JP3684663B2 - 易接着フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

易接着フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、易接着フィルムおよびその製造方法に関するものである。特に本発明は、蒸着膜との接着性、特に高湿度下での接着性あるいは印刷インキとの接着性などに優れ、包装材料、電気絶縁材料、一般工業材料に使用されるフィルムとして好適な易接着フィルムおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、基材フィルムに印刷インキや蒸着膜との接着性を付与する方法としては、コロナ放電処理を施す方法、低結晶性ポリエステルと高結晶性ポリエステルとを混合する方法(例えば特公昭64−10188号公報)、あるいはウレタン樹脂、アクリル樹脂、共重合ポリエステル樹脂などを印刷インキあるいは蒸着下引層として形成させる方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記のような従来の技術では、いずれの方法を用いても接着力が不十分であったり、加工性が不十分であるなどの課題があった。例えば、蒸着フィルムを包装用として使用する場合、蒸着面上に易接着層を介して各種フィルム、例えばヒートシール性フィルムなどが積層され、製袋されたりするが、水中においてはフィルムと蒸着膜の界面で容易に剥離してしまうという欠点があった。また、印刷インキ用途でも同様の問題があった。
【0004】
本発明の目的は、高湿下、特に水中での蒸着膜との接着性に優れ、印刷インキとの接着性や印刷仕上がりに優れた易接着フィルム、およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、印刷インキあるいは蒸着膜の下引層として基材フィルム上に設ける塗膜層について鋭意検討した結果、以下の構成を有する塗膜層を設けることにより印刷インキ、蒸着膜との接着性が優れることを見いだしたものである。
【0007】
すなわち、本発明に係る易接着フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に被膜を形成してなるフィルムであって、該被膜の表面のカルボン酸濃度が0.005以上であり、かつ、第1アミン濃度が0.0015以上であることを特徴とするものからなる。
【0009】
さらに、本発明に係る易接着フィルムの製造方法は、配向結晶化前の基材フィルムの少なくとも片面に被膜塗剤を塗布し、該基材フィルムを被膜とともに少なくとも一方向に延伸し、かつ、熱処理することにより、配向結晶化させるとともに、表面のカルボン酸濃度が0.005以上であり、かつ、第1アミン濃度が0.0015以上である被膜を形成することを特徴とする方法からなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明においては、基材フィルムの材質はとくに限定されないが、ポリエステル樹脂組成物からなるポリエステルフィルムであることが好ましい。本発明において、ポリエステルフィルムのポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であるが、特に好ましいポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンα、 β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン4, 4′−ジカルボキシレートなどであり、これらの中でも品質、経済性を総合的に勘案するとポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレートが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。そのため以後はポリエチレンテレフタレート(以後PETと略称する)をポリエステルの代表例として記述を進める。
【0011】
PETとは70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタレートを繰り返し単位とするものであるが、この限界量範囲内で他のジカルボン酸成分、シオール成分を共重合してもよく、例えばイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート等が挙げられるが、これに限られるのものではない。またこのPET中に本発明の効果を阻害しない範囲で公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、核剤などを配合してもよい。
【0012】
また、本発明のフィルムの取扱い性、加工性を向上させるために、平均粒子径0.1〜10μmの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子などの外部粒子の中から任意に選定される粒子が基材フィルムに0.01〜10重量%含有されていることが好ましく、さらには平均粒子径0.1〜5μmの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子が0.01〜3重量%含有されていることが好ましい。
【0013】
内部粒子の析出方法としては公知の技術を採用できるが、例えば特開昭48−61556号公報、特開昭51−12860号公報、特開昭53−41355号公報、特開昭54−90397号公報などに記載の技術が挙げられる。さらに特開昭55−20496号公報、特開昭59−204617号公報などに記載されているように他の粒子との併用も行うことができる。10μmを越える平均粒子径を有する粒子を使用するとフィルムの欠陥が生じ易くなるので好ましくない。無機粒子および/または有機粒子としては、例えば湿式および乾式シリカ、コロイド状シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー等の無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸類等を構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。なかでも好ましい粒子として、湿式および乾式コロイド状シリカ、アルミナ等の無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼン等を構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。これらの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子は二種以上を併用してもよい。
【0015】
上述したポリエステルフィルムの極限粘度(25℃オルソクロロフェノール中で測定)は0.40〜1.20dl/g、好ましくは0.50〜0.85dl/gの範囲にあるものが本発明の内容に適したものである。
【0016】
さらに被膜層との接着性を向上させる点から、被膜層の基材となるポリエステルフィルムのカルボキシル末端基量が37当量/トン以上が好ましく、さらに好ましくは40当量/トン以上であることが望ましい。
【0017】
上述のPETを使用したPETフィルムは塗膜層が積層された状態においては二軸配向されたものが好ましい。二軸配向PETフィルムとは、無延伸状態のPETシートまたはフィルムを長手方向および幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸されて作られるものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。
【0018】
PETフィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用途に応じて任意に選べばよいが、0.1〜1000μm、好ましくは0.5〜500μmである。
【0019】
本発明では基材フィルムの少なくとも片面に被膜を形成することが必要である。基材フィルムの表面に被覆する樹脂としては、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂等が挙げられるが、PETフィルム上に被覆すること、耐熱性等の点からポリエステル樹脂を含むことが好ましい。さらに被膜層中において該ポリエステル樹脂成分より成る部分が60重量%以上、好ましくは80重量%以上であることが良い。
【0020】
被膜の形成方法としては、樹脂を表面に被覆(複合溶融押出法、ホットメルトコート法、水以外の溶媒、水溶性および/または水分散性樹脂からのインライン、オフラインコート法など)する方法や、同様組成あるいはそのブレンド品の表面積層法などが挙げられる。なかでも、配向結晶化が完了する前のフィルムの一方の面に被膜塗剤を塗布し、少なくとも一方向に延伸し、熱処理して、配向結晶化を完了させるインラインコーティング法が均一な被膜形成や工業上好ましい。インラインコーティングは公知の方法に従い行うことができ、特に限定されるものではないが、塗布前にコロナ放電処理等の表面処理を行うことが密着性の点から好ましい。
【0021】
本発明における被膜を構成するポリエステル樹脂とは主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有するものであり、従来公知のポリエステル樹脂より任意に選ぶことができる。酸成分としては、接着性の点から例えばスルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,6−ジカルボン酸などに代表されるスルホン酸基を含有してなるジカルボン酸が好ましい。スルホン酸基の含有量は0.5モル%以下であることが好ましい。0.5モル%を超えてスルホン基を含有すると高湿度下や水中での蒸着膜との接着性が低下するばかりか耐溶剤性等が低下する。スルホン基を含有しないカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸が使用できる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカルボン酸成分の30モル%以上、好ましくは35モル%以上、より好ましくは40モル%以上が良い。30モル%未満ではポリエステル共重合体の機械的強度や耐水性が低下する。脂肪族及び脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
【0022】
グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4′−チオジフェノール、ビスフェノールA,4,4′−メチレンジフェノール、4,4′−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4′ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,およびp−ジヒドロキシベンゼン、4,4′−イソプロピリデンフェノール、4,4′−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどが挙げられる。
【0023】
また、多価カルボン酸としては、例えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2′,3,3′−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸などが挙げられる。なかでも、トリメリット酸、ピロメリット酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等が好ましく用いられる。
【0024】
中でもトリメット酸が密着性、水分散性、水溶化性、耐熱性等の点から好ましく、ポリエステル樹脂の1モル%〜25モル%のものが好ましい。25モル%を超えると、被膜の製膜性が不安定になり、1モル%未満では効果が発現しない。
【0025】
本発明において被膜を形成するポリエステル樹脂のガラス転移温度は0〜80℃が好ましい。0℃未満では耐熱性が不足し、80℃を超えると被膜の延伸性が悪化する。
【0026】
本発明において被膜を構成するポリエステル樹脂の酸価は20KOHmg/g以上が好ましく、さらに好ましくは25KOHmg/g以上であるのが良い。酸価が20未満では、発明の目的とする高湿度下、特に水中での蒸着層との接着性が不十分となる。
【0027】
本発明においては、被膜にアクリル樹脂を用いることもできる。本発明において、被膜を構成するアクリル樹脂とは、従来公知のアクリル樹脂より任意に選ぶことができる。アクリル樹脂は公知の方法によって製造することができ、該樹脂を構成するモノマ成分として下記のものを例示することができるがとくに限定するものではない。該アクリル樹脂の重合に供するモノマとしてはアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基など)を基本骨格とし、さらに官能基を付与するため以下のような官能基を有するモノマと共重合される。すなわち官能基としてはカルボキシル基、メチロール基、酸無水物基、スルホン酸基、アミド基またはアルキロール化されたアミド基、アミノ基(置換アミノ基を含む)あるいはアルキロール化されたアミノ基、水酸基、エポキシ基などを例示することができ、これらの塩、エステル化合物を共重合してもよい。
【0028】
カルボキシル基および/またはその塩、あるいは酸無物基を有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、これらのカルボン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、あるいは無水物などが挙げられる。
【0029】
アミド基あるいはアルキロール化されたアミド基を有する化合物としてはアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、メチロール化アクリルアミド、メチロール化メタクリルアミド、ウレイドビニルエーテル、β−ウレイドイソブチルビニルエーテル、ウレイドエチルアクリレートなどが挙げられる。
【0030】
アミノ基あるいはアルキロール化されたアミノ基および/またはその塩を有する化合物としてはジエチルアミノエチルビニルエーテル、2−アミノエチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−アミノブチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、およびそれらのアミノ基をメチロール化したもの、ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、サルトンなどにより四級塩化したものなどが挙げられる。
【0031】
本発明において、被膜を形成するメラミン化合物としてはメラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物およびこれらの混合物が挙げられる。またメラミン樹脂としては単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。エーテル化に用いられる低級アルコールとしてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等を挙げることが出来るが、特に限定するものではない。
【0032】
本発明においては、水溶性、反応性、保存性、耐湿性等の点からメチロール化メラミン誘導体を部分的にエーテル化した化合物およびその混合物が好ましいが、特に限定するものでない。
【0033】
本発明においてメラミン系化合物は被膜構成成分において0.01〜30重量%、より好ましくは0.05〜20重量%であることが好ましい。0.01重量%未満では接着性等の効果が発現しない。30重量%を超えると被膜の延伸性に欠け、安定な被膜を得ることが困難となる。
【0034】
本発明において被膜の表面のカルボン酸濃度は0.005以上であることが必要であり、好ましくは0.006〜0.20であるのが良い。より好ましくは0.007〜0.050である。0.005未満では、発明の目的とする接着性が不十分となる。また必要以上に多くなりすぎても接着性が低下する。
【0035】
本発明において被膜の表面のカルボン酸濃度が、0.005以上を得る方法としては、カルボン酸を末端および/または側鎖に多く有する樹脂を表面に被覆(複合溶融押出法、ホットメルトコート法、水以外の溶媒、水溶性および/または水分散性樹脂からのインライン、オフラインコート法など)する方法や、同様組成あるいはそのブレンド品の表面積層法などによって得られる。
【0036】
カルボン酸を末端および/または側鎖に多く有する樹脂を得る方法としては、特開昭54−46294、特開昭60−209073、特開昭62−240318、特開昭53−26828、特開昭53−26829、特開昭53−98336、特開昭56−116718、特開昭61−124684号公報などに記載の3価以上の多価カルボン酸を共重合した樹脂により製造することができる。また、これら以外の方法であってもよいが、前述した被膜を形成するポリエステル樹脂等が良い。
【0037】
本発明における被膜の表面の第1アミン濃度は0.0015以上が必要であり、好ましくは0.00155以上、さらに好ましくは0.0016以上であるのが良い。第1アミン濃度が0.0015未満では、発明の目的とする高湿下での接着性が不十分となる。
【0038】
本発明の少なくとも片面の第1アミン酸濃度が、0.0015以上を得る方法としては、該要件を満足すれば特に限定するものではないが、アミンを末端および/または側鎖に多く有する樹脂及び/又は例えば熱処理等の処理によりアミンが生成する樹脂を表面に被覆(複合溶融押出法、ホットメルトコート法、水以外の溶媒、水溶性および/または水分散性樹脂からのインライン、オフラインコート法など)する方法や、同様組成あるいはそのブレンド品の表面積層法などによって得られる。表面に被覆する樹脂としては、尿素系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系化合物及びそれらのメチロール化あるいはメチルメチロール化物等が挙げられ、特に限定するものではないが、PETフィルム上に被覆すること、耐熱性、塗布性、接着性などの点からメラミン系化合物が好ましい。さらに上記メラミン化合物成分を添加する場合、塗膜層中において該成分よりなる部分が0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20重量%であることが製膜上好ましい。
【0039】
被膜表面のカルボン酸濃度が0.005以上であり、かつ第1アミン濃度が0.0015以上を得る方法としては、ポリエステル樹脂あるいはアクリル樹脂と、アミド系化合物やメラミン化合物を混合するなどの方法があるが、これに限定されるものではない。
【0040】
本発明においてポリエステル樹脂とメラミン化合物により被膜を構成する場合、ポリエステル樹脂(A)とメラミン化合物(B)は任意の比率で混合して塗布できるが、好ましくは(A)/(B)が重量比で999/1〜60/40が好ましく、より好ましくは99/1〜80/20、さらに好ましくは99/1〜90/10である。またこの場合、一部あるいは全部について、ポリエステル樹脂とメラミン化合物は反応してもよいし、反応しなくてもよい。ポリエステル樹脂を含まない場合、あるいはメラミン化合物を含まない場合には高湿度下、特に水中における蒸着膜との接着性が不足する。
【0041】
本発明においては被膜を形成する塗膜は二軸配向ポリエステル上に塗布してもよいが、工程中のゴミなどの付着によるインキや蒸着膜のピンホールを防止する点、あるいは均一に薄く塗膜を形成させる点において、結晶配向が完了する前にポリエステルフィルム上に塗布し、乾燥、延伸、熱処理を施し配向結晶を完了させる方法、すなわち二軸配向ポリエステルフィルム製造工程中で形成させるのがより好ましい。この方法によって被膜を形成させる場合には装置の防爆性、環境汚染などの点で有利な水性樹脂を用いるのが好ましく、上記樹脂も水溶性及び/又は水分散性樹脂を用いるのが好ましい。水溶性及び/又は水分散性樹脂には、水溶性有機化合物、界面活性剤などを併用してもよく、従来公知の方法によって製造されたものであれば任意に使用することができる。
【0042】
被膜の厚みは特に限定しないが、通常は0.001μm以上1μm以下、好ましくは0.005μm以上0.3μm以下、更に好ましくは0.01μm以上0.1μm以下、特に好ましくは0.02μm以上0.07μm以下であるのが望ましい。被膜が厚すぎると200℃程度の熱を受けた際に蒸着膜が白化して光沢が低下する場合があり、薄すぎると接着性が劣る場合がある。また、フィルムを再チップ化して用いる回収性の点からも上記厚み範囲が好ましい。
【0043】
被膜を形成する塗膜層は上記のように二軸配向ポリエステルフィルム製造工程中で塗布されるのが好ましく、この方法によって塗膜を積層した場合には蒸着膜との接着性、塗膜の光沢、印刷インキとの接着性とも優れており、特に好ましい。また該塗膜中には本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤、例えば無機、有機の粒子、滑剤、帯電防止剤、耐候剤、耐熱剤、染料、顔料などが添加されてもよい。
【0044】
上記被膜の上には公知の蒸着法によって金属膜あるいは金属酸化物膜が設けられるが、蒸着される金属としては、金、銀、アルミニウム、ケイ素、パラジウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、スズ、チタン、インジウムなどの単独、あるいは混合化合物およびその酸化物などが挙げられる。
【0045】
次に本発明フィルムの製造方法について説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
重合工程で析出した、いわゆる内部粒子と無機粒子(例えば平均粒子径1μmのシリカ粒子)を含有する極限粘度0.63dl/gのPETを常法に従って乾燥後、溶融押出し、押出されたシート状溶融体を冷却ドラム上で冷却固化せしめて無配向PETフィルムを作成する。このフィルムを80℃〜120℃に加熱しつつ長手方向に.1.1〜5.0倍に延伸して一軸配向PETフィルムを得る。このフィルムの一方の面にコロナ放電処理を施し、その処理面にポリエステル樹脂とメラミン化合物の混合水系塗剤を所定厚みになるように塗布する。塗布の方法は特に限定せず、ロッドコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ロールコーターなど任意の方法で行うことができる。この塗剤の塗布されたフィルムをクリップで把持しつ90℃〜140℃に加熱されたテンター内に導き、乾燥後あるいは乾燥しつつ幅方向に2.5〜5.0倍に延伸し、連続的に160℃〜250℃の熱処理ゾーン中で1〜10秒間の熱処理を施す。この熱処理中に必要に応じて0〜12%の弛緩処理を施してもよい。かくしてポリエステル樹脂とメラミン化合物とを主成分とする混合物より形成された被膜を設けてなるポリエステルフィルムを得る。
【0046】
[物性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における物性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)カルボキシル末端基濃度
Mauriceの方法に準じた。ポリマ2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mlに溶解し、N/20−NaOHメタノール溶液によって滴定し、カルボキシル末端基濃度を測定し、当量/ポリエステル106 gの値で示した。
【0047】
(2)酸価(KOHmg/g)
JIS−K3504に準じて酸価を測定した。すなわち、試料1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を測定した。
【0048】
(3)表面粗さパラメータ
小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて測定した。Raは中心線平均粗さ、Rtは最大高さで粗さ曲線の最大の山と最深の谷の距離で表す。測定条件は下記のとおりであり、20回の測定の平均値をもって値とした。
・触針先端半径 : 0.5μm
・触針荷重 : 5mg
・測定長 : 1mm
・カットオフ : 0.08mm
なお、各パラメータの定義の詳細は、たとえば、奈良治朗著「表面粗さの測定法・評価法」(総合技術センター、1983)に示されている。
【0049】
(4)表面のカルボン酸濃度
島津製作所製ESCA750を使用し、次の条件で測定した。
励起X線 : MgKα1、2線(1253.6eV)
光電子脱出角度θ : 90°
標準サンプルは、ポリアクリル酸(PAA)を使用した。標準サンプル、測定サンプル共に以下の気相化学反応を実施した。
試料フィルムと標準試料であるPAAフィルムを約1cm角に切り、デシケータ中で空気雰囲気下、ピリジンとジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を触媒とし、トリフルオロエタノール(TFE)により、フィルム表面カルボン酸のエステル化を行った。(試料フィルムとPAAフィルムは同一バッチで行った。)
PAA標準試料からTFEとの反応率(r)と反応触媒として用いたDCCの残留率(m)を求め、各試料のC1S、F1Sのピーク面積にrとmを配慮してフィルム表面カルボン酸濃度(−COOH/C[total])を求めた。
【0050】
(5)表面の第1アミン濃度
島津製作所製ESCA750を使用し、次の条件で測定した。
励起X線 : MgKα1、2線(1253.6eV)
光電子脱出角度θ : 90°
標準サンプルは、ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)を使用した。標準サンプル、測定サンプル共に以下の気相化学反応を実施した。
試料フィルムと標準試料であるDADPEフィルムを約1cm角に切り、デシケータ中で空気雰囲気下、ペンタフルオロベンズアルデヒド(PFB)により、フィルム表面アミノ基の反応を行った。(試料フィルムとDADPEフィルムは同一バッチで行った。)
DADPE標準試料からPFBとの反応率(r)を求め、各試料のN1S、F1Sのピーク面積にrを配慮してフィルム表面第1アミン濃度(−NH2 /C[total])を求めた。
【0051】
(6)蒸着膜接着力
Al金属を電子ビーム加熱式蒸着機を用いて、サンプルフィルムの被膜面上に蒸着厚みが400〜500オングストロームになるように蒸着し、ついでポリウレタン系接着剤を用いて未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)(東レ合成フィルム(株)製T3501、50μm)を貼り合わせ、40℃で48時間放置後15mm幅に切断してCPPおよび蒸着膜の180゜剥離を引張試験機を用いて剥離速度10cm/分で剥離力の測定を行った。この剥離力の測定をもって、被膜の蒸着膜に対する接着力を測定した。蒸着膜に対する接着力が強い場合には、CPPと蒸着膜との界面で剥離した。剥離はドライ(25℃50%RH雰囲気下)と耐水接着性(剥離界面に水を滴下して剥離)で評価した。
【0052】
(7)印刷インキ接着性
東洋インキ(株)製ニトロセルロース製インキCCSTをグラビアロールで印刷後、40℃、90%相対湿度雰囲気中に24時間放置後、セロテープ剥離テストを行った。評価基準を次に示す。
5級 : 全く剥離しない。
4級 : 5%未満しかセロハンテープ面に剥離しない。
3級 : 5以上10%未満の部分がセロハンテープ側に剥離する。
2級 : 10以上50%未満の部分がセロハンテープ側に剥離する。
1級 : 50%以上の部分がセロハンテープ側に剥離する。
実用的には3級以上であれば問題無く使用できる。
【0053】
(8)印刷適性
東洋インキ(株)製ニトロセルロース製インキCCSTをグラビアロールで印刷後、仕上がりを調べて以下の基準に従い評価した。
○ : シワ、印刷斑が発生しない。
× : シワ、印刷斑、インキはじきが発生。
【0054】
(9)耐熱性
アルミ蒸着フィルムをヒートシーラーで1秒で処理し、下記のように目視で判定した。
○ : 220℃まで白化を生じない。
△ : 215℃まで白化を生じない。
× : 215℃未満で白化を生じる。
【0055】
(10)塗膜(被膜)の製膜安定性
ロッドコーターで、一軸延伸され、コロナ放電処理を施されたフィルム上に塗料を塗布し、テンターで延伸、熱処理を行った後に、フィルム上に形成された塗膜の状態を目視で判断した。
○ : 全く問題ない。
△ : 若干むらがあるが問題ない。
× : 斑、クラックがある。塗れていない。
【0056】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づいて説明するが必ずしもこれに限定されるものではない。
実施例1
粒子径0.5〜1.5μmの重合工程中で析出した粒子を0.16重量%、および粒子径1.0μmのシリカ粒子を0.1重量%含有するPETペレット(極限粘度0.64dl/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給して280℃で溶融押出し、これを表面温度30℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この間のシートと冷却ドラム表面との密着性を向上させるため、シート側にワイヤ電極を配置して6000Vの直流電圧を印加した。かくして得られた未延伸PETフィルム(カルボキシル末端基:42当量/トン)を95℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。このフィルムの片面に空気中でコロナ放電処理を施し、以下の調合塗料をロッドコーターで放電処理面側に塗布した。塗布厚みは配向結晶完了後において0.05μmとなるようにした。
【0057】
[調合塗料組成]
・酸成分として、
テレフタル酸 :29モル%
イソフタル酸 : 7モル%
トリメリット酸:10モル%
セバシン酸 : 3モル%
グリコール成分として、
エチレングリコール :14モル%
ネオペンチルグリコール:19モル%
1,4−ブタンジオール:18モル%
含有してなるポリエステル樹脂A(酸価:41KOHmg/g、ガラス転移温度(Tg):20℃) :95重量部
・N−メチロール化メラミン化合物(MW−12LF(三和ケミカル(株)製)
重量部(固形分配合比)
【0058】
塗料が塗布された一軸延伸PETフィルムをクリップで把持して110℃に加熱されたテンター内に導き水分を乾燥させた後、該テンター内の120℃に加熱されたゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、更に225℃の雰囲気下で5秒間の熱処理を施し、塗膜層厚み0.05μmの易接着層を設けた厚み12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルム被膜表面のカルボン酸濃度は0.013、第1アミン濃度は0.003であった。
蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表1に示すとおり優れた特性を示すことが分かる。
【0069】
実施例
実施例の塗膜の厚みを0.1μmとする以外は同様にして厚み12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルム被膜表面のカルボン酸濃度は0.015、第1アミン濃度は0.003であった。蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表1に示すとおり優れた特性を示すことが分かる。
【0076】
実施例
実施例の塗膜の厚みを0.5μmとする以外は同様にして厚み12μmのポリエステルフィルムを得た。蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表2に示すとおり優れた特性を示すことが分かる。
【0077】
実施例
実施例の塗膜の厚みを0.03μmとする以外は同様にして厚み12μmのポリエステルフィルムを得た。蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表2に示すとおり極めて優れた特性を示すことが分かる。
【0078】
実施例
実施例の塗膜の厚みを0.07μmとする以外は同様にして厚み12μmのポリエステルフィルムを得た。蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表2に示すとおり極めて優れた特性を示すことが分かる。
【0079】
実施例
実施例の塗膜の厚みを0.004μmとする以外は同様にして厚み12μmのポリエステルフィルムを得た。蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表2に示すとおり優れた特性を示すことが分かる。
【0080】
実施例
実施例1の被膜のポリエステル樹脂Aをアクリルグラフトポリエステルに変更し、該アクリルグラフトポリエステルとN−メチロール化メラミン化合物との混合比を95/5とした以外は実施例1と同様にして厚み0.07μmの塗膜を設けた厚み12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルム被膜表面のカルボン酸濃度は0.015、第1アミン濃度は0.0025であった。蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表2に示すとおり優れた特性を示すことが分かる。
【0081】
実施例
実施例の基材ポリエステル中に添加する粒子を変更し、厚み0.04μmの塗膜を設ける以外は実施例と同様にして厚みが12μm、被膜面のRt/Raが28であるポリエステルフィルムを得た。蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表2に示すとおり優れた特性を示すことが分かる。
【0082】
実施例
実施例の基材ポリエステル中に添加する粒子を変更する以外は実施例と同様にして、被膜面のRt/Raが58であるポリエステルフィルムを得た。蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表2に示すとおり良好な特性を示すことが分かる。
【0083】
実施例10
実施例の基材ポリエステル中に添加する粒子を変更する以外は実施例と同様にして、被膜面のRt/Raが8.2であるポリエステルフィルムを得た。蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表2に示すとおり良好な特性を示すが、取扱性に劣るものであった。
【0084】
実施例11
実施例の基材ポリエステルのカルボキシル末端基を32当量/トンとする以外は実施例と同様にしてポリエステルフィルムを得た。蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表2に示すとおり良好な特性を示すことが分かる。
【0085】
比較例1被膜を設けていない以外は実施例1と同様にして二軸配向PETフィルムを得た。得られたフィルムについて評価したところ、表3に示すとおり耐水接着性が全くなく、容易にPET/Al界面から剥離するのみならず、印刷インキとの接着性も劣るものであった。
【0085】
比較例1
被膜を設けていない以外は実施例1と同様にして二軸配向PETフィルムを得た。得られたフィルムについて評価したところ、表3に示すとおり耐水接着性が全くなく、容易にPET/Al界面から剥離するのみならず、印刷インキとの接着性も劣るものであった。
【0090】
比較例
実施例1で使用したメラミン化合物をオキサゾリン化合物に変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表3に示すとおり耐水接着性が劣るのみならず、印刷インキとの接着性も低下した。
【0091】
比較例
実施例1で使用したメラミン化合物をイソシアネート化合物に変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。蒸着膜接着力、印刷インキ接着力並びに印刷適性などを調べた結果、表3に示すとおり耐水接着性が劣るのみならず、印刷インキとの接着性も低下した。
【0093】
【表1】
Figure 0003684663
【0094】
【表2】
Figure 0003684663
【0095】
【表3】
Figure 0003684663
【0096】
【発明の効果】
本発明の易接着フィルムおよびその製造方法によれば、被膜をポリエステル樹脂とメラミン化合物を主成分とする混合物から形成し、該被膜表面のカルボン酸濃度を0.005以上、かつ第1アミン濃度を0.0015以上にすることにより、蒸着膜の高湿度下、特に水中での接着性、印刷インキとの接着性を飛躍的に改良することができる。

Claims (20)

  1. 基材フィルムの少なくとも片面に被膜を形成してなるフィルムであって、該被膜の表面のカルボン酸濃度が0.005以上であり、かつ、第1アミン濃度が0.0015以上であることを特徴とする易接着フィルム。
  2. 前記基材フィルムがポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1に記載の易接着フィルム。
  3. 被膜の構成成分の0.01〜30重量%がメラミン化合物である請求項1または2に記載の易接着フィルム。
  4. 被膜がポリエステル樹脂とメラミン化合物より構成され、該ポリエステル樹脂とメラミン化合物の成分比が、重量比で99/1〜80/20であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の易接着フィルム。
  5. 被膜を構成するポリエステル樹脂の酸価が20KOHmg/g以上である請求項2ないし4のいずれかに記載の易接着フィルム。
  6. 被膜を構成するポリエステル樹脂の分子内に含有されるスルホン酸基が0.5モル%以下であることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の易接着フィルム。
  7. 被膜を構成するポリエステル樹脂がトリメリット酸を含有してなることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の易接着フィルム。
  8. 被膜を構成するポリエステル樹脂のガラス転移温度が0℃〜80℃であることを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の易接着フィルム。
  9. 被膜の厚さが0.001〜1μmであることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の易接着フィルム。
  10. 基材フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物のカルボキシル末端量が37当量/トン以上であることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の易接着フィルム。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の易接着フィルムの被膜上に、さらに金属膜または金属酸化物膜からなる層が設けられていることを特徴とする易接着フィルム。
  12. 金属膜または金属酸化物膜からなる層が蒸着により設けられていることを特徴とする請求項11に記載の易接着フィルム。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の易接着フィルムの被膜上に、さらにインキ層が設けられていることを特徴とする易接着フィルム。
  14. 包装用途に用いられることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の易接着フィルム。
  15. 配向結晶化前の基材フィルムの少なくとも片面に被膜塗剤を塗布し、該基材フィルムを被膜とともに少なくとも一方向に延伸し、かつ、熱処理することにより、配向結晶化させるとともに、表面のカルボン酸濃度が0.005以上であり、かつ、第1アミン濃度が0.0015以上である被膜を形成することを特徴とする、易接着フィルムの製造方法。
  16. 前記基材フィルムがポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする請求項15に記載の易接着フィルムの製造方法。
  17. 被膜の構成成分の0.01〜30重量%がメラミン化合物である請求項15または16に記載の易接着フィルムの製造方法。
  18. 被膜を構成するポリエステル樹脂の酸価が20KOHmg/g以上である請求項16または17に記載の易接着フィルムの製造方法。
  19. 被膜を構成するポリエステル樹脂の分子内に含有されるスルホン酸基が0.5モル%以下であることを特徴とする請求項16ないし18のいずれかに記載の易接着フィルムの製造方法。
  20. 被膜を構成するポリエステル樹脂がトリメリット酸を含有してなることを特徴とする請求項16ないし19のいずれかに記載の易接着フィルムの製造方法。
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