JP4742470B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくはポリエステルフィルム上の積層膜中における各成分が均一分散された構造を有する積層ポリエステルフィルムであって、塗布ムラがなく、接着性、耐スクラッチ性、耐ブロッキング性、透明性に優れた積層ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からポリエステルフィルムに易接着や帯電防止機能を付与する目的でアクリル共重合体とアクリル樹脂以外の樹脂が混合された積層膜を設けることが提案されている(特開平8−300590号公報など)。またアクリル樹脂とポリスチレンスルホン酸および/又はその塩との混合物からなる塗膜を形成させた積層フィルムが提案されている(特開昭61−204240号公報、特開平1−9242号公報など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の上記したような積層ポリエステルフィルムでは、アクリル樹脂とアクリル樹脂以外の樹脂との表面自由エネルギーの違いによって、積層膜が造膜する過程で相互排除、すなわち塗液状態では、溶媒に溶解あるいは表面電荷による相互反発で溶媒中に分散している2種以上の物質が塗布、乾燥を経て溶媒が蒸発すると、同種の物質同士の部分集合体が形成され、塗膜形成時に相互分離がおこり、実質的に相互に微分散された構造が形成されにくい状態が発生する。これにより本来、均一混合することに意味のある積層膜において目的とする機能の発現が不十分となる場合がある。
【0004】
この傾向は、相互の組成物が動きやすい温度領域、例えばそれぞれの組成物のガラス転移点以上の温度で起こりやすく、温度が高いほど顕著に発現する傾向がある。実際にはポリエステルフィルムの製膜工程内で塗布し、乾燥、延伸、熱処理が施される方法(インラインコーティング法)においてより顕著に発現する。例えば親水性ポリエステルとアクリルとの混合物においては、積層膜中においてポリエステルとアクリルが相分離した構造となること、アクリル中にポリスチレンスルホン酸および/又はその塩を混合した場合には、相分離によってアクリル部分とポリスチレンスルホン酸および/又はその塩が個々に部分集合体を形成し、マクロ分散構造をとることが我々の実験により証明された。このような構成をとると混合によって期待する積層膜本来の機能が十分に発現しないことが多い。例えばポリスチレンスルホン酸系との混合系については、乾燥状態で極めてもろい性状を示す該樹脂が積層膜中で集合体として存在するとその積層膜自体がもろくなり、耐スクラッチ性に劣ったり、親水性の強いポリスチレンスルホン酸および/又はその塩が積層膜中で偏在して耐水性や高湿度下での耐ブロッキング性が低下するなどの問題が生じる。更に偏在が極端になると先のインラインコーティングにおいて積層膜に亀裂が入り、著しく商品価値が低下するなどの問題が発生する。
【0005】
本発明は、アクリル樹脂とアクリル樹脂以外の樹脂とを含有する積層膜において相互の組成物が積層膜中で均一に分散し、上記の欠点のない積層ポリエステルフィルムを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、アルキレンオキシド繰り返し単位が2〜20のモノマー成分から構成される、分散径が20〜200nmのアクリル樹脂とアクリル樹脂以外の樹脂として、ポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩を含有する積層膜が設けられた帯電防止積層ポリエステルフィルムにおいて、該積層膜の面方向での分散指数が2〜20であることを特徴とする帯電防止積層ポリエステルフィルムをその骨子とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明におけるポリエステルフィルムのポリエステルとは、ジカルボン酸とジオールとを重縮合して得られる組成物であって、好ましいポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどを挙げることができる。
中でもエチレンテレフタレート単位を90モル%以上含むポリエステルが特に好ましい。もちろん、これ以外のジカルボン酸、ジオールを共重合したものであっても良い。例えばイソフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸およびこれらのエステル形成性誘導体、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコールなどのジオール類などを挙げることができる。このポリエステルを用いたポリエステルフィルムは、未延伸、一軸延伸、2軸延伸されたいずれのものでも使用しうるが、機械的強度、寸法安定性などを考慮すると二軸延伸されたものが特に好ましい。二軸延伸は、逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法、二軸延伸後、再度縦および/又は横方向に延伸する方法など任意の方法をとることができる。
【0008】
ポリエステルフィルム中には本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を用いることができる。例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、有機、無機の微粒子、易滑剤、顔料、染料、充填剤、帯電防止剤、核剤、架橋剤などを挙げることができる。また内層と表層の2層以上からなる複合フィルムであってもよい。具体例としては、内層部に実質的に粒子を含有せず、表層部に粒子を含有させた層とした複合フィルム、内層部に粒子もしくはポリエステルと非相溶の樹脂を分散させ延伸によって微細な気泡を発生させた微細気泡含有ポリエステルフィルム、酸化チタンや蛍光増白剤をポリエステル中に添加した白色フィルムなどを挙げることができるがもちろんこれらに限定されるものではない。
【0009】
本発明のアクリル樹脂として、例えば、水に分散したアクリル樹脂エマルジョンを用いることができ、その分散径は好ましくは20〜200nm、さらに好ましくは30〜100nmであるのが他の樹脂を微分散させる上で望ましい。20nm未満の分散径とするには、乳化重合などによってアクリルエマルジョンを作成するときにその比表面積から乳化剤の使用量が多くする必要があり、接着性などで支障を来す場合がある。200nmを越える場合には、微分散化が困難になる場合がある。また、該アクリル樹脂のガラス転移温度は、0〜80℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜70℃である、ガラス転移温度が低すぎると耐ブロッキング性に不利な場合があり、高すぎると水に分散させる際の樹脂の不安定さが問題になる場合がある。
【0010】
アクリル樹脂を構成するモノマー成分としては、特に限定するものではないが、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基など)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマーなどを用いることができ、これらは1種もしくは2種以上を用いて共重合される。更に、これらは他種のモノマーと併用することができる。
【0011】
ここで他種のモノマーとしては、例えば、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物を含有するモノマー、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、酢酸ビニルなどを用いることができる。また、変性アクリル共重合体、例えば、ポリエステル、ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合体、グラフト共重合体なども使用可能である。
【0012】
本発明において用いられる好ましいアクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリル酸から選ばれる共重合体などである。
【0013】
本発明の主旨はアクリル樹脂中に他の組成物成分を均一微分散化させることにあるが、これを達成するにはアクリル樹脂を特定のものとする必要がある。
【0014】
特定のアクリル樹脂は、上記したアクリル樹脂エマルジョンにおいて、アクリル樹脂を構成するモノマー成分が、アルキレンオキシド単位を2個以上、好ましくは3個以上、さらに好ましくは5個以上有すること、および/またはアニオン性基を有することが重要である。
【0015】
アルキレンオキシドとしては炭素数2〜8のものが好ましく、特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの併用が好ましく、なかでもエチレンオキシドがもっとも好ましい。このようなアルキレンオキシド単位をアクリル共重合体に含有するには、1個以上のビニル結合を有し、かつアルキレンオキシド単位を有するモノマーを共重合することによって得ることができる。上記、1個以上のビニル結合とアルキレンオキシド単位を有する化合物としては、アルキレンオキシド繰り返し単位が2〜20のポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコール・モノアクリレートなどを挙げることができるが上記概念を満足するものであれば特に限定するものではない。
【0016】
上記アルキレンオキシド単位を含有することに加え、更にアニオン性基を含有させることが本発明の効果を発現するために重要である。アニオン性基含有モノマーとしては、スルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を含有する化合物を挙げることができ、特に限定されないが、例えば2−スルホエチルメタクリレート、2−スルホエチルアクリレート、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸およびそのスルホン酸基の対イオンがアンモニウム、1価のアルカリ金属、アルカリ土類金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどであるものが挙げられる。
【0017】
このアルキレンオキシド単位とアニオン性基の両方がアクリル樹脂エマルジョン表面に存在することにより、本発明の効果が著しく向上することを見いだした。アルキレンオキシド単位を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーは、いずれもアクリル樹脂と共重合反応していることが重要であり、通常の界面活性剤などの吸着によって付加されたものでは本発明の効果は不十分である。アルキレンオキシド単位を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーの比率は、特に限定しないが、好ましくはアルキレンオキシド含有モノマー/アニオン性基含有モノマーの重量比率が95/5〜20/80、好ましくは90/10〜40/60の範囲が効果的である。
【0018】
また、アルキレンオキシド単位を有するモノマーとアニオン性基を有するモノマーを合計したアクリル樹脂に対する共重合比率は0.2〜10モル%、好ましくは0.5〜7モル%、更に好ましくは1〜5モル%であるのが本発明の効果を発現する上で望ましい。0.2モル%未満では均一分散性が不足し、10モル%を越える場合には耐水性や耐ブロキッキング性は悪くなる場合がある。上記の特定のアクリル樹脂エマルジョンを用いることにより、アクリル樹脂以外の樹脂をアクリル樹脂中で均一に分散させることができる。
【0019】
本発明におけるアクリル樹脂エマルジョンの重合方法は特に限定しないが通常は乳化重合、懸濁重合などが好ましく用いられる。
【0020】
アクリル樹脂以外の樹脂としては、親水性基を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩などを挙げることができる。該親水性基としては、親水性および水分散性機能を有する官能基であれば、特に限定されるものではないが、例えばカルボン酸基およびカルボン酸塩基、スルホン酸基およびスルホン酸塩基、エステル基、アミド基、アミノ基、水酸基、グリシジル基、アセチル基などが挙げられる。なかでも、スルホン酸基およびスルホン酸塩基が好ましい。該親水性基の量は、共重合や重縮合に用いる親水性基を有するモノマーが50モル%以上が好ましい。これらの樹脂は、アクリル樹脂エマルジョンと混合して塗布されるが、アクリルエマルジョンが水に分散されたものであることから水に溶解もしくは分散されたものである必要がある。アクリル樹脂以外の樹脂が親水性基を有することは、水に溶解もしくは水に分散させるためにも有効である。以下にそれぞれの代表的な組成物を示すがもちろんこれに限定されるものではない。
【0021】
ポリエステル樹脂としては、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有するもので、ジカルボン酸とジオールを重縮合して得られるものである。
【0022】
該ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸を使用することができる。
【0023】
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体などを用いることができる。 また、脂肪族および脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など、およびそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。
【0024】
ポリエステル樹脂のグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,およびp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどを用いることができる。
【0025】
また、本発明においてはポリエステル樹脂は水に溶解もしくは分散した水系液として用いる必要がある。ポリエステル樹脂の水溶性化あるいは水分散化を容易にするため、スルホン酸塩基を含む化合物や、カルボン酸塩基を含む親水性基を有する化合物を共重合することが好ましい。
【0026】
スルホン酸塩基を含む化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0027】
カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
また、本発明においては、ポリエステル樹脂として、変性ポリエステル共重合体、例えば、アクリル、ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合体、グラフト共重合体なども使用可能である。
【0029】
上記ポリエステル樹脂の製造法は、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを
直接エステル化反応させるか、エステル交換反応させた反応生成物を重縮合反応させることによって製造する方法などにより製造することができる。この際、反応触媒として、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物などを用いることができる。
【0030】
また、ポリエステル樹脂の固有粘度は、特に限定されないが、接着性の点で0.3dl/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.35dl/g以上である。ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、0〜130℃であることが好ましく、より好ましくは10〜85℃である。該ガラス転移温度が0℃未満では、例えば耐熱接着性が劣ったり、積層膜同士が固着するブロッキング現象が発生したりし、逆に130℃を超える場合、樹脂の安定性や水分散性が劣る場合がある。
【0031】
ポリウレタン樹脂としては、アニオン性基を有する水溶性あるいは水分散性のポリウレタン樹脂が例示されるが、主要構成成分としては、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物からなる反応生成物を基本構造とするものである。
【0032】
該ポリウレタン樹脂中のアニオン性基として、カルボン酸基、スルホン酸基、または硫酸半エステル基、およびこれらのアンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などを用いることができる。特に好ましくは、スルホン酸及び/又はスルホン酸塩基である。
【0033】
ポリウレタン樹脂中のアニオン性基の量は、0.05重量%〜15重量%が好ましい。0.05重量%未満では、ポリウレタン樹脂の水分散性が悪くなる傾向があり、15重量%を超えると、樹脂の耐水性が劣ったり、積層膜同士が固着するブロッキング現象が発生する傾向がある。
【0034】
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、アクリル系ポリオールなどを用いることができる。
【0035】
また、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールエタンの付加物などを用いることができる。
【0036】
ここで、ポリウレタン樹脂の主要な構成成分は、上記ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の他に、鎖長延長剤あるいは架橋剤などを含んでいてもよい。鎖延長剤あるいは架橋剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどを用いることができる。
【0037】
アニオン性基を有するポリウレタン樹脂は、例えば、ポリオール、ポリイソシアネート、鎖延長剤などに、アニオン性基を有する化合物を用いる方法、生成したウレタン樹脂の未反応イソシアネート基とアニオン性基を有する化合物を反応させる方法、あるいはウレタン樹脂の活性水素を有する基と特定の化合物を反応させる方法などを用いて製造することができるが、特に限定されるものではない。
【0038】
また、アニオン性基を有するポリウレタン樹脂としては、分子量300〜20000のポリオール、ポリイソシアネート、反応性水素原子を有する鎖長延長剤及びイソシアネート基と反応する基、及びアニオン性基を少なくとも1個有する化合物からなる樹脂が好ましい。
【0039】
本発明は特定のアクリル樹脂を用いることでその効果が発現するが、更に好ましい形態としては、アクリル樹脂に共重合によって、例えばカルボキシル基、ヒドロキシル基、メチロール基、アミド基などの官能基を導入し、この官能基と架橋反応し得るものを混合することができる。この場合、上記した特定のアクリル樹脂を用いることで架橋剤との反応効率を高め、積層膜の耐水性や耐熱性などが向上する効果が発現する。架橋剤の種類としては、上記の官能基と架橋反応を起こすものであれば特に限定しないが、例えばメラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、アミドエポキシ化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを用いることができる。特に、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤が好ましい。
【0040】
また、帯電防止機能を付与するためにポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩を用いることが行われているが、通常、アクリル樹脂中にこのポリマーを分散される場合、そのポリマー表面の極性の違いから最終的に形成された塗膜中においてアクリル樹脂とポリスチレンスルホン酸及び/またはその塩が分離構造をとり、特にフィルム製造工程内で塗布されるいわゆるインラインコーティング法による場合にはその傾向が顕著に発現する。この現象がおこると、塗布厚みを厚くしたり帯電防止機能を向上させるためにポリスチレンスルホン酸及び/またはその塩を多量に添加したりすると塗膜に亀裂が入りやすくなり、塗膜が削れやすくなったり、透明性が低下したり、親水性の強いポリスチレンスルホン酸及び/またはその塩が集合体を形成し、マクロに分散した状態となるため吸湿してブロッキングしたりする問題が発生する。これらの問題は、ポリスチレンスルホン酸および/又はその塩をアクリル樹脂マトリックス中に均一に微分散させることによって改良でき、本発明における好ましい実施態様である。すなわち、上記した特定構造を有するアクリル樹脂中にポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩を分散させることにより塗膜形成後においても極めて均一微分散構造をとり、帯電防止効果が著しく優れる塗膜を得ることができ、好ましい。
【0041】
ここでポリスチレンスルホン酸および/またはその塩とは、ポリスチレンをスルホン化およびスルホン化後、1価のアルカリ金属、アルカリ土類金属、例えばカリウム、ナトリウム、リチウムなどの水酸化物で中和して金属対イオンとしたもの、アンモニアで中和して対イオンをアンモニウムとしたもの、あるいはスチレンスルホン酸またはスチレンスルホン酸塩(塩としては上記の金属およびアンモニウム)を重合したアニオン性高分子である。このポリスチレンスルホン酸及び/またはその塩はホモポリマーとして使用するのが帯電防止機能を発現する上で好ましいが、前記アクリル樹脂構成モノマーで記載したような各種のモノマーと共重合しても良い。
【0042】
上記したアクリル樹脂と、アクリル樹脂以外の樹脂は、任意の比率で混合することができるが、好ましくはアクリル樹脂が積層膜構成成分中に3重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、最も好ましくは20重量%以上であるのが均一分散する上で好ましい。
【0043】
本発明においては、積層膜の面方向での分散指数が2〜20である。本分散指数は、アクリル樹脂を含む複合成分からなる積層膜において、積層膜面と平行に分散性を観察したときに、別途定める測定法、計算式によって得られるものであり、その値が2〜20、好ましくは2〜15、更に好ましくは2〜8である。これらの範囲内であれば、分散性が良好で、均一な構造を有する積層膜を得ることができ、塗布ムラがなく、接着性、耐スクラッチ性、耐ブロッキング性、透明性などにおいて、優れた効果が得られる。分散指数が20を越える場合には、相互の樹脂の分散不良により透明性の低下が起こったり混合により期待する効果が不十分となる。
【0044】
なお、本発明の積層膜中には、本発明の効果が損なわれない範囲内で、各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などが配合されていてもよい。特に、積層膜中に無機や有機の微粒子を添加したものは、易滑性や耐ブロッキング性が向上するので好ましい。この場合、添加する無機粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いることができる。
【0045】
本発明の積層膜の厚みは特に限定するものではなく目的に応じて任意に設定すればよいが、通常は0.001〜5μm、さらに好ましくは0.01〜2μmが適用される場合が多い。
【0046】
本発明の積層膜は、二軸延伸されたポリエステルフィルムに塗布する方法であっても良いが、フィルム製造工程内で塗布する、いわゆるインラインコーティング法によって積層膜を設ける場合、本発明の優位性が顕著に発現する。塗布の方法は特に限定するものではなく、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法など公知の方法を用いることができる。
【0047】
本発明によって得られた積層ポリエステルフィルムは塗布ムラがなく、接着性、およびその両立、耐スクラッチ性、耐ブロッキング性、透明性などに優れた積層ポリエステルフィルムであり、磁気記録材料、光学材料、グラフィック材料、ラベル、印刷材料などに好適に使用することができる。
【0048】
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)積層膜の面方向の分散指数
積層ポリエステルフィルムから積層膜の断面構造観察が可能なように、フィルム表面に対し垂直に超薄膜切片を切り出し、RuO4により積層膜を染色する。このRuO4染色超薄膜切片の積層膜部分を透過型電子顕微鏡(日立製作所(株)製H−7100FA型)を用い加速電圧100kvの条件でコントラストが最も発現する観察倍率10万倍の断面観察像を撮影する。10万倍の積層膜断面写真の濃淡をスキャナーにてデジタル画像として200dpiで取り込み、画像解析ソフト(東洋紡績(株)製V10 for Windows(R))にて解析を行った。
【0049】
解析の方法は、デジタル画像において積層膜の厚みを面方向と平行に均等に10分割し、それぞれについて2000nm長さ分の濃淡を縦軸を濃度、横軸に測定長として画像解析図を作成した。この画像解析図の濃度分布曲線から測定範囲長での、平均濃度直線を書き込み、その直線と濃度分布曲線が交叉した点Aから次の交叉点Bまでの距離Cを求めた。ひとつの濃度分布曲線の中で最大のC値を求める。これを10分割したポイントについて繰り返し行い、それぞれのCを求め、その平均値Dを求める。なお、積層膜に厚みムラがあったり、亀裂によって連続膜となっていない場合であって、実際の積層膜を測定していない場合には、その部分は平均濃度直線およびC値の算出の対象から除外した。
【0050】
上記によって求めた値から下記式によって分散指数を求めた。
【0051】
分散指数=(D/2000)×100
分散指数が大きい、すなわちD値が大きい場合は、染色の濃度が異なる樹脂種が大きな集合体を形成していることを意味しており、分散状態が悪いことを示す。
(2)透明性
全自動直読ヘーズコンピューターHGM−2DP(C光源用)(スガ試験機(株)製)を用いて、ヘイズ値を測定し、10点測定の平均値で表示した。このとき、積層膜を設けないポリエステルフィルムとのヘイズ値の差が3以下を良好とした。
【0052】
ヘイズ値:H(%)=(Td/Tt)×100
Td(%)=[{T4−T3×(T2/T1)}/T1]×100(拡散透過率)
Tt(%)=(T3/T1)×100(全光線透過率)
(T1:入射光線、T2:全光線透過光、T3:装置の拡散光、T4:拡散透過光)
(3)耐ブロッキング性
積層膜同士を重ね合わせ、荷重(500g/(3×4)cm2 )下、40℃、90%RHで24時間調湿し、荷重を加えた箇所の剥離状態を観察した。評価基準は、◎:容易に剥離し重ね合わせた跡が残らない。○:容易に剥離するが重ね合わせた跡が一部に残る。△:剥離できるが重ね合わせた跡が残る。×:剥離するときフィルムが劈開する。であり、◎、○を良好とした。
(4)塗布ムラ
積層膜の表面を、太陽光で照らして外観観察を行った。評価基準は、○:塗布ムラが観察されない。△:塗布ムラが観察される。×:塗布ムラにより外観が著しく損なわれている。であり、○を良好とした。
(5)接着性
紫外線硬化型インキとしてUVエースSK−2墨(久保井インキ製造(株)製)を用い、ロールコート法で積層膜上に約1.5μm厚みに塗布した。その後、照射強度80W/cmの紫外線ランプを用い、照射距離(ランプとインキ面の距離)12cmで5秒間照射して、印刷層を形成した。23℃、65%RHにて1日間調湿後、印刷層に1mm2 のクロスカットを100個入れ、ニチバン(株)製セロハンテープをその上に貼り付け、ゴムローラーを用いて押し付けた(荷重20Nで3往復)後、90度方向に剥離した。
【0053】
接着性は、印刷層の残存した個数により評価した。判定基準は、◎:100、○:80〜99、△:50〜79、×:0〜49であり、◎と○を接着性良好とした。
(6)帯電防止性
フィルムを23℃、相対湿度65%で1日間放置した後、デジタル超高抵抗/微小電流計R8340A(アドバンテスト(株)製)を用いて印加電圧100Vで、積層膜上を測定した。このとき、9×109Ω/□以下を帯電防止性良好とした。
(7)耐スクラッチ性
積層膜の表面を400〜600gの範囲の荷重をかけて爪でひっかいたときの削れやすさを評価した。評価基準は、○:積層膜がけずれない。△:積層膜が少し削れるが粉状にはならない。×:積層膜が削れ、粉状になる。であり、○を良好とした。
【0054】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0055】
(実施例1)
平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015重量%、および平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを0.005重量%含有するPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめ未延伸フィルムとした。この未延伸フィルムを85℃に加熱して長手方向に3.3倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。このフィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、25℃の積層膜形成塗液を塗布した。塗布された一軸延伸フィルムをクリップで把持しながら予熱ゾーンに導き、90℃で乾燥後、引き続き連続的に100℃の加熱ゾーンで幅方向に3.3倍延伸し、更に225℃の加熱ゾーンで熱処理を施し、結晶配向の完了した積層ポリエステルフィルムを得た。このとき、基材PETフィルム厚みは50μm、積層膜の厚みは0.15μmであった。
【0056】
ここで用いた積層膜形成塗液は、A1/B1=70/30(固形分重量比)で構成される水分散液であった。A1とB1の組成については、後述する。評価結果を表1に示す。
【0057】
(実施例2)
実施例1の積層膜形成塗液で、A2/B1=70/30(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0058】
(実施例3)
実施例1の積層膜形成塗液で、A3/B1=70/30(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0059】
(参考例4)実施例1の積層膜形成塗液で、A1/B2=70/30(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0060】
(参考例5)実施例1の積層膜形成塗液で、A1/B3=70/30(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0061】
(比較例1)
実施例1の積層膜形成塗液で、A4/B1=70/30(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0062】
(比較例2)
実施例1の積層膜形成塗液で、B1/B2=30/70(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0063】
(比較例3)
実施例1の積層膜形成塗液で、A4/B2=70/30(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0064】
(比較例4)
実施例1の積層膜形成塗液で、A4/B3=70/30(固形分重量比)とした以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0065】
(比較例5)
実施例1で、積層膜を形成しないこと以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0066】
実施例、比較例で用いた樹脂組成は下記の通りである。
A1:メタクリル酸メチル(62モル%)、アクリル酸エチル(30モル%)、アクリル酸(2モル%)、N−メチロールアクリルアミド(1モル%)、エチレンオキシドの繰り返し単位が16のポリエチレングリコールモノメタクリレート(3モル%)、2−スルホエチルアクリレート(2モル%)からなるアクリル樹脂(エマルジョン径50nm)のエマルジョン溶液
A2:メタクリル酸メチル(62モル%)、アクリル酸エチル(30モル%)、アクリル酸(2モル%)、N−メチロールアクリルアミド(1モル%)、エチレンオキシドの繰り返し単位が16のポリエチレングリコールモノメタクリレート(5モル%)からなるアクリル樹脂(エマルジョン径50nm)のエマルジョン溶液
A3:メタクリル酸メチル(66モル%)、アクリル酸エチル(30モル%)、アクリル酸(3モル%)、N−メチロールアクリルアミド(1モル%)からなるアクリル樹脂(エマルジョン径50nm)のエマルジョン溶液
A4:メタクリル酸メチル(66モル%)、アクリル酸エチル(30モル%)、アクリル酸(3モル%)、N−メチロールアクリルアミド(1モル%)からなる共重合体(エマルジョン径120nm)のエマルジョン溶液
B1:ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩(重量平均分子量7万)の水溶液
B2:イソフタル酸(90モル%)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(10モル%)、エチレングリコール(10モル%)、ジエチレングリコール(90モル%)からなるポリエステル樹脂の水分散液
B3:ポリウレタン樹脂水分散液"ハイドラン"AP10(大日本インキ化学工業(株)製)
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】
ポリエステルフィルム上の積層膜中における各成分が均一分散され、塗布ムラがなく、接着性、耐スクラッチ性、耐ブロッキング性、透明性に優れた積層ポリエステルフィルムが提供できる。
Claims (4)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、アルキレンオキシド繰り返し単位が2〜20のモノマー成分から構成される、分散径が20〜200nmのアクリル樹脂とアクリル樹脂以外の樹脂として、ポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩を含有する積層膜が設けられた帯電防止積層ポリエステルフィルムにおいて、該積層膜の面方向での分散指数が2〜20であることを特徴とする帯電防止積層ポリエステルフィルム。
- 帯電防止性が9×10 9 (Ω/□)以下であることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止積層ポリエステルフィルム。
- アクリル樹脂を構成するモノマー成分が、アルキレンオキシド単位を2個以上20個以下有すること、およびアニオン性基を有することを特徴とする請求項1または2に記載の帯電防止積層ポリエステルフィルム。
- 積層膜が、結晶配向完了前のポリエステルフィルムに水性塗液で塗布され、その後少なくとも1方向に延伸、次いで熱処理が施されたものであることを特徴とする請求項1〜3
のいずれかに記載の帯電防止積層ポリエステルフィルム。
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