JP3668041B2 - データ検索装置、およびデータ検索プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ検索装置、およびデータ検索プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関し、特に、複雑な検索条件であっても視認性を高く維持したままデータ検索が可能なデータ検索装置、およびデータ検索プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
コンピュータシステムの性能が向上し、個人が管理するデータの数が飛躍的に増加している現在では、これら膨大な量のデータの中からユーザの求めるデータをいかに簡単かつ素早く手に入れるかが重要である。このような効率的なデータ検索方法として、特開平９−６７９１号公報に開示のデータ検索方法が提案されている。
【０００３】
このデータ検索方法では、１つの検索条件に対する検索結果の集合を閉じた領域の中に表示させ、複数の領域を重ね合わせることで、複数の検索条件を満たすデータを複数の領域が重なる部分に表示させている。
【０００４】
たとえば、図３１（ａ）においては、データベースよりキーワード「乗り物」を含むデータを検索した結果を領域３２０１に表示し、キーワード「人物」を含むデータを検索した結果を領域３２０２に表示している。各データはアイコン表示されているため、データの内容を一目で認識することができるようになっている。また、領域３２０１および３２０２の双方に属するデータのアイコンは互いに接近して表示される（図３１（ａ）の「バイク」および「自転車」）。このため、２つ以上の検索条件を満たすデータを調べるのに便利である。図３１（ｂ）では、領域３２０１と領域３２０２とを重ね合わせることで、領域３２０１および領域３２０２の双方に含まれるデータのアイコンを重なり領域３２０３に表示している。これにより、２つ以上の検索条件を満たすデータを容易に認識でき、検索時間を短縮することができる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のデータ検索方法では、複数のフィルタに属するデータのアイコンが互いに接近して表示されるという以外は、フィルタ内のアイコンの表示位置には特に意味がない。このため、検索条件が複雑になり、フィルタの数が増えてしまうような場合にあっては視認性の高さが薄れてしまう。
【０００６】
たとえば、都道府県名を属性値として有する複数のデータがあるとする。これらのデータに対して、都道府県名を検索条件とするフィルタを用いて、データ検索を行なうためには、最大４７個（日本の都道府県数）ものフィルタを用いてデータ検索を行なわなければならない。
【０００７】
また、関西地区の人という検索条件のフィルタと、男の人という条件のフィルタとのＡＮＤ検索を行なった結果には、それ以上の情報は含まれていない。すなわち、その人が関西地区のどの件に住んでいるのかといった細かい情報を得るには、さらにフィルタを追加しなければならず、フィルタの数が増え、視認性の高さが薄れてしまう。
【０００８】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、少ないフィルタで複雑な検索条件を表現することができ、視認性の高いデータ検索方法および装置、ならびにデータ検索プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することである。
【０００９】
本発明の他の目的は、フィルタ内に表示される標章の数が多い場合であっても視認性の高いデータ検索方法を提供することである。
【００１０】
本発明のさらに他の目的は、簡単な操作でデータの属性値を変更することができるデータ検索方法を提供することである。
【００３１】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明に係るデータ検索装置は、管理対象となる複数のデータを記憶するとともに、任意の数の属性に関して前記複数のデータに対しそれぞれ付与される属性値を記憶する記憶装置と、表示物を表示するディスプレイと、使用者による操作を介して使用者からの操作指示を受ける入力手段と、検索条件に関連しているフィルタであって、複数の属性値の各々が予め定められた表示位置に関連しているフィルタを複数生成するフィルタ生成手段と、記憶装置に記憶されている複数のデータの中から所望のデータを検索するためにデータ属性およびデータ属性値を入力手段を用いて使用者が入力した場合に、該入力されたデータ属性およびデータ属性値に基づき記憶装置に記憶されている複数のデータの中から対応するデータの検索を行なうデータ検索手段と、フィルタ生成手段により生成されたフィルタを前記ディスプレイに表示するとともに、該フィルタにおける複数の属性値の各々が予め定められた表示位置のうち、データ検索手段により検索されたデータに付与された属性値に対応する表示位置に、当該検索されたデータの標章を表示するデータ表示手段とを含み、データ表示手段は、フィルタ生成手段により生成された複数のフィルタを同時に表示する複数フィルタ同時表示手段と、データ検索手段により検索されたデータが、複数フィルタ同時表示手段により同時に表示された複数のフィルタに関連した検索条件を共に満たす場合には、当該データの標章を強調表示する強調表示手段とを含む。
【００３２】
請求項１に記載の発明によると、フィルタ上の各々の表示位置は属性値に関連している。このため、複雑な検索条件の検索であっても、１つのフィルタで検索することが可能となり、視認性を損なうことなく複雑な検索条件の検索が可能となる。また、複数のフィルタに関連する検索条件を満たすデータの標章は強調表示される。このため、データが複数の検索条件を満たしていることを一目で認識することができ、視認性の高いデータ検索装置を提供することができる。
請求項２に記載の発明に係るデータ検索装置は、請求項１に記載の発明の構成に加えて、フィルタ生成手段により生成された複数のフィルタはそれぞれ優先度を有し、データ表示手段は、優先度の高いフィルタを前面に表示させる高優先度フィルタ前面表示手段を含み、強調表示手段は、データ検索手段により検索されたデータが複数のフィルタに関連した検索条件を満たす場合には、最も優先度の高いフィルタ内にデータの標章を表示させ、当該標章を強調表示させる。
請求項２に記載の発明によると、請求項１に記載の発明の作用、効果に加えて、フィルタは優先度を有し、優先度の高いフィルタほど前面に表示され、最も優先度の高いフィルタ上に表示されたデータの標章のうち、その他のフィルタの検索条件を満たすものは、強調表示される。このため、データが複数の検索条件を満たしていることを一目で認識することができ、視認性の高いデータ検索方法を提供することができる。
請求項３に記載の発明に係るデータ検索装置は、請求項２に記載の発明の構成に加えて、フィルタ生成手段により生成された複数のフィルタのうちのいずれかを使用者が選択する操作指示を入力手段が受けた場合に、当該フィルタが選択されたことを検知する選択検知手段と、選択検知手段の検知結果に従って、選択された前記フィルタの優先度を、選択された前記フィルタと重なりを有するフィルタよりも高くする優先度変更手段と、優先度変更手段により高い優先度に変更された高優先度フィルタと重なりを有するフィルタに表示されていたデータの標章のうち、高優先度フィルタ上に表示されるものをアニメーション表示させながら移動させ、高優先度フィルタ上に表示させる標章移動表示手段とをさらに含む。
請求項３に記載の発明によると、請求項２に記載の発明の作用、効果に加えて、フィルタが選択されると、選択されたフィルタが前面に表示される。また、標章が、前面に表示されたフィルタ上にアニメーション表示されながら移動する。このため、どのフィルタが移動したのかを一目で認識することができ、視認性の高いデータ検索方法を提供することができる。
【００３３】
請求項４に記載の発明に係るコンピュータ読取可能な記録媒体は、管理対象となる複数のデータを記憶するとともに、任意の数の属性に関して前記複数のデータに対しそれぞれ付与される属性値を記憶する記憶装置と、表示物を表示するディスプレイと、使用者による操作を介して使用者からの操作指示を受ける入力手段と、を含むデータ検索装置に用いられるデータ検索プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、コンピュータを、検索条件に関連しているフィルタであって、複数の属性値の各々が予め定められた表示位置に関連しているフィルタを複数生成するフィルタ生成手段と、記憶装置に記憶されている複数のデータの中から所望のデータを検索するためにデータ属性およびデータ属性値を入力手段を用いて使用者が入力した場合に、該入力された前記データ属性および前記データ属性値に基づき記憶装置に記憶されている複数のデータの中から対応するデータの検索を行なうデータ検索手段と、フィルタ生成手段により生成された前記フィルタをディスプレイに表示するとともに、該フィルタにおける複数の属性値の各々が予め定められた表示位置のうち、データ検索手段により検索されたデータに付与された属性値に対応する表示位置に、当該検索されたデータの標章を表示するデータ表示手段と、して機能させ、データ表示手段は、フィルタ生成手段により生成された複数のフィルタを同時に表示する複数フィルタ同時表示手段と、データ検索手段により検索されたデータが、複数フィルタ同時表示手段により同時に表示された複数のフィルタに関連した検索条件を共に満たす場合には、当該データの標章を強調表示する強調表示手段と、して機能させる。
【００３４】
請求項４に記載の発明によると、フィルタ上の各々の表示位置は属性値に関連している。このため、複雑な検索条件の検索であっても、１つのフィルタで検索することが可能となり、視認性を損なうことなく複雑な検索条件の検索が可能となる。また、複数のフィルタに関連する検索条件を満たすデータの標章は強調表示される。このため、データが複数の検索条件を満たしていることを一目で認識することができ、視認性の高いデータ検索プログラムを提供することができる。
【００３５】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明における実施の形態の１つであるデータ検索装置について説明する。
【００３６】
図１を参照して、データ検索装置は、データ検索処理を行なう処理装置本体１０と、処理装置本体１０に接続されたディスプレイ３と、処理装置本体１０に接続され処理装置本体１０に指示を指示を送信するキーボード１ａおよびマウス１ｂと、処理装置本体１０に接続されたデータベースなどを記憶するハードディスク装置２と、ネットワークを介して接続されたデータベース装置８とを含む。
【００３７】
図２を参照して、処理装置本体１０は、データ検索などの処理を行なうＣＰＵ（Central Processing Unit）４と、データ検索処理のプログラムを記憶するプログラム用メモリ６と、各種の属性値を有するデータを記憶するデータ用メモリ７と、データベース装置８の表示を制御する表示制御部５と、プログラムまたはデータが記録されたフロッピーディスク（図示せず）を読取るフロッピーディスク装置９と、フロッピーディスク装置９、ＣＰＵ４、表示制御部５、プログラム用メモリ６およびデータ用メモリ７などを相互に接続するバスとを含む。
【００３８】
以下図面を参照して、データ検索装置によるデータ検索処理について説明する。以下、ある会社の従業員のデータ集合の中から所望の条件を満足する人物を検索する処理を例に説明する。ただし、本発明のデータ検索処理は、特定の検索対象、検索条件および表示方法には限定されない。
【００３９】
図３を参照して、ディスプレイ３上に全従業員のデータを示すアイコンが表示されている。各アイコンは一人の従業員データに関連する。各アイコンには顔写真が表示されているのが望ましいが、ここでは便宜的に文字「Ａ」〜「Ｏ」で代用する。従業員データは、名前、住所、電話番号、所属、フロア、性別、身長、血液型、生年月日、予定内容および予定日などの属性値を有するものとする。
【００４０】
検索を行なう属性を選択するための領域（以下「フィルタ」という）が作成される。図４を参照して、フィルタ内にはデータが持つ属性の一覧表示である属性選択画面が表示される。オペレータは、検索を行ないたい属性の選択を行なう。この時点で、属性が持つ標準の検索条件が設定される。たとえば、「住所」という属性を選択することにより、「日本国内の住所」という標準の検索条件が設定される。
【００４１】
図４の「住所」を選択することにより、図５のような表示に切換えられる。この表示では、属性として住所が選択され、その属性が持つ属性値の一覧がリストとして表示されている。リストの横には、「図表示」ボタン、「検索」ボタンおよび「戻る」ボタンからなる３つのボタンが表示されている。図５のような画面を属性値選択画面と呼ぶ。
【００４２】
この状態で、「図表示」ボタンが選択されると、先に設定された標準の検索条件「日本国内の住所」に従い、データの検索が行なわる。図６を参照して、データの検索の後、日本地図および「戻る」ボタンがフィルタ上に表示され、日本国内に住所を有する従業員データを示すアイコンが、日本地図上に表示される。このとき、各アイコンは、住所に応じた位置に表示される。すなわち、住所の属性値として「宮崎県」を有するデータのアイコン（アイコンＦ）は、日本地図の宮崎県上に表示される。また、日本国内に住所を有しない従業員データのアイコン（アイコンＤおよびＬ）は、日本地図外に表示される。図６の状態で「戻る」ボタンが選択されると、図６の前の状態である図５の属性値選択画面へ表示が切換えられる。
【００４３】
図５の属性値選択画面上で「検索」ボタンが選択されると、「図表示」ボタンを選択した場合と同様にして、標準の検索条件「日本国内の住所」に従い、データの検索が行なわる。図７を参照して、データ検索の後、画面表示が切換わり、検索条件を満足するデータを示すアイコン、すなわち日本国内に住所を有する従業員データを示すアイコンがフィルタ内に整列表示される。また、検索条件を満足しないデータを示すアイコン、すなわち日本国内に住所を有しない従業員データを示すアイコン（アイコンＤおよびＬ）がフィルタ外に整列表示される。
【００４４】
この状態でフィルタ内に表示されている「図表示」ボタンを選択すると、上述した図６の地図表示画面と同じ表示に切換えられる。図６の地図表示画面上で「戻る」ボタンを選択すると、図７の表示画面に戻る。
【００４５】
図５の属性値選択画面上で「戻る」ボタンが選択されると、属性値選択画面の前に表示されていた図４の属性選択画面に表示が切換えられる。
【００４６】
図５の属性値選択画面上で属性値が選択されると、その属性値が選択されたことが分かるような画面表示に切換えられる。図８を参照して、属性値として「北海道」が選択されると、選択された属性値「北海道」の左側に表示されているボタンが、その他の属性値の左側に表示されているボタンとは異なる色で表示される。これにより、属性値「北海道」がユーザによって選択されたことが示される。
【００４７】
この状態で「検索」ボタンが選択されると、選択された属性値を検索条件として、データに対する検索が行なわれる。図９を参照して、検索条件を満足するデータを示すアイコンＢおよびＥが検索条件に関連するフィルタ内に表示され、検索条件を満足しないデータを示すアイコンがフィルタ外に表示される。すなわち、アイコンＢおよびＥに関連する従業員データは、「北海道」という属性値を有する。図９の「戻る」ボタンが選択されると、図８の属性値選択画面へ表示が切換えられる。
【００４８】
図９の「図表示」ボタンが選択されると、図１０に示されるように、北海道地図が表示され、アイコンＢおよびＥは、アイコンＢおよびＥの関連する従業員データの住所に対応した位置にそれぞれ表示される。北海道以外の住所に住んでいる従業者のデータに関連したアイコンは、北海道地図外に表示される。図１０の「戻る」ボタンが選択されると、図９の画面に表示が切換えられる。
【００４９】
図９の「図表示」ボタンが選択され、アイコンの図１０のような定型表示が行なわれる際には、表示されるアイコンの密度や重なり具合に従い、図１０のようなアイコンでの表示が適当か否かの判断が行われる。図１０のような表示が不適当であるという判断がされた場合には、図１１を参照して、棒グラフ表示、データを点で表現する濃度表示、および図１０のようなアイコン表示の３つの表示方法のうちいずれかをユーザに選択させるための選択画面が表示される。ユーザがこのうちのいずれかの表示方法を選択することにより、選択された表示方法に応じた表示が行なわれる。
【００５０】
ユーザが棒グラフ表示を選択すると、図１２（ａ）を参照して、各地域ごとに、各地域に含まれるデータの数が棒グラフ表示される。図１２（ａ）で棒グラフ表示された、データが密集している地域を選択することにより、図１２（ｂ）のような、選択された地域が拡大された表示が行なわれる。
【００５１】
フィルタ上でアイコンを移動させることにより、属性値の変更が行なわれる。図１３を参照して、日本地図上の大阪府の位置に表示されたアイコンを北海道に移動させると、そのアイコンの関連するデータの属性「住所」の属性値が大阪府から北海道に変更される。
【００５２】
図１４を参照して、複数のフィルタを表示した場合について説明する。１つめのフィルタは、属性として住所が選択されており、検索条件として「北海道」が設定されている。２つめのフィルタは、属性として身長が選択されており、検索条件として「身長１６０ｃｍ以上」が設定されている。図１４の状態では、住所の属性を持つフィルタは地図表示されていないものとする。また、住所の属性を持つフィルタ内には、「戻る」ボタンおよび「図表示」ボタンの２つのボタンが表示されている。また、この状態では、フィルタ間に重なりがないため、２つのフィルタの双方に属するアイコンＥおよびＧは、ハッチングを施すなどして強調表示される。一方のフィルタを移動させ、他方のフィルタに重ね合わせると図１５のような表示に画面が切換えられる。アイコンＥおよびＧは、双方のフィルタに関連する検索条件を満足する。このため、アイコンＥおよびＧは、２つのフィルタの重なり領域内に表示される。すなわち、アイコンＥおよびＧに関連する従業員データの住所は北海道であり、かつ身長は１６０ｃｍ以上である。
【００５３】
住所の属性を有するフィルタ内の「図表示」ボタンが選択されると、そのフィルタが図１６のような地図型フィルタに切換えられ、北海道の地図が表示される。北海道の地図上に、北海道の住所を有するデータを示すアイコンが表示される。地図型フィルタでは、フィルタ内の位置が意味を持つ。このため、アイコンＥおよびＧを、２つのフィルタの重なり領域に表示させることができない場合には、アイコンＥおよびＧは強調表示される。
【００５４】
次に、従業員データの中から予定日を属性とするフィルタを用いて、従業員データを検索する例について説明する。
【００５５】
図４の属性選択画面で「予定日」が選択されると、図１７のような属性値選択画面に切換えられる。この表示では、属性として予定日が選択され、その属性が持つ属性値の一覧がリストとして表示されている。予め属性値の初期値が設定されているものとする。リストの横には、「図表示」ボタン、「検索」ボタンおよび「戻る」ボタンからなる３つのボタンが表示されている。
【００５６】
この状態で「戻る」ボタンが選択されると、図４の属性選択画面に表示が切換えられる。
【００５７】
図１７の属性値選択画面で属性値が選択されると、その属性値が選択されたことがわかるように、選択された属性値の左側に表示されているボタンが、その他の属性値の左側に表示されているボタンとは異なる色で表示される。図１７では、属性値として「１９９８年１０月」が選択されている。この状態で、「検索」ボタンが選択されると、検索条件「１９９８年１０月」に従い、データの検索が行なわれる。図１８を参照して、データの検索の後、画面表示が切換わり、検索条件を満足するデータを示すアイコン、すなわち１９９８年１０月に予定がある従業員データを示すアイコンが、検索条件「１９９８年１０月」に関連するフィルタ内に表示される。また、検索条件を満足しないデータを示すアイコン、すなわち１９９８年１０月に予定がない従業員データを示すアイコンが、上述のフィルタ外に表示される。また、フィルタ内には「戻る」ボタンおよび「図表示」ボタンの２つのボタンが表示されている。この状態で「戻る」ボタンが選択されると、図１７の表示に切換えられる。
【００５８】
図１７の「図表示」ボタンまたは図１８の「図表示」ボタンが選択されると、図１９のようなカレンダ型フィルタの画面に切換えられる。カレンダ型フィルタには、１９９８年１０月のカレンダが表示されており、従業員データの予定日に応じた位置に、従業員データを示すアイコンが表示される。たとえば、アイコンＤで示される従業員は、１９９８年１０月５日に予定があることがわかる。アイコンＧで示される従業員は、１９９８年１０月１３日から１５日にかけて予定があることがわかる。アイコンＮで示される従業員は、毎週水曜日に予定があることがわかる。従業員データには予め優先度が付されている。アイコンＮがアイコンＧよりも手前に表示されているのは、アイコンＮに関連する従業員データの優先度がアイコンＧに関連する従業員データの優先度よりも高いことを表わしている。図１９の「戻る」ボタンが選択されると、１つ前に表示されていた表示画面（図１７の属性値選択画面または図１８の画面）に表示が切換えられる。
【００５９】
次に、複数のフィルタが同時に表示されている場合を説明する。上述の説明（図１４〜図１６）では、各フィルタには優先度が付されていなかったが、各フィルタは、優先度を付すようにしてもよい。基本的には後から作成されたフィルタの優先度の方が、先に作成されたフィルタの優先度より大きいものとする。図２０を参照して、カレンダ型フィルタおよび地図型フィルタが同一画面上に表示され、カレンダ型フィルタの優先度の方が地図型フィルタの優先度よりも大きいものとする。よって、カレンダ型フィルタの方が前面に表示される。アイコンＭおよびＯに関連する従業員データは、カレンダ型フィルタおよび地図型フィルタの双方の検索条件を満足するデータである。アイコンＭおよびＯは、優先度の大きいカレンダ型フィルタ内にのみに表示され、その他のフィルタ内には表示されない。また、アイコンＭおよびＯは、複数の検索条件を満足することがわかるようにその他のアイコンとは、色を変えて表示される。なお、図２０では、アイコンＭおよびＯをハッチング表示することにより、色の違いを表現している。
【００６０】
図２０の画面で地図型フィルタをクリックすることにより選択すると、図２１のような表示に切換えられる。すなわち、地図型フィルタの優先度がカレンダ型フィルタの優先度よりも大きくなるように優先度の切り換えが行なわれる。地図型フィルタの優先度が大きくなることによって、アイコンＭおよびＯは、カレンダ型フィルタ上から、地図型フィルタ上に移動されながら表示される。アイコンＭおよびＯの移動は、アニメーション表示により表現され、具体的にどのアイコンがどこからどこへ移動しているのかがわかるようになっている。
【００６１】
図２２〜図３０は、本発明によるデータを検索する方法の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って、各処理を説明する。
【００６２】
図２２を参照して、データ検索装置は、ユーザからの命令が入力されるまで待機する（Ｓ０１）。ユーザからの命令が入力されると（Ｓ０１でＹＥＳ）、入力された命令の意味が解釈される（Ｓ０２）。たとえば、ユーザが表示領域中に表示されたフィルタの端をドラッグしているなら、フィルタのサイズ変更の命令が入力されたという解釈がなされ、それ以降の処理でそれに伴う処理が実行されることになる。
【００６３】
処理の種類がフィルタ内部描画処理の場合には、後述するフィルタ内部描画処理（Ｓ０４）が実行される。処理の種類がデータ処理の場合には、後述するデータ処理（Ｓ０５）が実行される。処理の種類がデータ検索処理の場合には、後述するデータ検索処理（Ｓ０６）が実行される。処理の種類がフィルタ管理処理の場合には、後述するフィルタ管理処理（Ｓ０７）が実行される。
【００６４】
Ｓ０４〜Ｓ０７のいずれかの処理終了後、各処理の内部で別の処理の呼出しが行なわれているか否かの判断が行なわれる（Ｓ０８）。別の処理の呼出しが行なわれていれば（Ｓ０８でＹＥＳ）、Ｓ０３に戻り、呼び出された処理が行なわれる。
【００６５】
別の処理の呼出しが行なわれていなければ（Ｓ０８でＮＯ）、各処理で決定された状態に応じてデータを表示する位置および大きさが決定される（Ｓ０９）。Ｓ０９の処理で決定された表示位置および表示の大きさに基づいて、データがディスプレイ３に表示される（Ｓ１０）。その後、Ｓ０１に戻る。
【００６６】
図２３を参照して、フィルタ管理処理（図２２のＳ０７）について詳しく説明する。ユーザの入力によりフィルタの作成が行なわれようとすると（Ｓ１１でフィルタ作成処理）、ユーザの要求に応じて新たなフィルタが作成される（Ｓ１２）。ユーザの入力によりフィルタの削除が行なわれようとすると（Ｓ１１でフィルタの削除処理）、ユーザの要求に応じてフィルタの削除が行なわれる（Ｓ１３）。ユーザの入力によりフィルタの移動または変形が行われようとすると（Ｓ１１でフィルタ移動／変形処理）、ユーザの要求によりフィルタの表示位置の移動または変形が行われる（Ｓ１４）。画面中に複数のフィルタが存在し、フィルタ間の上下の入れ替えが生じた場合には（Ｓ１１でフィルタ切替処理）、後述する重複データ処理（Ｓ１５）が実行される。
【００６７】
図２４を参照して、重複データ処理（図２３のＳ１５）について説明する。複数のフィルタの検索条件を同時に満足するデータがあるか否かが判断される（Ｓ１６）。複数の検索条件を満足するデータが存在しなければ（Ｓ１６でＮＯ）、何も処理は行われない。
【００６８】
複数の検索条件を満足するデータが存在する場合には（Ｓ１６でＹＥＳ）、データの図表示が行なわれているか否かが判断される（Ｓ１７）。データの図表示が行なわれていなければ（Ｓ１７でＮＯ）、フィルタ間に重なりがあるか否かが判断される（Ｓ１９）。フィルタ間に重なりがあれば（Ｓ１９でＹＥＳ）、複数の検索条件を満足するデータのアイコンをフィルタの重なり領域に表示するための準備をする（Ｓ２２、図１５）。
【００６９】
フィルタ間に重なりがなければ（Ｓ１９でＮＯ）、複数の検索条件を満足するデータのアイコンを同じ色で表示するなどの強調表示処理を行ない（図１４）、それぞれのアイコンが同じデータのアイコンであることを示し、そのデータが満足する検索条件のフィルタに表示するための準備をする（Ｓ２０）。なお、同一色でアイコンを強調表示する代わりに、同一のハッチングを施し強調表示を行なってもよい。
【００７０】
データの図表示が行なわれている場合には（Ｓ１７でＹＥＳ）、フィルタに優先度が設定されているか否かの判断が行なわれる（Ｓ１８）。フィルタに優先度が設定されていなければ（Ｓ１８でＮＯ）、上述したＳ２０の処理が行なわれる。
【００７１】
フィルタに優先度が設定されている場合には（Ｓ１８でＹＥＳ）、アイコンのアニメーション表示が終了しているか否かが判断される（Ｓ２１）。アイコンのアニメーション表示が終了していなければ（Ｓ２１でＮＯ）、複数のフィルタの検索条件を満足するデータのアイコンが、優先度の低いフィルタから優先度の高いフィルタへと移動するアニメーション表示（図２１）が行なわれる（Ｓ２４）。
【００７２】
アイコンのアニメーション表示が終了していれば（Ｓ２１でＹＥＳ）、複数のフィルタの検索条件を満足するデータのアイコンを、最も優先度の高いフィルタに表示するための準備が行なわれる（Ｓ２３、図２０）。
【００７３】
Ｓ２０およびＳ２２〜Ｓ２４のいずれかの処理が終了すると、重複データ処理（図２３のＳ１５）が終了する。
【００７４】
図２５を参照して、フィルタ内部描画処理（図２２のＳ０４）について説明する。フィルタ内部描画処理は、図２３のＳ１２の処理により、フィルタの作成処理が行なわれた後に実行される。
【００７５】
属性選択画面（図４）の表示処理の要求があった場合には（Ｓ２５で属性選択画面表示処理）、選択され得る属性のフィルタ内での表示位置が決定される（Ｓ２６）。ユーザによりフィルタの属性の選択入力があった場合には（Ｓ２５で属性選択処理）、選択された属性が標準の属性値をもっているか否かの判断が行なわれる（Ｓ２７）。選択された属性が標準の属性値を持っている場合には（Ｓ２７でＹＥＳ）、属性が有する標準の属性値が、フィルタの検索条件とされる（Ｓ２８）。選択された属性が標準の属性値を持っていない場合には（Ｓ２７でＮＯ）、フィルタの検索条件を未設定状態とする（Ｓ２９）。
【００７６】
属性値選択画面（図５、図８、図１７）の表示処理の要求があった場合（Ｓ２５で属性値選択画面表示処理）、またはＳ２８もしくはＳ２９の処理の後、先に選択されたフィルタの属性が持つ属性値をリストとしてフィルタ内に表示するための準備が行なわれる（Ｓ３０）。
【００７７】
ユーザにより属性値の選択が行なわれた場合には（Ｓ２５で属性値選択処理）、選択された属性値がフィルタの検索条件としてセットされ（Ｓ３１）、ユーザにより選択された属性値がわかるような表示（図８、図１７）を行なう準備が行なわれる（Ｓ３２）。
【００７８】
ユーザにより「検索」ボタンが選択されると（Ｓ２５でボタン処理）、後述するボタン処理が行なわれる（Ｓ３３）。ユーザが地図上のある領域を選択すると（Ｓ２５で詳細表示処理、図１２）、ユーザが選択した領域の属性値が検索条件とされ（Ｓ３４）、後述する図表示処理（Ｓ３５）が行なわれる。Ｓ２６、Ｓ３０、Ｓ３２、Ｓ３３またはＳ３５の処理の後、図２２のＳ０８の処理が行なわれる。
【００７９】
図２６を参照して、ボタン処理（図２５のＳ３３）について説明する。ボタン処理では、選択されたボタンの種類に応じた処理が行なわれる。「検索」ボタンが選択された場合には（Ｓ３６で検索開始処理）、後述するデータ検索処理が実行される（Ｓ３８）。「戻る」ボタンが選択された場合には（Ｓ３６で戻る処理）、現在表示されている状態の１つ前の状態の処理が呼び出される（Ｓ３７）。「図表示」ボタンが選択されると（Ｓ３６で図表示処理）、後述する図表示処理が行なわれる（Ｓ３５）。
【００８０】
図２７を参照して、データ検索処理（図２６のＳ３８）について説明する。フィルタの検索条件が設定されているか否かが判断される（Ｓ３９）、フィルタの検索条件が設定されていない場合には（Ｓ３９でＮＯ）、何もせずにデータ検索処理を終了する。フィルタの検索条件が設定されている場合には（Ｓ３９でＹＥＳ）、フィルタに設定された検索条件に基づきデータの検索が行なわれる（Ｓ４０）、その後、データ検索処理を終了する。
【００８１】
図２８を参照して、図表示処理（図２５または図２６のＳ３５）について説明する。データ検索が終了しているか否かが判断される（Ｓ４１）。データ検索が終了していなければ（Ｓ４１でＮＯ）、図２７を参照して説明した上述のデータ検索処理が実行され（Ｓ３８）、その後、Ｓ４１の処理が行なわれる。データ検索処理が終了していれば（Ｓ４１でＹＥＳ）、フィルタに設定されている属性および検索条件をもとに表示する図が決定される（Ｓ４２）。その後、後述するデータ描画方法判断処理が行なわれる（Ｓ４３）。
【００８２】
図２９を参照して、データ処理（図２２のＳ０５）について説明する。処理の種類がデータ描画方法判断処理の場合には（Ｓ４４でデータ描画方法判断処理）、フィルタが図表示されているか否かの判断が行なわれる（Ｓ４６）。フィルタが図表示されていなければ（Ｓ４６でＮＯ）、何も処理は行なわれない。フィルタが図表示されていれば（Ｓ４６でＹＥＳ）、フィルタ上に表示されるデータの数が、アイコン表示するのに適当な数であるか否か判断される（Ｓ４７）。データの数がアイコン表示するのに適当であると判断された場合には（Ｓ４７でＹＥＳ）、何も処理は行なわれない。データの数がアイコン表示するのに適当でないと判断された場合には（Ｓ４７でＮＯ）、ユーザにデータの表示方法を決定させるための画面（図１１）の準備が行なわれる（Ｓ４８）。以上のＳ４６〜Ｓ４８の処理は、図２８のＳ４３においても実行される処理である。
【００８３】
処理の種類がデータ描画種類選択画面表示処理の場合には（Ｓ４４でデータ描画種類選択画面表示処理）、上述のＳ４８の処理が実行される。
【００８４】
ユーザにより描画方法の決定が行なわれると（Ｓ４４でデータ描画方法決定処理）、その描画方法をデータの描画方法とし（Ｓ４９）、データ描画処理が行なわれる（Ｓ５０）。
【００８５】
処理の種類がデータ描画処理の場合には（Ｓ４４でデータ描画処理）、複数のフィルタが存在するか否かの判断が行なわれる（Ｓ５１）。複数のフィルタが存在する場合には（Ｓ５１でＹＥＳ）、図２４を参照して説明した上述の重複データ処理が実行される（Ｓ１５）。以上のＳ５１およびＳ１５の処理は、図２９のＳ５０においても実行される処理である。
【００８６】
ユーザによりデータアイコンの移動または変形が行なわれると（Ｓ４４でデータ移動／変形処理）、データ移動／変形処理が行なわれる（Ｓ４５）。
【００８７】
図３０を参照して、データ移動／変形処理（図２９のＳ４５）について説明する。データのアイコンの移動が行なわれた場合には（Ｓ５２でデータ移動処理）、アイコンの移動先となるフィルタが図表示されているか否かが判断される（Ｓ５３）。図表示されている場合には（Ｓ５３でＹＥＳ）、移動されるアイコンに関連するデータの属性値が図表示されたフィルタ内の位置に関連する属性値に変更される（Ｓ５４）。その後、図２８を参照して説明した図表示処理が行なわれる（Ｓ３５）。アイコンの移動先となるフィルタが図表示されていない場合には（Ｓ５３でＮＯ）、移動先となるフィルタに検索条件が設定されているか否かが判断される（Ｓ５５）。検索条件が設定されていない場合には（Ｓ５５でＮＯ）、何の処理も行なわれない。検索条件が設定されている場合には（Ｓ５５でＹＥＳ）、移動先のフィルタの検索条件を、移動されるデータの属性値に設定する（Ｓ５６）。その後、図２７を参照して説明した上述のデータ検索処理が行なわれる（Ｓ３８）。
【００８８】
データのアイコンの変形が行なわれた場合には（Ｓ５２でデータ変形処理）、データの属性値が、変形後のアイコンの形に応じた複数の範囲を持った属性値に変更される（Ｓ５７）。また、変形されたアイコンの表示位置が複数の属性値の範囲を満足するように変更される（Ｓ５８）。その後、図２８を参照して説明した上述の図表示処理が行なわれる（Ｓ３５）。
【００８９】
以上説明したように、本発明のデータ検索装置では、フィルタ内の各位置が属性値に関連している。このため、検索条件が複雑になった場合にも、フィルタの数を増やすことなく検索を行なうことができる。このため、視認性の高いデータ検索装置を提供することができる。
【００９０】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係るデータ検索装置の外観構成図である。
【図２】本発明の実施の形態に係るデータ検索装置のハードウェア構成図である。
【図３】従業員データを示すアイコンが表示されている図である。
【図４】属性選択画面の一例を示す図である。
【図５】属性値選択画面の一例を示す図である。
【図６】検索条件「日本国内の住所」に従い、「図表示」ボタンを選択した時の図である。
【図７】検索条件「日本国内の住所」に従い、「検索」ボタンを選択した時の図である。
【図８】属性値選択画面上で、属性値「北海道」を選択した時の図である。
【図９】属性値「北海道」を検索条件とした場合に、「検索」ボタンを選択した時の図である。
【図１０】属性値「北海道」を検索条件とした場合に、「図表示」ボタンを選択した時の図である。
【図１１】表示方法を選択するための表示画面を示す図である。
【図１２】データが棒グラフ表示されたときの表示およびフィルタ内の領域を選択した時の表示を示す図である。
【図１３】アイコン移動による属性値変更を説明するための図である。
【図１４】２つのフィルタを表示した場合の図である。
【図１５】２つのフィルタを重ね合わせた場合の図である。
【図１６】一方が図表示されている２つのフィルタを重ね合わせた場合の図である。
【図１７】属性「予定日」における属性値選択画面を示す図である。
【図１８】属性値「１９９８年１０月」を検索条件とした場合に、「検索」ボタンを選択した時の図である。
【図１９】属性値「１９９８年１０月」を検索条件とした場合に、「図表示」ボタンを選択した時の図である。
【図２０】それぞれ優先度を有する２つのフィルタを重ね合わせて表示した時の図である。
【図２１】フィルタの優先度を変更した際の、アイコン移動のアニメーション表示を説明するための図である。
【図２２】データ検索処理のフローチャートである。
【図２３】フィルタ管理処理のフローチャートである。
【図２４】重複データ処理のフローチャートである。
【図２５】フィルタ内部描画処理のフローチャートである。
【図２６】ボタン処理のフローチャートである。
【図２７】データ検索処理のフローチャートである。
【図２８】図表示処理のフローチャートである。
【図２９】データ処理のフローチャートである。
【図３０】データ移動／変形処理のフローチャートである。
【図３１】従来のデータ検索方法を説明するための図である。
【符号の説明】
１ 入力部
１ａ キーボード
１ｂ マウス
２ ハードディスク装置
３ ディスプレイ
４ ＣＰＵ
５ 表示制御部
６ プログラム用メモリ
７ データ用メモリ
８ データベース装置
９ フロッピーディスク装置
１０ 処理装置本体
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ検索装置、およびデータ検索プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関し、特に、複雑な検索条件であっても視認性を高く維持したままデータ検索が可能なデータ検索装置、およびデータ検索プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
コンピュータシステムの性能が向上し、個人が管理するデータの数が飛躍的に増加している現在では、これら膨大な量のデータの中からユーザの求めるデータをいかに簡単かつ素早く手に入れるかが重要である。このような効率的なデータ検索方法として、特開平９−６７９１号公報に開示のデータ検索方法が提案されている。
【０００３】
このデータ検索方法では、１つの検索条件に対する検索結果の集合を閉じた領域の中に表示させ、複数の領域を重ね合わせることで、複数の検索条件を満たすデータを複数の領域が重なる部分に表示させている。
【０００４】
たとえば、図３１（ａ）においては、データベースよりキーワード「乗り物」を含むデータを検索した結果を領域３２０１に表示し、キーワード「人物」を含むデータを検索した結果を領域３２０２に表示している。各データはアイコン表示されているため、データの内容を一目で認識することができるようになっている。また、領域３２０１および３２０２の双方に属するデータのアイコンは互いに接近して表示される（図３１（ａ）の「バイク」および「自転車」）。このため、２つ以上の検索条件を満たすデータを調べるのに便利である。図３１（ｂ）では、領域３２０１と領域３２０２とを重ね合わせることで、領域３２０１および領域３２０２の双方に含まれるデータのアイコンを重なり領域３２０３に表示している。これにより、２つ以上の検索条件を満たすデータを容易に認識でき、検索時間を短縮することができる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のデータ検索方法では、複数のフィルタに属するデータのアイコンが互いに接近して表示されるという以外は、フィルタ内のアイコンの表示位置には特に意味がない。このため、検索条件が複雑になり、フィルタの数が増えてしまうような場合にあっては視認性の高さが薄れてしまう。
【０００６】
たとえば、都道府県名を属性値として有する複数のデータがあるとする。これらのデータに対して、都道府県名を検索条件とするフィルタを用いて、データ検索を行なうためには、最大４７個（日本の都道府県数）ものフィルタを用いてデータ検索を行なわなければならない。
【０００７】
また、関西地区の人という検索条件のフィルタと、男の人という条件のフィルタとのＡＮＤ検索を行なった結果には、それ以上の情報は含まれていない。すなわち、その人が関西地区のどの件に住んでいるのかといった細かい情報を得るには、さらにフィルタを追加しなければならず、フィルタの数が増え、視認性の高さが薄れてしまう。
【０００８】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、少ないフィルタで複雑な検索条件を表現することができ、視認性の高いデータ検索方法および装置、ならびにデータ検索プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することである。
【０００９】
本発明の他の目的は、フィルタ内に表示される標章の数が多い場合であっても視認性の高いデータ検索方法を提供することである。
【００１０】
本発明のさらに他の目的は、簡単な操作でデータの属性値を変更することができるデータ検索方法を提供することである。
【００３１】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明に係るデータ検索装置は、管理対象となる複数のデータを記憶するとともに、任意の数の属性に関して前記複数のデータに対しそれぞれ付与される属性値を記憶する記憶装置と、表示物を表示するディスプレイと、使用者による操作を介して使用者からの操作指示を受ける入力手段と、検索条件に関連しているフィルタであって、複数の属性値の各々が予め定められた表示位置に関連しているフィルタを複数生成するフィルタ生成手段と、記憶装置に記憶されている複数のデータの中から所望のデータを検索するためにデータ属性およびデータ属性値を入力手段を用いて使用者が入力した場合に、該入力されたデータ属性およびデータ属性値に基づき記憶装置に記憶されている複数のデータの中から対応するデータの検索を行なうデータ検索手段と、フィルタ生成手段により生成されたフィルタを前記ディスプレイに表示するとともに、該フィルタにおける複数の属性値の各々が予め定められた表示位置のうち、データ検索手段により検索されたデータに付与された属性値に対応する表示位置に、当該検索されたデータの標章を表示するデータ表示手段とを含み、データ表示手段は、フィルタ生成手段により生成された複数のフィルタを同時に表示する複数フィルタ同時表示手段と、データ検索手段により検索されたデータが、複数フィルタ同時表示手段により同時に表示された複数のフィルタに関連した検索条件を共に満たす場合には、当該データの標章を強調表示する強調表示手段とを含む。
【００３２】
請求項１に記載の発明によると、フィルタ上の各々の表示位置は属性値に関連している。このため、複雑な検索条件の検索であっても、１つのフィルタで検索することが可能となり、視認性を損なうことなく複雑な検索条件の検索が可能となる。また、複数のフィルタに関連する検索条件を満たすデータの標章は強調表示される。このため、データが複数の検索条件を満たしていることを一目で認識することができ、視認性の高いデータ検索装置を提供することができる。
請求項２に記載の発明に係るデータ検索装置は、請求項１に記載の発明の構成に加えて、フィルタ生成手段により生成された複数のフィルタはそれぞれ優先度を有し、データ表示手段は、優先度の高いフィルタを前面に表示させる高優先度フィルタ前面表示手段を含み、強調表示手段は、データ検索手段により検索されたデータが複数のフィルタに関連した検索条件を満たす場合には、最も優先度の高いフィルタ内にデータの標章を表示させ、当該標章を強調表示させる。
請求項２に記載の発明によると、請求項１に記載の発明の作用、効果に加えて、フィルタは優先度を有し、優先度の高いフィルタほど前面に表示され、最も優先度の高いフィルタ上に表示されたデータの標章のうち、その他のフィルタの検索条件を満たすものは、強調表示される。このため、データが複数の検索条件を満たしていることを一目で認識することができ、視認性の高いデータ検索方法を提供することができる。
請求項３に記載の発明に係るデータ検索装置は、請求項２に記載の発明の構成に加えて、フィルタ生成手段により生成された複数のフィルタのうちのいずれかを使用者が選択する操作指示を入力手段が受けた場合に、当該フィルタが選択されたことを検知する選択検知手段と、選択検知手段の検知結果に従って、選択された前記フィルタの優先度を、選択された前記フィルタと重なりを有するフィルタよりも高くする優先度変更手段と、優先度変更手段により高い優先度に変更された高優先度フィルタと重なりを有するフィルタに表示されていたデータの標章のうち、高優先度フィルタ上に表示されるものをアニメーション表示させながら移動させ、高優先度フィルタ上に表示させる標章移動表示手段とをさらに含む。
請求項３に記載の発明によると、請求項２に記載の発明の作用、効果に加えて、フィルタが選択されると、選択されたフィルタが前面に表示される。また、標章が、前面に表示されたフィルタ上にアニメーション表示されながら移動する。このため、どのフィルタが移動したのかを一目で認識することができ、視認性の高いデータ検索方法を提供することができる。
【００３３】
請求項４に記載の発明に係るコンピュータ読取可能な記録媒体は、管理対象となる複数のデータを記憶するとともに、任意の数の属性に関して前記複数のデータに対しそれぞれ付与される属性値を記憶する記憶装置と、表示物を表示するディスプレイと、使用者による操作を介して使用者からの操作指示を受ける入力手段と、を含むデータ検索装置に用いられるデータ検索プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、コンピュータを、検索条件に関連しているフィルタであって、複数の属性値の各々が予め定められた表示位置に関連しているフィルタを複数生成するフィルタ生成手段と、記憶装置に記憶されている複数のデータの中から所望のデータを検索するためにデータ属性およびデータ属性値を入力手段を用いて使用者が入力した場合に、該入力された前記データ属性および前記データ属性値に基づき記憶装置に記憶されている複数のデータの中から対応するデータの検索を行なうデータ検索手段と、フィルタ生成手段により生成された前記フィルタをディスプレイに表示するとともに、該フィルタにおける複数の属性値の各々が予め定められた表示位置のうち、データ検索手段により検索されたデータに付与された属性値に対応する表示位置に、当該検索されたデータの標章を表示するデータ表示手段と、して機能させ、データ表示手段は、フィルタ生成手段により生成された複数のフィルタを同時に表示する複数フィルタ同時表示手段と、データ検索手段により検索されたデータが、複数フィルタ同時表示手段により同時に表示された複数のフィルタに関連した検索条件を共に満たす場合には、当該データの標章を強調表示する強調表示手段と、して機能させる。
【００３４】
請求項４に記載の発明によると、フィルタ上の各々の表示位置は属性値に関連している。このため、複雑な検索条件の検索であっても、１つのフィルタで検索することが可能となり、視認性を損なうことなく複雑な検索条件の検索が可能となる。また、複数のフィルタに関連する検索条件を満たすデータの標章は強調表示される。このため、データが複数の検索条件を満たしていることを一目で認識することができ、視認性の高いデータ検索プログラムを提供することができる。
【００３５】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明における実施の形態の１つであるデータ検索装置について説明する。
【００３６】
図１を参照して、データ検索装置は、データ検索処理を行なう処理装置本体１０と、処理装置本体１０に接続されたディスプレイ３と、処理装置本体１０に接続され処理装置本体１０に指示を指示を送信するキーボード１ａおよびマウス１ｂと、処理装置本体１０に接続されたデータベースなどを記憶するハードディスク装置２と、ネットワークを介して接続されたデータベース装置８とを含む。
【００３７】
図２を参照して、処理装置本体１０は、データ検索などの処理を行なうＣＰＵ（Central Processing Unit）４と、データ検索処理のプログラムを記憶するプログラム用メモリ６と、各種の属性値を有するデータを記憶するデータ用メモリ７と、データベース装置８の表示を制御する表示制御部５と、プログラムまたはデータが記録されたフロッピーディスク（図示せず）を読取るフロッピーディスク装置９と、フロッピーディスク装置９、ＣＰＵ４、表示制御部５、プログラム用メモリ６およびデータ用メモリ７などを相互に接続するバスとを含む。
【００３８】
以下図面を参照して、データ検索装置によるデータ検索処理について説明する。以下、ある会社の従業員のデータ集合の中から所望の条件を満足する人物を検索する処理を例に説明する。ただし、本発明のデータ検索処理は、特定の検索対象、検索条件および表示方法には限定されない。
【００３９】
図３を参照して、ディスプレイ３上に全従業員のデータを示すアイコンが表示されている。各アイコンは一人の従業員データに関連する。各アイコンには顔写真が表示されているのが望ましいが、ここでは便宜的に文字「Ａ」〜「Ｏ」で代用する。従業員データは、名前、住所、電話番号、所属、フロア、性別、身長、血液型、生年月日、予定内容および予定日などの属性値を有するものとする。
【００４０】
検索を行なう属性を選択するための領域（以下「フィルタ」という）が作成される。図４を参照して、フィルタ内にはデータが持つ属性の一覧表示である属性選択画面が表示される。オペレータは、検索を行ないたい属性の選択を行なう。この時点で、属性が持つ標準の検索条件が設定される。たとえば、「住所」という属性を選択することにより、「日本国内の住所」という標準の検索条件が設定される。
【００４１】
図４の「住所」を選択することにより、図５のような表示に切換えられる。この表示では、属性として住所が選択され、その属性が持つ属性値の一覧がリストとして表示されている。リストの横には、「図表示」ボタン、「検索」ボタンおよび「戻る」ボタンからなる３つのボタンが表示されている。図５のような画面を属性値選択画面と呼ぶ。
【００４２】
この状態で、「図表示」ボタンが選択されると、先に設定された標準の検索条件「日本国内の住所」に従い、データの検索が行なわる。図６を参照して、データの検索の後、日本地図および「戻る」ボタンがフィルタ上に表示され、日本国内に住所を有する従業員データを示すアイコンが、日本地図上に表示される。このとき、各アイコンは、住所に応じた位置に表示される。すなわち、住所の属性値として「宮崎県」を有するデータのアイコン（アイコンＦ）は、日本地図の宮崎県上に表示される。また、日本国内に住所を有しない従業員データのアイコン（アイコンＤおよびＬ）は、日本地図外に表示される。図６の状態で「戻る」ボタンが選択されると、図６の前の状態である図５の属性値選択画面へ表示が切換えられる。
【００４３】
図５の属性値選択画面上で「検索」ボタンが選択されると、「図表示」ボタンを選択した場合と同様にして、標準の検索条件「日本国内の住所」に従い、データの検索が行なわる。図７を参照して、データ検索の後、画面表示が切換わり、検索条件を満足するデータを示すアイコン、すなわち日本国内に住所を有する従業員データを示すアイコンがフィルタ内に整列表示される。また、検索条件を満足しないデータを示すアイコン、すなわち日本国内に住所を有しない従業員データを示すアイコン（アイコンＤおよびＬ）がフィルタ外に整列表示される。
【００４４】
この状態でフィルタ内に表示されている「図表示」ボタンを選択すると、上述した図６の地図表示画面と同じ表示に切換えられる。図６の地図表示画面上で「戻る」ボタンを選択すると、図７の表示画面に戻る。
【００４５】
図５の属性値選択画面上で「戻る」ボタンが選択されると、属性値選択画面の前に表示されていた図４の属性選択画面に表示が切換えられる。
【００４６】
図５の属性値選択画面上で属性値が選択されると、その属性値が選択されたことが分かるような画面表示に切換えられる。図８を参照して、属性値として「北海道」が選択されると、選択された属性値「北海道」の左側に表示されているボタンが、その他の属性値の左側に表示されているボタンとは異なる色で表示される。これにより、属性値「北海道」がユーザによって選択されたことが示される。
【００４７】
この状態で「検索」ボタンが選択されると、選択された属性値を検索条件として、データに対する検索が行なわれる。図９を参照して、検索条件を満足するデータを示すアイコンＢおよびＥが検索条件に関連するフィルタ内に表示され、検索条件を満足しないデータを示すアイコンがフィルタ外に表示される。すなわち、アイコンＢおよびＥに関連する従業員データは、「北海道」という属性値を有する。図９の「戻る」ボタンが選択されると、図８の属性値選択画面へ表示が切換えられる。
【００４８】
図９の「図表示」ボタンが選択されると、図１０に示されるように、北海道地図が表示され、アイコンＢおよびＥは、アイコンＢおよびＥの関連する従業員データの住所に対応した位置にそれぞれ表示される。北海道以外の住所に住んでいる従業者のデータに関連したアイコンは、北海道地図外に表示される。図１０の「戻る」ボタンが選択されると、図９の画面に表示が切換えられる。
【００４９】
図９の「図表示」ボタンが選択され、アイコンの図１０のような定型表示が行なわれる際には、表示されるアイコンの密度や重なり具合に従い、図１０のようなアイコンでの表示が適当か否かの判断が行われる。図１０のような表示が不適当であるという判断がされた場合には、図１１を参照して、棒グラフ表示、データを点で表現する濃度表示、および図１０のようなアイコン表示の３つの表示方法のうちいずれかをユーザに選択させるための選択画面が表示される。ユーザがこのうちのいずれかの表示方法を選択することにより、選択された表示方法に応じた表示が行なわれる。
【００５０】
ユーザが棒グラフ表示を選択すると、図１２（ａ）を参照して、各地域ごとに、各地域に含まれるデータの数が棒グラフ表示される。図１２（ａ）で棒グラフ表示された、データが密集している地域を選択することにより、図１２（ｂ）のような、選択された地域が拡大された表示が行なわれる。
【００５１】
フィルタ上でアイコンを移動させることにより、属性値の変更が行なわれる。図１３を参照して、日本地図上の大阪府の位置に表示されたアイコンを北海道に移動させると、そのアイコンの関連するデータの属性「住所」の属性値が大阪府から北海道に変更される。
【００５２】
図１４を参照して、複数のフィルタを表示した場合について説明する。１つめのフィルタは、属性として住所が選択されており、検索条件として「北海道」が設定されている。２つめのフィルタは、属性として身長が選択されており、検索条件として「身長１６０ｃｍ以上」が設定されている。図１４の状態では、住所の属性を持つフィルタは地図表示されていないものとする。また、住所の属性を持つフィルタ内には、「戻る」ボタンおよび「図表示」ボタンの２つのボタンが表示されている。また、この状態では、フィルタ間に重なりがないため、２つのフィルタの双方に属するアイコンＥおよびＧは、ハッチングを施すなどして強調表示される。一方のフィルタを移動させ、他方のフィルタに重ね合わせると図１５のような表示に画面が切換えられる。アイコンＥおよびＧは、双方のフィルタに関連する検索条件を満足する。このため、アイコンＥおよびＧは、２つのフィルタの重なり領域内に表示される。すなわち、アイコンＥおよびＧに関連する従業員データの住所は北海道であり、かつ身長は１６０ｃｍ以上である。
【００５３】
住所の属性を有するフィルタ内の「図表示」ボタンが選択されると、そのフィルタが図１６のような地図型フィルタに切換えられ、北海道の地図が表示される。北海道の地図上に、北海道の住所を有するデータを示すアイコンが表示される。地図型フィルタでは、フィルタ内の位置が意味を持つ。このため、アイコンＥおよびＧを、２つのフィルタの重なり領域に表示させることができない場合には、アイコンＥおよびＧは強調表示される。
【００５４】
次に、従業員データの中から予定日を属性とするフィルタを用いて、従業員データを検索する例について説明する。
【００５５】
図４の属性選択画面で「予定日」が選択されると、図１７のような属性値選択画面に切換えられる。この表示では、属性として予定日が選択され、その属性が持つ属性値の一覧がリストとして表示されている。予め属性値の初期値が設定されているものとする。リストの横には、「図表示」ボタン、「検索」ボタンおよび「戻る」ボタンからなる３つのボタンが表示されている。
【００５６】
この状態で「戻る」ボタンが選択されると、図４の属性選択画面に表示が切換えられる。
【００５７】
図１７の属性値選択画面で属性値が選択されると、その属性値が選択されたことがわかるように、選択された属性値の左側に表示されているボタンが、その他の属性値の左側に表示されているボタンとは異なる色で表示される。図１７では、属性値として「１９９８年１０月」が選択されている。この状態で、「検索」ボタンが選択されると、検索条件「１９９８年１０月」に従い、データの検索が行なわれる。図１８を参照して、データの検索の後、画面表示が切換わり、検索条件を満足するデータを示すアイコン、すなわち１９９８年１０月に予定がある従業員データを示すアイコンが、検索条件「１９９８年１０月」に関連するフィルタ内に表示される。また、検索条件を満足しないデータを示すアイコン、すなわち１９９８年１０月に予定がない従業員データを示すアイコンが、上述のフィルタ外に表示される。また、フィルタ内には「戻る」ボタンおよび「図表示」ボタンの２つのボタンが表示されている。この状態で「戻る」ボタンが選択されると、図１７の表示に切換えられる。
【００５８】
図１７の「図表示」ボタンまたは図１８の「図表示」ボタンが選択されると、図１９のようなカレンダ型フィルタの画面に切換えられる。カレンダ型フィルタには、１９９８年１０月のカレンダが表示されており、従業員データの予定日に応じた位置に、従業員データを示すアイコンが表示される。たとえば、アイコンＤで示される従業員は、１９９８年１０月５日に予定があることがわかる。アイコンＧで示される従業員は、１９９８年１０月１３日から１５日にかけて予定があることがわかる。アイコンＮで示される従業員は、毎週水曜日に予定があることがわかる。従業員データには予め優先度が付されている。アイコンＮがアイコンＧよりも手前に表示されているのは、アイコンＮに関連する従業員データの優先度がアイコンＧに関連する従業員データの優先度よりも高いことを表わしている。図１９の「戻る」ボタンが選択されると、１つ前に表示されていた表示画面（図１７の属性値選択画面または図１８の画面）に表示が切換えられる。
【００５９】
次に、複数のフィルタが同時に表示されている場合を説明する。上述の説明（図１４〜図１６）では、各フィルタには優先度が付されていなかったが、各フィルタは、優先度を付すようにしてもよい。基本的には後から作成されたフィルタの優先度の方が、先に作成されたフィルタの優先度より大きいものとする。図２０を参照して、カレンダ型フィルタおよび地図型フィルタが同一画面上に表示され、カレンダ型フィルタの優先度の方が地図型フィルタの優先度よりも大きいものとする。よって、カレンダ型フィルタの方が前面に表示される。アイコンＭおよびＯに関連する従業員データは、カレンダ型フィルタおよび地図型フィルタの双方の検索条件を満足するデータである。アイコンＭおよびＯは、優先度の大きいカレンダ型フィルタ内にのみに表示され、その他のフィルタ内には表示されない。また、アイコンＭおよびＯは、複数の検索条件を満足することがわかるようにその他のアイコンとは、色を変えて表示される。なお、図２０では、アイコンＭおよびＯをハッチング表示することにより、色の違いを表現している。
【００６０】
図２０の画面で地図型フィルタをクリックすることにより選択すると、図２１のような表示に切換えられる。すなわち、地図型フィルタの優先度がカレンダ型フィルタの優先度よりも大きくなるように優先度の切り換えが行なわれる。地図型フィルタの優先度が大きくなることによって、アイコンＭおよびＯは、カレンダ型フィルタ上から、地図型フィルタ上に移動されながら表示される。アイコンＭおよびＯの移動は、アニメーション表示により表現され、具体的にどのアイコンがどこからどこへ移動しているのかがわかるようになっている。
【００６１】
図２２〜図３０は、本発明によるデータを検索する方法の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って、各処理を説明する。
【００６２】
図２２を参照して、データ検索装置は、ユーザからの命令が入力されるまで待機する（Ｓ０１）。ユーザからの命令が入力されると（Ｓ０１でＹＥＳ）、入力された命令の意味が解釈される（Ｓ０２）。たとえば、ユーザが表示領域中に表示されたフィルタの端をドラッグしているなら、フィルタのサイズ変更の命令が入力されたという解釈がなされ、それ以降の処理でそれに伴う処理が実行されることになる。
【００６３】
処理の種類がフィルタ内部描画処理の場合には、後述するフィルタ内部描画処理（Ｓ０４）が実行される。処理の種類がデータ処理の場合には、後述するデータ処理（Ｓ０５）が実行される。処理の種類がデータ検索処理の場合には、後述するデータ検索処理（Ｓ０６）が実行される。処理の種類がフィルタ管理処理の場合には、後述するフィルタ管理処理（Ｓ０７）が実行される。
【００６４】
Ｓ０４〜Ｓ０７のいずれかの処理終了後、各処理の内部で別の処理の呼出しが行なわれているか否かの判断が行なわれる（Ｓ０８）。別の処理の呼出しが行なわれていれば（Ｓ０８でＹＥＳ）、Ｓ０３に戻り、呼び出された処理が行なわれる。
【００６５】
別の処理の呼出しが行なわれていなければ（Ｓ０８でＮＯ）、各処理で決定された状態に応じてデータを表示する位置および大きさが決定される（Ｓ０９）。Ｓ０９の処理で決定された表示位置および表示の大きさに基づいて、データがディスプレイ３に表示される（Ｓ１０）。その後、Ｓ０１に戻る。
【００６６】
図２３を参照して、フィルタ管理処理（図２２のＳ０７）について詳しく説明する。ユーザの入力によりフィルタの作成が行なわれようとすると（Ｓ１１でフィルタ作成処理）、ユーザの要求に応じて新たなフィルタが作成される（Ｓ１２）。ユーザの入力によりフィルタの削除が行なわれようとすると（Ｓ１１でフィルタの削除処理）、ユーザの要求に応じてフィルタの削除が行なわれる（Ｓ１３）。ユーザの入力によりフィルタの移動または変形が行われようとすると（Ｓ１１でフィルタ移動／変形処理）、ユーザの要求によりフィルタの表示位置の移動または変形が行われる（Ｓ１４）。画面中に複数のフィルタが存在し、フィルタ間の上下の入れ替えが生じた場合には（Ｓ１１でフィルタ切替処理）、後述する重複データ処理（Ｓ１５）が実行される。
【００６７】
図２４を参照して、重複データ処理（図２３のＳ１５）について説明する。複数のフィルタの検索条件を同時に満足するデータがあるか否かが判断される（Ｓ１６）。複数の検索条件を満足するデータが存在しなければ（Ｓ１６でＮＯ）、何も処理は行われない。
【００６８】
複数の検索条件を満足するデータが存在する場合には（Ｓ１６でＹＥＳ）、データの図表示が行なわれているか否かが判断される（Ｓ１７）。データの図表示が行なわれていなければ（Ｓ１７でＮＯ）、フィルタ間に重なりがあるか否かが判断される（Ｓ１９）。フィルタ間に重なりがあれば（Ｓ１９でＹＥＳ）、複数の検索条件を満足するデータのアイコンをフィルタの重なり領域に表示するための準備をする（Ｓ２２、図１５）。
【００６９】
フィルタ間に重なりがなければ（Ｓ１９でＮＯ）、複数の検索条件を満足するデータのアイコンを同じ色で表示するなどの強調表示処理を行ない（図１４）、それぞれのアイコンが同じデータのアイコンであることを示し、そのデータが満足する検索条件のフィルタに表示するための準備をする（Ｓ２０）。なお、同一色でアイコンを強調表示する代わりに、同一のハッチングを施し強調表示を行なってもよい。
【００７０】
データの図表示が行なわれている場合には（Ｓ１７でＹＥＳ）、フィルタに優先度が設定されているか否かの判断が行なわれる（Ｓ１８）。フィルタに優先度が設定されていなければ（Ｓ１８でＮＯ）、上述したＳ２０の処理が行なわれる。
【００７１】
フィルタに優先度が設定されている場合には（Ｓ１８でＹＥＳ）、アイコンのアニメーション表示が終了しているか否かが判断される（Ｓ２１）。アイコンのアニメーション表示が終了していなければ（Ｓ２１でＮＯ）、複数のフィルタの検索条件を満足するデータのアイコンが、優先度の低いフィルタから優先度の高いフィルタへと移動するアニメーション表示（図２１）が行なわれる（Ｓ２４）。
【００７２】
アイコンのアニメーション表示が終了していれば（Ｓ２１でＹＥＳ）、複数のフィルタの検索条件を満足するデータのアイコンを、最も優先度の高いフィルタに表示するための準備が行なわれる（Ｓ２３、図２０）。
【００７３】
Ｓ２０およびＳ２２〜Ｓ２４のいずれかの処理が終了すると、重複データ処理（図２３のＳ１５）が終了する。
【００７４】
図２５を参照して、フィルタ内部描画処理（図２２のＳ０４）について説明する。フィルタ内部描画処理は、図２３のＳ１２の処理により、フィルタの作成処理が行なわれた後に実行される。
【００７５】
属性選択画面（図４）の表示処理の要求があった場合には（Ｓ２５で属性選択画面表示処理）、選択され得る属性のフィルタ内での表示位置が決定される（Ｓ２６）。ユーザによりフィルタの属性の選択入力があった場合には（Ｓ２５で属性選択処理）、選択された属性が標準の属性値をもっているか否かの判断が行なわれる（Ｓ２７）。選択された属性が標準の属性値を持っている場合には（Ｓ２７でＹＥＳ）、属性が有する標準の属性値が、フィルタの検索条件とされる（Ｓ２８）。選択された属性が標準の属性値を持っていない場合には（Ｓ２７でＮＯ）、フィルタの検索条件を未設定状態とする（Ｓ２９）。
【００７６】
属性値選択画面（図５、図８、図１７）の表示処理の要求があった場合（Ｓ２５で属性値選択画面表示処理）、またはＳ２８もしくはＳ２９の処理の後、先に選択されたフィルタの属性が持つ属性値をリストとしてフィルタ内に表示するための準備が行なわれる（Ｓ３０）。
【００７７】
ユーザにより属性値の選択が行なわれた場合には（Ｓ２５で属性値選択処理）、選択された属性値がフィルタの検索条件としてセットされ（Ｓ３１）、ユーザにより選択された属性値がわかるような表示（図８、図１７）を行なう準備が行なわれる（Ｓ３２）。
【００７８】
ユーザにより「検索」ボタンが選択されると（Ｓ２５でボタン処理）、後述するボタン処理が行なわれる（Ｓ３３）。ユーザが地図上のある領域を選択すると（Ｓ２５で詳細表示処理、図１２）、ユーザが選択した領域の属性値が検索条件とされ（Ｓ３４）、後述する図表示処理（Ｓ３５）が行なわれる。Ｓ２６、Ｓ３０、Ｓ３２、Ｓ３３またはＳ３５の処理の後、図２２のＳ０８の処理が行なわれる。
【００７９】
図２６を参照して、ボタン処理（図２５のＳ３３）について説明する。ボタン処理では、選択されたボタンの種類に応じた処理が行なわれる。「検索」ボタンが選択された場合には（Ｓ３６で検索開始処理）、後述するデータ検索処理が実行される（Ｓ３８）。「戻る」ボタンが選択された場合には（Ｓ３６で戻る処理）、現在表示されている状態の１つ前の状態の処理が呼び出される（Ｓ３７）。「図表示」ボタンが選択されると（Ｓ３６で図表示処理）、後述する図表示処理が行なわれる（Ｓ３５）。
【００８０】
図２７を参照して、データ検索処理（図２６のＳ３８）について説明する。フィルタの検索条件が設定されているか否かが判断される（Ｓ３９）、フィルタの検索条件が設定されていない場合には（Ｓ３９でＮＯ）、何もせずにデータ検索処理を終了する。フィルタの検索条件が設定されている場合には（Ｓ３９でＹＥＳ）、フィルタに設定された検索条件に基づきデータの検索が行なわれる（Ｓ４０）、その後、データ検索処理を終了する。
【００８１】
図２８を参照して、図表示処理（図２５または図２６のＳ３５）について説明する。データ検索が終了しているか否かが判断される（Ｓ４１）。データ検索が終了していなければ（Ｓ４１でＮＯ）、図２７を参照して説明した上述のデータ検索処理が実行され（Ｓ３８）、その後、Ｓ４１の処理が行なわれる。データ検索処理が終了していれば（Ｓ４１でＹＥＳ）、フィルタに設定されている属性および検索条件をもとに表示する図が決定される（Ｓ４２）。その後、後述するデータ描画方法判断処理が行なわれる（Ｓ４３）。
【００８２】
図２９を参照して、データ処理（図２２のＳ０５）について説明する。処理の種類がデータ描画方法判断処理の場合には（Ｓ４４でデータ描画方法判断処理）、フィルタが図表示されているか否かの判断が行なわれる（Ｓ４６）。フィルタが図表示されていなければ（Ｓ４６でＮＯ）、何も処理は行なわれない。フィルタが図表示されていれば（Ｓ４６でＹＥＳ）、フィルタ上に表示されるデータの数が、アイコン表示するのに適当な数であるか否か判断される（Ｓ４７）。データの数がアイコン表示するのに適当であると判断された場合には（Ｓ４７でＹＥＳ）、何も処理は行なわれない。データの数がアイコン表示するのに適当でないと判断された場合には（Ｓ４７でＮＯ）、ユーザにデータの表示方法を決定させるための画面（図１１）の準備が行なわれる（Ｓ４８）。以上のＳ４６〜Ｓ４８の処理は、図２８のＳ４３においても実行される処理である。
【００８３】
処理の種類がデータ描画種類選択画面表示処理の場合には（Ｓ４４でデータ描画種類選択画面表示処理）、上述のＳ４８の処理が実行される。
【００８４】
ユーザにより描画方法の決定が行なわれると（Ｓ４４でデータ描画方法決定処理）、その描画方法をデータの描画方法とし（Ｓ４９）、データ描画処理が行なわれる（Ｓ５０）。
【００８５】
処理の種類がデータ描画処理の場合には（Ｓ４４でデータ描画処理）、複数のフィルタが存在するか否かの判断が行なわれる（Ｓ５１）。複数のフィルタが存在する場合には（Ｓ５１でＹＥＳ）、図２４を参照して説明した上述の重複データ処理が実行される（Ｓ１５）。以上のＳ５１およびＳ１５の処理は、図２９のＳ５０においても実行される処理である。
【００８６】
ユーザによりデータアイコンの移動または変形が行なわれると（Ｓ４４でデータ移動／変形処理）、データ移動／変形処理が行なわれる（Ｓ４５）。
【００８７】
図３０を参照して、データ移動／変形処理（図２９のＳ４５）について説明する。データのアイコンの移動が行なわれた場合には（Ｓ５２でデータ移動処理）、アイコンの移動先となるフィルタが図表示されているか否かが判断される（Ｓ５３）。図表示されている場合には（Ｓ５３でＹＥＳ）、移動されるアイコンに関連するデータの属性値が図表示されたフィルタ内の位置に関連する属性値に変更される（Ｓ５４）。その後、図２８を参照して説明した図表示処理が行なわれる（Ｓ３５）。アイコンの移動先となるフィルタが図表示されていない場合には（Ｓ５３でＮＯ）、移動先となるフィルタに検索条件が設定されているか否かが判断される（Ｓ５５）。検索条件が設定されていない場合には（Ｓ５５でＮＯ）、何の処理も行なわれない。検索条件が設定されている場合には（Ｓ５５でＹＥＳ）、移動先のフィルタの検索条件を、移動されるデータの属性値に設定する（Ｓ５６）。その後、図２７を参照して説明した上述のデータ検索処理が行なわれる（Ｓ３８）。
【００８８】
データのアイコンの変形が行なわれた場合には（Ｓ５２でデータ変形処理）、データの属性値が、変形後のアイコンの形に応じた複数の範囲を持った属性値に変更される（Ｓ５７）。また、変形されたアイコンの表示位置が複数の属性値の範囲を満足するように変更される（Ｓ５８）。その後、図２８を参照して説明した上述の図表示処理が行なわれる（Ｓ３５）。
【００８９】
以上説明したように、本発明のデータ検索装置では、フィルタ内の各位置が属性値に関連している。このため、検索条件が複雑になった場合にも、フィルタの数を増やすことなく検索を行なうことができる。このため、視認性の高いデータ検索装置を提供することができる。
【００９０】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係るデータ検索装置の外観構成図である。
【図２】本発明の実施の形態に係るデータ検索装置のハードウェア構成図である。
【図３】従業員データを示すアイコンが表示されている図である。
【図４】属性選択画面の一例を示す図である。
【図５】属性値選択画面の一例を示す図である。
【図６】検索条件「日本国内の住所」に従い、「図表示」ボタンを選択した時の図である。
【図７】検索条件「日本国内の住所」に従い、「検索」ボタンを選択した時の図である。
【図８】属性値選択画面上で、属性値「北海道」を選択した時の図である。
【図９】属性値「北海道」を検索条件とした場合に、「検索」ボタンを選択した時の図である。
【図１０】属性値「北海道」を検索条件とした場合に、「図表示」ボタンを選択した時の図である。
【図１１】表示方法を選択するための表示画面を示す図である。
【図１２】データが棒グラフ表示されたときの表示およびフィルタ内の領域を選択した時の表示を示す図である。
【図１３】アイコン移動による属性値変更を説明するための図である。
【図１４】２つのフィルタを表示した場合の図である。
【図１５】２つのフィルタを重ね合わせた場合の図である。
【図１６】一方が図表示されている２つのフィルタを重ね合わせた場合の図である。
【図１７】属性「予定日」における属性値選択画面を示す図である。
【図１８】属性値「１９９８年１０月」を検索条件とした場合に、「検索」ボタンを選択した時の図である。
【図１９】属性値「１９９８年１０月」を検索条件とした場合に、「図表示」ボタンを選択した時の図である。
【図２０】それぞれ優先度を有する２つのフィルタを重ね合わせて表示した時の図である。
【図２１】フィルタの優先度を変更した際の、アイコン移動のアニメーション表示を説明するための図である。
【図２２】データ検索処理のフローチャートである。
【図２３】フィルタ管理処理のフローチャートである。
【図２４】重複データ処理のフローチャートである。
【図２５】フィルタ内部描画処理のフローチャートである。
【図２６】ボタン処理のフローチャートである。
【図２７】データ検索処理のフローチャートである。
【図２８】図表示処理のフローチャートである。
【図２９】データ処理のフローチャートである。
【図３０】データ移動／変形処理のフローチャートである。
【図３１】従来のデータ検索方法を説明するための図である。
【符号の説明】
１ 入力部
１ａ キーボード
１ｂ マウス
２ ハードディスク装置
３ ディスプレイ
４ ＣＰＵ
５ 表示制御部
６ プログラム用メモリ
７ データ用メモリ
８ データベース装置
９ フロッピーディスク装置
１０ 処理装置本体
Claims (4)
- 管理対象となる複数のデータを記憶するとともに、任意の数の属性に関して前記複数のデータに対しそれぞれ付与される属性値を記憶する記憶装置と、
表示物を表示するディスプレイと、
使用者による操作を介して使用者からの操作指示を受ける入力手段と、
検索条件に関連しているフィルタであって、複数の属性値の各々が予め定められた表示位置に関連しているフィルタを複数生成するフィルタ生成手段と、
前記記憶装置に記憶されている複数のデータの中から所望のデータを検索するためにデータ属性およびデータ属性値を前記入力手段を用いて使用者が入力した場合に、該入力された前記データ属性および前記データ属性値に基づき前記記憶装置に記憶されている複数のデータの中から対応するデータの検索を行なうデータ検索手段と、
前記フィルタ生成手段により生成された前記フィルタを前記ディスプレイに表示するとともに、該フィルタにおける前記複数の属性値の各々が予め定められた表示位置のうち、前記データ検索手段により検索されたデータに付与された属性値に対応する表示位置に、当該検索されたデータの標章を表示するデータ表示手段とを含み、
前記データ表示手段は、
前記フィルタ生成手段により生成された複数の前記フィルタを同時に表示する複数フィルタ同時表示手段と、
前記データ検索手段により検索された前記データが、前記複数フィルタ同時表示手段により同時に表示された複数の前記フィルタに関連した検索条件を共に満たす場合には、当該データの標章を強調表示する強調表示手段とを含む、データ検索装置。 - 前記フィルタ生成手段により生成された前記複数のフィルタはそれぞれ優先度を有し、
前記データ表示手段は、前記優先度の高いフィルタを前面に表示させる高優先度フィルタ前面表示手段を含み、
前記強調表示手段は、前記データ検索手段により検索された前記データが前記複数のフィルタに関連した検索条件を満たす場合には、最も優先度の高いフィルタ内に前記データの標章を表示させ、当該標章を強調表示させる、請求項１に記載のデータ検索装置。 - 前記フィルタ生成手段により生成された前記複数のフィルタのうちのいずれかを使用者が選択する操作指示を前記入力手段が受けた場合に、当該フィルタが選択されたことを検知する選択検知手段と、
前記選択検知手段の検知結果に従って、選択された前記フィルタの優先度を、選択された前記フィルタと重なりを有するフィルタよりも高くする優先度変更手段と、
前記優先度変更手段により高い優先度に変更された高優先度フィルタと重なりを有する前記フィルタに表示されていたデータの標章のうち、前記高優先度フィルタ上に表示されるものをアニメーション表示させながら移動させ、前記高優先度フィルタ上に表示させる標章移動表示手段とをさらに含む、請求項２に記載のデータ検索装置。 - 管理対象となる複数のデータを記憶するとともに、任意の数の属性に関して前記複数のデータに対しそれぞれ付与される属性値を記憶する記憶装置と、表示物を表示するディスプレイと、使用者による操作を介して使用者からの操作指示を受ける入力手段と、を含むデータ検索装置に用いられるデータ検索プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
コンピュータを、
検索条件に関連しているフィルタであって、複数の属性値の各々が予め定められた表示位置に関連しているフィルタを複数生成するフィルタ生成手段と、
前記記憶装置に記憶されている複数のデータの中から所望のデータを検索するためにデータ属性およびデータ属性値を前記入力手段を用いて使用者が入力した場合に、該入力された前記データ属性および前記データ属性値に基づき前記記憶装置に記憶されている複数のデータの中から対応するデータの検索を行なうデータ検索手段と、
前記フィルタ生成手段により生成された前記フィルタを前記ディスプレイに表示すると ともに、該フィルタにおける前記複数の属性値の各々が予め定められた表示位置のうち、前記データ検索手段により検索されたデータに付与された属性値に対応する表示位置に、当該検索されたデータの標章を表示するデータ表示手段と、
して機能させ、
前記データ表示手段は、
前記フィルタ生成手段により生成された複数の前記フィルタを同時に表示する複数フィルタ同時表示手段と、
前記データ検索手段により検索された前記データが、前記複数フィルタ同時表示手段により同時に表示された複数の前記フィルタに関連した検索条件を共に満たす場合には、当該データの標章を強調表示する強調表示手段と、
して機能させる、データ検索プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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