JP2631941B2 - 水性印刷インキ用バインダー - Google Patents

水性印刷インキ用バインダー

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JP2631941B2
JP2631941B2 JP17100193A JP17100193A JP2631941B2 JP 2631941 B2 JP2631941 B2 JP 2631941B2 JP 17100193 A JP17100193 A JP 17100193A JP 17100193 A JP17100193 A JP 17100193A JP 2631941 B2 JP2631941 B2 JP 2631941B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性印刷インキ用バイン
ダーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水性印刷インキ用バインダーとし
て、ウレタン樹脂エマルション(たとえば特開昭54−
130206号公報、特開昭63−37160号公報、
特開平2−238015号公報)が知られている。しか
し、これらのものは、樹脂が水中に分散したエマルショ
ンであるため、エマルション粒子が凝集すると再溶解性
が悪く印刷途中に版胴の細孔に樹脂自身がゴム状のよう
になって析出し、この析出物が印刷物に付着して、印刷
物を汚染する問題がある。また、水溶性のウレタン樹脂
を使用する方法が提案されている(たとえば、特開昭5
5−134635号公報)が、ポリエーテル系の水溶性
ウレタン樹脂であるため、インキとした場合の耐油性が
悪くなる問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、再溶
解性が良好で印刷途中に版胴の細孔に樹脂が詰まること
なく良好な印刷物が得られ、しかもインキとした場合の
耐油性が良好な水性印刷インキバインダーを提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち本発明は、有機ポリイソシアネート(a)、ポリ
エステルポリオール(b)、分子中にアニオン性親水基
と少なくとも2個の活性水素を含有する化合物(c)、
重合停止剤(d)および必要により鎖伸長剤(e)から
なる、平均官能基数(1分子当りのイソシアネート基の
平均個数)が1以上、2未満のイソシアネート基末端プ
レポリマー(A)の中和物を、水、水溶性ジアミンおよ
びヒドラジン誘導体から選ばれる1種以上の鎖伸長剤
(f)を用いて水中で鎖伸長してなる水性ポリウレタン
樹脂からなり、該(c)が分子中にカルボキシル基と少
なくとも2個の活性水素を含有する化合物であり、カル
ボキシル基の含量が樹脂の重量に基づいて1.0〜7.
0重量%であることを特徴とする水性印刷インキ用バイ
ンダー(第一発明);並びに、有機ポリイソシアネート
(a)、ポリエステルポリオール(b)、分子中にアニ
オン性親水基と少なくとも2個の活性水素を含有する化
合物(c)および必要により鎖伸長剤(e)からなるイ
ソシアネート基末端プレポリマー(A’)の中和物を、
その平均官能基数(1分子当りのイソシアネート基の平
均個数)を1以上、2未満とする量のモノアミンおよび
/またはアルカノールアミンからなる重合停止剤
(d’)と共に、水、水溶性ジアミンおよびヒドラジン
誘導体から選ばれる1種以上の鎖伸長剤(f)を用いて
水中で鎖伸長してなる水性ポリウレタン樹脂からなり、
該(c)が分子中にカルボキシル基と少なくとも2個の
活性水素を含有する化合物であり、カルボキシル基の含
量が樹脂の重量に基づいて1.0〜7.0重量%である
ことを特徴とする水性印刷インキ用バインダー(第二発
明)に関するものである。
【0005】本発明において、イソシアネート基末端プ
レポリマー(A)を構成する有機ポリイソシアネート
(a)としては、特開平3−9951号公報明細書に記
載のものが挙げられる。これらのうち好ましいものはヘ
キサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロン
ジイソイアネート(IPDI)および4,4’−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)であ
る。
【0006】ポリエステルポリオール(b)としては、
特開平3−9951号公報明細書に記載のものが挙げら
れる。これらのうち好ましいものは炭素数5〜10の分
岐アルカンジオールからなるグリコール成分と、ジカル
ボン酸成分からのポリエステルジオールである。該
(b)の水酸基(OH)当量は通常200〜3,00
0、好ましくは250〜2,500である。OH当量が
200未満では、水性ポリウレタン樹脂の皮膜が硬くな
り、インキとした場合にプラスチックフィルムへの接着
性が低下し、3000を超えると、該水性ポリウレタン
樹脂の皮膜が軟らかくなり、インキとした場合に塗膜の
耐油性および耐ブロッキング性が低下する。
【0007】分子中にアニオン性親水基と少なくとも2
個の活性水素を含有する化合物(c)としては、分子中
にカルボキシル基と少なくとも2個の活性水素を含有す
る公知の化合物が用いられ、具体例としては、ジヒドロ
キシカルボン酸(α,α−ジメチロールプロピオン酸、
α,α−ジメチロール酪酸など)、ジアミノカルボン酸
(ジ−アミノ安息香酸など)およびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはジヒ
ドロキシカルボン酸であり、特に好ましいものはα,α
−ジメチロールプロピオン酸である。該カルボキシル基
の含量は、水性ポリウレタン樹脂の重量に基づき通常
1.0〜7.0重量%、好ましくは1.5〜6.0重量
%である。カルボキシル基の含量が1.0重量%未満で
は、安定な水性ポリウレタン樹脂が得られず、7.0重
量%を超えるとインキとしたときの皮膜の耐水性が低下
する。
【0008】カルボキシル基を中和する塩基としては、
有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミンなど)
および無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
ど)が挙げられ、好ましいものは有機塩基である。
【0009】重合停止剤(d)としては、例えばモノア
ルコール(メタノール、ブタノール、セロソルブな
ど)、モノアミン(ブチルアミン、ジブチルアミンな
ど)およびアルカノールアミン(たとえばエタノールア
ミン、ジエタノールアミンなど)が挙げられる。該
(d)の使用量は、(a)、(b)、(c)、(d)お
よび必要により(e)からなる(A)の平均官能基数
(1分子当りのイソシアネート基の平均個数)が、通常
1以上、2未満となる量、好ましくは1.2〜1.9と
なる量である。(A)の平均官能基数が1未満では、イ
ンキとした場合の皮膜の耐ブロッキング性が不良とな
り、(A)の平均官能基数が2以上になると、得られる
水性ウレタン樹脂がゲル状となったり、インキの粘度が
高くなりすぎるので好ましくない。
【0010】プレポリマー(A)を構成する成分として
必要により用いられる鎖伸長剤(e)としては、低分子
ポリオールおよびポリアミン(たとえば特開平3−99
51号公報明細書に記載のもの)が挙げられる。低分子
ポリオールとして好ましいものは、1,4−ブタンジオ
ール、3−メチルペンタンジオール、2−エチル−1,
3−ヘキサンジオールおよびトリメチロールプロパンで
ある。ポリアミンとして好ましいものは、ヘキサメチレ
ンジアミン、イソホロンジアミン、N−ヒドロキシルエ
チルエチレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジシク
ロヘキシルメタンである。
【0011】プレポリマー(A)の中和物を水中で鎖伸
長させて水性ポリウレタン樹脂を得るときに使用する鎖
伸長剤(f)としては、水、水溶性のジアミン(ヘキサ
メチレンジアミン、イソホロンジアミンなど)、ヒドラ
ジン誘導体(ヒドラジン、カルボジヒドラジド、アジピ
ン酸ジヒドラジドなど)およびこれらの2種以上の併用
が挙げられる。
【0012】本発明における水性ポリウレタン樹脂の製
法を例示すると、有機溶剤の存在下または非存在下で、
前記(a)、(b)、(c)、(d)および必要により
(e)を反応させて(A)を作成し、該(A)〔(c)
がアニオン形成性基を含有する化合物の場合は、塩基で
中和後または中和しながら〕を、所定量の(f)を含む
水中に溶解して鎖伸長反応させた後または鎖伸長反応さ
せながら、必要により有機溶剤を除去することにより水
性ポリウレタン樹脂を得る方法が挙げられる。該(A)
の製造に際して、(b),(c)、(d)および必要に
より(e)の活性水素基{OH、NH2、NH〔(d)
がアルカノールアミンの場合は、NH2、NHのみ活性
水素として計算する〕}の合計と(a)のイソシアネー
ト基との当量比は通常1:(1.05〜2)、好ましく
は1:(1.1〜1.5)である。(A)の製造に際し
て、(d)がモノアルコールおよび/またはモノアミン
である場合の(A)の合成方法は、各成分を一度に反応
させるワンショット法または段階的に反応させる多段法
{活性水素含有化合物の一部〔たとえば(b)〕と
(a)を反応させてイソシアネート基末端プレポリマー
を形成したのち活性水素含有化合物の残部を加えてさら
に反応させて製造する方法]のいずれの方法でもよい。
この場合(A)の合成反応は通常40〜140℃、好ま
しくは60〜120℃で行われる。また、(A)の製造
に際して、(d)がモノアミンおよび/またはアルカノ
ールアミンである場合は、(a)、(b)、(c)およ
び必要により(e)をワンショット法または多段法のい
ずれかの方法でイソシアネート基末端プレポリマーを合
成したのち〔(c)がアニオン形成性基を含有する化合
物の場合は、アニオン基に変える塩基で中和後または中
和しながら〕、(f)で伸長するときに、該(f)と共
に上記モノアミンおよび/またはアルカノールアミンを
併用する方法や、(f)で鎖伸長中にモノアミンおよび
/またはアルカノールアミンを添加する方法が挙げられ
る。
【0013】(A)の合成反応は、(a)に不活性な有
機溶剤(たとえばアセトン、トルエン、ジメチルホルム
アミドなど)の中で行ってもよく、反応の途中または反
応後に該溶剤を加えてもよい。
【0014】本発明における水性ポリウレタン樹脂の重
量平均分子量は通常5,000〜1,000,000、
好ましくは10,000〜500,000である。重量
平均分子量が5,000未満ではインキ皮膜の耐ブロッ
キング性が不良となり、1,000,000を超えると
インキの粘度が高くなりすぎたり再溶解性が低下する。
【0015】本発明の水性印刷インキ用バインダーは、
通常該水性ポリウレタン樹脂を含有する水溶液としたも
のである。該水溶液の樹脂濃度は通常10〜80重量
%、好ましくは20〜60%である。粘度は通常50〜
500,000cp/25℃、好ましくは100〜10
0,000cp/25℃である。
【0016】本発明の水性印刷インキ用バインダーを構
成する樹脂は、該水性ポリウレタン樹脂単独でもよく、
必要により他の水性樹脂を併用してもよい。併用できる
他の水性樹脂としては、アクリル系、酢酸ビニル系、塩
化ビニル系、ロジン系などの水溶性樹脂が挙げられる。
【0017】本発明の水性印刷インキ用バインダーは、
必要に応じて安定剤、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、凍
結防止剤、増粘剤などの添加剤を含有していてもよい。
これらの具体例としては下記のものが挙げられる。 安定剤:ヒンダードフェノール系、ヒドラジン系、燐
系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、オキザ
リックアシッドアニリド系またはヒンダードアミン系安
定剤。 界面活性剤:ノニルフェノールのエチレンオキサイド付
加物などのノニオン界面活性剤、ラウリルアルコール硫
酸エステルナトリウム塩などのアニオン界面活性剤。 消泡剤:シリコーン系またはフッ素系消泡剤など。 防腐剤:有機窒素硫黄化合物系または有機硫黄ハロゲン
化合物系防腐剤など。 凍結防止剤:エチレングリコール、プロピレングリコー
ルなど。 増粘剤:セルロース誘導体、でんぷん誘導体またはポリ
ビニールアルコールなど。
【0018】本発明の水性印刷インキバインダーに、顔
料、必要により顔料分散剤および溶剤として水および/
またはアルコール類(エチルアルコール、イソプロピル
アルコールなど)などを配合し、ボールミルなどの通常
のインキ製造装置を用いて混練することで、水性印刷イ
ンキとすることができる。
【0019】水性印刷インキが適用できる対象プラスチ
ックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ナイロ
ンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファンフィ
ルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどが挙げられる。
【0020】また、本発明の水性印刷インキ用バインダ
ーは、一液型水性印刷インキ用として使用してもよい
が、硬化剤と併用して二液型水性印刷インキ用として使
用することもできる。硬化剤としてはポリエポキシ化合
物〔例えばエチレングリコーまたはポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル;グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ソルビトールおよびこれらのアルキレンオ
キシド(炭素数2〜3)付加物のグリシジルエーテ
ル〕、ポリエチレン尿素化合物{例えばジフェニルメタ
ン−ビス−4.4’−N.N’−エチレン尿素、2,2
−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス〔3−(1
−アジリジニル)プロピオナート〕}などが挙げられ
る。該硬化剤の添加量は、水性ポリウレタン樹脂の重量
に基づき通常0〜30重量%、好ましくは0〜20重量
%である。
【0021】本発明の水性印刷インキバインダーを用い
た水性印刷インキは、従来の水性印刷インキと比べ再溶
解性および接着性に優れ、特にプラスチックフィルム用
水性印刷インキとして好適に使用される。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて、「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0023】製造例1 温度計および攪拌機を付けた加圧重合器に、3−メチル
ペンタンアジペートジオール(数平均分子量4,00
0)206.7部、1,4−ブタンジオール8.5部、
n−ブタノール3.8部、ジメチロールプロピオン酸4
1.7部、IPDI139.3部およびアセトン26
6.7部を仕込み、反応系を窒素ガスで置換したのち、
攪拌下80℃で7時間反応してNCO含有量1.80
%、平均官能基数1.9のNCO末端ウレタンプレポリ
マーのアセトン溶液を得た。得られたアセトン溶液を3
0℃に冷却してトリエチルアミン31.5部を加えた。
つぎに水742.9部を該アセトン溶液に加え、減圧下
50〜60℃でアセトンを除去し、固形分35.0%、
粘度560cp/25℃のウレタン樹脂水溶液[1]
1,142部を得た。この樹脂の分子量は60,000
であった。分子量の測定は、以下の方法で行なった。 [分子量の測定]樹脂分が0.5%になるよう、0.0
1N塩化リチウムのN,N−ジメチルホルムアミド溶液
で調整し、高速GPC装置HLC−8020(東ソー社
製)、TSKガードカラムHXL−H、TSKゲルGM
HXLを使用して、注入量200μl、流速1.0ml
/分、RI検出器で測定し、重量分子量を分子量とし
た。
【0024】製造例2 温度計および攪拌機を付けた密閉反応槽に、ネオペンチ
ルアジペートジオール(数平均分子量3,000)9
5.3部、ポリカプロラクトンジオール(数平均分子量
3,000)63.6部、ネオペンチルグリコール2.
3部、トリメチロールプロパン8.4部、ジメチロール
プロピオン酸41.7部、水添MDI188.7部およ
びアセトン266.7部を仕込み、反応系を窒素ガスで
置換したのち、攪拌下80℃で6時間反応してNCO%
含有量3.0%、平均官能基数2.14のNCO末端ウ
レタンプレポリマーを得た。得られたアセトン溶液を3
0℃に冷却してトリエチルアミン31.4部を加えた。
つぎに該アセトン溶液をジエタノールアミン16.7部
(平均官能基数が1.66になる量)と水773.9部
との混合物中に加え、減圧下50〜60℃でアセトンを
除去し、固形分35.0%、粘度410cp/25℃の
ウレタン樹脂水溶液[2]1、190部を得た。この樹
脂の分子量は40,000であった。
【0025】製造例3 温度計および攪拌機を付けた加圧重合器に、ポリエチレ
ン/ネオペンチル(50/50)アジペートジオール
(数平均分子量2,000)179.3部、1,4−ブ
タンジオール5.8部、n−ブタノール3.5部、ジメ
チロールプロピオン酸36.5部、IPDI124.9
部およびアセトン233.3部を仕込み、反応系を窒素
ガスで置換したのち、攪拌下80℃で7時間反応してN
CO%含有量1.62%、平均官能基数1.9のNCO
末端ウレタンプレポリマーのアセトン溶液を得た。得ら
れたアセトン溶液を30℃に冷却してトリエチルアミン
27.5部を加えた。つぎにイソホロンジアミン5.9
部を水661.0部に溶解したものを該アセトン溶液に
加え、減圧下50〜60℃でアセトンを除去し、固形分
35.0%、粘度680cp/25℃のウレタン樹脂水
溶液[3]1015部を得た。この樹脂の分子量は8
0,000であった。
【0026】製造例4 温度計および攪拌機を付けた密閉反応槽に、ポリカプロ
ラクトンジオール(数平均分子量1,960)247.
3部、1,4−ブタンジオール16.2部、トリメチロ
ールプロパン3.1部、ジメチロールプロピオン酸1
7.9部、TDI115.5部およびアセトン400.
0部を仕込み、反応系を窒素ガスで置換したのち、攪拌
下80℃で6時間反応してNCO%含有量1.95%、
平均官能基数2.05のNCO末端ウレタンプレポリマ
ーを得た。得られたアセトン溶液を30℃に冷却して、
トリエチルアミン12.1部を加えた。つぎに水60
0.0部を該アセトン溶液に加え、減圧下50〜60℃
でアセトンを除去し、固形分40.0%、粘度350c
p/25℃のウレタン樹脂水分散液[4]1,000部
を得た。この樹脂の分子は架橋構造であるため、N/1
00塩化リチウムのN,Nジメチルホルムアミド溶液に
不溶となり、分子量の測定ができなかった。
【0027】製造例5 温度計および攪拌機を付けた加圧重合器に、ポリプロピ
レングリコール(数平均分子量2,000)209.5
部、1,4−ブタンジオール4.5部、n−ブタノール
3.9部、ジメチロールプロピオン酸42.9部、IP
DI139.2部およびアセトン266.7部を仕込
み、反応系を窒素ガスで置換したのち、攪拌下80℃で
7時間反応してNCO%含有量1.55%、平均官能基
数1.9のNCO末端ウレタンプレポリマーのアセトン
溶液を得た。得られたアセトン溶液を30℃に冷却して
トリエチルアミン32.3部を加えた。つぎに水74
3.0部を該アセトン溶液に加え、減圧下50〜60℃
でアセトンを除去し、固形分35.0%、粘度430c
p/25℃のウレタン樹脂水溶液[5]1,142部を
得た。この樹脂の分子量は90,000であった。
【0028】実施例1 製造例1で得られたウレタン樹脂水溶液[1]をバイン
ダーとして用いて、次の処方にて水性印刷インキを作成
した。 ウレタン樹脂水溶液[1] 110部 顔料(フタロシアニンブルー) 40部 イソプロピルアルコール 20部 水 30部 セラミックボール 100部 合計 300部 上記の原料を内容積500mlのスチール缶に入れて、
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)にて一
時間混練して、水性印刷インキ1を得た。
【0029】実施例2 製造例2で得られたウレタン樹脂溶液[2]をバインダ
ーとして用いて、次の処方にて水性印刷インキを作成し
た。 ウレタン樹脂溶液[2] 110部 顔料(フタロシアニンブルー) 40部 イソプロピルアルコール 20部 水 30部 セラミックボール 100部 合計 300部 上記の原料を内容積500mlのスチール缶に入れて、
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)にて一
時間混練後、ディナコールEX−521(ナガセ化成社
製エポキシ化合物)を6.0部添加して、水性印刷イン
キ2を得た。
【0030】実施例3 製造例3で得られたウレタン樹脂溶液[3]をバインダ
ーとして用いて、次の処方にて水性印刷インキを作成し
た。 ウレタン樹脂溶液[3] 110部 顔料(フタロシアニンブルー) 40部 イソプロピルアルコール 20部 水 30部 セラミックボール 100部 合計 300部 上記の原料を内容積500mlのスチール缶に入れて、
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)にて一
時間混練後、ケミタイトPZ−33(日本触媒社製多官
能アジリジン化合物)を5.0部添加して、水性印刷イ
ンキ3を得た。
【0031】比較例1 製造例4で得られたウレタン樹脂水分散体[4]をバイ
ンダーとして用いて、次の処方にて水性印刷インキを作
成した。 ウレタン樹脂水分散体[4] 82.5部 顔料(フタロシアニンブルー) 40部 イソプロピルアルコール 20部 水 57.5部 セラミックボール 100部 合計 300部 上記の原料を内容積500mlのスチール缶に入れて、
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)にて一
時間混練して、水性印刷インキ4を得た。
【0032】比較例2 製造例5で得られたウレタン樹脂水溶液[5]をバイン
ダーとして用いて、次の処方にて水性印刷インキを作成
した。 ウレタン樹脂水溶液[5] 110部 顔料(フタロシアニンブルー) 40部 イソプロピルアルコール 20部 水 30部 セラミックボール 100部 合計 300部 上記の原料を内容積500mlのスチール缶に入れて、
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)にて一
時間混練して、水性印刷インキ5を得た。
【0033】上記実施例1〜3および比較例1〜2で得
られた水性印刷インキ1〜5各々を使用し、下記の性能
試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0034】<性能試験項目と試験方法> 1.再溶解性 ガラス板に、水性印刷インキが固形分で2〜3μmにな
るようバーコーターで塗布し、室温で2分間放置しイン
キ表面を半乾きにした後、使用した水性印刷インキを垂
らしてガラス棒で混ぜ合わせ、インキ塗膜の溶解性を観
察した。 判定 ○:半乾きしたインキ塗膜が再溶解する。 ×:半乾きしたインキ塗膜が再溶解せず残る。
【0035】2.接着性 軟質塩ビフィルムに、水性印刷インキが固形分で2〜3
μmになるようバーコーターで塗布し、70℃で2分間
乾燥後、塗布面にニチバンソロテープ(12mm巾)を
貼り、このニチバンセロテープの一端を塗布面に対して
直角方向に急速に引き剥したときの塗布面状態を観察し
た。 判定 ○:剥がれなし ×:剥がれ部分が見られる
【0036】3.耐油性 25℃の菜種油に、接着性試験と同じ方法で得た塗布試
験片を24時間浸漬した後、塗布面の状態を観察した。 判定 ○:異常なし ×:艶びけあり
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明の水性印刷インキ用
バインダーは、従来のポリウレタン系水性印刷インキ用
バインダーの問題であった再溶解性および耐油性を向上
させることが出来ることから、特にプラスチックフィル
ム用の水性印刷インキ用バインダーとして極めて有用で
ある。また、本発明の水性インキ用バインダーは、接着
性等の性能が優れていることから、上記用途としてだけ
ではなく塗料のバインダー、紙等のコーティング材とし
ても有用である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ポリイソシアネート(a)、ポリエ
    ステルポリオール(b)、分子中にアニオン性親水基と
    少なくとも2個の活性水素を含有する化合物(c)、重
    合停止剤(d)および必要により鎖伸長剤(e)からな
    る、平均官能基数(1分子当りのイソシアネート基の平
    均個数)が1以上、2未満のイソシアネート基末端プレ
    ポリマー(A)の中和物を、水、水溶性ジアミンおよび
    ヒドラジン誘導体から選ばれる1種以上の鎖伸長剤
    (f)を用いて水中で鎖伸長してなる水性ポリウレタン
    樹脂からなり、該(c)が分子中にカルボキシル基と少
    なくとも2個の活性水素を含有する化合物であり、カル
    ボキシル基の含量が樹脂の重量に基づいて1.0〜7.
    0重量%であることを特徴とする水性印刷インキ用バイ
    ンダー。
  2. 【請求項2】 有機ポリイソシアネート(a)、ポリエ
    ステルポリオール(b)、分子中に アニオン性親水基
    少なくとも2個の活性水素を含有する化合物(c)およ
    び必要により鎖伸長剤(e)からなるイソシアネート基
    末端プレポリマー(A’)の中和物を、その平均官能基
    数(1分子当りのイソシアネート基の平均個数)を1以
    上、2未満とする量のモノアミンおよび/またはアルカ
    ノールアミンからなる重合停止剤(d’)と共に、水、
    水溶性ジアミンおよびヒドラジン誘導体から選ばれる1
    種以上の鎖伸長剤(f)を用いて水中で鎖伸長してなる
    水性ポリウレタン樹脂からなり、該(c)が分子中に
    ルボキシル基と少なくとも2個の活性水素を含有する化
    合物であり、カルボキシル基の含量が樹脂の重量に基づ
    いて1.0〜7.0重量%であることを特徴とする水性
    印刷インキ用バインダー。
  3. 【請求項3】 (a)が、脂肪族および/または脂環族
    ジイソシアネートである請求項1または2記載の水性印
    刷インキ用バインダー。
  4. 【請求項4】 (b)が、炭素数5〜10の分岐アルカ
    ンジオールからなるグリコール成分とジカルボン酸成分
    からのポリエステルジオールである請求項1〜3いずれ
    記載の水性印刷インキ用バインダー。
  5. 【請求項5】 プラスチックフィルム用水性印刷インキ
    に用いられる請求項1〜4いずれか記載の水性印刷イン
    キ用バインダー。
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