JP3576041B2 - ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物、二液型水性アクリル−ウレタン組成物、該組成物を含有してなる接着剤及び塗工剤 - Google Patents
ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物、二液型水性アクリル−ウレタン組成物、該組成物を含有してなる接着剤及び塗工剤 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物、二液型水性アクリル−ウレタン組成物、該組成物を含有してなる接着剤及び塗工剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、難接着性のプラスチック基材に対しても優れた密着性を有し、耐熱水性、耐アルコール性、耐摩耗性に優れた二液型水性アクリル−ウレタン組成物を与えるヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物、該組成物を主剤とする二液型水性アクリル−ウレタン組成物、該二液型水性アクリル−ウレタン組成物を含有してなる密着性、耐熱水性、耐アルコール性、耐摩耗性に優れた接着剤及び塗工剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種の接着剤や、塗料、印刷インキなどの各種の塗工剤の分野では、有機溶剤系樹脂が主として用いられてきたが、近年、大気汚染の問題や、作業環境の改善などの理由から、水性樹脂に代替されつつある。このような用途における水性樹脂としては、カルボキシル基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などが研究され、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂に関しても、水溶化又は水分散化の試みが種々なされている。アクリル樹脂とポリウレタン樹脂は、ブレンド、複合化、共重合などにより、ポリウレタン樹脂が有する機械抵抗、耐ブロッキング性、耐薬品性などの優れた性質と、アクリル樹脂が有する低コスト、耐候性、耐光性、高固形分濃度などの優れた性質を併せもつさまざまな水性アクリル−ウレタン共重合体組成物が開発されている。
例えば、米国特許4,318,833号明細書には、自動車上塗り塗料として有用な貯蔵安定性に優れた水性アクリル−ウレタン塗料組成物として、完全に反応した水溶性ポリウレタンの存在下にエチレン性不飽和単量体を重合して得られる水性塗料組成物が提案されている。しかし、この組成物は、均一な分子混合物とはなりにくいという欠点がある。また、米国特許4,644,030号明細書には、耐水性と耐溶剤性を備えた塗膜を与える水性アクリル−ウレタン樹脂組成物として、エチレン性不飽和単量体の存在下のイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーを調製し、このプレポリマーを水中に分散して鎖延長したのち、不飽和単量体を重合して得られる組成物が提案されている。特許第2634470号公報には、空気乾燥して優れた靭性、耐久性、光沢を有し、硬く耐摩耗性のある塗膜を形成する水分散性アクリル−ウレタン樹脂組成物として、水分散性ポリウレタン樹脂と50〜260の酸価を有するアクリル系担体樹脂の存在下にアクリル系単量体を重合して得られる組成物が提案されている。しかし、これらの組成物においては、いずれも完全なアクリル−ウレタン共重合体とはならず、ポリウレタン樹脂、アクリル−ウレタン共重合樹脂及びアクリル樹脂の混合物となり、均一な樹脂とはならないので、最適水準の水系アクリル−ウレタン共重合体の性質を得ることができないという欠点がある。したがって、従来の水性アクリル−ウレタン共重合体組成物は、難接着性のプラスチック基材に対して十分な接着性能が得られず、また、乳化成分のために耐熱水性においても満足する性能が発現されていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、難接着性のプラスチック基材に対しても優れた密着性を有し、耐熱水性、耐アルコール性、耐摩耗性に優れた二液型水性アクリル−ウレタン組成物を与えるヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物、該組成物を主剤とする二液型水性アクリル−ウレタン組成物、該二液型水性アクリル−ウレタン組成物を含有してなる密着性、耐熱水性、耐アルコール性、耐摩耗性に優れた接着剤及び塗工剤を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリイソシアネート化合物、ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gのアクリルポリオールとダイマージオールを含有する高分子量ポリオール及びアニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物の反応から得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、必要に応じて水中で鎖伸長し、ヒドロキシル基を有する第一級又は第二級アミン化合物を反応して得られる末端イソシアネート基が封鎖されたヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物からなる主剤と、水性ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤とを配合してなる二液型水性アクリル−ウレタン組成物は、難接着性のプラスチック基材に対しても優れた密着性を有し、耐熱水性、耐アルコール性、耐摩耗性に優れることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)主剤のヒドロキシル基(OH)と(B)水性ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤のイソシアネート基(NCO)との当量比OH/NCOが1:3〜2:1に配合された二液型水性アクリル−ウレタン組成物において、(A)主剤が、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gのアクリルポリオール5〜60重量%とダイマージオール1〜40重量%を有する高分子量ポリオール及び(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、水中で(d)ヒドロキシル基を有する第一級又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖して得られるヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物である、二液型水性アクリル−ウレタン組成物、
(2)(A)主剤のヒドロキシル基(OH)と(B)水性ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤のイソシアネート基(NCO)との当量比OH/NCOが1:3〜2:1に配合された二液型水性アクリル−ウレタン組成物において、(A)主剤が、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gのアクリルポリオール5〜60重量%とダイマージオール1〜40重量%を有する高分子量ポリオール及び(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン及びヒドラジン又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種を用いて水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時に、(d)ヒドロキシル基を有する第一級又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖して得られるヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物である、二液型水性アクリル−ウレタン組成物、
(3)(a)有機ポリイソシアネート化合物が、脂肪族ジイソシアネート化合物及び脂環式ジイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種である第(1)項又は第(2)項記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物、
(4)(b)高分子量ポリオールが、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール及びポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも1種を10〜94重量%含有するものである第(1)項又は第(2)項記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物、
(5)(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素とを有する化合物において、アニオン性親水基がカルボキシル基であり、ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体中のカルボキシル基の含有量が該共重合体の重量に基づき0.3〜2.5重量%である第(1)項又は第(2)項記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物、
(6)(d)ヒドロキシル基を有する第一級又は第二級アミン化合物が、モノエタノールアミン又はジエタノールアミンであり、ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体中のヒドロキシル基の含有量が、該共重合体の重量に基づき0.1〜5.0重量%である第(1)項又第(2)項記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物、
(7)第 ( 1 ) 項〜第 ( 6 ) 項のいずれかに記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物を含有してなる接着剤、及び、
(8)第 ( 1 ) 項〜第 ( 6 ) 項のいずれかに記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物を含有してなる塗工剤、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物の第1の態様は、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gのアクリルポリオール5〜60重量%とダイマージオール1〜40重量%を含有する高分子量ポリオール及び(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、水中で(d)ヒドロキシル基を有する第一級又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖して得られるものである。
本発明のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物の第2の態様は、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gのアクリルポリオール5〜60重量%とダイマージオール1〜40重量%を含有する高分子量ポリオール及び(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン及びヒドラジン又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時に、(d)ヒドロキシル基を有する第一級又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖して得られるものである。
本発明に用いる(a)有機ポリイソシアネート化合物に特に制限はなく、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物を用いることができる。これらの中で、脂肪族ジイソシアネート化合物と脂環式ジイソシアネート化合物は、得られる共重合体組成物が無黄変性となるので好適に用いることができ、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボランジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートを特に好適に用いることができる。これらの有機ポリイソシアネート化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0006】
本発明に用いる(b)高分子量ポリオールは、ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gのアクリルポリオール5〜60重量%とダイマージオール1〜40重量%を含有する。アクリルポリオールは、エチレン性不飽和基1個と、ヒドロキシル基を有する単量体から得られる単独重合体及び共重合体である。エチレン性不飽和基1個とヒドロキシル基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、5,6−ジヒドロキシヘキシルメタクリレートなどを挙げることができる。これらの単量体は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
エチレン性不飽和基1個とヒドロキシル基を有する単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ニトロ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸などのアクリル系単量体、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、メチルクロトナート、無水マレイン酸、スチレン、α−メチルスチレンなどのエチレン性単量体などを挙げることができる。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸を意味する。これらの共重合可能な単量体は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明において、アクリルポリオールは、上記の単量体を(b)高分子量ポリオールのアクリルポリオール以外の成分であるポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールなどの中で重合することによっても得ることができる。
【0007】
本発明において、(b)高分子量ポリオールに含有されるアクリルポリオールは、ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gであり、より好ましくは30〜70mgKOH/gである。アクリルポリオールのヒドロキシル価が5mgKOH/g未満であると、アクリル樹脂とウレタン樹脂の結合点が減少し、共重合体としての性能が十分に発現されないおそれがある。アクリルポリオールのヒドロキシル価が200mgKOH/gを超えると、イソシアネート基末端プレポリマーの合成時に、架橋密度の上昇によるゲル化が進行し、製造が困難となるおそれがある。また、アクリルポリオールは、重量平均分子量1,000〜100,000であることが好ましく、重量平均分子量8,000〜30,000であることがより好ましい。
本発明に用いる(b)高分子量ポリオールは、アクリルポリオール5〜60重量%、より好ましくは7〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%を含有する。アクリルポリオールの含有量が5重量%未満であると、アクリル樹脂による耐候性、耐光性、高固形分濃度などの性質の発現が不十分となるおそれがある。アクリルポリオールの含有量が60重量%を超えると、ポリウレタン樹脂による機械抵抗、弾性、耐ブロッキング性、耐薬品性などの性質の発現が不十分となるおそれがある。
【0008】
本発明に用いる(b)高分子量ポリオールは、ダイマージオールを1〜40重量%、好ましくは2〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%含有する。ダイマージオールは、ダイマー酸を還元して得られるジオールを主成分とするポリオールである。ダイマー酸は、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などの主として炭素数18の不飽和脂肪酸、乾性油脂肪酸、半乾性油脂肪酸、又は、これらの脂肪酸の低級モノアルキルエステルを、必要に応じて触媒を用い、ディールズ−アルダー型の二分子重合をさせて得られるものである。種々のタイプのダイマー酸が市販されているが、代表的なものとしては、炭素数18のモノカルボン酸0〜5重量%、炭素数36のダイマー酸70〜98重量%及び炭素数54のトリマー酸0〜30重量%からなるものがある。本発明に用いる(b)高分子量ポリオールにおいて、ダイマージオールの含有量が1重量%未満であると、二液型水性ポリウレタン組成物の難接着性のプラスチック基材に対する密着性の発現が不十分となるおそれがある。ダイマージオールの含有量が40重量%を超えると、二液型水性ポリウレタン組成物の弾性、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明に用いる(b)高分子量ポリオールにおいて、アクリルポリオール及びダイマージオール以外の成分としては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール及びポリエーテルポリオールを好適に用いることができる。高分子量ポリオール中のこれらのポリオールの含有量は、10〜94重量%であることが好ましく、20〜91重量%であることがより好ましく、50〜85重量%であることがさらに好ましい。高分子量ポリオール中のこれらのポリオールの含有量が10重量%未満であると、ポリウレタン樹脂中におけるソフトセグメント由来の弾性、機械抵抗などの性質の発現が不十分となるおそれがある。高分子量ポリオール中のこれらのポリオールの含有量が94重量%を超えると、アクリルポリオール由来のアクリル樹脂による、耐候性、耐光性、高固形分などの性質の発現が不十分となるおそれがある。
【0009】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンイソフタレートアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ−3−メチルペンタンアジペート、1,6−ヘキサンジオールとダイマー酸の重縮合物、1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸とダイマー酸の共重縮合物、ノナンジオールとダイマー酸の重縮合物、エチレングリコールとダイマー酸の重縮合物、エチレングリコールとアジピン酸とダイマー酸の共重縮合物などを挙げることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネートジオールなどを挙げることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体などを挙げることができる。さらに、エーテル結合とエステル結合を有するポリエーテルポリエステルポリオールなどを用いることも可能である。アクリルポリオール以外のこれらのポリオールは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0010】
本発明において、(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物に特に制限はないが、アニオン性親水基がカルボキシル基であり、活性水素がヒドロキシル基の水素である化合物を好適に用いることができる。このような化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などを挙げることができる。また、このようなカルボキシル基含有ジオールとして、カルボキシル基を有するジオールと場合により用いられるカルボキシル基を有しないジオールを混合したジオール成分と、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などのジカルボン酸とから得られるペンダントカルボキシル基を有するポリエステルポリオールを用いることもできる。これらのアニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明において、イソシアネート基末端プレポリマーの中和物は、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール及び(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物を反応してイソシアネート基末端プレポリマーを得たのち、アニオン性親水基を中和することができ、あるいは、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール及び(c)中和されたアニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物を反応して、直接イソシアネート基末端プレポリマーの中和物を得ることもできる。アニオン性親水基の中和に用いる化合物に特に制限はなく、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどを挙げることができる。
本発明において、ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体中の(c)成分に由来するカルボキシル基の含有量は、該樹脂の重量に基づき0.3〜2.5重量%であることが好ましく、0.5〜2.0重量%であることがより好ましい。カルボキシル基の含有量が0.3重量%未満であると、乳化が困難になり、あるいは、乳化安定性が不十分になるおそれがある。カルボキシル基の含有量が2.5重量%を超えると、二液型水性アクリル−ウレタン組成物の耐水性が低下するおそれがある。
【0011】
本発明においては、イソシアネート基末端プレポリマーを調製する際に、必要に応じて、(f)鎖伸長剤を用いることができる。使用する鎖伸長剤としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの低分子量多価アルコール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの低分子量ポリアミンなどを挙げることができる。これらの鎖伸長剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明においては、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)アクリルポリオール5〜60重量%とダイマージオール1〜40重量%を含有する高分子量ポリオール、(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物、及び、必要に応じて(f)鎖伸長剤を用い、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造する。イソシアネート基末端プレポリマーの製造方法に特に制限はなく、例えば、従来公知のワンショット法(1段式)又は多段式のイソシアネート重付加反応法によって、反応温度40〜150℃の条件下で反応を行うことができる。この際、必要に応じて、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチル錫−2−エチルヘキソエート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンなどの反応触媒を添加することができる。これらの反応触媒は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、反応段階において、あるいは、反応終了後に、イソシアネート基と反応しない有機溶剤を添加することができる。このような有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどを挙げることができる。
【0012】
本発明の第1の態様においては、イソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、水中で(d)ヒドロキシル基を有する第一級又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖する。本発明の第2の態様においては、イソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン及びヒドラジン又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時に、(d)ヒドロキシル基を有する第一級又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖する。ヒドロキシル基を有する第一級又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖することにより、プレポリマーの中和物にヒドロキシル基が導入される。
鎖伸長反応に用いる(e)水溶性ポリアミン及びヒドラジン又はその誘導体としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヒドラジン、ジ第一級アミン及びモノカルボン酸から誘導されたアミドアミン、ジ第一級アミンのモノケチミンなどを挙げることができる。これらの化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
末端イソシアネート基の封鎖に用いる(d)ヒドロキシル基を有する第一級アミン化合物としては、例えば、ヒドロキシルアミン、エタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチルプロパン−1,3−ジオール、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミンなどを挙げることができ、ヒドロキシル基を有する第二級アミン化合物としては、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N,N’−ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N’−ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジ−2−ヒドロキシプロピルプロピレンジアミンなどを挙げることができる。これらの化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、モノエタノールアミン及びジエタノールアミンを特に好適に用いることができる。
本発明において、ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体中の(d)成分に由来するヒドロキシル基の含有量は、該共重合体の重量に基づき0.1〜5.0重量%であることが好ましく、0.5〜3.0重量%であることがより好ましい。ヒドロキシル基の含有量が0.1重量%未満であると、二液型水性アクリル−ウレタン組成物から得られる塗膜において、架橋密度が不足して、耐水性が不十分となるおそれがある。ヒドロキシル基の含有量が5.0重量%を超えると、二液調整後の液安定性が低下し、使用が困難になるおそれがある。
イソシアネート基末端プレポリマーの製造の際に有機溶剤を用いた場合には、末端イソシアネート基を封鎖したのち、例えば、減圧蒸留などの方法により有機溶剤を除去することが好ましい。有機溶剤を除去する際には、界面活性剤、例えば、高級脂肪酸塩、樹脂酸塩、長鎖脂肪アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、スルホン化ひまし油、スルホコハク酸エステルなどのアニオン性界面剤、エチレンオキシドと長鎖脂肪アルコール又はフェノール類との反応生成物などのノニオン性界面活性剤などを使用して、乳化性を保持することが好ましい。
【0013】
本発明の二液型水性アクリル−ウレタン組成物は、(A)本発明のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物を主剤とし、(B)水性ポリイソシアネート化合物を硬化剤とするものである。水性ポリイソシアネート化合物は、原料ポリイソシアネートに活性水素を有する親水性鎖、及び、場合により親油性鎖を付加反応させることによって得ることができるものであり、水中への自己乳化分散性が良好で可使時間が長く、ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物の硬化剤として有効である。
原料ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートを挙げることができる。また、これらの原料ポリイソシアネートの反応から得られるイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートも、(B)水性ポリイソシアネート化合物の原料として用いることができる。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどや、これらの異性体を挙げることができる。脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボランジイソシアネートなどを挙げることができる。また、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートとしては、原料イソシアネートと活性水素を有する化合物との反応によるイソシアネート末端化合物や、あるいは原料ポリイソシアネートの反応、例えば、ウレトジオン化反応、イソシアヌレート化反応、カルボジイミド化反応、ウレトイミン化反応などによるイソシアネート変性体を挙げることができる。これらのイソシアネート変性体は、公知のウレトジオン化触媒、イソシアヌレート化触媒などを用い、通常0〜90℃の反応温度で、溶剤不存在下又はウレタン工業に常用の不活性溶剤の存在下で、原料ポリイソシアネートから製造することができる。ウレトジオン化触媒及びイソシアヌレート化触媒としては、例えば、第三級アミン類、アルキル置換エチレンイミン類、第三級アルキルホスフィン類、アセチルアセトン金属塩類、各種有機酸の金属塩類などを挙げることができる。これらの触媒は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、不活性溶剤としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどを挙げることができる。原料ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートが、水分散性、水分散後のイソシアネート基の安定性、無黄変性などが良好であって、好適に用いることができ、平均官能基数が2以上であるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネートを特に好適に用いることができる。
【0014】
水性ポリイソシアネート化合物の製造に用いる活性水素を有する親水性鎖を付加する化合物としては、ノニオン性化合物又はイオン性化合物を用いることができる。ノニオン性化合物としては、例えば、ポリオキシアルキレンエーテルアルコール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。ポリオキシアルキレンエーテルアルコールは、一価のアルコールにアルキレンオキシドを付加することにより製造することができる。一価のアルコールとしては、線状アルコール、分岐アルコール、環状アルコールのいずれをも用いることができ、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどの炭素数1〜4のアルコールを好適に用いることができる。ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルは、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸などの脂肪酸に、アルキレンオキシドを付加することにより製造することができる。ポリオキシアルキレンエーテルアルコール及びポリオキシアルキレン脂肪酸エステルなどに存在するポリアルキレンオキシド鎖は、アルキレンオキシドの付加モル数が3〜90であることが好ましく、5〜50であることがより好ましい。また、アルキレンオキシド鎖は、エチレンオキシド単位が70モル%以上であることが好ましい。イオン性化合物としては、脂肪酸塩、スルホン酸塩、リン酸エステル、硫酸エステルなどのアニオン性化合物、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩、第四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩などのカチオン性化合物、スルホベタインなどの両性化合物などを挙げることができる。
水性ポリイソシアネート化合物の製造に場合により用いられる活性水素を有する親油性鎖を付加する化合物としては、例えば、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、シンナミルアルコールなどの炭素数8以上の高級アルコールを挙げることができる。また、原料となる脂肪酸とアルコールの炭素数の和が8以上の脂肪酸エステルも用いることができる。この場合、原料となる脂肪酸としては、例えば、α−オキシプロピオン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸、ε−オキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、α−ヒドロキシ酪酸、β−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、リシノエライジン酸、リシノステアロール酸、サリチル酸、マンデル酸などを挙げることができ、アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ドデシルアルコール、ラウリルアルコールなどを挙げることができる。上記のような親油性鎖がイソシアネート基の近傍に存在することにより、水性ポリイソシアネート化合物を水に分散する場合に、イソシアネート基を立体的に水から保護し、可使時間を長期化することができる。本発明に用いる水性ポリイソシアネート化合物の製造は、一般に50〜130℃で行うことができ、必要に応じて、不活性溶剤、触媒などを使用することもできる。
【0015】
本発明に用いる水性ポリイソシアネート化合物は、原料に用いるポリイソシアネートのイソシアネート基1当量に対して、親水性鎖を付加する化合物の活性水素の当量比が1〜30%であることが好ましく、8〜20%であることがより好ましい。親水性鎖の含有量が少なすぎると、水分散性が不良となるおそれがある。親水性鎖の含有量が多すぎると、水性ポリイソシアネート化合物と水との親和性が強くなり、水中での水性ポリイソシアネート化合物の安定性が低下するおそれがある。また、原料に用いるポリイソシアネートのイソシアネート基1当量に対して、親油性鎖を付加する化合物の活性水素の当量比が0.1〜25%であることが好ましく、2〜15%であることがより好ましい。親油性鎖の含有量が少なすぎると、イソシアネート基の界面化学的な保護を十分に行うことができず、水分散液としたときの可使時間が短くなるおそれがある。親油性鎖の含有量が多すぎると、水分散安定性が低下するおそれがある。
本発明の二液型水性アクリル−ウレタン組成物において、(A)主剤のヒドロキシル基(OH)と(B)水性ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤のイソシアネート基(NCO)との当量比OH/NCOが1:3〜2:1である。当量比OH/NCOが1:3未満であると、過剰のイソシアネート基が水と反応して炭酸ガスを発生し、塗膜の外観を損なうおそれがある。当量比OH/NCOが2:1を超えると、十分な接着強度を得るに必要な架橋密度が不足し、かつヒドロキシル基が露出するために耐水性が低下するおそれがある。
【0016】
本発明の二液型水性アクリル−ウレタン組成物は、それ自身でも各種プラスチック基材への接着剤及び塗工剤として用いることができるが、必要に応じて、レベリング剤として、フッ素系やアセチレングリコール系などの各種の界面活性剤を添加することができ、さらに溶剤として、n−メチルピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどを添加することもできる。
本発明の二液型水性アクリル−ウレタン組成物は、それ自身でも耐久性、耐候性、耐光性、耐水性に関して優れた樹脂物性を有するが、水系オキサゾリン系架橋剤、水系(ポリ)カルボジイミド系架橋剤、水系エポキシ樹脂系架橋剤などのカルボキシル基と反応性を有する架橋剤を併用し、さらに優れた耐水性を付与することもできる。
本発明の二液型水性アクリル−ウレタン組成物は、接着剤や、塗料、印刷インキなどの各種の塗工剤として、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの各種プラスチック基材に好適に用いることができ、特に被着物がポリオレフィンやポリエステルなどの難接着性のプラスチック基材である場合にも、優れた密着性を示すとともに、かかる組成物にとって重要な特性である耐熱水性、耐アルコール性、耐久性、耐摩耗性、耐洗濯性、光沢性などの要望を満たすことができる。
本発明の二液型水性アクリル−ウレタン組成物が上記の効果を発現する理由については、主剤のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物が、ポリウレタン樹脂にアクリル樹脂が均一に組み込まれた完全均一な共重合体であり、また硬化剤として水性ポリイソシアネート化合物を用いることにより、一液型では得られない高架橋密度が形成されるためと推定される。
【0017】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、塗膜の評価は、熱処理後の塗膜について下記の方法により行った。
(1)透明性
目視により判定する。
◎;非常に良好、○;良好、△;普通、×;不良。
(2)光沢
目視により判定する。
◎;非常に良好、○;良好、△;普通、×;不良。
(3)密着性
塗装面にセロハン粘着テープ[ニチバン(株)]を貼り付け、角度60度で急速に剥がした後の塗膜の外観を観測し、以下の基準で評価する。
◎;塗膜の95%以上がフィルム側に残る。
○;塗膜の80%以上95%未満がフィルム側に残る。
△;塗膜の50%以上80%未満がフィルム側に残る。
×;塗膜の50%未満しかフィルム側に残らない。
(4)耐熱水性
塗工フィルムを、90℃の熱水に3時間浸漬したのち、塗膜の透明性により下記の基準で評価する。
◎;非常に良好、○;良好、△;普通、×;不良。
(5)耐アルコール性
塗工フィルムを、20℃のエタノールに24時間浸漬し、塗膜の膨れや剥がれの異常を目視により観察し、下記の基準で評価する。
◎;非常に良好、○;良好、△;軽度の異常がみられる、
×;大きな異常がみられる。
【0018】
合成例1
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹込み管を備えた4ツ口フラスコに、アクリルポリオール[大日本インキ化学工業(株)、アクリディックA−808T、不揮発分50重量%、ヒドロキシル価20mgKOH/g]56.0g、ダイマージオール[東亞合成(株)、ペスポールHP−1000、平均分子量570]11.4g、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(平均分子量1,000)60.0g、1,4−ブタンジオール0.9g、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60.0gを加え、均一に混合したのち、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート52.4gを加え、80℃で2時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量1.7重量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和したのち、水350.0gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にエチレンジアミンの20重量%水溶液6.0gを添加して0.5時間撹拌し、さらにジエタノールアミン6.3gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35重量%のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物を得た。
この組成物におけるアクリル−ウレタン共重合体中の2,2−ジメチロールプロピオン酸由来のカルボキシル基含有量は1.3重量%であり、ヒドロキシル基含有量は1.2重量%であった。
合成例2
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、アクリルポリオール[大日本インキ化学工業(株)、アクリディックA−809、不揮発分50重量%、ヒドロキシル価20mgKOH/g]112.0g、ダイマージオール[東亞合成(株)、ペスポールHP−1000、平均分子量570]17.1g、ポリブチレンアジペートジオール(平均分子量1,700)51.0g、2,2−ジメチロールブタン酸7.4g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60.0gを加え、均一に混合したのち、イソホロンジイソシアネート44.6gを加え、80℃で2時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量1.7重量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和したのち、水350.0gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60重量%水溶液0.8gとジエタノールアミン12.6gを添加し2時間撹拌したのち、減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35重量%のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物を得た。
この組成物におけるアクリル−ウレタン共重合体中の2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基含有量は1.1重量%であり、ヒドロキシル基含有量は2.1重量%であった。
【0019】
合成例3
合成例1で用いたものと同様の反応装置に、アクリルポリオール[大日本インキ化学工業(株)、アクリディックA−811、不揮発分50重量%、ヒドロキシル価17mgKOH/g]66.0g、ダイマージオール[東亞合成(株)、ペスポールHP−1000、平均分子量570]23.0g、ポリ−ε−カプロラクトンジオール(平均分子量2,000)80.0g、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60.0gを加え、均一に混合したのち、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート52.4gを加え、80℃で2時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量1.8重量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和したのち、水350.0gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60重量%水溶液1.6gを添加して0.5時間撹拌し、さらにジエタノールアミン8.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35重量%のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物を得た。
この組成物におけるアクリル−ウレタン共重合体中の2,2−ジメチロールプロピオン酸由来のカルボキシル基含有量は1.1重量%であり、ヒドロキシル基含有量は1.3重量%であった。
合成例4
合成例1で用いたものと同様の反応装置に、アクリルポリオール[大日本インキ化学工業(株)、アクリディック44−198、不揮発分50重量%、ヒドロキシル価20mgKOH/g]56.0g、ダイマージオール[東亞合成(株)、ペスポールHP−1000、平均分子量570]11.4g、ポリ−3−メチルペンタンアジペート(平均分子量1,000)50.0g、ポリプロピレングリコール(平均分子量1,000)10.0g、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60.0gを加え、均一に混合したのち、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート52.4gを加え、80℃で2時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量2.1重量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和したのち、水350.0gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にジエタノールアミン12.6gを添加して2時間撹拌したのち、減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35重量%のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物を得た。
この組成物におけるアクリル−ウレタン共重合体中の2,2−ジメチロールプロピオン酸由来のカルボキシル基含有量は1.3重量%であり、ヒドロキシル基含有量は2.4重量%であった。
【0020】
合成例5
合成例1で用いたものと同様の反応装置に、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(分子量2,000)100.0g、1,6−ヘキサンジオール4.7g、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブチル錫ジラウレート0.001.0g及びメチルエチルケトン60.0gを加え、均一に混合したのち、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート52.4gを加え、80℃で2時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量2.3重量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和したのち、水350.0gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にエチレンジアミンの20重量%水溶液18.0gを添加して2時間撹拌したのち、減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35重量%の水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。
この組成物におけるポリウレタン樹脂中の2,2−ジメチロールプロピオン酸由来のカルボキシル基含有量は1.3重量%であった。
合成例6
合成例1で用いたものと同様の反応装置に、ダイマージオール[東亞合成(株)、ペスポールHP−1000、平均分子量570]11.4g、ポリブチレンアジペートジオール(平均分子量1,700)85.0g、エチレングリコール1.2g、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60.0gを加え、均一に混合したのち、イソホロンジイソシアネート44.6gを加え、80℃で2時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量2.4重量%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和したのち、水350.0gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジンの60重量%水溶液5.0gを添加して2時間撹拌したのち、減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35重量%の水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。
この組成物におけるポリウレタン樹脂中の2,2−ジメチロールプロピオン酸由来のカルボキシル基含有量は1.5重量%であった。
合成例7
合成例1で用いたものと同様の反応装置に、ポリ−ε−カプロラクトンジオール(平均分子量2,000)100.0g、ポリエチレングリコール(平均分子量1,000)10.0g、1,4−ブタンジオール2.7g、2,2−ジメチロールプロピオン酸6.7g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン60.0gを加え、均一に混合したのち、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート52.4gを加え、80℃で2時間反応させて、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量2.2%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン5.0gを加えて中和したのち、水350.0gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にエチレンジアミンの20重量%水溶液6.2gを添加して0.5時間撹拌し、さらにジエタノールアミン8.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35重量%のヒドロキシル基含有水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。
この組成物におけるポリウレタン樹脂中の2,2−ジメチロールプロピオン酸由来のカルボキシル基含有量は1.2重量%であり、ヒドロキシル基含有量は、1.5重量%であった。
【0021】
実施例1
合成例1で得られたヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物100gを主剤とし、水性ポリイソシアネート化合物[住友バイエルウレタン(株)、バイヒジュール3100、NCO17.2重量%]9.0gを硬化剤として配合し、均一になるまで撹拌して塗工液を調製した。主剤中のヒドロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比OH/NCOは2:3である。
この塗工液を、厚さ20μmのコロナ放電処理された二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)の放電処理面及び厚さ11μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)の片面に、バーコーター(No.8)を使用して塗布し、恒温恒湿機により、温度25℃、相対湿度65%で5日乾燥して塗装フィルムを得た。塗膜厚さは、いずれも10μmであった。得られた塗装フィルムを、さらに恒温恒湿機で温度60℃、相対湿度0%で3時間熱処理したのち、評価を行った。
透明性及び光沢は、いずれも非常に良好であった。密着性試験において、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムともに、塗膜がすべてフィルム側に残った。耐熱水性試験において、塗膜の透明性に変化はなかった。耐アルコール性試験において、塗膜の外観に変化はなかった。
実施例2
合成例2で得られたヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物100gを主剤とし、水性ポリイソシアネート化合物[住友バイエルウレタン(株)、バイヒジュール3100、NCO17.2重量%]15.8gを硬化剤として配合した以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製し、塗膜の評価を行った。なお、主剤中のヒドロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比OH/NCOは2:3である。
透明性及び光沢は、いずれも非常に良好であった。密着性試験において、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムともに、塗膜がすべてフィルム側に残った。耐熱水性試験において、塗膜の透明性に変化はなかった。耐アルコール性試験において、塗膜の外観に変化はなかった。
【0022】
実施例3
合成例3で得られたヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物100gを主剤とし、水性ポリイソシアネート化合物[住友バイエルウレタン(株)、バイヒジュール3100、NCO17.2重量%]9.8gを硬化剤として配合した以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製し、塗膜の評価を行った。なお、主剤中のヒドロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比OH/NCOは2:3である。
透明性及び光沢は、いずれも非常に良好であった。密着性試験において、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムともに、塗膜がすべてフィルム側に残った。耐熱水性試験において、塗膜の透明性に変化はなかった。耐アルコール性試験において、塗膜の外観に変化はなかった。
実施例4
合成例4で得られたヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物100gを主剤とし、水性ポリイソシアネート化合物[住友バイエルウレタン(株)、バイヒジュール3100、NCO17.2重量%]18.1gを硬化剤として配合した以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製し、塗膜の評価を行った。なお、主剤中のヒドロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比OH/NCOは2:3である。
透明性及び光沢は、いずれも非常に良好であった。密着性試験において、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムともに、塗膜がすべてフィルム側に残った。耐熱水性試験において、塗膜の透明性に変化はなかった。耐アルコール性試験において、塗膜の外観に変化はなかった。
【0023】
比較例1
合成例5で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を一液型の塗工液として用い、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ放電処理面及び二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に塗膜を形成して評価を行った。
透明性は普通であったが、光沢は良好であった。密着性試験において、ポリプロピレンフィルムでは塗膜の35%がフィルム側に残り、ポリエチレンテレフタレートフィルムでは塗膜の20%がフィルム側に残った。耐熱水性試験において、塗膜の透明性はほとんど失われた。耐アルコール性試験において、塗膜の各所に膨れが生じ、一部が剥がれた。
比較例2
合成例6で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を一液型の塗工液として用い、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ放電処理面及び二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に塗膜を形成して評価を行った。
透明性及び光沢は、いずれも良好であった。密着性試験において、ポリプロピレンフィルムでは塗膜の75%がフィルム側に残り、ポリエチレンテレフタレートフィルムでは塗膜の40%がフィルム側に残った。耐熱水性試験において、塗膜の透明性はほとんど失われた。耐アルコール性試験において、塗膜の一部に膨れの発生と剥がれが認められた。
比較例3
合成例7で得られたヒドロキシル基含有水性ポリウレタン樹脂組成物100gを主剤とし、水性ポリイソシアネート化合物[住友バイエルウレタン(株)、バイヒジュール3100、NCO17.2重量%]11.3gを硬化剤として配合した以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製し、塗膜の評価を行った。なお、主剤中のヒドロキシル基と、硬化剤中のイソシアネート基の当量比OH/NCOは2:3である。
透明性及び光沢は、いずれも良好であった。密着性試験において、ポリプロピレンフィルムでは塗膜の85%がフィルム側に残り、ポリエチレンテレフタレートフィルムでは塗膜の70%がフィルム側に残った。耐熱水性試験において、塗膜にわずかなくもりを生じた。耐アルコール性試験において、塗膜のごく一部に剥がれを生じた。
実施例1〜4及び比較例1〜3の結果を、第1表に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
第1表に見られるように、本発明のヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物と水性ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤を用いた二液型水性アクリル−ウレタン組成物より調製された塗工液を塗布した実施例1〜4の塗膜は、透明性、光沢、耐熱水性、耐アルコール性がすべて非常に良好であり、難接着性のポリプロピレンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムに対しても、優れた密着性を示している。
これに対して、高分子量ポリオール成分がアクリルポリオールとダイマージオールを含まず、ジエタノールアミンによる末端封鎖も行わなかった合成例5の水性ポリウレタン樹脂組成物を一液型塗工液として用いた比較例1の塗膜、高分子量ポリオール成分がアクリルポリオールを含まず、ジエタノールアミンによる末端封鎖を行わなかった合成例6の水性ポリウレタン樹脂組成物を一液型塗工液として用いた比較例2の塗膜は、外観が非常に良好とは言えず、難接着性のポリプロピレンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムに対する密着性が劣り、耐熱水性と耐アルコール性は著しく劣っている。また、ジエタノールアミンによる末端封鎖は行ったが、高分子量ポリオール成分がアクリルポリオールとダイマージオールを含んでいない合成例7のヒドロキシル基含有水性ポリウレタン樹脂組成物を用いた比較例3の塗膜も、外観、密着性、耐熱水性、耐アルコール性ともにやや劣っている。
【0026】
【発明の効果】
本発明の二液型水性アクリル−ウレタン組成物は、アクリル成分とポリウレタン成分の均一な共重合体からなるために、アクリル樹脂、ポリウレタンを単独に用いた場合、アクリル樹脂とポリウレタンを混合して用いた場合、アクリル成分とポリウレタン成分を一部共重合した樹脂混合体を用いた場合に比べて、難接着性のプラスチックフィルムに対して優れた密着性を示し、水性ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤を用いて高架橋構造を形成することにより、優れた耐熱水性、耐アルコール性を示し、水系接着剤、水性塗料、水性インキとして幅広い展開が可能である。
Claims (8)
- (A)主剤のヒドロキシル基(OH)と(B)水性ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤のイソシアネート基(NCO)との当量比OH/NCOが1:3〜2:1に配合された二液型水性アクリル−ウレタン組成物において、(A)主剤が、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gのアクリルポリオール5〜60重量%とダイマージオール1〜40重量%を有する高分子量ポリオール及び(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、水中で(d)ヒドロキシル基を有する第一級又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖して得られるヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物である、二液型水性アクリル−ウレタン組成物。
- (A)主剤のヒドロキシル基(OH)と(B)水性ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤のイソシアネート基(NCO)との当量比OH/NCOが1:3〜2:1に配合された二液型水性アクリル−ウレタン組成物において、(A)主剤が、(a)有機ポリイソシアネート化合物、(b)ヒドロキシル価が5〜200mgKOH/gのアクリルポリオール5〜60重量%とダイマージオール1〜40重量%を有する高分子量ポリオール及び(c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素を有する化合物を反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン及びヒドラジン又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種を用いて水中で鎖伸長反応したのち、又は、鎖伸長反応と同時に、(d)ヒドロキシル基を有する第一級又は第二級アミン化合物を用いて末端イソシアネート基を封鎖して得られるヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体組成物である、二液型水性アクリル−ウレタン組成物。
- (a)有機ポリイソシアネート化合物が、脂肪族ジイソシアネート化合物及び脂環式ジイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物。
- (b)高分子量ポリオールが、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール及びポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも1種を10〜94重量%含有するものである請求項1又は請求項2記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物。
- (c)アニオン性親水基と2個以上の活性水素とを有する化合物において、アニオン性親水基がカルボキシル基であり、ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体中のカルボキシル基の含有量が該共重合体の重量に基づき0.3〜2.5重量%である請求項1又は請求項2記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物。
- (d)ヒドロキシル基を有する第一級又は第二級アミン化合物が、モノエタノールアミン又はジエタノールアミンであり、ヒドロキシル基含有水性アクリル−ウレタン共重合体中のヒドロキシル基の含有量が、該共重合体の重量に基づき0.1〜5.0重量%である請求項1又は請求項2記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物を含有してなる接着剤。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の二液型水性アクリル−ウレタン組成物を含有してなる塗工剤。
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