JP3641713B2 - ホールのプロセニアム可変装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音楽ホール等を演劇等の多目的に使用するため、開口部の寸法を調節するホールのプロセニアム可変装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
演劇を主体とする劇場においては、舞台の前部の位置に天井から下方に向けて仕切り壁が設けられており、仕切り壁の下端部がプロセニアム(開口部)の高さになっている。そして、天井から下げ幕を降ろして開口部の高さを調節し、側面からパネルを出入りさせて、幅寸法を調節している。
パネルには上面部及び下面部に夫々ガイドレールを設け、これらのガイドレールを、仕切り壁及び床面に設けた案内部に連結してパネルを左右に移動させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、音楽ホールにおいては、音響効果を重視するため舞台の中央部には前記仕切り壁は設けず、プロセニアム(開口部)の中央部は天井まで開口されている。
近年、劇場やホールは多目的に使用されるようになっており、音楽ホールも各種の演劇用に利用されることが多い。
従って、演劇に応じてプロセニアム(開口部)の大きさを調節することが要求されている。然しながら、音楽ホールの舞台には中央部に仕切り壁が存在しないので、天井までの高さのパネルを設けてプロセニアムの幅寸法を調節することは甚だ不経済である。
そこで、上部に仕切り壁が存在しない場合でもプロセニアムの幅寸法を調節できるプロセニアム可変装置の開発が要望されている。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、上部に仕切り壁が存在しない場合でもプロセニアムの幅寸法が調節できるホールのプロセニアム可変装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、舞台の両側の側壁から中央部に向けて夫々パネルを突出させて開口部の幅寸法を調節するホールのプロセニアム可変装置であって、
前記側壁に夫々設けられ上面部にガイドレールを取着するとともに下面部に床面のスリットを貫通して下方へ突出するスライド板を取着したパネルと、
前記側壁に間隔を存して2箇所に配設され前記ガイドレールの両側面に接して前記パネルの傾きを防止するガイドローラーと、
床面の下方に設けられ前記スライド板が挿入される溝部を有する複数のローラーを前記パネルの移動範囲に沿って一直線状に配置し前記パネルを移動させる移送部とを備えたところに特徴を有する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例につき図面を参照して説明する。
先ず図6において、音楽ホールにおいては、舞台の両側に天井1から下方へ向けて側壁2が設けられ、プロセニアム(以下開口部3と呼ぶ)が形成されている。
この音楽ホールを演劇等に使用するため、開口部3を調節するには、周知の手段により下げ幕或はパネル4を適宜の高さまで降ろして開口部3の高さを調節し、両側からパネル11を中央部方向へ突出させて開口部3の幅寸法を調節している。
尚、パネル4の下端部はパネル11の上端部と重なる位置まで下降されている。
【0007】
パネル11は、開口部3の両側の高さに対応した大きさを有しており、上面部に断面H型のガイドレール12が取付けられている。このガイドレール12はパネル11の幅寸法よりも長尺に形成されていて、開口部3の反対側に突出し、補強枠13でパネル11の側面に固定されている。
また、パネル11の下面部には下方に向けて鉛直にスライド板14が取着されている。このスライド板14は、床面15に形成されたスリット16を貫通して下方へ突出している。
【0008】
側壁2には間隔をおいた2箇所に支持板21が設けられている。これら支持板21には、ガイドレール12を挟んで2個のガイドローラー22が対向して設けられている。このガイドローラー22は、ガイドレール12の下面に接してパネル11の重量を支えると共に、鍔部23がガイドレール12の側面に接してパネル11の傾きを防止している。
また、側壁2には、2箇の支持板21の中間に取付板24が取着されており、これに減速機付モータ25が取付けられている。この減速機付モータ25は軸端にピニオン26が取付けられており、ガイドレール12の上面に取着されたラック27に噛み合っている。
【0009】
移送部30は、床面の下方にパネル11の移動範囲にわたって敷設され、その端部は側壁2の端面から中央側に突出している。
この移送部30は、取付板31に回転可能に取付けられた複数のローラー32からなり、各ローラー32には、スライド板14が挿入される溝部33が形成されている。これらのローラー32は、パネル11の移動方向に沿って一直線状に配置され、溝部33にスライド板14を挿入した状態でパネル11を載置し、パネル11を移動させる。
尚、スリット16の周縁部にはスライド板14に接してごみ類の侵入を防止するブラシ(図示せず)が取付けられている。
【0010】
つぎに開口部3の幅寸法を調節する手順について説明する。
左右のパネル11が移送部30の端部まで後退すると、開口部3は最大の幅寸法に形成される。
そこで、減速機付モータ25を駆動させると、ピニオン26及びラック27を介してパネル11が中央側へ移動される。
【0011】
この場合、パネル11のスライド板14は、ローラー32の上を転動するので円滑に移動する。また、上部の2個のガイドローラー22の鍔部23が、ガイドレール12の側面に接しているので、パネル11が常に鉛直状態に支持されている。しかも、パネル11の重量を、上部のガイドローラー22と下部のローラー32の両者で分担するので、パネル11の移動が円滑に実行される。
また、パネル11のスライド板14が溝部33に挿入されているので、パネル11の進む方向がぶれることがない。
【0012】
上記実施例によればつぎの効果を奏する。
1,パネル11にスライド板14を設け、ローラー32の溝部33に挿入するので、パネル11の移動が円滑に行われ、しかも、パネル11の進む方向がぶれることがない。
2,上部のガイドローラー22がガイドレール12の側面に接してパネル11が常に鉛直状態に支持されているので、パネル11が側壁2から中央部まで突出しても移動が円滑に行われる。
【0013】
3,パネル11の高さは、側壁2に応じた寸法にすればよいので、小形化できて経費の節約ができる。
4,床面15に形成するスリット16は、スライド板14に対応した細幅でよいので、パネル11を使用しない場合でも実用上なんらの障害も発生しない。
【0014】
尚、上記実施例においては、パネル11を減速機付モータ25を駆動させてピニオン26及びラック27を介して移動させたが、ワイヤまたはチェンを使用して作動させてもよく、或はスクリュージャッキで直押し式さらには手動で作動させてもよい。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、舞台の両側の側壁から中央部に向けて夫々パネルを突出させて開口部の幅寸法を調節する音楽ホールのプロセニアム可変装置であって、
前記側壁に夫々設けられ上面部にガイドレールを取着するとともに下面部に床面のスリットを貫通して下方へ突出するスライド板を取着したパネルと、
前記側壁に間隔を存して2箇所に配設され前記ガイドレールの両側面に接して前記パネルの傾きを防止するガイドローラーと、
床面の下方に設けられ前記スライド板が挿入される溝部を有する複数のローラーを前記パネルの移動範囲に沿って一直線状に配置し前記パネルを移動させる移送部とを備えたので、側壁から中央部へパネルを突出して円滑に移動させることができ、音楽ホールのプロセニアムを演劇に適した大きさに調節できるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す正面図である。
【図2】 側面図である。
【図3】 図1においてIII-III線から見た図である。
【図4】 図1においてIV-IV線から見た図である。
【図5】 図1においてV-V線から見た図である。
【図6】 音楽ホールの舞台の正面図である。
【符号の説明】
1 天井
2 側壁
3 開口部
11 パネル
12 ガイドレール
14 スライド板
15 床面
16 スリット
22 ガイドローラー
23 鍔部
30 移送部
32 ローラー
33 溝部
Claims (1)
- 舞台の両側の側壁から中央部に向けて夫々パネルを突出させて開口部の幅寸法を調節するホールのプロセニアム可変装置であって、
前記側壁に夫々設けられ上面部にガイドレールを取着するとともに下面部に床面のスリットを貫通して下方へ突出するスライド板を取着したパネルと、
前記側壁に間隔を存して2箇所に配設され前記ガイドレールの両側面に接して前記パネルの傾きを防止するガイドローラーと、
床面の下方に設けられ前記スライド板が挿入される溝部を有する複数のローラーを前記パネルの移動範囲に沿って一直線状に配置し前記パネルを移動させる移送部とを備えたことを特徴とするホールのプロセニアム可変装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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