JP7073882B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、食品、医薬品、工業製品等の包装分野に用いられる積層フィルムに関する。詳しくは、金属薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムとした際に、フィルム表面の物理特性を制御することで、良好なガスバリア性、密着性、耐湿熱性を発現させ得る積層フィルムに関する。
食品、医薬品等に用いられる包装材料は、蛋白質、油脂の酸化抑制、味、鮮度の保持、医薬品の効能維持のために、酸素や水蒸気等のガスを遮断する性質、すなわちガスバリア性を備えることが求められている。また、太陽電池や有機EL等の電子デバイスや電子部品等に使用されるガスバリア性材料は、食品等の包装材料以上に高いガスバリア性を必要とする。
従来から、ポリビニルアルコール(以下、PVAとする)、エチレンビニルアルコール共重合体(以下、EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(以下、PVDC)など、比較的ガスバリア性が高い言われる高分子樹脂組成物を積層したフィルムが包装材料として使用されてきた。しかし、PVA, EVOH系の高分子を用いてなる積層フィルムは、温度依存性及び湿度依存性が大きいため、高温又は高湿下においてガスバリア性の低下が見られる。また、PVDCは皮膜中に塩素を多量に含むため、焼却処理やリサイクル等、廃棄物処理の面で問題がある。
また、プラスチックからなる基材フィルムの表面に、金属薄膜を形成したガスバリア性積層体が一般的に用いられている。中でも、アルミニウム蒸着フィルムは、銀色の光沢性を有すると共に、遮光性に優れることや衛生性の観点から各種商品の包装材に使用されている。しかし、上記フィルムは金属薄膜層と基材フィルムの機械的性質、化学的性質、熱的性質が異なることから、金属薄膜が可塑性に欠ける。また、基材フィルムとの密着性が悪いため、印刷、ラミネート、製袋等の加工時、クラックが発生しガスバリア性を著しく低下させる問題がある。
さらに近年、耐ボイル性能、耐レトルト性能の需要が高まってきているが、アルミニウム蒸着フィルムをこれら処理に晒すと、密着性、耐水性の不足が原因となりアルミニウム薄膜が剥がれ落ちてしまう。また、アルミニウムは反応性が高く、熱水と反応し酸化することで薄膜が透明になり、薄膜の外観にムラが生じる問題がある。
このような背景の下、特許文献1では基材フィルム上にウレタン樹脂を有する被覆層を形成し、前記被覆層上に金属薄膜を蒸着することで、また、特許文献2では基材フィルムに蒸着された金属薄膜層上にウレタン樹脂を有する保護層を形成することで、高湿度下においてもガスバリア性、密着性に優れたガスバリア積層フィルムが提案されている。
特開2007-1162号公報 特開2017-177590号公報
上記特許文献1、2では、高湿度下におけるガスバリア性、密着性の改良について検討され、それぞれ良好な値を示したが、アルミニウム蒸着膜よりも安定な酸化金属薄膜の検討結果のみであり、さらに、耐ボイル性能、耐レトルト性能の維持については何ら記載されていない。
本発明は、かかる従来技術の問題点を背景になされたものであり、金属薄膜層を備えたガスバリア性積層フィルムとした際に、常態およびボイル等の湿熱処理を施した後にも、酸素ガスバリア性および各層間の密着性に優れた金属蒸着用積層フィルムを提供することを課題として掲げた。
本発明者らは、基材フィルムに特定の被覆層を施し、前記被覆層上にアルミニウム等の金属薄膜を蒸着することで、ガスバリア性能、密着性を向上させかつ、ボイル等の過酷な湿熱処理後もそのバリア性および接着性を維持できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1) 基材フィルムの少なくとも片面に被覆層を有し、前記被覆層はメラミン樹脂を含む高分子樹脂組成物からなり、かつ前記被覆層の表面粗さが0.40nm以上0.60nm以下、付着量が0.02g/m以上0.20g/m以下であることを特徴とする金属蒸着用積層フィルム。
(2) 前記被覆層はさらにウレタン樹脂を含有することを特徴とする、(1)に記載の金属蒸着用積層フィルム。
(3) 前記被覆層がウレタン樹脂を80~90質量%、及びメラミン樹脂を10~20質量%含有していることを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載の金属蒸着用積層フィルム。
(4) 前記(1)~(3)のいずれかに記載の金属蒸着用積層フィルムの被覆層上に金属蒸着層が積層されてなるガスバリア性金属蒸着積層フィルム。
(5) 前記金属蒸着層がアルミニウムの層であることを特徴とする(4)に記載のガスバリア性金属蒸着積層フィルム。
本発明によれば、アルミニウム等の反応性の高い金属薄膜を備えたガスバリア性積層フィルムとした際にも、常態においてはもちろんのこと、ボイル等の湿熱処理を施した後にも外観を維持、かつ優れたガスバリア性、良好な密着性を発現させる積層フィルムを提供することができた。
本発明の積層フィルムは、プラスチック基材フィルムの少なくとも片面に被覆層が設けられたものである。まずプラスチック基材フィルムについて説明し、次いでこれに積層する被覆層、さらには金属薄膜層について説明する。
[基材フィルム]
本発明で用いる基材フィルムとしては、例えば、プラスチックを溶融押出しし、必要に応じ、長手方向および/または幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルム(1軸延伸フィルムまたは2軸延伸フィルム)を用いることができる。プラスチックとしては、ナイロン4・6、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12等に代表されるポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート等に代表されるポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等に代表されるポリオレフィン;のほか、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリ乳酸等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、寸法安定性の点でポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンテレフタレートに他の成分を共重合した共重合体が好ましく、特に、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、基材フィルムには、粒子が配合されることが好ましい。基材フィルムに粒子が配合されることで、被覆層の表面粗さを制御しやすくなる。配合する粒子としては特に限定されるものではないが、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、タルクなど無機粒子が挙げられる。また、架橋ポリスチレン樹脂や架橋アクリル樹脂等の有機粒子でもよい。
基材フィルムに含有される粒子の粒径としては、粒子の凝集や透明性、ガスバリア性の悪化の点から、平均粒径(レーザー解析散乱光より測定)は0.5μm以上10.0μm以下が好ましい。より好ましくは1μm以上5μm以下である。
基材フィルムに含有される粒子の含有量は、粒子の凝集や透明性、ガスバリア性の悪化の点から、0.01質量%以上1.00質量%以下が好ましい。より好ましくは0.01質量%以上0.50質量%以下である。
基材フィルムとしては、機械強度、透明性等所望の目的や用途に応じて任意の膜厚のものを使用することができ、その膜厚は特に限定されないが、通常は5~250μmであることが推奨され、包装材料として用いる場合は10~60μmであることが望ましい。
基材フィルムは、1種のプラスチックからなる単層型フィルムであってもよいし、2種以上のプラスチックフィルムが積層された積層型フィルムであってもよい。積層型フィルムとする場合の積層体の種類、積層数、積層方法等は特に限定されず、目的に応じて公知の方法から任意に選択することができる。
また基材フィルムには、本発明の目的を損なわない限りにおいて、コロナ放電処理、グロー放電、火炎処理、表面粗面化処理等の表面処理が施されていてもよく、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾等が施されてもよい。
[被覆層]
このような基材フィルムの少なくと片面に、特定の被覆層が積層される。この被覆層は後述する金属蒸着層との密着性を向上させるため設けるものである。
この被覆層はメラミン樹脂を含んでおり、好ましくは水系ポリウレタン樹脂を主体とした樹脂組成物の薄膜からなるものである。
このような樹脂組成物を構成する水系ポリウレタン樹脂として、例えばポリオールとポリイソシアネートとの反応により得られる熱硬化型樹脂が挙げられる。ポリオールの例としては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルポリオール、アジピン酸とエチレングリコールやブタンジオール等を縮合させたポリエステルポリオール等が挙げられる。ポリイソシアネートの代表的な例としては、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート等やこれらの誘導体が挙げられる。樹脂組成物に水系ポリウレタン樹脂を含むことで、凝集性の高いウレタン結合、ウレア結合が形成され、より金属薄膜との密着性の高い被覆層を形成することができる。
一方、メラミン樹脂としては、メラミンをメチロール化したものが挙げられる。例えば、ヘキサメチロールメラミン、トリスメトキシメチルメラミン、ヘキサキスメトキシメラミン等が挙げられる。メラミン樹脂が自己架橋することで、被覆層に耐水性、及び耐熱性が付与され、ボイル等の湿熱処理に耐え得る被覆層を形成することができる。
水性ポリウレタン樹脂に対するメラミン樹脂の割合は、80~90/10~20質量%が好ましい。より好ましくは85~90/10~15質量%である。この割合でメラミン樹脂を使用することで、自己架橋したメラミン樹脂がウレタン樹脂の間隙を埋め、より表面が平滑な被覆層が得られる。その結果、被覆層表面に金属蒸着を行った際、より均一な金属蒸着層が得られるため、より高い接着性を発現することができる。メラミン樹脂の被覆層配合比が10質量%より少ないと十分な架橋反応が得られず、平滑な面が得られない。また、20質量%を超える場合、未反応のメラミン樹脂が表面粗さを増大させる原因となり、接着性の低下に繋がる。
また、メラミン樹脂の熱硬化促進を目的として、反応触媒として酸性硬化触媒を用いることが好ましい。例えば、p-トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸等のスルホン酸系触媒、リン酸、変性リン酸等のリン酸系触媒、あるいはそれらのアミン塩等が挙げられる。酸性硬化触媒の添加量については、樹脂組成物全量の0.05質量%以上1.00質量%以下、より好ましくは0.07質量%以上0.50質量%以下であることが好ましい。反応触媒を用いることにより、より平滑な面を得ることができる。
本発明では、被覆層の表面粗さが0.40nm以上0.60nm以下であることが好ましい。表面粗さを0.40nm以上0.60nm以下の範囲にすることで、表面の微小な凹凸が接着性を向上させる。被覆層の表面粗さが0.40nmを下回ると、表面の凹凸が消失してしまう。一方、被覆層の表面粗さが0.60nmを上回ると、表面の凹凸が増大し、被覆層上に金属薄膜層を設けた際、金属薄膜層に浮きが生じ、接着性が低下する。
本発明では、被覆層付着量が0.02g/m以上0.20g/m以下、より好ましくは0.04g/m以上0.16g/m以下であることが好ましい。被覆層付着量が0.02g/mを下回ると、均一な被覆層が得られず、接着性が低下する。一方、被覆層付着量が0.20g/mを上回ると、被覆層が硬化し切らず、凝集性が低下し、バリア性の低下に繋がる。
被覆層の形成方法は、特に限定されるものではなく、例えばコート法等従来公知の方法を採用することができる。コート法の中でも好適な方法としては、オフラインコート法、インラインコート法を挙げることができる。例えば基材フィルムを製造する工程で行うインラインコート法の場合、コート時の乾燥や熱処理の条件は、コート厚みや装置の条件にもよるが、コート後直ちに直角方向の延伸工程に送入し延伸工程の予熱ゾーンあるいは延伸ゾーンで乾燥させることが好ましく、そのような場合には通常50~250℃程度の温度とすることが好ましい。
[金属蒸着層]
本発明の積層フィルムは、被覆層上に金属蒸着層が積層される。
金属蒸着層は、薄膜にできるものであれば特に制限はないが、ガスバリア性の観点から、Al, Si, Ti, Zn, Zr, Mg, Sn, Cu, Fe等が挙げられるが、衛生性の観点からAl又はSiを用いることが好ましく、Alが特に好ましい。金属蒸着層は一層でも、あるいは二層以上の積層体であってもよい。
金属蒸着層の膜厚は、通常1~100nm、好ましくは5~50nmである。金属蒸着層の膜厚が1nm未満であると、満足のいくガスバリア性が得られ難くなる場合があり、一方、100nmを超えて過度に厚くしても、それに相当するガスバリア性の向上効果は得られず、耐屈曲性や製造コストの点でかえって不利となる。
金属蒸着層を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法(PVD法)、あるいは化学蒸着法(CVD法)等、公知の蒸着法を適宜採用すればよい。
以上より本発明の積層フィルムは、金属蒸着層を備えたガスバリア性積層フィルムとした際に、常態およびボイル等の湿熱処理を施した後にも、酸素ガスバリア性および各層間の密着性に優れた金属蒸着用積層フィルムとなる。具体的には、酸素ガスバリア性においては常態で25ml/m・day・MPa以下が好ましく、10ml/m・day・MPa以下がより好ましく、ボイル処理後で85ml/m・day・MPa以下が好ましく、30ml/m・day・MPa以下がより好ましい。密着性においてはラミネート強度で、常態で1.0N/15mm以上が好ましく、1.5N/15mm以上がよりこり好ましく、ボイル処理後で1.0N/15mm以上が好ましく、1.5N/15mm以上がより好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
各実施例、比較例で用いた評価方法および物性測定方法は以下の通りである。
(1)評価用ラミネート積層体の作製
実施例および比較例で得られた各積層フィルムの金属蒸着層側に、ウレタン系2液硬化型接着剤(東洋モートン社製「(登録商標)TM569」と「(登録商標)cat10L」とを8.4:1(重量比)の割合で配合)を用いて、ヒートシール性樹脂層として厚さ40μmの無延伸ポリエチレンフィルム(東洋紡社製「(登録商標)L4102」)をドライラミネート法により貼り合わせ、40℃で2日間エージングを施すことによって、評価用のラミネートガスバリア性積層体(以下「ラミネート積層体」と称することもある)を得た。
(2)酸素透過度の評価方法
得られた積層フィルム単体に対して、JIS-K7126-2の電解センサー法(付属書A)に準じて、酸素透過度測定装置(MOCON社製「OX-TRAN 2/20」)を用い、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、常態での酸素透過度を測定した。なお、酸素透過度の測定は、被覆層を積層していない基材フィルム側から被覆層側に酸素が透過する方向で行った。
他方、上記(1)で作製したラミネート積層体に対して、95℃の熱水中に30分間保持するボイル処理を行い、40℃で1日間(24時間)乾燥し、得られたボイル処理後のラミネート積層体について上記と同様にして酸素透過度(ボイル後)を測定した。
(3)ラミネート強度の評価方法
上記(1)で作製したラミネート積層体に対して、幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とし、温度23℃、相対湿度65%の条件下で、テンシロン万能材料試験機(東洋ボールドウイン社製「テンシロンUMT-II-500型」)を用いてラミネート強度を測定した。ラミネート強度は、引張速度を200mm/分とし、剥離角度90度で剥離させたときの強度とした。
他方、上記(1)で作製したラミネート積層体に対して、95℃の熱水中に30分間保持するボイル処理を行い、得られたボイル処理後のラミネート積層体について未乾燥のままの状態で、上記と同様にしてラミネート強度(ボイル後)を測定した。
(4)フィルムの被覆層表面算術平均粗さ(表面粗さ)の測定方法
被覆層の算術平均粗さの測定は、走査型プローブ顕微鏡(SPM)(株式会社島津製作所製「SPM9700」)を使用して(カンチレバー:オリンパス社から提供されるOMCL―AC200TSを使用、観察モード:位相モード)実施した。詳しくは、被覆層表面の視野角2μm四方においてSPM画像を得た。得られた画像において、SPM付属のソフトウエアの機能である傾き補正を使用し、X方向・Y方向・Z方向の傾き補正を行った後、算術平均粗さの値を算出した。
(5)フィルムの被覆層付着量(コート量)の測定方法
被覆層の付着量の測定は、基材フィルム上に被覆層を積層した段階で得られた積層フィルムを試料とし、この試料から100mm×100mmの試験片を切り出し、水による被覆層の拭き取りを行い、拭き取り前後のフィルムの質量変化から被覆層の付着量を算出した。
各実施例、比較例において被覆層の形成に用いた各材料は以下のようにして調製した。
<被覆層に用いた各材料の調製>
[ウレタン樹脂(A)]
ウレタン樹脂として、市販のポリエステルウレタン樹脂のディスパージョン(DIC社製「(登録商標)AP-201」;固形分23%)を用意した。
[ウレタン樹脂(B)]
ウレタン樹脂として、市販のポリエステルウレタン樹脂のディスパージョン(三井化学社製「タケラック(商標登録)W605」;固形分30%)を用意した。
[ウレタン樹脂(C)]
ウレタン樹脂として、市販のメタキシリレン基含有ウレタン樹脂のディスパージョン(三井化学社製「タケラック(登録商標)WPB341」;固形分30%)を用意した。
[架橋剤(D)]
メラミン系架橋剤(メラミン樹脂)として、市販のDIC社製ヘキサメトキシメチロール型メラミン「ベッカミン(登録商標)J-101」;固形分71%を用意した。
[架橋剤(E)]
オキサゾリン系架橋剤として、市販の日本触媒社製「エポクロス(登録商標)WS300」;固形分20%を用意した。
[反応触媒(F)]
反応触媒として、市販のDIC社製p-トルエンスルホン酸系の酸性硬化触媒「(登録商標)catPTS」;固形分100%を用意した。
実施例1
(1)被覆層に用いる塗工液の調整
下記の配合比率で各材料を混合し、塗布液(被覆層用樹脂組成物)を作成した。なお、得られた塗布液中のウレタン樹脂(A)、メラミン架橋剤(D)、反応触媒(F)の固形分換算の質量比は表1に示す通りである。
水 66.88%
イソプロパノール 25.00%
ウレタン樹脂 (A) 7.84%
メラミン架橋剤 (D) 0.28%
反応触媒 (F) 0.01%
(2)ポリエステル基材フィルムの製造および塗工液のコート(被覆層の積層)
極限粘度0.62dl/g(30℃、フェノール/テトラクロロエタン=60/40)、シリカ粒子を90ppm含有したポリエチレンテレフタレート樹脂を予備結晶化後、本乾燥し、Tダイを有する押出し機を用いて280℃で押出し、表面温度40℃のドラム上で急冷固化して無定形シートを得た。次に得られたシートを加熱ロールと冷却ロールの間で縦方向に100℃で4.0倍延伸を行った。そして、得られた一軸延伸フィルムの片面に、上記塗工液1をファウンテンバーコート法によりコートした。乾燥しつつテンターに導き、100℃で予熱、120℃で4.0倍横方向に延伸し、6%の横方向の弛緩を行いながら225℃で熱処理を行い、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムに被覆層が形成された積層フィルムを得た。
(3)金属蒸着層の形成
次に、上記(2)で得られた積層フィルムの被覆層面に、金属薄膜層として、アルミニウムを抵抗加熱蒸着法で形成した。また金属薄膜層(アルミニウム薄膜層)の膜厚は50nmであった。
以上のようにして、基材フィルムの上に被覆層/金属薄膜層を備えた積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、上記の通り、酸素透過度、ラミネート強度を評価した。また、金属薄膜層蒸着前の被覆層について、上記の通り、表面粗さ、付着量を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2~4、比較例1~10)
被覆層形成用の塗工液を調製するにあたり、ウレタン樹脂及び架橋剤の配合量、付着量および種類を表1に示す通りとなるよう変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、酸素透過度、ラミネート強度、表面粗さを評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007073882000001
本発明により、アルミニウム等の反応性の高い金属薄膜を備えたガスバリア性積層フィルムとした際にも、常態においてはもちろんのこと、ボイル等の湿熱処理を施した後にも外観を維持、かつ優れたガスバリア性、良好な密着性を発現させる積層フィルムを提供することができる。

Claims (3)

  1. 無機粒子又は有機粒子を0.01質量%以上1.00質量%以下含有する基材フィルムの少なくとも片面に被覆層を有し、前記被覆層はウレタン樹脂を80~90質量%、及びメラミン樹脂を10~20質量%含有する高分子樹脂組成物からなり、前記メラミン樹脂は、ヘキサメチロールメラミン、トリスメトキシメチルメラミン、又はヘキサキスメトキシメラミンのいずれかを含み、かつ前記被覆層の表面粗さが0.40nm以上0.60nm以下、付着量が0.02g/m以上0.20g/m以下であり、前記被覆層表面は金属蒸着面であることを特徴とする金属蒸着用積層フィルム。
  2. 請求項1記載の金属蒸着用積層フィルムの被覆層上に金属蒸着層が積層されてなるガスバリア性金属蒸着積層フィルム。
  3. 前記金属蒸着層がアルミニウムの層であることを特徴とする請求項に記載のガスバリア性金属蒸着積層フィルム。
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