JP3691892B2 - ワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極の垂直出し方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤカット放電加工装置に於て、被加工物を取付ける載物台とワイヤ電極間に相対的な加工送りが与えられるXY二軸平面(加工テーブル面)に対してワイヤ電極を垂直に位置出しする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の間隔を置いて配置した上下一対の接触子を有する接触検知治具を用いてワイヤ電極の垂直出しを行う方法として、被加工物と対向する加工部のワイヤ電極をZ軸方向に位置決めする上下一対のガイドの内の例えば上側のガイドをX軸と平行なU軸方向とY軸と平行なV軸方向に移動させるガイド駆動装置を備え、先ず、該ガイド駆動装置により上側ガイドをU軸方向に移動させて、下側ガイドを通ってXY二軸平面に垂直な予想垂線の一方の側に傾斜させ、この状態で接触検知治具とワイヤ電極とを接近させて上下一対の接触子の一方と接触した位置のX軸座標値と、上側ガイドをU軸方向逆向きに距離Uだけ移動させワイヤ電極を前記予想垂線の反対側に傾斜させた状態で上下一対の接触子の他方と接触した位置のX軸座標値との間の長さXを求め、前記U及びX、上側ガイドと上側接触子間の長さA、下側ガイドと下側接触子間の長さB、上下接触子間の長さHとから、垂直出しに必要な上側ガイドの移動量を算出し、得られた移動量だけ上側ガイドを移動させてワイヤ電極の垂直出しを行う方法が特開平1−103229号公報、及び特開平2−298432号公報により知られている。
【0003】
そして、この周知方法では、摩耗消耗に応じて交換使用されるガイドの形状、寸法にバラツキが存在し前記AとBの値の信頼性に問題があるところから、例えば上側のガイドを前記予想垂線の片側の二位置と反対側の二位置の計四位置に位置決めした位置データ、各位置で接触検知した位置データ、及び予め測定されている上下接触子間の長さHとから前記AとBを演算によって求め、得られたA,Bの値、前記Hの値、及び前記位置データとから垂直出しに必要な上側ガイドの移動距離を演算し、演算結果に基づき上側ガイドを移動させて垂直出しを行うようにした方法が特公平7−22851号公報により提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来技術に於ても、垂直出しに要するガイドの移動量の計算に上下接触子間の長さHを必要とし、該Hの値は予め測定によって得られるものであるから、測定誤差や測定時と垂直出し時の雰囲気温度の差異による誤差が避けられない。
以上の問題点に鑑み、本発明は、垂直出しに必要なガイドの移動量の計算にZ軸方向の測定データや機械固有のデータ、即ち上側ガイドと上側接触子間の長さ及び下側ガイドと下側接触子間の長さ、又は上側ガイドと加工テーブル面間の長さ及び下側ガイドと加工テーブル面間の長さ、及び上下接触子間の長さ等を用いることなく、簡単且つ正確にワイヤ電極の垂直出しを行い得る方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の第1発明は、互に直交するX軸及びY軸の二軸平面を形成し該平面に被加工物が取付けられる載物台と、被加工物の両側に設けられ軸方向に走行移動するワイヤ電極をXY二軸平面に垂直のZ軸方向に位置決めして案内する一対の位置決めガイドの一方のガイドをX軸と平行なU軸、Y軸と平行なV軸方向に移動させるガイド駆動装置と、前記載物台とワイヤ電極間にX軸およびY軸方向の相対的な送りを与える加工送り装置と、Z軸方向に間隔を置いて配置した上下一対の接触子と、該接触子とワイヤ電極との接触を検知する接触検知装置とを備えたワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極をXY二軸平面に垂直に位置出しする方法に於いて、
一対の接触子を有し該一対の接触子の両端面を通る平面と直角の底面を有する接触検知ブロックを載物台上のXY二軸平面に設置し、ワイヤ電極がXY二軸平面と垂直に近い状態となる操作開始位置に前記一方のガイドを配置した状態で、
(イ)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向プラスの向きに十分大きい所定距離L移動させ、又は更に所定距離a移動させて、該一方のガイドを他方のガイドを通りXY二軸平面と直交する予想垂線の一方の側に傾斜させ、
(ロ)上下一対の接触子の一方の接触子とワイヤ電極とが接触するまで加工送り装置により接触検知ブロックとワイヤ電極とをX軸方向に相対的に移動させて接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ハ)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向プラスの向きに所定距離aだけ移動し、前記(ロ)項の接触検知操作を繰返して接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ニ)前記(ロ)項と(ハ)項の操作で記憶した各X軸座標値間の長さを計算して計算結果をbとして、又は該各X軸座標値及び前記(ハ)項の操作を適宜回数繰返して記憶した各X軸座標値の隣接するX軸座標値間の各長さの平均値を計算して計算結果をbとして記憶し、
(ホ)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向マイナスの向きに前記操作開始位置から所定距離L離れた位置又は更に所定距離a離れた位置まで移動させて、該ガイドを前記予想垂線の他方の側に傾斜させ、
(へ)上下一対の接触子の他方の接触子とワイヤ電極とが接触するまで加工送り装置により接触検知ブロックとワイヤ電極とをX軸方向に相対的に移動させて接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ト)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向マイナスの向きに所定距離aだけ移動し、前記(へ)項の接触検知操作を繰返して接触位置のX軸座標値を記憶し、
(チ)前記(へ)項と(ト)項の操作で記憶した各X軸座標値間の長さを計算して計算結果をcとして、又は該各X軸座標値及び前記(ト)項の操作を適宜回数繰返して記憶した各X軸座標値の隣接するX軸座標値間の各長さの平均値を計算して計算結果をcとして記憶し、
(リ)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向プラスの向きに移動させて前記操作開始位置に戻し、
(ヌ)一対の接触子の上下どちらかの接触子とワイヤ電極とが接触するまで加工送り装置により接触検知ブロックとワイヤ電極とをX軸方向に相対的に移動させて接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ル)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向プラスの向きに所定距離aだけ移動し、前記(ヌ)項の接触検知操作を繰返して接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ヲ)前記(ヌ)項と(ル)項の操作で記憶した各X軸座標値間の長さを計算して計算結果をdとして記憶し、
(ワ)前記のdと前記b及びcとの大小関係を判別し、b>d>cの関係にあることが判別されたら、Uαを計算するが、前記b>d>cの関係が判別されない場合には、前記dを測定した2回の接触検知が、ガイドを予想垂線の左右の一方の側において行なわれたと判断され、前記(ヌ)項の記憶してあるX軸座標値を(ル)項のX軸座標値に更新する と共に、前記一方のガイドを所定距離aを単位として、前記(ル)項の接触検知が(ヌ)項の接触検知とU軸方向に予想垂線を左右に挟んで行われるようになる方向に移動させ、接触検知及び計算によりdを求め、該dと前記b及びcとの大小関係につき、b>d>cの関係にあることが判別されたら、
Uα=a(d−c)/(b−c)を計算して計算結果Uαを記憶し、
(カ)所定距離aの最後の移動がU軸プラスの向きのときはガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸マイナスの向きにUαの距離移動させ、所定距離aの最後の移動がU軸マイナスの向きのときはガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸プラスの向きにa−Uαの距離移動させてU軸方向の垂直出しを行い、
(ヨ)次いで、V軸方向について前記(イ)項乃至(カ)項の操作と実質的に同様の操作を実行して、ワイヤ電極をXY二軸平面に対して垂直に位置出しすることを特徴とする。
【0006】
又、第2の発明は、第1の発明に記載の(ワ)項の操作に於いて、前記dと前記b及びcとの大小判別で、b>d>cの関係にあることが判別されたとき、d−cのb−cに対する比率判別を行なうようにし、前記比率が所定範囲内にあることが判別されたら、Uα=a(d−c)/(b−c)を計算して計算結果Uαを記憶するようにしたことを特徴とする。
【0007】
又、第3発明は、第1発明又は第2発明に記載の(カ)項の操作の次に、該(カ)項の操作により移動した前記一方のガイドのU軸座標値を記憶した後、ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸プラスの向きにa/2の距離移動させ、この位置を操作開始位置として第1発明又は第2発明に記載の(イ)項乃至(カ)項の操作を行い、更に、該(カ)項の操作により移動した前記一方のガイドのU軸座標値を記憶した後、ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸マイナスの向きにa/2の距離移動させ、この位置を操作開始位置として第1発明又は第2発明に記載の(イ)項乃至(カ)項の操作を行った後、前記一方のガイドのU軸座標値を記憶し、記憶した複数回のU軸座標値の平均座標値にU軸を移動させ、次いで、第1発明又は第2発明に記載の(ヨ)項の操作に移行してワイヤ電極をXY二軸平面に対して垂直に位置出しすることを特徴とする。
【0008】
【作 用】
垂直出しに要するガイドの移動量Uαの算出の仕方について、図1に基づいて説明する。
先ず、垂直出し操作の開始に先立って、上側ガイドを予想垂線(Z軸)に近い操作開始位置U1に配置し、この位置U1から上側ガイドを右方に十分に大きい所定距離L移動しU2に位置させて予想垂線の右側に傾斜させ、この位置U2と更に所定距離aだけ右方に移動させた位置U3とに於て接触検知した各X座標値X1とX2の差をとってbの長さを検出する。次いで、上側ガイドを左方に前記操作開始位置から更に所定距離L離れた位置まで移動しU4に位置させて予想垂線の左側に傾斜させ、この位置U4と更に所定距離aだけ左方に移動させた位置U5とに於て接触検知した各X座標値X3とX4の差をとってcの長さを検出する。次に、上側ガイドを操作開始位置U1に戻し、この位置U1と更に所定距離aだけ右方に移動させた位置U6とに於て接触検知した各X座標値X5とX6の差をとってdの長さを検出する。
ここで、d検出時の位置U1に於ける接触検知X軸座標値とZ軸(前記予想垂線)との距離をd1とし、位置U6に於ける接触検知X軸座標値とZ軸との距離をd2とし、又、位置U6から垂直出しに要するガイドの移動量即ち位置U6からZ軸までの距離をUαとすると、b,c,dの全てが、上側ガイドを所定距離a移動させる移動前と移動後の接触検知によって求められていることにより、次の比例関係が成立する。
【0009】
【数1】
【0010】
このようにして、上記(6)式により、Z軸方向の位置データを全く用いず、X軸及びU軸の位置データのみによって垂直出しに要するガイドの移動量Uαが算出される。
【0011】
又、U1とU6が予想垂線(Z軸)の左右両側に位置するとき、b>d>cの関係となるから、dとb及びcとの大小関係を判別することにより、予想垂線が位置U1とU6の間にあることを検知することができる。従って、b>d>cの関係にあることが判別されたときのdを採用することにより、前記移動量Uαを算出してU軸方向の垂直出しを行うことができる。(第1発明)
【0012】
しかし、ワイヤ電極は更新送りの走行移動等により常時微小な振動をしているため、位置U1又はU6が予想垂線(Z軸)に極めて近いとき、上下一対の接触子による接触検知が不安定になり、誤検知の虞が生じる。そこで、dとb及びcとの大小関係の判別だけでなく、d−cのb−cに対する比率を判別し、該比率が所定範囲内にあることが判別されたときのdを採用してUαの計算を行うことにより、不安定な検知状態での接触検知を防止して信頼できる検知データを得ることができる。即ち、上記(6)式から明らかなとおり、d−cのb−cに対する比率とは、Uαの所定距離aに対する比率を意味しており、従って、b−cに対するd−cの比率が所定範囲内にあることを判別することにより、位置U1 又はU6が予想垂線の極めて近くに位置した状態での接触検知データにより与えられたdを使用してのUαの計算を避け、予想垂線を位置U1とU6の概ね中央部分に置いた状態で接触検知したデータにより与えられたdを使用することが可能となり、信頼性の高い精度の良い正確な垂直出しを行うことができる。(第2発明)
【0013】
又、第3発明によれば、操作開始位置U1をa/2左右にずらせた複数回の垂直出し操作を行い、ガイドの垂直位置を示す複数個のU軸座標値の平均座標値にガイドを移動させることにより、更に高精度で正確な垂直出しが可能となる。
【0014】
又、必要に応じて、既述した従来技術に於けるA,B及びHの値も、相似三角形の比例関係を用いて容易に算出することが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の垂直出し方法を実施する装置の一実施例を示す概略構成図であり、1はワイヤカット放電加工装置のベッド、2は該ベッド1上に互いに直交するX及びY軸方向に移動可能に設けたXYクロステーブル、3,4は該XYクロステーブル2を移動させるX及びY軸駆動モータであり、これ等XYクロステーブル2及びモータ3,4によって加工送り装置を構成する。5はXYクロステーブル2上に固定して設けた載物台であり、該載物台5は上面に被加工物を取付ける加工テーブル面を有し、該加工テーブル面はXY二軸平面を形成する。垂直出しを行うときは、加工テーブル面に接触検知ブロック6が載置される。該ブロック6は上下一対の接触子7a,7bを有し、底面が接触子7a,7bの両端面を通る平面と直角に形成されており、接触子7a,7bがX軸又はY軸と平行となるように配置される。8はベッド1に起立させて設けたコラム、9,10はコラム8からXYクロステーブル2上に伸長させて設けた上下一対の上アームと下アームである。11,12は加工部に加工液を噴射供給する上下一対のノズル装置であり、被加工物と対向する加工部のワイヤ電極13を位置決めする上下一対のガイド14,15が該ノズル装置11,12内に夫々固定支持されている。16は上アーム9に設けたZ軸駆動機構であり、該Z軸駆動機構16の先端部にX軸と平行なU軸及びY軸と平行なV軸方向に移動可能に設けたUVクロステーブル17に上部ノズル装置11が固定支持されている。18はUVクロステーブル17をXY二軸平面と直交するZ軸方向に移動するZ軸駆動モータである。下部ノズル装置12は下アーム10の先端部に固定支持されている。従って、下側ガイド15は固定状態であり、上側ガイド14はU,V,及びZ軸方向に移動可能である。19,20はUVクロステーブル17を移動するU軸駆動モータ及びV軸駆動モータであり、これ等UVクロステーブル17、Z軸駆動機構16、及びモータ18,19,20によってガイド駆動装置を構成する。ワイヤ電極13は供給リール21から繰出されローラ22、上側ガイド14、下側ガイド15、ローラ23を経て回収容器24に至る走行経路に装架され、引っ張り駆動機構25とブレーキ機構26の作動によって所定の張力と速さをもって走行移動する。27はワイヤ電極13と接触子7a,7bとの接触を検知する接触検知装置であり、ワイヤ電極13に接触して設けた通電子28と接触子7a,7bと電気的に接続され、低電圧印加により接触を電気信号として検出する。接触子とワイヤ電極間に印加する電圧としては交流電圧を用いることが安定した接触検知を行なう上で好ましい。又、29は中央処理装置(CPU)であり、データ等の記憶に用いるレジスタ部とデータの演算を行なう演算部とデータの転送を制御する制御部を有する。30は垂直出しのプログラムを記憶する記憶装置(ROM)、31は入力装置32により設定される上側ガイド14の移動所定距離L及びa、接触検知ブロック6により接触検知された位置のX軸座標値、Y軸座標値、及び中央処理装置29で計算された前記UαとV軸方向の垂直出し時の前記Uαに相当するVαを記憶する記憶装置(RAM)、33はCPU29の指令に従いパルス分配してガイド駆動装置の各モータ18,19,20及び加工送り装置の各モータ3,4の動作を数値制御するNC装置、34は入力インターフェース、35は出力インターフェースである。
【0016】
以上の構成によりROM30に記憶したプログラムに従いCPU29の指令によって行なわれる本発明の垂直出し方法の一実施例操作手順を、図3のフローチャート及び図4の説明図に従って、U軸方向の垂直出しについて説明する。V軸方向の垂直出しについては、X軸をY軸に、U軸をV軸に、X軸座標値xiをY軸座標値yiに、U軸座標値UjをV軸座標値Vjに、またUαをVαに夫々読み替えれば良い。
図3のフローチャートに於けるS01乃至S51は夫々ステップ番号を示す。
【0017】
先ず、垂直出し操作開始に先立って、上側ガイド14をZ軸方向に移動させて上側接触子7aの上方に位置させると共にU軸方向に移動させて予想垂線(Z軸)に近いと見做される操作開始位置U1 (この場合は、好ましくは予想垂線より左側の、U軸マイナス方向の位置)に配置し、又、入力装置32により上側ガイド14の移動所定距離L及びaを入力設定する。
垂直出し操作が開始されると、U軸座標値の機械原点が設定されると共にa1=a,a2=−a,i=0,j=0に初期設定される(ステップS01)。次いで引っ張り駆動機構25とブレーキ機構26を作動させてワイヤ電極13を所定の張力と速さをもって走行移動させ(ステップS02)、aをa1に即ちガイド14の所定距離aの移動がプラスの向き(右方)、即ち、前記操作開始位置U1から予想垂線を越えて反対側に向かって行われるように設定する(ステップS03)。この状態でガイド14が右方に十分に大きい距離L移動し(ステップS04)、更に右方に所定距離a移動して(ステップS05)、ワイヤ電極13を右方に傾ける。例えば距離Lは2000μmであり、距離aは100μmである。このとき接触検知ブロック6はワイヤ電極の傾斜を妨げないように右方に退避している。この傾斜状態で接触検知ブロック6を載置した載物台5が加工送り装置によりワイヤ電極13に近付く向き(左方)に移動され、上側の接触子7aがワイヤ電極13に接触した所で停止して、その位置のX軸座標値がxiに記憶される(ステップS06)。次いで、ステップS07でiが7と等しいか否か、又ステップS08でiが3と等しいか否か判別され、iが3に達するまで、接触(短絡)解消のためにブロック6を例えば500μm右方に退避させた後、ステップS09でiに1加算してからステップS05乃至S08を繰返し、ガイド14を所定距離aの間隔を置いて配置した各位置に於て順次接触検知したX座標値が記憶される。iが3に達すると、ステップS10に於て、それまでに記憶したx0,x1,x2,x3の各座標値間の長さがb1,b2,b3として算出され、これ等の平均値が計算されてbとして記憶される。次いで、ステップS11でガイド14を操作開始位置U1に戻して更にマイナスの向き(左方)に距離L移動し、ステップS12でaをa2に即ちガイド14の所定距離aの移動がマイナスの向きに行われるように設定した後、ステップS05に戻して、ワイヤ電極13を左方に傾斜させた状態でb検出時と同様の操作により、iが7に達するまでステップS05乃至S09を繰返し、所定間隔aを置いてガイド14を配置した各位置に於て順次接触検知したX座標値が記憶され、iが7に達すると、ステップS13に於て、それまでに記憶したx4,x5,x6,x7の各座標値間の長さがc1,c2,c3として算出され、これ等の平均値が計算されてcとして記憶される。接触検知X軸座標値としてx0とx1のみを用いてbを求め(ステップS08でi=1の場合)、又cに関しても同様に2個のX軸座標値のみを用いて算出しても(ステップS07でi=3の場合)垂直出しはできるが、複数検出の平均値をとることにより一層精度の良い正確な垂直出しが可能となる。又、ステップS05とステップS06を入れ替えて接触検知の後でa移動を行なわせるようにしても良く、その場合もb及びcの検出に関して同様の効果を奏する。
【0018】
次いで、ステップS14でaをa1に設定して、ガイド14を右方に移動させて操作開始位置U1に戻し(ステップS15)、この操作開始位置に於て接触検知を行ない、検知したX軸座標値をx8として記憶した後(ステップS16)、ガイド14を右方に前記所定距離a移動させた位置で(ステップS17)、再び接触検知を行なって検知したX軸座標値をx9として記憶し(ステップS18)、各座標値x8とx9間の長さdを計算して記憶する(ステップS19)。次いで、算出したdとcとの大小の比較(ステップS20)、及びdとbとの大小の比較(ステップS21)が行われて、dの算出のためのX軸座標値X8とX9の接触検知がガイド14の間に前記予想垂線(Z軸)を挾んだ状態で行われたかどうかが判別される。ステップS20に於てcに3(単位はμmである)を加え、ステップS21に於てbから3引いているのは、接触検知誤差(バラツキ)を考慮してのことである。ステップS20でd検出のための2回の接触検知が共にガイド14をZ軸の左方に置いて行われたことが判別されたら、ステップS22に移行してステップS21に於て既にYES信号が出力されたかどうか判別し、NOであればx9に記憶されている座標値をx8に書き込んで(ステップS23)、ステップS17に戻る。又、ステップS21でd検出のための2回の接触検知が共にガイド14をZ軸の右方に置いて行われたことが判別されたら、ステップS24に移行してステップS20に於て既にYES信号が出力されたかどうか判別し、NOであればx9に記憶されている座標値をx8に書き込んみ(ステップS25)、aをa2に設定して(ステップS26)、ステップS17に戻る。
【0019】
このようにして、ステップS20及びS21の出力が共にNOで、dの算出がガイド14の間に予想垂線(Z軸)を挾んだ状態で行われたことが判別されたら、ステップS27及びS28に於けるd−cのb−cに対する比率の判別に移行する。この実施例では、ステップS27でd−cがb−cの1/5よりも小さいかどうか判別し、ステップS28でd−cがb−cの4/5よりも大きいかどうか判別する。この判別により前記Uαの長さが所定長さaの1/5以上で且つ4/5以下の範囲内にあることが判別される。ステップS27でd−cがb−cの1/5よりも小さいことが判別されたら、即ち、d検出時に右側に配置されたガイド14がZ軸の極めて近くに位置していて、接触検知が不安定な状態で行われたことが判別されたら、ステップS29でガイド14の設定されている移動の向きがプラスの向き(右方)かマイナスの向き(左方)か判別し、右方であればステップS30に移行してガイド14をb−cの3/5の長さ左方に移動させ、又、左方であればステップS31に移行してガイド14をb−cの2/5の長さ右方に移動させると共に、aをa1に設定して(ステップS32)、ガイド14をZ軸から概ねa/2の距離に位置させた状態にしてステップS16に戻り、再びdの検出を行う。ステップS28でd−cがb−cの4/5よりも大きいことが判別されたら、即ち、d検出時に左側に配置されたガイド14がZ軸の極めて近くに位置していて、接触検知が不安定な状態で行われたことが判別されたら、ステップS33でガイド14の移動の向きが右方か左方か判別し、右方に設定されていればステップS34に移行してガイド14をb−cの2/5の長さと所定長さaを加えた長さ左方に移動させ、又、左方に設定されていればステップS35に移行してガイド14をb−cの2/5の長さ左方に移動させると共に、aをa1に設定して(ステップS36)、ガイド14をZ軸から概ねa/2の距離に位置させた状態としてステップS16に戻り、再びdの検出を行う。
【0020】
又、ステップS22でYES信号が出力されたときは、d検出時に右側に配置されたガイド14がZ軸(予想垂線)の極めて近くに位置していて、又更にステップS24でYES信号が出力されたときは、d検出時に左側に配置されたガイド14がZ軸の極めて近くに位置していて、接触検知が不安定な状態で行われたことを意味するからステップS27に移行する。そして、ステップS22から移行した場合は、通常ステップS27でYES信号が出力されステップS29、S31、S32を経てステップS16に戻り、又、ステップS24から移行した場合は、通常ステップS28でYES信号が出力されステップS33、S34を経てステップS16に戻る。このようなステップS27、S28での判別を経てガイド14の補正移動を行った場合、通常は1回dを再検出すれば、ステップS27及びS28に於ける判別で共にNO信号が出力されることになる。
【0021】
ステップS28でNO信号が出力するとステップS37に移行してUα=a(d−c)/(b−c)の計算を行いUαを記憶する。次いで、ステップS38でガイド14の設定されている移動の向きが右方か左方か判別され、右方に設定されているときはガイド14を左方にUαの距離移動させ(ステップS39)、左方に設定されているときはガイド14を右方にa−Uαの距離移動させて(ステップS40)U軸方向の垂直出しを完了する。本発明の第2発明では、このようにして垂直出しが行われる。
【0022】
又、本発明の第1発明に於ては、ステップS20及びS21の出力が共にNOで、dの算出が予想垂線(Z軸)をガイド14の間に挾んだ状態で行われたことが判別されたら、d−cのb−cに対する比率の判別を行わずにステップS37に移行してUαの計算が行われ、ステップS39又はS40によりガイド14の移動が行われてU軸方向の垂直出しが完了する。この第1発明では、第2発明に比べて平均的な精度は低下するものの要求される精度によっては目的とする垂直出しが可能である。又、この場合、ステップS22又はS24でYES信号が出力されたら、音声、ランプ、表示等により作業者に垂直出し不良を知らせ、操作開始位置U1を左右どちらかにずらせた状態で最初から垂直出し操作をやり直す。又、この場合は、ガイド14を予想垂線(Z軸)に極めて近い位置に置いて行われる接触検知の発生率をなるべく低く抑えるために、ガイド14の移動所定距離aを第2発明の場合よりも大きく設定することが望ましい。
【0023】
又、本発明の第3発明では更に、前記予想垂線(Z軸)を前記所定距離aの略中間a/2の位置に置いて第1発明又は第2発明の垂直出し操作を行うように、第1発明又は第2発明に於けるステップS39又はS40で移動後のガイド14のU軸座標値Ujを記憶した後(ステップS41)、Ujの記憶が2回以上行われているかどうか判別され(ステップS42)、NO信号によりステップS43に移行してガイド14を前記所定距離の半分a/2右方に移動させ、ステップS44でaをa2に設定(ガイド移動の向きを左方に設定)し、jに1加算して(ステップS45)、ステップS16に戻ってdの再検出を行う。又、再度ステップS42に移行してきたら、YES信号の出力によりステップS46に移行してUjの記憶が3回行われたかどうか判別され、NO信号によりステップS47に移行してガイド14を前記所定距離の半分a/2左方に移動させ、ステップS48でaをa1に設定(ガイド移動の向きを右方に設定)し、jにまた1加算して(ステップS49)、ステップS16に戻ってdの再検出を行い、再度ステップS42に移行してくると、ステップS42、S46のYES信号出力によりステップS50に移行してU=(U1+U2+U3)/3を計算してUを記憶し、ステップS51でガイド14をU軸座標値Uに移動させてU軸方向の垂直出しを完了する。 尚、上述した実施例では、ワイヤ電極を走行移動させた状態で接触子とワイヤ電極との接触検知操作を行っているが、接触検知操作の際、ワイヤ電極は更新送りを停止した所望張架状態であっても良い。
【0024】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明によれば、上下一対の各ガイドから上側接触子及び下側接触子までの長さ、又は上下一対の各ガイドから加工テーブル面までの長さ、及び上下の接触子間の長さ等、Z軸方向の位置データを全く用いずにU,V軸及びX,Y軸の座標値データのみによってワイヤ電極の垂直出しを行うことができるから、精度の良い垂直出しを簡単、且つ正確に行うことができる。
又、本発明によれば、Z軸方向の位置データを必要としないから、垂直出し専用の接触検知治具を必ずしも使用する必要がなく、単なる直角ブロック、場合によっては被加工体の端部を接触子として用いて垂直出しを行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の垂直出し方法を説明する説明図。
【図2】本発明の垂直出し方法を実施する装置の一実施例を示す概略構成図。
【図3】本発明の第1発明、第2発明及び第3発明の一実施例のフローチャート。
【図4】図3のフローチャートに示す一実施例を説明する説明図。
【符号の説明】
1:ベッド 2:XYクロステーブル 3,4:X及びY軸駆動モータ5:載物台 6:接触検知ブロック 7a,7b:接触子 8:コラム9,10:上アーム及び下アーム 11,12:上部及び下部ノズル装置
13:ワイヤ電極 14,15:上下一対の位置決めガイド
16:Z軸駆動機構 17:UVクロステーブル 18:Z軸駆動モータ
19,20:U及びV軸駆動モータ 21:ワイヤ電極供給リール
22,23:ローラ 24:回収容器 25:引っ張り駆動機構
26:ブレーキ機構 27:接触検知装置 28:通電子
29:中央処理装置 30:記憶装置(R0M)
31:記憶装置(RAM) 32:入力装置 33:NC装置
34:入力インターフェース 35:出力インターフェース
S01〜S51:ステップ番号
整理番号1−466/P95−026 1/1
化学式等を記載した書面
明細書
【数1】
a/c=(a−Uα)/d1 …………(1)
a/b=Uα/d2……………………(2)
(1)式より d1=c(a−Uα)/a……………(3)
(2)式より d2=b・Uα/a……………………(4)
d=d1+d2であるから、この式に上記(3)、(4)式を代入して
d=c+Uα(b−c)/a…………(5)
(5)式より Uα=a(d−c)/(b−c)……(6)
Claims (3)
- 互に直交するX軸及びY軸の二軸平面を形成し該平面に被加工物が取付けられる載物台と、被加工物の両側に設けられ軸方向に走行移動するワイヤ電極をXY二軸平面に垂直のZ軸方向に位置決めして案内する一対の位置決めガイドの一方のガイドをX軸と平行なU軸、Y軸と平行なV軸方向に移動させるガイド駆動装置と、前記載物台とワイヤ電極間にX軸およびY軸方向の相対的な送りを与える加工送り装置と、Z軸方向に間隔を置いて配置した上下一対の接触子と、該接触子とワイヤ電極との接触を検知する接触検知装置とを備えたワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極をXY二軸平面に垂直に位置出しする方法に於いて、
一対の接触子を有し該一対の接触子の両端面を通る平面と直角の底面を有する接触検知ブロックを載物台上のXY二軸平面に設置し、ワイヤ電極がXY二軸平面と垂直に近い状態となる操作開始位置に前記一方のガイドを配置した状態で、
(イ)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向プラスの向きに十分大きい所定距離L移動させ、又は更に所定距離a移動させて、該一方のガイドを他方のガイドを通りXY二軸平面と直交する予想垂線の一方の側に傾斜させ、
(ロ)上下一対の接触子の一方の接触子とワイヤ電極とが接触するまで加工送り装置により接触検知ブロックとワイヤ電極とをX軸方向に相対的に移動させて接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ハ)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向プラスの向きに所定距離aだけ移動し、前記(ロ)項の接触検知操作を繰返して接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ニ)前記(ロ)項と(ハ)項の操作で記憶した各X軸座標値間の長さを計算して計算結果をbとして、又は該各X軸座標値及び前記(ハ)項の操作を適宜回数繰返して記憶した各X軸座標値の隣接するX軸座標値間の各長さの平均値を計算して計算結果をbとして記憶し、
(ホ)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向マイナスの向きに前記操作開始位置から所定距離L離れた位置又は更に所定距離a離れた位置まで移動させて、該ガイドを前記予想垂線の他方の側に傾斜させ、
(へ)上下一対の接触子の他方の接触子とワイヤ電極とが接触するまで加工送り装置により接触検知ブロックとワイヤ電極とをX軸方向に相対的に移動させて接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ト)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向マイナスの向きに所定距離aだけ移動し、前記(へ)項の接触検知操作を繰返して接触位置のX軸座標値を記憶し、
(チ)前記(へ)項と(ト)項の操作で記憶した各X軸座標値間の長さを計算して計算結果をcとして、又は該各X軸座標値及び前記(ト)項の操作を適宜回数繰返して記憶した各X軸座標値の隣接するX軸座標値間の各長さの平均値を計算して計算結果をcとして記憶し、
(リ)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向プラスの向きに移動させて前記操作開始位置に戻し、
(ヌ)一対の接触子の上下どちらかの接触子とワイヤ電極とが接触するまで加工送り装置により接触検知ブロックとワイヤ電極とをX軸方向に相対的に移動させて接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ル)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向プラスの向きに所定距離aだけ移動し、前記(ヌ)項の接触検知操作を繰返して接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ヲ)前記(ヌ)項と(ル)項の操作で記憶した各X軸座標値間の長さを計算して計算結果をdとして記憶し、
(ワ)前記dと前記b及びcとの大小関係を判別し、b>d>cの関係にあることが判別されたらUαを計算するが、
前記b>d>cの関係が判別されない場合には、前記dを測定した2回の接触検知が、ガイドを予想垂線の左右の一方の側において行なわれたと判別され、前記(ヌ)項の記憶し てあるX軸座標値を(ル)項のX軸座標値に更新すると共に、前記一方のガイドを所定距離aを単位として、前記(ル)項の接触検知が(ヌ)項の接触検知とU軸方向に予想垂線を左右に挟んで行われるようになる方向に移動させ、接触検知及び計算によりdを求め、該dと前記b及びcとの大小関係につき、b>d>cの関係にあることが判別されたら、Uα=a(d−c)/(b−c)を計算して計算結果Uαを記憶し、
(カ)所定距離aの最後の移動がU軸プラスの向きのときはガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸マイナスの向きにUαの距離移動させ、所定距離aの最後の移動がU軸マイナスの向きのときはガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸プラスの向きにa−Uαの距離移動させてU軸方向の垂直出しを行い、
(ヨ)次いで、V軸方向について前記(イ)項乃至(カ)項の操作と実質的に同様の操作を実行して、ワイヤ電極をXY二軸平面に対して垂直に位置出しすることを特徴とするワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極の垂直出し方法。 - 互に直交するX軸及びY軸の二軸平面を形成し該平面に被加工物が取付けられる載物台と、被加工物の両側に設けられ軸方向に走行移動するワイヤ電極をXY二軸平面に垂直のZ軸方向に位置決めして案内する一対の位置決めガイドの一方のガイドをX軸と平行なU軸、Y軸と平行なV軸方向に移動させるガイド駆動装置と、前記載物台とワイヤ電極間にX軸およびY軸方向の相対的な送りを与える加工送り装置と、Z軸方向に間隔を置いて配置した上下一対の接触子と、該接触子とワイヤ電極との接触を検知する接触検知装置とを備えたワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極をXY二軸平面に垂直に位置出しする方法に於いて、
一対の接触子を有し該一対の接触子の両端面を通る平面と直角の底面を有する接触検知ブロックを載物台上のXY二軸平面に設置し、ワイヤ電極がXY二軸平面と垂直に近い状態となる操作開始位置に前記一方のガイドを配置した状態で、
(イ)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向プラスの向きに十分大きい所定距離L移動させ、又は更に所定距離a移動させて、該一方のガイドを他方のガイドを通りXY二軸平面と直交する予想垂線の一方の側に傾斜させ、
(ロ)上下一対の接触子の一方の接触子とワイヤ電極とが接触するまで加工送り装置により接触検知ブロックとワイヤ電極とをX軸方向に相対的に移動させて接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ハ)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向プラスの向きに所定距離aだけ移動し、前記(ロ)項の接触検知操作を繰返して接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ニ)前記(ロ)項と(ハ)項の操作で記憶した各X軸座標値間の長さを計算して計算結果をbとして、又は該各X軸座標値及び前記(ハ)項の操作を適宜回数繰返して記憶した各X軸座標値の隣接するX軸座標値間の各長さの平均値を計算して計算結果をbとして記憶し、
(ホ)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向マイナスの向きに前記操作開始位置から所定距離L離れた位置又は更に所定距離a離れた位置まで移動させて、該ガイドを前記予想垂線の他方の側に傾斜させ、
(へ)上下一対の接触子の他方の接触子とワイヤ電極とが接触するまで加工送り装置により接触検知ブロックとワイヤ電極とをX軸方向に相対的に移動させて接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ト)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向マイナスの向きに所定距離aだけ移動し、前記(へ)項の接触検知操作を繰返して接触位置のX軸座標値を記憶し、
(チ)前記(へ)項と(ト)項の操作で記憶した各X軸座標値間の長さを計算して計算結果をcとして、又は該各X軸座標値及び前記(ト)項の操作を適宜回数繰返して記憶した各X軸座標値の隣接するX軸座標値間の各長さの平均値を計算して計算結果をcとして記憶し、
(リ)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向プラスの向きに移動させて前記操作開始位置に戻し、
(ヌ)一対の接触子の上下どちらかの接触子とワイヤ電極とが接触するまで加工送り装置により接触検知ブロックとワイヤ電極とをX軸方向に相対的に移動させて接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ル)ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸方向プラスの向きに所定距離aだけ移動し、前記(ヌ)項の接触検知操作を繰返して接触位置のX軸座標値を記憶し、
(ヲ)前記(ヌ)項と(ル)項の操作で記憶した各X軸座標値間の長さを計算して計算結果をdとして記憶し、
(ワ)前記dと前記b及びcとの大小関係を判別し、b>d>cの関係にあることが判別されたら(d−c)の(b−c)に対する比率判別移行するが、
前記b>d>cの関係が判別されずに前記dを測定した2回の接触検知が、ガイドを予想垂線の左右の一方の側において行なわれたと判別され、前記(ヌ)項の記憶してあるX軸座標値を(ル)項のX軸座標値に更新すると共に、前記一方のガイドを所定距離aを単位として、前記(ル)項の接触検知が(ヌ)項の接触検知とU軸方向に予想垂線を左右に挟んで行われるようになる方向に移動させ、接触検知及び計算によりdを求め、該dと前記b及びcとの大小関係につき、b>d>cの関係にあることが判別されたら、(d−c)の(b−c)に対する比率判別に移行させ、(d−c)が(b−c)に対し所定の範囲内(4(b−c)/5>(d−c)>(b−c)/5)の関係にあることが判別されたら、Uα=a(d−c)/(b−c)を計算するが、前記所定の範囲内と判別されない場合には、
前記dを測定した2回の接触検知を、ガイドが予想垂線をU軸方向に左右に挟んだ状態に配置されて行ったとき、左右の一方のガイドが予想垂線の極めて近くに位置していて、接触検知が不安定な状態で行われたと判断され、
ガイドが設定されている移動の向きを判別し、
前記ガイドを所定距離aよりも小さい所定距離を単位として移動させ、前記(ヌ)項からの操作に移行してdを求め、
該求めたdと前記b及びcとの大小関係が所定の関係にあって、(d−c)の(b−c)に対する比率が所定の範囲内にあることが判別されたら、前記Uα=a(d−c)/(b−c)を計算するようにし、
求めたUαを記憶し、
(カ)所定距離aの最後の移動がU軸プラスの向きのときはガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸マイナスの向きにUαの距離移動させ、所定距離aの最後の移動がU軸マイナスの向きのときはガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸プラスの向きにa−Uαの距離移動させてU軸方向の垂直出しを行い、
(ヨ)次いで、V軸方向について前記(イ)項乃至(カ)項の操作と実質的に同様の操作を実行して、ワイヤ電極をXY二軸平面に対して垂直に位置出しすることを特徴とするワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極の垂直出し方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の(カ)項の操作の次に、該(カ)項の操作により移動した前記一方のガイドのU軸座標値を記憶した後、ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸プラスの向きにa/2の距離移動させ、この位置を操作開始位置として請求項1又は請求項2に記載の(イ)項乃至(カ)項の操作を行い、更に、該(カ)項の操作により移動した前記一方のガイドのU軸座標値を記憶した後、ガイド駆動装置により前記一方のガイドをU軸マイナスの向きにa/2の距離移動させ、この位置を操作開始位置として請求項1又は請求項2に記載の(イ)項乃至(カ)項の操作を行なった後、前記一方のガイドのU軸座標値を記憶し、記憶した複数回のU軸座標値の平均座標値に前記一方のガイドを移動させ、次いで、請求項1又は請求項2に記載の(ヨ)項の操作に移行することを特徴とするワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極の垂直出し方法。
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