JP3621874B2 - 時計用外装部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、亜鉛キャスト素材あるいは真鍮キャスト素材を用いる時計用外装部品に関するものであり、特に表面に梨地調仕上げを施すと共にメッキによる表面処理を施したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ケース、レジスターリング、バンド等の時計用外装部品には、亜鉛素材や真鍮素材がよく使用されている。この時計用外装部品は、亜鉛キャストや真鍮キャストの形成方法により素材を形成し、この素材に所要の加工を施した後、耐蝕性や装飾性を高めるため数種類のメッキを施して表面にメッキ層を形成し、完成されるものであった。このような部品形成の中で、携帯時計等として落ち着いた装飾性を得るために、ホーニングを施して光沢を抑えた梨地調に仕上げることがある。このような梨地調の外装部品の場合、以下に示すような構成となっていた。
【0003】
即ち、素材が亜鉛キャストの場合、高級感のある外観色を得るために、素材の表面にCuメッキを施して第1のメッキ層を形成し、この第1のメッキ層の上に光沢Niメッキを施して第2のメッキ層を形成し、ここでホーニングを施して表面に梨地調の模様を形成し、更に光沢Niメッキを施して第3のメッキ層を形成し、仕上げメッキとしてPdメッキやAuメッキを施して第4のメッキ層を形成し、白色外観色や金色外観色を得ていた。
【0004】
また、真鍮キャスト素材の場合、下地メッキとしてのCuメッキを削減して素材の表面に光沢Niメッキを施して第1のメッキ層を形成し、このメッキ層にホーニングを施し、更に光沢Niメッキを施して第2のメッキ層を形成し、PdメッキやAuメッキを施して第3のメッキ層を形成し、白色外観色や金色外観色を得ていた。
【0005】
上記のような形成工程におけるメッキ厚は、概ね、Cuメッキが10〜20μm、ホーニング前の光沢Niメッキが10〜15μm、ホーニング後の光沢Niメッキが0.1〜0.2μm、Pdメッキが0.1〜2μm、Auメッキが0.03〜2μmに設定されていた。
【0006】
上記Cuメッキは亜鉛キャスト素材の腐食を防止するために施すものであるため、かなり厚くすることが必要である。また、ホーニング前の光沢Niメッキは、Cuメッキあるいは真鍮キャスト素材の腐食を防止するために施している。この光沢Niメッキのメッキ厚は、ホーニングを施すことから、通常のホーニングを施さない部品に比べて厚くなるように設定されている。また、ホーニング後の光沢Niメッキは、模様の梨地感を保ちながら所望の光沢を出すために施すものであり、そのメッキ厚を厚くし過ぎると梨地感が薄れて光沢が増すため、非常に薄いメッキ厚に設定されている。更に、PdメッキやAuメッキは外観色を出すために施されるものであり、非常に高価であると共に耐摩耗性等を考慮して概ね2μm以下のメッキ厚となるように管理されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、ホーニングにより形成した梨地調の模様の梨地感を保つため、ホーニング後の光沢Niメッキのメッキ厚を薄くしなければならなかった。このため、錆等が発生することがあり、耐蝕性が低下するという課題があった。
【0008】
単に耐蝕性だけを高めるのであれば、ホーニング後の光沢Niメッキのメッキ厚を厚くして対処することが考えられるが、このようにメッキ厚を厚くすると梨地感が薄れて光沢が増してしまい、所望の梨地感や光沢を得ることができなくなる。
【0009】
また、光沢Niメッキに代えて通常のNiメッキを厚く形成して耐蝕性を高めることも考えられるが、これでは全く艶が出ずに曇りが現われてしまい、外観品質が著しく低下することになる。
【0010】
更に、仕上げメッキであるPdメッキやAuメッキを厚くして耐蝕性を高めることも考えられるが、コストが大幅に上昇することになる。
【0011】
上記のように梨地調の模様を設ける場合、耐蝕性と外観品質、あるいは耐蝕性と製造コストに関する条件を全て満足させなければならなかった。
【0012】
一方、現在では、金属アレルギー対策の一つとして、アレルギー症状引き起こすNi金属を使用しない時計用外装部品が商品化されている。このように金属アレルギー対策を取りながら、更に前述したような耐蝕性等に関する条件を満足させなければならないという課題もあった。
【0013】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたもので、梨地調の外観を保ちながら耐蝕性を向上させ、更に金属アレルギー対策をとることも可能とした時計用外装部品を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の時計用外装部品は、請求項1に示すように、亜鉛キャストの素材に、Cuメッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の上に光沢Niメッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第2のメッキ層の上に無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、この第3のメッキ層の上にPdメッキ又はCrメッキを施すことにより形成される第4のメッキ層と、を有するものである。また、この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は10〜23μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は10〜15μmの厚みを有し、前記第3のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、Crメッキにより形成される前記第4のメッキ層は0.2〜0.4μmの厚みを有している。更に、この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は10〜23μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は10〜15μmの厚みを有し、前記第3のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、Pdメッキにより形成される前記第4のメッキ層は0.1〜2μmの厚みを有している。
【0015】
また、本発明の時計用外装部品は、請求項に示すように、亜鉛キャストの素材に、Cuメッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の上に光沢Niメッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第2のメッキ層の上に無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、この第3のメッキ層の上にAuメッキ又はAu−Niメッキを施すことにより形成される第4のメッキ層と、を有するものである。この時計用外装部品における前記第3のメッキ層と前記第4のメッキ層の間には、Pdメッキにより形成される第5のメッキ層が設けられている。そして、この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は10〜23μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は10〜15μmの厚みを有し、前記第3のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第4のメッキ層は0.03〜2μmの厚みを有している。また、この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は10〜23μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は10〜15μmの厚みを有し、前記第3のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第4のメッキ層は0.03〜2μmの厚みを有し、前記第5のメッキ層は0.1〜0.5μmの厚みを有している。
【0016】
また、本発明における時計用外装部品は、請求項に示すように、亜鉛キャストの素材に、Cuメッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の上にCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第2のメッキ層の上にCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、この第3のメッキ層の上にPdメッキ又はCrメッキを施すことにより形成される第4のメッキ層と、を有している。この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は10〜23μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第3のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、Pdメッキにより形成される前記第4のメッキ層は0.1〜2.0μmの厚みを有している。また、前記第1のメッキ層は10〜23μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第3のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、Crメッキにより形成される前記第4のメッキ層は0.2〜0.4μmの厚みを有している。
【0017】
また、本発明における時計用外装部品は、請求項に示すように、亜鉛キャストの素材に、Cuメッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の上にCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第2のメッキ層の上にCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、この第3のメッキ層の上にAuメッキ又はAu−Fe合金メッキ又はAu−Fe−In合金メッキ又はAu−In合金メッキを施すことにより形成される第4のメッキ層と、を有している。この時計用外装部品における前記第3のメッキ層と前記第4のメッキ層の間にはPdメッキにより形成される第5のメッキ層が設けられている。そして、この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は10〜23μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第3のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第4のメッキ層は0.03〜2μmの厚みを有している。また、この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は10〜23μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第3のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第4のメッキ層は0.03〜2μmの厚みを有し、前記第5のメッキ層は0.1〜0.5μmの厚みを有している。
【0018】
また、本発明における時計用外装部品は、真鍮キャストの素材に、光沢Niメッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第1のメッキ層の上に無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の上にPdメッキ又はCrメッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、を有している。この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は10〜15μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、Crメッキにより形成される前記第3のメッキ層は0.2〜0.4μmの厚みを有している。また、この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は10〜15μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、Pdメッキにより形成される前記第3のメッキ層は0.1〜2μmの厚みを有している。
【0019】
また、本発明の時計用外装部品は、真鍮キャストの素材に、光沢Niメッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第1のメッキ層の上に無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の上にAuメッキ又はAu−Ni合金メッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、を有している。この時計用外装部品における前記第2のメッキ層と前記第3のメッキ層の間にはPdメッキにより形成される第4のメッキ層が設けられている。そして、この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は10〜15μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第3のメッキ層は0.03〜2μmの厚みを有している。また、この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は10〜15μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第3のメッキ層は0.03〜2μmの厚みを有し、前記第4のメッキ層は0.1〜0.5μmの厚みを有している。
【0020】
また、本発明における時計用外装部品は、真鍮キャストの素材に、Cu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第1のメッキ層の上にCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の上にPdメッキ又はCrメッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、を有している。この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、Pdメッキにより形成される前記第3のメッキ層は0.1〜2μmの厚みを有している。また、この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、Crメッキにより形成される前記第3のメッキ層は0.2〜0.4μmの厚みを有している。
【0021】
また、本発明における時計用外装部品は、真鍮キャストの素材に、Cu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第1のメッキ層の上に又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の上にAuメッキ又はAu−Fe合金メッキ又はAu−Fe−In合金メッキ又はAu−In合金メッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、を有している。この時計用外装部品における前記第2のメッキ層と前記第3のメッキ層の間にはPdメッキにより形成される第4のメッキ層が設けられている。そして、この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第3のメッキ層は0.03〜2μmの厚みを有している。また、この時計用外装部品における前記第1のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第2のメッキ層は2〜10μmの厚みを有し、前記第3のメッキ層は0.03〜2μmの厚みを有し、前記第4のメッキ層は0.1〜0.5μmの厚みを有している。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の時計用外装部品においては、梨地調の模様を形成するホーニングを施した後、無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施して2〜10μmのメッキ層を形成することを特徴とするものである。
【0023】
即ち、亜鉛キャスト素材の場合にはCuメッキと光沢Niメッキを下地メッキとして施した後、また、真鍮キャスト素材の場合には光沢Niメッキを下地メッキとして施した後、ホーニングを行い、前述したような無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施している。この無電解Niメッキ、Cu−Sn合金メッキ及びCu−Sn−Zn合金メッキは、ホーニングによる錆の発生を防止するためにメッキ厚を2〜10μmと厚くしても、ホーニングで形成した模様の凹凸による梨地感が損なわれることがなく、また十分な光沢も確保することができる。また、このように形成されたメッキ層により耐蝕性が高められているため、仕上げとしてのCrメッキ、Pdメッキ、Auメッキ等のメッキ厚を増す必要もなく、コストを考慮しながらメッキ厚を薄く設定することが可能となる。
【0024】
この結果、従来、ホーニングを行うことによる耐蝕性の低下と、それを補うと生じる外観品質の低下という問題を全て解決することができる。
【0025】
また、金属アレルギー対策をとる場合には、下地メッキとしての光沢Niメッキとホーニング後の無電解Niメッキに代えてNi金属を使用しないCu−Sn合金メッキ又はC−Sn−Zn合金メッキをそれぞれ2〜10μmのメッキ厚となるように施す。これにより、金属アレルギーを引き起こすNi金属を使用することなく、所望の梨地感や光沢を得ることが可能となる。
【0026】
【実施例】
以下本発明の一実施例に係る時計用外装部品の構成を説明する。図1は本発明の第1実施例に係る白色金属光沢を有する時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。図1において、2は亜鉛キャストからなる素材であり、4は素材2の表面にCuメッキを施すことにより形成された第1のメッキ層、6は第1のメッキ層4の上に光沢Niメッキを施すことにより形成された第2のメッキ層である。この第2のメッキ層6は、サンドブラスト等のホーニングによりその表面に梨地調の模様6aが形成されている。8は第2のメッキ層6の上に無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成された第3のメッキ層、10は第3のメッキ層8の上にCrメッキ又はPdメッキを施すことにより形成された第4のメッキ層である。
【0027】
上記Cuメッキにより形成される第1のメッキ層4は、素材2の腐食を防ぐと共に第2のメッキ層6の密着性向上と光沢を出すために設けられている。この第1のメッキ層4を形成するCuメッキは、シアン系のストライク銅メッキをした後に硫酸銅メッキを施すことにより成されている。その際のメッキ厚は、ストライク銅メッキを2〜3μm施した後に硫酸銅メッキを施して、総厚が10〜23μmとなるように設定している。
【0028】
また、光沢Niメッキにより形成される第2のメッキ層6は、第1のメッキ層4の腐食防止と光沢を出すために設けられており、その表面にホーニングが施されるため、10〜15μmの厚みに設定されている。
【0029】
また、ホーニングにより表面に梨地調の模様6aが形成された第2のメッキ層6の上に無電解Niメッキで形成される第3のメッキ層8は、通常のNiメッキで形成されるメッキ層と異なり、その表面が滑らかであると共に第2のメッキ層6の模様6aに良く馴染んで、その梨地感を損なうことがないものとなっている。従って、この第3のメッキ層8の厚みを比較的厚くして2〜10μmに設定しても、その下の模様6aの梨地感を損なうことがなく、耐蝕性を向上させ、光沢を出すことが可能である。また、この第3のメッキ層8をCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキにより形成した場合にも、上記のような無電解Niメッキで形成した場合と同様に、梨地感を損なわず、耐蝕性を高め、光沢を出すことが可能である。
【0030】
更に、Crメッキ又はPdメッキにより形成される第4のメッキ層10は、白色金属光沢に仕上げるために形成されるものであり、Crメッキの場合には0.2〜0.4μm、Pdメッキの場合には0.1〜2μmのメッキ厚に設定している。
【0031】
上記メッキ構成において、第1乃至第3のメッキ層4,6,8は、それぞれ素材2や下側のメッキ層の腐食を防止することを目的として設けられているものであるため、これら第1乃至第3のメッキ層4,6,8の厚みを変えながら耐蝕性等についての評価試験を行った。具体的には、メッキの密着性を見るための折曲試験として、素材2の上に第1及び第2のメッキ層4,6を形成し、ホーニングを施し、第3のメッキ層8を形成したものを、360度に折り曲げたときのメッキのはがれを見て確認した。
【0032】
また、変色等を見るための人工汗試験として、塩化ナトリウム9.9g/l、硫化ナトリウム0.8g/l、尿素1.9g/l、乳酸1.7ml/l、アンモニア水0.2ml/lを調合して人工汗組成液を作り、40度の液温の下で24時間浸漬し、変色の状態を確認した。
【0033】
更に、錆の発生を見るための塩水噴霧試験として、塩化ナトリウム5%溶液を、35度の液温にして、8時間噴霧し、錆の発生を確認した。
【0034】
上記各試験を行った結果、メッキのはがれ、変色及び錆の発生が認められないものを選定すると、第1のメッキ層4(Cuメッキ)10〜23μm、第2のメッキ層6(光沢Niメッキ)10〜15μm、第3のメッキ層8(無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキ)2〜10μmの範囲が好適であることを確認した。尚、前記各試験の結果から、各メッキ厚の下限を腐食の生じない下限の限度と確認することができ、また、各メッキ厚の上限に関しては前記試験の結果だけでなく、メッキコストや寸法管理に関しても考慮することにより設定している。
【0035】
即ち、Cuメッキによる第1のメッキ層4の場合、10〜23μmのメッキ厚までは耐蝕性が向上するが、それ以上厚くしても顕著な耐蝕性の向上は認められず、逆にメッキコストが上昇し、寸法管理も難しくなるという問題が生じる。このため、メッキ厚の上限を23μmにすることが最適であると認められた。また、他のメッキ層に関しても同様にその上限を設定している。尚、第3のメッキ層8の場合、あまり厚く形成すると、色調に曇りが発生して光沢が低下することがあるため、耐蝕性を保持しつつ光沢が得られるように設定している。
【0036】
一方、Crメッキ又はPdメッキによる第4のメッキ層10は、仕上げメッキであるため、所望の白色色調を得ると共に耐蝕性の保証、及びメッキコストを考慮してその厚さが設定されている。
【0037】
前述したCuメッキ、光沢Niメッキ、無電解Niメッキ、Cu−Sn合金メッキ、Cu−Sn−Zn合金メッキ、Pdメッキ、Crメッキのメッキ加工条件は表1及び表2に示すように設定している。各メッキのメッキ厚は、表1及び表2に示すメッキ条件において浴液中の浸漬時間により決定され、また無電解Niメッキを除く他のメッキにおいては電流値を変えることによりメッキ厚を調整することも可能である。
【0038】
【表1】
Figure 0003621874
【0039】
【表2】
Figure 0003621874
【0040】
上記のように、Cuメッキによる第1のメッキ層4を10〜23μmの厚みに形成し、光沢Niメッキによる第2のメッキ層6を10〜15μmの厚みに形成すると共にその表面にホーニングで梨地調の模様6aを形成し、無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキによる第3のメッキ層8を2〜10μmの厚みに形成し、Crメッキ又はPdメッキによる第4のメッキ層10をCrメッキの場合0.2〜0.4μmの厚みに形成しPdメッキの場合0.1〜2μmの厚みに形成することにより、十分な耐蝕性を得ることができると共に、白色の金属光沢を持つ梨地調の時計用外装部品を形成することができる。
【0041】
図2は本発明の第2実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。図1に示す第1実施例におけるメッキ構成は白色の金属光沢を得るものであったが、本実施例においては金色の金属光沢を得ることができるメッキ構成となっている。即ち、素材2、第1のメッキ層4、第2のメッキ層6、梨地調の模様6a、第3のメッキ層8に関しては、その材質、メッキ方法及び厚みが全て第1実施例と同一であり、仕上げメッキのみが異なっている。この仕上げメッキは、Auメッキ又はAu−Ni合金メッキにより形成される第4のメッキ層12であり、この第4のメッキ層12を0.03〜2μmの厚みに形成することにより、十分な耐蝕性を得ることができると共に、光沢を有した所望の金色を得ることができる。また、当然ながら、この第4のメッキ層12の厚みを必要以上に厚くしなければAuの使用量を少なくすることができ、コストの上昇を抑えることができる。尚、このAuメッキのメッキ加工条件に関しては表2に示すように設定している。
【0042】
また、本実施例においては、図2に示すように、第3のメッキ層8と第4のメッキ層12との間に、Pdメッキによる第5のメッキ層14を設けて高温における耐候対策を施している。勿論、この第5のメッキ層14を設けなくても、通常使用される温度範囲において耐候性の問題は全くないが、80℃以上の高温状態においては、第3のメッキ層8としてのNi又はCu−Sn合金又はCu−Sn−Zn合金と第4のメッキ層12としてのAu又はAu−Ni合金の接合境界付近で拡散現象が生じ、金色が薄れることがある。これはNi又はCu−Sn合金又はCu−Sn−Zn合金が白色系の色調を有しており、これにAu又はAu−Ni合金の金色が混ざり合って金色が薄れることに起因している。そこで、この第3のメッキ層8と第4のメッキ層12との間にPdメッキによる第5のメッキ層14を設け、高温状態においても金色の色調に変化が生じないように構成している。
【0043】
このPdメッキによる第5のメッキ層14は、0.1〜0.5μmの厚みに形成することが好ましい。0.1μmより薄くすると、上述したような金色の薄れが生じ易くなり、また、0.5μmより厚くしてもその効果に顕著な差が見られないため、この範囲で形成することにより十分な効果が得られる。
【0044】
図3はNi金属アレルギー対策としてNi金属を使用せずに白色金属光沢を有する梨地調の模様を得る第3実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。前述した第1実施例においては、第2のメッキ層6を光沢Niメッキで形成し、第3のメッキ層8を無電解Niメッキで形成する場合があるが、これを本実施例においては、全てCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキで形成している。
【0045】
即ち、素材2、第1のメッキ層4(Cuメッキ)、ホーニング、第4のメッキ層10(Pdメッキ又はCrメッキ)に関しては、その材質、メッキ方法及び厚みが全て第1実施例と同一であり、第2のメッキ層16と第3のメッキ層18をCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキで形成している。この第2のメッキ層16と第3のメッキ層18のメッキ厚は、前述したように耐蝕性と光沢を考慮して共に2〜10μmに設定している。尚、このCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキのメッキ加工条件に関しては表1に示すように設定している。
【0046】
尚、第3実施例においては、Cu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキにより形成される第2のメッキ層16の表面にホーニングが施され、第2のメッキ層16の表面に梨地調の模様16aが形成されている。
【0047】
図4はNi金属を使用せずに金色金属光沢を有する梨地調の模様を得る第4実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。前述した第2実施例においても、第2のメッキ層6を光沢Niメッキで形成し、第3のメッキ層8を無電解Niメッキで形成する場合があるが、本実施例においてもこれらを全てCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキで形成している。また、この第2のメッキ層16と第3のメッキ層18も第3実施例と同様に、それぞれ2〜10μmのメッキ厚に設定しており、そのメッキ加工条件に関しても同様に設定している。
【0048】
また、この第4実施例における素材2、第1のメッキ層4(Cuメッキ)、ホーニング、第5のメッキ層14(Pdメッキ)に関しては、その材質、メッキ方法及び厚みが全て第2実施例と同一に設定されている。
【0049】
尚、この第4実施例においても、Cu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキにより形成される第2のメッキ層16の表面にホーニングが施されて梨地調の模様16aが形成されている。
【0050】
また、金色を得ている第2実施例においては、仕上げメッキとしてAu−Ni合金メッキを使用する場合もあるが、この第4実施例においては、これをAu−Fe合金メッキ又はAu−Fe−In合金メッキ又はAu−In合金メッキに置き換えて第4のメッキ層12を形成している。このようにFeやInを含む金合金メッキを施すことにより、メッキ表面硬度を高めて耐摩耗性を向上させることができる。尚、このAu−Fe合金メッキ又はAu−Fe−In合金メッキ又はAu−In合金メッキのメッキ加工条件に関しては表2に示すように設定している。
【0051】
図5及び図6は素材に真鍮キャストを用いた第5実施例及び第6実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。素材22に真鍮キャストを用いた場合、図1及び図2に示す第1及び第2実施例のようにCuメッキによる第1のメッキ層4を形成する必要がないものであり、素材22自体の耐蝕性及び光沢をそのまま活かすことができる。
【0052】
このため、白色金属光沢の梨地調模様に仕上げる第5実施例の場合には、図5に示すように、素材22の表面に直に光沢Niメッキにより第1のメッキ層26を10〜15μmの厚みに形成し、その表面にホーニングを施して梨地調の模様26aを形成し、その上に無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキにより第2のメッキ層28を2〜10μmの厚みに形成し、その上にPdメッキ又はCrメッキにより第3のメッキ層30をPdメッキの場合には0.1〜2μm、Crメッキの場合には0.2〜0.4μmの厚みに形成している。
【0053】
金色金属光沢の梨地調模様に仕上げる第6実施例の場合には、図6に示すように、第5実施例と同様にして素材22の上に光沢Niメッキによる第1のメッキ層26を10〜15μmの厚みに形成し、その表面にホーニングを施して梨地調の模様26aを形成し、その上に無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキにより第2のメッキ層28を2〜10μmの厚みに形成し、その上にAuメッキ又はAu−Ni合金メッキにより第3のメッキ層32を0.03〜2μmの厚みに形成している。また、高温下における耐候性を向上させるため、この第2のメッキ層28と第3のメッキ層32との間にPdメッキによる第4のメッキ層34を0.1〜0.5μmの厚みに形成しても良い。
【0054】
尚、上記第5実施例と第6実施例における各メッキのメッキ加工条件も、第1実施例及び第2実施例と同様に表1及び表2に示す条件に設定している。
【0055】
また、真鍮キャストによる素材22を使用する場合にも金属アレルギー対策のためにNi金属を使用しないで白色金属光沢の梨地調模様及び金色金属光沢の梨地調模様に仕上げることが可能である。このように金属アレルギー対策を施した第7及び第8実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を図7及び図8に示す。
【0056】
この第7及び第8実施例においては、第5及び第6実施例において光沢Niメッキで形成される第1のメッキ層26と無電解Niメッキで形成される場合がある第2のメッキ層28を、全てCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキで形成される第1のメッキ層36と第2のメッキ層38に変更している。この第1のメッキ層36及び第2のメッキ層38のメッキ厚に関しても耐蝕性と光沢を考慮して2〜10μmに設定している。また、このCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキのメッキ加工条件も、表1に示す条件に設定している。
【0057】
また、金色を得るときに、仕上げメッキとしてAu−Ni合金メッキを使用する場合もあるが、この第8実施例においては、これをAu−Fe合金メッキ又はAu−Fe−In合金メッキ又はAu−In合金メッキに置き換えて第3のメッキ層32を形成している。尚、この場合のAu−Fe合金メッキ又はAu−Fe−In合金メッキ又はAu−In合金メッキのメッキ加工条件に関しても表2に示すように設定している。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、亜鉛キャストからなる素材の上に、Cuメッキを施して第1のメッキ層を10〜23μmの厚みに形成し、その上に光沢Niメッキを施して第2メッキ層を10〜15μmの厚みに形成し、その表面にホーニングを施して梨地調模様を形成し、その上に無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施して第3のメッキ層を2〜10μmの厚みに形成し、その上に仕上げメッキとしてPdメッキの場合0.1〜2μm、Crメッキの場合0.2〜0.4μm、Auメッキの場合0.03〜2μmの厚みに第4のメッキ層を形成しているので、耐蝕性に優れ、白色又は金色の金属光沢を持った梨地調の模様を有する時計用外装部品を提供することができる。
【0059】
また、金属アレルギー対策としてNi金属を使用せずにCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキで第2及び第3のメッキ層を2〜10μmの厚みに形成しており、この場合においても優れた耐蝕性と光沢を持った梨地調模様を有する時計用外装部品を提供することができる。
【0060】
更に、真鍮キャストからなる素材の場合にも、亜鉛キャストにおいて必要としていたCuメッキを削減し、他のメッキ層を同様に形成するだけで、優れた耐蝕性と光沢を持った梨地調模様を有する時計用外装部品を提供することができる。
【0061】
更にまた、無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを梨地調の模様の上に形成しているので、仕上げメッキとしてのPdメッキ、Crメッキ、Auメッキ、Au−Feメッキ、Au−Fe−Inメッキ、Au−Inメッキのメッキ厚を厚くすることなく、十分な耐蝕性を得ることができ、仕上げメッキのメッキ厚増加によるメッキコストの上昇を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第5実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第6実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第7実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第8実施例に係る時計用外装部品のメッキ構成を示す断面図である。
【符号の説明】
2,22 素材
4 第1のメッキ層
6,16 第2のメッキ層
6a,16a 模様
8,18 第3のメッキ層
10,12 第4のメッキ層
14 第5のメッキ層
26,36 第1のメッキ層
26a 模様
28,38 第2のメッキ層
30,32 第3のメッキ層
34 第4のメッキ層

Claims (12)

  1. 亜鉛キャストの素材に、10〜23μmの厚みを有するCuメッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の上に10〜15μmの厚みを有する光沢Niメッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第2のメッキ層の上に2〜10μmの厚みを有する無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、この第3のメッキ層の上に0.1〜2μmの厚みを有するPdメッキ又は0.2〜0.4μmの厚みを有するCrメッキを施すことにより形成される第4のメッキ層と、を有することを特徴とする時計用外装部品。
  2. 亜鉛キャストの素材に、10〜23μmの厚みを有するCuメッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の上に10〜15μmの厚みを有する光沢Niメッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第2のメッキ層の上に2〜10μmの厚みを有する無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、この第3のメッキ層の上に0.03〜2μmの厚みを有するAuメッキ又はAu−Niメッキを施すことにより形成される第4のメッキ層と、を有することを特徴とする時計用外装部品。
  3. 前記第3のメッキ層と前記第4のメッキ層の間に0.1〜0.5μmの厚みを有するPdメッキにより形成される第5のメッキ層を設けることを特徴とする請求項2記載の時計用外装部品。
  4. 亜鉛キャストの素材に、10〜23μmの厚みを有するCuメッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の上に2〜10μmの厚みを有するCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第2のメッキ層の上に2〜10μmの厚みを有するCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、この第3のメッキ層の上に0.1〜2μmの厚みを有するPdメッキ又は0.2〜0.4μmの厚みを有するCrメッキを施すことにより形成される第4のメッキ層と、を有することを特徴とする時計用外装部品。
  5. 亜鉛キャストの素材に、10〜23μmの厚みを有するCuメッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の上に2〜10μmの厚みを有するCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第2のメッキ層の上に2〜10μmの厚みを有するCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、この第3のメッキ層の上に0.03〜2μmの厚みを有するAuメッキ又はAu−Fe合金メッキ又はAu−Fe−In合金メッキ又はAu−In合金メッキを施すことにより形成される第4のメッキ層と、を有することを特徴とする時計用外装部品。
  6. 前記第3のメッキ層と前記第4のメッキ層の間に0.1〜0.5μmの厚みを有するPdメッキにより形成される第5のメッキ層を設けることを特徴とする請求項5記載の時計用外装部品。
  7. 真鍮キャストの素材に、10〜15μmの厚みを有する光沢Niメッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第1のメッキ層の上に2〜10μmの厚みを有する無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の上に0.1〜2μmの厚みを有するPdメッキ又は0.2〜0.4μmの厚みを有するC rメッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、を有することを特徴とする時計用外装部品。
  8. 真鍮キャストの素材に、10〜15μmの厚みを有する光沢Niメッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第1のメッキ層の上に2〜10μmの厚みを有する無電解Niメッキ又はCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の上に0.03〜2μmの厚みを有するAuメッキ又はAu−Ni合金メッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、を有することを特徴とする時計用外装部品。
  9. 前記第2のメッキ層と前記第3のメッキ層の間に0.1〜0.5μmの厚みを有するPdメッキにより形成される第4のメッキ層を設けることを特徴とする請求項8記載の時計用外装部品。
  10. 真鍮キャストの素材に、2〜10μmの厚みを有するCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第1のメッキ層
    の上に2〜10μmの厚みを有するCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の上に0.1〜2μmの厚みを有するPdメッキ又は0.2〜0.4μmの厚みを有するCrメッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、を有することを特徴とする時計用外装部品。
  11. 真鍮キャストの素材に、2〜10μmの厚みを有するCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第1のメッキ層と、この第1のメッキ層の表面にホーニングを施すことにより形成される梨地調の模様と、この模様が形成された第1のメッキ層の上に2〜10μmの厚みを有するCu−Sn合金メッキ又はCu−Sn−Zn合金メッキを施すことにより形成される第2のメッキ層と、この第2のメッキ層の上に0.03〜2μmの厚みを有するAuメッキ又はAu−Fe合金又はAu−Fe−In合金メッキ又はAu−In合金メッキを施すことにより形成される第3のメッキ層と、を有することを特徴とする時計用外装部品。
  12. 前記第2のメッキ層と前記第3のメッキ層の間に0.1〜0.5μmの厚みを有するPdメッキにより形成される第4のメッキ層を設けることを特徴とする請求項11記載の時計用外装部品。
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