JP3649059B2 - 電磁駆動式排気弁の制御装置 - Google Patents

電磁駆動式排気弁の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気筒毎に開閉時期を任意に可変制御できる電磁駆動式の排気弁を2個備えたエンジンにおいて、これら2個の排気弁の開閉駆動制御方式を最適に切り換える技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用エンジンでは、高出力化の要求に伴い吸・排気弁を気筒毎に2個ずつ備えることが一般化しているが、排気弁については、2個の弁を同時に開閉駆動する通常の使用方法に加えて、アイドル等の低負荷運転時に2個の排気弁のうちの特定の1個のみを開弁し、他方の排気弁は閉弁保持することにより、排気の吹き抜け量を減少して、運転性向上を図ったものがある(特開昭58−44234号公報参照)。
【0003】
一方、同じく車両用エンジンにおいて、電磁駆動式の吸・排気弁が提案されており、開閉時期を任意に可変制御して最適な吸・排気特性を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記電磁駆動式の排気弁を気筒毎に2個ずつ備えたものにおいても、前記従来例のように特定の運転条件で一方の排気弁の駆動を停止して1個の排気弁のみを駆動する方式が考えられる。
【0005】
しかしながら、前記従来の排気性能のみの要求に応じて一方の排気弁の駆動を停止する方式では、排気弁及びバルブシートの摩耗や電磁駆動式における消費電力、特性差等を考慮したものではなかったため、最適な制御方式が採用されているものではなかった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、電磁駆動式の排気弁を気筒毎に2個ずつ備えたエンジンにおいて、2個の排気弁に対して最適な制御方式で制御が行なわれるようにした電磁駆動式排気弁の制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1にかかる発明は、
気筒毎に開閉時期を任意に可変制御できる電磁駆動式の排気弁を2個備えたエンジンにおいて、
エンジンの温度状態と負荷を検出し、エンジンが低負荷状態のときに、エンジン温度状態に応じて、前記2個の排気弁を1個ずつ交互に開閉駆動する交互片弁制御方式と、前記2個の排気弁の中の特定の1個のみを開閉駆動する一定片弁制御方式と、のいずれかを選択して切り換えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に係る発明によると、
エンジンが低負荷状態のときに、2個の排気弁の制御方式が、エンジンの温度状態を含む条件に基づいて、2個の排気弁を1個ずつ交互に開閉駆動する交互片弁制御方式と、前記2個の排気弁の中の特定の1個のみを開閉駆動する一定片弁制御方式と、のいずれかに切り換えられる。なお、所定以上のエンジン負荷状態では、前記温度状態に応じた片弁制御方式では、エンジン出力性能を満たすことが困難になるため、両弁駆動方式が必要となってくる。
【0009】
例えば、特定の一方の排気弁のみを開閉駆動すると、該排気弁に連なる一方の排気ポートのみから排気が流出されるので、両方の排気弁を開閉駆動する場合に比較して排気の温度低下が小さく、排気通路の下流側に介装された排気浄化触媒の温度上昇を早めることができる。
【0010】
また、電磁駆動式の排気弁では低温時ほどエンジン潤滑油の粘性が大きく排気弁駆動のフリクションが大きくなって、必要電流が増大し消費電力が大きくなるので、1個の排気弁のみ駆動して消費電力を節減することが望ましい。しかし、特定の一方の排気弁のみを開閉駆動した場合、駆動側では電磁コイルからの発熱により温度上昇するので停止側との間に温度差を生じ、開閉動作時間(弁体が全閉から全開、全開から全閉に至る移動時間)に差を生じるので(温度上昇する駆動側が短い)、その後に両弁駆動に切り換えられたときに両弁の特性差による影響がある。したがって、この点からは、2個の排気弁を1個ずつ交互に開閉駆動して両排気弁の電磁コイルからの発熱を均等にして、両弁の特性に差がでないようにしておくことが望ましい。
【0011】
また、2個の排気弁を1個ずつ交互に開閉駆動する方式では、特定の一方の排気弁のみを開閉駆動する方式において排気弁とバルブシートの摩耗が駆動側に偏ることを回避できる。
【0012】
そこで、これらの点の優先度をエンジンの温度状態に基づいて判断し、該優先度に応じて、排気弁の開閉駆動方式を切り換えることにより、最適な開閉駆動方式を選択することができる。
【0025】
また、請求項2に係る発明は、
エンジンが前記低負荷状態のときに、エンジンが極低温状態のときは、前記2個の排気弁を、1個ずつ交互に開閉駆動する交互片弁制御方式を選択することを特徴とする。
【0026】
請求項2に係る発明によると、
極低温時は、交互片弁制御方式が選択され、2個の排気弁が1個ずつ交互に開閉駆動される。ここで、該交互片弁制御方式は、燃焼行程毎に駆動する排気弁を切り換える方式に限らず、複数回の燃焼行程毎あるいは所定時間毎などで切り換える方式を含む。
【0027】
即ち、既述したように、低温時はエンジン潤滑油の粘性増大によるフリクション増大に伴い、消費電力が増大するので、1個の排気弁のみ駆動する方式が望ましいが、特に、例えば、−20°C以下程度の極低温時は、特定の一方の排気弁のみを駆動する一定片弁制御方式では、駆動側の電磁コイルは発熱により急激に温度上昇して停止側との電磁コイル間に大きな温度差を生じ、その後に両弁駆動に切り換えられたときの両弁の特性差による影響が大きくでてくる。
【0028】
したがって、前記2個の排気弁を1個ずつ交互に開閉駆動する交互片弁制御方式を選択して両排気弁の電磁コイルからの発熱を均等にすることにより、両排気弁の特性差を無くし、両弁駆動に切り換えられたときの特性差による影響を回避できる。
【0029】
また、請求項3に係る発明は、
エンジンが前記低負荷状態のときに、エンジンが極低温よりは高温で暖機完了時より低温である低温状態のときは、前記2個の排気弁の中の特定の1個のみを開閉駆動する一定片弁制御方式を選択することを特徴とする。
【0030】
請求項3に係る発明によると、
エンジンが極低温よりは高温で暖機完了時より低温である低温状態のときは、一定片弁制御方式が選択され、2個の排気弁の中の特定の1個のみが開閉駆動される。
【0031】
即ち、極低温以外の低温時は、極低温時に比較するとエンジン潤滑油の粘性が小さく排気弁駆動のフリクションが小さく、一定片弁制御方式とした場合の前記両排気弁の特性差の影響は小さい。一方、一定片弁制御方式によって駆動側の排気弁に連なる排気ポートのみから排気を流出させて排気温度の低下を減少することによる排気浄化触媒温度の上昇を促進し、浄化性能を向上できることのメリットが大きい。
【0032】
したがって、かかる低温状態のときは、一定片弁制御方式を選択することにより、低温始動時等の排気浄化性能を向上することができる。
また、請求項4に係る発明は、
エンジンが前記低負荷状態のときに、エンジンが暖機完了時の高温状態のときは、前記2個の排気弁を、1個ずつ交互に開閉駆動する交互片弁制御方式を選択することを特徴とする。
【0033】
請求項4に係る発明によると、暖機完了時の高温状態(かつ低負荷状態)のときは、交互片弁制御方式が選択され、2個の排気弁が1個ずつ交互に開閉駆動される。
【0034】
即ち、暖機完了後でも排気流量が小さい低負荷状態のときは、片弁制御方式としても排気弁流出時の排気抵抗が小さく、片弁のみ駆動することによる消費電力節減の方が、燃費を改善できるので片弁制御方式を選択することが好ましい。また、該暖機完了後の使用頻度は、大きいので一定片弁制御方式を選択すると、排気弁とバルブシートの摩耗が駆動側に偏って生じることとなる。
【0035】
したがって、交互片弁制御方式を選択することにより、排気弁とバルブシートの摩耗を抑制することができる。
なお、以上請求項1〜請求項4に係る発明は、低負荷状態を条件とするが、必ずしも同一の低負荷状態(領域)である必要はなく、例えば極低温時の交互片弁制御方式の選択は、他の温度領域での制御方式の選択に比較して、より高い負荷領域まで選択されるように設定してもよい。
【0036】
また、請求項5に係る発明は、
エンジンの負荷が前記低負荷状態より高い中高負荷状態において、中負荷状態のときは、前記2個の排気弁を開時期をずらせて開閉駆動する位相差制御方式を選択し、高負荷状態のときは、前記2個の排気弁を同時に開閉駆動する両弁同時制御方式を選択することを特徴とする。
【0037】
請求項5に係る発明によると、
中負荷状態のときは、位相差制御方式が選択されて2個の排気弁が開時期をずらせて開閉駆動され、高負荷状態のときは、両弁同時制御方式が選択されて2個の排気弁が同時に開閉駆動される。
【0038】
即ち、所定以上の中高負荷状態では、片弁制御方式ではポンピングロスによる出力低下により燃費の悪化が大きくなり、あるいは要求出力の確保が難しくなるため、排気弁を2個とも駆動する両弁制御方式を選択することが要求されるが、両排気弁を同時(同一の開閉タイミング)に開閉駆動する両弁同時制御方式では、両排気弁の傘部に加わる筒内圧力に抗して両排気弁を同時に開弁するのに要する電力が大きいため消費電力が増大し、また、制御電流が大きいことにより電磁コイルの温度上昇による熱劣化、耐久性低下が進むことがある。
【0039】
そこで、中負荷状態では、2個の排気弁の開時期をずらせて開閉駆動する位相差制御方式を選択することにより、先に一方の排気弁を開弁して筒内圧力が減少してから他方の排気弁を開弁することで、トータルの駆動力したがって消費電力を節減すると共に制御電流の減少により電磁コイルの温度上昇を抑制しつつ熱劣化、耐久性低下を抑制し、要求出力が最優先される高負荷時のみ両弁同時制御方式を選択することにより、ポンピングロスを最小限として要求出力を確保することができる。
また、請求項6に係る発明は、
エンジンの負荷が前記低負荷状態より高い中高負荷状態においては、エンジン回転速度が、負荷が高いときほど低く設定されるエンジン回転速度未満のときには前記2個の排気弁を開時期をずらせて開閉駆動する位相差制御方式を選択し、前記設定エンジン回転速度以上のときには、前記2個の排気弁を同時に開閉駆動する両弁同時制御方式を選択することを特徴とする。
【0040】
請求項6に係る発明によると、中高負荷状態のときは、エンジン回転速度が、負荷が高いときほど低く設定されるエンジン回転速度未満のときには、位相差制御方式が選択されて2個の排気弁が開時期をずらせて開閉駆動され、前記設定エンジン回転速度以上のときには、両弁同時制御方式が選択されて2個の排気弁が同時に開閉駆動される。
【0041】
即ち、排気弁流出時のポンピングロスが所定以上に大きくなると、位相差制御方式に優先して両弁同時制御方式に切り換える必要があるが、該ポンピングロスの大きさを決定する排気流量は、負荷の他エンジン回転速度にも関与する。したがって、中負荷でも高速時は、排気流量が大きくポンピングロスが大きいので、両弁同時制御方式に切り換え、高負荷でも低速時は排気流量が小さくポンピングロスが小さいので、位相差制御方式とする。
【0042】
このようにすれば、位相差制御方式と両弁同時制御方式とを、より適切に切り換えることができる。
また、請求項7に係る発明は、
前記排気弁制御方式の切り換えに用いられるエンジンの温度状態は、電磁駆動式排気弁の可動部摺動部分近傍のエンジン潤滑油の温度であることを特徴とする。
【0043】
請求項7に係る発明によると、
電磁駆動式排気弁の可動部摺動部分近傍のエンジン潤滑油の温度が検出され、該潤滑油温度に基づいて排気弁の制御方式が切り換えられる。
【0044】
即ち、前記可動部例えば電磁石の可動子の摺動部分近傍の潤滑油の温度は、この部分の潤滑油の粘性、したがって排気弁作動時のフリクション状態を高精度に反映した値であるので、該温度状態に基づいて、排気弁の制御方式をより適切に切り換えることができる(特に極低温の検出による交互片弁制御方式の選択)。
【0045】
また、請求項8に係る発明は、
前記排気弁制御方式の切り換えに用いられるエンジンの温度状態は、エンジン冷却水温度であることを特徴とする。
【0046】
請求項8に係る発明によると、
検出されたエンジン冷却水温度に基づいて排気弁の制御方式が切り換えられる。 このようにすれば、エンジン制御用に一般的に装着されている水温センサを利用して、簡便かつ低コストにエンジン温度状態を検出できる。
【0047】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の構成・機能を示し、エンジンの温度状態と負荷とを検出するエンジン温度検出手段とエンジン負荷検出手段とを備え、エンジンが低負荷状態のときに、エンジン温度状態に応じて、2個の電磁駆動式排気弁を1個ずつ交互に開閉駆動する交互片弁制御方式と、前記2個の排気弁の中の特定の1個のみを開閉駆動する一定片弁制御方式と、のいずれかを選択して切り換える。
以下に本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。一実施の形態を示す図2及び図3において、エンジン1には、気筒毎に2個の吸気弁2A,2B及び排気弁3A,3Bと、これらに対応した吸気ポート4A,4B及び排気ポート5A,5Bとを備える。前記吸気弁2A,2B及び排気弁3A,3Bは、電磁駆動式であり、それぞれ独立して開閉を制御可能に構成されている。
【0048】
一方、前記2個の吸気ポート4A,4Bのいずれかに若しくは分岐点に、燃料噴射弁6が装着される。
燃焼室7には点火栓8及び点火コイル9が装着されている。また、エンジン本体には各気筒の基準クランク角で基準信号を出力すると共に、微小クランク角毎に単位角信号を出力するクランク角センサ10が装着され、これら信号に基づいてエンジン回転速度を検出可能である。さらに、吸入空気流量を検出するエアフロメータ11、冷却水温度を検出する水温センサ12などが装着される。
【0049】
図4は、前記電磁駆動式排気弁の詳細な構成を示す。なお、電磁駆動式吸気弁も同様である。同図に示すように、エンジンのシリンダヘッド51には、吸気弁または排気弁となる弁体52(図2では単一の弁のみを示す)が設けられている。弁体52の上方に伸延する弁軸52aの上部には、スプリングリテーナ53が固定され、該スプリングリテーナ53とシリンダヘッド51頂壁に形成された凹部51a底壁との間には、前記弁体52を閉弁側に付勢するコイルスプリング54が設けられている。
【0050】
またシリンダヘッド51の上部にはハウジング55が立設されている。該ハウジング55の内部には、閉弁側電磁石56と、開弁側電磁石57とが所定の間隔をあけて上下に対向する位置に固定されている。これら閉弁側電磁石56と開弁側電磁石57との間には、軟磁性体の可動子(アーマチュア)58が配設され、該可動子58の上下に連結された可動子軸部材58aを、閉弁側電磁石56と開弁側電磁石57の中心部に嵌挿された軸ガイド部材59に通すことにより、上下に滑動可能に支持されている。
【0051】
前記可動子軸部材58aのハウジング55頂壁から突出する上端部には、スプリングリテーナ60が固定され、ハウジング55の頂壁上に連結されたケース61の頂壁内面と前記スプリングリテーナ60との間には、可動子58を開弁側に付勢するコイルスプリング62が設けられている。
【0052】
そして、エンジン1の始動前にこれら閉弁用電磁石56及び開弁用電磁石57を交互に通電して可動子58を共振させ、振幅が十分大きくなったところで、いずれかの電磁石に可動子58を吸着保持させる初期化を行なった後、開弁時は、可動子22を吸着している上側の閉弁用電磁石56への通電を停止し、コイルスプリング62の付勢力で可動子58を下方に移動させ、下側の開弁用電磁石57に十分接近したところから該開弁用電磁石57を通電して可動子58を吸着することにより、弁体52をリフトさせて開弁させる。また、閉弁時は、可動子58を吸着している下側の開弁用電磁石57への通電を停止した後、コイルスプリング54の付勢力で可動子58を上方へ移動させ、上側の閉弁用電磁石56に十分接近したところから該閉弁用電磁石56を通電して、可動子58を吸着することにより、弁体52をシート部に着座させて閉弁させる。
【0053】
また、前記電磁駆動式排気弁の可動部である可動子58の摺動部分近傍のエンジン潤滑油温度を検出する熱電対等で構成される油温センサ13が、前記軸ガイド部材59に埋設される。但し、該油温センサ13は全ての排気弁に設ける必要は無く、特定の気筒の排気弁に最低1個設けるだけでもよい。
【0054】
上記油温センサ13、その他前記各種センサからの信号はコントロールユニット14に出力され、コントロールユニット14は、これらの検出信号に基づいて前記燃料噴射弁7に燃料噴射信号を出力して燃料噴射制御を行い、前記点火コイル10に点火信号を出力して点火制御を行い、更に、前記弁駆動装置2に弁駆動信号を出力して吸気弁3A,3B及び排気弁4A,4Bの開閉を制御すると共に、該排気弁4A,4Bの制御方式をエンジン温度状態に基づいて切り換える制御を行なう。
【0055】
次に、本発明に係る前記排気弁制御方式の切換制御について説明する。図5は、第1の実施形態に係る切り換え制御のフローチャートを示す。
ステップ1では、エンジンの負荷が低負荷状態であるか否かを判定する。具体的には、別途設定される基本燃料噴射量Tp、スロットル弁開度、アクセル開度(要求負荷)がそれぞれの低負荷相当の設定値以下であるか否かによって判定する。
【0056】
ステップ1で、エンジンが低負荷状態と判定されたときは、ステップ2へ進み、エンジン温度状態が極低温状態であるか否かを判定する。具体的には、前記油温センサ13により検出される潤滑油温度が所定の極低温(例えば−20°C)以下か否かを判定する。
【0057】
ステップ2で極低温状態と判定されたときは、ステップ3へ進み、各気筒の2個の排気弁4A,4Bを交互に1個ずつ開閉駆動する交互片弁制御方式(図8参照)を選択する。これにより、消費電力を削減できると共に、両排気弁の電磁コイルからの発熱を均等となって両排気弁の特性差が無くなり、両弁駆動に切り換えられたときの特性差による影響を回避できる。
【0058】
ステップ2で極低温状態でないと判定されたときは、ステップ4へ進んで暖機完了時の温度より低温な低温状態であるか否かを設定する。具体的には、前記油温センサ63により検出される潤滑油温度が暖機完了時の温度未満か否かを判定する。
【0059】
そして、ステップ4で暖機完了時の温度未満の低温状態と判定されたときには、ステップ5へ進んで各気筒の2個の排気弁4A,4Bの中の特定の1個例えば排気弁4A又は排気弁4Bのみを開閉駆動する一定片弁制御方式(図7参照)を選択する。これにより、消費電力を削減できると共に、駆動側の排気弁に連なる排気ポートのみから排気が流出して排気温度の低下を減少することにより排気浄化触媒温度の上昇が促進され、浄化性能を向上できる。
【0060】
また、ステップ4で暖機完了時の温度以上の高温状態と判定されたときには、ステップ3へ進んで前記各気筒の2個の排気弁4A,4Bを交互に1個ずつ開閉駆動する交互片弁制御方式を選択する。これにより、消費電力を削減できると共に、使用頻度の高い暖機完了後において、2個の排気弁とバルブシートの摩耗を均等化でき、一定片弁制御方式とした場合のような駆動側の摩耗が偏って進んでしまうことを防止できる。
【0061】
次に、ステップ1でエンジンが低負荷状態でないと判定された場合は、ステップ6へ進み、中負荷状態か否かを、前記同様各パラメータが中負荷相当の設定値以下か否かによって判定する。
【0062】
そしてステップ6でエンジンが中負荷状態と判定された場合は、ステップ7へ進んで各気筒の2個の排気弁4A,4Bを開時期をずらせて開閉駆動する位相差制御方式(図9)を選択する。これにより、後で開弁される排気弁の開弁時の筒内圧力が減少して消費電力を節減できると共に、制御電流の減少により電磁コイルの温度上昇を抑制しつつ熱劣化、耐久性低下を抑制できる。
【0063】
また、ステップ6でエンジンが中負荷状態でない、つまり高負荷状態と判定された場合は、ステップ8へ進んで各気筒の2個の排気弁4A,4Bを同時に駆動する両弁同時制御方式(図10参照)を選択する。これにより、ポンピングロスが最小限となって高負荷時の要求出力を満たすことができる。
【0064】
次に排気弁制御方式切換制御の第2の実施形態を、図6のフローチャートに従って説明する。
ステップ1〜ステップ6の低負荷状態でのエンジン温度状態による切換制御については、第1の実施形態と同様である。
【0065】
ステップ1でエンジンが低負荷でないつまり中高負荷状態と判定された場合は、ステップ11へ進み、前記各パラメータ等で求められる負荷のレベルに応じて制御方式切換判定用のエンジン回転速度の閾値N0を、マップからの検索等により設定する。具体的には、負荷が高くなるほど閾値が低速側に設定される。簡易的には、中負荷と高負荷との2段階で2つの閾値を設定すればよい。
【0066】
次いでステップ12へ進み、現在の検出されたエンジン回転速度Nが、ステップ11で設定された閾値N0未満か否かを検出し、閾値N0未満と判定されたときはステップ13へ進んで前記位相差制御方式を選択して、消費電力の節減と、電磁コイルの熱劣化、耐久性低下の抑制を図る。即ち、排気流量が比較的少なくポンピングロスによる出力低下が比較的小さくてすむ領域であるので、上記メリットを優先させる。
【0067】
一方、ステップ12で実際のエンジン回転速度Nが閾値N0以上と判定されたときは、排気流量が大きくポンピングロスによる出力低下が大きいため、前記位相差制御方式を選択した場合には要求出力を確保することが難しいと判断してステップ14へ進み、前記両弁同時制御を選択して、要求出力を確保する。
【0068】
なお、前記中高負荷状態のときに、排気流量と略等しい吸入空気流量に基づいて閾値を設定し、検出された吸入空気流量を閾値と比較して位相差制御方式と同時制御方式とを切り換える構成としてもよい。
【0069】
また、以上示した実施形態では、潤滑油温度に基づいて排気弁制御方式を切り換えるものを示したが、簡易的には水温センサによって検出されるエンジン冷却水温度に基づいて排気弁制御方式を切り換える構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成・機能を示すブロック図。
【図3】 同上エンジンの燃焼室周辺の横断面図。
【図4】 電磁駆動式排気弁の縦断面図。
【図5】 本発明に係る2個の電磁駆動式排気弁の制御方式の切換制御の第1の実施形態のフローチャート。
【図6】 本発明に係る2個の電磁駆動式排気弁の制御方式の切換制御の第2の実施形態のフローチャート。
【図7】 一定片弁制御方式における2個の排気弁の作動状態を吸気弁の作動状態と共に示したタイムチャート。
【図8】 交互片弁制御方式における2個の排気弁の作動状態を吸気弁の作動状態と共に示したタイムチャート。
【図9】 位相差制御方式における2個の排気弁の作動状態を吸気弁の作動状態と共に示したタイムチャート。
【図10】 両弁同時制御方式における2個の排気弁の作動状態を吸気弁の作動状態と共に示したタイムチャート。
【符号の説明】
1 エンジン
3A,3B 電磁駆動式排気弁
10 クランク角センサ
12 水温センサ
14 コントロールユニット

Claims (8)

  1. 気筒毎に開閉時期を任意に可変制御できる電磁駆動式の排気弁を2個備えたエンジンにおいて、
    エンジンの温度状態と負荷を検出し、エンジンが低負荷状態のときに、エンジン温度状態に応じて、前記2個の排気弁を1個ずつ交互に開閉駆動する交互片弁制御方式と、前記2個の排気弁の中の特定の1個のみを開閉駆動する一定片弁制御方式と、のいずれかを選択して切り換えることを特徴とする電磁駆動式排気弁の制御装置。
  2. エンジンが前記低負荷状態のときに、エンジンが極低温状態のときは、前記2個の排気弁を、1個ずつ交互に開閉駆動する交互片弁制御方式を選択することを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動式排気弁の制御装置。
  3. エンジンが前記低負荷状態のときに、エンジンが極低温よりは高温で暖機完了時より低温である低温状態のときは、前記2個の排気弁の中の特定の1個のみを開閉駆動する一定片弁制御方式を選択することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁駆動式排気弁の制御装置。
  4. エンジンが前記低負荷状態のときに、エンジンが暖機完了時の高温状態のときは、前記2個の排気弁を、1個ずつ交互に開閉駆動する交互片弁制御方式を選択することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電磁駆動式排気弁の制御装置。
  5. エンジンの負荷が前記低負荷状態より高い中高負荷状態において、中負荷状態のときは、前記2個の排気弁を開時期をずらせて開閉駆動する位相差制御方式を選択し、高負荷状態のときは、前記2個の排気弁を同時に開閉駆動する両弁同時制御方式を選択することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の電磁駆動式排気弁の制御装置。
  6. エンジンの負荷が前記低負荷状態より高い中高負荷状態においては、エンジン回転速度が、負荷が高いときほど低く設定されるエンジン回転速度未満のときには前記2個の排気弁を開時期をずらせて開閉駆動する位相差制御方式を選択し、前記設定エンジン回転速度以上のときには、前記2個の排気弁を同時に開閉駆動する両弁同時制御方式を選択することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の電磁駆動式排気弁の制御装置。
  7. 前記排気弁制御方式の切り換えに用いられるエンジンの温度状態は、電磁駆動式排気弁の可動部摺動部分近傍のエンジン潤滑油の温度であることを特徴とする請求項1〜請求項6いずれか1つに記載の電磁駆動式排気弁の制御装置。
  8. 前記排気弁制御方式の切り換えに用いられるエンジンの温度状態は、エンジン冷却水温度であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の電磁駆動式排気弁の制御装置。
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