JP3608845B2 - フードインシュレーター - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
自動車用フードインシュレーターに関する。更に詳細には、吸音性、成形性、意匠性、などに優れる自動車用フードインシュレーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、フェノール樹脂などのバインダー樹脂を付着させたガラス繊維マットの少なくとも片面に不織布を積層させ一体成形して成るフードインシュレーターがある。
フードインシュレーターは、カバリング性を高める為には、表面層の不織布の繊維量を多くする、構成繊維径を細くするおよび緻密構成にすることなどが必要である。
【0003】
不織布の構成繊維量を増やすことによりカバリング性、意匠性を向上させることはできるが加熱プレスによる成形加工時に構成繊維相互の伸長、ズレなどが難しく、成形加工性が悪くなり、且つ、コスト高となり経済的負担となるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、フードインシュレーターのカバリング性が改善され、意匠性が高められ、且つ、吸音性、成形加工性が優れたフードインシュレーターを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フェノール樹脂を付着させたガラス繊維マットの両面に合繊長繊維不織布が積層されたフードインシュレーターにおいて、上記合繊長繊維不織布として、温度150℃の10%中間応力が5kg/5cm以下、目付が50g/m2以下のものを用い、ガラス繊維マットの少なくとも一方に合成樹脂フィルムを介在させて、一体成形して成ることを特徴とするフードインシュレーター、である。
【0006】
本発明のフードインシュレーターは、図1に断面を示すように、ガラス繊維マット(4)の両面に合繊長繊維不織布(2)を積層し、合繊長繊維不織布とガラス繊維マットとの間にフィルム(3)を介在させた構成から成る。
本発明のフードインシュレーターは、少なくとも一方の面が合繊長繊維不織布とフィルムの積層構造である。
【0007】
本発明に用いる合繊長繊維不織布は、構成繊維の平均繊度が0.5d〜5dが好ましく、さらに好ましくは1d〜3dである。
本発明に用いる合繊長繊維不織布の構成繊維は、成形加工性の目的を満たすなら特に制限されないが、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン−ポリエステル、共重合ポリエステル−ポリエステルなどの複合繊維等、単一或は2種以上から成る長繊維を用いることができる。 特に、不織布を構成する繊維が、捲縮繊維、未延伸繊維などの合繊長繊維不織布であると、成形温度の150℃での10%中間応力を低くできるので好ましい。
【0008】
繊維の形状も特に限定されないが、丸形、異形断面、又は捲縮繊維などが用いられる。
成形加工時の加熱温度での中間応力が低いと、より小さな力で伸び易く、賦形し易く大変形の凹凸形状に容易に熱成形できる。
本発明に用いる合繊長繊維不織布は、温度150〜250℃で10%中間応力が5kg/5cm以下、好ましくは、3kg/5cm以下である。破断伸度は、30%以上が好ましく、より好ましくは、50%以上である。
【0009】
本発明に用いる合繊長繊維不織布は、目付が、50g/m2 以下であり、好ましくは20〜40g/m2である。目付が50g/m2 以上となると、構成繊維の相互の伸長、ズレなどが難しく成形加工性が不十分となる。本発明に用いる合繊長繊維不織布の製造方法は公知のスパンボンド法、ニードルパンチ法、サーマルボンド法等、単一又は2種以上の組合せによって得られる。 特に部分熱圧着から成る合成長繊維不織布又は合成長繊維不織布のニードルパンチ加工した不織布が好ましい。
【0010】
本発明に用いるガラス繊維マットは、熱成形加工ができ、得られた製品が剛性を有し保形性に優れ、且つ、自動車用部品である為、難燃性を有することが必要である。
本発明に用いるガラス繊維マットは、フェノール樹脂が付着したもので、付着量は10〜100重量%であることが好ましく、さらに好ましくは20〜80重量%である。フェノール樹脂が付着していると、熱成形加工時の加熱温度、例えば150℃〜250℃、でガラス繊維相互の接着及び硬化させることができる。
【0011】
フェノール樹脂付着量が10重量%以下では、接着及び硬化が不足し、目的とする、剛性及び保形性が得られない。一方、100重量%以上では剛性及び保形性が十分得られるがフェノール樹脂付与方法、コストなどに問題が生じる。
ガラス繊維マットの目付は200〜1500g/m2 が好ましく、さらに好ましくは300〜1000g/m2 である。
【0012】
本発明に用いるガラス繊維マットは、本発明の目的とする、熱成形性、剛性、保形性などが得られれば、他の繊維と混合してもよい。
本発明に用いるガラス繊維マットにフェノール樹脂を付着させる方法は、公知の方法、例えば水系或は溶剤系のフェノール樹脂液に含浸させるか又はスプレー方式によって、なされる。
【0013】
本発明に用いる合成樹脂フィルムは、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、などの単一又は2種以上の複合フィルムである。
本発明に用いる合成樹脂フィルムは、厚みが、10μ〜100μであることが好ましく、さらに好ましくは20μ〜60μである。
【0014】
本発明に用いる合成樹脂フィルムは、ガラス繊維マットと不織布との間に介在させガラス繊維の飛散、及び皮膚刺戟を防止する。
本発明に用いる合成樹脂フィルムは、前工程で、不織布或はガラス繊維マットと接着することもできる。例えば、押し出しラミネート、接着剤ラミネート、熱溶着ラミネートなどである。
【0015】
本発明のフードインシュレーターの製造方法は、上記材料を積層させた後、凹凸金型を温度150℃〜250℃に加熱し、数十秒〜数分加熱加圧プレス成形し、目的とする形状を得る。
本発明に用いられる不織布及び合成樹脂フィルムは、表面層を形成する不織布の外観品位を向上させる為に同系色に着色されていることが好ましく、カバリング性、意匠性に優れる。
【0016】
本発明のフードインシュレーターは、ガラス繊維が手に触れてチクチクするなどのチクチク性がなく、また、表面からガラス繊維マットの一部透けて見えにくいなどのカバリング性に優れる。
本発明のフードインシュレーターは、特定の不織布が、表面層を形成している為、カバリング性が良く、意匠性に優れ、且つ、加熱プレスによる成形加工時に十分変形することができる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例によって、具体的に本発明を説明する。
なお物性の測定方法は以下のとおりに行った。
(1)150℃の10%中間応力
JIS−L−1906(1994)の引張強さ及び伸び率の測定方法に準じ、雰囲気温度が150℃で、10%伸びた時の応力で示す。
【0018】
【実施例1】
▲1▼ 不織布は、目付が30g/m2 、平均繊径が1.8デニール、150℃の10%中間応力が3.2kg/5cm、カーボン顔料を添加し黒着色した部分熱圧着率が12%のポリエステル長繊維不織布を80回/cm2 のニードルパンチをした加工品を用いた。
▲2▼ 合成樹脂フィルムは、厚みが25μ、カーボン顔料を添加して黒着色した低密度ポリエチレンフィルムを用いた。
▲3▼ ガラス繊維マットは、フェノール樹脂を30重量%付着させた目付が650g/ m2 、厚みが25mmのものを用いた。
【0019】
▲1▼不織布、▲2▼合成樹脂フィルム、▲3▼ガラス繊維マット、▲1▼不織布の順に重ねて、凹凸金型が設置された、温度235℃に加熱された成形機で、加熱加圧プレス成形し、フードインシュレーターを得た。
成形加工性は、破れ、浮きなどが発生せず良好であった。
意匠性は、中に介在させたガラス繊維が表面から見えずカバリング性、外観品位が良好であった。
【0020】
吸音性は効果があり、特に高周波領域が良好であった。
以上、本発明の自動車用フードインシュレーターは、成形加工性、意匠性、吸音性などの目的を十分満足する結果が得られた。
【0021】
【比較例1】
▲1▼ 不織布は、目付が70g/m2 、平均繊径が1.8デニール、150℃の10%中間応力が8.5kg/5cmの部分熱圧着率25%のポリエステル長繊維不織布を用いた。
▲2▼ ガラス繊維マットは、目付が650g/m2 、厚みが25mmのフェノール樹脂を30重量%付着させたものを用いた。
【0022】
▲1▼不織布、▲2▼ガラス繊維マット、▲1▼不織布と重ねて、実施例1と同様に加熱加圧プレス成形した。
成形加工性は、凹凸金型への追従性が悪く、浮いた部分が生じ目的とする形状が得られなかった。
意匠性は、中に介在させたガラス繊維がほとんど見えないというカバリング性は良いが、形状が悪く(成形性が悪い)、満足する結果が得られなかった。
【0023】
吸音性は、実施例1と比較して、良い結果が得られなかった。
以上、成形加工性が不十分であり、意匠性に乏しいものとなった。
【0024】
【発明の効果】
本発明の自動車用フードインシュレーターは、従来のものに比較して、成形性、表面の意匠性が優れ、且つ、吸音性に優れる。
従って、自動車用エンジンルーム、ボンネット裏などの吸音材、断熱材として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明フードインシュレーターを模式的に示す断面図
【符号の説明】
1 フードインシュレーター
2 不織布
3 合成樹脂フィルム
4 ガラス繊維マット
Claims (1)
- フェノール樹脂を付着させたガラス繊維マットの両面に合繊長繊維不織布が積層されたフードインシュレーターにおいて、上記合繊長繊維不織布として、温度150℃の10%中間応力が5kg/5cm以下、目付が50g/m2 以下のものを用い、ガラス繊維マットの少なくとも一方に合成樹脂フィルムを介在させて、一体成形して成ることを特徴とするフードインシュレーター。
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JP16180095A JP3608845B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | フードインシュレーター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16180095A JP3608845B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | フードインシュレーター |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0911818A JPH0911818A (ja) | 1997-01-14 |
JP3608845B2 true JP3608845B2 (ja) | 2005-01-12 |
Family
ID=15742159
Family Applications (1)
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JP16180095A Expired - Fee Related JP3608845B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | フードインシュレーター |
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- 1995-06-28 JP JP16180095A patent/JP3608845B2/ja not_active Expired - Fee Related
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