JP2007038854A - 自動車用内装材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】車外からの音の侵入を十分に防止するとともに車室内に侵入した音を十分に吸音することができ、軽量でありながら剛性を向上させることができ、成形後も所要の形状を保つだけの保形性に優れた自動車用内装材を得ることを課題とする。
【解決手段】繊維を集合させた通気性の吸音層30と、非通気性の熱可塑性シートからなり吸音層に対して車室側とは反対側の車外側の面に設けられた遮音層40と、吸音層における車室側の面で少なくとも熱可塑性繊維を有する繊維を集合させて熱成形して形成される通気性の補強層20と、を少なくとも積層した状態で車室の形状に合わせて熱成形し、自動車用内装材100を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の車室に敷設される自動車用内装材およびその製造方法に関する。
自動車の乗員室や荷室を構成するパネル上には、樹脂や繊維で形成した成形品が内装材として敷設されている。このような内装材は、内装材としてふさわしい意匠性やクッション性や触感を付与したり、床面の平坦性を確保するといった嵩上げ材としての役割を担ったりする他、音波や熱の伝達を軽減するといった機能を有していたりしている。
図6に示すように、特許文献1には、繊維質材料からなる表皮層1の下面に、樹脂層または樹脂を含浸させた繊維層からなる遮音層2と、フェルトからなる制振・吸音層3とを順次積層した積層体が記載されている。遮音層2は、樹脂層または樹脂を含浸させた繊維層からなるため、非通気性とされている。
特許第2622086号公報
自動車が路上を走行することに伴って生じるロードノイズやエンジンノイズや風切り音等の各種の騒音は、車室内へ侵入しようとする。特許文献1記載の技術では、車外から車室内へ侵入しようとする騒音はある程度低減される。しかし、上記遮音層2が非通気性とされているため、車室内に侵入した騒音については、図6の矢印に示すように遮音層2によって反射されるため、制振・吸音層3を機能させることができておらず、吸音されていなかった。車室内の静粛性をさらに高めるため、車室内に侵入した騒音に対しても吸音機能を持たせた自動車用内装材を開発することが求められていた。
また、乗員室や荷室を構成するパネルは、平坦ではなく凸凹形状を有しているため、これらのパネル上に敷設される内装材もパネルの凸凹形状に追随した形状に成形される。このため、特に深い絞り変形が必要となる屈曲部などでは良好な成形性と同時に成形後に所望形状の状態を保つだけの保形性が必要とされる。しかし、引用文献2記載の技術では、積層体に強度および保形性を付与するのが遮音層2しかないため、剛性が不十分であるとともに成形後に所要の形状が十分に保たれないという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、車外からの音の侵入を十分に防止するとともに車室内に侵入した音を十分に吸音することができ、軽量でありながら剛性を向上させることができ、成形後も所要の形状を保つだけの保形性に優れた自動車用内装材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、自動車の車室に敷設される自動車用内装材であって、繊維を集合させた通気性の吸音層と、非通気性の熱可塑性シートからなり前記吸音層に対して車室側とは反対側の車外側の面に設けられた遮音層と、前記吸音層における車室側の面で少なくとも熱可塑性繊維を有する繊維を集合させて熱成形して形成される通気性の補強層と、を少なくとも積層した状態で車室の形状に合わせて熱成形して得られることを特徴とする。
自動車用内装材は、車外側から車室側へ順に、非通気性の遮音層、通気性の吸音層、通気性の補強層が形成されている。車外から侵入しようとする音は、非通気性の遮音層で反射され、車室内への通過が遮られる。一方、車室側に形成された補強層は通気性を有するため、車室内に侵入した音は、補強層を通過して通気性の吸音層に進入して、吸音される。これにより、車外からの音の侵入を十分に防止するとともに車室内に侵入した音を十分に吸音することができ、乗員の耳に入る騒音を効果的に少なくさせ、自動車走行時の静粛性を向上させることができる。
また、繊維を集合させた軽量の吸音層が熱可塑性シートからなる遮音層と繊維から形成された補強層とで挟まれて熱成形されているので、軽量でありながら良好な剛性とされ、さらに、成形後も所要の形状を保つだけの良好な保形性が得られる。
前記補強層の繊維は、母材繊維と、熱可塑性の芯繊維と該芯繊維の外周に形成された熱可塑性の鞘繊維であって該芯繊維よりも融点が低くされた鞘繊維とから構成される芯鞘構造の架橋用繊維と、を配合した繊維とされてもよい。鞘繊維が加熱溶融されても、該鞘繊維よりも融点が高い芯繊維が加熱溶融されにくいので、芯鞘構造の架橋用繊維が母材繊維どうしを架橋して剛性を付与する。
本自動車用内装材は、遮音層と吸音層と補強層のみを積層して熱成形された内装材でもよいし、さらに表皮層や裏打ち層等を積層して熱成形された内装材でもよい。
繊維を集合させた通気性の表皮層を補強層の車室側の面に設けると、表皮層が通気性を有するので、車室内に侵入した音が表皮材を通過して吸音層に進入することにより吸音され、車室内の音を吸収する吸音性能を維持することができる。また、車室側の面が繊維を集合させた表皮層とされているので、内装材としてふさわしい意匠が付与される。
また、本発明は、自動車の車室に敷設される自動車用内装材を製造するための自動車用内装材の製造方法であって、繊維を集合させた通気性の吸音層と、前記吸音層における車室側の面で少なくとも熱可塑性繊維を有する繊維を集合させて熱成形して形成される通気性の補強層と、を重ねてニードリングして加熱することにより前記補強層を構成する熱可塑性繊維を加熱溶融させて積層体を形成し、非通気性の熱可塑性シートからなり前記吸音層に対して車室側とは反対側の車外側の面に設けられる遮音層と、不織布からなる裏打ち層と、を重ねて加熱することにより前記遮音層を構成する熱可塑性シートを溶融させて前記裏打ち層と前記遮音層とを結着させた結着体を形成し、車室の形状に合わせた形状とされた成形型の中で前記結着体における前記遮音層側と前記積層体における前記吸音層側とを重ねて型締めして熱成形することにより自動車用内装材を製造することを特徴とする。
以上の構成により、吸音層と補強層とがニードリングにより互いに固定されるので加熱により積層体を容易に形成することができ、熱可塑性シートからなる遮音層が加熱溶融されても裏打ち層によってだれたり変形したりすることがなくなるので結着体を容易に形成することができ、また、加熱溶融された熱可塑性シートの取り扱いが容易になるので裏打ち層と遮音層と吸音層と補強層とを積層した自動車用内装材の製造を容易にさせることができる。
請求項1にかかる発明によれば、車外からの音の侵入を十分に防止するとともに車室内に侵入した音を十分に吸音することができ、軽量でありながら剛性を向上させることができ、成形後も所要の形状を保つだけの保形性に優れた自動車用内装材を提供することができる。
請求項2にかかる発明では、芯鞘構造の架橋用繊維が母材繊維どうしを架橋して補強層の強度を向上させることができるので、剛性をさらに向上させることが可能になる。
請求項3にかかる発明では、車室内の音を吸音する吸音性能を維持しながら本自動車用内装材の見た目を向上させることができる。
請求項4にかかる発明では、熱可塑性シートからなる遮音層を加熱溶融させた状態で成形型内に持ち込む際に裏打ち層によって熱可塑性シートがだれたり変形したりすることがなくなるため、熱可塑性シートのハンドリング性を格段に向上させることが可能になる。
請求項5にかかる発明では、車外からの音の侵入を十分に防止するとともに車室内に侵入した音を十分に吸音することができ、軽量でありながら剛性を向上させることができ、成形後も所要の形状を保つだけの保形性に優れた良質の自動車用内装材を容易に得ることができる。
請求項6にかかる発明では、車外からの音の侵入を十分に防止するとともに車室内に侵入した音を十分に吸音することができ、軽量でありながら剛性を向上させることができ、成形後も所要の形状を保つだけの保形性に優れた自動車用内装材の製造を容易にさせることが可能になる。
請求項7にかかる発明では、補強層、吸音層は熱風加熱によって、積層体の内部までほぼ均一に加熱することができ、また、非通気性の樹脂シートと不織布層とからなる層は輻射加熱によって均一に加熱することができるため、各層において加熱温度の偏りがなく、成形性に優れた良質の自動車用内装材の製造方法を提供することができる。
以下、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)自動車用内装材の構成:
(2)自動車用内装材の製造方法:
(3)自動車用内装材の作用、効果:
(4)変形例:
(5)実施例:
(1)自動車用内装材の構成:
図1は本発明の自動車用内装材108,109を敷設した路上走行自動車200の内装の要部を一部断面視して示す正面図、図2は本自動車用内装材100の要部を垂直断面にて示す図である。
本路上走行自動車200は、車体を形成するドア110,110やフロアパネル120や図示しない天井パネルが設けられているとともに、車室SP1内にシート130,130が設けられている。ドア110,110は、金属製のドアアウターパネル(車体パネルの一種)112,112や、当該ドアアウターパネルよりも車室側に配置された金属製のドアインナーパネル(車体パネルの一種)114,114や、窓ガラス116,116を備えるとともに、ドアインナーパネル114,114に対して車室側に敷設された自動車用内装材108,108を備えている。フロアパネル120上には、床面用の自動車用内装材109が敷設されている。
これらの内装材101,102は、図2に示す自動車用内装材100のように、非通気性の遮音層40と通気性の吸音層30と通気性の補強層20とを少なくとも積層した状態で車室SP1の形状に合わせて熱成形して得られる。本実施形態の内装材100は、さらに、遮音層40の車外側(車室側とは反対側)の面に裏打ち層50が設けられ、補強層20の車室側の面に通気性の表皮層10が設けられて、各層10〜50を積層した状態で熱成形して形成されている。ここで、内装材100は、平坦ではなく、凸凹形状に形成される。また、凸凹形状の車体パネル上に内装材を敷設する場合、内装材はパネルの凸凹形状に追随した形状に形成される。
表皮層10は、内装材としての意匠性を付与する目的で車室側の面に設けられる薄い表層であり、繊維を多数集合させて通気性を有するように形成される。これにより、良好な吸音性を維持しながら車室の意匠性を向上させることができる。表皮層に用いる繊維には、熱可塑性樹脂の繊維、熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材を添加した繊維等があり、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アセテート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、等の樹脂の繊維、これらの樹脂に充てん材等の添加材(例えば樹脂よりも少ない配合比)を添加した材質の繊維、等を用いることができる。また、これらの樹脂を比較的高い融点を有するように組成して形成した繊維を用いるとより好適である。表皮層は自動車の室内側に配置されるため、その構成繊維としては、染色された繊維や、捲縮加工を施した繊維等の高い意匠性を有する繊維を用いるとより好ましい。これらの意匠性繊維を用いて表皮層を形成すると、自動車用内装材100の見栄えを向上させることができる。
また、表皮層にニードルパンチ不織布を用いると、良好な外観の内装材が得られるとともに良好な吸音性が得られるので好適である。表皮層として用いる不織布の単位面積当たりの重量は100〜500g/m2にするのが好ましく、150〜400g/m2にするのがさらに好ましい。単位面積当たりの重量を前記下限以上にすると表皮層として良好な強度が得られるとともに良好な外観が得られるからであり、単位面積当たりの重量を前記上限以下にすると良好な通気性が得られるからである。また、表皮層として用いるニードルパンチ不織布の厚さは0.5〜8mmが好ましく、1〜5mmがさらに好ましい。厚みを前記下限以上にすると良好な強度が得られるとともに良好な外観が得られるからであり、厚みを前記上限以下にすると良好な通気性が得られるからである。一般的には、表皮層の厚さは0.5〜15mm(より好ましくは1〜10mm)の範囲を目処に決定することができる。
表皮層に用いる不織布の通気度(JIS L1096に規定されたフラジール形法による。以下、同じ)を5cc/cm2/sec以上の高通気性とすると、吸音性が飛躍的に良好になる。これは、車室内から吸音層30へと向かう音波が高通気性の表皮層10でほとんど反射せず、吸音層で十分に音のエネルギーが吸収され、表皮層を形成しても吸音層30による吸音性が低下しないためと推察される。なお、表皮層の通気度を調節するためには単位面積当たりの重量や厚さを調整すればよく、表皮層の単位面積当たりの重量を小さくしたり厚さを薄くしたりすると通気度を大きくさせることができる。
また、上述した材質の繊維を表皮層用母材繊維とし、該母材繊維と異なる表皮層用熱可塑性繊維を添加して、表皮層を形成してもよい。該表皮層用熱可塑性繊維には、後述する補強層の架橋用繊維と同様、熱可塑性樹脂の繊維、熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材を添加した繊維等を用いることができ、PEやPP等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂からなる繊維、これらの熱可塑性樹脂を変性させて融点を調整した熱可塑性樹脂からなる繊維、これらの熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材(例えば樹脂よりも少ない配合比)を添加した材質の繊維、これらの材質で芯繊維と鞘繊維とからなる芯鞘構造とされた繊維、等を用いることができる。表皮層用母材繊維と表皮層用熱可塑性繊維との配合比は、表皮層用母材繊維を80〜99重量%、表皮層用熱可塑性繊維を1〜20重量%と、表皮層用熱可塑性繊維の配合比を補強層の架橋用繊維の配合比よりも少なくするのが好ましい。
補強層20は、成形後の形状を保持する剛性を付与する目的で設けられる薄い中間層であり、吸音層30における車室側の面で少なくとも熱可塑性繊維を有する繊維を多数集合させて熱成形して通気性を有するように形成される。補強層に用いる繊維は、全て熱可塑性繊維でもよいし、ガラス繊維、カーボン繊維、レーヨン繊維など熱可塑性を示さない繊維と熱可塑性繊維とを混合した繊維でもよい。補強層に用いる熱可塑性繊維には、熱可塑性樹脂の繊維、熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材を添加した繊維等があり、PEやPP等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、PET等の熱可塑性樹脂からなる繊維、これらの熱可塑性樹脂を変性させて融点を調整した熱可塑性樹脂からなる繊維、これらの熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材(例えば樹脂よりも少ない配合比)を添加した材質の繊維、等を用いることができる。
本実施形態の補強層の繊維は、母材繊維と、熱可塑性繊維である架橋用繊維と、を配合した繊維としている。また、本実施形態の架橋用繊維は、熱可塑性の芯繊維と該芯繊維の外周に形成された熱可塑性の鞘繊維であって該芯繊維よりも融点が低くされた鞘繊維とから構成される芯鞘構造の熱可塑性繊維としている。
母材繊維は、補強層に十分な剛性を付与するために用いられる。母材繊維には、熱可塑性樹脂の繊維、熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材を添加した繊維等を用いることができ、ポリエステル繊維、PP繊維、ポリアミド繊維、レーヨン繊維、PET繊維、さらに充てん材等の添加材(例えば樹脂よりも少ない配合比)を添加した材質の繊維、等を用いることができる。母材繊維には、架橋用繊維との接着が良好な性質の繊維を用いるのが好ましく、例えば架橋用繊維(芯鞘構造の繊維の場合は鞘繊維)と相溶性のある繊維を用いると架橋用繊維との接着性が良好になり、補強層に十分な剛性を付与することができる。架橋用繊維と相溶性のある繊維として、同じ材質の繊維を用いてもよい。
母材繊維の繊維径は、5〜60μmが好ましく、5〜35μmがさらに好ましい。また、母材繊維の繊維長は、10〜100mmが好ましく、24〜64mmがさらに好ましい。繊維径および繊維長がこれらの範囲内になると、内装材を作製するときに繊維塊ができにくくなり、カーディング工程において分散性が良好になるなど、加工性が向上する。
架橋用繊維は、母材繊維どうしを架橋することにより補強層に十分な剛性を付与するために用いられる。架橋用繊維には、熱可塑性樹脂の繊維、熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材を添加した繊維等を用いることができ、PEやPP等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂からなる繊維、これらの熱可塑性樹脂を変性させて融点を調整した熱可塑性樹脂からなる繊維、これらの熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材(例えば樹脂よりも少ない配合比)を添加した材質の繊維、等を用いることができる。架橋用繊維には、母材繊維との接着が良好な性質の繊維であって、母材繊維が熱可塑性繊維である場合には母材繊維よりも低い融点を持つ熱可塑性の繊維を用いるのが好ましく、例えば母材繊維と相溶性のある繊維を用いると母材繊維との接着性が良好になり、補強層に十分な剛性を付与することができる。
架橋用繊維の融点は、100〜220℃が好ましい。融点が前記下限以上になると実用上の耐熱性に問題なく補強層に良好な剛性を付与することができるためであり、融点が前記上限以下になると熱成形時に母材繊維との接着性が十分に得られて補強層に良好な剛性を付与することができるためである。
芯繊維の周囲を低融点成分または中融点成分で鞘状に囲んで形成した芯鞘構造の繊維、すなわち、芯繊維と該芯繊維と比べて融点の低い低融点繊維を鞘繊維とした熱融着性の芯鞘構造を有する繊維を架橋用繊維として用いる場合、鞘繊維に上述した素材、すなわち、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂の繊維、これらの熱可塑性樹脂を変性させて融点を調整した熱可塑性樹脂からなる繊維、これらの熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材(例えば樹脂よりも少ない配合比)を添加した材質の繊維、等を用いることができる。また、鞘繊維には、母材繊維との接着が良好な性質の繊維であって母材繊維よりも低い融点を持つ熱可塑性の低融点繊維または中融点繊維を用いるのが好ましく、例えば母材繊維と相溶性のある低融点繊維または中融点繊維を用いると母材繊維との接着性が良好になり、補強層に十分な剛性を付与することができる。
鞘繊維の融点は、100〜220℃が好ましい。融点が前記下限以上になると実用上の耐熱性に問題なく補強層に良好な剛性を付与することができるためであり、融点が前記上限以下になると熱成形時に母材繊維との接着性が十分に得られて補強層に良好な剛性を付与することができるためである。
芯繊維には、鞘繊維よりも融点の高い熱可塑性樹脂を用いているが、鞘繊維と同様、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂の繊維、これらの熱可塑性樹脂を変性させて融点を調整した熱可塑性樹脂からなる繊維、これらの熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材(例えば樹脂よりも少ない配合比)を添加した材質の繊維、等を用いることができる。
芯繊維の融点は、160〜260℃が好ましい。前記下限以上になると熱成形時に溶融による切断が生じにくくなって補強層に良好な剛性を付与することができるためである。
架橋用繊維の繊維径は、8〜45μmが好ましい。繊維径を前記下限以上にするとカーディング工程での分散性に問題なく補強層に良好な剛性を付与することができるためであり、繊維径を前記上限以下にすると単位重量当たりの架橋用繊維の本数が多くなって母材繊維どうしを十分に架橋して補強層に良好な剛性を付与することができるためである。架橋用繊維の繊維長は、10〜100mmが好ましい。繊維長を前記下限以上にするとカーディング工程で繊維の脱落がなく母材繊維どうしを十分に架橋して補強層に良好な剛性を付与することができるためであり、繊維長を前記上限以下にすると内装材を作製するときに繊維塊ができにくくなり、カーディング工程において分散性が良好になるなど、加工性が向上するためである。
母材繊維と架橋用繊維との配合比は、母材繊維を20〜95重量%(より好ましくは30〜95重量%、さらに好ましくは50〜95重量%)、架橋用繊維を5〜80重量%(より好ましくは5〜70重量%、さらに好ましくは5〜50重量%)とするのが好ましい。架橋用繊維の配合比を前記下限以上にすると母材繊維どうしを十分に架橋して補強層に良好な剛性を付与することができるためであり、架橋用繊維の配合比を前記上限以下にすると熱成形後に収縮がほとんど生じず製品に変形が生じないためである。
補強層の通気度を5cc/cm2/sec以上の高通気性とすると、吸音性が飛躍的に良好になる。これは、車室内から吸音層30へと向かう音波が高通気性の補強層20でほとんど反射せず、吸音層で十分に音のエネルギーが吸収され、補強層を形成しても吸音層30による吸音性が低下しないためと推察される。なお、補強層の通気度を調節するためには単位面積当たりの重量や厚さを調整すればよく、単位面積当たりの重量を小さくしたり厚さを薄くしたりすると補強層の通気度を大きくさせることができる。
吸音層30は、繊維を多数集合させて通気性を有するように形成され、嵩高性を有するように加工された繊維を母材として構成される。吸音層に用いる繊維には、熱可塑性樹脂の繊維、熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材を添加した繊維、その他の樹脂繊維等を用いることができ、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、PP繊維、PE繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、レーヨン繊維、PET繊維、さらに充てん材等の添加材(例えば樹脂よりも少ない配合比)を添加した材質の繊維、等を用いることができる。吸音層に用いる繊維に高捲縮加工やニードリングを施すことによって嵩高性を高めた繊維を用いると、吸音層が厚くなるので良好な吸音性が得られる。
また、上述した材質の繊維を吸音層用母材繊維とし、該母材繊維と異なる吸音層用熱可塑性繊維を添加して、吸音層を形成してもよい。該吸音層用熱可塑性繊維には、補強層の架橋用繊維と同様、熱可塑性樹脂の繊維、熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材を添加した繊維等を用いることができ、PEやPP等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂からなる繊維、これらの熱可塑性樹脂を変性させて融点を調整した熱可塑性樹脂からなる繊維、これらの熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材(例えば樹脂よりも少ない配合比)を添加した材質の繊維、これらの材質で芯繊維と鞘繊維とからなる芯鞘構造とされた繊維、等を用いることができる。吸音層用熱可塑性繊維には、吸音層用母材繊維との接着が良好な性質の繊維であって、吸音層用母材繊維が熱可塑性繊維である場合には吸音層用母材繊維よりも低い融点を持つ熱可塑性の低融点繊維または中融点繊維を用いるのが好ましく、例えば吸音層用母材繊維と相溶性のある低融点繊維または中融点繊維を用いると吸音層用母材繊維との接着性が良好になり、吸音層について良好な保形性が得られる。吸音層用熱可塑性繊維に補強層20の架橋用繊維(芯鞘構造の架橋用繊維の場合は鞘繊維)と比べてほぼ同じ融点かより高い融点の低融点繊維または中融点繊維を用いると、吸音層用母材繊維との接着性が良好になり、吸音層について良好な保形性が得られる。該低融点繊維または中融点繊維には、PP、変性ポリエステル、アクリル、PE等を比較的低い融点を有するように組成して変性させて融点を調整した熱可塑性樹脂からなる繊維等を用いることができる。
吸音層用母材繊維と吸音層用熱可塑性繊維との配合比は、吸音層用母材繊維を40〜80重量%、吸音層用熱可塑性繊維を20〜60重量%と、吸音層用熱可塑性繊維の配合比を補強層の架橋用繊維の配合比よりも少なくするのが好ましい。吸音層用熱可塑性繊維の配合比を前記下限以上にすると吸音層用母材繊維どうしを十分に接着して吸音層に良好な保形性を付与することができるためであり、吸音層用熱可塑性繊維の配合比を前記上限以下にすると良好な通気性が得られ、良好な吸音性能が得られるためである。
架橋用繊維に芯繊維と該芯繊維よりも融点の低い鞘繊維とから構成される繊維を用いると、鞘繊維が加熱溶融されても、該鞘繊維よりも融点が高い芯繊維が加熱溶融されにくいので、芯鞘構造の架橋用繊維が母材繊維どうしを架橋して補強層の強度を向上させ、内装材の剛性をさらに向上させることが可能になる。
吸音層の単位面積当たりの重量は、500〜1500g/m2が好ましい。単位面積当たりの重量を前記下限以上にすると熱成形時に十分な圧縮強度が得られて良好な剛性が得られるからであり、単位面積当たりの重量を前記上限以下にすると良好な通気性が得られて良好な吸音性が得られるからである。吸音層の厚みは、2.0〜10.0mmが好ましく、4.0〜10.0mmがより好ましい。厚みを前記下限以上にすると良好な吸音性が得られ、厚みを前記上限以下にすると熱成形時に十分な圧縮強度が得られて良好な剛性が得られるからである。吸音層の密度は、0.05〜0.35g/cm3が好ましく、0.10〜0.30g/cm3がさらに好ましい。
なお、吸音層は、吸音機能を十分に発揮する一般部と屈曲部などの局所的な潰し部とを有する層とされてもよい。この場合、一般部よりも面積の少ない潰し部では、一般部よりも薄く潰されて0.5g/cm3程度とされてもよい。
吸音層の通気度を5cc/cm2/sec以上の高通気性とすると、吸音性が飛躍的に良好になる。これは、車室内から吸音層30へと向かう音波が吸音層30でほとんど反射せず、吸音層に進入して十分に音のエネルギーが吸収されるためと推察される。なお、吸音層の通気度を調節するためには密度や単位面積当たりの重量を調整すればよく、吸音層の密度を小さくしたり単位面積当たりの重量を小さくしたりすると通気度を大きくさせることができる。
遮音層40は、車外から車室へ向かう音を遮断する目的で吸音層30に対して車室側とは反対側の車外側の面に設けられた薄い層であり、非通気性の熱可塑性シートで構成される。熱可塑性シートには、熱可塑性樹脂をシート状に成形した樹脂シート、熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材を添加してシート状に成形した樹脂シート等があり、PE、PP、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂からなるシート、これらの熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材(例えば樹脂よりも少ない配合比)を添加した材質からなるシート、等を用いることができる。
遮音層の単位面積あたりの重量は、30〜1000g/m2が好ましい。単位面積あたりの重量を前記下限以上にすると成形品の絞り部において熱可塑性シートの破断が生じないからであり、単位面積あたりの重量を前記上限以下にすると良好な成形性が得られて容易に所望の形状に熱成形することができるからである。遮音層の厚みは、0.03〜1.0mmが好ましい。厚みを前記下限以上にすると成形品の絞り部において熱可塑性シートの破断が生じないからであり、厚みを前記上限以下にすると熱成形時に良好な成形性が得られて容易に所望の形状に熱成形することができるからである。
非通気性の熱可塑性シートを積層することによって、本自動車用内装材の遮音性能が向上する。このとき遮音層40のみの遮音性能だけでなく、表皮層10、補強層20、吸音層30とを含めた層が遮音層として機能することによって遮音性能が向上する効果も得られる。
裏打ち層50は、遮音層40を構成する熱可塑性シートを加熱して成形型内へ持ち込む際に熱可塑性シートが変形することによって成形性が悪くなることなどを防ぎ、ハンドリング性を高める目的で、遮音層の車外側の面に設けられる薄い層である。裏打ち層には、不織布を用いるのが好ましく、低目付不織布を用いるのがさらに好ましい。裏打ち層に用いる不織布には、熱可塑性樹脂の繊維からなる不織布、熱可塑性樹脂に充てん材等の添加材を添加した繊維からなる不織布等があり、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、PP、PE、PET等の樹脂を比較的高い融点を有するように組成して形成した繊維からなる不織布、これらの樹脂に充てん材等の添加材(例えば樹脂よりも少ない配合比)を添加した材質の繊維からなる不織布、等を用いることができる。
裏打ち層の単位面積あたりの重量は、15〜100g/m2が好ましい。単位面積あたりの重量を前記下限以上にすると遮音層を構成する熱可塑性シートを加熱したときに該シートのドローダウンが十分に小さくなるからであり、単位面積あたりの重量を前記上限以下にすると熱成形時に良好な成形性が得られて容易に所望の形状に熱成形することができるからである。裏打ち層の厚みは、0.05〜1.0mmが好ましい。厚みを前記下限以上にすると遮音層を構成する熱可塑性シートを加熱したときに該シートのドローダウンが十分に小さくなるからであり、厚みを前記上限以下にすると熱成形時に良好な成形性が得られて容易に所望の形状に熱成形することができるからである。
裏打ち層を設けることによって、熱可塑性シートを加熱溶融させた状態で成形型内に持ち込む際に、熱可塑性シートがだれたり変形したりすることがなくなるため、熱可塑性シートのハンドリング性が格段に向上する。
(2)自動車用内装材の製造方法:
次に、図3を参照しながら本自動車用内装材の製造方法を説明する。
(2−1)積層体の形成:
まず、吸音層30と補強層20とを少なくとも重ねてニードリングして加熱することにより補強層を構成する熱可塑性繊維を加熱溶融させて積層体60を形成する。本実施形態では、表皮層10と補強層20と吸音層30とを重ねてニードリングして熱風を供給することにより表皮層10と補強層20と吸音層30とに存在する熱可塑性繊維を加熱溶融させて積層体を形成する。具体的な一例を挙げると、まず、表皮層10を構成する繊維と補強層20を構成する繊維と吸音層30を構成する繊維とをこの順に重ねて僅かにニードリングを施し、各層10,20,30を交絡させて一体化する。続いて、サクションヒータ(熱風循環ヒータ)により熱風加熱を行って、補強層の架橋用繊維(芯鞘構造の繊維の場合は鞘繊維)の融点以上、かつ、補強層の母材繊維の融点未満の温度であって母材繊維の融点に近い温度まで予備加熱を行い、架橋用繊維(芯鞘構造の繊維の場合は鞘繊維)をほぼ溶融させた状態でプレス成形型の中へ持ち込む。吸音層30に吸音層用熱可塑性繊維が含まれている場合には、熱風による加熱温度を吸音層用熱可塑性繊維の融点以上、かつ、吸音層用母材繊維の融点未満であって吸音層用母材繊維の融点に近い温度とする。表皮層10に表皮層用熱可塑性繊維が含まれている場合には、熱風による加熱温度を表皮層用熱可塑性繊維の融点以上、かつ、表皮層用母材繊維の融点未満であって表皮層用母材繊維の融点に近い温度とする。すると、吸音層用熱可塑性繊維や表皮層用熱可塑性繊維がほぼ溶融された状態でプレス成形型の中へ持ち込まれる。
各層10,20,30は、熱風加熱によって内部までほぼ均一に加熱されるため、各層10,20,30において成形温度の偏りが生じず、熱成形時に成形性の良好な積層体60を形成することができる。
(2−2)結着体の形成:
また、遮音層40と裏打ち層50とを重ねて加熱することにより遮音層を構成する熱可塑性シートを溶融させて裏打ち層と遮音層とを結着させた結着体70を形成する。本実施形態では、遮音層40と裏打ち層50とを重ねて輻射加熱することにより結着体70を形成する。具体的な一例を挙げると、遮音層40を構成する熱可塑性シートと裏打ち層50を構成する不織布とを重ねてインフラヒータ(赤外線ヒータ)により輻射加熱を行って、遮音層40を構成する熱可塑性シートの融点以上に加熱を行い、熱可塑性シートを加熱軟化状態にして裏打ち層50と一体化させ、プレス成形型の中へ持ち込む。
各層40,50は、輻射加熱によってほぼ均一に加熱することができるので、各層40,50において成形温度の偏りが生じず、熱成形時に成形性の良好な結着体70を形成することができる。
(2−3)熱成形:
プレス成形型は互いに近接離反可能な一対の成形型からなり、型面が車室SP1の形状(例えば自動車の室内立壁)に合わせた所望の形状とされている。加熱された成形前の素材を一対の成形型の間に配置して両成形型を近接させる型締めを行うと、該素材はプレス成形(熱成形の一種)される。その後、両成形型を離反させて両成形型の間から素材を取り出すことにより、プレス成形された素材を製造することができる。
本実施形態では、車室の形状に合わせた形状とされたプレス成形型の中で結着体70における遮音層40側と積層体60における吸音層30側とを重ねて型締めしてプレス成形することにより、車室の形状に合わせて成形された自動車用内装材100を製造する。すなわち、表皮層10、補強層20、吸音層30、遮音層40、裏打ち層50、をこの順に重ねた状態にして一対の成形型の間に配置して、型締めしてプレス成形することにより、自動車の車体パネルなどに沿う形状に成形加工し、各層10〜50を積層した自動車用内装材100を形成する。
このとき、補強層20を構成する架橋用繊維(芯鞘構造の繊維では鞘繊維)は、熱風により加熱されて溶融状態とされており、型締めにより押し潰されながら、補強層中の溶融していない母材繊維どうしを橋渡しするように溶け拡がる。また、補強層の溶融状態の架橋用繊維は、吸音層30を構成する繊維(特に吸音層用母材繊維)と補強層中の母材繊維とを橋渡しして吸音層30と補強層20とを接着させたり、表皮層10を構成する繊維と補強層中の母材繊維とを橋渡しして表皮層10と補強層20とを接着させたりする。吸音層30に吸音層用熱可塑性繊維が含まれる場合、吸音層用熱可塑性繊維は、熱風により加熱されて溶融状態とされており、型締めにより押し潰されながら、吸音層中の溶融していない吸音層用母材繊維どうしを橋渡しするように溶け拡がる。表皮層10に表皮層用熱可塑性繊維が含まれる場合、表皮層用熱可塑性繊維は、熱風により加熱されて溶融状態とされており、型締めにより押し潰されながら、表皮層中の溶融していない表皮層用母材繊維どうしを橋渡しするように溶け拡がる。
遮音層40を構成する熱可塑性シートは、輻射加熱されて溶融状態とされており、裏打ち層50を構成する不織布と接着しているとともに、型締めにより吸音層中の母材繊維とも接着して、裏打ち層50と吸音層30とを接着させる。
プレス成形後に温度が低下すると、補強層20で溶融状態であった架橋用繊維が再び固化して、補強層中の母材繊維どうしを接合させたり、吸音層の繊維と補強層の母材繊維とを架橋させたり、表皮層の繊維と補強層の母材繊維とを架橋させたりして、プレス成形された形状を保持させる。このとき、補強層20は、母材繊維と架橋用繊維とを配合した繊維を車室の形状に合わせて熱成形して形成されており、固化した架橋用繊維の間に通気性を保持した母材繊維が残されており、通気性の補強層とされる。表皮層10は、繊維を車室の形状に合わせて熱成形して形成されており、固化した表皮層用熱可塑性繊維や補強層の架橋用繊維の間に通気性を保持した繊維が残されており、通気性を有するように形成される。吸音層30は、繊維を車室の形状に合わせて熱成形して形成されており、固化した吸音層用熱可塑性繊維の間に通気性を保持した吸音層用母材繊維が残されており、通気性を有するように形成される。また、吸音層30は、成形型間のクリアランスに応じて、所望の嵩高性が維持されている。
遮音層40で溶融状態であった熱可塑性シートは、裏打ち層50の不織布とともに車室の形状に合わせて熱成形されて形成されており、再び固化して、プレス成形された形状を保持させる。
本内装材100は、積層体が内部までほぼ均一に熱風加熱され、結着体がほぼ均一に輻射加熱されるので、各層10〜50において加熱温度の偏りがほとんどなく、成形性に優れて良質の内装材に形成される。
また、補強層は架橋用繊維を多量に含むため、成形後は一定の剛性を有しており、本内装材において保形性を付与する役割も担っており、さらに熱可塑性シートが吸音層を介して積層されているため、補強層および熱可塑性シートの相互作用によってさらに剛性が高められ、成形保持性の極めて優れた成形品を製造することが可能となる。
以上説明したようにして、良質の自動車用内装材を容易に製造することができる。
(3)自動車用内装材の作用、効果:
本自動車用内装材100は、繊維を集合させた軽量の吸音層が熱可塑性シートからなる薄い遮音層と繊維から形成された薄い補強層とで挟まれて薄い裏打ち層で裏打ちされ薄い表皮層で覆われて熱成形されているので、軽量でありながら良好な剛性とされ、さらに、成形後も所要の形状を保つだけの良好な保形性が得られる。すなわち、補強層によって一定の剛性をもたせることができるとともに、繊維からなる吸音層を熱可塑性シートからなる遮音層と補強層とで挟むことによってさらなる剛性の向上という効果も得られる。また、熱可塑性シートからなる遮音層を加熱溶融させた状態で成形型内に持ち込む際に裏打ち層によって熱可塑性シートがだれたり変形したりしないため、熱可塑性シートのハンドリング性が格段に向上する。さらに、表皮層によって内装材としてふさわしい意匠性が付与され、外観の良好な内装材を提供することができる。
路上を高速走行する路上走行自動車では、比較的低速走行する路上外走行自動車と比べて比較的大きなロードノイズや風切り音が発生する。これらの音は、車外から車室内へ侵入しようとするが、内装材100の車外側には裏打ち層で裏打ちされた遮音層40が設けられているので、該遮音層40で反射され、車室内への侵入を遮断することができる。さらに、遮音層の車室側に嵩高な吸音層30が設けられているので、さらに確実に車外からの騒音の侵入を遮ることができる。一方、吸音層の車室側に設けられた補強層20と表皮層10とは、通気性を有するように形成されている。従って、車室内に侵入した音は、表皮層や補強層で反射されず、図2の矢印に示すように、表皮層10や補強層20を通過して通気性の吸音層30に進入して、吸音される。これにより、車外からの音の侵入を十分に防ぎながら車室内に侵入した音も十分に吸音することができ、車室内の乗員の耳に入る騒音を効果的に少なくさせ、自動車走行時の静粛性を向上させることができる。
(4)変形例:
なお、本発明は、種々の変形例が考えられる。
上述した各層を積層した状態で熱成形して自動車用内装材を得る際の熱成形は、プレス成形以外でもよく、真空成形や圧空成形や真空圧空成形といった差圧成形を併用したプレス成形等でもよい。
表皮層と補強層と吸音層を重ねて加熱して積層体を形成する際の加熱は、均一に加熱する点からは熱風加熱が好適であるものの、輻射加熱、熱した金属板を接触させる加熱、等でもよい。
遮音層と裏打ち層とを重ねて結着体を形成する際の加熱は、均一に加熱する点からは輻射加熱が好適であるものの、熱風加熱、熱した金属板を接触させる加熱、等でもよい。
図4に示すように、裏打ち層を設けずに各層10〜40を積層した状態で車室の形状に合わせて熱成形して自動車用内装材101を製造することも可能である。例えば、遮音層40を構成する熱可塑性シートを、だれたり変形したりするのがある程度抑えられる厚みにしたり、加熱温度をだれたり変形したりするのがある程度抑えられる温度にしたりすると、裏打ち層を省略することができる。そして、加熱された積層体と加熱された熱可塑性シートとを重ねてプレス成形することにより、内装材101が形成される。
本内装材101でも、車外から侵入しようとする音は非通気性の遮音層で反射されて車室内への通過が遮られる一方、車室内に侵入した音は通気性の表皮層および通気性の補強層を通過して吸音層に進入し、吸音される。また、繊維を集合させた軽量の吸音層が薄い熱可塑性シートからなる軽量の遮音層と繊維から形成された軽量の補強層とで挟まれて熱成形されているので、軽量でありながら良好な剛性とされ、さらに、成形後も所要の形状を保つだけの良好な保形性が得られる。
図5に示すように、表皮層を設けずに各層20〜40を積層した状態で車室の形状に合わせて熱成形して自動車用内装材102を製造することも可能である。この場合、補強層20と吸音層30とを重ねて加熱して積層体を形成し、該積層体と加熱された熱可塑性シートとを重ねてプレス成形することにより、内装材102が形成される。
本内装材101でも、車外から侵入しようとする音は非通気性の遮音層で反射されて車室内への通過が遮られる一方、車室内に侵入した音は通気性の補強層を通過して吸音層に進入し、吸音される。また、繊維を集合させた軽量の吸音層が薄い熱可塑性シートからなる軽量の遮音層と繊維から形成された軽量の補強層とで挟まれて熱成形されているので、軽量でありながら良好な剛性とされ、さらに、成形後も所要の形状を保つだけの良好な保形性が得られる。
むろん、補強層と吸音層と遮音層と裏打ち層とを積層した内装材も同様にして製造することができ、同様の作用、効果が得られる。
(5)実施例:
以下、実施例を示して具体的に本発明を説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
表皮層を形成する繊維には、母材繊維として繊度6.6デシテックス、繊維長51mm、融点260℃のPET繊維、表皮層用熱可塑性繊維(メルト繊維)として芯部分が融点260℃のPET繊維で鞘部分が融点110℃の低融点ポリエステル繊維の繊度4.4デシテックス、繊維長51mmの芯鞘構造繊維を用いた。母材繊維の配合比を92重量%、メルト繊維の配合比を8重量%として、両者を略均一に混合して表皮層を形成する繊維とした。
補強層を形成する繊維には、母材繊維として繊度6.6デシテックス、繊維長51mm、融点260℃のPET繊維、架橋用繊維(メルト繊維)として芯部分が融点260℃のPET繊維で鞘部分が融点110℃の低融点ポリエステル繊維の繊度4.4デシテックス、繊維長51mmの芯鞘構造繊維を用いた。母材繊維の配合比を30重量%、メルト繊維の配合比を70重量%として、両者を略均一に混合して補強層を形成する繊維とした。
吸音層を形成する繊維には、母材繊維として繊度6.6デシテックス、繊維長51mm、融点260℃のPET繊維、吸音層用熱可塑性繊維として繊度6.6デシテックス、繊維長51mm、融点160℃のPP繊維を用いた。母材繊維の配合比を68重量%、PP繊維の配合比を32重量%として、両者を略均一に混合して吸音層を形成する繊維とした。
遮音層を構成する熱可塑性シートには、単位面積当たりの重量が250g/m2、厚みが0.3mm、融点107℃のPEシートを用いた。
表皮層を形成する繊維については、単位面積当たりの重量が150g/m2、成形後に厚み0.5mmとなるよう、層状に広げて配置した。補強層を形成する繊維については、表皮層の車外側の面に、単位面積当たりの重量が150g/m2、成形後に厚み0.5mmとなるよう、層状に広げて配置した。吸音層を形成する繊維については、補強層の車外側の面に、単位面積当たりの重量が850g/m2、成形後に厚み4.5mmとなるよう、層状に広げて配置した。そして、表皮層と補強層と吸音層とをこの順に重ねた状態で僅かにニードリングを施し、各層を交絡させて一体化した。続いて、熱風循環ヒータを用いて熱風により220℃まで予備加熱して積層体を形成し、平板状の型面を有するプレス成形型の中へ持ち込んだ。
また、遮音層を構成する熱可塑性シートについて、赤外線ヒータを用いて輻射加熱により170℃まで予備加熱し、上記プレス成形型の中へ持ち込んだ。その際、結着体における遮音層側と熱可塑性シートとを重ねてプレス成形型の中に配置した。
そして、プレス成形型を型締めし、80秒間プレスして、厚み4.0mm、0.6m×0.6mの内装材の試験サンプルをプレス成形により形成した。
[実施例2]
表皮層を形成する繊維、補強層を形成する繊維、吸音層を形成する繊維、遮音層を構成する熱可塑性シートには、実施例1と同じものを用いた。
裏打ち層を構成する不織布には、単位面積当たりの重量が70g/m2、構成する繊維が繊度6.6デシテックス、繊維長51mm、融点260℃のPET繊維である不織布を用いた。
積層体については、実施例1と同じ条件で形成し、実施例1と同じプレス成形型の中へ持ち込んだ。
また、遮音層を構成する熱可塑性シートに裏打ち層を構成する不織布を重ね、赤外線ヒータを用いて輻射加熱により170℃まで予備加熱して結着体を形成し、上記プレス成形型の中へ持ち込んだ。その際、結着体における遮音層側と積層体における吸音層側とを重ねてプレス成形型の中に配置した。
そして、プレス成形型を型締めし、80秒間プレスして、厚み6.0mm、0.6m×0.6mの内装材の試験サンプルをプレス成形により形成した。
[比較例1]
本比較例は、図6に示したように、従来、主に自動車のデッキサイドトリムとして一般的に用いられている内装材を作製した例であり、概略、補強層が設けられていない内装材の例である。
表皮層1を形成する繊維には実施例1,2と同じ母材繊維およびメルト繊維を用い、母材繊維とメルト繊維の配合比も実施例1,2と同じにした。
バッキング層(遮音層2)を構成する熱可塑性シートには、実施例1,2と同じ単位面積当たりの重量、厚み、融点を有するPEシートを用いた。
剛性層(制振・吸音層3)を構成する繊維には、繊維径13μm、繊維長51mmのガラス繊維、および、繊度6.6デシテックス、繊維長51mm、融点160℃のPP繊維を用いた。ガラス繊維の配合比を40重量%、PP繊維の配合比を60重量%として、両者を略均一に混合して吸音層を形成する繊維とした。
表皮層を形成する繊維については、単位面積当たりの重量が150g/m2、成形後に厚み0.5mmとなるよう、層状に広げて配置し、ニードリングを施し、繊維を交絡させて不織布を作製した。その後、表皮層の裏側にPEシートを重ねて赤外線ヒータを用いて輻射加熱により170℃まで予備加熱して一体化して結着体を形成し、実施例1と同じプレス成形型の中へ持ち込んだ。
上記とは別に、剛性層を構成するガラス繊維およびPP繊維のマットにニードリングを施し、繊維を交絡させて一体化させ、単位面積当たりの重量が800g/m2、成形後の厚みが10mmとなるようにガラス繊維/PP繊維基材を作製した。続いて、熱風循環ヒータを用いて熱風により220℃まで予備加熱し、上記プレス成形型の中へ持ち込んだ。その際、結着体におけるバッキング層側とガラス繊維/PP繊維基材とを重ねてプレス成形型の中に配置した。
そして、プレス成形型を型締めし、80秒間プレスして、厚み4.0mm、0.6m×0.6mの内装材の比較サンプルをプレス成形により形成した。
[比較例2]
本比較例は、実施例1の内装材から遮音層を除いて表皮層と補強層と吸音層のみを積層した内装材の例である。従って、表皮層を形成する繊維、補強層を形成する繊維、吸音層を形成する繊維には、実施例1と同じものを用いた。
表皮層と補強層と吸音層とを積層した積層体については、実施例1と同じ条件で形成し、実施例1と同じプレス成形型の中へ持ち込んだ。
そして、プレス成形型を型締めし、80秒間プレスして、厚み4.0mm、0.6m×0.6mの内装材の比較サンプルをプレス成形により形成した。
[遮音性の評価方法]
実施例1の試験サンプルと比較例1の比較サンプルとを用い、それぞれ表皮層側からノイズを入射させたときの200Hz〜2.5kHzにおける透過損失を測定した。透過損失は、車両相当のパネル(鉄板0.8mm)上にフェルト(密度0.055g/cm3、厚み10mm)および各サンプルを表皮層側が無響室側となるように組み合わせ、パネル側からノイズを入射する音響インテンシティ法により測定した。
[吸音性の評価方法]
実施例1,2の試験サンプルと比較例1の比較サンプルとを用い、それぞれ表皮層側からノイズを入射させたときの200Hz〜5kHzにおける垂直入射吸音率を測定した。垂直入射吸音率はISO 10534-2「音響−インピーダンス管による吸音率およびインピーダンスの測定−」に準拠して1/3オクターブバンド中心周波数(Hz)の吸音率を測定した。
[評価結果]
結果を、図7と図8に示す。図7は、実施例1と比較例1とについて200Hz〜2.5kHzの1/3オクターブバンド毎の中心周波数(単位:Hz)に対する透過損失(単位:%)の測定結果をグラフにより示している。図8は、実施例1,2と比較例1とについて200Hz〜5kHzの1/3オクターブバンド毎の中心周波数(単位:Hz)に対する垂直入射吸音率(単位:%)の測定結果をグラフにより示している。
図7に示すように、実施例1の透過損失の値は比較例1の透過損失の値を上回り、特に中周波数域から高周波数域にかけて透過損失の差が大きくなった。透過損失が大きいほど車外からの音がより遮音されるということであるから、本発明の自動車用内装材は従来の内装材よりも優れた遮音性能を有することが確認された。
図8に示すように、裏打ち層を設けなかった実施例1の垂直入射吸音率の値は2.5kHz以上の高周波数域において比較例1の垂直入射吸音率の値を上回り、裏打ち層を設けた実施例2の垂直入射吸音率の値は800Hz程度以上の中周波数域から高周波数域にかけて比較例1の垂直入射吸音率の値を上回った。垂直入射吸音率が大きいほど車内に侵入した音がより吸音されるということであり、特に2kHz〜4kHz程度の高周波の音は人の近似的聴覚特性において感度の高い範囲であるため、本発明の自動車用内装材は従来の内装材よりも優れた吸音性能を有することが確認された。
[剛性の評価方法]
実施例1,2の試験サンプルと比較例2の比較サンプルとをそれぞれ150×50mmの大きさに切り出し、支点間距離を50mmとして2点で支持し、支点間の中心位置を速度50mm/minで押圧子により押圧し、発生する荷重を測定して、曲げ剛性の指標となる曲げ弾性勾配を得た。なお、曲げ試験はJIS K7171「プラスチック−曲げ特性の試験方法」において試験速度50mm/min、支点間距離50mmで試験を行った。曲げ弾性勾配は、曲げ弾性率より以下の式で計算を行い算出した。
(曲げ弾性勾配)=[弾性率×4×サンプル幅50mm×サンプル厚み(mm)3
/[支点間距離50mm3]×10
[評価結果]
上記3点曲げ試験によって得られた曲げ弾性勾配の測定結果を、以下に示す。
サンプル厚み(mm) 曲げ弾性勾配(N/cm)
実施例1(裏打ち層無し) 4.0 75
実施例2(裏打ち層有り) 6.0 85
比較例2(遮音層無し) 4.0 41
遮音層を設けていない比較例2では曲げ弾性勾配が41N/cmと比較的小さいのに対し、実施例1では曲げ弾性勾配が75N/cm、実施例2では曲げ弾性勾配が85N/cmと比較的大きかった。曲げ弾性勾配が大きいということは成形後の形状保持性能が大きいということであるから、本発明の内装材は吸音層を通気性の補強層と非通気性の熱可塑性シートで挟み、積層することによって、成形後の形状保持性が格段に向上することが確認された。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、車外からの音の侵入を十分に防止するとともに車室内に侵入した音を十分に吸音することができ、軽量でありながら剛性を向上させることができ、成形後も所要の形状を保つだけの保形性に優れた自動車用内装材およびその製造方法を提供することができる。
路上走行自動車の内装の要部を一部断面視して示す正面図。 自動車用内装材の要部を垂直断面にて示す図。 自動車用内装材の製造方法を示す図。 変形例の自動車用内装材の要部を垂直断面にて示す図。 変形例の自動車用内装材の要部を垂直断面にて示す図。 従来例の自動車用内装材の要部を垂直断面にて示す図。 1/3オクターブバンド毎の中心周波数に対する透過損失の測定結果を示す図。 1/3オクターブバンド毎の中心周波数に対する垂直入射吸音率の測定結果を示す図。
符号の説明
10…表皮層、
20…補強層、
30…吸音層、
40…遮音層、
50…裏打ち層、
60…積層体、
70…結着体、
100,101,102,108,109…自動車用内装材、
112…ドアアウターパネル(車体パネルの一種)、
114…ドアインナーパネル(車体パネルの一種)、
120…フロアパネル(車体パネルの一種)、
200…路上走行自動車、
SP1…車室

Claims (7)

  1. 自動車の車室に敷設される自動車用内装材であって、
    繊維を集合させた通気性の吸音層と、非通気性の熱可塑性シートからなり前記吸音層に対して車室側とは反対側の車外側の面に設けられた遮音層と、前記吸音層における車室側の面で少なくとも熱可塑性繊維を有する繊維を集合させて熱成形して形成される通気性の補強層と、を少なくとも積層した状態で車室の形状に合わせて熱成形して得られる自動車用内装材。
  2. 前記補強層の繊維は、母材繊維と、熱可塑性の芯繊維と該芯繊維の外周に形成された熱可塑性の鞘繊維であって該芯繊維よりも融点が低くされた鞘繊維とから構成される芯鞘構造の架橋用繊維と、を配合した繊維とされ、
    前記補強層は、前記母材繊維と前記架橋用繊維とを配合した繊維を前記車室の形状に合わせて熱成形して形成された通気性の補強層とされていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用内装材。
  3. 繊維を集合させた通気性の表皮層が前記補強層の車室側の面に設けられ、車外側から車室側へ順に、前記遮音層、前記吸音層、前記補強層、前記表皮層を少なくとも積層した状態で車室の形状に合わせて熱成形して得られる請求項1または請求項2に記載の自動車用内装材。
  4. 不織布からなる裏打ち層が前記遮音層の車外側の面に設けられ、車外側から車室側へ順に、前記裏打ち層、前記遮音層、前記吸音層、前記補強層を少なくとも積層した状態で車室の形状に合わせて熱成形して得られる請求項1〜請求項3のいずれかに記載の自動車用内装材。
  5. 前記吸音層と前記補強層とを重ねてニードリングして加熱することにより前記補強層を構成する熱可塑性繊維を加熱溶融させて積層体を形成するとともに、前記裏打ち層と前記遮音層とを重ねて加熱することにより前記遮音層を構成する熱可塑性シートを溶融させて前記裏打ち層と前記遮音層とを結着させた結着体を形成し、車室の形状に合わせた形状とされた成形型の中で前記結着体における前記遮音層側と前記積層体における前記吸音層側とを重ねて型締めして得られる請求項4に記載の自動車用内装材。
  6. 自動車の車室に敷設される自動車用内装材を製造するための自動車用内装材の製造方法であって、
    繊維を集合させた通気性の吸音層と、前記吸音層における車室側の面で少なくとも熱可塑性繊維を有する繊維を集合させて熱成形して形成される通気性の補強層と、を少なくとも重ねてニードリングして加熱することにより前記補強層を構成する熱可塑性繊維を加熱溶融させて積層体を形成し、
    非通気性の熱可塑性シートからなり前記吸音層に対して車室側とは反対側の車外側の面に設けられる遮音層と、不織布からなる裏打ち層と、を重ねて加熱することにより前記遮音層を構成する熱可塑性シートを溶融させて前記裏打ち層と前記遮音層とを結着させた結着体を形成し、
    車室の形状に合わせた形状とされた成形型の中で前記結着体における前記遮音層側と前記積層体における前記吸音層側とを重ねて型締めして熱成形することにより自動車用内装材を製造することを特徴とする自動車用内装材の製造方法。
  7. 前記吸音層と前記補強層とを重ねてニードリングして熱風を供給することにより前記補強層を構成する熱可塑性繊維を加熱溶融させて前記積層体を形成し、
    前記裏打ち層と前記遮音層とを重ねて輻射加熱することにより前記遮音層を構成する熱可塑性シートを溶融させて前記結着体を形成することを特徴とする請求項6に記載の自動車用内装材の製造方法。
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