JP3638599B2 - 組換え真核細胞による分泌タンパク質の増大された産生 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、組換えDNA技術に関する。特に、本発明は、SSO遺伝子またはその相同体で形質転換された、新規な組換え真核細胞に関する。数コピーのSSO遺伝子またはSSO遺伝子に相同な遺伝子で形質転換された真核細胞は、外来性または内在性の分泌タンパク質産生能が向上する。
【0002】
さらに、上記の新規な組換え真核細胞、特に酵母類や糸状菌類は、適当な加水分解酵素を発現する遺伝子で形質転換されると、適当なマクロモレキュラー/重合化合物をより効率的に加水分解および/または利用することができるようになる。したがって、適切な生物工学的用途において、該マクロモレキュラー/重合化合物の、細胞による大量産生および/または多様な利用が可能になる。
【0003】
【背景技術】
組換えDNA法の開発により、異種宿主系におけるタンパク質の産生が可能になった。このことにより、例えば、通常、自然界には極めて少量しか存在しない治療上重要なタンパク質、あるいは単離・精製の困難なタンパク質が、非常に容易に得られるようになった。そのようなタンパク質の例としては、成長因子、ホルモン、および従来ヒトや動物の組織、あるいは血清や尿等の体液から単離されてきたその他の生物学的に活性なタンパク質またはペプチドが挙げられる。HBV、HIVおよび発ガン性ウイルスのようなヒト病原性ウイルスや、ヒトや動物の組織または体液中のその他の病原体の存在はますます危険なものになっているため、これらのウイルスやその他の病原体が原因となる疾病の治療に用いるタンパク質の異種産生系の探索が非常に急がれている。臨床上重要なその他のタンパク質としては、特にイン・ビトロあるいは組織培養では生育しにくい微生物や、危険なヒト病原体である微生物により生じる疾病の診断ワクチンの製造に必要なウイルス、その他の微生物またはヒト寄生虫のタンパク質がある。これらの微生物の具体例としては、HBV、HIV、黄熱ウイルス、風疹ウイルス、***ウイルスおよび狂犬病ウイルスなどのウイルス、およびマラリアなどのヒト寄生虫などが挙げられる。
【0004】
異種産生系が開発されている、あるいは開発されつつある他の1つのタンパク質群として、分泌酵素、特に植物性物質を加水分解する分泌酵素が挙げられる。これらは、食品および家畜用飼料の製造だけでなく、織物工業およびパルプ・紙工業などの、その他の工業的プロセスにおいても必要なものである。異種系でのタンパク質産生または遺伝的に操作された細胞における内在性タンパク質の産生が可能になれば、その収率は向上し、純度も著しく高くなる。又この技術は、すでに今日までに、多くの重要な酵素およびその他のタンパク質の構造や機能の研究に大きな影響を及ぼしている。例えば、酵母において外来性加水分解酵素の産生・分泌が可能になったことにより、蒸留酵母、醸造酵母、あるいはパン酵母などの工業的酵母株を用いるプロセスが改善されている。
【0005】
様々な産生系が開発されており、例えば、細菌類、酵母類、糸状菌類、動・植物細胞培養物、さらにはトランスジェニック動・植物などの多細胞生物が挙げられる。これらの系は全て、欠点があるにしてもそれぞれの長所を有しており、したがって必要なものである。
【0006】
酵母であるサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)は現在のところ、遺伝子レベルで最も良く知られている真核生物である。この微生物は、真核性微生物としては、真核細胞の有する長所、例えば真核生物の翻訳後に起こる修飾の、全てではないにしてもそのほとんどを有しており、一方、微生物としては、細菌の有する取り扱い易さおよび培養特性を有している。S.セレビシエは、食品成分やビール、ワイン等の飲料の製造などのバイオテクノロジーにおいて、長い間有用とされてきた微生物であり、この微生物を用いる大規模な発酵システムも十分に開発されている。
【0007】
酵母の遺伝子操作方法は、古典的遺伝学により得られた膨大な知識に基づき、真核生物の中でも最も進歩している。したがって、初めは大腸菌(Escherichia coli)についてしか論じられなかった遺伝子工学の手法が酵母においても容易に適用でき、しかも更に開発できるようになった。また、別の方法に従って、外来性タンパク質を産生する酵母菌株の構築法が広く開発されている(Romanos et.al.,1992)。
【0008】
タンパク質を培養培地に分泌させるには、分泌経路を構成している様々な膜閉鎖系区画を経由して該タンパク質を運搬する。まず最初に、タンパク質は小胞体(ER)の内腔へと移動する。該タンパク質は、そこから、膜小胞に運搬されてゴルジ複合体へと移動し、さらにゴルジ複合体から形質膜へと移動する。この分泌プロセスはいくつかの工程からなり、分泌タンパク質を含有する小胞が、ドナーの膜から発芽して、受容体の膜を標的として融合する。これらの各工程においては、いくつかの異なるタンパク質の作用が必要となる。
【0009】
酵母の分泌経路およびそれに関与する非常に多くの遺伝子は、その分泌プロセスのある特定の工程に欠陥のある条件致死変異株を単離することにより明らかにされている(Novick et al.,1980;1981)。ある特定の運搬工程に必要とされるタンパク質の突然変異により、分泌されたタンパク質がその工程前の膜区画に蓄積する。このようにして、タンパク質はER、ゴルジ複合体、ERとゴルジ複合体との間の小胞、あるいはゴルジ複合体と形質膜との間の小胞に蓄積できる。
【0010】
分泌プロセスに関与する遺伝子およびタンパク質は、該遺伝子のクローニングやそれに対応するタンパク質の機能の特徴づけにより、さらに詳細に解析できるようになった。全ての工程において、相互作用するいくつかのタンパク質が機能していることが明らかになった。近年、我々は、高温において生育やタンパク質の分泌を損なうsec 1−1の多コピーサプレッサーとして、2つの新規な酵母遺伝子であるSSO1およびSSO2をクローニングした(Aalto et al.,1993)。
【0011】
S.セレビシエに関して同定・単離された遺伝子が多く発見され、酵母遺伝子との配列相同性あるいは酵母突然変異の相補性に基いて他の生物からクローニングされている。哺乳動物のNSF因子は酵母のSEC18遺伝子産生物の相同体であり、タンパク質分泌において同様の機能を示す(Wilson et al.,1989)。また、ヤロビア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)のSEC14遺伝子(Lopez et al.,1992)がクローニングされ、特徴づけられている。シグナルペプチダーゼの成分をコードする酵母SEC11遺伝子に対する哺乳動物の相同体がクローニングされている(Greenberg et al.,1989)。小さなGTP結合タンパク質をコードするシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)YPT1遺伝子は、酵母SEC4遺伝子をプローブとして用いてクローニングされ(Fawell et al.,1989)、このYPT1遺伝子に対応する哺乳動物の遺伝子は、酵母Ypt1タンパク質に対する抗体を用いて、分泌機構の一部であることが証明された(Segev et al.,1988)。Ypt1タンパク質に相同であることが証明された哺乳動物rab1タンパク質(Zaraoui et al.,1989)は、酵母Ypt1タンパク質の機能と同じ役割を果たす(Haubruck et al.,1990)。
【0012】
本発明による酵母SSO1遺伝子およびSSO2遺伝子とタンパク質レベルにおいて相同な遺伝子が、例えばマウス(Hirai et al.,1992)、ラット(Inoue et al.,1992;Bennett et al.,1992)および線虫(Ainscough et al.,1991;EMBL Data Bank 29,受託番号:M 75825)などのいくつかの種で発見されており、したがって、これらの遺伝子が進化の過程において保持されていることが分かる。その他の種においても、そのような相同タンパク質は細胞表面い見い出され、あるいは細胞表面へのシナプス小胞輸送に関与していると考えられており、SSO1遺伝子およびSSO2遺伝子と機能的に関連することが示唆されている。しかしながら、分泌に直接関与することは、Ssoタンパク質についてのみ証明されているだけであり、しかもそれは我々が報告したものである(Aalto et al.,1993)。酵母が有する、シナプス小胞膜タンパク質、即ちシナプトブレビン類(synaptobrevins)に対する相同体はSnc1およびSnc2タンパク質である(Gerst et al.,1992;Protopopov et al.,1993)。
【0013】
上記の例(更に多くの例も報告されている)は、分泌機構の普遍性を示している。従って、酵母について得られる結果は、その他の真菌類、さらにはその他の真核細胞にもほとんどあてはまる。
【0014】
SSO遺伝子に類似する配列を有する遺伝子は、細胞内タンパク質の輸送/分泌の上記以外の他の工程にも関与している。例えば、SED5遺伝子(Hardwick and Pelham,1992)はERとゴルジ複合体の間、およびPEP12遺伝子(Becherer and Jones,1992)はゴルジ複合体と液胞(酵母のリソソーム区画)の間のタンパク質の輸送/分泌に関与している。このことは、SSO遺伝子が、タンパク質の分泌および細胞内輸送において中心的かつ保持された役割を有することがさらに支持される。しかしながら、酵母または動物細胞においてSSO遺伝子相同体が過剰発現された場合に、タンパク質の分泌に関して、本発明で我々がSSO遺伝子について示すような有利な効果を生じることについての報告は全くない。
【0015】
クライベロミセス(Kluyveromyces)、ピヒア(Pichia)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)およびハンゼヌラ(Hansenula)などの、上記以外の酵母類の分泌システムについてはあまり知られていない。しかし、これらの酵母類は、外来性タンパク質産生の宿主として有用であることがわかっている(Buckholz and Gleeson,1991)。これらの酵母類は遺伝学的および分子生物学的にサッカロミセスほどには解明されていないが、産生宿主としてはサッカロミセスと同等に有用である。このことは、従来外来性分泌タンパク質の産生に用いられてきたニューロスポラ(Neurospora)属、アスペルギルス(Aspergillus)属およびトリコデルマ(Trichoderma)属などの糸状菌類についても言えることである(Jeenes et al.,1991)。非常に多くの糸状菌類は、S.セレビシエのように、分類学上真菌類に属し、さらに子嚢菌類に属するので、分泌機構がS.セレビシエと類似していることは明らかである。糸状菌類は自己の加水分解酵素は非常に効率的に分泌する。しかし、糸状菌類における外来性タンパク質の産生はそれ程効率的ではない。これは、多くの場合、分泌が不十分なためと考えられる。全ての菌類に共通する特徴は、例えば、分泌経路に沿って起こる翻訳後修飾である。
【0016】
これまでに、酵母や糸状菌類、さらにはその他の生物における外来性タンパク質の産生を高めるために、いくつかの試みがなされ、発表されてきた。また、転写レベルを高くするかあるいはプラスミドのコピー数を増加させるための、様々なプロモーターおよびプラスミドの構築に多くの労力が費されてきた(例えば、Baldari et al.,1987;Martegani et al.,1992;Irani and Kilgore,1988を参照)。分泌を増大させるための一般的なアプローチは、酵母のシグナル配列を用いることである(Baldari,et al.,1987;Vanoni et al.,1989)。酵母および糸状菌類においては、外来性タンパク質をさらに効率的に分泌させるために、分泌タンパク質のランダムな突然変異誘発および突然変異株のスクリーニング(Smith et al.,1985;Sakai et al.,1988;Schuster et al.,1989;Suzuki et al.,1989;Sleep et al.,1991;Lamsa and Bloebaum,1990;Dunn−Coleman et al.,1991)、あるいは外来性タンパク質の、効率的に分泌された内在性タンパク質への融合(Ward et al.,1990;Harkki et al.,1989;Nyyssonen et al.,1993;Nyyssonen et al.,特許出願)が広く用いられている。しかし、これらの方法には限界がある。ランダムな突然変異誘発を施し、スクリーニングすることにより単離される分泌タンパク質過剰産生突然変異株は、専ら劣性形質であるため、倍数体である工業用酵母株としては用いられない。この過剰産生は、しばしば、分泌の増大以外の変化により引き起こされ、多くの場合、スクリーニングに用いられるタンパク質だけに影響を及ぼす。一方、融合タンパク質によるアプローチでは、各外来性タンパク質の融合構造をそれぞれ調整することが必要である。
【0017】
我々のアプローチでは、分泌において機能する遺伝子のコピー数を増加させ、分泌機構の構成成分の量がより普遍的なものになる。従って、特殊な融合構造をもたないタンパク質であれば応用でき、また、二倍体や倍数体の阿武にも応用可能である。
【0018】
分泌プロセスにおいて、どの工程がボトルネックとなるのかについては正確には知られていないが、そのような工程は複数であることが予想できる。我々は、分泌経路の最終段階において起こりうる障害の解明を始めた。そして、ゴルジ複合体から出芽する分泌小胞が形質膜を標的とし、それと融合して分泌タンパク質を細胞外に放出する段階である、分泌プロセスの最終段階に関与する遺伝子をクローニングし、特徴づけを行なった。我々は、先に、この段階において機能するSEC1遺伝子をクローニングし、特徴づけを行なった(Aalto et al.,1991;Aalto et al.,1992)。その後、このSEC1遺伝子が、必須の単コピー遺伝子であることを示した(Aalto et al.,1993)。また、本発明によるSSO遺伝子は、sec1−1突然変異の多コピーサプレッサーとしてクローニングされた(Aalto et al.,1993)。
【0019】
発明の概要
本発明は、過剰発現させると分泌タンパク質の産生が増大する遺伝子の単離について記載する。特に、本発明は、Sso1タンパク質およびSso2タンパク質をそれぞれコードするS.セレビシエのSSO1遺伝子及びSSO2遺伝子の単離、該遺伝子の特徴づけ、該遺伝子のS.セレビシエへの導入並びにそこにおける過剰発現について記載する。さらに、本発明は、トリコデルマ・レーセイ(Trichoderma reesei)からのSSO相同遺伝子の単離、該遺伝子の特徴づけおよびトリコデルマへの導入およびそこにおける過剰発現について記載する。
【0020】
さらに、酵母のSSO遺伝子群と高等真核細胞の対応する遺伝子群との配列相同性により、本発明は、高められた分泌能を有する、より高等な真核細胞の新規な細胞株の構築に用い得ることが示される。
【0021】
したがって、本発明は、新規な組換え真核細胞、好ましくは、Ssoタンパク質を高レベルで発現する真菌宿主細胞、特にSso1タンパク質および/またはSso2タンパク質を高レベルで発現する酵母株、およびトリコデルマSsoタンパク質を高レベルで発現するトリコデルマ株を提供するものである。また、本発明は、SEC1遺伝子のようにSSO遺伝子と相互作用する遺伝子を過剰発現することにより、分泌タンパク質の産生を増大する方法を提供する。
【0022】
本発明による、SSO遺伝子またはSSO遺伝子と相互作用する遺伝子により形質転換される真核細胞は、分泌タンパク質産生能が向上する。また、本発明による新規な真核細胞、特に酵母および糸状菌類は、さらに効率的な加水分解酵素の産生および重合性物質等の加水分解に用いられる。このような菌類を用いれば、細胞量の増加による単一細胞またはビール酵母産生のような生物工学的なプロセス、あるいは加水分解酵素の効率的な産生および/または植物性材料の効率的な加水分解が有益とされるその他のプロセスが改善される。
【0023】
発明の詳細な説明
以下の本発明の詳細な説明がよりよく理解されるように、以下で用いる特定の用語について定義する。
【0024】
遺伝子の過剰発現:
前記遺伝子によりコードされるタンパク質の細胞内における産生量は増大する。これは、多コピー数の該遺伝子をプラスミドにのせて細胞に導入するか、あるいはゲノムに組込んで、該遺伝子のコピー数を増加させることにより達成できる。また、過剰発現は、該遺伝子を、それ自身のプロモーターよりも強力なプロモーターの制御下に配置することによっても達成できる。細胞中の該タンパク質の量は、遺伝子のコピー数および/または発現に用いられるプロモーターの強度を様々に変えることにより調節できる。
【0025】
突然変異の抑圧:
ある特定の遺伝子(第1の遺伝子)の突然変異の効果が他の遺伝子(第2の遺伝子)の突然変異により低下または完全に損なわれた場合、この第2の遺伝子は第1の遺伝子のサプレッサーと呼ばれる。抑圧(サプレッション)は、上記の方法による第2の遺伝子の野生型対立遺伝子の過剰発現によっても起り得る。これは、過剰発現抑圧と呼ばれる。過剰発現が多コピー数の抑圧遺伝子により引き起こされる場合には、多コピー抑圧とも呼ばれる。抑圧現象の発生は、これら2つの遺伝子が遺伝子レベルで相互作用していることを示す。この相互作用は、これら2つの遺伝子がコードする2つのタンパク質間の、直接的且つ物理的な接触として、物理的レベルでも起こる。
【0026】
相同遺伝子、相同体:
DNAの塩基配列において関連はあるが同一ではなく、及び/または同じ機能を有する遺伝子は、互いに相同であり、又、互いに相同体であると呼ばれる。
【0027】
分泌タンパク質:
分泌経路が細胞内部にあり、その経路を通じて細胞外(形質膜の外側)へと輸送されるタンパク質を、分泌タンパク質と呼ぶ。酵母において、このタンパク質は、例えばインベルターゼのように細胞壁と結合したままであるか、あるいは外来性タンパク質バチルスα−アミラーゼのように細胞壁を通じて生育培地へ放出さる。
【0028】
本発明で用いられるSSO1遺伝子およびSSO2遺伝子は、これらの遺伝子を含有する生物、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)やトリコデルマ(Trichoderma)属から単離される。また、それ以外の好適な酵母およびその他の真菌類として、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、クライベロミセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、ピヒア(Pichia)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ニューロスポラ(Neurospora)属、およびペニシリウム(Penicillium)属等が挙げられる。その他の生物から単離される相同遺伝子も用い得ることにも注目すべきである。
【0029】
さらに、同工程において、SEC1遺伝子のように、SSO遺伝子と共同で機能するその他の遺伝子を、正常レベルまたは増加されたレベルのSsoタンパク質の存在下で過剰発現することにより、分泌を高めることができる。分泌プロセスの前の工程で機能する遺伝子もおそらく同様の効果を有すると考えられる。したがって、ゴルジ区画からの分泌小胞の遊離は、この遊離工程で機能することが知られているSEC7遺伝子および/またはSEC14遺伝子のコピー数を増加させること(Novick et al.,1980)、もしくはSEC7遺伝子および/またはSEC14遺伝子と相互作用する遺伝子(例えばこれらの突然変異のサプレッサー)を探索し、そのコピー数を増加させることにより促進される。同様に、分泌プロセスのいずれの前工程も、関与する遺伝子のコピー数を増加させることにより改良することが可能である。我々がS.セレビシエから単離した新規な遺伝子であるSSO1およびSSO2は、細胞内で重要な役割を果たすことが示唆される重複遺伝子の代表的なものである。上記したように、SSO1遺伝子およびSSO2遺伝子の性質やそれらの相同性が他の種の中において保持されることに基づいて、我々は、あらゆる他の真核生物種においてSSO遺伝子を増加させれば、その他の酵母類、糸状菌類および動植物細胞等におけるタンパク質分泌効率が高まることを提案する。
【0030】
多くの遺伝子がその他の生物における分泌に関与していた、という事実により、本発明は、例えば、分泌を促進させるための、糸状菌類および高等真核生物内における酵母遺伝子の発現、およびその逆(すなわち、酵母内での糸状菌および高等真核生物の遺伝子の発現)あるいは、真核生物の遺伝子の別の真核生物内における発現をも包含することに注目されたい。
【0031】
本発明の遺伝子により形質転換される宿主としては、外来性または内在性タンパク質の産生に好適な真核細胞であれば、いかなるものであってもよく、例えば、S.セレビシエ酵母株(DBY746、AH22、S150−2B、GPY55−15Bα、VTT−A−631015等)、トリコデルマ属[天然単離体であるQM6a(RUTC−30、QM9416、VTT−D−79125等)に由来するT.ハルジアナム(T.harzianum)およびT.レーセイ(T.ressei)株]、クライベロミセス属、Sch.ポンベ、H.ポリモルファ(H.polymorpha)、ピヒア属、アスペルギルス属、ニューロスポラ属、ヤロビア属、ペニシリウム属、あるいはさらに高等な真核細胞が挙げられる。該遺伝子のこれらの宿主への移入は、例えば、これらの生物について記載されている従来の方法を用いて達成できる。
【0032】
SSO1遺伝子またはSSO2遺伝子を含有するDNAは、S.セレビシエから従来の方法により単離される。1つの好ましい態様において、多コピープラスミド上の遺伝子またはcDNAライブラリーは、sec1−1突然変異株の温度感受性の抑圧(Aalto et al.,1991;1993)、あるいはS.セレビシエSSO遺伝子の機能を欠失させる突然変異またはその他の種のアナログ突然変異の抑圧に用いられる。もうひとつのアプローチとして、SSO遺伝子およびSSO遺伝子に類似する遺伝子の既知のDNAを、異種ハイブリダイゼーションに用いるプローブ、あるいはSSO遺伝子のクローニングに用いるPCRプライマーの設計に用いる。さらにもうひとつのアプローチとして、既知のSSO遺伝子およびSSO遺伝子に類似する遺伝子に対する抗体を、常法による該遺伝子のクローニングに用いる。
【0033】
S.セレビシエのSSO1遺伝子およびSSO2遺伝子に相当する遺伝子は、以下に記載する方法の1つまたはいくつかを用いて、それ以外の真菌類や高等真核生物からも単離される。その方法は、ここでは糸状菌であるトリコデルマ・レーセイからの単離について特に記載するものであるが、従来の知識および手段に従って当該の真核細胞に合わせて改変することができる。
【0034】
T.レーセイのcDNAバンクは、フィンランド国特許出願第92−2373号(Buchert et al.)明細書に記載されているように、酵母ベクターpFL60に構築される。この遺伝子バンクDNAはS.セレビシエH458株に挿入されて該株を形質転換し(Aalto et al.,1993)、例えば実施例6に記載されているような分泌欠損の相補性によりスクリーニングする。このプラスミドを陽性コロニーから単離し、該遺伝子を常法により単離・特徴づける。そして、該相当染色体遺伝子を単離する。十分な相補性は、酵母SSO遺伝子と機能的に同じ遺伝子が、他の真菌類、例えばT.レーセイにも存在することを示す。
【0035】
あるいは、S.セレビシエのSso1タンパク質および/またはSso2タンパク質に対応するタンパク質をコードする遺伝子は、実施例7に記載されているような比較的厳しくない条件下での異種ハイブリダイゼーションによりT.レーセイから調製されるcDNAまたは染色体遺伝子バンクから単離し、通常の方法により特徴づけることができる。該遺伝子の機能も、上記したような方法により調べることができる。酵母SSO遺伝子に相同な染色体配列を有すること(例えば、DNA全体のサザンブロット・ハイブリダイゼーションにより解析される)が証明されている全ての生物についても、同様のアプローチが好適に用いられる。また、該遺伝子は、酵母Ssoタンパク質に対して調製した抗体を用いて、発現ライブラリーから単離することもできる。
【0036】
一方、オリゴヌクレオチドプライマーは、数種の生物から単離された各対応遺伝子間において発見される相同性に基いて設計できる。明確な相同性は、例えば、Sso1タンパク質(配列番号1)の第266番〜第287番のアミノ酸領域およびSso2タンパク質(配列番号3)の第269番〜第290番のアミノ酸領域において認められる。これらのプライマーは、T.レーセイ遺伝子のPCRにおける増幅に用いられる。
【0037】
酵母の形質転換に好適なプラスミドを構築するために、SSO1遺伝子またはSSO2遺伝子を、適当な酵母発現ベクター〔例えば、pAAH5(Ammerer,1983)など〕、または適当な酵母の調節領域を含有する、酵母発現ベクターから誘導されるベクター(Ruohonen et al.,1991;Ruohonen et al.,manuscript in preparation,a)にクローニングされる。これらの調節領域は、例えば、ADH1、GAL1〜GAL10、PGK1、CUP1、GAP、CYC1、PHO5等の酵母遺伝子、あるいはアスパラギンシンセターゼ遺伝子から得ることができる。また、SSO1遺伝子またはSSO2遺伝子の調節領域も、該遺伝子のS.セレビシエ内での発現に用いられる。SSO1遺伝子またはSSO2遺伝子を担持しているプラスミドによって、受容菌である酵母株を形質転換すると、自律複製が可能である(The plasmid carry−ing the SSO1 or SSO2 gene is capable of replicating autonomously when transformed into the recipient yeast strain)。SSO1遺伝子またはSSO2遺伝子は、適当な酵母調節領域と共に、Hans RonneのpHR70、あるいはpRS313、pRS314、pRS315またはpRS316(Sikorski and Hieter,1989)などの単コピー酵母ベクターにクローニングされる。
【0038】
また、多コピー数のSSO1遺伝子またはSSO2遺伝子を酵母染色体、例えばリボゾームRNA座に組込むことも可能である。この組込みを起こすためには、好適なプラスミド[例えば、プラスミドpIRL9(Hallborn et al.,特許出願)など]のリボゾーム配列を分離し、図7に示すようにBS+ベクターに適当にクローニングする。好適な酵母プロモーターおよびターミネーター領域の間に連結されたSSO1遺伝子またはSSO2遺伝子は、該遺伝子を含有するハイブリッド・ベクターから分離し、前の工程で得られたプラスミドにクローニングする。こうして得られたプラスミドから、リボゾーム配列で両側からはさまれた発現カセットを分離する。この断片は、形質転換に好適なマーカーを担持している自律複製プラスミドと共に、酵母へ組み込まれ、該酵母を形質転換する。このプラスミドは、形質転換後に、染色体に組込まれた多コピー数のSSO1遺伝子またはSSO2遺伝子を含有する細胞から、該細胞を非選択的条件下で培養することにより除去することができる。このようにして、細菌ベクター配列などの余分の外来性DNAを全く担持していない組換え菌株が得られる。倍数体酵母株(例えば、VTT−A−63015など)が用いられる場合、該遺伝子を、ADH1座またはpGK1座のように必須な遺伝子座にも組込むことができる。
【0039】
SSO遺伝子をトリコデルマ内で発現させるためには、トリコデルマsso遺伝子のコード領域を、例えばT.レーセイcbh1プロモーターおよびターミネーターの間に連結し、得られた発現カセットを、例えば哺乳動物抗体やその他の外来性タンパク質を産生するトリコデルマ株、あるいはEGIコア、別のセルラーゼまたは加水分解酵素を産生する菌株に組み込んでこれを形質転換する。分泌の促進は、その菌がグルコース含有培地上で生育される場合に特に望まれることであり、このためには、sso遺伝子は構成プロモーターまたはグルコース培地上で機能するプロモーターから発現されなければならない。
【0040】
糸状菌類において、sso遺伝子は、好ましくは当技術分野で公知の方法を用いてゲノムに組込まれる。cbh1プロモーターやsso遺伝子自身のプロモーター以外の好適なプロモーターとしては、例えば、その他のセルラーゼプロモーター、cbh2、egl1、egl2、またはtef1、pgk、gpd、pki、グルコアミラーゼ、α−アミラーゼまたはアルコールデヒドロゲナーゼなどのプロモーターが挙げられる。糸状菌類において、sso遺伝子による形質転換を行なうと、通常は、ゲノムに組込まれた様々なコピー数のsso遺伝子含有菌株が得られ(Penttila et al.,1987)、これらの菌株から、生育に最適なレベルのsso発現能および高められた分泌能を有する菌株をスクリーニングすることができる。
【0041】
したがって、本発明の目的は、S.セレビシエのSSO遺伝子、特にSSO1遺伝子およびSSO2遺伝子、さらにはそれらの遺伝子に対するトリコデルマ・レーセイおよびその他の真核細胞の相同遺伝子を提供することである。これらの遺伝子の配列は、それらを担持するプラスミドから、例えば二本鎖ジデオキシヌクレオチド配列決定法(Zagursky et al.,1986)により決定することができる。S.セレビシエのSSO1遺伝子の配列を配列番号1に示し、SSO2遺伝子の配列を配列番号3に示す。
【0042】
本発明の他の1つの目的は、SSO遺伝子を含有する特定のベクターを提供することである。酵母に対するそのようなベクターは、上記したように、自律的に複製する多コピーまたは単コピープラスミド、或いは染色体に組込み可能なベクターのいずれかである。一方、トリコデルマに対するそのようなベクターは、好ましくは、制限酵素により発現カセット(プロモーター−遺伝子−ターミネーター)が分離出来、真菌ゲノムに組込まれるようなプラスミドである。
【0043】
本発明のさらに他の1つの目的は、複製プラスミド上に、あるいは染色体に組込まれた形で多コピー数のSSO遺伝子を含有する酵母株、その他の真菌株および真核細胞系を提供することである。そのように多コピー数のSSO遺伝子を含有する酵母株、真菌株、真核細胞系は、例えば、酵母インベルターゼ、トリコデルマセルラーゼまたはその他の加水分解酵素等の分泌タンパク質の産生能が高められる。
【0044】
したがって、Ssoタンパク質を高レベルで発現可能な新規な真核細胞の構築方法にして、
(a)適当なドナー生物から、Ssoタンパク質をコードする塩基配列を有するDNAを単離し、
(b)該DNAの少なくとも1つを担持するベクターを構築し、そして
(c)得られたベクターの少なくとも1つにより適当な宿主細胞を形質転換する、
ことを包含する方法が提供される。
【0045】
本発明のさらに他の1つの目的は、多コピー数のSSO遺伝子に加えて、さらにα−アミラーゼ、セルラーゼまたは抗体等の外来性または内在性の分泌タンパク質をコードする塩基配列を有するDNAを含有し、該分泌タンパク質を発現可能な真核細胞を提供することである。
【0046】
したがって、SSO遺伝子を過剰発現させることにより外来性または内在性の分泌タンパク質産生量を増大させる方法が提供される。この方法は、
(a)適当なドナー生物から、外来性または内在性の分泌タンパク質をコードする塩基配列を有するDNAを単離し、
(b)該DNAの少なくとも1つを担持するベクターを構築し、
(c)得られたベクターにより、Ssoタンパク質を高レベルで発現する適当な宿主を形質転換して組換え宿主細胞を得るか、あるいは、
該ベクターにより適当な宿主を形質転換し、この形質転換体をSSO遺伝子またはSSO遺伝子に相同な遺伝子で再度形質転換し、上記の分泌タンパク質の産生能が高められた細胞をスクリーニングし、そして
(d)該組換え宿主細胞を、上記の分泌タンパク質の発現が可能な条件下で培養する
ことを包含する。
【0047】
本発明のさらに他の1つの目的は、Ssoタンパク質レベルを、異なるプロモーターおよび異なるコピー数の遺伝子を用いて最適化すること、およびSSO遺伝子を分泌に関与するその他の遺伝子(例えば、SEC1など)と組み合せることにより、分泌能を向上させることである。
【0048】
したがって、本発明は、正常量または増加された量のSsoタンパク質の存在下でSSO遺伝子と相互作用する遺伝子(例えば、SEC1)を過剰発現することにより、外来性または内在性の分泌タンパク質の産生量を増大させる方法にして、
(a)適当なドナー生物から、外来性または内在性の分泌タンパク質をコードする塩基配列を有するDNAを単離し、
(b)該DNAの少なくとも1つを担持するベクターを構築し、
(c)得られたベクターにより、Ssoタンパク質を正常レベルまたは高レベルで発現し、かつSSO遺伝子と相互作用するその他の遺伝子(例えば、SEC1)を過剰発現する適当な宿主を形質転換して組換え宿主細胞を得るか、あるいは、
該ベクターにより適当な宿主を形質転換し、この形質転換体をSSO遺伝子またはSSO遺伝子に相同な遺伝子、およびSSO遺伝子と相互作用する遺伝子(例えば、SEC1)により再度形質転換し、上記の分泌タンパク質の産生能が高められた細胞をスクリーニングし、そして
(d)得られる組換え宿主細胞を、上記の分泌タンパク質の発現が可能な条件下で培養する、
ことを包含する方法を提供する。
【0049】
本発明のさらに他の1つの目的は、内在性分泌タンパク質の産生を増大させる方法にして、
(a)内在性分泌タンパク質を産生する細胞を、SSO遺伝子またはSSO遺伝子に相同な遺伝子単独で、あるいはSSO遺伝子と相互作用する遺伝子(例えば、SEC1)と共同で、形質転換し、
(b)該内在性分泌タンパク質を高レベルで産生する形質転換体をスクリーニングし、タンパク質産生能が高められた組換え細胞を得、そして
(c)該組換え細胞を、該内在性分泌タンパク質の発現が可能な条件下で培養する、
ことを包含する方法を提供することである。
【0050】
本発明のさらに他の1つの目的は、多コピー数のSSO遺伝子またはその相同体に加えて、さらに加水分解酵素(例えば、α−アミラーゼおよび/またはグルコアミラーゼ)またはリグノセルロース加水分解酵素(例えば、セルラーゼ、ヘミセルラーゼまたはリグニナーゼ)をコードする塩基配列を有するDNAを含有する真菌株を提供することである。このような真菌株は、デンプンやリグノセルロース等の重合化合物の加水分解能が向上、及び/または該重合化合物上での生育が促進される。
【0051】
したがって、原料を利用して効率的にバイオマスを産生するか、または原料を効率的に加水分解する方法が提供される。この方法は、
(a)適当なドナー生物から、内在性または外来性の加水分解酵素をコードする塩基配列を有するDNAを単離し、
(b)該DNAの少なくとも1つを担持する真菌ベクターを構築し、
(c)得られたベクターにより、Ssoタンパク質を高レベルで発現する適当な真菌宿主を形質転換して組換え宿主細胞を得るか、あるいは、
該ベクターにより適当な宿主を形質転換し、この形質転換体をSSO遺伝子またはSSO遺伝子に相同な遺伝子で形質転換し、上記の加水分解酵素の産生能が高められた細胞をスクリーニングし、そして
(d)得られる組換え宿主細胞を、上記の加水分解酵素の発現が可能な条件下で培養する、
ことを包含する。
【0052】
又、更に、正常量または増加された量のSsoタンパク質の存在下でSSO遺伝子と相互作用する遺伝子(例えば、SEC1)を過剰発現することにより、原料を利用して効率的にバイオマスを産生するか、または原料を効率的に加水分解する方法にして、
(a)適当なドナー生物から、内在性または外来性の加水分解酵素をコードする塩基配列を有するDNAを単離し、
(b)該DNAの少なくとも1つを担持するベクターを構築し、
(c)得られたベクターにより、正常量または増加された量のSsoタンパク質の存在下で、Ssoタンパク質と相互作用するタンパク質を高レベルで発現する適当な宿主を形質転換して組換え宿主細胞を得るか、あるいは、
該ベクターにより適当な宿主を形質転換し、この形質転換体をSSO遺伝子またはSSO遺伝子に相同な遺伝子、およびSSO遺伝子と相互作用する遺伝子(例えば、SEC1)により再度形質転換し、上記の加水分解酵素の産生能が高められた細胞をスクリーニングし、そして
(d)得られる組換え宿主細胞を、上記の加水分解酵素の発現が可能な条件下で培養する、
ことを包含する方法が提供される。
【0053】
上記の組換え細胞は、単一細胞による産生、アルコール産生の改良、あるいは原料の効率的な加水分解が望まれるプロセスに利用することができる。
【0054】
実施例
実施例1:サッカロミセス・セレビシエ由来のSSO1遺伝子およびSSO2遺伝子の各コード領域のクローニング
SSO1遺伝子およびSSO2遺伝子は、温度感受性欠損sec1−1突然変異株(Novick and Scheckman,1979;Novick et al.,1980)のサプレッサーとして単離した。S.セレビシエ sf750−14Dα株(αsec1−1 his4 ura3−52 trp1−289 leu2−3 leu2−112)(ランディ シェックマン(Randy Scheckman),University of California,Berkeley,CAより入手)を、X2180−1B株由来のcDNAを2μ塩基プラスミド(pMAC561;選択マーカーとしてTRP1を含有)に導入して構築された酵母cDNAライブラリー〔マックナイト(McKnight)およびマッコノーイ(McConaughy)により構築(1983)〕で形質転換し、37℃におけるTrp−栄養要求性の形質転換体を選抜した。この形質転換体の生育は37℃の耐性を示したので、sec1−1に対しては依然として非許容的条件である36.5℃または35℃でさらに実験を行なった。36.5℃でTrp+表現型を分離し、生育を示す4種類の酵母突然変異株から単離されたDNA(Keranen,1986)を大腸菌(E.coli;Hanahan,1983)に導入した。この大腸菌形質転換体から単離されたプラスミドDNAを用いて、S.セリビシエのsec1−1株を再度形質転換した。
【0055】
このようにして、36.5℃で生育させるための効率的な形質転換が達成された。これらのプラスミドについて制限酵素解析を行なったところ、用いられたcDNAライブラリーから2種類の異なる配列が回収されたことがわかった。この2種類の異なるクローン1および7に由来する挿入DNAの塩基配列を、二本鎖ジデオキシ法(Zagursky et al.,1986)により決定し、標準的な組換えDNA法(Maniatis et al.,1982)または特異的プライマーを用いて好適なサブクローンを構築した。この2つのクローンは、それぞれ870ヌクレオチド(クローン1)および885ヌクレオチド(クローン7)のオープン・リーディング・フレームを含有していた。上記ヌクレオチド配列から推定されるアミノ酸配列はSec1タンパク質のアミノ酸配列(Aalto et al.,1991)とは異なるので、これらの新しい遺伝子をSSO1およびSSO2(SSO:Suppressor of Sec1 One)と命名した。SSO1およびSSO2の、それぞれのコード配列およびそれらの推定アミノ酸配列を、配列番号1および3に示す。SSO1およびSSO2遺伝子を担持するプラスミドは、それぞれYEpSSO1およびYEpSSO2と命名し、図1Aおよび1Bに示す。
【0056】
実施例2:YEpSSO2で形質転換された酵母におけるSso2タンパク質の過剰発現
酵母sf750−14D株をコントロールのプラスミドpMA56(A)(Ammerer,1983)あるいはYEpSSO2(B)のいずれかにより形質転換して得られた形質転換酵母株を、Trpを含有しない合成完全培地(Sherman et al.,1983)上で生育させた。Keranen(1986)に記載されている方法に従って、SDSの存在下で、該酵母細胞の溶解物を得た。この溶解物に存在する全酵母タンパク質10μgをSDS−PAGEにより分離し、ウサギにおけるSso2タンパク質に対するポリクローナル抗体およびアルカリホスファーターゼ共役ヤギ抗ウサギIgGを検出の際に用いたウェスタン・ブロッティングにより解析した。図2に示すように、YEpSSO2形質転換体では、Sso2タンパク質の分泌量が非常に増大した。
【0057】
実施例3:SSO1遺伝子またはSSO2遺伝子を過剰発現する酵母sf750−14D株における異種分泌タンパク質(バチルスα−アミラーゼ)産生の増大
酵母sf750−14Dα株にSSO1遺伝子及びSSO2遺伝子をそれぞれ含有する多コピープラスミドYEpSSO1及びYEpSSO2のいずれかを担持させて得られる形質転換酵母株を、ADH1プロモーター(Ruohonen et al.,1987)およびターミネーターの間に連結したバチルスα−アミラーゼ遺伝子を含有するプラスミドYEpαa6〔遺伝子をより効率的に発現するために、プロモーター要素に対し予想される5'端の抑制配列を切除することにより修飾されている(modified for more efficiet expression by deleting predicted inhibitory sequences 5' to the promoter element)(Ruohonen et al.,1991;Ruohonen et al.,manuscript in preparation,a)〕により形質転換した。上記のバチルスα−アミラーゼ遺伝子には、その発現をより効率的に行うために、予想される抑制性配列の5'端からプロモーター要素まで切除することにより修飾を加えている(Ruohonen et al.,1991;Ruohonen et al.,manuscript in preparation,a)。こうして得られた、YEpSSO1およびYEpαa5を含有する酵母株(VTT−C−92072)、またはYEpSSO2およびYEpαa5を含有する酵母株(VTT−C−92073)を選択培地上で24℃で生育させた。α−アミラーゼの培地への分泌は、ファデバス(Phadebas)アミラーゼ検定キット〔スウェーデン国、フェルマシア・ダイアグノステクス AB社(Pharmacia Diagnostics AB)製〕を用いてα−アミラーゼの活性を測定することによりモニターした。これらの菌株VTT−C−92072およびVTT−C−92073は、それぞれ受託番号DSM7253および7254として、1992年9月30日付でドイチェ ザムルング フォン ミクロオーガニズメン ウント ツェルクルツーレン ゲーエム ベー ハー〔Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSM)〕に寄託した。図3に示すように、多コピープラスミドに導入されているSSO1遺伝子を担持する菌株(黒い三角のマークで示す)または多コピープラスミドに導入されているSSO2遺伝子を担持する菌株(■)では、形質転換されていないコントロール株(●)よりもα−アミラーゼ活性は向上していた。該形質転換体からYEpSSO1を除去した菌株(△)またはYEpSSO2を除去した菌株(□)では、α−アミラーゼの分泌はコントロール株の示すレベルにまで低下した。このことにより、分泌はSSO遺伝子含有プラスミドの存在により向上することがわかる。培養培地におけるα−アミラーゼタンパク質量の増加は、ウェスタン・ブロッティングにより検出した(図4)。図3における記号、Sは標準(バチルスα−アミラーゼ)を表わす。
【0058】
実施例4:SSO2遺伝子を過剰発現する酵母DBY746
株における外来性分泌タンパク質(バチルスα−アミラーゼ)および内在性タンパク質(インベルターゼ)産生の増大
ADH1プロモーター(Ruohonen et al.,1987)およびターミネーターの間に連結したバチルスα−アミラーゼ遺伝子を含有するプラスミドYEpαa6[遺伝子をより効率的に発現するために、プロモーター要素に対し予想される5'端の抑制配列を除去することにより修飾されている(Ruohonen et al.,1991;Ruohonen et al.,manuscript in preparation,a)]を担持するS.セレビシエ DBY746株(α his3△1 leu2−3 leu2−112 ura3−52 trp1−289 cghR)〔デビット・ボッテイン(David Botstein;Department of Biology,Massachusetts Institute of Techonology,Cambridge,MA)より入手〕を、YEpSSO2およびコントロールのプラスミドpMA56(Ammerer,1983)のいずれかにより形質転換する。この形質転換体を選択培地で30℃で生育し、培養培地へのα−アミラーゼの分泌を、ファデバスアミラーゼ検定キット(スェーデン国、ファルマシア・ダイアグノステクスAB社製)を用いてα−アミラーゼ活性を測定することによりモニターした。図5に示すように、多コピープラスミドに導入されたSSO2遺伝子を担持する菌株(△)は、SSO遺伝子を含有しないコントロールのプラスミドで形質転換されたコントロール株(○)と比較して、α−アミラーゼ活性が向上した。コントロールの形質転換体(●)とSSO2形質転換体(黒い三角のマークで示す)には、酵母の生育に差異は全く認められなかった。同様にして、SSO1遺伝子を過剰発現させると、α−アミラーゼの分泌量が増加した。内在性タンパク質であるインベルターゼの分泌についても、対数増殖期後期から定常期初期にかけて測定を行なったところ、これらの条件下における分泌は増加した。YEpSSO2形質転換体における分泌インベルターゼ活性は、pMA56を含有するコントロールの形質転換体の1.4倍であった。SSO遺伝子の過剰発現による、α−アミラーゼ分泌増大効果は、増殖後期においてより著しくなるので、インベルターゼ分泌も増殖後期にはより増大すると考えられる。
【0059】
YEpSSO2におけるSSO2遺伝子の発現に用いられるADH1プロモーター(上記参照)上にあると予想される抑制性配列を切除することにより、SSO2遺伝子の発現時間は延長し、分泌量の増大したSsoタンパク質は長時間存在可能になる。従って、バチルスα−アミラーゼの培地への最終的分泌レベルも高まる。この修飾ADH1プロモーターによる、単コピープラスミドに組込まれたSSO2遺伝子の発現も、Ssoタンパク質の分泌レベルを向上させ、α−アミラーゼの分泌を促進する。
【0060】
実施例5:正常レベルまたは増加されたレベルの機能性Ss
oタンパク質の存在下におけるSEC1遺伝子過剰発現酵母における外来性分泌タンパク質(バチルスα−アミラーゼ)産生の増大
【0061】
ADH1プロモーター〔Ruohonen et al.,1987;遺伝子をより効率的に発現するために、プロモーター要素に対し予想される5'端の抑制配列を切除することにより修飾されているもの(Ruohonen et al.,1991;Ruohonen et al.,manuscript in preparation,a)〕およびターミネーターの間に連結したバチルスα−アミラーゼ遺伝子を含有するプラスミドYEpαa6を担持するS.セレビシエ DBY746株を、SEC1遺伝子を発現する多コピープラスミドYEpSEC1およびコントロールのプラスミドYEp24H(Aalto et al.,1991;Ruohonen et al.,manuscript in preparation,b)のいずれかにより形質転換した。この形質転換体を選択培地で30℃で生育させ、培養培地へのα−アミラーゼの分泌を、ファデバスアミラーゼ検定キット(スウェーデン国、ファルマシア・ダイアグノスティクス AB社製)を用いてα−アミラーゼ活性を測定することによりモニターした。図6に示すように、多コピープラスミドに導入されたSEC1遺伝子を担持する菌株(□)は、SEC1遺伝子を含有しないプラスミドで形質転換された菌株(○)と比較して、α−アミラーゼ活性が向上した。この2種類の形質転換体において、その生育に差異は全く認められなかった。
【0062】
SEC1タンパク質とSEC2タンパク質を同時に過剰発現させると、α−アミラーゼの分泌はさらに促進された。SSO遺伝子を発現するプラスミドは、VTT〔バイオテクニカル ラボラトリー(Biotechnical Laboratory;Espoo,Finland)〕より入手できる。
【0063】
実施例6:酵母における発現によるトリコデルマsso遺伝子の単離および該遺伝子のトリコデルマにおける発現
T.レーセイQM9414株(Buchert et al.,フィンランド特許出願第922373号に記載)から調製した酵母発現遺伝子バンクを、サッカロミセス・セレビシエH458株〔Aalto et al.,1993;α SUC2 ade2−1 can1−100 his3−11,15 leu2−3,112 rp1−1 ura3−1 sso1−δ1::URA3 sso2−δ2::leu2::(GAL1:sso1,HIS3)〕に導入して形質転換させ、ガラクトース培地におけるUra要求性変異株を選抜することにより形質転換体を得た。この形質転換体をグルコース培地へ移し、その成長コロニーから該プラスミドを取り出し、上記菌株に導入し形質転換させて相補性を確認した。このようにして、グルコース培地におけるSsoタンパク質消費に対する救済能を示すクローンが得られた。このクローンに対応するプラスミドをpMS51と命名した。得られたプラスミドpMS51を担持するS.セレビシエ株は、1993年10月5日ドイチェ ザムルング フォン ミクロオーガニズメン ウント ツェルクルツーレン ゲー エム ベー ハー(DSM)に寄託した(寄託番号:DSM8604)。この遺伝子の染色体コピーは、PCRにより調製されるcDNAクローンの5'端を用いることにより、染色体コスミドライブラリー(Mantyla et al.,1992)から単離される。また、該コスミドは、シグナルを与えるクローンから単離され、上記cDNAに対応するコスミドは、CBHI−Fab分子を産生するT.レーセイ(Penttila et al.,1987)株、すなわち、VTT−D−91418(CBS 287.91)に導入されて形質転換する(Nyyssonen et al.,(特許出願)に記載)。CBHI−Fabの産生は、Solca−floc培地における細胞外マトリックスから調べられる(Nyyssonen et al.,特許出願)。
【0064】
実施例7:異種ハイブリダイゼーションによる真菌sso遺伝子の単離
真菌種であるサッカロミセス・セレビシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、クライベロミセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、ピヒア・スティピティス(Pichia stipitis)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)およびトリコデルマ・レーセイから、それぞれ染色体DNAを単離した。該DNAを制限酵素Hind IIIで消化し、0.8%アガロースゲル電気泳動により分画し、ナイロンフィルター上にブロットした。該フィルターのサザン・ブロットハイブリダイゼーションは、酵母SSO1遺伝子コード領域をプローブとして用いて、異なる厳密な条件下で行なった。ハイブリダイゼーションを、30%ホルムアミド、6×SSC、10×Denhardt溶液、0.5%SDS、100μg/mlのニシン***DNAおよび10μg/mlのポリAを含有する混合物中で35℃で行ない、2×SSCおよび0.1%SDSで30分間、42℃で、2回洗浄したところ、S.セレビシエ、K.ラクティス、P.スティピティスおよびT.レーセイ由来のDNAに対して、ハイブリッドしたバンドがいくつか現れた(図8)。また、ハイブリダイゼーションをあまり厳密ではない条件下で行なったところ、S.ポンベについてもハイブリダイゼイションは観察された。λEMBL3(Frischauf et al.,1983)ベクターにおいて構築されたT.レーセイ遺伝子ライブラリーを、上記した操作によりハイブリッドさせた。ハイブリダイゼーション・シグナルを与えるクローンを精製し、それらのハイブリッドしている領域を、それらのDNAの消化およびサザン・ブロット・ハイブリダイゼーションによりマップした。3種類のハイブリッドしたλクローンを、それぞれTSSOa、TSSObおよびTSSOcを命名した。これらのクローンは、1993年10月5日付でドイチェ ザムルング フォン ミクロオーガニズメン ウント ツェルクルツーレン ゲー エム ベー ハー(DSM)に寄託した(寄託番号:DSM 8601、DSM 8602およびDSM 8603)。
【0065】
寄託微生物
ブタペスト条約に基き、以下の微生物をドイチェ・ザムルング・フォン・ミクロオーガニズメン・ウント・ツェルクルツーレン・ゲー・エム・ベー・ハー(DSM;ドイツ国、ブラウンシュヴァイク D−3300 マシェローダー ヴェーク 1b)に寄託した。
Figure 0003638599

【図面の簡単な説明】
図1Aおよび1Bは、多コピープラスミドpMAC561に、S.セレビシエSSO1遺伝子およびSSO2遺伝子のcDNAをそれぞれ組み込んで得られるプラスミドYEpSSO1およびYEpSSO2を示す。
図2は、YEpSSO2により形質転換された酵母におけるSso2タンパク質の過剰発現を証明するウェスタンブロット解析を示す。
図3は、SSO1遺伝子またはSSO2遺伝子を発現する多コピープラスミド、およびバチルス(Bacillus)α−アミラーゼ遺伝子を発現する別のプラスミドにより形質転換したS.セレビシエ(sf750−14D株)により分泌されたバチルスα−アミラーゼ産生量の増大を示すグラフである。
図4は、SSO1遺伝子またはSSO2遺伝子を発現する多コピープラスミドを有する、あるいは有さないS.セレビシエにより分泌されたバチルスα−アミラーゼのウェスタン解析を示すものである。
図5は、SSO2遺伝子を発現する多コピープラスミド、およびバチルスα−アミラーゼを発現する別のプラスミドにより形質転換したS.セレビシエ(DBY746株)により分泌されたバチルスα−アミラーゼ産生量の増大を示すグラフである。
図6は、SEC1遺伝子を発現する多コピープラスミド、およびバチルスα−アミラーゼを発現する別のプラスミドにより形質転換したS.セレビシエ(DBY746株)により分泌されたバチルスα−アミラーゼ産生量の増大を示すグラフである。
図7は、リボゾーム配列により両側からはさまれたSSO2発現カセットをBS+ベクターに組み込んで得られるプラスミドpRbSSO2を示す。
図8は、6種類の異なる真菌種に由来するDNAと、酵母SSO1遺伝子とのハイブリダイゼーションを示す。
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配列表
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Claims (25)

  1. sec1サプレッサー遺伝子SSOの塩基配列を有する単離されたDNAであって、該DNAは、配列番号1に示されるSSO1配列を有するDNA、配列番号3に示されるSSO2配列を有するDNA、並びに、30%ホルムアミド、6×SSC、10×Denhardt溶液、0.5%SDS、100μg/mlのニシン***DNA及び10μg/mlのポリAを含有する混合物中で35℃でハイブリダイゼーションを行なった後に2×SSC及び0.1%SDS中42℃で30分間の洗浄を2回行なうハイブリダイゼーション条件下で配列番号1又は3に示される塩基配列を有するDNAとハイブリダイズするDNA、よりなる群から選ばれ、且つ該DNAを真核細胞中で過剰発現させると、該細胞の分泌タンパク質産生量の増大を可能にする上記単離されたDNA。
  2. 該単離されたDNAが真菌由来であり、真菌宿主中で過剰発現させると、該宿主の分泌タンパク質産生量の増大を可能にする請求項1に記載の単離されたDNA。
  3. 配列番号2および4で表わされるアミノ酸配列からなる各ポリペプチドをそれぞれコードするSSO1配列を有するDNAおよびSSO2配列を有するDNAから選ばれる請求項2に記載の単離されたDNA。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の単離されたDNAを含むベクター。
  5. それによって真核細胞を形質転換すると、その自律複製が可能である請求項4に記載のベクター。
  6. それによって真核細胞を形質転換すると、その該細胞染色体への組込みが可能である請求項4に記載のベクター。
  7. 該ベクターが酵母発現ベクターであり、該単離されたDNAが酵母遺伝子調節領域の制御下で発現されることを特徴とする請求項4に記載のベクター。
  8. 該酵母遺伝子調節領域が、SSO1遺伝子、SSO2遺伝子、SEC1遺伝子、GAL1〜GAL10遺伝子、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子ADH1、及びアスパラギンシンセターゼ遺伝子の各プロモーター領域からなる群から選ばれることを特徴とする請求項7に記載のベクター。
  9. 該ベクターが糸状菌発現ベクターであり、該単離されたDNAが、糸状菌類内で機能する調節領域の制御下で発現されることを特徴とする請求項4に記載のベクター。
  10. 上記の糸状菌類内で機能する調節領域が、sso、cbh1、cbh2、egl1、egl2、tef1、pgk、pki、グルコアミラーゼ、α−アミラーゼおよびアルコールデヒドロゲナーゼの遺伝子の各プロモーター領域からなる群から選ばれることを特徴とする請求項9に記載のベクター。
  11. サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)VTT−C−92072株(受託番号:DSM7253)に担持されたYEpSSO1およびサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)VTT−C−92073株(受託番号:DSM7254)に担持されたYEpSSO2からなる群から選ばれる真菌ベクターである請求項4に記載のベクター。
  12. 請求項1〜3のいずれかに記載の単離されたDNAを担持し、そしてSsoタンパク質を高レベルで発現する組換え真核細胞。
  13. サッカロミセス(Saccharomyces)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、クライベロミセス(Kluyveromyces)属、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピヒア(Pichia)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、ヤロビア(Yarrowia)属、アスペルギルス(Aspergillus)属およびニューロスポラ(Neurospora)属からなる群から選ばれる種に属する真菌細胞である請求項12に記載の組換え真核細胞。
  14. サッカロミセス(Saccharomyces)属およびトリコデルマ(Trichoderma)属から選ばれる種に属する真菌細胞である請求項13に記載の組換え真核細胞。
  15. サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)VTT−C−92072株(受託番号:DSM7253)である請求項14に記載の組換え真核細胞。
  16. サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)VTT−C−92073株(受託番号:DSM7254)である請求項14に記載の組換え真核細胞。
  17. Ssoタンパク質を高レベルで発現可能な真核細胞の構築方法にして、
    (a)ドナー生物から、Ssoタンパク質をコードする、配列番号1に示されるSSO1配列を有するDNA、配列番号3に示されるSSO2配列を有するDNA、並びに、30%ホルムアミド、6×SSC、10×Denhardt溶液、0.5%SDS、100μg/mlのニシン***DNA及び10μg/mlのポリAを含有する混合物中で35℃でハイブリダイゼーションを行なった後に2×SSC及び0.1%SDS中42℃で30分間の洗浄を2回行なうハイブリダイゼーション条件下で配列番号1又は3に示される塩基配列を有するDNAとハイブリダイズするDNA、よりなる群から選ばれるDNAであって、且つ真核細胞中で過剰発現させると、該細胞の分泌タンパク質産生量の増大を可能にするDNAを単離し、
    (b)該DNAの少なくとも1つを担持するベクターを構築し、そして
    (c)得られたベクターの少なくとも1つにより、宿主細胞を形質転換する、
    ことを包含する方法。
  18. 該宿主が、サッカロミセス(Saccharomyces)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、クライベロミセス(Kluyveromyces)属、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピヒア(Pichia)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、ヤロビア(Yarrowia)属、アスペルギルス(Aspergillus)属およびニューロスポラ(Neurospora)属からなる群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 該宿主が、サッカロミセス(Saccharomyces)属およびトリコデルマ(Trichoderma)属から選ばれる種に属することを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. SSO遺伝子を過剰発現することにより外来性または内在性の分泌タンパク質産生量を増大させる方法にして、
    (a)ドナー生物から、外来性または内在性の分泌タンパク質をコードする塩基配列を有するDNAを単離し、
    (b)該DNAの少なくとも1つを担持するベクターを構築し、
    (c)配列番号1に示されるSSO1配列を有するDNA、配列番号3に示されるSSO2配列を有するDNA、並びに、30%ホルムアミド、6×SSC、10×Denhardt溶液、0.5%SDS、100μg/mlのニシン***DNA及び10μg/mlのポリAを含有する混合物中で35℃でハイブリダイゼーションを行なった後に2×SSC及び0.1%SDS中42℃で30分間の洗浄を2回行なうハイブリダイゼーション条件下で配列番号1又は3に示される塩基配列を有するDNAとハイブリダイズするDNA、よりなる群から選ばれるDNAであって、且つ真核細胞中で過剰発現させると、該細胞の分泌タンパク質産生量の増大を可能にするDNAであらかじめ形質転換されていてSsoタンパク質を高レベルで発現する宿主を、上記工程(b)で得られたベクターにより形質転換して組換え宿主細胞を得るか、あるいは、
    該ベクターにより宿主を形質転換し、この形質転換体を、配列番号1に示されるSSO1配列を有するDNA、配列番号3に示されるSSO2配列を有するDNA、並びに、30%ホルムアミド、6×SSC、10×Denhardt溶液、0.5%SDS、100μg/mlのニシン***DNA及び10μg/mlのポリAを含有する混合物中で35℃でハイブリダイゼーションを行なった後に2×SSC及び0.1%SDS中42℃で30分間の洗浄を2回行なうハイブリダイゼーション条件下で配列番号1又は3に示される塩基配列を有するDNAとハイブリダイズするDNA、よりなる群から選ばれるDNAであって、且つ真核細胞中で過剰発現させると、該細胞の分泌タンパク質産生量の増大を可能にするDNAで再度形質転換し、上記の分泌タンパク質の産生能が高められた細胞をスクリーニングし、そして
    (d)該組換え宿主細胞を、上記の外来性または内在性の分泌タンパク質の発現が可能な条件下で培養する、
    ことを包含する方法。
  21. 正常量または増加された量のSsoタンパク質の存在下で分泌経路に関与し、SSO遺伝子と相互作用し得る遺伝子を過剰発現することにより、外来性または内在性の分泌タンパク質の産生量を増大させる方法にして、
    (a)ドナー生物から、外来性または内在性の分泌タンパク質をコードする塩基配列を有するDNAを単離し、
    (b)該DNAの少なくとも1つを担持するベクターを構築し、
    (c)配列番号1に示されるSSO1配列を有するDNA、配列番号3に示されるSSO2配列を有するDNA、並びに、30%ホルムアミド、6×SSC、10×Denhardt溶液、0.5%SDS、100μg/mlのニシン***DNA及び10μg/mlのポリAを含有する混合物中で35℃でハイブリダイゼーションを行なった後に2×SSC及び0.1%SDS中42℃で30分間の洗浄を2回行なうハイブリダイゼーション条件下で配列番号1又は3に示される塩基配列を有するDNAとハイブリダイズするDNA、よりなる群から選ばれるDNAであって、且つ真核細胞中で過剰発現させると、該細胞の分泌タンパク質産生量の増大を可能にするDNAであらかじめ形質転換されていてSsoタンパク質を正常レベルまたは高レベルで発現する宿主であって、かつ分泌経路に関与しSSO遺伝子と相互作用し得るその他の遺伝子を過剰発現する宿主を、上記工程(b)で得られたベクターにより形質転換して組換え宿主細胞を得るか、あるいは、
    該ベクターにより宿主を形質転換し、この形質転換体を、配列番号1および3にそれぞれ示されるSSO1配列およびSSO2配列よりなる群から選ばれる塩基配列を有するSSO遺伝子、または、30%ホルムアミド、6×SSC、10×Denhardt溶液、0.5%SDS、100μg/mlのニシン***DNA及び10μg/mlのポリAを含有する混合物中で35℃でハイブリダイゼーションを行なった後に2×SSC及び0.1%SDS中42℃で30分間の洗浄を2回行なうハイブリダイゼーション条件下で該SSO遺伝子とハイブリダイズする遺伝子であって、且つ真核細胞中で過剰発現させると、該細胞の分泌タンパク質産生量の増大を可能にする遺伝子、および分泌経路に関与しSSO遺伝子と相互作用し得る遺伝子により再度形質転換し、上記の分泌タンパク質の産生能が高められた細胞をスクリーニングし、そして
    (d)得られる組換え宿主細胞を、上記の分泌タンパク質の発現が可能な条件下で培養する、
    ことを包含する方法。
  22. 内在性分泌タンパク質の産生を増大させる方法にして、
    (a)内在性分泌タンパク質を産生する細胞を、配列番号1に示されるSSO1配列を有するDNA、配列番号3に示されるSSO2配列を有するDNA、並びに、30%ホルムアミド、6×SSC、10×Denhardt溶液、0.5%SDS、100μg/mlのニシン***DNA及び10μg/mlのポリAを含有する混合物中で35℃でハイブリダイゼーションを行なった後に2×SSC及び0.1%SDS中42℃で30分間の洗浄を2回行なうハイブリダイゼーション条件下で配列番号1又は3に示される塩基配列を有するDNAとハイブリダイズするDNA、よりなる群から選ばれるDNAであって、且つ真核細胞中で過剰発現させると、該細胞の分泌タンパク質産生量の増大を可能にするDNA単独で、あるいは分泌経路に関与しSSO遺伝子と相互作用し得る遺伝子と共同で、形質転換し、
    (b)該内在性分泌タンパク質を高レベルで産生する形質転換体をスクリーニングし、タンパク質産生能が高められた組換え細胞を得、そして
    (c)該組換え細胞を、該内在性分泌タンパク質の発現が可能な条件下で培養する、
    ことを包含する方法。
  23. 原料を利用して効率的にバイオマスを産生するか、または原料を効率的に加水分解する方法にして、
    (a)ドナー生物から、内在性または外来性の加水分解酵素をコードする塩基配列を有するDNAを単離し、
    (b)該DNAの少なくとも1つを担持する真菌ベクターを構築し、
    (c)配列番号1に示されるSSO1配列を有するDNA、配列番号3に示されるSSO2配列を有するDNA、並びに、30%ホルムアミド、6×SSC、10×Denhardt溶液、0.5%SDS、100μg/mlのニシン***DNA及び10μg/mlのポリAを含有する混合物中で35℃でハイブリダイゼーションを行なった後に2×SSC及び0.1%SDS中42℃で30分間の洗浄を2回行なうハイブリダイゼーション条件下で配列番号1又は3に示される塩基配列を有するDNAとハイブリダイズするDNA、よりなる群から選ばれるDNAであって、且つ真核細胞中で過剰発現させると、該細胞の分泌タンパク質産生量の増大を可能にするDNAであらかじめ形質転換されていてSsoタンパク質を高レベルで発現する真菌宿主を、上記工程(b)で得られたベクターにより形質転換して組換え宿主細胞を得るか、あるいは、
    該ベクターにより宿主を形質転換し、この形質転換体を、配列番号1に示されるSSO1配列を有するDNA、配列番号3に示されるSSO2配列を有するDNA、並びに、30%ホルムアミド、6×SSC、10×Denhardt溶液、0.5%SDS、100μg/mlのニシン***DNA及び10μg/mlのポリAを含有する混合物中で35℃でハイブリダイゼーションを行なった後に2×SSC及び0.1%SDS中42℃で30分間の洗浄を2回行なうハイブリダイゼーション条件下で配列番号1又は3に示される塩基配列を有するDNAとハイブリダイズするDNA、よりなる群から選ばれるDNAであって、且つ真核細胞中で過剰発現させると、該細胞の分泌タンパク質産生量の増大を可能にするDNAで再度形質転換し、上記の加水分解酵素の産生能が高められた細胞をスクリーニングし、そして
    (d)得られる組換え宿主細胞を、上記の加水分解酵素の発現が可能な条件下で培養する、
    ことを包含する方法。
  24. 正常量または増加された量のSsoタンパク質の存在下で分泌経路に関与し、SSO遺伝子と相互作用し得る遺伝子を過剰発現することにより、原料を利用して効率的にバイオマスを産生するか、または原料を効率的に加水分解する方法にして、
    (a)ドナー生物から、内在性または外来性の加水分解酵素をコードする塩基配列を有するDNAを単離し、
    (b)該DNAの少なくとも1つを担持するベクターを構築し、
    (c)正常量または増加された量のSsoタンパク質の存在下で、分泌経路に関与しSsoタンパク質と相互作用し得るタンパク質を高レベルで発現する宿主を、上記工程(b)で得られたベクターにより形質転換して組換え宿主細胞を得るか、あるいは、
    該ベクターにより宿主を形質転換し、この形質転換体を、配列番号1および3にそれぞれ示されるSSO1配列およびSSO2配列よりなる群から選ばれる塩基配列を有するSSO遺伝子、または、30%ホルムアミド、6×SSC、10×Denhardt溶液、0.5%SDS、100μg/mlのニシン***DNA及び10μg/mlのポリAを含有する混合物中で35℃でハイブリダイゼーションを行なった後に2×SSC及び0.1%SDS中42℃で30分間の洗浄を2回行なうハイブリダイゼーション条件下で該SSO遺伝子とハイブリダイズする遺伝子であって、且つ真核細胞中で過剰発現させると、該細胞の分泌タンパク質産生量の増大を可能にする遺伝子、および分泌経路に関与しSSO遺伝子と相互作用し得る遺伝子により再度形質転換し、上記の加水分解酵素の産生能が高められた細胞をスクリーニングし、そして
    (d)得られる組換え宿主細胞を、上記の加水分解酵素の発現が可能な条件下で培養する、
    ことを包含する方法。
  25. 該分泌経路を関与し、該SSO遺伝子と相互作用し得る遺伝子がSEC1遺伝子であることを特徴とする、請求項21、22および24のいずれかに記載の方法。
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