JP3639593B2 - 塩基性線維芽細胞増殖因子含有架橋ゼラチンゲル製剤 - Google Patents

塩基性線維芽細胞増殖因子含有架橋ゼラチンゲル製剤 Download PDF

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Description

産業上の利用分野
本発明は、塩基性線維芽細胞増殖因子(Basic Fibroblast Growth Factor、以下bFGFと略称する)を含有することを特徴とする架橋ゼラチンゲル製剤に関するものである。
従来の技術
bFGFは、1974年にGospodarowiczによって、ウシ脳下垂体から線維芽細胞の増殖を強く刺激するタンパク質として見出された(Nature;24巻、124頁、1974年)。その後bFGFをコードする遺伝子がクローニングされ、遺伝子組み換え技術を用いた大量生産が可能になり、bFGFの研究は精力的に行われるようになった。その結果、線維芽細胞ばかりでなく、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、角膜内皮細胞、骨芽細胞、軟骨細胞などの多種類の細胞に対する細胞増殖を刺激することが明らかになってきた。
しかし、bFGFは、他のポリペプチドおよびタンパク質と同様に生体内半減期が短く、水溶液として投与したのでは期待する効果が得られない。そのため、bFGFを安定に保ち、ある一定の期間徐々に放出することのできる徐放化製剤とすることが望ましい。そこで、本発明者らはbFGFの徐放製剤化を目的としてbFGFの徐放化担体の開発を進めてきた。
近年、生理活性ペプチドおよびタンパク質の徐放化製剤が広く研究されており、その徐放化担体として、ポリグリコール酸・乳酸、ポリ酸無水物などの生体分解性合成高分子、多糖類あるいはタンパク質などの天然高分子の生体内分解吸収性高分子が挙げられる。
発明が解決しようとする課題
生体内分解吸収性天然高分子は、生体適合性に優れ、生体に対する刺激が少ないため徐放性担体として好ましいが、これらの多くは水溶性であり、水溶性の生理活性ペプチドであるbFGFの徐放化不溶性担体としては適していない。
そこで、本発明者らは、生体内分解吸収性天然高分子を何等かの方法で水不溶化し、bFGFの徐放化不溶性担体として使用できるものとを得ることを目的として検討を進めてきた。
その結果、生体内分解吸収性天然高分子であるゼラチンを架橋処理することにより水不溶性とした架橋ゼラチンゲルが、bFGFの徐放化担体として適していることを見出し本発明を完成させた。
発明の開示
すなわち、本発明は、塩基性線維芽細胞増殖因子を含有することを特徴とする架橋ゼラチンゲル製剤を要旨とする。
本発明は、生体適合性が良く、生体に対する刺激が少ない、徐放性担体として優れた性質を有する架橋ゼラチンゲルを用い、適宜所望の徐放速度とすることができるbFGFの徐放性製剤を提供することに特徴を有する。徐放速度は、ゼラチンの架橋の程度、架橋ゼラチンゲルの含水率、用いるゼラチンの性質(等電点など)により変化させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、bFGF水溶液(bFGF100μg)マウス皮下投与における周辺組織のヘモグロビン量の経時的変化を示す図である。
図2は、架橋ゼラチンゲル(含水率95.9%)製剤(bFGF100μg)マウス皮下埋入における周辺組織のヘモグロビン量の経時的変化を示す図である。
図3は、マウス皮下埋入架橋ゼラチンゲル(含水率95.2%)製剤(bFGF100μg)の残存重量の経時的変化を示す図である。
図4は、bFGFの投与量と投与部位周辺組織のヘモグロビン量の関係を示す図である。
図5は、マウス皮下埋入架橋ゼラチンゲル製剤(bFGF100μg)埋入7日目における埋入部位周辺組織のヘモグロビン量と架橋ゼラチンゲルの含水率の関係を示す図である。
図6は、マウス皮下埋入架橋ゼラチンゲル製剤(bFGF100μg)埋入14日目における埋入部位周辺組織のヘモグロビン量と架橋ゼラチンゲルの含水率の関係を示す図である。
図7は、含水率の異なる架橋ゼラチンゲル製剤(bFGF100μg)のマウス皮下埋入後の残存重量の経時的変化示す図である。
図8は、架橋ゼラチンゲル製剤(bFGF100μg)のマウス皮下埋入7日目における肉芽組織形成とゲル含水率の関係を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の架橋ゼラチンゲル製剤は、徐放性担体架橋ゼラチンゲルに有効成分bFGFを含有してなるものである。本発明で用いる架橋ゼラチンゲルの原料となるゼラチンには、特に制限はなく、通常入手できるものでよい。このようなゼラチンとしては、例えば、等電点4.9アルカリ処理ゼラチン(新田ゼラチン社製)、等電点9.0酸処理ゼラチン(新田ゼラチン社製)等が挙げられる。また、ゼラチンは、一種のみでなく、溶解性、分子量、等電点および原料等の物性の異なるものを混合して用いてもよい。
本発明で用いることのできるゼラチンを架橋するための架橋剤としては、生体に対して毒性のないものであればよいが、例えばグルタルアルデヒド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−メト−p−トルエンスルホナート等の水溶性カルボジイミド、ビスエポキシ化合物、ホルマリン等が好ましく、グルタルアルデヒドおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩が特に好ましい。
また、ゼラチンは、熱処理又は紫外線照射によっても架橋化できる。
本発明で用いる徐放性担体である架橋ゼラチンゲルの形状は特に制限はないが、例えば円柱状、角柱状、シート状、ディスク状、球状、粒子状などがある。円柱状、角柱状、シート状、ディスク状のものについては、通常インプラントとして用いられることが多く、また球状、粒子状のものは注射投与も可能である。
円柱状、角柱状、シート状、ディスク状の架橋ゼラチンゲルは、ゼラチン水溶液に架橋剤水溶液を添加するか、あるいは架橋剤水溶液にゼラチンを添加し、所望の形状の鋳型に流し込み、架橋反応させて調製することができる。また、成形したゼラチンゲルをそのまま、あるいは乾燥後に架橋剤水溶液を添加してもよい。架橋反応を停止させるには、エタノールアミン、グリシン等のアミノ基を持つ低分子物質に接触させるか、又はpH2.5以下の水溶液を添加する。得られた架橋ゼラチンゲルは、蒸留水、エタノール、2−プロパノール(以下、IPAという)、アセトン等により洗浄し、製剤調製に供される。
得られる架橋ゼラチンゲルの含水率は、50〜99w/w%(以下、単に%で表示する)である。ここで、ゲルの含水率とは、湿潤時のゲル全重量に対するゲル中の水分重量の割合を示す。
球状、粒子状の架橋ゼラチンゲルは、例えば、三つ口丸底フラスコに固定した攪拌用モーター(例えば新東科学社製、スリーワンモーター、EYELA mini D.C.Stirrer等)とテフロン製攪拌用プロペラを取り付け、フラスコと一緒に固定した装置に、ゼラチン水溶液を入れ、ここにオリブ油等の油を加えて200〜600rpm程度の速度で攪拌し、W/O型エマルジョンとし、これに架橋剤水溶液を添加するか、ゼラチン水溶液をあらかじめオリブ油中にて前乳化(例えばvortex mixer Advantec TME−21、ホモジナイザーpolytron PT10−35等)しておいたものをオリブ油中に滴下し、微粒子化したW/O型エマルジョンを調製し、これに架橋剤水溶液を添加し、架橋反応させ、塩心分離により架橋ゼラチンゲルを回収し、アセトン、酢酸エチル等で洗浄し、さらにIPA、エタノール等に浸漬して架橋反応を停止させることにより調製することができる。得られた架橋ゼラチンゲル粒子は、IPA、Tween80を含む蒸留水、蒸留水等で順次洗浄し、製剤調製に共される。
架橋ゼラチンゲル粒子が凝集する場合には、例えば、超音波照射(冷却下、1分以内程度が好ましい)等を行ってもよい。
なお、前乳化することによって、粒子サイズ20μm以下の微粒子状の架橋ゼラチンゲルが得られる。
得られる架橋ゼラチンゲル粒子の平均粒径は、1〜1000μmであり、目的に応じて適宜必要なサイズの粒子をふるい分けして使用する。例えば、ヒトの骨折、骨粗鬆症などの治療のために局所投与する場合は10〜150μmの粒子を用いるのが好ましい。また、得られる架橋ゼラチンゲル粒子の含水率は50〜93%程度であり、適宜好ましい含水率のものを調製できる。
球状、粒子状の架橋ゼラチンゲルを調製する別法として次のような方法もある。上記の方法と同様の装置にオリブ油を入れ、200〜600rpm程度の速度で攪拌し、ここにゼラチン水溶液を滴下し、W/O型エマルジョンを調製し、これを冷却後アセトン、酢酸エチル等を加えて攪拌し、遠心分離によりゼラチン粒子を回収する。回収したゼラチン粒子をさらにアセトン、酢酸エチル等、次いでIPA、エタノール等で洗浄後、乾燥させる。乾燥ゼラチン粒子を0.1%Tween80を含む架橋剤水溶液に懸濁させ、緩やかに攪拌しながら架橋反応させ、使用した架橋剤に応じて0.1%Tween80を含む100mMグリシン水溶液または0.1%Tween80を含む0.004N HClなどにて洗浄して架橋反応を停止することにより架橋ゼラチンゲル粒子を得ることができる。
本別法で得られる架橋ゼラチンゲル粒子の平均粒径および含水率は、上記の方法で得られるものと同様である。
架橋反応条件は、適宜選択すべきであるが、反応温度は0〜40℃、反応時間は1〜48時間が好ましい。
上記のようにして得られた架橋ゼラチンゲルは減圧乾燥または凍結乾燥させることもできる。
凍結乾燥は、例えば架橋ゼラチンゲルを蒸留水に入れ、液体窒素中で30分以上または−80℃で1時間以上凍結させた後に凍結乾燥機で1〜3日間乾燥させることにより行う。
架橋ゼラチンゲルを調製する際のゼラチンゲルと架橋剤の濃度は、所望の含水率により適宜選択すべきであるが、ゼラチン濃度1〜100w/v%(以下、単に%で示す)、架橋剤濃度0.01〜100w/v%(以下、単に%で示す)(1〜5400mMに相当)が好ましい。
架橋ゼラチンゲルは、原料であるゼラチンと架橋剤の濃度を変化させることにより所望の含水率とすることができる。含水率を高くするには、ゼラチン濃度、架橋剤濃度共に低くし、逆に含水率を低くするにはゼラチン濃度、架橋剤濃度共に高くすればよい。
上記のようにして調製した架橋ゼラチンゲルにbFGFを含有させるには、bFGF水溶液を架橋ゼラチンゲルに滴下して含浸させるか、架橋ゼラチンゲルをbFGF水溶液中に懸濁して再膨潤させる。
架橋ゼラチンゲルに含有させることができるbFGFの量は、架橋ゼラチンゲルの含水率等により異なるが、架橋ゼラチンゲル1mg当たり0.1〜500μgが可能である。
なお、徐放期間、bFGFの放出量等は、製剤に含有されるbFGFの量、架橋ゼラチンゲルの含水率、用いたゼラチンの等電点等の物性、投与される部位などの種々の条件により異なる。
上記のようにして得られたbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤(以下、架橋ゼラチンゲル製剤という)は、凍結乾燥することもできる。凍結乾燥する場合には、例えば、液体窒素中で30分以上また−80℃で1時間以上凍結させた後に、凍結乾燥機で1〜3日間乾燥させることにより行う。
本発明の架橋ゼラチンゲル製剤の有効成分であるbFGFは、脳下垂体、脳、網膜、黄体、副腎、腎、胎盤、前立腺、胸腺などの臓器より抽出されるもの、組換えDNA技術などの遺伝子工学的手法で製造されるもの、さらにこれらの修飾体であって線維芽細胞増殖因子として作用し得るものを含む。bFGFの修飾体としては、例えば上記の抽出により得られたまたは遺伝子工学的手法で得られたbFGFのアミノ酸配列においてアミノ酸が付加されたもの、アミノ酸の一部が他のアミノ酸で置換されたもの、またはアミノ酸の一部が欠損したものなどが挙げられる。本発明においては、これらのbFGFまたはその修飾体は単独で用いてもよいし、これらの混合物として用いてもよい。
上記bFGFとしては、好ましくは、例えばWO87/01728(特表昭63−500843号公報)、WO89/04832(特表平2−504468号公報)、WO86/07595(特表昭63−500036号公報)、WO87/03885(特表昭63−501953号公報)、欧州特許出願公開第237966号明細書(特開昭63−226287号公報)、欧州特許出願公開第281822号明細書(特開平2−193号公報)、欧州特許出願公開第326907号明細書(特開平2−209894号公報)、欧州特許出願公開第394951号明細書(特開平3−61494号公報)、欧州特許出願公開第493737号明細書(特開平5−124975号公報)などに記載のものが挙げられる。
これらのbFGFのうち、WO87/01728に記載の遺伝子工学的手法で製造した下記の配列番号1の154個のアミノ酸配列を有するポリペプチドおよび配列番号2の153個のアミノ酸配列を有するポリペプチドが、安定性および材料として必要な量を常時供給することが容易であるという点から特に好ましい。配列番号1のアミノ酸配列を有するbFGFは、具体的には特表昭63−500843号公報の実施例に記載されているように、ヒトの腎臓のmRNAから調製されたλgt10cDNAライブラリーからウシの1.4kb塩基性副断片を用いてヒトのbFGFのcDNAクローンを調製し、発現ベクターを構築して前記クローンを発現することによって得られる。
配列番号1:
配列の性質:
配列の長さ:154アミノ酸
配列の型:アミノ酸
起源
生物名:ホモ サピエンス(Homo sapiens)
配列
Figure 0003639593
配列番号2:
配列の性質:
配列の長さ:153アミノ酸
配列の型:アミノ酸
起源
生物名:ホモ サピエンス(Homo sapiens)
配列
Figure 0003639593
実施例
以下、実施例および試験例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例および試験例に限定されるものではない。
(実施例1)
等電点4.9アルカリ処理ゼラチン(新田ゼラチン社製)水溶液(5.6%)450μlに、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(同人化学社製)(以下、WSCと略す)水溶液(2.0%、107mMに相当)を加えた後、直径8mmの円筒状鋳型に流し込み、4℃にて24時間保って、架橋反応を行った。反応処理後、0.004N HCl中、37℃で1時間処理し、架橋反応を停止し、得られた架橋ゼラチンゲルを蒸留水で37℃、12時間洗浄した。37℃で24時間にわたる水中での膨潤処理前後での架橋ゼラチンゲル重量の変化からゲルの含水率を測定したところ、95.9%であった。得られた円柱状のゲルを厚み2mmのディスク状に切り出した後、乾燥させた。この乾燥ゲルに100μgのbFGFを含む50mMリン酸緩衝溶液(pH6.0)30μlを滴下し、4℃で一昼夜放置することにより、bFGF100μgを架橋ゼラチンゲル内に含浸させbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を調製した。
(実施例2)
等電点9.0酸処理ゼラチン(新田ゼラチン社製)(5.6%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を調製した。架橋ゼラチンゲルの含水率は95.2%であった。
(実施例3)
WSCの濃度を8.0%(428mMに相当)とした以外は、実施例1と同様の条件でbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を調製した。架橋ゼラチンゲルの含水率は95.2%であった。
(実施例4)
ゼラチンの濃度を11.1%、WSCの濃度を16.4%(856mMに相当)とした以外は、実施例1と同様の方法でbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を調製した。架橋ゼラチンゲルの含水率は92.1%であった。
(実施例5)
後記する表1に示す各濃度の等電点4.9アルカリ処理ゼラチン(新田ゼラチン社製)水溶液に、同じく表1に示す濃度のWSC水溶液を加えた後、直径8mmの円筒状鋳型に流し込み、4℃にて24時間、架橋反応を行った。反応終了後、0.004N HCl中、37℃で1時間処理し、架橋反応を停止し、架橋ゼラチンゲルを蒸留水で37℃、12時間洗浄した。37℃で24時間、水中での膨潤処理前後での架橋ゼラチンゲル重量の変化から、ゲルの含水率を測定した。得られた架橋ゼラチンゲルの含水率を表1に示した。得られた円柱状の各架橋ゼラチンゲルを厚み2mmのディスク状に切り出して、乾燥させた。この乾燥ゲルに100μgのbFGFを含む50mMリン酸緩衝溶液(pH6.0)30μlを滴下し、4℃で一昼夜放置することにより、bFGF100μgを架橋ゼラチンゲル内に含浸させてbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を調製した。
(実施例6)
上記実施例5で得られた含水率80.0%の円柱状の架橋ゼラチンゲルをWSC水溶液(9.6%、500mM相当)に24時間浸漬することにより、含水率63.1%の架橋ゼラチンゲルを調製した。得られた含水率63.1%の円柱状の架橋ゼラチンゲルを厚み2mmのディスク状に切り出して、乾燥させた。この乾燥ゲルに100μgのbFGFを含む50mMリン酸緩衝溶液(pH6.0)30μlを滴下し、4℃で一昼夜放置することにより、bFGF100μgを架橋ゼラチンゲル内に含浸させてbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を調製した。
(実施例7)
後記する表1に示す濃度のゼラチン水溶液に、同じく表1に示す濃度のWSC水溶液を加えた以外は実施例5と同様の方法で架橋反応を行い、架橋ゼラチンゲルを得た。得られた架橋ゼラチンゲルの含水率を表1に示した。得られた円柱状の各架橋ゼラチンゲルを厚み2mmのディスク状に切り出して乾燥させた。この乾燥架橋ゼラチンゲルに100μgのbFGFを含む50mMリン酸緩衝溶液(pH6.0)30μlを滴下し、4℃で一昼夜放置することにより、bFGF100μgをゼラチンゲル内に含浸させ、bFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を調製した。
(実施例8)
上記実施例7で得られた含水率78.5%の円柱状の架橋ゼラチンゲルをWSC水溶液(9.6%、500mMに相当)に24時間浸漬することにより、含水率68.9%の架橋ゼラチンゲルを調製した。得られた含水率68.9%の円柱状の架橋ゼラチンゲルを厚み2mmのディスク状に切り出して乾燥させた。この乾燥架橋ゼラチンゲルに100μgのbFGFを含む50mMリン酸緩衝溶液(pH6.0)30μlを滴下し、4℃で一昼夜放置することにより、bFGF100μgをゼラチンゲル内に含浸させ、bFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を調製した。
(実施例9)
等電点4.9アルカリ処理ゼラチン(新田ゼラチン社製)水溶液(5.6%)0.9mlを250mlのオリブ油に加え、室温下、450rpmにて攪拌し、W/O型エマルジョンを調製した。これにWSC水溶液(16.4%、856mMに相当)0.1mlを加え、一昼夜攪拌を続けてゼラチンを架橋し、架橋ゼラチンゲル粒子を得た。得られた架橋ゼラチンゲル粒子の平均粒径は30μmであり、その架橋ゼラチンゲル粒子の含水率は96.0%であった。この粒子を乾燥した後、乾燥粒子10mgを100μgのbFGFを含む50mMリン酸緩衝溶液(pH6.0)30μlに浸漬し、4℃で一昼夜放置することにより、bFGFを架橋ゼラチンゲル粒子内に含浸させ、bFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。
(実施例10)
500ml容三つ口フラスコにオリブ油250mlを加え、固定した攪拌用モーター(新東科学社製、スリーワンモーター)にテフロン製攪拌用プロペラを取り付け、フラスコと一緒に固定した。別にオリブ油5mlを採り45℃に加温した後、等電点4.9のアルカリ処理ゼラチン(新田ゼラチン社製)水溶液(11.1%)0.9mlを加え、ホモジナイザー(Polytron PT−35)を用いて30秒間の前乳化を行った。この前乳化したエマルジョンを、予め攪拌しておいたオリブ油中に加えた。このようにして得られたW/O型エマルジョンに、WSC水溶液(27.0%、1424mMに相当)0.1mlを加え、約15時間攪拌を続けてゼラチンを架橋した。架橋反応後、ここに50mlのアセトンを加え、1時間攪拌した後、遠心分離により架橋ゼラチンゲル粒子を回収した。回収した架橋ゼラチンゲル粒子をアセトンにて洗浄し(遠心3000rpm、5分を5回)、さらに0.004N HClを含む2−プロパノール(以下、IPAという)中に架橋粒子を37℃、1時間浸漬することにより、残存するWSCによる架橋反応を停止させた。反応停止後、これらの架橋粒子をIPAにて洗浄した(遠心3000rpm、5分を5回)。さらに0.1%Tween80を含む蒸留水で1回(遠心2000rpm、5分)、蒸留水で2回(遠心2000rpm、5分)洗浄し、凍結乾燥させることにより架橋ゼラチンゲル粒子(平均粒径4μm、含水率91.0%)の乾燥粉末を得た。
得られた乾燥架橋ゼラチンゲル粒子10mgに3.3mg bFGF/1ml 1/15M リン酸緩衝液(pH6)の30μlを滴下し、4℃、一昼夜放置することによりbFGF水溶液を粒子内に含浸させることにより、bFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。得られたbFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を凍結乾燥させることにより、bFGF含有乾燥架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。
(実施例11)
上記実施例10で得られた乾燥架橋ゼラチンゲル粒子2mgに、8mg bFGF/1ml 20mMクエン酸緩衝液(pH5)の10μlを滴下し、4℃、一昼夜放置することによりbFGF水溶液を粒子内に含浸させることにより、bFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。得られたbFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を凍結乾燥させることにより、bFGF含有乾燥架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。
(実施例12)
上記実施例10で得られた乾燥架橋ゼラチンゲル粒子10mgに、1mg/ml bFGF水溶液200μlを加えて懸濁し、室温、1時間放置することによりbFGF水溶液を粒子内に吸着させることにより、bFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。得られたbFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を凍結乾燥させることにより、bFGF含有乾燥架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。
(実施例13)
1000ml容三つ口丸底フラスコにオリブ油375mlを加え、固定した攪拌用モーター(新東科学社製、スリーワンモーター)にテフロン製攪拌用プロペラを取り付け、フラスコと一緒に固定した。オリブ油を30℃、420rpmにて攪拌しながら等電点4.9アルカリ処理ゼラチン水溶液(10.0%)10mlを滴下し、W/O型エマルジョンを調製した。10分間攪拌後、フラスコを10〜20℃に冷却し、30分攪拌した。冷却後、ここに100mlのアセトンを加え1時間攪拌した後、遠心分離によりゼラチン粒子を回収した。回収したゼラチン粒子をアセトンにて洗浄し、さらにIPAにて洗浄することにより未架橋ゼラチン粒子を得た。この未架橋ゼラチン粒子を乾燥させ、4℃で保存した。
乾燥した未架橋ゼラチン粒子500mgを0.1%Tween80を含むグルタルアルデヒド(以下、GAという)(0.05%、5.0mMに相当)100mlに懸濁させ、4℃、15時間ゆるやかに攪拌することにより架橋反応を行った。反応終了後、架橋粒子を遠心分離により回収し、0.1%Tween80を含む100mMグリシン水溶液にて37℃、1時間洗浄することにより架橋反応を停止した。反応停止後、架橋粒子を順に0.1%Tween80水溶液、IPA、0.1%Tween80水溶液で洗浄し、蒸留水で2回洗浄した後に凍結乾燥を行い、乾燥架橋ゼラチンゲル粒子(平均粒径40μm、含水率87.0%)を得た。
得られた乾燥架橋ゼラチンゲル粒子10mgに3.3mg bFGF/1ml 1/15Mリン酸緩衝液(pH6)の30μlを滴下し、4℃、一昼夜放置することによりbFGF水溶液を粒子内に含浸させることにより、bFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。得られたbFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を凍結乾燥させることにより、bFGF含有乾燥架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。
(実施例14)
上記実施例13で得られた乾燥架橋ゼラチンゲル粒子2mgに、8mg bFGF/1ml 20mMクエン酸緩衝液(pH5)の10μlを滴下し、4℃、一昼夜放置することによりbFGF水溶液を粒子内に含浸させることにより、bFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。得られたbFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を凍結乾燥させることにより、bFGF含有乾燥架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。
(実施例15)
上記実施例13で得られた乾燥架橋ゼラチンゲル粒子10mgに、1mg/ml bFGF水溶液200μlを加えて懸濁し、室温、1時間放置することによりbFGF水溶液を粒子内に吸着させることにより、bFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。得られたbFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤を凍結乾燥させることにより、bFGF含有乾燥架橋ゼラチンゲル粒子製剤を調製した。
(実施例16)
等電点4.9アルカリ処理ゼラチン(新田ゼラチン社製)水溶液(10.0%)20mlを直径10cmのシャーレに流し込み、乾燥させた後、この乾燥ゼラチンシートをWSC水溶液(0.04%、2.0mMに相当)浸漬し、4℃にて24時間保って架橋反応を行った。反応終了後、0.004N HCl中、37℃で1時間処理し、架橋反応を停止し、さらに蒸留水で37℃、12時間洗浄することにより架橋ゼラチンゲルを得た。このゲルを4×3×2mmの大きさのディスク状に切り出し、減圧乾燥を行った。得られたゲルの含水率は87.0%であった。
この乾燥架橋ゼラチンゲルに、それぞれ200μg/mlおよび1mg/mlのbFGF水溶液10μlずつを滴下し、4℃、15時間含浸させて2種類のbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を調製した。
上記実施例1〜16で調製したbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤およびbFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤の処方および得られた架橋ゼラチンゲルの含水率を表1として示す。
表1中、架橋剤WSCおよびGAはそれぞれ1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩およびグルタルアルデヒドを表す。また、表中のゼラチンおよび架橋剤の濃度%は、それぞれ「w/v%」を表し、含水率の%は、「w/w%」を表す。
Figure 0003639593
Figure 0003639593
Figure 0003639593
(試験例1)
実施例1にて調製したbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤をマウス背部皮下に埋入した。別に対照群として、bFGFを含まない50mMリン酸緩衝溶液30μlを含浸させたbFGF非含有架橋ゼラチンゲルの皮下埋入を行った。さらに別の対照群として、100μgのbFGFを含むリン酸緩衝溶液100μlを皮下投与した。投与から1週間後、マウスの皮膚を剥離し、製剤埋入およびリン酸緩衝溶液投与部位をそれぞれ観察した。bFGF含有リン酸緩衝溶液投与群では、投与部位周辺の組織の状態は未処置群と同じであり、肉眼的変化は認められなかった。しかしながら、bFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を埋入した場合には、製剤埋入部位周辺の組織は肉眼的にも赤く、明らかにbFGFの作用の一つである血管新生効果が確認された。bFGF非含有架橋ゼラチンゲル投与群の埋入部位周辺も未処置群と同様、全く血管新生像は認められなかった。
上記の結果から、bFGF含有リン酸緩衝溶液投与群では、bFGFの薬効は全く得られない、すなわちbFGF水溶液での投与ではbFGFは生体組織中で速やかに分解され薬効を失う。これに対し、本発明のbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を用いれば、bFGFは生体組織中で分解されることなく担体である架橋ゼラチンゲルから徐放されその薬効を発揮・持続できることがわかる。また、架橋ゼラチンゲルは、生体適合性に優れていることがわかる。
(試験例2)
実施例1にて調製したbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤をマウス皮下に埋入し、投与から1、3、7および14日後における埋入部位周辺での血管新生の程度をヘモグロビン量の変化を指標に評価した。別に、対照群としてbFGFを含有しない架橋ゼラチンゲルをマウス皮下に埋入した群(bFGF(−)架橋ゼラチンゲル投与群)、100μgのbFGFのリン酸緩衝溶液をマウス皮下に注射投与した群(bFGF(+)水溶液投与群)、bFGFを含有しないリン酸緩衝液を注射投与した群(bFGF(−)水溶液投与群)についても同様に血管新生の程度を評価した。なお、新生血管量の評価は以下のように行った。製剤埋入部位または注射投与部位の皮膚の裏側ならびに背部筋側組織を、製剤埋入部位または注射投与部位を中心に上下左右2cm四方をメスにて削り取った。これらの組織を0.75%の塩化アンモニウムを含有した17mM Tris−HCl緩衝溶液(pH7.6)中に浸漬し、ヘモグロビンを抽出した。ヘモグロビンはシアンメトヘモグロビン法(和光純薬工業株式会社製、ヘモグロビン−テストワコー)にて定量した。なお、マウスの匹数は1グループ当り5匹である。各群のヘモグロビン量の経時的変化を図1および図2に示す。図中の点線は、未処置群のヘモグロビン量を示している。100μgのbFGFを溶液状態で投与するだけでは、その組織周辺のヘモグロビン量は変化せず、bFGF非含有リン酸緩衝溶液を投与した場合と同一レベルであった。このヘモグロビンレベルは、未処置群のヘモグロビン量と同じであった。しかしながら、同量の100μgのbFGFを含む架橋ゼラチンゲル製剤を埋入した場合には、埋入部位周辺のヘモグロビン量は、100μgのbFGFを溶液状態で投与した群に比べて、埋入3日目より有意に増加した。さらに、その状態は7日まで継続し、その後、14日目には未処置群のヘモグロビンレベルにまで減少していた。一方、bFGF(−)架橋ゼラチンゲル投与群では、そのヘモグロビン量は未処置群と同じレベルであった。
(試験例3)
実施例3にて調製したbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤(含水率95.2%)をマウス背部皮下に埋入し、投与から1、7および14日後における残存架橋ゼラチンゲル重量を測定することにより、ゲルのin vivoでの分解性を評価した。架橋ゼラチンゲルは時間とともに分解され、投与から14日目には完全に分解され組織に吸収されていた。また、bFGFを含まない架橋ゼラチンゲルの分解性は、bFGF含有架橋ゼラチンゲルと同等であり、bFGFの含有が架橋ゼラチンゲルの分解性に与える影響は見られなかった。その結果を図3に示す。投与後数日間の残存重量が投与時よりも増加して100%を超えるのは、マウス皮下より架橋ゼラチンゲルを回収した時に、マウスの皮下組織が架橋ゼラチンゲルに付着していたためと考えられる。
なお、試験例1にて、血管新生効果が見られたbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤(含水率95.9%)も、同様の分解挙動を示した。
(試験例4)
実施例4にて調製した架橋ゼラチンゲルを乾燥した後、それぞれ0、2、10、30、50、100および290μgのbFGFを含むリン酸緩衝溶液(pH6.0)を含浸させ、bFGF非含有および各濃度のbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を調製した。これらの製剤をマウス背部皮下に埋入し、投与から7日後、製剤埋入部位周辺のヘモグロビン量を評価した。その結果を図4に示す。図中の点線は、未処置群のヘモグロビンレベルである。対照群として、0、2、10、30、50、100および290μgのbFGF含有リン酸緩衝溶液100μlをマウス皮下に投与した。bFGF溶液投与の場合には、その投与量に関係なく、いずれの投与量においても、ヘモグロビン量の増加は見られなかった。これに対し、bFGFを架橋ゼラチンゲルに包含した本発明製剤によれば、有意なヘモグロビン量の増加が見られ、その効果は、bFGF投与量が10μg/マウスから認められた。
(試験例5)
実施例5および6にて調製した種々の含水率を有する架橋ゼラチンゲルからなるbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤をマウス背部皮下に埋入し、架橋ゼラチンゲルの含水率がbFGFのin vivoでの血管新生作用に及ぼす影響について調べた。製剤埋入後7日目および14日目の結果をそれぞれ図5および図6に示す。別に対照として、100μgのbFGFを含むリン酸緩衝溶液(pH7.4)100μlの皮下投与を行った。なお、図中の点線は未処置群のヘモグロビン量である。図5および6からわかるように、製剤埋入7日後ではいずれの含水率をもつゲルにおいても、そのヘモグロビン量は、bFGFの水溶液投与に比較して、有意に高い値であった。また、ヘモグロビン量は架橋ゼラチンゲルの含水率に依存し、ゲルの含水率の低下とともにヘモグロビン量は上昇した。一方、製剤埋入14日後では、含水率90%以下の架橋ゼラチンゲルからなる製剤においてのみ、高いヘモグロビン量が見られたが、それ以上の含水率をもつ架橋ゼラチンゲルからなる製剤では、ヘモグロビン量はすでに未処置群のレベルにまで低下していた。これは、含水率が低い場合には、架橋ゼラチンゲルの分解が遅く、14日目においても、bFGFがゲル内から徐放され、その効果が発揮されていると考えられる。
(試験例6)
実施例5で調製した含水率95.9および77.5%の各架橋ゼラチンゲルからなるbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤のマウス皮下での分解性を調べた。その結果を図7に示す。分解性の評価は試験例3と同様の方法で行った。いずれの含水率のゲルも、時間とともに分解が進行している。しかし、その分解性はゲルの含水率に依存しており、含水率の低下に伴い、分解しにくくなっている。
(試験例7)
実施例7および8にて調製した各bFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤をマウス背部皮下に埋入し、架橋ゼラチンゲルの含水率がbFGFのin vivoでの肉芽形成(エンカプシュレーション)作用に及ぼす影響について調べた。bFGFの肉芽形成作用は以下のようにして調べた。製剤埋入7日後に製剤埋入部位の皮膚の裏側ならびに背部筋側組織を、製剤埋入部位を中心に上下左右2cm四方をメスにて削り取った。これらの組織の湿潤状態での重量を測定し、肉芽形成効果を評価した。その結果を図8に示す。図中の点線は未処置群のレベルを示す。その結果、bFGFを架橋ゼラチンゲルに包含して投与することにより、bFGFの肉芽形成促進効果が見られ、製剤埋入部位の周辺はカプセル層で覆われていた。また、カプセル層の厚みは、架橋ゼラチンゲルの含水率の減少とともに増加した。これに対して、100μgのbFGFを水溶液状態で投与した対照群では、投与部位周辺での肉芽形成は認められなかった。このように、bFGFの作用を肉芽形成作用から評価した場合にも、bFGFを架橋ゼラチンゲル内に包含させ、徐放化することにより、その活性を増強することができることが確認された。
(試験例8)
実施例9にて調製したbFGF含有架橋ゼラチンゲル粒子製剤をマウス背部皮下に注射投与した。投与から1週間後、マウス皮膚を剥離し、粒子製剤を投与した部位での血管新生の程度を観察した。その結果、粒子製剤を投与した部位周辺が赤く、血管が新生されていることが認められた。以上のように、本発明は、bFGFを包含させるための担体である架橋ゼラチンゲルの形状に関係なく、すなわち注射可能な大きさの球体または粒子状の架橋ゼラチンゲルによっても、本発明の効果が得られることがわかる。
(試験例9)
実施例13で作製した架橋ゼラチンゲル粒子(含水率87%)3.7mgに対し、bFGF100μgを4℃、一昼夜含浸させた後、生理食塩水に懸濁させ、ラット腸骨に注入した。2週間後に腸骨を取り出し、骨塩量の変動を測定した。ここで、骨塩量とは、骨の増減の程度を測るための指標であり、具体的には、骨塩量測定装置(アロカ社製、DCS−600型)によって測定した。また、bFGF100μg含有水溶液を注入投与した群を対照群とし、同様に骨塩量の変動を測定した。その結果、架橋ゼラチンゲル粒子製剤投与群では、骨塩量が15.7mg増加したのに対し、bFGF含有水溶液を投与した対照群では7.1mgの増加であった。対照群と比較して、本発明のbFGF含有架橋ゼラチン粒子を投与した群では著しい骨塩量の増加が認められ、架橋ゼラチンゲルで徐放化することにより水溶液製剤に比べ、有意な骨形成作用を示した。
(試験例10)
ラットの下腿部を切開し、骨を露出させ、腓骨を骨バサミにて切断した。切断部位に実施例16にて調製したbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を埋入し、縫合した。3週間後にラットの切断した腓骨の骨塩量および骨密度の増加を調べた。対照として、上記製剤と同量のbFGFを含有する水溶液をラットに投与した。結果を表2に示す。
Figure 0003639593
上記表2の結果から、本発明のbFGF架橋ゼラチンゲル製剤は、bFGF水溶液投与群に比べ、高い骨塩量の増加を促すことがわかる。このことから、本発明の架橋ゼラチンゲル製剤によれば、担体である架橋ゼラチンゲルからbFGFが徐放されることにより、骨塩量の増加を促し、骨折、骨再生治療に有用であることが認められた。
発明の効果
本発明によれば、徐放性担体である架橋ゼラチンゲルの調製条件を変えることによって、異なる含水率つまり生体内での分解吸収性の異なるbFGF含有架橋ゼラチンゲル製剤を調製することができた。本発明の架橋ゼラチンゲル製剤から徐放されたbFGFは生理活性を保持していた。さらに、徐放性担体である架橋ゼラチンゲルの含水率を変化させることにより架橋ゼラチンゲルの分解速度が変化し、bFGFの徐放時間を変化させることが可能であり、その結果、生体内でのbFGFの活性発現の持続性をコントロールできた。さらに、上記の本発明の効果はゼラチンの種類、製剤の形状に関係なく認められた。

Claims (13)

  1. アルカリ処理ゼラチンを架橋することによ り架橋ゼラチンゲルを得、該架橋ゼラチンゲルに、塩基性維芽細胞増殖因子を含有させることにより得られた ものであることを特徴とする架橋ゼラチンゲル製剤。
  2. 塩基性維芽細胞増殖因子が、下記の配列番号1および/または2で示されるアミノ酸配列を有するものである請求項1に記載の架橋ゼラチンゲル製剤。
    配列番号1:
    配列の性質:
    配列の長さ:154アミノ酸
    配列の型:アミノ酸
    起源
    生物名:ホモ サピエンス(Homo sapiens)
    配列
    Figure 0003639593
    配列番号2:
    配列の性質:
    配列の長さ:153アミノ酸
    配列の型:アミノ酸
    起源
    生物名:ホモ サピエンス(Homo sapiens)
    配列
    Figure 0003639593
  3. ゼラチンの架橋剤が、グルタルアルデヒドまたは水溶性カルボジイミドである請求項1に記載の架橋ゼラチンゲル製剤。
  4. 水溶性カルボジイミドが、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−メト−p−トルエンスルホナートからなる群より選ばれる請求項3に記載の架橋ゼラチンゲル製剤。
  5. ゼラチンの架橋剤がグルタルアルデヒドまたは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩である請求項3に記載の架橋ゼラチンゲル製剤。
  6. 架橋ゼラチンゲルが、ゼラチンの濃度1〜100w/v%および架橋剤濃度0.01〜100w/v%からなる請求項1に記載の架橋ゼラチンゲル製剤。
  7. 架橋ゼラチンゲルの含水率が、50〜99%である請求項1に記載の架橋ゼラチンゲル製剤。
  8. 架橋ゼラチンゲルの形状が、円柱状、角柱状、シート状、ディスク状、球状または粒子状である請求項1に記載の架橋ゼラチンゲル製剤。
  9. 塩基性維芽細胞増殖因子の水溶液を架橋ゼラチンゲルに接触させ含浸させるか、または塩基性維芽細胞増殖因子の水溶液中に架橋ゼラチンゲルを懸濁させることによる塩基性維芽細胞増殖因子を架橋ゼラチンゲルに含有させる請求項1に記載の架橋ゼラチンゲル製剤。
  10. 請求項1に記載の塩基性維芽細胞増殖因子含有架橋ゼラチンゲル製剤を乾燥させたことを特徴とする乾燥架橋ゼラチンゲル製剤。
  11. 請求項1〜10に記載の架橋ゼラチンゲル製剤からなることを特徴とする骨疾患治療剤。
  12. アルカリ処理ゼラチンを架橋することに より架橋ゼラチンゲルを得、該架橋ゼラチンゲルに、塩基性維芽細胞増殖因子を含有させることを特徴とする架橋ゼラチンゲル製剤の製造方法。
  13. 塩基性維芽細胞増殖因子の水溶液を架橋ゼラチンゲルに接触させ含浸させるか、または塩基性維芽細胞増殖因子の水溶液中に架橋ゼラチンゲルを懸濁させることにより塩基性維芽細胞増殖因子を架橋ゼラチンゲルに含有させる請求項12に記載の架橋ゼラチンゲル製剤の製造方法。
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