JP3697283B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
静電手段によって光導電材料の表面に静電潜像を形成し、その静電潜像を現像する方法においては、用いられる現像剤の保存性(耐ブロッキング性)、搬送性、現像性、転写性、帯電性、定着性等の特性が重要である。今日まで数多くの改良手法が提案されている。その中の一つの手法としてトナーに添加剤を外添することが知られている。特開昭62−113158号公報には疎水性シリカ微粉末を、特開昭64−62667号公報には酸化チタン微粉末を、特開平3−45978号公報にはフッ素樹脂微粉末を現像剤に添加するという技術が提案されている。特開平6−208241号公報には通常の球状あるいは不定形と違い、針状形状の酸化チタンを使用する技術が提案されている。
【0003】
従来の疎水性シリカの添加系では、シリカ微粒子自体が強い負帯電性を示すために低温低湿下でのトナーの帯電上昇が問題となる。近年の高精彩、高画質化の要求が市場で高まるにつれてトナーの小径化への対応が不可欠である。粒径が細かくなると単位重量当たりの表面積の増加、さらに帯電量の上昇がおこり、そのため画像濃度低下や耐久劣化が懸念されることとなる。
【0004】
酸化チタン微粒子の場合、本来表面活性がシリカ等に比較して小さく疎水化は必ずしも十分ではなく環境変動によりトナーの流動性が大きく変化するため、安定した帯電性、搬送性、現像性を得られなくなり画像の劣化を招くという問題がある。疎水化処理剤を多量に使用したり、高粘性の処理剤等を使用して、疎水化率を無理に上げることも可能であるが、粒子同士の凝集等を生じ、かえって流動性付与能が低下する等の問題がある。
【0005】
また疎水化チタンだけでなく、疎水化シリカおよび樹脂微粒子を含め、それらの添加剤のトナーへの添加は、トナー粒子と添加剤の静電力あるいはファンデルワールス力によりトナー粒子表面に付着せしめるのが一般的であり、撹拌、混合機等が多く用いられている。
【0006】
しかしながら、このような従来知られている添加剤はトナー表面に均一に分散させることは容易ではないばかりか、トナー表面に未付着の添加剤同士が凝集する。その凝集物が遊離するのを防ぐことは困難であり、そのためトナーの摩擦帯電量が不安定となり、画像濃度が一定せず、カブリの多い画像となったり、連続コピー後の画質が不良になるなどの問題を有していた。また凝集物の離脱によるキャリアスペント等も生じる。針状形状の酸化チタンを使用することによりトナーへの付着性はある程度改善できるものの、トナーへの接触面の面積が小さく、やはり上述した問題を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した事情に鑑みなされたものであり、温度あるいは環境の変化に影響されにくく、常に安定した帯電性、現像性等の特性を有する静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0008】
本発明はさらにキャリアスペントなどを防止し、カブリのない鮮明な画像特性を有し、かつ耐久安定性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は少なくとも着色剤と結着樹脂で構成されるトナーに、平均粒径5〜 40nm の薄片状の酸化チタン微粒子を外添したことを特徴とする静電荷像現像用トナーに関する。
【0010】
本発明のトナーに添加する酸化チタン(チタニア)は薄片状、別の表現をすれば偏平状であり、その特異的な形状により、トナーへの付着性、分散性が従来の微粒子と比較して極めて良好で、トナーに付着した微粒子が非常に離脱しにくい。そのためキャリアのスペントが防止され、安定した帯電を得られ、耐久性能が向上する。
【0011】
また良好な分散性のためトナーの表面改質効果が大きく、流動性向上および帯電の環境安定性にも良好な結果を与える。
【0012】
本発明に使用する酸化チタンは湿式法で製造可能であり、平均粒径5〜40nm、好ましくは5〜30nmを有し、好ましくは微粒子表面を水系中で疎水化処理したもの、またはさらにその後気相中で疎水化処理したものを用いることが望ましい。なお酸化チタンの平均粒径は電子顕微鏡写真による酸化チタン粒子の長径の平均値を示している。
【0013】
水系中での疎水化処理においては、チタン微粒子を一次粒子に分散させるために、機械的な力を加えているので、クロロシラン類や、ジシラザン類のようにガスを副生するような反応性に優れたカップリング剤を使用する必要もなく、気相中では酸化チタン粒子同志が合一して使用できない高粘性の処理剤も使用できる。
【0014】
したがって処理剤としては、カップリング剤、オイル、ワニス、有機化合物等あらゆるものが使用できる。
【0015】
好ましく使用されるカップリング剤としてはシランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられ、特に好ましく用いられるのは、シランカップリング剤であり、一般式:
R1m1SiY1n1[式中、R1はアルコキシ基、m1は1〜3の整数、Y1はアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基を含む炭化水素基、n1は1〜3の整数]で表されるものであり、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0016】
その使用量は、チタン微粒子100重量部に対して、1〜40重量部好ましくは3〜30重量部である。
【0017】
本発明に用いられる、シリコンオイルとしては、特に制約はないが一般式
【化1】
で表されるジメチルポリシロキサンタイプ、一般式
【化2】
で表されるメチルハイドロジエンポリシロキサンタイプ、一般式
【化3】
で表されるメチルフェニルポリシロキサンタイプ等が使用できる。さらに必要に応じて、アルキル変性、アミノ変性、エポキシ変性、エポキシ・ポリエーテル変性、カルボキシル変性、メルカプト変性、アルコール変性、フッ素変性等を行ってもよい。
【0018】
本発明において水系中で処理したチタンを気相中で処理するのに用いられるシランカップリング剤は一般式R4m3SiY2n5[式中、R4はアルコキシ基又は、塩素原子、m3は1〜3の整数、Y2はアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基を含む炭化水素基、n5は3〜1の整数]で表されるもので例えば代表的にはジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アルリジメチルクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン等を挙げることができる。
【0019】
上記微粉体のシランカップリング剤処理は、微粉体を撹拌等によりクラウド状としたものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾式処理を採用することができる。
【0020】
本発明は流動化剤が外添されて使用される形態のトナーであればいかなるトナー粒子、例えば高速システム用トナー、オイルレス定着用トナー、磁性トナーあるいはフルカラートナー用のトナー粒子に適用可能である。また、1成分現像剤として、あるいはキャリアとともに2成分現像剤として使用されるトナーでもよい。特に高精細画像を再現する場合には、平均粒径5〜9μm、さらには5〜8μmのトナー粒子が使用される。
【0021】
通常、トナーはバインダー樹脂中に、カーボンブラック等の着色剤、その他所望の添加剤が分散してなる粒子として調製される。通常トナーのバインダーとして使用する樹脂は、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂中、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ブタジエン系樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいは尿素樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、さらにはこれらの共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体およびポリマーブレンド等を用いることができる。なお、上記樹脂としては、例えば熱可塑性樹脂のような完全なポリマーの状態にあるものに限らず、熱硬化性樹脂におけるようなオリゴマーまたはプレポリマー、架橋剤等を含んだものを用いることも可能である。
【0022】
また、高速のシステムに使用されるトナーの場合には、トナーを転写紙に短時間で定着させたり、定着ロールからの分離性を向上させる必要があるため、バインダー樹脂として、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル系モノマー、(メタ)アクリレート系モノマーから合成されるホモポリマーあるいは共重合ポリマー、またポリエステル系樹脂が使用されている。
【0023】
そして、上記バインダー樹脂においては、数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwが、1000≦Mn≦10000、20≦Mw/Mn≦70であり、さらに2000≦Mn≦7000であるものが使用される。
【0024】
また、オイルレス定着用に使用される場合には、バインダー樹脂としてガラス転移点が55〜80℃、軟化点が80〜150℃、さらに5〜20重量%のゲル化成分が含有されているものが用いられる。
【0025】
さらに、フルカラートナーとして使用される場合は、バインダー樹脂としてガラス転移点が55〜70℃、軟化点が80〜150℃、Mnが2000〜15000、分子量分布Mw/Mnが5以下の線状ポリエステル樹脂が使用される。
【0026】
また、上記線状ポリエステル樹脂にジイソシアネートを反応させて得られる線状ウレタン変性ポリエステル、あるいは上記線状ポリエステル樹脂にスチレン系、アクリル系、アミノアクリル系モノマーをグラフト重合、ブロック重合等によって変性した樹脂も好適に用いることができる。
【0027】
着色剤としては各種着色剤が使用可能である。青色染顔料としては、C.I.74100(無金属フタロシアニンブルー)、C.I.74160(フタロシアニンブルー)、C.I.74180(ファストスカイブルー)などを代表的なものとして例示できる。
【0028】
赤色染顔料としては、C.I.12055(スターリンI)、C.I.12075(パーマネントオレンジ)、C.I.12175(リソールファストオレンジ3GL)、C.I.12305(パーマネントオレンジGTR)、C.I.11725(ハンザイエロー3R)、C.I.21165(バルカンファストオレンジGG)、C.I.21110(ベンジジンオレンジG)、C.I.12120(パーマネントレッド4R)、C.I.1270(パラレッド)、C.I.12085(ファイヤーレッド)、C.I.12315(ブリリアントファーストスカーレット)、C.I.12310(パーマネントレッドF2R)、C.I.12335(パーマネントレッドF4R)、C.I.12440(パーマネントエントレッドFRL)、C.I.12460(パーマネントレッドFRLL)、C.I.12420(パーマネントレッドF4RH)、C.I.12450(ライトファストレッドトナーB)、C.I.12490(パーマネントカーミンFB)、C.I.15850(ブリリアントカーミン6B)などを代表的なものとして例示できる。
【0029】
黄色染顔料としては、C.I.10316(ナフトールイエローS)、C.I.11710(ハンザイエロー10G)、C.I.11660(ハンザイエロー5G)、C.I.11670(ハンザイエロー3G)、C.I.11680(ハンザイエローG)、C.I.11730(ハンザイエローGR)、C.I.11735(ハンザイエローA)、C.I.11740(ハンザイエローRN)、C.I.12710(ハンザイエローR)、C.I.12720(ピグメントイエローL)、C.I.21090(ベンジジンイエロー)、C.I.21095(ベンジジンイエローG)、C.I.21100(ベンジジンイエローGR)、C.I.20040(パーマネントイエローNCG)、C.I.21220(バルカンファストイエロー5)、C.I.21135(バルカンファストイエローR)などを代表的なものとして例示できる。
【0030】
黒色顔料としては、カーボン・ブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイトなどを使用することができる。
【0031】
これら着色剤は単独あるいは複数組み合わせて用いることができるが、トナー粒子中に含まれる結着樹脂100重量部に対して、1〜10重量部、より好ましくは2〜5重量部使用することが望ましい。すなわち、10重量部より多いとトナーの定着性および透光性が低下し、一方、1重量部より少ないと所望の画像濃度が得られない恐れがある。
【0032】
上記トナーには、荷電制御剤、オフセット防止剤等を含有させてもよい。
荷電制御剤としては正の荷電制御剤および負の荷電制御剤のいずれも使用可能である。
【0033】
正の荷電制御剤としてはニグロシンベースEX、ボントロンN−01、02、04、05、07、09、10および13(以上、オリエント化学工業社製)、オイルブラック(中央合成化学社製)、第4級アンモニウム塩P−51(オリエント化学工業社製)、ポリアミン化合物P−52(オリエント化学工業社製)、スーダンチーフシュバルツBB(ソルベントブラック3;C.I.No.26150)、フェットシュバルツHBN(C.I.No.26150)、ブリリアントスピリッツシュバルツTN(ファルベンファブリケン・バイヤ社製)、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料、イミダゾール系化合物等が使用できる。
【0034】
負の荷電制御剤としては、クロム錯塩型アゾ染料S−32、33、34、35、37、38および40(以上、オリエント化学工業社製)、アイゼンスピロンブラックTRH、BHH(以上、保土谷化学社製)、カヤセットブラックT−22、004(以上、日本火薬社製)、銅フタロシアニン系染料S−39(オリエント化学工業社製)、クロム錯塩E−81、82(以上、オリエント化学工業社製)、亜鉛錯塩E−84(オリエント化学工業社製)、アルミニウム錯塩E−86(オリエント化学工業社製)およびカリックスアレン系化合物が使用できる。
【0035】
荷電制御剤は通常、トナーの種類によりその添加量を適宜調整すべきものであるが、一般的にはトナーのバインダー樹脂100重量部に対して荷電制御剤0.01〜10重量部使用され、トナー表面に付着固定する場合は粒子中に分散させるよりは少なくてすみ、0.05〜2重量部で足りる。
【0036】
オフセット防止剤としては、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量酸化型ポリプロピレンワックス等のポリオレフィン系ワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、サゾールワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックスおよびそれらの混合物を使用することができる。
【0037】
オフセット防止剤は通常、トナーの種類にもよるがバインダー樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の範囲で添加する。
【0038】
本発明においては上記トナー粒子に薄片状チタニアを混合し(外添)、トナーを得る。このような混合を行いうる方法としては、機械式粉砕混合方法等従来の方法、条件でよく、例えばヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、パウダーミキサー、ホモジナイザー等の混合機を使用可能である。
【0039】
薄片状チタニアの添加量は、トナーの種類に対して適宜選定されるべきものであるが、トナーに対して0.3〜1.7重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%の範囲で選定され添加混合される。添加量が少なすぎると、所望の流動性および環境性が得られず画像の劣化を招く。多すぎると、帯電量の低下を招きカブリ等の原因となる。
【0040】
以下実施例を挙げてさらに説明するが、実施例中、「部」と表現されているのは特に断らなければ「重量部」をいうものとする。
【0041】
【実施例】
トナーの製造例
・スチレン−アクリル系樹脂 100部
(酸価:25、ガラス転移点(Tg):60℃、軟化点(Tm):120℃)
・帯電制御剤(スピロンブラックTRH;保土谷化学工業社製) 3部
・カーボンブラック(モーガルL;キャボット社製) 6部
・ワックス(ビスコール605P;三洋化成社製) 5部
【0042】
上記混合物をヘンシェルミキサーにより十分混合し、2軸押出機を用いて溶融混練した。混練物を冷却後、粗粉砕した。粗粉砕物をエアージェット方式による粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を気流式粉砕機により分級して、体積平均粒径(D50)10.2μmの粒子を得た。
【0043】
キャリア(バインダー型マイクロキャリア)の製造例
・ポリエステル樹脂(酸価:15.0、Tg:65℃、Tm:120℃)100部
・磁性粉(MFP-2:TDK社製) 400部
上記材料を用いトナーの製造法と同様にして体積平均粒径(D50:70μm)のキャリアを得た。得られたキャリアは飽和磁化:56emu/g、電気抵抗:7×1012Ω・cmであった。
【0044】
実施例1
上記トナーの製造例で得られた粒子100部に対し疎水性の薄片状チタニア微粒子(粒径:0.015〜0.02μm、STT−30A;チタン工業社製)1.0部を添加しヘンシェルミキサーにて混合しトナーを得た。
【0045】
得られたトナー5部に対して、バインダー型マイクロキャリアを総量100部になるように混合し現像剤とした。
【0046】
得られた現像剤を用いて市販の普通紙高速複写機(EP−8600;ミノルタ社製)にて画出しおよび下記連続30000(30K)枚の耐久試験を行った。
【0047】
各環境下、耐久後の画像は、カブリ、鮮明さ、画像濃度も初期と同等の良好なものが得られた。画出し、および耐久試験の結果を表1にまとめた。
【0048】
表1中の各評価は以下のようにして行った。
・画像濃度
小数第2位を四捨五入して画像濃度(I.D.)値とした。
【0049】
・カブリ
得られた画像を目視評価し以下のようにランク付した。
◎:ランク5(カブリ全くなし)。
○:ランク4(カブリほとんどなし)。
△:ランク3(カブリが若干認められるが実用上問題なし)。
×:ランク1〜2(カブリが多く、実用上問題あり)。
【0050】
・耐久特性
各環境下で測定後(30K後)、総合評価し以下のようにランク付けを行った。
◎:全く問題なし。
○:一部の特性に変化はあるものの実用上問題なし。
△:特性に変化があり、30K後に画像品質に実用上問題がある。
×:30Kもたなかったもの。
【0051】
実施例2
疎水性の薄片状チタニア微粒子(STT−30A;チタン工業社製)の添加量を0.5部とした以外実施例1におけると同様に現像剤を調製し試験した。結果を表1にまとめた。
【0052】
実施例3
疎水性の薄片状チタニア微粒子(STT−30A;チタン工業社製)の添加量を1.5部とした以外実施例1におけると同様に現像剤を調製し試験した。結果を表1にまとめた。
【0053】
比較例1
実施例1において薄片状チタニア微粒子にかえて疎水性の不定形粒状チタニア微粒子(T−805;デグサ社製)を0.8部添加した以外実施例1におけると同様に現像剤を調製し試験した。結果を表1にまとめた。
【0054】
比較例2
実施例1において薄片状チタニア微粒子にかえて疎水性の不定形粒状チタニア微粒子(TTO−51C;石原産業社製)を1.0部添加した以外実施例1におけると同様に現像剤を調製し試験した。結果を表1にまとめた。
【0055】
比較例3
実施例1において薄片状チタニア微粒子にかえて下記により得られた疎水性の球状チタニア微粒子を1.0部添加した以外実施例1におけると同様に現像剤を調製し試験した。結果を表1にまとめた。
【0056】
球状チタニア微粒子の調製:
イルメナイト鉱を硫酸により溶解し、冷却した後、遠心分離した。遠心分離した原液を加熱加水分解し、得られた水酸化チタンを回転炉で焼成(350〜400℃)し、球状の親水性酸化チタン(粒径:0.04〜0.05μm)を得た。
得られた酸化チタンを水系中で撹拌混合しながらカップリング剤(n-C5H11Si(OCH3)3)を酸化チタン微粒子に対し20%となるように添加混合した。
混合物を乾燥、解砕して疎水化度50%の酸化チタンを得た。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】
本発明に従い薄片状の微粒子を添加したトナーは環境変動に対し極めて安定で、耐久性にも優れ、長期にわたって安定した高画質の画像を提供することが可能である。
Claims (3)
- 少なくとも着色剤と結着樹脂で構成されるトナーに、平均粒径5〜 40nm の薄片状の酸化チタン微粒子を外添したことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 前記酸化チタン微粒子の平均粒径が5〜 30nm であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記酸化チタン微粒子が疎水化処理されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の静電荷像現像用トナー。
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