JP3601365B2 - エンジンの電磁動弁制御装置 - Google Patents

エンジンの電磁動弁制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸・排気弁を半開位置に付勢するスプリングと、吸・排気弁を開弁方向に吸着して開弁保持させる開弁用電磁石及び吸・排気弁を閉弁方向に吸着して閉弁保持させる閉弁用電磁石と、を備えたエンジンの電磁動弁制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の電磁動弁装置としては、一対のスプリングにより半開位置に付勢される弁体(吸・排気弁) を、該弁体に連係したアーマチャに電磁力を作用させて、開弁用電磁石又は閉弁用磁石に吸着することにより、全開位置又は全閉位置に保持する構造がある(特開平7−335437号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、極低温時(−30°C程度)は、始動後エンジン温度がまだ低いときには、潤滑油の粘性の増加によるフリクションの増大により、弁体作動に要する電磁力が増大し、消費電力が大きくなってしまい、該開閉制御の継続により、バッテリの上がりを生じるおそれもある。
【0004】
また、前記フリクションの増大により、弁体が全閉位置から全開位置まで移動する時間及び全開位置から全閉位置まで移動する時間が増大して、開弁期間が圧縮行程まで長引くこととなって実質的に制御不能となってしまう可能性もあった。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、開閉制御方式を切り換えることにより、上記課題を解決したエンジンの電磁動弁装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明は、
吸・排気弁を半開位置に付勢するスプリングと、吸・排気弁を開弁方向に吸着して開弁保持させる開弁用電磁石及び吸・排気弁を閉弁方向に吸着して閉弁保持させる閉弁用電磁石と、を備えたエンジンの電磁動弁制御装置において、
エンジン潤滑油の粘性状態を判定する潤滑油粘性状態判定手段と、
前記判定されたエンジン潤滑油の粘性状態に基づいて、前記開弁用電磁石と閉弁用電磁石とを通電制御して吸・排気弁を開閉する第1制御と、閉弁用電磁石のみを通電制御して吸・排気弁を開閉する第2制御とを切り換える第1制御切換手段と、
前記第1制御中に当該電磁動弁の可動部の速度を検出し、半開位置付近での検出速度が所定値未満のときに該第1制御から前記第2制御に切り換える第制御切換手段と、
を含んで構成したことを特徴とする。
【0006】
請求項1に係る発明によると、
潤滑油粘性状態判定手段により、エンジン潤滑油の粘性状態が判定され、第1制御切換手段は、エンジン潤滑油の粘性が通常のときは、開弁用電磁石と閉弁用磁石とを通電制御して、開弁時には吸・排気弁を全開とし閉弁時には全閉とする第1制御を行なわせ、エンジン潤滑油の粘性が大きく吸・排気弁動作のフリクションが大きいときは閉弁用電磁石のみを通電制御して、開弁時にはスプリングの付勢力によって吸・排気弁を半開とし閉弁時には閉弁用電磁石を通電して全閉とする第2制御を行なわせる。
【0007】
これにより、吸・排気弁動作のフリクションが大きいときは閉弁用電磁石のみを通電するため、消費電力を節減できバッテリの上がりを防止できるとともに、弁体の移動が全閉位置から半開位置までの移動と半開位置から全閉位置までの移動ですむため、開弁期間の増大を回避でき、吸・排気弁の開閉制御によってエンジン運転を確保できる。
【0008】
また、第制御切換手段により、第1制御中に電磁動弁のアーマチャや弁体等の可動部の速度が検出され、半開位置付近での検出速度が所定値未満のときには、該第1制御から前記第2制御に切り換えられる。
このようにすれば、潤滑油粘性状態判定手段の判定誤差やバラツキ等によりフリクションが大きい状態で第1制御が行なわれた場合には、可動部の速度が大きく減衰してスプリングの付勢力でバランスする半開位置近傍で殆ど停止してしまうので、この速度状態を検出して前記第2制御に切り換えることにより、このような場合でも消費電力を節減し、バッテリの上がりを防止しつつ、吸・排気弁の開閉制御によってエンジン運転を可能とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、
吸・排気弁を半開位置に付勢するスプリングと、吸・排気弁を開弁方向に吸着して開弁保持させる開弁用電磁石及び吸・排気弁を閉弁方向に吸着して閉弁保持させる閉弁用電磁石と、を備えたエンジンの電磁動弁制御装置において、
エンジン潤滑油の粘性状態を判定する潤滑油粘性状態判定手段と、
前記判定されたエンジン潤滑油の粘性状態に基づいて、前記開弁用電磁石と閉弁用電磁石とを通電制御して吸・排気弁を開閉する第1制御と、閉弁用電磁石のみを通電制御して吸・排気弁を開閉する第2制御とを切り換える第1制御切換手段と、
前記第2制御中に電磁動弁の可動部の速度を検出し、半開位置付近での検出速度が所定値以上となったときに該第2制御から前記第1制御に切り換える第3制御切換手段と、
を含んで構成したことを特徴とする
【0010】
請求項2に係る発明によると、
第3制御切換手段により、第2制御中に電磁動弁のアーマチャや弁体等の可動部の速度が検出され、半開位置付近での検出速度が所定値以上となったときには、該第2制御から前記第1制御に切り換えられる。
このようにすれば、潤滑油粘性状態判定手段の判定誤差やバラツキ等によりフリクションが通常であるにも拘わらず第2制御が行なわれた場合には、可動部は半開位置近傍で停止することなく開弁方向へ移動するため、この速度状態を検出して前記第1制御に切り換えることにより、十分小さな消費電力で吸・排気弁を開閉制御することができ、十分大きな出力でエンジンを運転することができる。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、
前記潤滑油粘性状態判定手段は、エンジン潤滑油温度を検出してエンジン潤滑油の粘性状態を判定することを特徴とする。
請求項3に係る発明によると、
エンジン潤滑油温度とエンジン潤滑油の粘性状態とは密接な相関があり、潤滑油温度が低いときは粘性が大きくなるので、該エンジン潤滑油温度の検出によりエンジン潤滑油の粘性状態を判定する。
【0012】
これにより、エンジン潤滑油の粘性状態を高精度に判定できる。
また、請求項4に係る発明は、
前記潤滑油粘性状態判定手段は、エンジン冷却水温度を検出してエンジン潤滑油の粘性状態を判定することを特徴とする。
請求項4に係る発明によると、
エンジン冷却水温度とエンジン潤滑油温度とは、正の相関を有しているので、エンジン冷却水温度を検出してエンジン潤滑油温度を推定し、さらにはエンジン潤滑油の粘性状態を推定して判定する。
【0013】
これにより、エンジン制御用に一般的に装着されている水温センサを利用して、簡便かつ低コストにエンジン潤滑油の粘性状態を判定できる。
また、請求項5に係る発明は、
前記潤滑油粘性状態判定手段は、エンジン潤滑油圧力を検出してエンジン潤滑油の粘性状態を判定することを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明によると、
エンジン潤滑油圧力とエンジン潤滑油の粘性状態とは相関があり、潤滑油圧力が高いときは粘性が大きくなるので、該エンジン潤滑油圧力の検出によりエンジン潤滑油の粘性状態を判定する。
これにより、エンジン潤滑油の粘性状態を精度良く判定できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
本発明の一実施形態のシステム構成を示す図1において、エンジン1には、弁駆動装置2により開閉を電子制御される吸気弁3及び排気弁4が装着されている。各気筒の吸気ポート5には、燃料噴射弁6が装着され、燃焼室7には点火栓8及び点火コイル9が装着されている。また、エンジン本体には、各気筒の基準クランク角で基準信号を出力すると共に微小クランク角毎に単位角信号を出力するクランク角センサ10、エンジン冷却水温度を検出する水温センサ11が装着され、吸気通路12の上流部には、吸入空気流量を検出するエアフロメータ13、排気通路14には、排気中の酸素濃度等の検出を介して空燃比を検出する空燃比センサ15が装着されている。
【0016】
前記各種センサ類からの検出信号はコントロールユニット16に入力され、コントロールユニット16は、これらの検出信号に基づいて前記燃料噴射弁6に燃料噴射信号を出力して燃料噴射制御を行い、前記点火コイル9に点火信号を出力して点火制御を行い、更に、前記弁駆動装置に弁駆動信号を出力して吸気弁3及び排気弁4の開閉を制御する。また、後述する吸・排気弁の初期化のためにエンジン潤滑油の粘性状態を判定する手段として、油温センサ17が設けられ、該油温センサ17からの検出信号もコントロールユニット16に入力される。
【0017】
ここで、前記吸気弁3及び排気弁4と、これらを駆動するための弁駆動装置2からなる電磁動弁装置のハードウエアについて、図2に基づいて説明する。図2において、シリンダヘッド18に従来と同様の方法で、排気弁4は取り付けられている。即ち、シリンダヘッド18に設けられるバルブガイド19に、排気弁4のステム31が摺動自由に挿通されており、ステム31上端部には、バルブコッター等を介してアッパーシート32が取り付けられ、該アッパーシート32と、シリンダヘッド側のロアシートとの間に、排気弁4を閉弁方向に付勢する(自由長から所定量圧縮された) 閉弁用スプリング33が配設されている。
【0018】
そして、排気弁4が全閉状態で、後述する閉弁用電磁石43でアーマチャを吸着している状態において、前記ステム31の上端部から、所定量離間して、言い換えれば所定のバルブクリアランスを持って、弁駆動装置2の可動軸40が、前記ステム31と同軸上に配設されるようになっている。
前記弁駆動装置2は、非磁性体製のハウジング41と、前記可動軸40に一体に設けられてハウジング41内に摺動自由に収納されるアーマチャ42と、該アーマチャ42を磁気吸引可能にアーマチャ42の上面に対向する位置でハウジング42内に固定配置される閉弁用電磁石43と、該アーマチャ42を磁気吸引して排気弁4を開弁保持可能にアーマチャ42の下面に対向する位置でハウジング41内に固定配置される開弁用電磁石44と、排気弁4の開弁方向に向けてアーマチャ42を付勢する開弁用スプリング45と、を含んで構成されている。
【0019】
そして、図3に示すように、閉弁用電磁石43と開弁用電磁石44とを共に消磁したときに、排気弁4は、半開位置となるように構成されており、この半開位置から前記閉弁用電磁石43のみを通電励磁すると、アーマチャ42は開弁用スプリング45を押し縮める方向に閉弁用電磁石43によって磁気吸引され、一方前記半開位置から開弁用電磁石44のみを通電励磁すると、アーマチャ42は閉弁用スプリング33を押し縮めて排気弁4を開弁する方向に開弁用電磁石44によって磁気吸引される。
【0020】
また、図2、図3に二点鎖線で示すように、アーマチャ42の変位(バルブリフト量)を検出するレーザー測距計等で構成されるリフト量センサ21を配設し、後述するように該検出値に基づいて吸・排気弁の半開位置付近でのアーマチャ42の速度を検出しつつ第 1制御から第2制御への切換を確実に行われるようにする。
【0021】
以上、排気弁4の開閉動作について示したが、吸気弁3についても全く同様の構成によって同様に動作する。但し、本発明は吸気弁、排気弁が共に電磁駆動されるものに限定されるものではなく、少なくとも一方の電磁駆動される弁に適用できるものである。
そして、始動前に、前記吸気弁3及び排気弁4を前記半開位置から、開弁(全開)位置または閉弁位置に保持する初期化を行った後、エンジン運転状態に応じて設定された開閉時期に開閉されるように開閉制御が行なわれる。
【0022】
以下に、前記吸・排気弁の初期化後の開閉制御の各実施の形態を説明する。図4は、第1の実施の形態のフローを示す。ステップ1では、前記油温センサ17によって検出されるエンジン潤滑油温度toを読み込む。
ステップ2では、検出された潤滑油温度toが設定温度to0未満か否かを判定する。ここで、前記設定温度to0は、これより低温であると潤滑油の粘性が大きすぎて吸・排気弁作動のフリクションが大きすぎるため、開弁用電磁石44を通電して、吸・排気弁を全開まで開く第1制御を行なうと消費電力が大きくなりすぎ、該制御の継続によりバッテリの上がりを生じる可能性があり、かつ弁体の移動時間が長引いて実質的に開弁制御不能となる惧れがあるような、下限の温度に設定されている。
【0023】
ステップ2で、潤滑油温度toが設定温度to0以上と判定されたときは、開弁用電磁石44を通電する第1制御を行なうことを決定し、ステップ3以降へ進む。
ステップ3では、第1制御における閉弁用電磁石43及び開弁用電磁石44の制御電流値I1、ステップ4では制御タイミングt1,t2,t3(図5参照、t1:閉弁用電磁石の通電遮断から開弁用電磁石の通電開始までの時間、t2:開弁用電磁石の通電時間、t3:開弁用電磁石の通電遮断から閉弁用電磁石の通電開始までの時間)をそれぞれ潤滑油温度toに応じて推定される潤滑油の粘性に見合った値に設定する。
【0024】
ステップ5では、前記設定値に従って通常の制御を実行する。
図5は、吸気弁3に対して前記第1制御を行なったときの通電制御及びアーマチャ42(及びこれに連係する弁体)の変位を示す。
一方、ステップ2で、潤滑油温度toが設定温度to0未満と判定されたときは、閉弁用電磁石のみを通電制御する第2制御を行なうことを決定し、ステップ6以降へ進む。
【0025】
ステップ6では、閉弁時における閉弁用電磁石43の制御電流値I2を、潤滑油温度toに応じて推定される潤滑油の粘性に見合った値に設定する。この場合も潤滑油温度toが低く粘性が大きいときほど吸・排気弁の作動フリクションが大きいので、制御電流値I2を大きい値に設定すればよい。
ステップ7では、閉弁用電磁石43の制御タイミングt4(図6参照、t4:閉弁用電磁石の通電遮断から通電開始までの時間)を潤滑油温度toに応じて推定される潤滑油の粘性に見合った値に設定する。潤滑油温度toが低く粘性が大きいときほど吸・排気弁の作動フリクションが大きく移動に時間がかかるので通電開始が早められるように、t4を短い値に設定する。
【0026】
ステップ8では、前記設定値に従って第2制御を実行する。上記ステップ2でエンジン潤滑油の粘性状態をあらわす潤滑油温度に応じて第1制御第2制御との切換判定を行なう機能が第1制御切換手段に相当する。
図6は、吸気弁3に対して前記第2制御を行なったときの通電制御及びアーマチャ42(及びこれに連係する弁体)の変位を示す。このようにすれば、通常は開弁時に開弁用電磁石44を通電して弁体を全開まで開く制御を行なうが、極低温時にエンジン潤滑油の粘性が大くなりすぎたときには、開弁時に開弁用電磁石44の通電を行なわず、スプリングの付勢力で半開とすることにより、消費電力を大きく節減できバッテリの上がりを防止できる。また、弁体をの移動期間が半減するため、開弁期間の増大を回避でき、吸・排気弁の開閉制御によってエンジン運転を確保できる。
【0027】
エンジン運転開始後、エンジン温度の上昇と共に潤滑油温度が上昇し、設定温度to0以上になると、前記ステップ2の判定により第1制御に切り換えられる。なお、吸気弁の半開状態では全開状態に比較すると吸気効率の減少は否めないが、前記第2制御が実行されるのは、エンジン始動後の比較的短い期間であり、必要最小限のフェールセーフ運転を確保するには十分である。
【0028】
図4に戻って、ステップ5で、第1制御を開始後、ステップ31でアーマチャ42の変位xを読み込みつつ該変位xを微分処理して速度vを算出する。なお、コスト高となるが別途速度センサを設けて速度検出を行なうようにしてもよい。また、アーマチャ42に連係する弁体の変位、速度を求める構成でもよい。
ステップ32では、アーマチャ42の変位xに基づいて吸・排気弁が半開位置近傍にあるか否かを判定する。
【0029】
そして、半開位置近傍となったときにステップ33へ進んで、アーマチャ42の速度vが所定値vo未満であるか否かを判定し、vo未満でないときには、このまま第1制御を継続するが、vo未満と判定されたときには、吸・排気弁のフリクションが大きすぎ第1制御を行なうことが好ましくないと判断し、ステップ6へ進んで第2制御に切り換える。即ち、前記開弁用電磁石44の通電は行なわれず、前記閉弁用電磁石43の通電遮断後、設定時間t4の経過後に閉弁用電磁石44の通電を開始し、制御電流値I2に制御して閉弁する。
【0030】
このようにすれば、エンジン潤滑油の粘性状態の検出に誤差やバラツキ等があって、第1制御を実質的に行なえない場合が発生したときには、第2制御に切り換えることができる。
なお、前記第2制御に切り換え後、潤滑油の粘性減少によって、前記半開付近におけるアーマチャ42の速度vが所定値vo以上となった場合には、前記ステップ33の判定がYESとなって第1制御に戻されるが、ハンチング防止のため、一旦第2制御に切り換えられた後に、ステップ33で速度判定する場合には、判定用の速度(閾値)をvoより少し大きめの値に設定してヒステリシスを持たせるのがよい。
【0031】
上記第1の実施の形態では、エンジン潤滑油の粘性状態を該粘性状態に密接に相関する潤滑油温度を検出して判定する構成としたため、高精度な制御切換判定を行なうことができる。
一方、エンジン潤滑油と正の相関を有するエンジン冷却水温度を検出することにより、エンジン潤滑油の粘性状態を推定で判定することもでき、精度では潤滑油温度を検出する方が勝るが、他のエンジン制御に必須で必ず装着される前記水温センサ11の検出値を流用することができるため、低コストに実施できる。
【0032】
図7は、該水温センサ11により検出されるエンジン冷却水温度を用いた初期化制御を行なう第2の実施の形態のフローを示す。
ステップ11で、水温センサ11によって検出されるエンジン冷却水温度twを読み込み、ステップ12で、検出された冷却水温度twが設定温度tw0未満か否かを判定する。ここで、前記設定温度tw0は、冷却水温度がこの温度tw0のときにエンジン潤滑油の温度が前記設定温度to0になると推定されるときの温度に設定されている。したがって、エンジン冷却水温度twが前記設定温度tw0以上のときはステップ13〜ステップ16へ進んで第1制御を行ない、設定温度tw0未満のときはステップ17〜ステップ19へ進んで第2制御を行なう。
【0033】
また、エンジン潤滑油圧力もエンジン潤滑油の粘性状態とは相関があり、潤滑油圧力が高いときは粘性が大きくなるので、該エンジン潤滑油圧力を検出することによってもエンジン潤滑油の粘性状態を検出することができる。潤滑油粘性状態の検出精度としては、潤滑油温度を検出する場合と、冷却水温度を検出する場合との中間位と予測されるが、油温センサの配設が難しい場合や、別の制御で油圧検出を行なうため、油圧センサを備えている場合などは有利である。ステップ31〜ステップ33については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する(以下の実施形態でも同様)。
【0034】
前記エンジン潤滑油圧力の検出により、エンジン潤滑油の粘性状態を検出して制御の切り換えを行なう第3の実施の形態としては、図1に一点鎖線で示すように、エンジン潤滑油圧力を検出する油圧センサ20を設け、該油圧センサ20の検出値を用いて、図8に示したフローで制御を行なう。
図8のステップ21では、油圧センサ20によって検出されるエンジン潤滑油圧力poを読み込み、ステップ22で、検出された潤滑油圧力poが設定圧力po0より高いか否かを判定する。ここで、前記設定圧力po0は、潤滑油圧力がこれより高圧であると潤滑油の粘性が大きすぎて吸・排気弁作動のフリクションが大きすぎるため、前記制御では消費電力が増大し、開弁期間も増大して制御不能となる可能性もある上限の圧力に設定されている。したがって、エンジン潤滑油圧力poが前記設定圧力po0以下のときはステップ23〜ステップ26へ進んで第1制御を行ない、設定圧力po0より高いときはステップ27〜ステップ29へ進んで第2制御を行なう。
【0035】
次に、前記各実施形態のステップ31〜ステップ33同様に、制御の切換がより確実に行なわれるようにした第4の実施の形態について説明する。本実施の形態でも、前記リフト量センサ21の検出値に基づいて吸・排気弁の半開位置付近でのアーマチャ42の速度を検出しつつ図9のフローに示す制御を行なう。
図9において、ステップ1〜ステップ8は、図4の第1の実施の形態と同様である。本実施の形態では、ステップ8で第2制御を開始後、前記各実施の形態同様にステップ31でアーマチャ42の変位xの読み込み、速度vの算出を行ない、ステップ32の判定で吸・排気弁が半開位置近傍となったときにステップ33でアーマチャ42の速度vが所定値vo未満であるか否かを判定し、vo未満のときには、このまま第2制御を継続するが、vo未満でないと判定されたときには、吸・排気弁のフリクションが減少したため第1制御を行なうべきと判断し、ステップ3へ進む。
【0036】
このようにすれば、エンジン潤滑油の粘性状態の検出に誤差やバラツキ等があって、第1制御を行なえる状態になっているにも拘わらず第2制御が選択された場合には、速やかに第1制御に切り換えることができる。
また、前記第4の実施の形態のステップ1〜ステップ8の部分を、第2,第3の実施の形態と同様に、エンジン潤滑油の粘性状態の検出をエンジン冷却水温度、エンジン潤滑油圧力を検出して行なうようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態におけるエンジンのシステム構成図。
【図2】実施の形態における電磁動弁装置の吸・排気弁閉弁状態時の構成を示す断面図。
【図3】同上電磁動弁装置の吸気弁半開状態時の構成を示す断面図。
【図4】第1の実施の形態における吸・排気弁の開閉制御を示すフローチャート。
【図5】吸気弁を通常制御により開閉したときの様子を示すタイムチャート。
【図6】吸気弁をフェールセーフ制御により開閉したときの様子を示すタイムチャート。
【図7】第2の実施の形態における吸・排気弁の開閉制御を示すフローチャート。
【図8】第3の実施の形態における吸・排気弁の開閉制御を示すフローチャート。
【図9】第4の実施の形態における吸・排気弁の開閉制御を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン
2 弁駆動装置
3 吸気弁
4 排気弁
10 クランク角センサ
11 コントロールユニット
33 閉弁用スプリング
42 アーマチャ
43 閉弁用電磁石
44 開弁用電磁石
45 開弁用スプリング

Claims (5)

  1. 吸・排気弁を半開位置に付勢するスプリングと、吸・排気弁を開弁方向に吸着して開弁保持させる開弁用電磁石及び吸・排気弁を閉弁方向に吸着して閉弁保持させる閉弁用電磁石と、を備えたエンジンの電磁動弁制御装置において、
    エンジン潤滑油の粘性状態を判定する潤滑油粘性状態判定手段と、
    前記判定されたエンジン潤滑油の粘性状態に基づいて、前記開弁用電磁石と閉弁用電磁石とを通電制御して吸・排気弁を開閉する第1制御と、閉弁用電磁石のみを通電制御して吸・排気弁を開閉する第2制御とを切り換える第1制御切換手段と、
    前記第1制御中に当該電磁動弁の可動部の速度を検出し、半開位置付近での検出速度が所定値未満のときに該第1制御から前記第2制御に切り換える第制御切換手段と、
    を含んで構成したことを特徴とするエンジンの電磁動弁制御装置。
  2. 吸・排気弁を半開位置に付勢するスプリングと、吸・排気弁を開弁方向に吸着して開弁保持させる開弁用電磁石及び吸・排気弁を閉弁方向に吸着して閉弁保持させる閉弁用電磁石と、を備えたエンジンの電磁動弁制御装置において、
    エンジン潤滑油の粘性状態を判定する潤滑油粘性状態判定手段と、
    前記判定されたエンジン潤滑油の粘性状態に基づいて、前記開弁用電磁石と閉弁用電磁石とを通電制御して吸・排気弁を開閉する第1制御と、閉弁用電磁石のみを通電制御して吸・排気弁を開閉する第2制御とを切り換える第1制御切換手段と、
    前記第2制御中に電磁動弁の可動部の速度を検出し、半開位置付近での検出速度が所定値以上となったときに該第2制御から前記第1制御に切り換える第3制御切換手段と、
    を含んで構成したことを特徴とするエンジンの電磁動弁制御装置。
  3. 前記潤滑油粘性状態判定手段は、エンジン潤滑油温度を検出してエンジン潤滑油の粘性状態を判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンの電磁動弁制御装置。
  4. 前記潤滑油粘性状態判定手段は、エンジン冷却水温度を検出してエンジン潤滑油の粘性状態を判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンの電磁動弁制御装置。
  5. 前記潤滑油粘性状態判定手段は、エンジン潤滑油圧力を検出してエンジン潤滑油の粘性状態を判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンの電磁動弁制御装置。
JP22368199A 1999-08-06 1999-08-06 エンジンの電磁動弁制御装置 Expired - Lifetime JP3601365B2 (ja)

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