装置の構成>
図1は本発明の各実施の形態例における原稿角度補正装置、または、本発明の各実施の形態例の原稿角度補正方法を実施する装置の一例を示す構成図である。
【0032】
この図1において、スキャナ10は原稿画像を読み取る読み取り手段を構成するであり、画像データを生成するものである。
角度検出部20は画像データに含まれる原稿の縁の情報を抽出し、この原稿の縁の情報から原稿の傾きを検出する傾き検出手段を構成するものであり、画像データの信号変化タイミングを参照して原稿の縁の情報や傾きを検出するものである。
【0033】
変倍処理部30は後述するデータシフト処理によって生じる原稿サイズの変化を除去するために主走査方向変倍と副走査方向変倍とを実行するもので、傾き補正手段の一部を構成している。
【0034】
多値化部40は変倍処理された画像データを画像メモリでの処理階調に合わせて多値データに変換する変換手段である。
画像メモリ50は傾きに応じてデータシフト処理を実行する際の作業エリアであり、傾き補正手段の一部の構成する角度補正部60により画像データのデータシフト処理が行われる。
【0035】
プリンタ70は傾き角の補正が行われた原稿の画像データをプリントする出力手段である。
<原稿角度補正装置の動作、原稿角度補正方法の手順>
ここで、図2のフローチャート及び図3以降の説明図を参照して、本実施の形態例の原稿角度補正装置の動作及び原稿角度補正方法の処理手順の説明を行う。
【0036】
尚、本発明では原稿角度補正として変倍処理とデータシフト処理とを行うようにしているため、データシフト処理した後に変倍処理を行うことも考えられるが、この実施の形態例では変倍処理の後にデータシフト処理を行うものについて説明する。このように変倍処理の後にデータシフト処理を行うものは、スキャナ10において副走査方向の変倍処理を行う装置に適している。
【0037】
[角度検出]
まず、スキャナ10が予備スキャンを行い、画像データを生成する(図2S1)。この際、後述するように原稿の縁を抽出する必要があるため、スキャナ10のプラテンカバー(原稿の周囲の読み取られる面)は、原稿の地肌とは異なる濃度,反射率を有することが必要である。
【0038】
尚、原稿の地肌とは異なる濃度,反射率とは、原稿地肌より濃い色や、逆に原稿地肌より高い反射率を有する色(蛍光色や金属光沢)などが該当する。また、このような濃度,反射率を有する面は、プラテンカバーの全面であってもよいし、傾いた原稿の周囲をもれなくカバーできる部分的な範囲であってもよい。
【0039】
以上のようにして得られたプラテンカバーをも読み取って生成した画像データについて、角度検出部20は画像データに含まれる原稿の縁の情報を抽出し、この原稿の縁の情報から原稿の傾きを検出する(図2S2)。
【0040】
ここでは、X軸方向(読み取りのセンサの方向)を主走査方向、Y軸方向(読み取る際のセンサの移動方向、若しくは原稿の送り方向)を副走査方向として説明を行う。
【0041】
図3(a)はセンサの側から見た原稿とプラテンカバーの様子を模式的に示したもので、低反射率(高濃度)のプラテンカバーと角度θに傾いた原稿が配置された様子を示している。
【0042】
このように配置された原稿をスキャナ10で読み取った場合、受光信号は図3(b)▲1▼〜▲8▼のようになる。ここでは、説明を簡略化するために▲1▼〜▲8▼の8本の受光信号のプロファイルを示している。
【0043】
すなわち、あるラインのプロファイルに注目すると、原稿の領域外(プラテンカバー面)ではプロファイルは一様な低輝度を示しており、原稿端にたどり着くと高輝度の立ち上がりを示す。そして、ほぼ一様な高輝度を続け、反対側の原稿端で低輝度への立ち下がりを示す。そして、プラテンカバーの端部まで低輝度が続く。尚、原稿が全く存在しない領域では、低輝度のままである。
【0044】
そして、このような画像データにおいてY方向に順に見ていくと、立ち上がりはPaで発生した後、徐々にXの値を小さくしながらPcに達した後、急激にXの値を大きくしてPdに達した後に消滅する。
【0045】
また、このような画像データにおいてY方向に順に見ていくと、立ち下がりはPaで発生した後、急激にXの値を大きくしながらPbに達した後、徐々にXの値を小さくしてPdに達した後に消滅する。
【0046】
このようにして、立ち上がりと立ち下がりのタイミングを監視することで、原稿の四隅であるPa,Pb,Pc,Pdの位置を求められる。尚、このようにして立ち上がりと立ち下がりとを見出す際には、1〜5ライン前と注目ラインとの差を求めることで容易に検出できる。
【0047】
すなわち、角度検出部20は、まず原稿の縁の情報として四隅の位置データを求め記憶しておく。尚、この位置データについて、Pa=(xa ,ya )、Pb=(xb ,yb )、Pc=(xc ,yc )、Pd=(xd ,yd )とする。
【0048】
そして、角度検出部20は、上述した位置データより原稿の傾き角θを以下のようにして求める。
θ=tan-1{(yb −ya )/(xb −xa )}
または、
θ=tan-1{(yd −yc )/(xd −xc )}
尚、以上の場合には、原点(x=0,y=0)に一番近い原稿の隅の位置Paを原稿基準点として定めている。
【0049】
[変倍処理]
この実施の形態例では、後述するデータシフト処理によって最初にY軸の傾きを修正し、次にX軸の傾きを修正するようにしている。このため、Y軸(副走査方向)で大きさがcosθ倍になり、X軸(主走査方向)で大きさが1/cosθになる。従って、このようなデータシフト処理によって生じる原稿サイズの変化を除去するために主走査方向変倍と副走査方向変倍とを実行する。
【0050】
但し、傾き角が小さい場合には、後述するデータシフト処理によって生じる原稿サイズの変化はわずかである。従って、原稿サイズの変化が問題にならない程度である場合には、この変倍処理を省略することが可能である。
【0051】
まず、以上のようにして求めた原稿の傾き角θに対して、副走査方向が1/cosθ倍になるような変倍処理を行う。
すなわち、読み取り速度によって副走査方向の変倍が可能なスキャナ10にあっては、変倍処理部30からの副走査方向変倍データを参照して、スキャン速度を通常の1/cosθ倍にして本スキャンを実行することで読み取りと副走査方向の変倍とを行って、画像データを生成する(図2S3)。
【0052】
そして、このようにして副走査方向の変倍が行われた画像データについて、主走査方向がcosθ倍になるような変倍処理を行う。すなわち、変倍処理部30内で線形補間を行うことで、主走査方向の変倍を行って画像データを生成する(図2S4)。
【0053】
このようにして主走査方向と副走査方向との変倍処理を行った画像データについて、誤差拡散法やディザ法などの画像サイズを圧縮可能な多値化処理を多値化部40で行なうようにする。そして、多値化された画像データは画像メモリ50に記憶される。
【0054】
以上のようにして変倍処理された画像データは、主走査方向と副走査方向とに別々の倍率で変倍処理されているため、元は長方形(図4(a))であったものが平行四辺形(図4(b))になっている。
【0055】
ここで、図4(b)のようにY軸と変倍後の原稿がなす角をθ’、X軸と変倍後の原稿がなす角をθ”とすると、
θ’=tan-1(tanθ・cos2θ)
θ”=tan-1(tanθ/cos2θ)
と表すことができる。
【0056】
[データシフト処理]
このデータシフト処理では、最初にY軸の傾きを修正(X方向シフト処理)し、次にX軸の傾きを修正(Y方向シフト処理)するようにしている(図2S5)。
【0057】
すなわち、図5(a)においてデータシフト処理前の原稿画像データについて、Pa−PcをY軸に一致させるように、原稿画像データの各ピクセルの内容をX軸に平行な方向にシフトさせる。このデータシフト処理の際には、Y軸方向にはシフトしないようにする。
【0058】
この場合、Y軸に接している(若しくは、Y軸に一番近い)点Pcを原稿基準点(X,Y)として、Y軸に対する傾きに応じた量Iだけシフトさせるようにする。
【0059】
ここで、原稿画像データ内の任意の点(x,y)の移動量Iは、画像データ領域の始点を(x0 ,y0 )とした場合、以下の式で求めることができる。
I=(y−Y)・tanθ’−(X−x0 )
ここでは、Y=y0 =0,x0 =0であるので、
I=y・tanθ’−X
と表すことができる。
【0060】
従って、Y軸方向の位置が等しいデータは等しい移動量であるので、データシフト処理前の原稿画像データを図6(a)のようにY軸に垂直なX軸方向のピクセル同士でまとめておいて、上記移動量Iに従ってシフトさせて図6(b)のようにすることが可能である。
【0061】
この処理はX軸方向の単なる移動であり、かつ、複数の画素をまとめて行うことが可能であるので、従来のアフィン変換のような画素毎の計算を行う必要が無く、迅速に行うことが可能である。
【0062】
以上のようなX方向シフト処理により、原稿画像データは図5(a)の太実線のようなPa’−Pc−Pb’−Pd’になる。この場合の∠PaPa’Pb’をδとすると、
のように、θの関数で表すことができる。
【0063】
この場合、X軸に接している(若しくは、X軸に一番近い)点Pa’を原稿基準点(X,Y)として、X軸に対する傾きに応じた量Jだけシフトさせるようにする。
【0064】
ここで、原稿画像データ内の任意の点(x,y)の移動量Jは、画像データ領域の始点を(x0 ,y0 )とした場合、以下の式で求めることができる。
J=(x−X)・tanδ−(Y−y0 )
ここでは、J<0では図5の上方向、J>0では図5の下方向に移動させるようにする。
【0065】
また、ここでは、X=x0 =0,Y=y0 =0であるので、
J=−x・tanδ
と表すことができる。
【0066】
従って、X軸方向の位置が等しいデータは等しい移動量であるので、データシフト処理前の原稿画像データを図7(a)のようにX軸に垂直なY軸方向のピクセル同士でまとめておいて、上記移動量Jに従ってシフトさせて図7(b)のようにすることが可能である。
【0067】
この処理はY軸方向の単なる移動であり、かつ、複数の画素をまとめて行うことが可能であるので、従来のアフィン変換のような画素毎の計算を行う必要が無く、迅速に行うことが可能である。
【0068】
以上のようなデータシフト処理により、角度補正部60によって画像メモリ50内の画像データが、原稿の傾きがなくなるように補正される。そして、このように傾きの補正された画像データがプリンタ70に送られて、転写紙上に傾きのない画像が形成される。
【0069】
<その他の実施の形態例>
以上の実施の形態例では、副走査方向の軸に対する傾きを補正した後に主走査方向の軸に対する傾きを補正するようにしたが、この順序を逆にすることも可能である。その際には、画像データの変形の様子が縦横逆になるので、変倍処理を上述したものと縦横を逆にする必要がある。
【0070】
また、上述した実施の形態例では変倍処理の後にデータシフト処理を行ったが、この順序を逆にすることも可能である。尚、変倍処理を後に行う場合には画像メモリ50上で変倍処理を行うことになる。
【0071】
<各実施の形態例により得られる効果>
以上の原稿角度補正では、読み取った画像データに含まれる原稿の縁の情報を抽出し、この原稿の縁の情報から原稿の傾きを検出している。この原稿の縁の情報は、画像データの信号変化タイミングにより抽出することが可能であり、画像データに含まれる文字の並びの傾きを検出する必要はなく、複雑な計算や多くのメモリも必要ない。そして、原稿中に傾いた文字列が存在していても、誤動作することもない。
また、原稿の傾き角に応じたデータシフト処理を行うことにより、原稿の傾きの補正を行うようにしている。この傾きの補正では、傾き角に応じてデータを縦方向及び横方向にシフト処理して傾きを除去するようにしている。従って、三角関数を用いてマトリクス演算を行うアフィン変換を行う必要はなく、また、処理前と処理後の両方の画像データを保持する必要もなく、膨大な計算や多くのメモリを搭載した複雑な演算装置は必要なくなる。
【0072】
このため、複雑な計算や装置を必要とせずに、簡易に傾きを検出し補正することが可能な原稿角度補正を実現できる。そして、以上のように膨大な計算や多くのメモリが不要になるため、廉価な装置で構成することが可能である。
【0073】
また、必要に応じて、原稿の傾き角に応じた変倍処理とデータシフト処理の両方の処理を行うことにより、原稿の傾きの補正を行うようにしている。この傾きの補正では、傾き角に応じてデータを縦方向及び横方向にシフト処理して傾きを除去し、このシフト処理により生じた大きさの変化を、傾き角に応じた変倍処理により戻すようにしている。従って、三角関数を用いてマトリクス演算を行うアフィン変換を行う必要はなく、また、処理前と処理後の両方の画像データを保持する必要もなく、膨大な計算や多くのメモリを搭載した複雑な演算装置は必要なくなる。
【0074】
このため、複雑な計算や装置を必要とせずに、簡易に傾きを検出し補正することが可能な原稿角度補正を実現できる。そして、以上のように膨大な計算や多くのメモリが不要になるため、廉価な装置で構成することが可能である。
【0075】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、この明細書に記載の各発明によれば以下のような効果が得られる。
【0079】
(1)請求項1記載の原稿角度補正方法の発明では、原稿を読み取って生成した画像データに含まれる原稿の縁の情報により原稿の傾き角を検出する工程と、原稿を読み取る読み取り手段の読み取り速度を変えて読み取ることで副走査方向への変倍を行って大きさの補正を行う変倍工程と、前記変倍工程の後に行われる工程であって、主走査方向と副走査方向を有する画像データを、原稿の傾き角に応じて一方の方向へシフトした後に、他方の方向へシフトして傾きの補正を行うデータシフト処理工程と、を有している。従って、画像データに含まれる文字の並びの傾きを検出する必要はなく、複雑な計算や多くのメモリも必要ない。そして、原稿中に傾いた文字列が存在していても、誤動作することもない。
【0080】
また、原稿の傾き角に応じた変倍処理とデータシフト処理を行うことにより、原稿の傾きの補正を行うようにしている。この傾きの補正では、傾き角に応じてデータを縦方向及び横方向にシフト処理して傾きを除去し、このシフト処理により生じた大きさの変化を、傾き角に応じた変倍処理により戻すようにしている。
【0081】
従って、三角関数を用いてマトリクス演算を行うアフィン変換を行う必要はなく、また、処理前と処理後の両方の画像データを保持する必要もなく、膨大な計算や多くのメモリを搭載した複雑な演算装置は必要なくなる。このため、複雑な計算や装置を必要とせずに、簡易に傾きを検出し補正することが可能な原稿角度補正方法を実現できる。
【0086】
(2)請求項2記載の原稿角度補正装置の発明では、原稿を読み取り画像データを生成する読み取り手段と、画像データから原稿の縁を抽出して原稿の傾き角を検出する傾き検出手段と、画像データの傾きの補正を行う傾き補正手段と、を備え、前記傾き補正手段は、主走査方向と副走査方向を有する画像データを、原稿の傾き角に応じて大きさと傾きとを補正するため、変倍処理と、該変倍処理の後にデータシフト処理とを行うものであって、前記変倍処理における副走査方向への変倍処理が、原稿を読み取る前記読み取り手段の読み取り速度を変えて読み取ることで、副走査方向へ変倍された画像データを生成する処理であり、前記データシフト処理は主走査方向と副走査方向を有する画像データを、原稿の傾き角に応じて一方の方向へシフトした後に、他方の方向へシフトする処理である。
【0087】
従って、画像データに含まれる文字の並びの傾きを検出する必要はなく、複雑な計算や多くのメモリも必要ない。そして、原稿中に傾いた文字列が存在していても、誤動作することもない。
【0088】
また、原稿の傾き角に応じた変倍処理とデータシフト処理を行うことにより、原稿の傾きの補正を行うようにしている。この傾きの補正では、傾き角に応じてデータを縦方向及び横方向にシフト処理して傾きを除去し、このシフト処理により生じた大きさの変化を、傾き角に応じた変倍処理により戻すようにしている。
【0089】
従って、三角関数を用いてマトリクス演算を行うアフィン変換を行う必要はなく、また、処理前と処理後の両方の画像データを保持する必要もなく、膨大な計算や多くのメモリを搭載した複雑な演算装置は必要なくなる。このため、複雑な計算や装置を必要とせずに、簡易に傾きを検出し補正することが可能な原稿角度補正装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例で用いる原稿角度補正装置の全体の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態例の原稿角度補正の様子を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態例における原稿の縁の検出を受光信号の信号変化タイミングによって検出する様子を説明する説明図である。
【図4】本発明の実施の形態例における変倍処理の様子を説明する説明図である。
【図5】本発明の実施の形態例におけるデータシフト処理の様子を説明する説明図である。
【図6】本発明の実施の形態例におけるデータシフト処理におけるデータ移動の様子を説明する説明図である。
【図7】本発明の実施の形態例におけるデータシフト処理におけるデータ移動の様子を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 スキャナ
20 角度検出部
30 変倍処理部
40 多値化部
50 画像メモリ
60 角度補正部
70 プリンタ
Claims (2)
- 原稿を読み取って生成した画像データに含まれる原稿の縁の情報により原稿の傾き角を検出する工程と、
原稿を読み取る読み取り手段の読み取り速度を変えて読み取ることで副走査方向への変倍を行って大きさの補正を行う変倍工程と、
前記変倍工程の後に行われる工程であって、主走査方向と副走査方向を有する画像データを、原稿の傾き角に応じて一方の方向へシフトした後に、他方の方向へシフトして傾きの補正を行うデータシフト処理工程と、
を有することを特徴とする原稿角度補正方法。 - 原稿を読み取り画像データを生成する読み取り手段と、
画像データから原稿の縁を抽出して原稿の傾き角を検出する傾き検出手段と、
画像データの傾きの補正を行う傾き補正手段と、を備え、
前記傾き補正手段は、主走査方向と副走査方向を有する画像データを、原稿の傾き角に応じて大きさと傾きとを補正するため、変倍処理と、該変倍処理の後にデータシフト処理とを行うものであって、
前記変倍処理における副走査方向への変倍処理が、原稿を読み取る前記読み取り手段の読み取り速度を変えて読み取ることで、副走査方向へ変倍された画像データを生成する処理であり、
前記データシフト処理は主走査方向と副走査方向を有する画像データを、原稿の傾き角に応じて一方の方向へシフトした後に、他方の方向へシフトする処理である、
ことを特徴とする原稿角度補正装置。
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