JP3687099B2 - 映像信号及び音響信号の再生装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、例えば、映像を見ながらヘッドホンによる音響信号の再生を行う映像信号及び音響信号の再生装置に関する。
背景技術
従来から、リスナの両耳を覆うようにして頭部にヘッドホンを装着して、両耳から音響信号を聴取するヘッドホンによる音響信号の再生方法がある。このヘッドホンによる音響信号の再生方法は、信号源からの信号が仮にステレオ信号であっても、再生される音像がリスナの頭の中にこもる、いわゆる頭内定位の現象が生じる。
一方ヘッドホンによる音響信号の再生方式の一つにバイノーラル収音再生方式がある。このバイノーラル収音再生方式とは、以下のような方式をいう。リスナの頭部を想定したダミーヘッドの左右両耳の穴にダミーヘッド・マイクロホンと呼ばれるマイクロホンを設ける。このダミーヘッドマイクロホンにより信号源からの音響信号を収音する。このようにして収音された音響信号を、実際にリスナがヘッドホンを装着して再生すると、信号源からの音声をそのまま聞いているような臨場感が得られる。このようなバイノーラル収音再生方式によれば、収音再生音像の方向感、定位感及び臨場感などを向上させることができる。しかしながらこのようなバイノーラル再生を行うためには、音源信号としてダミーヘッド・マイクロホンで収音した、スピーカ再生用とは異なる特殊なソースとしての信号源が必要とされた。
そこで上述のバイノーラル収音再生方式を応用して、例えば一般のステレオ信号をヘッドホンにより、スピーカ再生と同じような頭部外(スピーカ位置)に定位させた再生効果を得ることが考えられ、これにより、ヘッドホンでもスピーカ再生と同じ効果が得られ、しかもヘッドホンによる外部に音をもらさない効果も得られるようになった。しかし、スピーカによるステレオ再生の場合には、リスナが頭(顔)の方向を変えても、音像の絶対的な方向及び位置は変化せず、リスナの感じる音像の相対的な方向及び位置が変化する。これに対し、ヘッドホンによるバイノーラル再生の場合には、リスナが頭(顔)の方向を変えても、リスナの感じる音像の相対的な方向及び位置は変化しない。このためバイノーラル再生であっても、リスナが頭(顔)の方向を変える場合には音場はリスナの頭の中に形成されてしまい、特に、音像をリスナの前方に定位させる、いわゆる前方定位させることが難しかった。しかも、この場合には音像が頭部上方に上昇し、特に不自然なものになりがちであった。
これに対して、特公昭42−227号公報記載のヘッドホン再生方法によれば、次のようなヘッドホンによるバイノーラル再生方法が考えられている。すなわち、音像の方向感及び定位感は、左耳及び右耳の聴取する音の音量差、時間差、位相差等により決定されるので、上記公報のシステムは、左及び右チャンネルのオーディオ信号ラインに、レベル制御回路及び可変遅延回路をそれぞれ設けると共に、リスナの頭の向きを検出し、その検出信号により各チャンネルのオーディオ信号のレベル制御回路及び可変遅延回路を制御するようにしたものである。
しかし、上記特公昭42−227号公報記載のヘッドホン再生方法においては、リスナの頭の向きの検出信号そのものによりモータを駆動し、このモータによりレベル制御回路及び可変遅延回路の可変抵抗器及び可変コンデンサをアナログ信号により機械的に制御しているので、リスナが頭の向きを変えてからヘッドホンに供給される各チャンネルのオーディオ信号の音量差及び時間差を変化させるまでに時間の遅れを生じてしまい、リスナの頭の動きに充分に対応できなかった。
また、上記特公昭42−227号公報記載のヘッドホン再生方法においては、音量差及び時間差を変化させるとき、その変化特性は、音源とリスナとの相対的な位置関係や、リスナの頭部の形状及び耳介の形状などに基づいて決定しなければならない。すなわち、ある一つの変化特性にした場合には、音源とリスナとの位置関係が固定されてしまい、距離感、音源間距離を変化させることが出来ず、また、リスナにより頭部及び耳介の形状が異なるので、効果の程度がばらついてしまうことがあった。しかも、仮想音源位置から両耳に至る伝達関数を測定する際の音源固有の特性、および用いるヘッドホン固有の特性の補正を施す手段については述べられていなかった。特に、用いるヘッドホンによって特性が大きく違ってしまうので、再生状態が変化してしまう。また、映像信号を伴う音響信号の再生については、述べられていなかった。
更に、特公昭54−19242号公報記載の立体再生方式によれば、リスナの頭の向きとヘッドホンに供給される各チャンネルのオーディオ信号の音量差及び時間差相互の変化量の関係を連続的に求められることが記載されている。
しかし、上記特公昭54−19242号公報記載の立体再生方式においては、オーディオ信号の音量差及び時間差相互の変化量の関係を連続的に求めて、これを記憶させるためには膨大な容量のメモリを設けなくてはならず、実現が極めて困難であった。しかも、仮想音源位置から両耳に至る伝達関数を測定する際の音源固有の特性、および用いるヘッドホン固有の特性の補正を施す手段については述べられていなかった。また、映像信号を伴う音響信号の再生については、述べられていなかった。
またさらに、本発明と同一出願人による特開平01−112900号公報記載のオーディオ再生装置には、これらオーディオ信号の音量差及び時間差相互の変化量の相互の関係を連続的ではなく離散的にデータを求めて、オーディオ信号を処理する装置が記載されている。
しかし、上記特開平01−112900号公報記載のオーディオ再生装置では、アナログ、ディジタル信号処理のどちらにも適用できるような原理的な概念が示されているのみで、アナログまたはディジタル信号処理を用い、実際の商品に適用する際の具体性に欠けている。しかも、仮想音源位置から両耳に至る伝達関数を測定する際の音源固有の特性、および用いるヘッドホン固有の特性の補正を施す手段については述べられていなかった。また、映像信号を伴う音響信号の再生については、述べられていなかった。
またさらに、本発明と同一出願人による特開平03−214897号公報記載の音響信号再生装置には、各仮想音源位置から両耳に至る伝達関数を固定し、信号処理した後に、各耳に供給される信号のレベル及び遅延時間を頭の回転角に応じて制御することにより、構成が簡単になり、大幅なメモリの節約ができることが述べられている。また、映像信号を伴う音響信号の再生については、述べられていなかった。
このように上述した従来のヘッドホン再生方法、立体再生方式、オーディオ再生装置および音響信号再生装置は、信号処理に大容量のメモリを必要とし、ディジタル信号処理でなければ実施できないにもかかわらず、その具体的な信号処理、実用化のための具体的手段、方法が示されていないので、実用化するのが困難であるという不都合があった。
また、従来のヘッドホン再生方法、立体再生方式、オーディオ再生装置および音響信号再生装置は、任意の方向、特にリスナの正面に再生音像を定位させることが難しいという不都合があった。
また、人間は、視覚情報を基にして音響信号を認識し、この視覚情報により音像の定位が影響されるにもかかわらず、従来のヘッドホン再生方法、立体再生方式、オーディオ再生装置および音響信号再生装置は、音響信号のみを対象にしていて、映像信号を伴う音響信号の再生については何も述べれていないという不都合があった。
発明の開示
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、映像に対応するように音響信号の再生音像の位置を定位させる映像信号及び音響信号の再生装置の提供を第1の目的とする。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、仮想音源に対応するように音響信号の再生音像の位置を定位させる音響信号の再生装置の提供を第2の目的とする。
第1の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、角度検出手段からの角度に対応した信号と検出手段からの出力信号とに基づいて、アドレス信号生成手段によって生成されたアドレス信号により記憶手段のアドレスを指定することによって、記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、記憶手段から読み出されたインパルスレスポンスまたは制御信号に基づいて音響信号を聴取者の映像信号再生手段の仮想音源に対する相対的移動及び聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正することによって、映像信号再生手段により再生された映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するように信号源からの音響信号を補正し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第2の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、検出手段は、信号源からの映像信号及び音響信号とともに出力される位置情報を抽出する抽出手段を備え、抽出手段からの出力信号が制御手段に供給されるものである。これによれば、位置情報を抽出する抽出手段からの出力信号が制御手段に供給され、予め映像信号及び音響信号とともに信号源から供給された位置情報に基づいて、アドレス信号生成手段によって生成されたアドレス信号により記憶手段のアドレスを指定することによって、記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、記憶手段から読み出されたインパルスレスポンスまたは制御信号に基づいて音響信号を聴取者の映像信号再生手段の仮想音源に対する相対的移動及び聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正することによって、映像信号再生手段により信号源から供給された位置情報に基づいて再生された映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するように信号源からの音響信号を補正し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第3の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、検出手段は、聴取者の頭部に装着されて聴取者の映像信号再生手段に対する相対的移動を検出する位置検出手段を備え、位置検出手段からの検出信号が制御手段に供給されるものである。これによれば、聴取者の映像信号再生手段に対する相対的移動を検出する位置検出手段からの検出信号が制御手段に供給され、聴取者の映像信号再生手段に対する相対的移動の検出信号に基づいて、アドレス信号生成手段によって生成されたアドレス信号により記憶手段のアドレスを指定することによって、記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、記憶手段から読み出されたインパルスレスポンスまたは制御信号に基づいて音響信号を聴取者の映像信号再生手段の仮想音源に対する相対的移動及び聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正することによって、映像信号再生手段により聴取者の映像信号再生手段に対する相対的移動の検出信号に基づいて再生された映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するように信号源からの音響信号を補正し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第4の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、位置検出手段は、音響信号再生手段に設けられているものである。これによれば、容易に聴取者の映像信号再生手段に対する相対的移動を検出し、映像信号再生手段により聴取者の映像信号再生手段に対する相対的移動の検出信号に基づいて再生された映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するように信号源からの音響信号を補正し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第5の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、位置検出手段は、少なくとも基準方向に対する聴取者の頭部の回転情報及び基準位置に対する聴取者の頭部の接近または離隔の情報に基づいて、角度検出手段からの角度情報の座標を変更するようにしたものである。これによれば、基準方向に対する聴取者の頭部の回転情報及び基準位置に対する聴取者の頭部の接近または離隔の情報に基づいて、角度検出手段からの角度情報の座標を変更し、再生された映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するように信号源からの音響信号を補正し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第6の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、位置検出手段は、少なくとも基準方向に対する聴取者の頭部の回転情報及び基準位置に対する接近または離隔の情報を、角度検出手段からの角度情報に付加することによって角度検出手段からの角度情報を変更するようにしたものである。これによれば、基準方向に対する聴取者の頭部の回転情報及び基準位置に対する聴取者の頭部の接近または離隔の情報を角度検出手段からの角度情報に付加することにより、角度検出手段からの角度情報の座標を変更し、再生された映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するように信号源からの音響信号を補正し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第7の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、角度検出手段は、リセットスイッチを備えているとともに、角度検出手段はリセットスイッチがオン操作されたときに聴取者が向いている方向に基準方向が設定されるようにしたものである。これによれば、角度検出手段はリセットスイッチがオン操作されたときに聴取者が向いている方向に基準方向が設定され、この基準方向に対する聴取者の頭部の動きに対応して、角度検出手段からの角度に対応した信号と検出手段からの出力信号とに基づいて、アドレス信号生成手段によって生成されたアドレス信号により記憶手段のアドレスを指定することによって、記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、記憶手段から読み出されたインパルスレスポンスまたは制御信号に基づいて音響信号を聴取者の映像信号再生手段の仮想音源に対する相対的移動及び聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正することによって、映像信号再生手段により再生された映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するように信号源からの音響信号を補正し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第8の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、角度検出手段には、聴取者が予め定められた基準方向に向いたときに、その方向を基準方向に設定するようにしたものである。これによれば、角度検出手段は聴取者が予め定められた基準方向に向いたときに、その方向が基準方向に設定され、この基準方向に対する聴取者の頭部の動きに対応して、角度検出手段からの角度に対応した信号と検出手段からの出力信号とに基づいて、アドレス信号生成手段によって生成されたアドレス信号により記憶手段のアドレスを指定することによって、記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、記憶手段から読み出されたインパルスレスポンスまたは制御信号に基づいて音響信号を聴取者の映像信号再生手段の仮想音源に対する相対的移動及び聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正することによって、映像信号再生手段により再生された映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するように信号源からの音響信号を補正し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第9の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、音響信号再生手段は、リセットスイッチを備え、聴取者が音響信号再生手段を装着したときにリセットスイッチが操作されて、角度検出手段に映像信号再生手段の画面の正面方向を基準方向に設定されるものである。これによれば、音響信号再生手段はリセットスイッチを備え、聴取者が音響信号再生手段を装着したときにリセットスイッチが操作されて、角度検出手段に映像信号再生手段の画面の正面方向に基準方向が設定され、この基準方向に対する聴取者の頭部の動きに対応して、角度検出手段からの角度に対応した信号と検出手段からの出力信号とに基づいて、アドレス信号生成手段によって生成されたアドレス信号により記憶手段のアドレスを指定することによって、記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、記憶手段から読み出されたインパルスレスポンスまたは制御信号に基づいて音響信号を聴取者の映像信号再生手段の仮想音源に対する相対的移動及び聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正することによって、映像信号再生手段により再生された映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するように信号源からの音響信号を補正し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第10の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、この装置は、更に映像信号再生手段の表示部の大きさに基づく信号をデータとする入力手段を備え、入力手段からの信号は、アドレス信号生成手段に供給され、アドレス信号生成手段は、角度検出手段からの角度に対応した信号、検出手段からの出力信号及び入力手段によって入力されたデータに対応するアドレス信号を生成するものである。これによれば、基準方向に対する聴取者の頭部の動きに対応して、角度検出手段からの角度に対応した信号と検出手段からの出力信号とに基づいて、アドレス信号生成手段によって生成された角度検出手段からの角度に対応した信号、検出手段からの出力信号及び入力手段によって入力されたデータに対応するアドレス信号により記憶手段のアドレスを指定することによって、記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、記憶手段から読み出されたインパルスレスポンスまたは制御信号に基づいて音響信号を聴取者の映像信号再生手段の仮想音源に対する相対的移動及び聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正することによって、映像信号再生手段により再生された映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するように信号源からの音響信号を補正し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第11の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、角度検出手段は、聴取者の基準方向に対する上方及び下方の回転角度をあわせて検出するとともに、音響信号再生手段は、角度検出手段によって検出された上下方向の回転角度にあわせて記憶手段から読み出されたインパルスレスポンスまたは制御信号に基づいて制御手段によって補正された音響信号を再生することにより、映像信号再生手段により再生された映像に対応する方向に任意の複数の再生音像が定位するものである。これによれば、基準方向に対する聴取者の頭部の動きに対応して、角度検出手段からの聴取者の基準方向に対する上方及び下方の回転角度に対応した信号と検出手段からの出力信号とに基づいて、アドレス信号生成手段によって生成されたアドレス信号により記憶手段のアドレスを指定することによって、記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、記憶手段から読み出されたインパルスレスポンスまたは制御信号に基づいて音響信号を聴取者の映像信号再生手段の仮想音源に対する相対的移動及び聴取者の頭部の運動に対してリアルタイムで補正することによって、映像信号再生手段により再生された映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するように信号源からの音響信号を補正し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第12の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、映像信号再生手段は、聴取者の頭部に装着可能であり、聴取者の両眼に対向して設けられ、聴取者の両眼から所定距離離れた位置に再生映像が投影されるものである。これによれば、角度検出手段からの角度に対応した信号に基づいて、アドレス信号生成手段のアドレス信号により記憶手段のアドレスを指定し、記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、音響信号を制御手段においてインパルスレスポンスまたは制御信号により補正し、音響信号を聴取者の頭部運動に対してリアルタイムで補正し、音響信号再生手段により制御手段で補正した音響信号を映像信号再生手段の映像信号の再生により聴取者の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するように再生することができる。
第13の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、映像信号再生手段は、聴取者の頭部に装着される頭部装着体と、頭部装着体の聴取者の両眼に対応する位置に各々配される一対の表示部を備えているものである。これによれば、映像信号再生手段は、聴取者の左右両眼に対応する位置に一対の左表示部および右表示部を有するので、左表示部および右表示部により、聴取者の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に再生映像を投影することができる。
第14の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、映像信号再生手段は、更に聴取者の両眼と一対の表示部との間に各々配された一対の矩形状の非球面のレンズを備えているものである。これによれば、映像信号再生手段は、聴取者の左右両眼に対応する位置に矩形非球面の左右の接眼レンズを介して左表示部および右表示部を有するので、左表示部および右表示部に写る画像を拡大して、左表示部および右表示部の前方であって、聴取者の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に再生映像を投影することができる。
第15の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、映像信号再生手段は、聴取者の頭部に装着される頭部装着体と、頭部装着体の聴取者の両眼に対応する位置に各々配される一対の虚像式ディスプレイユニットを備えているものである。これによれば、映像信号再生手段は、聴取者の左右両眼に対応する位置に一対の左虚像式ディスプレイユニットおよび右虚像式ディスプレイユニットを有するので、左虚像式ディスプレイユニットおよび右虚像式ディスプレイユニットにより、聴取者の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に再生映像を投影することができる。
第26の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて、記憶手段から選択的に補正データを読み出して信号源からの音響信号を補正するとともに、検出手段からの検出信号に基づいて角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて記憶手段から読み出される補正データを変更し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第27の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、記憶手段には、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から聴取者の頭部の動きに対応した両耳に至るインパルスレスポンスを測定し、インパルスレスポンスを記憶し、または聴取者が識別できる角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の時間差及びレベル差を測定し、測定した結果に基づいて信号源からの音響信号の時間差及びレベル差を表す制御信号が記憶されている。これによれば、角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて、記憶手段から選択的に制御信号を読み出して信号源からの音響信号を補正するとともに、検出手段からの検出信号に基づいて角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて記憶手段から読み出される制御信号を変更し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第28の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、この装置は、更に記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出すために記憶手段に供給するアドレス信号を生成するアドレス信号生成手段を備えているものである。これによれば、角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて、アドレス信号生成手段から記憶手段にアドレス信号を供給し、記憶手段から選択的にインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出して信号源からの音響信号を補正するとともに、検出手段からの検出信号に基づいて角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて記憶手段から読み出されるインパルスレスポンスまたは制御信号を変更し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第29の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、検出手段は、信号源からの映像信号及び音響信号とともに出力される位置情報を抽出する抽出手段を備え、抽出手段からの出力信号が制御手段に供給されるものである。これによれば、角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて、記憶手段から選択的に補正データを読み出して信号源からの音響信号を補正するとともに、検出手段からの信号源の映像信号及び音響信号とともに出力される位置情報を抽出する抽出手段からの出力信号に基づいて角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて記憶手段から読み出される補正データを変更し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第30の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、検出手段は、聴取者の頭部に装着されて聴取者の映像信号再生手段に対する相対的移動を検出する位置検出手段を備え、位置検出手段からの検出信号が制御手段に供給されるものである。これによれば、角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて、記憶手段から選択的に補正データを読み出して信号源からの音響信号を補正するとともに、検出手段からの聴取者の頭部に装着されて聴取者の映像信号再生手段に対する相対的移動を検出する位置検出手段からの検出信号に基づいて角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて記憶手段から読み出される補正データを変更し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
第31の発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、位置検出手段は、音響信号再生手段に設けられているものである。これによれば、容易に聴取者の映像信号再生手段に対する相対的移動を検出し、角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて、記憶手段から選択的に補正データを読み出して信号源からの音響信号を補正するとともに、検出手段からの聴取者の頭部に装着されて聴取者の映像信号再生手段に対する相対的移動を検出する位置検出手段からの検出信号に基づいて角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて記憶手段から読み出される補正データを変更し、映像信号再生手段により再生された映像に対応する位置に複数の再生音像が定位するように、制御手段で補正された音響信号を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の一実施例のブロック図である。
第2図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の一実施例のディジタル角度検出器の構成を示す図である。
第3図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の一実施例のアナログ角度検出器の構成を示す図である。
第4図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の一実施例のインパルスレスポンスのテーブルデータを示す図である。
第5図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の一実施例のインパルスレスポンスの測定を説明する図である。
第6図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の一実施例の制御データのテーブルデータを示す図である。
第7図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例のブロック図である。
第8図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例のブロック図である。
第9図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の一実施例のスピーカ配置のシミュレーションを示す図である。
第10図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の一実施例の音響信号および映像信号の収録および再生を示すブロック図である。
第11図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の一実施例の再生音像の位置を説明する図である。
第12図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例のブロック図である。
第13図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例のブロック図である。
第14図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例のブロック図である。
第15図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例のブロック図である。
第16図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例のブロック図である。
第17図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例のブロック図である。
第18図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例の虚像式ディスプレイの動作原理を示す図である。
第19図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例の虚像式ディスプレイの外観を示す図である。
第20図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例のスピーカの配置のシミュレーションを示す図である。
第21図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例の1チャンネルモノラル再生用のスピーカ配置のシミュレーションを示す図である。
第22図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例の2チャンネルステレオ再生用のスピーカ配置のシミュレーションを示す図である。
第23図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例の3チャンネル再生用のスピーカ配置のシミュレーションを示す図である。
第24図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例の4チャンネル再生用のスピーカ配置のシミュレーションを示す図である。
第25図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例の5チャンネル再生用のスピーカ配置のシミュレーションを示す図である。
第26図はこの発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例の前方5チャンネル、後方2チャンネル再生用のスピーカ配置のシミュレーションを示す図である。
発明を実施するための最良の形態
以下本発明に係る映像信号及び音響信号の再生装置の一実施例について、第1図から第11図に従い詳細に説明する。
本発明の実施例の映像信号及び音響信号の再生装置は、再生音像位置情報を有する映像信号及び音響信号を映像を見ながらヘッドホンで再生する際に、本来スピーカで再生する場合に予め定められた位置関係に置かれるべきスピーカから音が再生されるのと同等の定位感、音場感等を、ヘッドホンで再生しても得られるようにしたものであり、特に、映像に対応する方向に、再生音像位置情報に基づいて複数の再生音像が定位するようにし、しかも、この再生音像の位置情報の座標を変更するようにしたものである。
すなわち、本発明の実施例の映像信号及び音響信号の再生装置は、ステレオ等で収音された多チャンネルであって、収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報を有する映像信号及び音響信号を、映像を見ながらヘッドホンで再生するシステムに用いるものである。特に各チャンネルに記録あるいは伝送されるディジタル化された音響信号をヘッドホン等で再生する際に、複数チャンネルの再生音像を、収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報に基づいて映像に対応する位置に定位させるようにし、しかも、この再生音像の位置情報の座標を変更するようにしたものである。
第1図において、この発明の映像信号及び音響信号の再生装置の例を示す。なお、ここでは入力端子60から映像信号及び音響信号が入力され、分離回路61で音響信号と映像信号とが分離される。映像信号は映像信号再生装置62に供給される。
符号1は映像を含むディジタルオーディオディスク(例えば光学ビデオディスク)やディジタル衛星放送等の多チャンネルのディジタルステレオ信号源を示す。符号2はアナログレコード、アナログ放送等のアナログステレオ信号源を示す。ここで、分離回路61から供給される音響信号がディジタル音響信号であればディジタルステレオ信号源1に供給され、アナログ音響信号であればアナログステレオ信号源2に供給される。ディジタルステレオ信号源1およびアナログステレオ信号源2は、供給される音響信号からそれぞれL,R2チャンネルのディジタル音響信号およびアナログ音響信号に分離するか、または4〜7チャンネルのディジタル音響信号およびアナログ音響信号を生成する。
ディジタルステレオ信号源1およびアナログステレオ信号源2から供給されるディジタル音響信号およびアナログ音響信号は、いずれも再生音像位置情報を有する映像信号から分離されたものである。映像信号は収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報を有するものである。符号3はこれらアナログ音響信号をディジタル音響信号に変換するためのA/D変換器である。
このような、収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報を有する音響信号を生成する手段としては、例えば、本出願人と同一出願人および同一発明者による平成3年11月26日特許出願の「収録方式および再生方式」がある。
その構成は、第10図において示すように、第1の音源100に対してこの音を収音するマイクロホン104と、マイクロホン104の位置および第1の音源100の音源位置またはいずれか一方の位置を示す位置情報検出装置103を有する。また、第2の音源101に対してこの音を収音するマイクロホン106と、マイクロホン106の位置および第2の音源101の音源位置またはいずれか一方の位置を示す位置情報検出装置105を有する。これらの音響信号と対応する位置信号とをそれぞれマルチプレクサ109、110において多重化し、それぞれ対応する音響信号と位置信号とを同じチャネルに多重化記録する。この際の音響信号と位置信号との多重化は、周波数多重化、時分割多重化、あるいはその他の多重化方式を用いても良い。
さらに、他の音源102に対してこの音を収音するマイクロホン107、108が設けられている。マルチプレクサ109、110の出力およびマイクロホン107、108の出力は、収録信号処理記憶装置112に供給される。この収録信号処理記憶装置112において、音響信号と位置信号とが同じ音声チャンネルにマルチプレクシングされた状態で記録される。
また、マイクロホン104、106、107、108による収音と同時に、カメラ111により音源100、101、102を含む風景を撮像し、この映像信号も収録信号処理記憶装置112において記録する。収録信号処理記憶装置112に記憶された各信号は、編集装置113を介して、音および映像再生装置114により再生される。このように、位置情報をも音響信号と対応して同じチャンネルに多重化記録するので、再生時において、再生装置により位置を考慮した再生が可能となり、再生画像内の音源位置に実音像を生成する。なお、第10図に示す音および映像再生装置114は、第1図に示す映像信号及び音響信号の再生装置に対応する。
また、第10図において、収音したい個々の、例えばN個の音源に対して独立にマイクロホンを設置し、そのマイクロホンの内、位置情報が必要なM個(ただし、N>Mとする。)のマイクロホンの位置情報を、音声信号チャンネルとは独立のチャンネルに同時出力するようにしても良い。
また、この場合の位置情報は、絶対位置情報であっても、あるいは、例えば、音場における予め定めた基準位置に対する相対位置情報であっても良い。更に、この位置情報は、直角座標系ではなく、例えば、極座標系でも良い。
第1図において、このA/D変換器3は多チャンネルの場合にはチャンネル数だけ設けられる。符号4は切替器であり、ディジタルで入力された信号もアナログで入力された信号も同等に、かつ一定のサンプリング周波数および量子化ビット数で表されるディジタル信号として扱われる。ここでは、2チャンネルの切り替えのみを示したが、多チャンネルの場合にも同様にチャンネル数だけ設けられる。
これらのディジタル信号列のうち左のディジタル信号Lは、畳み込み積分器5に供給される。ここでは、畳み込み積分器5に付属するメモリ6には、リスナ23の現在頭部が向いている方向の、頭部の基準方向に対する、仮想音源位置から両耳に至る一定のサンプリング周波数および量子化ビット数で表されるディジタル記録された一組のインパルスレスポンスが記憶されている。ディジタル信号列は、畳み込み積分器5において、このメモリ6より読み出されたインパルスレスポンスとリアルタイムで畳み込み積分される。また、畳み込み積分器7およびメモリ8は右のディジタル信号Rのクロストーク成分を供給する。
上記と同様に右のディジタル信号Rは、畳み込み積分器11に供給される。ここでは、畳み込み積分器11に付属するメモリ12には、リスナ23の現在頭部が向いている方向の、頭部の基準方向に対する、仮想音源位置から両耳に至る一定のサンプリング周波数および量子化ビット数で表されるディジタル記録された一組のインパルスレスポンスが記憶されている。ディジタル信号列は、畳み込み積分器11において、このメモリ12より読み出されたインパルスレスポンスとリアルタイムで畳み込み積分される。また、畳み込み積分器9およびメモリ10は左のディジタル信号Lのクロストーク成分を供給する。
また、畳み込み積分器7、メモリ8、畳み込み積分器11、メモリ12においても上述と同様にインパルスレスポンスと畳み込み積分が行なわれる。このように、畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、10、12においてインパルスレスポンスと畳み込み積分が行なわれたディジタル信号列は、加算器15、16にそれぞれ供給される。加算器15、16で加算された2チャンネルのディジタル信号は補正回路17、18により、用いる音源およびヘッドホン固有の特性等を除くように補正され、D/A変換器19、20でアナログ信号に変換され、電力増幅器21、22で増幅された後に、ヘッドホン24に供給される。
上例では、メモリ6、8、10、12にインパルスレスポンスが記憶されている例を示したが、第7図に示すように構成しても良い。なお、ここでは音響信号の処理のみを示すが、映像信号の処理は第1図に示したものと同様であるので、その説明を省略する。つまり、畳み込み積分器5、7、9、11に付属するメモリ6、8、10、12に、基準方向に対して固定された頭部の、仮想音源位置から両耳に至る一対のディジタル記録されたインパルスレスポンスを記憶させる。ディジタル信号列はこのインパルスレスポンスとリアルタイムで畳み込み積分される。メモリ35には、頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至る両耳間の時間差、レベル差を表す制御信号を記憶させる。
そして、この畳み込み積分された各チャンネルのディジタル信号の各々に対して、更に検出された基準方向に対する頭部運動を、一定単位角度毎あるいは予め定められた角度毎に、方向を含む大きさを表すディジタルアドレス信号に変換し、このアドレス信号により予めメモリ35に記憶された制御信号を読みだし、制御装置50、51、52、53において、リアルタイムで補正し、変更するようにして、その結果を加算器15、16に供給するようにしても良い。
また、第8図に示すように、このインパルスレスポンスとリアルタイムで畳み込み積分されたディジタル信号列を加算器15、16に供給し、加算器15、16からの2チャンネルのディジタル信号に対して、更に検出された基準方向に対する頭部運動を、一定単位角度毎あるいは予め定められた角度毎に、方向を含む大きさを表すディジタルアドレス信号に変換し、このアドレス信号により予めメモリ35に記憶された制御信号を読みだし、制御装置54、56において、リアルタイムで補正し、変更するようにしても良い。なお、ここでも音響信号の処理のみを示すが、映像信号の処理は第1図に示したものと同様であるので、その説明を省略する。
ここで、第7図及び第8図において、制御装置50、51、52、53、54、56としては、可変遅延装置と可変レベル制御器、あるいは多バンドに分割されたグラフィックイコライザ等の周波数帯域毎のレベル制御器との組み合わせで構成することができる。また、メモリ35に記憶されている情報は、リスナ23の頭部が向いている方向の、頭部の基準方向に対する、仮想音源位置から両耳に至る両耳間の時間差及びレベル差等を表すインパルスレスポンスでも良い。この場合には、上述の制御装置は、IIR、あるいはFIRの可変ディジタルフィルターで構成すれば良い。このようにして制御装置により、空間情報が与えられる。
第1図、第7図及び第8図において、補正回路17、18により、用いる音源及びヘッドホンの固有の特性が補正され、かつ頭部の動きに対して変化の与えられたディジタル信号はD/A変換器19、20でアナログ信号に変換され、電力増幅器21、22で増幅された後に、ヘッドホン24に供給される。
この場合、用いる音源及びヘッドホンの固有の特性を補正する補正回路17、18は、アナログ信号処理、ディジタル信号処理のいずれでも良く、ワイヤレスタイプのヘッドホンの場合にはヘッドホン本体内部に設けるようにしてもよい。また、この補正回路17、18は、必ずしもヘッドホン本体に設けなくとも良く、例えば、ヘッドホンのコードに設けても良く、装置本体とヘッドホンのコードとを接続するコネクター部以降のいずれに設けても良い。さらに、本体内部の制御装置以降に設けても良い。
ここで、ディジタル角度検出器28はリスナ23の頭部の動きを検出するものであり、第2図において、ディジタル角度検出器28の詳細な構成が示されている。第2図では、そのディジタル角度検出器28として地磁気の水平分力を利用する場合が示されている。第2図においては、角度検出信号をディジタル信号として取り出す例が示されている。
まず、基準方向に対するリスナ23の頭部運動を、一定単位角度毎あるいは、予め定められた角度毎に離散的情報として取り出す例として、頭部中央位置にロータリーエンコーダー30が、その入力軸が垂直となるように設けられていると共に、その入力軸に、磁針29が設けられている。従って、ロータリーエンコーダー30からは、磁針29の示す南北方向を基準として、リスナ23の方向を含む頭の動きを示す出力が取り出される。このロータリーエンコーダー30はヘッドホン24のヘッドバンド27に取り付けたが、ヘッドバンド27から独立した取り付け装置上に設けても良い。
そして、第1図において、このディジタル角度検出器28のロータリーエンコーダー30の出力が検出回路31、32に供給され、検出回路31からは、リスナ23が頭を時計方向に回したときと、反時計方向に回したときで、「0」または「1」に変化する方向信号Sdが取り出され、検出回路32からは、リスナ23が頭の向きを変えたとき、その変えた角度に比例した数のパルスがPa、例えば、2度変化する毎に1つのパルスPaが出力される。
そして、信号Sdが、アップダウンカウンタ33のカウント方向入力U/Dに供給されると共に、パルスPaがアップダウンカウンタ33のクロック入力(カウント入力)CKに供給され、そのカウント出力がリスナ23の頭の向きと大きさを表すディジタルアドレス信号に変換され、アドレス制御回路34を通じてメモリ6、8、10、12にアドレス信号として供給される。
そしてメモリ6、8、10、12内のテーブルの該当するアドレスから、予め、メモリ6、8、10、12に記憶されているリスナ23の頭部の基準方向に対する仮想音源位置からリスナ23の両耳に至るディジタル記録されたインパルスレスポンスが読み出され、同時に畳み込み積分器5、7、9、11において、各チャンネルのディジタル化された音響信号とこのインパルスレスポンスとの畳み込み積分が行われ、現在、リスナ23の頭部が向いている方向の補正がリアルタイムで行われる。
一方、符号38はアナログ角度検出器を示すものであり、その詳細な構成は第3図に示されている。第3図では、角度検出出力をアナログ信号として取り出す例が示されている。リスナ23の頭部中央にCDSやフォトダイオード等の光の強さにより抵抗値が変化する受光素子からなる受光器41が取り付けられている。この受光器41と対向して電球や発光ダイオード等の発光器39が設けられていて、この発光器39により一定の強さの光を受光器41に向けて照射するようになっている。
その際、この発光器39の投射光の通路間に回転角度により投射光の透過度が変化するような可動シャッター40が設けられており、この可動シャッター40は磁針29と共に回転するようになっている。従って、受光器41に一定の電流を流すとき、受光器41の受光素子両端の電圧は磁針29の示す南北方向を基準として、リスナ23の方向を含む頭の動きを示すアナログ出力が取り出される。このアナログ角度検出器38は、ヘッドホン24のヘッドバンド27に取り付けたが、ヘッドバンド27から独立した装置上に設けても良い。
第1図において、アナログ角度検出器28のアナログ出力は増幅器42で増幅された後に、A/D変換器43に加えられ、このディジタル出力は切替器44を介してアドレス制御回路34に供給される。アドレス制御回路34では基準方向に対するリスナ23の頭部運動を一定角度あるいは予め定められた角度毎の方向を含む大きさを表すディジタルアドレス信号を生成し、メモリ6、8、10、12にアドレス信号として供給される。
そして、第1図においては、メモリ6、8、10、12内のテーブルの該当するアドレスから、予めメモリ6、8、10、12に記憶されているリスナ23の頭部の基準方向に対する仮想音源位置からリスナ23の両耳に至るディジタル記録されたインパルスレスポンスが読みだされ、畳み込み積分器5、7、9、11により各チャンネルのディジタル化された音響信号と畳み込み積分され、現在、リスナ23の頭部が向いている方向の補正がリアルタイムで行なわれる。
また、第7図においては、メモリ35内のテーブルの該当するアドレスから、予めメモリ35に記憶されているリスナ23の頭部の基準方向に対する仮想音源位置からリスナ23の両耳に至るディジタル記録された両耳間の時間差及びレベル差等を表す制御信号が読みだされ、畳み込み積分器5、7、9、11および付属するメモリ6、8、10、12によりインパルスレスポンスとの畳み込み積分がおこなわれた各チャンネルのディジタル化された音響信号と、制御装置50、51、52、53において、現在、リスナ23の頭部が向いている方向の補正がリアルタイムで行なわれる。第8図においては、加算器15、16により加算された2チャンネルのディジタル音響信号と、制御装置54、56において、現在、リスナ23の頭部が向いている方向の補正がリアルタイムで行なわれる。この場合、制御信号は上述と同様である。
今、第4図にメモリ6、8、10、12内のテーブルデータを示す。すなわち第5図に示すように、リスナ23の前方に左前方及び右前方のスピーカ45L、45Rが配置されている場合、この左および右のスピーカ45L、45Rの設置位置から、リスナ23の両耳に至るインパルスレスポンスとして
Figure 0003687099
を考えるとき、メモリ6、8、10、12にはこれらを表すインパルスレスポンスがディジタル記録されている。
ここで、hmn(t)はmスピーカ位置から、n耳に至るインパルスレスポンスであり、IImn(ω)はmスピーカ位置から、nに至る伝達関数であり、ωは角周波数2πfであり、fは周波数である。
一方、第6図に、メモリ35内のテーブルの制御信号の制御データの一例を示す。この制御データは、第7図および第8図に示した制御装置に供給されるものである。すなわち、メモリ35に記憶された制御信号のテーブルには、両耳間の時間差:ΔTIJ(θ)及び両耳間のレベル差:ΔLIJ(θ)が記憶されている(ただし、IJ=LL,LR,RL,RR,・・・)。これらの制御信号は上述した制御装置50〜54、56に供給される。
これらの制御装置50〜54、56は可変遅延装置と可変レベル制御器、あるいは多バンドに分割されたグラフィックイコライザ等の周波数帯域毎のレベル制御器との組み合わせで構成することができる。また、メモリ35に記憶されている情報は、リスナ23の頭部が向いている方向の、頭部の基準方向に対する、仮想音源位置から両耳に至る両耳間の時間差及びレベル差等を表すインパルスレスポンスでも良い。メモリ35に記憶される内容は、制御装置50〜54、56に対応したデータ構造を有している。この場合には、上述の制御装置は、IIR、あるいはFIRの可変ディジタルフィルターで構成すれば良い。
この場合の両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号を測定する音源としてはスピーカを用いてもよい。またリスナ23の各耳の収音位置に関しては、外耳道入り口から鼓膜位置までの間の何れの位置でもよい。
だだし、この位置は、後で述べる、用いるヘッドホンの固有の特性等を打ち消すための補正特性を求める位置と等しいことが要求される。
このようなインパルスレスポンスを考えたとき、角度:θを単位角度毎に、例えば2°ずつ変化させたときのディジタル記録したインパルスレスポンスがメモリ35のテーブルの1番地毎に書き込まれている。この角度は、リスナ23が頭部を回転させたときに、左右両耳で頭部の回転した角度を識別できる角度毎にする。
また、ヘッドホン24のヘッドバンド27上には、映像信号再生装置62のスクリーンとリスナ23との距離や角度等の相対的な位置を検出する位置検出器63が設けられている。この位置検出器63は、例えば、映像信号再生装置62のスクリーンからの漏洩磁束を検出する三次元的に配された3つの検出コイルや、速度または加速度ピックアップ等を用いることができる。また、位置情報の検出は、例えば、基準位置で校正された三次元の位置検出を行うジャイロスコープの出力を用いる方法、衛星(GPS)等の衛星電波を用いる方法、複数個の超音波発音源からの距離を測定する方法を用いても良い。
位置検出器63からの位置検出信号は検出回路64に供給される。検出回路64は位置検出器63からの位置検出信号に基づいて、アドレス制御回路34のアドレスを切り替える制御信号を切替器36に供給する。また、映像信号再生装置62のスクリーンの画面サイズに基づく切り替え信号も入力端子65から切替器36に供給される。
上述したテーブルは、メモリ35に対して例えば3組設けられると共に、その組毎に、映像信号再生装置62のスクリーンとリスナ23との距離や角度等の相対的な位置、また映像信号再生装置62のスクリーンの画面サイズ等に対応してデータの値が異なるようになされている。そして、その3組のテーブルのうちの最適な1つのテーブルが、アドレス制御回路34の切替器36の切り替えによるアドレスの切り替えに従って選択される。
なお第1図、第7図および第8図において、符号37はセンターリセットスイッチであり、これをオンしたとき、アップダウンカウンタ33の値は“オール0”にリセットされ、このときメモリ6、8、10、12、35のテーブルはθ=0のアドレスが選択される。つまり、このセンターリセットスイッチ37がオンされると、リスナ23が現在向いている方向が音源の正面方向とされる。
この実施例の映像信号及び音響信号の再生装置はこのように構成され、以下のような動作をする。入力端子60から映像信号及び音響信号が入力され、分離回路61で音響信号と映像信号とが分離される。映像信号は映像信号再生装置62に供給される。分離回路61で分離された音響信号がディジタル音響信号であればディジタルステレオ信号源1に供給され、アナログ音響信号であればアナログステレオ信号源2に供給される。多チャンネルディジタルステレオ信号源1からのディジタルオーディオ信号、あるいは多チャンネルアナログステレオ信号源2に入力されたアナログオーディオ信号をA/D変換器3によりディジタル信号に変換した各チャンネルのオーディオ信号が、切替器4で選択される。
この場合、ディジタルオーディオ信号およびアナログオーディオ信号は、それぞれ映像信号から分離された音響信号である。また、音響信号は収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報を有する。ここで、第1図の場合は、ディジタル信号列は、畳み込み積分器5、7、9、11において、メモリ6、8、10、12より読み出されたインパルスレスポンスとリアルタイムで畳み込み積分され、加算器15、16に供給される。以下、第7図、第8図においても同様とする。
第7図の場合は、畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、10、12により予めインパルスレスポンスとの畳み込み積分器を行なった各チャンネルのディジタル化された音響信号は、制御装置50、51、52、53において、メモリ35より読み出された制御信号により補正され、変更され、加算器15、16に供給される。
第8図の場合は、加算器15、16からの2チャンネルのディジタル信号は制御装置54、56において、メモリ35より読み出された制御信号により補正され、変更される。この2チャンネルのディジタル信号はD/A変換器19、20でアナログ信号に変換され、電力増幅器21、22で増幅された後に、ヘッドホン24に供給される。
このようにしてヘッドホン24を装着したリスナ23は音響信号を聴取することができる。そして、ディジタル角度検出器28およびアナログ角度検出器38においてリスナ23の基準方向に対する頭部運動を一定角度あるいは予め定められた角度毎に検出し、アドレス制御回路34において方向を含む大きさを表すディジタルアドレス信号に変換する。
このアドレス信号により予めメモリ35に記憶されている頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル記録されたインパレスレスポンスまたは制御信号を読み出す。畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、10、12または制御装置50、51、52、53、54、56において、このインパレスレスポンスまたは制御信号と音響信号とをリアルタイムで補正し変更する。
この畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、10、12または制御装置50、51、52、53、54、56、加算器15、16により、音場としての空間情報を持った両耳への2チャンネルのディジタル信号に変換され、補正回路17、18により、用いる音源及びヘッドホンの特性等が補正され、電力増幅器21、22で電力増幅された後、ヘッドホン24に供給される。これにより、あたかもその仮想音源位置に置かれたスピーカから再生音が聞こえるような再生効果を実現することができるものである。
上例では特に、映像信号再生装置62のスクリーンとリスナ23との距離や角度等の相対的な位置を検出する位置検出器63からの位置検出信号が検出回路64に供給される。検出回路64は位置検出器63からの位置検出信号に基づいて、アドレス制御回路34のアドレスを切り替える制御信号を切替器36に供給する。また、映像信号再生装置62のスクリーンの画面サイズに基づく切り替え信号も入力端子65から切替器36に供給される。
上述したテーブルは、メモリ35に対して例えば3組設けられると共に、その組毎に、映像信号再生装置62のスクリーンとリスナ23との距離や角度等の相対的な位置、また映像信号再生装置62のスクリーンの画面サイズ等に対応してデータの値が異なるようになされている。そして、その3組のテーブルのうちの最適な1つのテーブルが、アドレス制御回路34の切替器36の切り替えによるアドレスの切り替えに従って選択される。
これにより、映像信号再生装置62のスクリーンとリスナ23との距離や角度等の相対的な位置に対応して、アドレス制御回路34のアドレスが切り替えられ、最適なテーブルが選択され、再生音像の位置を例えば映像信号再生装置62のスクリーン上における収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置に対応させることができる。
また映像信号再生装置62のスクリーンの画面サイズに対応して、アドレス制御回路34のアドレスが切り替えられ、最適なテーブルが選択され、再生音像の位置を例えば映像信号再生装置62の画面サイズが切り替えられたときにも、切り替えられた画面サイズのスクリーン上における収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置に対応させることができる。
上例では、位置検出器63からの位置情報によりアドレス制御回路34の切替器36を切り替え、メモリ内のテーブルを読み出す相対アドレスを変えることにより、音場位置を動かすようにする例を示したが、メモリ内のテーブルを予め複数個用意しておき、位置検出器63からの位置情報により位置情報が変更されたときのインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、時間とレベルを変えることにより、あたかも位置が変わったようにリスナ23に認識させるようにしても良い。
上例の第1図、第7図および第8図ではリスナ23が単数の場合のみを示したが、リスナ23が複数人いる場合には、第7図の畳み込み演算器5、7、9、11以降を端子により分岐し、または、第8図の加算器15、16以降を端子により分岐するようにしても良い。
この場合、畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、10、12において空間情報を持ったディジタル信号に補正された後で、個々のリスナの頭部回転に応じて信号処理を行えば良く、高価なA/D変換器3や畳み込み積分器5、7、9、11を人数分用いる必要がない。
これにより、ヘッドホン24、ディジタル角度検出器28、および角度検出の信号処理のための検出回路31、32、アップダウンカウンタ33、アドレス制御回路34、メモリ35、制御装置50〜53、54、56をリスナの数だけ用意すれば良く、安価に複数のリスナに対して同時に音響信号を供給することができる。
そして、この場合、リスナ23が頭を動かすと、ディジタル角度検出器28またはアナログ角度検出器38により、その向きに従ったディジタル信号、またはアナログ信号が得られ、これによりその信号はリスナ23の頭の向きに従った値となる。この値がアドレス制御回路34を通じてメモリ35にアドレス信号として供給される。
メモリ35からは、第4図のテーブルに対応したデータのうち、リスナ23の頭の向きに対応した頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル記録されたインパレスレスポンスまたは第6図に示した両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号が取りだされ、このデータが畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、10、12または制御装置50、51、52、53、54、56に供給される。
アナログ角度検出器38を用いた場合では、この出力が増幅器42で増幅された後、A/D変換器33によりリスナ23の頭の向きに従ったディジタル信号に変換され、アドレス制御回路34を通じてメモリ35にアドレス信号として供給され、ディジタル角度検出器28の場合と同様にしてリスナ23の頭の向きに対応した頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル記録されたインパレスレスポンスまたは第6図に示した両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号が取りだされ、このデータが畳み込み積分器5、7、9、11、メモリ6、8、10、12または制御装置50、51、52、53、54、56に供給される。
ここで、補正回路17、18は、音源、音場および用いるヘッドホン特有の補正特性のいずれか一つまたは複数の組み合せ、またはすべてを有するものである。従って、これらの補正を含むディジタル信号処理を一度で実行するので、リアルタイムで信号処理をすることができる。
このようにして、ヘッドホン24に供給されるオーディオ信号L,Rは、リスナ23の頭の向きに対応した頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル記録されたインパレスレスポンスまたは両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号との補正が行なわれれるので、複数個のスピーカが仮想音源位置に置かれてスピーカで再生しているような音場感を得ることが出来る。
更にメモリ35のテーブルにディジタル記録された両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号が取りだされ、このデータが畳み込み積分器5、7、9、11およびメモリ6、8、10、12により予め畳み込まれたディジタル信号に対して、制御装置50、51、52、53で補正するように、純電子的に供給されるので、リスナ23の頭の向きに対するオーディオ信号の特性の変化に遅れを生じることがなく、不自然さを生じることはない。
なおこの時、残響回路13、14による残響信号もヘッドホン24に供給されるので、リスニングルームやコンサートホールにおける広がり感が付加され、優れたステレオ音場感を得ることができる。
また、上例では、ヘッドホン24に信号線を介して直接接続する例を示したが、第7図の畳み込み演算器5、7、9、11以降に変調器および送信機を設け、ヘッドホン24側に受信機および復調器を設け、受信機および復調器により受信し、または、第8図の加算器15、16以降に変調器および送信機を設け、ヘッドホン24側に受信器および復調器を設け、受信機および復調器により受信して、ワイヤレスで再生するようにしても良い。
更に、角度θの変化に対するリスナ23の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル記録された両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号の変化量を、テーブルにより標準値よりも大きく、あるいは小さくなるようにしておくことにより、リスナ23の頭の向きに対する音像の位置の変化量が異なるので、これによりリスナ23から音像までの距離感などを変更したり、画面サイズに対応することが出来る。
また、残響回路13、14による残響信号を付加していると共に、この残響信号はホールの壁などによる反射音や残響音の様に聞こえるので、あたかも有名なコンサートホールで音楽を聞いているかの様な臨場感を得ることが出来る。
第11図において再生音像の位置を示す。第10図において示した位置情報検出装置103、105によるマイク位置情報および音源位置情報により音像の指向性が制御され、対応する音がTVモニタ115の表示部としての画面116に再生された被写体117、118、119の各位置にこの被写体117、118、119に対応する各音源を指向するように方向制御される。これにより、TVモニタ115の画面116の音源位置に対応する位置のビームが指向した位置に実音像位置が規定され、TVモニタ115の画面116に表示された音源の画像位置からあたかもその音が発するように、TVモニタ115において実音像を形成することができる。
このとき、第9図に示すように、例えば、ヘッドホン24の内側に位置情報変更器93を設け、ヘッドホン24をリスナ23が装着すると、スイッチがオンになり、リスナ23が、基準方向に対して回転し、または基準位置に対して近づいたり離れたりすると、これに伴い、第10図において示した位置情報検出装置103、105によるマイク位置情報および音源位置情報の座標を変更することができる。つまり、第11図において、TVモニタ115の画面116の変更された音源位置に対応する位置のビームが指向した位置に実音像位置が規定され、TVモニタ115の画面116に表示された変更された音源の画像位置からあたかもその音が発するように、TVモニタ115において実音像を形成することができる。
ここで、第9図および第11図において示した、ヘッドホン24の内側に設けられた位置情報変更器93は、第1図、第7図および第8図において示した位置検出器63および検出回路64に対応するものである。また、第9図および第11図において示したTVモニタ92、115は、第1図、第7図および第8図において示した映像信号再生装置62に対応するものである。
上述において、基準方向および基準位置はTVモニタ92に対応させても良く、任意に変更しても良い。この位置情報変更器93は、簡単な入力装置、例えばパソコンでも良い。
また、位置情報変更器93は、第10図において示した位置情報検出装置103、105によるマイク位置情報および音源位置情報の座標のうちの特定の一部を変更して、変更した位置情報を元の位置情報に付加するようにしても良い。
上例によれば、角度検出手段としてのディジタル角度検出器28およびアナログ角度検出器38からの角度に対応した信号に基づいて、アドレス信号変換手段としてのアドレス制御回路34のアドレス信号により記憶手段としてのメモリ6、8、10、12またはメモリ35のアドレスを指定し、記憶手段としてのメモリ6、8、10、12またはメモリ35に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、音響信号を制御手段としての畳み込み積分器5、7、9、11、または制御装置50、51、52、53、54、56においてインパルスレスポンスまたは制御信号により補正し、音響信号を上記一人または複数の聴取者23の頭部運動に対してリアルタイムで補正し、音響再生手段としてのヘッドホン24において映像再生手段としての映像信号再生装置62、TVモニタ92、115により再生された映像に対応する位置に、収音時のマイクロホン104、106、107、108の位置および音源100、101、102の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報に基づいて複数の再生音像が定位するように、制御手段としての畳み込み積分器5、7、9、11、または制御装置50、51、52、53、54、56で補正した音響信号を再生し、再生音像位置情報変更手段としての位置情報変更器93により聴取者23の頭部の動きに対応して、再生音像位置情報の座標を変えるようにして、双方向で再生音像を定位させることができる。
また、上例によれば、再生音像位置情報変更手段としての位置情報変更器93は、少なくとも基準方向に対する回転情報および基準位置に対する接近または離隔の情報に基づいて、再生音像位置情報の座標を変更するようにしたので、聴取者が移動することによって、再生音像の座標を移動させることができる。
また、上例によれば、再生音像位置情報変更手段としての位置情報変更器93は、少なくとも基準方向に対する回転情報および基準位置に対する接近または離隔の情報を、再生音像位置情報の座標に付加して変更するようにしたので、聴取者が移動することによって、一部の再生音像の座標を移動させることができる。
また、第10図において示した位置情報検出装置103、105によるマイク位置情報および音源位置情報により音像の指向性を制御し、対応する音がTVモニタ115の表示部としての画面116に再生された被写体117、118、119の各位置にこの被写体117、118、119の位置に複数の再生音像が一対一に対応して定位するようにしてもよい。
これにより、TVモニタ115の画面116の音源位置に対応する位置のビームが指向した位置に実音像位置が規定され、TVモニタ115の画面116に表示された音源の画像位置からあたかもその音が発するように、TVモニタ115において実音像を形成することができる。
上例によれば、ヘッドホン24は、収音時の複数のマイクロホン104、106、107、108の位置および複数の音源100、101、102の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報に基づいて、TVモニタ92、115により再生された映像の複数の被写体117、118、119の位置に複数の再生音像が一対一に対応して定位するように、畳み込み積分器5、7、9、11、制御装置50、51、52、53、54、56で補正した音響信号を再生するので、再生された映像の複数の被写体117、118、119の位置から、あたかもその音が発せられるように実音像を形成することができる。
また、第10図において、映像信号による映像は、音源100、101、102を含むものであり、位置情報検出装置103、105による音源位置情報により音像の指向性を制御し、対応する音がTVモニタ115の表示部としての画面116に再生された被写体117、118、119の各位置にこの被写体117、118、119の位置に複数の再生音像が対応して定位するようにしてもよい。
これにより、TVモニタ115の画面116の音源位置に対応する位置のビームが指向した位置に実音像位置が規定され、TVモニタ115の画面116に表示された音源の画像位置からあたかもその音が発するように、TVモニタ115において実音像を形成することができる。
上例によれば、映像信号による映像は、音源100、101、102を含むものであり、ヘッドホン24は、収音時の音源100、101、102の位置を示す再生音像位置情報に基づいて、TVモニタ92、115により再生された映像の音源100、101、102の位置に再生音像が定位するように、畳み込み積分器5、7、9、11、制御装置50、51、52、53、54、56で補正した音響信号を再生するので、再生された映像の音源100、101、102の位置から、あたかもその音が発せられるように実音像を形成することができる。
また、第10図において、マイクロホン104、106、107、108の位置は、映像信号による映像の場面によって変えるものであり、位置情報検出装置103、105によるマイク位置情報により音像の指向性を制御し、対応する音がTVモニタ115の表示部としての画面116に再生された被写体117、118、119の各位置にこの被写体117、118、119の位置に複数の再生音像が対応して定位するようにしてもよい。
これにより、TVモニタ115の画面116のマイク位置に対応する位置のビームが指向した位置に実音像位置が規定され、TVモニタ115の画面116に表示された音源のマイク位置からあたかもその音が発するように、TVモニタ115において実音像を形成することができる。
また、上例によれば、マイクロホン104、106、107、108の位置は、映像信号による映像の場面によって変えるものであり、ヘッドホン24は、収音時のマイクロホン104、106、107、108の位置を示す再生音像位置情報に基づいて、TVモニタ92、115により再生された映像のマイクロホン104、106、107、108の位置の方向に再生音像が定位するように、畳み込み積分器5、7、9、11、制御装置50、51、52、53、54、56で補正した音響信号を再生するので、再生された映像のマイクロホン104、106、107、108の位置の方向から、あたかもその音が発せられるように実音像を形成することができる。
また、このとき、第9図において示すように、ヘッドホン24にリセットスイッチ90を設け、リスナ23がこれを押すことにより、頭部回転の基準位置を設定する。また、ヘッドホン24の内側にリセットスイッチ91を設け、頭部にヘッドホン24を装着したとき、装着した一定期間にリセットがかかるようにしても良い。
上例によれば、ディジタル角度検出器28、アナログ角度検出器38はリセットスイッチ90を有し、リセットスイッチ90をオンしたときにリスナ23が向いている方向を基準方向に設定するようにしたので、リセットスイッチ90の作動により任意の方向を正面に設定することができる。
また、上例によれば、ディジタル角度検出器28、アナログ角度検出器38はリスナ23が予め定められた基準方向に向いたときにその方向を基準方向に設定するようにしたので、予め定められた方向を基準方向に自動的に設定することができる。
また、上例によれば、ヘッドホン24はリセットスイッチ91を有し、リスナ23がヘッドホン24を装着したとき、ディジタル角度検出器28、アナログ角度検出器38はTVモニタ92の画面の正面の方向を基準方向に設定するようにしたので、ヘッドホン24の装着により、常に映像の画面を正面に設定することができる。
また、第9図、第11図において、TVモニタ92、115は、例えば、映画用スクリーンとしても良い。この場合、シネマスコープサイズ、ビスタサイズ等の複数の画面サイズを有し、収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報に基づいてこの画面サイズに対応して、それぞれ、再生音像を定位させるようにしても良い。この場合、位置情報変更器93に第1図、第7図および第8図に示した入力端子65を設け、入力端子65に画面サイズに基づく切り替え信号を入力するようにすればよい。
上例によれば、スクリーンは複数の画面サイズを有し、ヘッドホン24は画面サイズに対応するようにして、スクリーンにより再生された映像に対応する方向に、収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報に基づいてメモリ35あるいはメモリ6、8、10、12のテーブルの種類、もしくは読み出す変化量を変えることにより、複数の再生音像が定位するように、畳み込み積分器5、7、9、11、制御装置50、51、52、53、54、56で補正した音響信号を再生するので、スクリーンの画面サイズが変わっても、映像に対応する方向に複数の再生音像を定位させるようにすることができる。
また、第9図、第11図において、TVモニタ92、115またはスクリーンは、例えば、リスナ23の前方および後方、左方および右方に配置するようにして、収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報に基づいてこの画面の映像に対応するように、それぞれ、再生音像を定位させるようにしても良い。
上例の場合には、特にゲーム機において、映像の動く方向から映像の移動に対応して、収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報に基づいて再生音像を定位させる用途に最適なものである。また、この再生音像の位置を双方向で定位させることができる。
更に、上述においては、リスナ23の頭の水平面内における向きについてのみ考慮したが垂直面内および、これらと直交する面内における向きについても同様に処理することも出来る。
さらに、第4図のデータは、次にようにして得ることができる。すなわちヘッドホン24で再生したときに好ましい再生音場となるよう、適当な室内に、必要なチャンネル数のインパルス音源とダミーヘッドマイクロホンを定められた位置に配置する。この場合のインパルスを測定する音源としてはスピーカを用いてもよい。
またダミーヘッドの各耳の収音位置に関しては、外耳道入り口から鼓膜位置までの間の何れの位置でもよいが、用いるヘッドホンの固有の特性を打ち消すための補正特性を求める位置と等しいことが要求される。
また制御信号の測定は、各チャンネルのスピーカ位置よりインパルス音を放射し、一定角度:Δθ毎にダミーヘッドの各耳に設けられたマイクロホンで収音することにより得られる。従ってある角度:θ1においては、1つのチャンネル毎に1組のインパルスレスポンスが得られることになるから、仮に5チャンネルの信号源の場合は、1つの角度毎に5組、すなわち10種の制御信号が得られることになる。従って、これらのレスポンスにより、左右両耳間の時間差及びレベル差を表す制御信号が得られる。
また音源、音場、用いるヘッドホンの固有の特性等を打ち消すための補正特性を求める方法は以下のようにしても良い。音場のインパルスレスポンスの収音を行なったダミーヘッドマイクロホンと同一のものを用い、用いるヘッドホンをダミーヘッドに装着し、ヘッドホン入力からダミーヘッドの各耳のマイクロホン間のインパルスレスポンスの逆特性となるようなインパルスレスポンスを計算で求める。
あるいはLMSアルゴリズム等の適応処理を用いてヘッドホン固有の補正値としての目標値に近づくように直接求めてもよい。具体的なヘッドホン固有の特性の補正は、オーディオ入力信号が加えられてから、ヘッドホンに信号が加えられるまでの間の任意の部分で、時間領域の処理としては求めた補正特性を表すインパルスレスポンスとの畳み込み積分を行なうことにより、またアナログ的にはD/A変換後、逆特性のアナログフィルターを通すことにより実現できる。
またメモリ35におけるテーブルは1組とし、アドレス制御回路34においてそのテーブルに対するアドレスの指定を変更して複数組のテーブルがある場合と同様に制御データを得ることも出来る。
更に、テーブルのデータは、リスナ23の一般的な頭の向きの範囲に限ってもよく、また、角度θは、例えば、θ=0°付近では0.5°おきに設定しておき、|θ≧45°|では3°おきに設定するというように、向きによって角度θの間隔を異ならせてもよい。上述したように、リスナが頭部回転の角度を識別できる角度毎でよい。更に、ヘッドホン24の代わりに、リスナ23の両耳の近くに配置したスピーカでもよい。
上述したいずれの例においても、入力されるオーディオ信号は、多チャンネルのステレオ等で収音されたディジタル記録された信号、およびアナログ記録された信号のどちらに対しても適応でき、またリスナ23の頭の動きを検出する角度検出手段に関しては、ディジタル信号で出力されるもの、およびアナログ信号で出力されるもののどちらに対しても適用できる。
また、リスナ23の頭の動きに同期させてヘッドホン24に供給されるオーディオ信号の特性を変更するとき、リスナ23の頭の動きに対し連続的にではなく、人間の聴覚特性に合わせ、人間の識別できる必要十分な適当な一定単位角度毎あるいは予め定められた角度毎にメモリ35のテーブルから読みだして行なっているので、リスナ23の頭の向きに対して必要十分な変更内容についてのみ演算を行なえば、連続的に変更をしたのと同じ効果を得ることが出来る。従って、メモリ35の容量の節約が図れ、かつ演算の処理速度に関しても必要以上に高速演算の必要がなくなる。
また、リスナ23の頭の回転に左右されず、常に一定方向の固定された音源からのバイノーラル特性が得られるので、極めて自然な頭外定位感が得られる。
また、メモリ35のテーブルに従って、ディジタル記録された両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号で表される特性を、畳み込む積分器5、7、9、11およびメモリ6、8、10、12において予めインパルスレスポンスが畳み込まれたディジタル信号に対して、純電子式に補正を行ない制御しているので特性劣化が少なく、かつリスナ23の頭の動きに対するオーディオ信号の特性の変化に遅れを生じることがないので、従来のシステムにおけるような不自然さを生じさせることはない。
また、角度θの変化に対する両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号の変化量を、テーブルによって標準値よりも大きく、あるいは小さくなるようにしておくことにより、リスナ23の頭の向きに対する音像の位置の変化量が異なるので、これによりリスナ23から音像までの距離感などを変更したり、画面サイズに対応することができる。
また、残響回路13、14により必要に応じ適切な残響信号が付加されるので、あたかも有名なコンサートホールで音楽を聞いているような臨場感を得ることが出来る。
上述した例によれば、複数のリスナ23の個々の頭部回転に応じて両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号による補正を行うことにより複数のヘッドホン24で同時に再生することができ、高価なA/D変換器3や、畳み込み積分器5、7、9、11を複数のリスナ23の数だけ用意する必要がなく、極めて安価に構成することができる。
さらに、上例において、頭部回転検出器に振動ジャイロを用いてもよい。このようにすることにより、頭部回転検出器を小型で軽量、かつ低消費電力で長寿命、しかも取扱いが簡便で安価に構成することができる。
さらに、振動ジャイロは、慣性力を利用せず、コリオリ力によって動作しているので、リスナ23の頭部の回転中心近傍に設置する必要がなく、回転検出部のいずれの場所に取り付けてもよいので、構成および組み立てを簡単にすることができる。
以下本発明に係る映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例について、第12図から第14図に従い詳細に説明する。
本発明の実施例の映像信号及び音響信号の再生装置は、収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報を有する映像信号及び音響信号を映像を見ながらヘッドホンで再生する際に、本来スピーカで再生する場合に予め定められた位置関係に置かれるべきスピーカから音が再生されるのと同等の定位感、音場感等を、ヘッドホンで再生しても得られるようにしたものであり、特に、映像に対応する方向に、収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報に基づいて複数の再生音像が定位するようにしたものである。
すなわち、本発明の実施例の映像信号及び音響信号の再生装置は、ステレオ等で収音された多チャンネルであって、収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報を有する映像信号及び音響信号を、映像を見ながらヘッドホンで再生するシステムに用いるものである。特に各チャンネルに記録あるいは伝送されるディジタル化された音響信号をヘッドホン等で再生する際に、複数チャンネルの再生音像を、予め定められた収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報に基づいて映像に対応する位置に定位させるようにしたものである。
第12図において、この発明の映像信号及び音響信号の再生装置の例を示す。なお、第12図から第14図は、第1図、第7図および第8図に対応するものであり、ここでは第12図から第14図が、第1図、第7図および第8図と異なる点を説明し、共通する点の構成及び動作の説明を省略する。
この例においては、第12図、第13図及び第14図のいずれにおいても、映像信号は映像信号再生装置62に供給されると共に、位置情報抽出回路66に供給される。位置情報抽出回路66は、予め映像信号と共に供給される再生音像位置情報を抽出する回路である。この再生音像位置情報は、例えば映像信号再生装置62のスクリーン上における収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置である。
位置情報抽出装置66からの位置情報は、アドレス制御回路34のアドレスを切り替える切替器36に供給される。また、映像信号再生装置62のスクリーンの画面サイズに基づく切り替え信号も入力端子65から切替器36に供給される。
上述したテーブルは、メモリ35に対して例えば3組設けられると共に、その組毎に、予め定められた映像信号再生装置62のスクリーンとリスナ23との距離や角度等の相対的な位置、また映像信号再生装置62のスクリーンの画面サイズ等に対応してデータの値が異なるようになされている。そして、その3組のテーブルのうちの最適な1つのテーブルが、アドレス制御回路34の切替器36の切り替えによるアドレスの切り替えに従って選択される。
この実施例の映像信号及び音響信号の再生装置はこのように構成され、以下のような動作をする。入力端子60から映像信号及び音響信号が入力され、分離回路61で音響信号と映像信号とが分離される。映像信号は映像信号再生装置62に供給される。分離回路61で分離された音響信号がディジタル音響信号であればディジタルステレオ信号源1に供給され、アナログ音響信号であればアナログステレオ信号源2に供給される。この場合、ディジタルオーディオ信号およびアナログオーディオ信号は、それぞれ収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報を有する映像信号から分離された音響信号である。
上例では特に、予め定められた映像信号再生装置62のスクリーンとリスナ23との距離や角度等の相対的な再生音像位置情報が位置情報抽出回路66からアドレス制御回路34に供給される。また、映像信号再生装置62のスクリーンの画面サイズに基づく切り替え信号も入力端子65から切替器36に供給される。アドレス制御回路34は切替器36の切り替えによりアドレスを切り替えるようにする。
上述したテーブルは、メモリ35に対して例えば3組設けられると共に、その組毎に、予め定められた映像信号再生装置62のスクリーンとリスナ23との距離や角度等の相対的な位置、また映像信号再生装置62のスクリーンの画面サイズ等に対応してデータの値が異なるようになされている。そして、その3組のテーブルのうちの最適な1つのテーブルが、再生音像位置情報または画面サイズの変更に対応して再生音像の位置を変えるように、アドレス制御回路34の切替器36の切り替えによるアドレスの切り替えに従って選択される。
これにより、予め定められた映像信号再生装置62のスクリーンとリスナ23との距離や角度等の相対的な位置に対応して、アドレス制御回路34のアドレスが切り替えられ、最適なテーブルが選択され、再生音像の位置を例えば映像信号再生装置62のスクリーン上における収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置に対応させることができる。
また映像信号再生装置62のスクリーンの画面サイズに対応して、アドレス制御回路34のアドレスが切り替えられ、最適なテーブルが選択され、再生音像の位置を例えば映像信号再生装置62の画面サイズが切り替えられたときにも、切り替えられた画面サイズのスクリーン上における収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置に対応させることができる。
このようにして、ヘッドホン24に供給されるオーディオ信号L,Rは、リスナ23の頭の向きに対応した頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル記録されたインパレスレスポンスまたは両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号との補正が行なわれれるので、映像に相応して再生音像を定位させて、複数個のスピーカが仮想音源位置に置かれてスピーカで再生しているような音場感を得ることが出来る。
以下本発明に係る映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例について、第15図から第26図に従い詳細に説明する。
本発明の実施例の映像信号及び音響信号の再生装置は、音響信号を映像を見ながらヘッドホンで再生する際に、本来スピーカで再生する場合に予め定められた位置関係に置かれるべきスピーカから音が再生されるのと同等の定位感、音場感等を、ヘッドホンで再生しても得られるようにしたものであり、特に、リスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向に複数の再生音像が定位するようにしたものである。
すなわち、本発明の実施例の映像信号及び音響信号の再生装置は、ステレオ等で収音された多チャンネルの音響信号を映像を見ながらヘッドホンで再生するシステムに用いるものである。特に予め定められた位置関係(例えば、リスナの前方右、前方左、中央、その他である。)に各音像を定位させる目的で各チャンネルに記録あるいは伝送されるディジタル化された音響信号をヘッドホン等で再生する際に、リスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向に複数チャンネルの再生音像を定位させるようにしたものである。
第15図において、この発明の映像信号及び音響信号の再生装置の例を示す。なお、第15図から第17図は、第12図、第13図および第14図に対応するものであり、ここでは第15図から第17図が、第12図、第13図および第14図と異なる点を説明し、共通する点の構成及び動作の説明を省略する。
入力端子60から映像信号及び音響信号が入力され、分離回路61で音響信号と映像信号とが分離される。映像信号は映像信号再生回路67に供給される。映像信号再生回路67は映像信号の所定の再生前処理を行い、虚像式ディスプレイ193に映像信号を供給する。分離回路61で分離された音響信号がディジタル音響信号であればディジタルステレオ信号源1に供給され、アナログ音響信号であればアナログステレオ信号源2に供給される。
ここで、この例においては、第15図、第16図及び第17図のいずれにおいても、映像信号は位置情報抽出回路66に供給される。位置情報抽出回路66は、予め映像信号と共に供給される再生音像位置情報を抽出する回路である。この再生音像位置情報は、例えば虚像式ディスプレイ193のスクリーン上における収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置である。
そして、映像信号は映像信号再生回路67において映像信号の所定の再生前処理を経た後に、リスナ23に装着された虚像式ディスプレイ193に供給される。
この実施例の映像信号及び音響信号の再生装置はこのように構成され、以下のような動作をする。入力端子60から映像信号及び音響信号が入力され、分離回路61で音響信号と映像信号とが分離される。映像信号は映像信号再生回路67に供給される。分離回路61で分離された音響信号がディジタル音響信号であればディジタルステレオ信号源1に供給され、アナログ音響信号であればアナログステレオ信号源2に供給される。
上例では特に、第15図、第16図及び第17図のいずれにおいても、予め定められた虚像式ディスプレイ193のスクリーンとリスナ23との距離や角度等の相対的な位置情報が位置情報抽出回路66からアドレス制御回路34に供給される。また、虚像式ディスプレイ193のスクリーンの画面サイズに基づく切り替え信号も入力端子65から切替器36に供給される。アドレス制御回路34は切替器36の切り替えによりアドレスを切り替えるようにする。
上述したテーブルは、メモリ35に対して例えば3組設けられると共に、その組毎に、虚像式ディスプレイ193のスクリーンとリスナ23との距離や角度等の相対的な位置、また虚像式ディスプレイ193のスクリーンの画面サイズ等に対応してデータの値が異なるようになされている。そして、その3組のテーブルのうちの最適な1つのテーブルが、アドレス制御回路34の切替器36の切り替えによるアドレスの切り替えに従って選択される。
これにより、予め定められた虚像式ディスプレイ193のスクリーンとリスナ23との距離や角度等の相対的な位置に対応して、アドレス制御回路34のアドレスが切り替えられ、最適なテーブルが選択され、再生音像の位置を例えば虚像式ディスプレイ193のスクリーン上における収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置に対応させることができる。
また虚像式ディスプレイ193のスクリーンの画面サイズに対応して、アドレス制御回路34のアドレスが切り替えられ、最適なテーブルが選択され、再生音像の位置を例えば虚像式ディスプレイ193の画面サイズが切り替えられたときにも、切り替えられた画面サイズのスクリーン上における収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置に対応させることができる。
このようにして、ヘッドホン24に供給されるオーディオ信号L,Rは、リスナ23の頭の向きに対応した頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル記録されたインパレスレスポンスまたは両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号との補正が行なわれれるので、複数個のスピーカが仮想音源位置に置かれてスピーカで再生しているような音場感を得ることが出来る。
このとき、虚像式ディスプレイ193には、ディジタル角度検出器28またはアナログ角度検出器38によるリスナ23の基準方向に対する頭部運動の情報が供給されている。従って、リスナ23が、頭部を回転させたときに、この情報に基づいて、リスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された画像を、あたかも角度を変えて見ているようにして連続して変化して見えるようにしても良い。
更に、角度θの変化に対するリスナ23の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から両耳に至るディジタル記録された両耳間の時間差及び両耳間のレベル差を表す制御信号の変化量を、テーブルにより標準値よりも大きく、あるいは小さくなるようにしておくことにより、リスナ23の頭の向きに対する音像の位置の変化量が異なるので、これによりリスナ23から音像までの距離感などを変更することが出来る。そして映像信号及び音響信号の再生装置に用いる虚像式ディスプレイの、聴取者23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像の画面サイズに合わせた変更も、この変化量で対応可能となる。
第18図において、この発明の映像信号および音響信号の再生装置の他の実施例の虚像式ディスプレイの動作原理を示す。虚像式ディスプレイ193は、リスナ23の右眼180の前方にレンズ182を介して液晶表示装置(以下「LCD」という。)184を配置し、左眼181の前方にレンズ183を介してLCD185を配置し、LCD184および185に表示された再生画像をレンズ182および183により拡大し、LCD184および185の前方に虚像187が映し出されるようにして再生されるものである。
つまり、LCD184および185に映し出された画像情報が、接眼レンズとしてのレンズ182および183を通して虚像となり、右眼180および左眼181から別々の情報として脳に入り、そこで重ね合わせて一つの像となる。ここで、両眼の生理的に安静な位置になるように両眼から1〜1.5メートル先に虚像187を写すように、装置に眼のより角としての輻軸角186を与えている。
この場合、LCD184および185は、この発明の出願人が独自に開発したものであり、きめの細かい精細な画像を再現する、小型で高密度な、0.7インチ、10.3万画素のLCDである。このLCDを右眼180および左眼181に対して各1枚ずつ、2枚のLCD184および185を採用することにより、大画面を虚像187として再生することができる。また、立体画像としての3Dモニターとしての使用も可能である。2DはLCD184および185に映し出された同じ画像、3Dは視差を持った画像とすることにより実現することができる。
また、本体の小型、軽量化を図るために、レンズ182および183には、この発明の出願人が独自に開発した小型、高倍率な矩形非球面プラスチックレンズを採用した。これにより、LCD184および185に写る画像を拡大する際の歪みを抑え、すみずみまでシャープな映像を再生することができる。
第19図において、この発明の映像信号及び音響信号の再生装置の他の実施例の虚像式ディスプレイの外観を示す。虚像式ディスプレイ193は、レンズ182および183、LCD184および185を有するスコープ194をリスナ23の左右両眼を覆うようにして配置し、アーム196でリスナ23の頭部に装着するものである。この場合、額パッド195はリスナ23の額を支持し、アジャスター197で装着の強度を調節することができる。
上例では、虚像式ディスプレイ193は、ヘッドホン24とは別体である例を示したが、虚像式ディスプレイ193のアーム196とヘッドホン24のヘッドバンド27とが固定され、一体として構成するようにしても良い。
上例によれば、映像再生手段としての虚像式ディスプレイ193は、リスナ23の左右両眼に対応する位置に左液晶表示部としてのLCD185および右液晶表示部としてのLCD184を有するので、左液晶表示部としてのLCD185および右液晶表示部としてのLCD184により、リスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に再生映像を投影することができる。
また、上例によれば、映像再生手段としての虚像式ディスプレイ193は、リスナ23の左右両眼に対応する位置に矩形非球面の左右の接眼レンズ182、183を介して左液晶表示部としてのLCD185および右液晶表示部としてのLCD184を有するので、左液晶表示部としてのLCD185および右液晶表示部としてのLCD184に写る画像を拡大して、左液晶表示部としてのLCD185および右液晶表示部としてのLCD184の前方であって、リスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に再生映像を投影することができる。
第20図から第26図にこの発明の映像信号および音響信号の再生装置の他の実施例のスピーカの配置のシミュレーションを示す。第20図において、音響信号に伴う映像信号による映像を映し出す虚像の位置192の方向を正面とする。このとき、スピーカの配置のシミュレーションは、以下のようになる。まず、リスナ23の左右の両耳23L,23Rを結ぶ直線より前方のAの範囲にスピーカが配置されたように音像が定位する。次に、リスナ23の左右の両耳23L,23Rを結ぶ直線上のBの範囲にスピーカが配置されたように音像が定位する。さらに、リスナ23の左右の両耳23L,23Rを結ぶ直線より後方のCの範囲にスピーカが配置されたように音像が定位する。
上例によれば、音響再生手段としてのヘッドホン24は映像信号再生手段としての虚像式ディスプレイ193の映像信号の再生によりリスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向であって、リスナ23の前方および後方に複数の再生音像が定位するように、制御手段としてのメモリ6、8、10、12、畳み込み積分器5、7、9、11、制御装置50、51、52、53、54、56で補正した音響信号を再生するので、複数の再生音像をリスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向に定位させるようにすることができる。
つまり、この場合、虚像の位置192の映像の位置が前方であれば前方に、後方であれば後方に、左方であれば左方に、右方であれば右方に再生音像を定位させるようにするのである。また、映像が進行する場合には、映像の進行に対応して再生音像を移動させて、所定位置に定位させるようにするのである。
このとき、虚像式ディスプレイ193には、ディジタル角度検出器28またはアナログ角度検出器38によるリスナ23の基準方向に対する頭部運動の情報が供給されている。従って、リスナ23が、頭部を回転させたときに、この情報に基づいて、リスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた虚像の位置192に投影された画像を、あたかも角度を変えて見ているようにして連続して変化して見えるようにしても良い。
また、このとき、ヘッドホン24にリセットスイッチ190を設け、リスナ23がこれを押すことにより、頭部回転の基準位置を設定する。また、ヘッドホン24の内側にリセットスイッチ191を設け、頭部にヘッドホン24を装着したとき、リセットがかかるようにしても良い。また、リスナ23が予め定められた基準方向に向いたときにその方向を基準方向に設定するようにしても良い。
上例によれば、ディジタル角度検出器28、アナログ角度検出器38はリセットスイッチ190を有し、リセットスイッチ190をオンしたときにリスナ23が向いている方向を基準方向に設定するようにしたので、リセットスイッチ190の作動により任意の方向を正面に設定することができる。
また、上例によれば、ディジタル角度検出器28、アナログ角度検出器38はリスナ23が予め定められた基準方向に向いたときにその方向を基準方向に設定するようにしたので、予め定められた方向を基準方向に自動的に設定することができる。
また、上例によれば、ヘッドホン24はリセットスイッチ191を有し、リスナ23がヘッドホン24を装着したとき、ディジタル角度検出器28、アナログ角度検出器38は虚像の位置192の画面の正面の方向を基準方向に設定するようにしたので、ヘッドホン24の装着により、常に映像の画面を正面に設定することができる。上例では、ヘッドホン24にリセットスイッチ190、191を設ける例を示したが、虚像式ディスプレイ193に設けるようにしても良い。
スピーカ配置のシミュレーションは、具体的には、第21図〜第26図に示すようになる。1チャンネルのモノラル再生用のスピーカ配置のシミュレーションは、第21図に示すようになる。つまり、リスナ23が位置する客席210の前方に、映像を映し出す虚像の位置211が配置される。このとき、客席210の前方で、虚像の位置211の中央にセンタースピーカCが配置されたように再生音像が定位するように音響の再生をする。
また、2チャンネルのステレオ再生用のスピーカ配置のシミュレーションは、第22図に示すようになる。つまり、リスナ23が位置する客席220の前方に、映像を映し出す虚像の位置221が配置される。このとき、客席220の前方で、虚像の位置221の左方および右方に左スピーカLおよび右スピーカRが配置されたように再生音像が定位するように音響の再生をする。
また、3チャンネルの再生用のスピーカ配置のシミュレーションは、第23図に示すようになる。つまり、リスナ23が位置する客席230の前方に、映像を映し出す虚像の位置231が配置される。このとき、客席230の前方で、虚像の位置231の中央にセンタースピーカCが配置され、虚像の位置231の左方および右方に左スピーカLおよび右スピーカRが配置され、センタースピーカCの付近にサブウーハスピーカWが配置されたように再生音像が定位するように音響の再生をする。
また、4チャンネルの再生用のスピーカ配置のシミュレーションは、第24図に示すようになる。つまり、リスナ23が位置する客席240の前方に、映像を映し出す虚像の位置241が配置される。このとき、客席240の前方で、虚像の位置241の中央にセンタースピーカCが配置され、虚像の位置241の左方および右方に左スピーカLおよび右スピーカRが配置され、さらに、客席240の後方正面左右および、後方左右両側面にサラウンドスピーカSが配置され、センタースピーカCの付近にサブウーハスピーカWが配置されたように再生音像が定位するように音響の再生をする。
また、5チャンネルの再生用のスピーカ配置のシミュレーションは、第25図に示すようになる。つまり、リスナ23が位置する客席250の前方に、映像を映し出す虚像の位置251が配置される。このとき、客席250の前方で、虚像の位置251の中央にセンタースピーカCが配置され、虚像の位置251の左方および右方に左スピーカLおよび右スピーカRが配置され、さらに、客席250の後方正面左および後方左側面にサラウンド左スピーカSLが配置され、客席250の後方正面右および後方右側面にサラウンド左スピーカSRが配置され、センタースピーカCの付近にサブウーハスピーカWが配置されたように再生音像が定位するように音響の再生をする。
上例によれば、音響再生手段としてのヘッドホン24は映像再生手段としての虚像式ディスプレイ193の映像信号の再生によりリスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向であって、リスナ23の前方中央、前方右、前方左、後方右および後方左に5チャンネルの再生音像が定位するように、制御手段としてのメモリ6、8、10、12、畳み込み積分器5、7、9、11、制御装置50、51、52、53、54、56で補正した音響信号を再生するので、前方中央、前方右、前方左、後方右および後方左の5チャンネルの再生音像をリスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向に定位させるようにすることができる。また、更に、サブウーハチャンネルとして、低域再生音のみを再生するチャンネルを、例えばセンタースピーカ付近に設けても良い。また、8チャンネル以上でも良い。
また、前方5チャンネル、後方2チャンネルの再生用のスピーカ配置のシミュレーションは、第26図に示すようになる。つまり、リスナ23が位置する客席260の前方に、映像を映し出す虚像の位置261が配置される。このとき、客席260の前方で、虚像の位置261の中央にセンタースピーカCが配置され、虚像の位置261の左方および右方に左スピーカLおよび右スピーカRが配置され、さらに、センタースピーカCと左スピーカLとの間に左エキストラスピーカLEを配置し、センタースピーカCと右スピーカRとの間に右エキストラスピーカREを配置し、客席260の後方左側面にサラウンド左スピーカSLが配置され、客席260の後方右側面にサラウンド左スピーカSRが配置されたように再生音像が定位するように音響の再生をする。更に、サブウーハチャンネルとして、低域再生音のみを再生するチャンネルのサブウーハスピーカWを、例えばセンタースピーカC付近に設けても良い。また、8チャンネルスピーカXを設けても良く、更に8チャンネル以上でも良い。
上例によれば、音響再生手段としてのヘッドホン24は映像再生手段としての虚像式ディスプレイ193の映像信号の再生によりリスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向であって、リスナ23の前方中央、前方右、前方左、前方右中央、前方左中央、後方右および後方左に7チャンネルの再生音像が定位するように、制御手段としてのメモリ6、8、10、12、畳み込み積分器5、7、9、11、制御装置50、51、52、53、54、56で補正した音響信号を再生するので、前方中央、前方右、前方左、前方右中央、前方左中央、後方右および後方左の7チャンネルの再生音像をリスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向に定位させるようにすることができる。また、更に、サブウーハチャンネルとして、低域再生音のみを再生するチャンネルを、例えばセンタースピーカ付近に設けても良い。また、8チャンネル以上でも良い。
また、第20図〜第26図において、虚像の位置192、211、221、231、241、251、261は、例えば、光学系としてのレンズ182および183を調整することにより、シネマスコープサイズ、ビスタサイズ等の複数の画面サイズを有し、この画面サイズに対応して、それぞれ、再生音像を定位させるようにしても良い。このとき、第15図、第16図及び第17図において、画面サイズに基づく切り替え信号を入力端子65に入力するようにする。
また、虚像式ディスプレイ193には、ディジタル角度検出器28またはアナログ角度検出器38によるリスナ23の基準方向に対する頭部運動の情報が供給されている。従って、リスナ23が、頭部を回転させたときに、この情報に基づいて、第21図から第26図において、リスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた虚像の位置211、221、231、241、251、261に投影された画像を、あたかも角度を変えて見ているようにして連続して変化して見えるようにしても良い。
上例によれば、虚像の位置192、211、221、231、241、251、261は複数の画面サイズを有し、ヘッドホン24は画面サイズに対応するようにして、虚像式ディスプレイ193によりリスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向に、複数の再生音像が定位するように、メモリおよび畳み込み積分器5、6、7、8、9、10、11、12、制御装置50、51、52、53、54、56で補正した音響信号を再生するので、虚像の位置192、211、221、231、241、251、261の画面サイズが変わっても、リスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向に複数の再生音像を定位させるようにすることができる。
また、第20図〜第26図において、虚像式ディスプレイ193は、例えば、リスナ23の前方および後方、左方および右方に配置するようにして、この虚像の位置192、211、221、231、241、251、261の画面の映像に対応するように、それぞれ、再生音像を定位させるようにしても良い。
また、第20図〜第26図において、虚像式ディスプレイ193は、リスナ23を覆うようにして、リスナ23の前方および後方、左方および右方、上方および下方に配置するようにして、このこの虚像の位置192、211、221、231、241、251、261の画面の映像に対応するように、それぞれ、再生音像を定位させるようにしても良い。
上例の場合には、特にゲーム機において、映像の動く方向から映像の移動に対応して、再生音像を定位させる用途に最適なものである。
上例によれば、映像再生手段としての虚像式ディスプレイ193はリスナ23を覆うように、少なくともリスナ23の前方および後方、右方および左方に配置され、音響再生手段としてのヘッドホン24は映像再生手段としての虚像式ディスプレイ193の映像信号の再生によりリスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向に任意の複数の再生音像が定位するように、制御手段としてのメモリ6、8、10、12、畳み込み積分器5、7、9、11、制御装置50、51、52、53、54、56で補正した音響信号を再生するので、前方および後方、右方および左方の複数の再生音像をリスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向に定位させるようにすることができる。
更に、上述においては、リスナ23の頭の水平面内における向きについてのみ考慮したが垂直面内および、これらと直交する面内における向きについても同様に処理することも出来る。
上例によれば、角度検出手段としてのディジタル角度検出器28、アナログ角度検出器38は、リスナ23の基準方向に対する上方および下方の回転角度を併せて検出し、映像再生手段としての虚像式ディスプレイ193はリスナ23を覆うように、少なくともリスナ23の前方および後方、右方および左方、上方および下方に配置され、音響再生手段としてのヘッドホン24は映像再生手段としての虚像式ディスプレイ193の映像信号の再生によりリスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向に任意の複数の再生音像が定位するように、制御手段としてのメモリ6、8、10、12、畳み込み積分器5、7、9、11、制御装置50、51、52、53、54、56で補正した音響信号を再生するので、前方および後方、右方および左方、上方および下方の複数の再生音像をリスナ23の左右両眼から所定距離だけ離れた位置に投影された再生映像に対応する方向に定位させるようにすることができる。
産業上の利用の可能性
この発明の映像信号及び音響信号の再生装置は、特に、ゲーム機において、映像の動く方向から映像の移動に対応して、収音時のマイクの位置および音源の位置またはいずれか一方の位置を示す再生音像位置情報に基づいて再生音像を定位させる用途に最適なものである。また、この再生音像の位置を双方向で定位させる用途に適用することができる。

Claims (21)

  1. 聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から聴取者の両耳に至るインパルスレスポンスを聴取者の頭部の動きに対応づけて記録し、または聴取者が識別できる角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の時間差及びレベル差を表す制御信号を記憶した記憶手段と、
    上記基準方向に対する少なくともひとりの聴取者の頭部の運動を所定角度毎に検出して信号を出力する少なくともひとつの角度検出手段と、
    映像信号再生手段で再生される仮想音源と聴取者の頭部との相対的移動を検出する検出手段と、
    上記角度検出手段からの角度に対応した信号と上記検出手段からの出力信号とに基づいて、上記記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出すために上記記憶手段に供給するアドレス信号を生成するアドレス信号生成手段と、
    上記アドレス信号生成手段によって生成されたアドレス信号により上記記憶手段のアドレスを指定することによって、上記記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出し、上記記憶手段から読み出されたインパルスレスポンスまたは制御信号に基づいて信号源から供給される音響信号をリアルタイムで補正して再生音響信号を得る制御手段と、
    聴取者の頭部に装着可能で、上記制御手段で得られる再生音響信号を供給され、上記映像信号再生手段により再生された映像に対応する方向に再生音像が定位するように、この再生音響信号を再生する音響信号再生手段と
    を備えていることを特徴とする映像信号及び音響信号の再生装置。
  2. 上記検出手段は、映像信号および音響信号とともに供給される位置情報を抽出する抽出手段を備え、上記抽出手段からの出力信号が上記制御手段に供給されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  3. 上記検出手段は、聴取者の頭部に装着されて聴取者の上記映像信号再生手段に対する相対的移動を検出する位置検出手段を備え、上記位置検出手段からの検出信号が上記制御手段に供給されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  4. 上記位置検出手段は、上記音響信号再生手段に設けられていることを特徴とする請求の範囲第3項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  5. 上記位置検出手段は、少なくとも上記基準方向に対する聴取者の頭部の回転情報及び上記基準位置に対する聴取者の頭部の接近または離隔の情報に基づいて、上記角度検出手段からの角度情報の座標を変更するようにしたことを特徴とする請求の範囲第3項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  6. 上記位置検出手段は、少なくとも上記基準方向に対する聴取者の頭部の回転情報及び上記基準位置に対する接近または離隔の情報を、上記角度検出手段からの角度情報に付加することによって上記角度検出手段からの角度情報を変更するようにしたことを特徴とする請求の範囲第3項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  7. 上記角度検出手段は、リセットスイッチを備えているとともに、上記角度検出手段は上記リセットスイッチが作されたときに聴取者が向いている方向に基準方向が設定されるようにしたことを特徴とする請求の範囲第1項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  8. 上記角度検出手段には、聴取者が予め定められた基準方向に向いたときに、その方向を基準方向に設定するようにしたことを特徴とする請求の範囲第1項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  9. 上記音響信号再生手段は、リセットスイッチを備え、聴取者が上記音響信号再生手段を装着したときに上記リセットスイッチが操作されて、上記角度検出手段に上記映像信号再生手段の画面の正面方向を基準方向に設定されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  10. 上記装置は、更に上記映像信号再生手段の表示部の大きさに基づく信号をデータとする入力手段を備え、上記入力手段からの信号は、上記アドレス信号生成手段に供給され、上記アドレス信号生成手段は、上記角度検出手段からの角度に対応した信号、上記検出手段からの出力信号及び上記入力手段によって入力されたデータに対応するアドレス信号を生成することを特徴とする請求の範囲第1項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  11. 上記角度検出手段は、聴取者の基準方向に対する上方及び下方の回転角度をあわせて検出するとともに、上記音響信号再生手段は、上記角度検出手段によって検出された上下方向の回転角度にあわせて上記記憶手段から読み出されたインパルスレスポンスまたは制御信号に基づいて上記制御手段によって補正された音響信号を再生することにより、上記映像信号再生手段により再生された映像に対応する方向に任意の生音像が定位することを特徴とする請求の範囲第1項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  12. 上記映像信号再生手段は、聴取者の頭部に装着可能であり、聴取者の両眼に対向して設けられ、聴取者の両眼から所定距離離れた位置に再生映像が投影されるものであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  13. 上記映像信号再生手段は、聴取者の頭部に装着される頭部装着体と、上記頭部装着体の聴取者の両眼に対応する位置に各々配される一対の表示部を備えていることを特徴とする請求の範囲第12項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  14. 上記映像信号再生手段は、更に聴取者の両眼と上記一対の表示部との間に各々配された一対の矩形状の非球面のレンズを備えていることを特徴とする請求の範囲第13項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  15. 上記映像信号再生手段は、聴取者の頭部に装着される頭部装着体と、上記頭部装着体の聴取者の両眼に対応する位置に各々配される一対の虚像式ディスプレイユニットを備えていることを特徴とする請求の範囲第12項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  16. 仮想音源位置に対する少なくともひとりの聴取者の頭部の運動を所定角度毎に検出して信号を出力する少なくともひとつの角度検出手段と、
    像信号再生手段で再生される仮想音源と聴取者の頭部との相対的移動を検出する検出手段と、
    基準方向に対して聴取者の頭部が回転したときに、信号源から供給される音響信号再生されたときの音像が上記仮想音源位置に定位するように上記信号源からの音響信号を補正する補正データが記憶された記憶手段と、
    上記角度検出手段からの聴取者の角度情報に基づいて、上記記憶手段から選択的に補正データを読み出し、この補正データに対して上記検出手段からの検出信号に基づいて変更を加えて、上記信号源からの音響信号を補正して再生音響信号を得る制御手段と、
    聴取者の頭部に装着可能で、上記制御手段で得られる再生音響信号が供給され、上記映像信号再生手段により再生された映像に対応する方向に再生音像が定位するように、この再生音響信号を再生する音響信号再生手段と
    を備えていることを特徴とする映像信号及び音響信号の再生装置。
  17. 上記記憶手段には、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から聴取者の両耳に至るインパルスレスポンスを聴取者の頭部の動きに対応づけて記録し、または聴取者が識別できる角度毎に、聴取者の頭部の基準方向に対する仮想音源位置から聴取者の両耳に至る音響信号の時間差及びレベル差を表す制御信号が記憶されていることを特徴とする請求の範囲第16項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  18. 上記装置は、更に上記記憶手段に記憶されたインパルスレスポンスまたは制御信号を読み出すために上記記憶手段に供給するアドレス信号を生成するアドレス信号生成手段を備えていることを特徴とする請求の範囲第17項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  19. 上記検出手段は、上記信号源からの映像信号及び音響信号とともに出力される位置情報を抽出する抽出手段を備え、上記抽出手段からの出力信号が上記制御手段に供給されることを特徴とする請求の範囲第16項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  20. 上記検出手段は、聴取者の頭部に装着されて聴取者の上記映像信号再生手段に対する相対的移動を検出する位置検出手段を備え、上記位置検出手段からの検出信号が上記制御手段に供給されることを特徴とする請求の範囲第16項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
  21. 上記位置検出手段は、上記音響信号再生手段に設けられていることを特徴とする請求の範囲第20項記載の映像信号及び音響信号の再生装置。
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