JP3661108B2 - プレス機におけるグリッパーフィード - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、固定グリッパと移動グリッパを備え、夫々のグリッパが固定ジョーと可動ジョーを有するグリッパーフィードに関し、さらに、超高速を実現するために改良されるグリッパーフィードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、グリッパーフィードは、高速化に向けていろいろと改良され、その1つが特公平7−24891に示されている。
【0003】
このグリッパーフィード70は固定グリッパ80と、移動グリッパ90を備え、各グリッパに備えられた各可動ジョー81、91が各固定ジョー82、92に対して、近接離隔するように構成されている。(図6参照)そして、移動グリッパ90は、送り方向に往復移動するスライダ93と、可動ジョー91が配設されたフォロア部94とを備えている。フォロア部94は可動ジョー91を固定ジョー92に近接離隔するためにスライダ93に固着された軸94を中心に揺動するとともに、搬送室外のカム96に駆動される揺動レバー97のローラ98上を摺動する。(図6、図7参照)
また、固定グリッパ80は、可動ジョー81が配設され、固定ジョー82に近接離隔するするために機枠に固着された軸83を中心に揺動する揺動アーム84とを備えている。揺動アーム84は搬送室外のカム86に駆動される揺動レバー87によって駆動される。なお、移動グリッパ90と、固定グリッパ80の各固定ジョーを駆動する各カムは同軸上に配設される。
【0004】
このように、特に往復移動する移動グリッパのフォロア部94が、揺動レバー97のローラ98と面接触可能に構成されるため、両部品間での摩耗や騒音が著しく低下し、高速回転を達成し得ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のグリッパーフィードは例えば1500spm位までの高速回転には追従できるが、例えば2000spm以上の超高速回転を実現しようとすると、移動グリッパと、固定グリッパの駆動が夫々別に構成されているため、僅かなタイミングが狂いやすく、プレス加工精度が低下する恐れがある。また、駆動側のカム軸と、従動側の可動ジョーの位置が離れているため、揺動レバーの腕の長さが長くなる。揺動レバーの腕の長さが長いと、僅かなガタが拡大されるため、僅かなタイミングが狂いやすく、プレス加工精度が低下する恐れがある。
【0006】
この発明は、上述の課題を解決するものであり、特に、移動グリッパと、固定グリッパの可動ジョーを駆動する駆動部を、1つの駆動カムと1つの従動アームを備えて構成すると共に各可動ジョーの近辺に配置することによって上記課題を解決し、超高速回転に追従できるグリッパーフィードを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかわるグリッパーフィードでは、
搬送室と駆動伝達室とを有し、プレス機からの駆動を伝える駆動伝達部と、前記駆動伝達部に連結され、回転運動を往復運動に変換する駆動連結部と、前記駆動連結部に連結されて往復移動し、ワークを挟持可能な移動グリッパを有するワーク搬送部と、ワークを挟持可能な固定グリッパと、前記駆動伝達部の駆動を受けて前記固定グリッパと前記移動グリッパに配設される可動ジョーを、前記固定グリッパと前記移動グリッパに配設される各固定ジョーに対して、近接離隔するように駆動するジョー駆動部とを備えてなるグリッパーフィードであって、前記ジョー駆動部が、カム軸に支持される駆動カムと前記駆動カムに係合される従動アームを有して搬送室内に配設され、前記従動アームが前記移動グリッパの可動ジョーと、前記固定グリッパの可動ジョーと転動体を介して当接され、
前記従動アームが、前記固定グリッパの可動ジョーと前記移動グリッパの可動ジョーとに作用するそれぞれの腕部を1個の従動アームから突出して形成し、それぞれの腕部が、前記従動アームの回動により前記固定グリッパの可動ジョーと前記移動グリッパの可動ジョーをそれぞれ反対方向に移動可能に形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
また、前記従動アームが3つの腕部を有し、1つの腕部に前記駆動カムに係合するローラを有し、別の2つの腕部のうち1つの腕の上面に前記移動グリッパの可動ジョーに配設されたローラと当接する面を有し、他の1つの腕の下面に前記固定グリッパの可動ジョーに配設されたローラと当接する面を有することを特徴とするものであれば好ましい。
【0009】
さらに、前記各可動ジョーが、平行四辺形リンク機構の1節を構成し、前記各可動ジョーと前記各固定ジョーのワーク挟持面が、常に平行に維持されるように構成されることを特徴とするものであればなお好ましい。
【0010】
【発明の作用・効果】
請求項1のプレス機におけるグリッパーフィードにおいては、駆動カム、従動アームを有するジョー駆動部が搬送室内に配設され、カム軸に支持される駆動カムに従動アームが固定軸を中心に回動可能に配設されている。そして、前記従動アームが、移動グリッパ、固定グリッパの各可動ジョーに転動体を介して当接するように構成されている。そして、カム軸の回転に伴って、駆動カムが回転すると、従動アームが固定軸を中心に回動運動を行なう。従動アームの回動運動によって、移動グリッパの可動ジョーが、固定ジョーに対して、近接する方向に移動すると同時に固定グリッパの可動ジョーは、固定ジョーに対して、離隔する方向に移動する。また、移動グリッパの可動ジョーが固定ジョーに対して離隔する方向に移動すると、固定グリッパの可動ジョーも、固定ジョーに対して近接する方向に移動する。
【0011】
このように、移動グリッパ、固定グリッパの各可動ジョーは、1つの駆動カムと、従動アームによって上下移動され、ワークをクランプし、リリースするため、タイミングの狂いが生ずることはない。また、各可動ジョーの近くにジョー駆動部が配置されているため、接続部の僅かなガタが拡大する可能性が極めて少ないので、タイミングの狂いが少なく、高速運転に追従することができる。
【0012】
請求項2、請求項3のプレス機におけるグリッパーフィードにおいては、従動アームは3つの腕を有している。1つの腕部には前記駆動カムに係合するローラが配設され、駆動カムの凸部、凹部に係合されて固定軸を中心に回動する。
【0013】
別の2つの腕部の一方にスライドプレートが固着され、前記スライドプレートの上面が前記移動グリッパの可動ジョーに配設されるローラと転がり接触で当接されている。しかも、移動グリッパがワークをクランプする際、スライドプレート上面が水平位置を保つように設定されている。そして、従動アームの回動により、可動ジョーを上下移動すると共に、可動ジョーのローラは可動グリッパの送り方向の移動に伴って、スライドプレート上を転動する。
【0014】
他方の腕部の下面には、固定グリッパの可動ジョーに配設されたローラと当接する面が形成され、従動アームの回動により可動ジョーを上下移動する。
【0015】
そのため、請求項1の効果に加え、スライドプレートと、可動ジョーのローラの間で発生する摩耗は極めて少なく、高速運転に追従することができる。
【0016】
【実施例】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0017】
このグリッパーフィードGFは図1〜図5に示されるように、搬送室1と駆動伝達室2から構成され、プレス機より駆動伝達室2内の駆動伝達部3を介して連結され搬送室1及び駆動伝達室2に跨がり配設される駆動連結部10と、搬送室1内に配設され駆動連結部10に連結されてワークWの移送方向に往復移動するワーク搬送部20と、搬送室1内に配設されワークWを把持可能な固定グリッパ35と、搬送室1内に配設されワークWをクランプ、リリースするためのジョー駆動部50を備えて構成されている。
【0018】
駆動連結部10を構成する入力軸11は軸受を介して搬送室1の機枠に枢着され、一端に駆動伝達室内2に配置されるベベルギア12を取り付けている。ベベルギア12は駆動伝達部2の先端に取り付けたギア4に齒合し、プレス機からの駆動を伝達するように構成される。入力軸11の他端は搬送室1内に配置され、回転運動を往復運動に変換するクランク13を送り調整ねじ組14、軸受を介して回転可能に取り付けている。クランク13の入力軸11と対する側に、スライダ21と一体に形成されたピン15を軸受を介して嵌合し、クランク13の往復運動をスライダ21の往復移動するように伝える。
【0019】
ワーク搬送部20には、前述のスライダ21と、ワークWをクランプして移送する移動グリッパ22が備えられている。スライダ21は、搬送室1内にワーク搬送方向に対して並設される固定レール5、6に摺動可能に嵌合される。移動グリッパ22はスライダ21に取り付けられた固定ジョー23と固定ジョー23に対して近接離隔される可動ジョー24を備えて構成される。固定ジョー23は下方にワークWを把持するグリップ部23aを有し、固定ジョー23の上方に、可動ジョー24がワークWのクランプの際、適度なクランプ力を与えるとともに多少の衝撃を和らげるように、バネ25が配設され、さらに、固定ジョー23はジョーの高さ位置を調節するために、雄ねじ部23bが形成されている。なお、固定ジョー23のグリップ部23aの下面はワークWに対し水平に設定されている。
【0020】
一方、可動ジョー24は上部がグリップ部24aで、下部が下方に延設されるレバー部24bが形成され、レバー部24bにはレバー部24bの長手方向に2つのピン27a、27aが軸受けを介して嵌合され、ピン27aの下方で後述のカムアームに当接可能なローラ30が回転可能に軸支される。
【0021】
また、可動ジョー24のレバー部24bに平行するようにスライダ21にプレート26が取り付けられ、プレート26に2つのピン27b、27bが軸受けを介して嵌合される。そして、4つのピン27a、27a、27b、27bが平行4辺形の各点を位置し、可動ジョー24とプレート26を含めて平行四辺形リンク機構が構成されるように、上レバー28、下レバー29が夫々のピン27a、27bに軸支される。従って、可動ジョー24のグリップ部24aの上面は固定ジョー23のグリップ部23aの下面に対し平行に維持される。
【0022】
下レバー29はピン27a、27bに軸支されると共に可動ジョー24のレバー部24bを挟んでプレート26と対する側に向かって延設され、バネ受け部29aを形成する。移動グリッパ22の右方に、スライダ21と一体的にバネケース31が形成され雌ねじ31aが可動ジョー24と平行に形成されている。そして、雌ねじ31aに、2個の止めねじ32、32が螺着されてロックされている。前記止めねじ32と下レバー29のバネ受け部29aにコイルバネ33が当接するように配設され、そして、コイルバネ33は下レバー29をピン27bを中心に時計方向に付勢力を有する。また、止めねじ32の位置を調整することによって、付勢力を調整できるようになっている。
【0023】
一方、固定グリッパ35は、固定ジョー36と、固定ジョー36に対して近接離隔する可動ジョー37を備えて構成されている。固定ジョー36は下方にワークWを把持するグリップ部36aを有し、固定ジョー36の上方には、可動ジョー37がワークWのクランプの際、適度なクランプ力を与えるとともに多少の衝撃を和らげるように、バネ38が配設され、さらに、固定ジョー36はジョーの高さ位置を調節するために、雄ねじ部36bが形成されている。なお、固定ジョー36のグリップ部36aの下面はワークWに対し水平に設置されている。
【0024】
また、可動ジョー37は上部がグリップ部37aで、下部が下方に延設されるレバー部37bが形成され、レバー部37bにはレバー部37bの長手方向に2つのピン39a、39aが軸受けを介して嵌合され、ピン39aの下方に後記のカムアームに当接可能な3個のローラ40a、40b、40bが回転可能に軸支される。このローラ40の配列状態は図4に示されるように、可動ジョー24のレバー部24bの下部に2つの平行な薄肉部が形成され、中央の薄肉部間に1個のローラ40a、薄肉部の外側両端部に、夫々各1個のローラ40b、40bがピンによって軸支されている。
【0025】
また、可動ジョー37のレバー部37bに平行するように搬送室1内の機枠にプレート41が取り付けられ、プレート41に2つのピン39b、39bが軸受けを介して嵌合される。そして、4つのピン39a、39a、39b、39bが平行4辺形の各点を位置し、可動ジョー37とプレート41を含めて平行四辺形リンク機構が構成されるように、上レバー42、下レバー43が夫々のピン39a、39b に軸支される。従って、可動ジョー37のグリップ部37aの上面は、固定ジョー36のグリップ部36aの下面に対し平行に維持される。
【0026】
下レバー43はピン39a、39bに軸支されると共にプレート41を挟んで可動ジョー37のレバー部37aと対する側に向かって延設され、バネ受け部43aを形成する。プレート41の左方に、搬送室1と一体的にバネケース44が形成され、バネケース44内に雌ねじ44aが可動ジョーのレバー部37aと平行に形成されている。そして、雌ねじ44aに2個の止めねじ45、45が螺着されロックされている。また、雌ねじ44aと下レバー43のバネ受け部43a間にバネ46が配設され、下レバー43を、プレート41のピン39bを中心に反時計方向に付勢する。
【0027】
また、移動グリッパ22及び固定グリッパ35の下方に、移動グリッパ22の可動ジョー24、及び固定グリッパ35の可動ジョー37を、各固定ジョー23、36に近接離隔するためのジョー駆動部50が搬送室1内に配設されている。ジョー駆動部50には、固定レール5、6と直角方向に配設されたカム軸7に取り付けられるグリップカム51、パイロットリリースカム52と、各カムによって回動可能なカムアーム53、54が備えられている。
【0028】
カム軸7の一端側は、搬送室1、駆動伝達室2内を貫通し機枠に回転可能に、ホルダ8、ギアホルダ55を介して枢支され、駆動連結部10のベベルギア12に固着された平ギア17からアイドルギア18を介して齒合されるギア19によって回転駆動される。また、カム軸7の他端側にはホルダ9に軸受けを介して、カムホルダ56が回転可能に軸支され、カムホルダ56にパイロットリリースカム52が取り付けられている。そして、パイロットリリースカム52に隣接して、カム軸7にグリップカム51が直接取り付けられる。
【0029】
カム軸7の上方には、カム軸7と平行に2本の固定軸58、59が搬送室1に配設されている。固定軸58にはグリップカム用カムアーム53が固定軸58の周りを回動可能に軸支され、固定軸59にはパイロットリリースカム用カムアーム54が固定軸59の周りを回動可能に軸支される。
【0030】
カムアーム53は3本の腕53a、53b、53cが夫々外方に向かって形成され、腕53aにはグリップカム51に係合するカムフォロア60が回転可能に軸支されると共に、カムフォロア60をグリップカムに押圧するバネ手段61が取り付けられる。また、腕53bの先端下面に前述の固定グリッパ35の中央のローラ40aが上部で当接される面部53dが形成され、カムアーム53がグリップカム51によって反時計方向に回動されると固定グリッパ35の可動ジョー37を下方に移動させる。腕53cにはスライドプレート62が固着され、前述の移動グリッパ22の可動ジョー24に軸支されるローラ30がスライダプレート62上を転動するように形成される。そして、カムアーム53がグリップカム51により反時計方向に回動されると移動グリッパ22の可動ジョー24を上方に移動させ、可動ジョー24がワークをクランプする時に、スライドプレート62の上面が水平になるように設定されている。
【0031】
カムアーム54にも3本の腕54a、54b、55cが夫々外方に向かって形成され、腕54aにはパイロットリリースカム52に係合するカムフォロア64が回転可能に軸支され、腕54bの先端下面には固定グリッパ37の両端のローラ40b、40bが上部で当接される面部54dが形成される。そして、カムアーム54がパイロットリリースカム52によって時計方向に回動されると、可動ジョー37は下方に移動される。また、腕54cの上面には面部54eが形成され、カムフォロア64がパイロットリリースカム52を押圧するバネ65と係合するようになっている。
【0032】
次に、上記構成のグリッパーフィードの作用について説明する。
【0033】
図示しないプレス機から駆動力が駆動伝達部3のベベルギア4に伝達されると、その駆動力は、一方では、駆動連結部10で、回転運動を往復運動に変換させて、ワーク搬送部20を往復運動させ、同時に、カム軸7を回転駆動し、ジョー駆動部50を駆動させる。
【0034】
ワークWを搬送し、プレス加工を行なうには、まず、移動グリッパ22がワークWをクランプし、固定グリッパ35がワークWをリリースする。そして、移動グリッパ22がワークWをクランプしたまま、送り方向に移動する。ワーク搬送後、固定グリッパ35がワークをクランプし、移動グリッパ22がワークWをリリースする。その後、移動グリッパ22がワークWをリリースしたまま、反送り方向に移動する。この時に、プレス加工が行なわれる。また、必要に応じて、パイロットリリースを行なう場合は、プレス加工直前に、固定グリッパ35がワークWのクランプ状態から僅かな間リリース状態にする。そして、これを繰り返すことによって連続したプレス加工が行なわれる。
【0035】
本グリッパーフィードの作用を更に詳細に説明すると、ベベルギア4に伝達された駆動力は、ベベルギア12を介して、入力軸11を回転駆動すると同時に、ベベルギア12に固着された平ギア17、アイドルギア18、ギア19を介して、カム軸7を回転駆動する。
【0036】
カム軸7の回転に伴ってグリップカム51が回転し、カムアーム53に配設されたカムフォロア60がグリップカム51の凸部に係合すると、カムアーム53は固定軸58の周りを反時計方向に回動し、腕53aに固着されたスライドプレート62が、移動グリッパ22の可動ジョー24に軸支されたローラを上方に押し上げる。可動ジョー24は、可動ジョー24と平行に配設されたプレート26と、4つのピン27a、27a、27b、27b、及び上レバー28、下レバー29によって連結され、平行四辺形リンク機構を形成しているため、可動ジョー24は、可動ジョーのグリップ部24aの上面を常に水平に保ったまま、ピン27b、27bを中心に固定ジョー23に向かって揺動移動する。可動ジョー24が最上端に移動するとワークWをクランプする。
【0037】
また、カムアーム53が移動グリッパ22の可動ジョー24を、固定ジョー23に向かって移動すると同時に、カムアーム54の腕54bが固定グリッパ35の下方に軸支された中央のローラ40aを下方に移動させるため、可動ジョー37は固定ジョー36から離れる方向に移動する。この時、可動ジョー37は、可動ジョーと平行に配設されたプレート41と、4つのピン39a、39a、39b、39b、及び上レバー42、下レバー43で連結され、平行四辺形リンク機構を形成しているために、可動ジョー37のグリップ部37a上面は常に水平位置を保っている。
【0038】
移動グリッパ22がワークWをクランプする瞬間、固定グリッパ35がワークWのクランプを瞬間的に維持するために、固定グリッパ35の固定ジョー36の雄ねじ部36bで固定ジョー36の高さ位置調整を行う。また、固定グリッパ35がワークWをクランプする瞬間も同様に、移動グリッパ22がワークWを瞬間的に維持するために、移動グリッパ22の固定ジョー23の雄ねじ部23bで固定ジョー23の高さ位置調整を行う。
【0039】
カムアーム53のカムフォロア60がグリップカム51の凹部に係合すると、カムアーム53は、バネ手段61の付勢力により、カムアーム53を固定軸58の周りを時計方向に回動する。同時に、移動グリッパ22の可動ジョー24はバネ25の付勢力により、下レバー29がピン27bを中心に時計方向に回動すると共に、固定ジョー23から離れる方向に移動し、ワークWをリリースする。さらに、固定グリッパ35の可動ジョー37はバネ38の付勢力により、下レバー43がピン39bを中心に反時計方向に回動すると共に、固定ジョー36に向かって移動し、ワークWをクランプする。
【0040】
また、カム軸7の回転にともない、グリップカム51の回転と共に、パイロットリリースカム52も回転する。カムアーム54に配設されたカムフォロア64がパイロットリリースカム52の凸部に係合すると、カムアーム54は固定軸59の周りを時計方向に回動し、腕54bが固定グリッパ35の下方に軸支されたローラ40bを下方に移動させるため、可動ジョー37を固定ジョー36から離れる方向に移動させ、ワークWをリリースする。
【0041】
カムフォロア64がパイロットリリース52の凹部に係合すると、カムアーム54は固定軸59の周りを反時計方向に回動する。同時に、固定グリッパ35の可動ジョー37はバネ38の付勢力により、下レバー43がピン39bを中心に反時計方向に回動すると共に、固定ジョー36に向かって移動し、ワークWをクランプする。
【0042】
一方、ベベルギア12を介して、入力軸11に伝達された駆動力はクランク13において、回転運動から往復運動に変換される。クランク13の入力軸13と対する側の一端に配設されたピン15を介して、スライダ21が固定レール5、6に沿って、往復移動を行なう。なお、スライダの移動量(送り長さ量)は、駆動連結部10の送り調整ねじ組14のねじを回転することによって、調整できる。
スライダ21の往復移動に伴って、移動グリッパ22が右方向に移動すると、移動グリッパ22はカムアーム53のスライドプレート62上を転動することになる。移動グリッパ22がワークWをクランプした時に、移動グリッパ22が右方向に移動すればワークWを送ることができる。この時、スライドプレート62の上面が水平位置を保つように設定されているので、ローラ26とスライドプレート62の間には摩耗や、異常音の発生は極めて少ない。
【0043】
上記説明は夫々個々の作用に付いて説明したが、実際は、「グリッパーフィードの作用の説明」の冒頭で述べたように、プレス加工が行なえるために、順次タイミングを有して各作用が行なわれる。このタイミングは各カムの形状、設定位置及び各グリッパの固定ジョーと可動ジョーのワーク掴み代によって可能であり、通常実施されている通りである。
【0044】
上記の通り、本発明によれば移動グリッパ、可動グリッパの各可動ジョーを駆動するジョー駆動部を構成する駆動カムと駆動カムに係合する従動アームを1つにすることができ、しかも、ジョー駆動部を各可動ジョーの近くに配設することができたので、ワーククランプ、リリースのタイミングの狂いが少なく、高速運転に極めて有利になる。
【0045】
なお、本実施例は1実施例であり、移動グリッパと、固定グリッパの各可動ジョーを駆動するグリップカムと、カムアームを1つにすることができ、搬送室内に配設されるものであれば、その構成における設計変更は上記に限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による1実施例のグリッパーフィードの正面断面図
【図2】図1におけるII−II断面を含むグリッパーフィードの平面断面図
【図3】図1におけるIII −III 断面図
【図4】図1におけるIV−IV断面図
【図5】図1におけるV−V断面図
【図6】従来の高速グリッパーフィードの正面断面図
【図7】従来の高速グリッパーフィードの側面断面図
【符号の説明】
1…搬送室
2…駆動伝達室
3…駆動伝達部
7…カム軸
10…駆動連結部
20…ワーク搬送部
22…移動グリッパ
23、36…固定ジョー
23a、24a、36a、37a…グリップ部
24、37…可動ジョー
30、40a…ローラ
35…固定グリッパ
50…ジョー駆動部
51…グリップカム(駆動カム)
53…カムアーム(従動アーム)
53a、53b、53c…腕
60…カムフォロア
62…スライドプレート
GF…グリッパーフィード
W…ワーク
Claims (3)
- 搬送室と駆動伝達室とを有し、プレス機からの駆動を伝える駆動伝達部と、前記駆動伝達部に連結され、回転運動を往復運動に変換する駆動連結部と、前記駆動連結部に連結されて往復移動し、ワークを挟持可能な移動グリッパを有するワーク搬送部と、ワークを挟持可能な固定グリッパと、前記駆動伝達部の駆動を受けて前記固定グリッパと前記移動グリッパに配設される可動ジョーを、前記固定グリッパと前記移動グリッパに配設される各固定ジョーに対して、近接離隔するように駆動するジョー駆動部とを備えてなるグリッパーフィードであって、前記ジョー駆動部が、カム軸に支持される駆動カムと前記駆動カムに係合される従動アームを有して搬送室内に配設され、前記従動アームが前記移動グリッパの可動ジョーと、前記固定グリッパの可動ジョーと転動体を介して当接され、
前記従動アームが、前記固定グリッパの可動ジョーと前記移動グリッパの可動ジョーとに作用するそれぞれの腕部を1個の従動アームから突出して形成し、それぞれの腕部が、前記従動アームの回動により前記固定グリッパの可動ジョーと前記移動グリッパの可動ジョーをそれぞれ反対方向に移動可能に形成されていることを特徴とするグリッパーフィード。 - 前記従動アームが3つの腕部を有し、1つの腕部に前記駆動カムに係合するローラを有し、別の2つの腕部のうち1つの腕部の上面が前記移動グリッパの可動ジョーに配設されたローラと当接する面を有し、他の1つの下面が前記固定グリッパの可動ジョーに配設されたローラと当接する面を有することを特徴とする請求項1記載のプレス機におけるグリッパーフィード。
- 前記各可動ジョーが、平行四辺形リンク機構の1節を構成し、前記各可動ジョーと前記各固定ジョーのワーク挟持面が、常に平行に維持されるように構成されることを特徴とする請求項1又は2記載のプレス機におけるグリッパ―フィード。
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