JPH0623255Y2 - 水平パネルシャッター装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、天井部に設ける水平パネルシヤツター装置に
関するものである。

［従来技術及び考案が解決しようとする問題点］ 一般に、この種水平引きのパネルシヤツターにおいて
は、天井に水平状（緩傾斜状）に設けたガイドレールに
案内させてパネルシヤツターの開閉作動を行うようにな
つている。

そしてこのものにおいては、パネルシヤツターを収納す
るためのスペースを可及的に小さいものにして室内空間
を広く活用することが要求されるが、パネル体自体が水
平移動するものであるため、これをそのまま収納しよう
とすると、パネル体は水平姿勢のまま積層して収納され
ることになる。しかるにこの様にすると、その収納スペ
ースを、上下方向に高い大きなものとしなければなら
ず、このため室内の有効スペースが狭くなつてしまうと
いう問題が生じてくる。

［問題を解決するための手段］ 本考案は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点を一掃す
ることができる水平パネルシヤツターの収納装置を提供
することを目的として創案されたものであつて、天井部
の一側に設けた収納部の上端部から略水平状に敷設され
たガイドレールに案内させて開閉するシヤツターカーテ
ンを複数のパネル体を用いて形成してなる水平パネルシ
ヤツターにおいて、前記パネル体には、収納部側に設け
られる走行ローラと、閉鎖移動側に起倒自在に設けられ
る吊りローラとを設ける一方、ガイドレールは、これら
各ローラがそれぞれ転動すべく支持レールとトラツクレ
ールとを下上に平行状に設けて、パネル体を水平状に支
持して開閉移動せしめるべく構成すると共に、上記走行
ローラが転動する支持レールを略収納部入口までと短く
し、吊りローラが転動するトラツクレールは収納部奥方
まで至る長いものとして、収納部内のパネル体を、吊り
ローラのトラツクレールによる吊持で垂下姿勢に支持す
る構成にしたことを特徴とするものである。

そして本考案は、この構成によつて、水平移動するパネ
ル体を垂直状に変姿させて天井部にコンパクトに収納で
きるようにしたものである。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図
面において、１は温室であつて、該温室１は妻側が略東
西を向くようにして東西の方向に長く建付けられるもの
であり、そして南面側の垂直状の支柱２、上端側ほど南
面側に変位するよう傾斜した北面側の支柱３、並びに両
支柱２、３の上端部間に南面側ほど低くなるよう傾斜状
に支架された屋根支柱４を用いて枠組形成されている。
そしてこれら支柱２、３、４、並びに補助枠材５に透光
性の樹脂製フイルム６が外壁として全面に張設されてい
ることによつて温室１が形成されている。

また１０は温室内天井部に南側を先端とし北面側上方に
設ける収納部Ａに収納するよう組付けられるパネルシヤ
ツターＳのシヤツターカーテンであつて、温室１の東西
間に連続的に設置されるものである。Ｐはシヤツターカ
ーテン１０を構成する個別の複数のパネル体であつて、
該パネル体Ｐは、例えば硬質発泡ポリウレタンフオーム
等の断熱材を注入方式やラミネート方式等の適宜手段に
よつて形成された板状の断熱材を用いて構成されてお
り、このパネル体Ｐの上面には、パネル体Ｐの閉鎖移動
側（第２図において左側）の左右両側縁に背高ローラブ
ラケツト１１ａ、パネル体Ｐの開放移動側（収納部Ａに
近い側）の中央部側には背低ローラブラケツト１１ｂが
固定されており、背高ローラブラケツト１１ａには吊り
型の吊りローラ１２が支軸１２ａを支点として前後起倒
自在に、また背低ローラブラケツト１１ｂには走行ロー
ラ１３がそれぞれ取付けられている。

一方、前記シヤツターカーテン１０を案内する吊り型ト
ラツクレール１４は、温室１の天井側、側面、妻部等か
らの支持枠７を介して略天井傾斜に沿つて上向き傾斜
に、そして収納部Ａの辺りはやや下向きに傾斜して奥方
まで長く取付けられており、この実施例においては、該
トラツクレール１４から所定間隔を存した下方中央に前
記走行ローラ１３に対応してパネル支持レール１５が平
行して収納部Ａの入口まで敷設されている。そして、収
納部Ａ内では、前記支持レール１５に代わつてパネル体
Ｐを下方から支持するための複数の支持ローラ１６が、
収納部Ａに固定された支持台１７に取付けられている。
更にパネル体Ｐが水平姿勢から垂下状態の収納姿勢への
揺動変姿を円滑にすべくパネル体Ｐの両端下面を軌跡線
に接する位置で支えるスムーサローラ１８を収納部Ａ内
に設けてある。そして吊りローラ１２はトラツクレール
１４を、中央ローラ１３はパネル支持レール１５内をそ
れぞれ吊持状態で転動するように組付けられている。さ
らに各パネル体Ｐ同志は、吊りローラ１２の軸部間を連
結ワイヤ１９で連結されており、先端のパネル体Ｐの吊
りローラ１２の軸部には開閉機２０の駆動で正逆回動す
るドラム２１、天井部に適宜設けたプーリ２３に懸回さ
れたエンドレスの駆動ワイヤ２２が連結されている。

一方、南面壁に沿つて略垂直状にパネルシヤツターカー
テン３０が取付けられているが、このシヤツターカーテ
ン３０を構成する上下のパネル体Ｐは、室内外方向に交
互に折畳み可能に上下に蝶番３２により連結されてお
り、最上パネル体Ｐの上縁室外側面には、案内ローラ３
３用のローラブラケツト３４が取付けられている。また
このローラブラケツト３４の上下には駆動ワイヤ３５が
連結されており、この両駆動ワイヤ３５はそれぞれ南面
壁側上下に設けられたプーリ３６を経て、開閉機３７に
より駆動されるドラム３８に互いに逆方向に巻装されて
いる。そして最下パネル体Ｐの室外側縁に設けられる蝶
番３２の一辺は支柱２、２間の補強部材等に固定されて
いて、開閉機３７の駆動により最上パネル体Ｐ側から順
次引上げられて閉鎖し、また開閉機の逆転で下方パネル
体Ｐから順次水平状に折畳まれるようになつている。こ
の場合、最上パネル体側から一枚置きに蝶番３２に案内
ローラ３３を設け、ガイドレール３９内を回動するよう
にしてもよい。

叙述の如く構成された本考案の実施例において、シヤツ
ターカーテン１０は、吊りローラ１２が支軸１２ａを支
点に折曲した状態でトラツクレール１４に垂直状に垂下
する収納姿勢となつて収納部Ａに収納されている。そし
て開閉機２０の駆動に伴い駆動ワイヤ２２を移送せし
め、先頭パネル体Ｐ_１（以下、パネル体Ｐについて、最
南側のパネル体を先頭パネル体Ｐ_１、最北側パネル体を
最終パネル体Ｐ_３、中間のパネル体を中間パネル体Ｐ_２
とする。）を前方閉鎖方向に引張ると、先頭パネル体Ｐ
_１はスムーサローラ１８に接当して垂下姿勢が水平姿勢
に変姿され、このとき吊りローラ１２も支軸１２ａを支
点として起立揺動する。そして略水平姿勢（実際は緩傾
斜した姿勢）となつて支持ローラ１６に支持されながら
前進し、走行ローラ１３がパネル支持レール１５に補足
されることになる。そして、パネル体Ｐ_１の閉鎖側への
移送が進むにつれて、パネル体Ｐ間の連結ワイヤ１９が
緊張し、今度は二枚目の中間パネル体Ｐ_２が南面側に連
繋して引張られることとなり、先頭パネル体Ｐ_１と同様
に垂下姿勢から水平姿勢に変姿され、順次パネル体Ｐの
繰出しが成され、最後に最終パネル体Ｐ_３が繰出されて
閉鎖されることになる。

またシヤツターカーテン１０を開放せしめるには、開閉
機２０を逆駆動させることに伴い、上記とは逆作動で収
納される。ここで先頭に近い中間パネル体Ｐ_２の場合に
は、既収納のパネル体Ｐが並列収納されるので、パネル
体Ｐの後端（収納部側）が、スムーサローラ１８への揺
動や、それ以前の直進時において既収納パネル体Ｐに当
接してしまう支障が生じる惧れがあるが、斯る支障が生
じることのないように、先頭及び先頭側パネル体Ｐの
２、３枚のピツチ幅（吊り方向パネル幅）は他のパネル
体Ｐのピツチ寸法より小に設定する等の配慮が実施例で
はなされている。

因みに、南面のシヤツターカーテン３０の開閉は、開閉
機３７の閉鎖用駆動により、駆動ワイヤ３５に固定され
たローラブラケツト３４は上方へ引上げられ、例えばリ
ミツトスイツチ等の検知手段により停止し、また逆駆動
でワイヤ３５は徐々にドラム３８から巻戻されることに
よりパネル体Ｐは蝶番３２部で交互に屈折して下方に折
畳まれて収納される。

この様に、本考案が実施されたものにおいては、シヤツ
ターカーテン１０の自動開閉を開閉機２０の逆駆動によ
つて行うことができるが、開放時、シヤツターカーテン
１０は収納部Ａに垂下姿勢状態でコンパクトに収納され
ることになる。つまりシヤツターカーテン１０を構成す
る各パネル体Ｐは、天井部に平行状に敷設されたトラツ
クレール１４と支持レール１５に支持案内されて水平姿
勢状態で移動するが、収納部Ａの入口に至ると、走行ロ
ーラ１３の支持レール１５による転動が解除されてパネ
ル体Ｐの収納部側が自重下降する一方、吊りローラ１２
は支軸１２ａを支点として折曲してパネル体Ｐは水平姿
勢から垂直姿勢に変姿し、そして短冊状になつて収納さ
れる。従つて従来の様に水平姿勢のものをそのまま上下
方向に積層して収納するものの如く上下に大きな収納ス
ペースを確保する必要がなく、天井部においてコンパク
トな収納スペースを確保すればよいこととなつて、特に
室内の下部スペースが広く有効利用できることになる。

しかもこのものは、パネル体Ｐが水平姿勢から垂下姿勢
に変姿するものであるが、その場合に、吊りローラ１２
は支軸１２ａを支点にして折曲してパネル体Ｐの変姿に
対応するようになつており、このため吊りローラ１２が
パネル面から大きく突出する長いローラブラケツト１１
ａに支持されるものであつても収納部Ａへの収納時、隣
接パネル体Ｐ間の間隙が小さくなつてコンパクト収納が
できる。しかも吊りローラ１２は、収納部Ａにおいても
トラツクレール１４から外れることがないので、パネル
体Ｐの移動が円滑になるという利点もある。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成されたものであ
るから、パネル体が水平姿勢となつて移動し、天井部の
開閉を行うものであるが、収納部に達したパネル体は、
収納部側の走行ローラの支持レールによる転動案内は解
除され、トラツクレールに吊持ち支持される吊りローラ
によつて垂直姿勢に変姿することになつて、従来の様に
水平姿勢のまま上下積層状に収納されることはなく、水
平姿勢から垂直姿勢に変姿した状態で収納されることと
なる。従つて収納部を上下方向に高く確保する必要がな
くなつて、天井部にコンパクトに収納でき、この結果、
床部や空間をその分広く確保し得ることになり、室内床
部の有効スペースが収納部に邪魔されることを効果的に
防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る水平パネルシヤツターの収納装置
の実施例を示したものであつて、第１図は温室の縦断面
図、第２図はパネル体変姿状態を示す側面図、第３図は
パネル体の側面図、第４図は同平面図である。 図中、１０はシヤツターカーテン、１２は吊りローラ、
１２ａは支軸、１３は中央ローラ、１４はトラツクレー
ル、１５はパネル支持レール、１６は支持ローラ、１８
はスムーサローラ、１９は連結ワイヤ、２０は開閉機、
２２は駆動ワイヤである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】天井部の一側に設けた収納部の上端部から
   略水平状に敷設されたガイドレールに案内させて開閉す
   るシヤツターカーテンを複数のパネル体を用いて形成し
   てなる水平パネルシヤツターにおいて、前記パネル体に
   は、収納部側に設けられる走行ローラと、閉鎖移動側に
   起倒自在に設けられる吊りローラとを設ける一方、ガイ
   ドレールは、これら各ローラがそれぞれ転動すべく支持
   レールとトラツクレールとを下上に平行状に設けて、パ
   ネル体を水平状に支持して開閉移動せしめるべく構成す
   ると共に、上記走行ローラが転動する支持レールを略収
   納部入口までと短くし、吊りローラが転動するトラツク
   レールは収納部奥方まで至る長いものとして、収納部内
   のパネル体を、吊りローラのトラツクレールによる吊持
   で垂下姿勢に支持する構成にしたことを特徴とする水平
   パネルシヤツター装置。